JP2729311B2 - クラッチレリーズ用軸受ユニット - Google Patents

クラッチレリーズ用軸受ユニット

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JP2729311B2
JP2729311B2 JP32621288A JP32621288A JP2729311B2 JP 2729311 B2 JP2729311 B2 JP 2729311B2 JP 32621288 A JP32621288 A JP 32621288A JP 32621288 A JP32621288 A JP 32621288A JP 2729311 B2 JP2729311 B2 JP 2729311B2
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locking ring
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明に係るクラッチレリーズ用軸受ユニットは、
手動変速機付自動車のクラッチ機構に組み込んで使用す
るもので、特にプルタイプクラッチに組み込んで、変速
操作を行なう際に、ダイヤフラムばねの中央部を引っ張
るのに利用する。
(従来の技術) 手動変速機に付属するクラッチ機構は、エンジンのク
ランクシャフトと共に回転するフライホイールと、この
フライホイールに対向するクラッチディスクと、このク
ラッチディスクをフライホイールに向けて押圧するプレ
ッシャープレートと、このプレッシャープレートを上記
クラッチディスクに向けて押圧するダイヤフラムばね
と、動力伝達用の軸に沿って移動自在で、移動に伴なっ
てこのダイヤフラムばねの傾斜角度を変化させ、上記フ
ライホイールとクラッチディスクとの断接を制御するレ
リーズ用軸受ユニットとから構成する。
この様なクラッチ機構として従来は、クラッチを切る
場合(フライホイールとクラッチディスクとを離隔さ
せ、クランクシャフトの回転力が上記軸を介して変速機
に伝達されない様にする場合)にダイヤフラムばねの中
央部を押す、所謂プッシュタイプのものが広く使用され
ていた。
このプッシュタイプのクラッチ機構は、動力伝達時
(クラッチの接続時)には第11図に示す様に、ダイヤフ
ラムばね1の弾力によって、プレッシャープレート2を
介してクラッチディスク3をフライホイールに押し付け
る事により、エンジンの回転力が変速機に伝わる様にす
る。これに対し、変速操作を行なう為、エンジンの回転
力が変速機に伝わらない様にする場合には、別途設けた
レリーズ用軸受ユニットにより、ダイヤフラムばね1の
中央部を、フライホイールに向けて、第11図で下方に押
圧する。この結果、上記ダイヤフラムばね1の傾斜角度
が第12図に示す様に変化し、プレッシャープレート2に
よるクラッチディスク3の押圧力が解除される。
上述の様に構成され作用するプッシュタイプのクラッ
チ機構に対して、クラッチカバー4の変形を少なくし、
より大きな動力伝達を行なえる様にする為の構造とし
て、所謂プルタイプのクラッチ機構が、大型車両、或は
高出力エンジンを積んだ乗用車等を中心として、一部で
使用される様になっている。
このプルタイプのクラッチ機構は、動力伝達時には、
上述したプッシュタイプのクラッチ機構の場合と同様、
第13図に示す様に、ダイヤフラムばね1の弾力によっ
て、プレッシャープレート2を介してクラッチディスク
3をフライホイールに押し付ける事により、エンジンの
回転力を変速機に伝える。これに対して、変速操作を行
なう為、エンジンの回転力が変速機に伝わらない様にす
る場合には、レリーズ用軸受ユニットにより、ダイヤフ
ラムばね1の中央部を、フライホイールから離れる方向
に向けて、第13図で上方に引っ張る。
この結果、上記ダイヤフラムばね1の傾斜角度が、第
14図に示す様に変化し、プレッシャープレート2による
クラッチディスク3の押圧力が解除される。
上述の様なプルタイプのクラッチ機構は、具体的に
は、第15図に示す様に構成する。この様なプルタイプの
クラッチ機構の場合には、プッシュタイプのクラッチ機
構の場合と異なり、クラッチレリーズ用軸受ユニットを
二分割構成とし、このクラッチレリーズ用軸受ユニット
をクラッチ機構に組み付ける際には、二分割したクラッ
チレリーズ用軸受ユニットを組み合わせ結合しなければ
ならない。
この理由は、ダイヤフラムばね1を変形させる為のク
ラッチレリーズ用軸受ユニットを、総てダイヤフラムば
ね1の片側(プレッシャープレート2と反対側。第15図
の右側。)に設けるプッシュタイプのクラッチ機構の場
合に比べ、プルタイプのクラッチ機構の場合は、上記第
15図に示す様に、クラッチレリーズ用軸受ユニット5を
ダイヤフラムばね1の両側に配置しなければならない為
である。この様にクラッチレリーズ用軸受ユニット5を
ダイヤフラムばね1の両側に配置する事に伴って、プレ
ッシャープレート2と反対側に配置したトランスミッシ
ョン側ユニット6をレリーズフォーク7により(第15図
の右方に)引っ張った場合に、プレッシャープレート2
側にまで達する様にしてダイヤフラムばね1の内側に配
置したエンジン側ユニット8が、ダイヤフラムばね1の
内周縁部を引っ張る様に構成する必要がある。
上述の様にダイヤフラムばね1の両側に振り分けて配
置したトランスミッション側ユニット6とエンジン側ユ
ニット8との結合部には、クラッチ機構の作動時に、ダ
イヤフラムばね1を変形させる為に要する力に相当す
る、大きな引っ張り力が加わる。この為、上記結合部
は、十分に大きな引っ張り強度を有する事が必要である
のと同時に、クラッチ機構の組立時に両ユニット6、8
同士の結合が容易に行なわれる様にする事、更には摩耗
したクラッチディスク3を交換する場合等、クラッチ機
構の分解を行なう場合に、両ユニット6、8同士の分離
を容易に行なえる様に構成する事が必要である。
この為従来から、特開昭62−165023号公報(或は、米
国特許第4733764号明細書)には、第16〜18図に示す様
な、トランスミッション側ユニット6とエンジン側ユニ
ット8との結合、分離を行なう機構が示されている。
この従来のクラッチレリーズ用軸受ユニットの場合、
トランスミッション側ユニット6とエンジン側ユニット
8とを結合する場合には、先ず、第16図に示した様な両
ユニット6、8を、ダイヤフラムばね1を挟んで配置し
た状態から、トランスミッション側ユニット6をエンジ
ン側ユニット8に向けて、同図で左方に押す。そして、
トランスミッション側ユニット6の先端縁に形成した傾
斜面9と係止環10との係合により、係止環10を拡径しつ
つ、この係止環10をトランスミッション側ユニット6の
先端部外周縁に形成した係止突条11を乗り越えさせる。
この結果、トランスミッション側ユニット6とエンジ
ン側ユニット8とが、第17図に示す様に、係止環10を介
して結合された状態となる。
又、トランスミッション側ユニット6とエンジン側ユ
ニット8とを分離する場合には、第18図に示す様に、ト
ランスミッション側ユニット6に外嵌した押圧スリーブ
12により、係止環10を係止突条11に向けて押し付ける。
そして、この係止突条11の傾斜面13と係止環10との係合
により係止環10の直径を広げた状態で、トランスミッシ
ョン側ユニット6をエンジン側ユニット8の内側から抜
き出す。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上述の様に構成される従来のクラッチレリ
ーズ用軸受ユニットの場合、依然として、次に述べる様
な解決しなければならない問題点が存在する。
即ち、トランスミッション側ユニット6とエンジン側
ユニット8との分離作業を行なう為、押圧スリーブ12に
より係止環10を押圧しつつ、エンジン側ユニット8の内
側からトランスミッション側ユニット6を抜き取る作業
を行なう場合、上記押圧スリーブ12を押圧するタイミン
グと上記トランスミッション側スリーブ6を抜き取るタ
イミングとをうまく合わせない限り、両ユニット6、8
同士を分離できない。
ところが、ドライバ等の工具を使用して、上記押圧ス
リーブ12を強い力で押圧しつつ、上記トランスミッショ
ン側スリーブ6を抜き取る作業は面倒で、確実に行なう
為には熟練を要する。
上記押圧スリーブ12の外側にスライド筒を装着し、こ
のスライド筒を、上記押圧スリーブ12によって拡径され
た上記係止環10の内側に押し込む事により、押圧スリー
ブ12に加えられている押圧力を解除した後でも、係止環
10が拡径されたままの状態に保持する事も考えられる。
但し、スライド筒を設ける分だけ構造が複雑となり、部
品点数も増える為、好ましくない。
プルタイプクラッチ機構用のレリーズ軸受ユニットと
しては、この他にも、フランス特許第2601094号、同851
4934号等に係るものがあるが、何れも前記第16〜18図に
示したものと同様の問題を有する。
本発明のクラッチレリーズ用軸受ユニットは、上述の
用な不都合を何れも解消するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明のクラッチレリーズ用軸受ユニットのうち、請
求項1に記載したものは、軸に沿って移動自在なスリー
ブの周囲に固定されたアンビルと、このアンビルの内側
に装着されたレリーズ軸受と、このレリーズ軸受により
上記アンビルの内側に回転自在に支持されたトランスミ
ッション側作動筒と、一端部をダイヤフラムばねの内周
縁に係合したエンジン側作動筒とから成る。
特に、請求項1に記載したクラッチレリーズ用軸受ユ
ニットに於いては、上記トランスミッション側作動筒と
上記エンジン側作動筒とのうちの一方の作動筒の外周面
に形成した支持凹溝と、内周縁部をこの支持凹溝に係合
させた円環状の係止環と、上記トランスミッション側作
動筒と上記エンジン側作動筒とのうちの他方の作動筒の
内周面に形成した係止凹溝とを有する。
そして、上記係止環は、その外径を弾性的に収縮自在
で、且つ収縮時に、両端部に形成した係合部同士の係合
を自在としている。
又、上記他方の作動筒の内周面のうち、上記トランス
ミッション側作動筒と上記エンジン側作動筒との間に引
っ張り方向の力が作用する際に上記係止環の外周縁部と
係合する部分である、上記係止凹溝よりも一端寄り部分
の内径Rは、上記係合部同士が係合した際の上記係止環
の外径よりも大きく、上記他方の作動筒の内周面のう
ち、上記係止凹溝よりも他端寄り部分の内径rは、上記
係合部同士が係合した際の上記係止環の外径以下に、そ
れぞれ形成している。
更に、上記係止環の外周縁の他端側角部には第一の傾
斜面を、上記他方の作動筒の内周側一端寄り角部には、
この第一の傾斜面と摺接自在な第二の傾斜面を、上記係
止凹溝の他端側側面には、上記第一の傾斜面と摺接自在
な第三の傾斜面を、それぞれ形成している。
又、請求項5に記載したクラッチレリーズ用軸受ユニ
ットは、軸に沿って移動自在なスリーブに装着されたレ
リーズ軸受と、このレリーズ軸受により上記スリーブの
外側に回転自在に支持されたトランスミッション側作動
筒と、一端部をダイヤフラムばねの内周縁に係合したエ
ンジン側作動筒とを有する。
特に、請求項5に記載したクラッチレリーズ用軸受ユ
ニットに於いては、上記トランスミッション側作動筒と
上記エンジン側作動筒とのうちの一方の作動筒の内周面
に形成した支持凹溝と、外周縁部をこの支持凹溝に係合
させた円環状の係止環と、上記トランスミッション側作
動筒と上記エンジン側作動筒とのうちの他方の作動筒の
外周面に形成した係止凹溝とを有する。
そして、上記係止環は、その外径を弾性的に拡張自在
で、且つ拡張時に、両端部に形成した係合部同士の係合
を自在としている。
又、上記他方の作動筒の外周面のうち、上記トランス
ミッション側作動筒と上記エンジン側作動筒との間に引
っ張り方向の力が作用する際に上記係止環の内周縁部と
係合する部分である、上記係止凹溝よりも一端寄り部分
の外径dは、上記係合部同士が係合した際の係止環の内
径よりも小さく、係止凹溝よりも他端寄り部分の外径D
は、上記係合部同士が係合した際の係止環の内径以上
に、それぞれ形成している。
更に、係止環内周縁の他端側角部には第一の傾斜面
を、上記他方の作動筒の外周側一端寄り角部には、この
第一の傾斜面と摺接自在な第二の傾斜面を、上記係止凹
溝の他端側側面には、上記第一の傾斜面と摺接自在な第
三の傾斜面を、それぞれ形成している。
(作 用) 上述の様に構成する本発明のクラッチレリーズ用軸受
ユニットをクラッチ機構に組み込み、レリーズフォーク
の動きをダイヤフラムばねに伝達して、このダイヤフラ
ムばねを変位させる際の作用自体は、従来から知られて
いるクラッチレリーズ用軸受ユニットの場合と同様であ
る。
特に、本発明のクラッチレリーズ用軸受ユニットをダ
イヤフラムばねの内周縁部に着脱する場合は、それぞれ
次の様に機能して、着脱作業を容易に行なえる様にす
る。
先ず、請求項1に記載したクラッチレリーズ用軸受ユ
ニットをクラッチ機構に組み込む為、トランスミッショ
ン側作動筒とエンジン側作動筒とを互いに結合する場合
には、トランスミッション側作動筒とエンジン側作動筒
とを、互いに同心に配置した状態で互いに近付ける。そ
して、一方の作動筒の外周面に装着した係止環の外周縁
に形成した第一の傾斜面と、他方の作動筒に形成した第
二の傾斜面とを互いに当接させる。
この状態から、更に両作動筒同士を近付け合うと、第
一、第二の両傾斜面同士の摺接により係止環の外径が弾
性的に縮まり、この係止環が他方の作動筒の内側に入り
込む。但し、この際には、上記係止環の外径はR以下に
は縮まらないので、この係止環の両端部に形成した係合
部同士が係合する事はない。この為、上記係止環が上記
他方の作動筒の内周面に形成した係止凹溝に整合する
と、上記係止環の径が弾性的に拡がり、この係止環の外
周縁部と係止凹溝とが係合する。そして、レリーズフォ
ークによりトランスミッション側作動筒を引っ張った場
合に、この引っ張り力がそのままエンジン側作動筒に伝
達される様になる。
又、クラッチディスクを交換する為、クラッチ機構を
分解する場合等、上記トランスミッション側作動筒と上
記エンジン側作動筒とを切り離す場合には、トランスミ
ッション側、エンジン側両作動筒同士を、上述した結合
時よりも更に近付け合う。そして、上記係止環に形成し
た上記第一の傾斜面と、係止凹溝の側部に形成した第三
の傾斜面とを互いに摺接させつつ、この係止環を、他方
の作動筒の一部で上記係止凹溝よりも他端寄り部分の、
内径r部分に押し込む。この結果、上記係止環の内径が
十分に縮まって、この係止環両端の係合部同士が互いに
係合し、上記係止環の外径が、上記他方の作動筒の一端
部に存在する、内径R部分を通過自在な状態となる。そ
こで、この様に上記係止環の外径が縮まった状態のま
ま、上記他方の作動筒を上記一方の作動筒から引き離せ
ば、上記トランスミッション側、エンジン側両作動筒同
士を分離する事ができる。
又、請求項5に記載されたクラッチレリーズ用軸受ユ
ニットをクラッチ機構に組み込む為、トランスミッショ
ン側作動筒とエンジン側作動筒とを互いに結合する場合
には、トランスミッション側作動筒とエンジン側作動筒
とを互いに同心に配置した状態で互いに近付ける。そし
て、一方の作動筒の内周面に装着した、係止環の外周縁
に形成した第一の傾斜面と、他方の作動筒に形成した第
二の傾斜面とを互いに当接させる。この状態から、更に
両作動筒同士を近付け合うと、上記第一、第二の両傾斜
面同士の摺接により係止環の外径が弾性的に拡がり、こ
の係止環が他方の作動筒の外側に入り込む。但し、この
際には、上記係止環の内径はd以下には縮まらないの
で、両端部に形成した係合部同士が係合する事はない。
この為、上記係止環が上記他方の作動筒の外周面に形
成した係止凹溝に整合すると、上記係止環の径が弾性的
に縮まり、この係止環の内周縁部と係止凹溝とが係合す
る。そして、レリーズフォークによりトランスミッショ
ン側作動筒を引っ張った場合に、この引っ張り力がその
ままエンジン側作動筒に伝達される様になる。
又、クラッチディスクを交換する為、クラッチ機構を
分解する場合等、上記トランスミッション側作動筒と上
記エンジン側作動筒とを切り離す場合には、トランスミ
ッション側、エンジン側両作動筒同士を更に近付け合
い、上記係止環に形成した第一の傾斜面と係止凹溝の側
部に形成した第三の傾斜面とを互いに摺接させつつ、こ
の係止環の内側に、上記他方の作動筒の一部を成す、外
径D部分を押し込む。
この結果、上記係止環の内径が十分に拡がって、この
係止環の両端部に形成した係合部同士が互いに係合す
る。そして、上記係止環の内径が、この係止環の弾性に
拘らず拡がったままとなり、この係止環の内周縁部分
が、上記他方の作動筒の一端部に存在する、内径d部分
を通過自在な状態となる。そこで、この状態のまま、上
記他方の作動筒を一方の作動筒から引き離せば、上記ト
ランスミッション側、エンジン側両作動筒同士を分離す
る事ができる。
(実施例) 第1〜4図は、請求項1に記載された発明の実施例を
示している。駆動力伝達用の軸14(第15図参照)を回転
自在に挿通する為の円筒状のフロントカバー15には、合
成樹脂製のスリーブ16を、軸方向(第1図の左右方向)
に亙る摺動自在に外嵌している。このスリーブ16には、
金属板製の支持板17の内周縁部をインサートしており、
この支持板17の外周縁部に、円環状のアンビル18を固定
している。このアンビル18の直径方向反対位置に、それ
ぞれ直径方向外方に突出する状態で形成した係止部19に
は、クラッチペダル(図示せず)の踏み込みに伴なって
回動するレリーズフォーク7の先端部を当接させる事に
より、上記クラッチペダルの踏み込みに伴ない、クラッ
チレリーズ用軸受ユニット5を、第1図の右方に引っ張
れる様にしている。
この様なアンビル18の内周側端部と上記支持板17の外
周側端部との間には、レリーズ軸受20を構成する外輪21
を挟持固定している。このレリーズ軸受20は、上記外輪
21の内周面に形成した内方軌道22と内輪23の外周面に形
成した外方軌道24との間に、複数の玉25を設ける事によ
り構成した、深溝型の玉軸受である。このレリーズ軸受
20を構成する外輪21の端面と上記支持板17の内側面との
間には、環状の皿板ばね27を設けて、レリーズ軸受20の
自動調心を図っている。
一方、ダイヤフラムばね1の中心部に挿通したエンジ
ン側作動筒26の先端部外周面には、引っ張り環28を装着
し、この引っ張り環28を、上記ダイヤフラムばね1中央
部のクラッチディスク3(第15図参照)に対向する部分
に当接させている。尚、29は、エンジン側作動筒26から
この引っ張り環28が抜け出るのを防止する為のストップ
リング、30は、ダイヤフラムばね1と引っ張り環28とを
ストップリング29に向けて押圧する為の皿板ばねであ
る。上記エンジン側作動筒26は、この皿板ばね30と、上
記引っ張り環28及びストップリング29とにより、ダイヤ
フラムばね1の中心部に装着している。
この様にして、ダイヤフラムばね1の中心部に装着し
たエンジン側作動筒26の基端側外周面には、その全周に
亙って支持凹溝31を形成しており、この支持凹溝31に、
欠円環状の係止環32の内周縁部を係合させている。第2
図に示す様な欠円環状に形成した、この係止環32は、外
径を広げる方向の弾力を有し、その両端部には、互いに
係合する、鉤状の係合部37、37を形成している。
尚、図示の実施例の場合は、エンジン側作動筒26の基
端部に形成した段部33の内側面と、この段部の端に装着
したストップリング34との間を支持凹溝31としている。
これと共に、この支持凹溝31の開口縁部と係止環32の内
周端側面とに形成した係止突部35、36同士を係合させる
事により、上記係止環32が支持凹溝31から抜け出るのを
防止している。
更に、前記レリーズ軸受20の内輪23の先端寄り部分
は、前記外輪21よりも先端側(第1図の左側)に突出さ
せており、この内輪23に、トランスミッション側作動筒
としての役目を果たさせる様にしている。従って、この
内輪23の先端部の内周面に、係止凹溝38を形成してい
る。
この様な、トランスミッション側作動筒としても機能
する内輪23の内周面で、請求項1に記載した一端寄り部
分に相当する。上記係止凹溝38よりも先端寄り部分39の
内径Rは、請求項1に記載した他端寄り部分に相当す
る、係止凹溝38よりも基端寄り部分40の内径rよりも大
きく(R>r)している。
即ち、上記先端寄り部分39の内径Rは、両端の係合部
37、37同士が係合する際に於ける係止環32の外径よりも
大きくして、この係止環32を先端寄り部分39の内側を通
過させた場合にも、その両端の係合部37、37同士が係合
しない様にしている。一方、基端寄り部分40の内径r
は、両端の係合部37、37同士が係合した際に於ける係止
環32の外径と同じか、この外径よりも小さくして、この
係止環32を基端寄り部分40の内側に押し込んだ場合に
は、その両端の係合部37、37同士が係合し、係止環32の
径が縮まった状態のままになる様にしている。
上述の様な係止環32の外周縁の一端部で基端側(第1
図の右側)角部には、第一の傾斜面41を、トランスミッ
ション側作動筒である内輪23の内周側先端寄り角部に
は、上記第一の傾斜面41と摺接自在な第二の傾斜面42
を、それぞれ形成している。そして、分離状態にあるエ
ンジン側作動筒26と内輪23とを互いに近付けた場合、第
一、第二の両傾斜面41、42同士の摺接により、係止環32
の外径が或る程度(両端の係合部37、37同士が係合しな
い程度)だけ縮まり、この係止環32が上記先端寄り部分
39を通過して、係止凹溝38の内側に迄達する事ができる
様にしている。
又、上記係止凹溝38の基端側(第1図の右側)側面に
は、上記第一の傾斜面41と摺接自在な第三の傾斜面43を
形成している。そして、互いに組み合わされた状態にあ
るエンジン側作動筒26と内輪23とを、更に近付ける方向
に移動させた場合、第一、第三の両傾斜面41、43同士の
摺接により係止環32の外径が十分に縮まり、この係止環
32の両端の係合部37、37同士が互いに係合して、この係
止環32の径が縮まったままの状態になる様にしている。
上述の様に構成する本発明のクラッチレリーズ用軸受
ユニット5を、第15図に示す様なプルタイプのクラッチ
機構に組み込み、レリーズフォーク7の動きをダイヤフ
ラムばね1の中央部に伝達して、このダイヤフラムばね
1の傾斜角度を変化させ、クラッチディスク3とフライ
ホイール44(第15図参照)とを離隔させて、エンジンの
駆動力が変速機に伝達されない様にする際の作用自体
は、従来からのクラッチレリーズ用軸受ユニットの場合
と同様である。
特に、本発明のクラッチレリーズ用軸受ユニット5
を、ダイヤフラムばね1の中央部に着脱する場合、次に
述べる様に、比較的簡単な操作で行なう事ができる。
先ず、クラッチ機構を組み立てる為、トランスミッシ
ョン側作動筒として機能するレリーズ軸受20の内輪23
と、予めダイヤフラムばね1の中央部に装着しておいた
エンジン側作動筒26とを互いに結合する場合には、内輪
23とエンジン側作動筒26とを、互いに同心に配置した状
態で互いに近付ける。そして、エンジン側作動筒26の基
端部外周面に装着した係止環32の外周縁に形成した第一
の傾斜面41と、内輪23の先端部に形成した第二の傾斜面
42とを互いに当接させる。
この状態から、更に内輪23とエンジン側作動筒26とを
互いに近付け合うと、第一、第二の両傾斜面41、42同士
の摺接により、エンジン側作動筒26の基端部外周面に装
着した係止環32の外径が或る程度だけ(外径がRとなる
迄)弾性的に縮まり、この係止環32が内輪23の内周面に
先端寄り部分39の内側に入り込む。但し、この状態で
は、係止環32の両端に設けた係合部37、37同士が互いに
係合する事はない。
従って、内輪23とエンジン側作動筒26とを更に近付け
合い、係止環32が内輪23の先端部内周面に形成した係止
凹溝38に整合すると、係止環32の外径が弾性的に拡が
る。そして、この係止環32の外周縁部と係止凹溝38とが
係合して、内輪23とエンジン側作動筒26とを引き離す事
が不能となる。
この為、内輪23を含むレリーズ軸受20を固定したアン
ビル18を、レリーズフォーク7の回動に伴なって第1図
の右方に引っ張った場合に、この引っ張り力がそのまま
エンジン側作動筒26に伝達される。そして、前記ストッ
プリング29及び引っ張り環28を介してダイヤフラムばね
1の中央部が引っ張られて、このダイヤフラムばね1が
変位し、クラッチディスク3とフライホイール44とが互
いに離隔する様になる。
又、クラッチディスク3を交換する為、クラッチ機構
を分解する場合等、内輪23とエンジン側作動筒26とを切
り離す場合には、第1図に示した状態から、内輪23とエ
ンジン側作動筒26とを、(両部材23、26同士の重なり量
が、より多くなる様に)更に近付け合う。そして、上記
係止環32に形成した第一の傾斜面41と、上記係止凹溝38
の側部に形成した第三の傾斜面43とを突き当てる。この
状態から、更に両部材23、26同士を近付けると、上記第
一、第三の傾斜面41、43同士が互いに摺接しつつ、上記
係止環32が、内輪23の内周面の一部で、小さな内径rを
有する基端寄り部分40に押し込まれる。
この結果、係止環32の内径が十分に縮まり、この係止
環32の両端に形成した係合部37、37同士が互いに係合し
て、係止環32の外径が、内輪23の一部で、内径Rを有す
る先端寄り部分39を通過自在な状態のままに保持され
る。そこで、この状態のまま、内輪23とエンジン側作動
筒26とを互いに引き離せば、内輪23とエンジン側作動筒
26とを分離する事ができる。
尚、内輪23とエンジン側作動筒26とを結合する為の係
止環32は、炭素鋼、或はステンレス鋼等、十分な剛性と
弾力性とを有する材料により造る。この場合に於いて、
弾力性が大き過ぎて、上記傾斜面41、42、43同士の係合
によりこの係止環32の外径を縮められない場合には、第
2図に鎖線で示す様に、係止環32の内周面複数箇所に除
肉部45、45を形成し、この係止環32の弾力性を弱める事
もできる。更に、上記係止環32の両端部に形成する係合
部37、37の形状も、第2図に示す様なものの他、第3〜
4図に示した様なものとする事もできる。
次に、請求項5に記載された発明の実施例に就いて説
明する。前述の第1〜2図に示したものと同様に、円筒
状で、フロントカバー15(第15図参照)の外側に、動力
伝達用の軸14に沿う移動自在に嵌装したスリーブ16の先
端部には、レリーズ軸受20の内輪23を、ストップリング
46と皿板ばね27とを介して装着している。
そして本実施例の場合には、このレリーズ軸受20を構
成する外輪21を、トランスミッション側作動筒として機
能させる様にしている。即ち、図示しないアンビルから
スリーブ16に伝えられた引っ張り力は、深溝型のレリー
ズ軸受20を構成する内輪23、複数の玉25、外輪21を介し
て係止環32に伝達され、更にダイヤフラムばね1の中央
部に装着したエンジン側作動筒26に伝わる様にしてい
る。
このエンジン側作動筒26の内周面には、支持凹溝31を
形成しており、この支持凹溝31に、円環状の係止環32の
外周縁部を係合させている。この様に支持凹溝31に係止
環32を係合させる為の構造は、内周側と外周側とが逆に
なる以外、前記第1図に示した実施例の場合と同様であ
る。
但し、本実施例の場合には、上記支持凹溝31に装着し
た係止環32は、前述の第1〜4図に示した実施例の場合
とは異なり、その外径を弾性的に拡張自在で、その径を
小さくする方向の弾力を有する。
そして、本実施例の場合、上記係止環32の両端部に
は、第6〜7図に示す様に、この係止環32の拡張時(径
が大きくなった場合)に互いに係合して、そのままの状
態(径が大きくなったままの状態)を維持させる、係合
部37、37を形成している。
又、上記レリーズ軸受20を構成する外輪21の外周面中
間部には、上記係止環32の内周縁部を係合させる為の係
止凹溝38を形成している。更に、上記外輪21の外周面
で、請求項5に記載した一端寄り部分である、上記係止
凹溝38よりも先端寄り部分47の外径dは、請求項5に記
載した他端寄り部分である、係止凹溝38よりも基端寄り
部分48の外径Dよりも小さく(d<D)している。
即ち、上記先端寄り部分47の外径dは、両端の係合部
37、37同士が係合した際に於ける係止環32の内径よりも
小さくしている。そして、この係止環32を、上記先端寄
り部分47の外側を通過させた場合にも、その両端の係合
部37、37同士が係合しない様にしている。一方、上記基
端寄り部分48の外径Dは、両端の係合部37、37同士が係
合した際に於ける係止環32の内径と同じか、この内径よ
りも大きくしている。そして、この係止環32を、基端寄
り部分48の外側に押し込んだ場合には、その両端の係合
部37、37同士が係合し、上記係止環32の径が拡がった状
態のままになる様にしている。
上述の様な係止環32の内周縁の一端部で、基端側(第
5図の右側)角部には第一の傾斜面49を、トランスミッ
ション側作動筒である外輪21の外周側先端寄り角部に
は、この第一の傾斜面49と摺接自在な第二の傾斜面50
(図示の実施例の場合、断面が円弧状に形成されている
が、機能上は通常の傾斜面と全く同様である。)を、そ
れぞれ形成している。そして、分離状態にあるエンジン
側作動筒26と外輪21とを互いに近付けた場合、第一、第
二の両傾斜面49、50同士の摺接により係止環32の内径が
或る程度だけ拡がり、この係止環32が上記先端寄り部分
47を通過して、係止凹溝38の内側に迄達する事ができる
様にしている。
又、上記係止凹溝38の基端側(第5図の右側)側面に
は、上記第一の傾斜面49と摺接自在な第三の傾斜面51を
形成している。そして、互いに組み合わされた状態にあ
るエンジン側作動筒26と外輪21とを、更に互いに近付け
る(外輪21を、更にエンジン側作動筒26の奥に迄押し込
む)方向に移動させた場合に、これら第一、第三の両傾
斜面49、51同士の摺接により、係止環32の内径が十分に
拡がり、この係止環32の両端の係合部37、37同士が互い
に係合して、この係止環32の径が拡がったままの状態に
なる様にしている。
上述の様に構成する、本実施例のクラッチレリーズ用
軸受ユニット5をクラッチ機構を組み付ける為、トラン
スミッション側作動筒としての機能を有する外輪21とエ
ンジン側作動筒26とを互いに結合する場合には、外輪21
とエンジン側作動筒26とを互いに同心に配置した状態で
互いに近付ける。そして、上記エンジン側作動筒26の内
周面に形成した支持凹溝31に装着した係止環32の内周縁
に形成した第一の傾斜面49と、上記外輪21の先端縁に形
成した第二の傾斜面50とを互いに当接させる。
この状態から、更に外輪21とエンジン側作動筒26とを
互いに近付け合うと、第一、第二の両傾斜面49、50同士
の摺接により、エンジン側作動筒26の基端部内周面に装
着した係止環32の内径が或る程度だけ拡がり、この係止
環32が外輪21の内周面の先端寄り部分47の内側に入り込
む。但し、この状態では、上記係止環32の内径がd迄し
か拡がらない為、この係止環32の両端に設けた係合部3
7、37同士が互いに係合する事はない。
従って、上記外輪21とエンジン側作動筒26とを更に近
付け合い、係止環32が外輪21の先端部外周面に形成した
係止凹溝38に整合すると、係止環32の外径が弾性的に縮
まる。そして、この係止環32の内周縁部と係止凹溝38と
が係合して、外輪21とエンジン側作動筒26とを引き離す
事が不能になる。
この為、外輪21を含むレリーズ軸受20を固定したアン
ビルを、レリーズフォークの回動に伴なって第5図の右
方に引っ張った場合に、この引っ張り力がそのままエン
ジン側作動筒26に伝達される。そして、ストップリング
29、引っ張り環28を介してダイヤフラムばね1の中央部
が引っ張られ、このダイヤフラムばね1が変位し、クラ
ッチディスク3とフライホイール44(第15図参照)とが
互いに離隔する様になる。
又、クラッチディスク3を交換する為、クラッチ機構
を分解する場合等、外輪21とエンジン側作動筒26とを切
り離す場合には、第5図に示した状態から、外輪21とエ
ンジン側作動筒26とを、(外輪21がエンジン側作動筒26
の中央部に移動する様に)更に近付け合い、上記係止環
32に形成した第一の傾斜面49と係止凹溝38の側部に形成
した第三の傾斜面51とを突き当てる。この状態から、更
に両部材21、26同士を近付けると、上記第一、第三の傾
斜面49、51同士が互いに摺接しつつ、係止環32が、外輪
21の外周面の一部で、大きな外径Dを有する基端寄り部
分48に押し込まれる。
この結果、上記係止環32の内径が十分に拡がり、この
係止環32の両端に形成した係合部37、37同士が互いに係
合する。そして、上記係止環32の内径が、外輪21の先端
部の、外径dを有する先端寄り部分47を通過自在な状態
のままに保持される。そこで、この状態のまま、外輪21
とエンジン側作動筒26とを互いに引き離せば、外輪21と
エンジン側作動筒26とを分離する事ができる。
次に、第8〜10図は、本発明のクラッチレリーズ用軸
受ユニットの別の実施例を示している。本実施例の場
合、トランスミッション側作動筒であるレリーズ軸受20
の内輪23とエンジン側作動筒26とを結合する為の係止環
32を、保持器52と、この保持器52に回転自在に保持され
る複数の転動体である、例えば玉53、53とで構成してい
る。この様に構成する事により、上記係止環32と内輪23
との係合時に於ける摩擦を、滑り摩擦から転がり摩擦に
変え、上記内輪23とエンジン側作動筒26との係脱を軽い
力で行なえる様にしている。
即ち、ダイヤフラムばね1の中央部に装着した係止環
32は、保持器52と複数の玉53、53とから構成している。
このうちの保持器52は、合成樹脂等、弾性変形自在な材
料により造り、両端部に係合部37、37を有する。又、上
記複数の玉53、53は、上記保持器52に、回転のみ自在に
保持している。
上記レリーズ軸受20を構成する内輪23の先端部外周面
には、一側を傾斜面54(前記第三の傾斜面43、或は第三
の傾斜面51に相当する。)とした係止凹溝38を形成して
いる。又、上記内輪23の外周面で、この係止凹溝38より
も先端寄り部分55の外径dを、係止凹溝38よりも基端寄
り部分56の外径Dよりも小さく(d<D)している。
本実施例の場合、1個の保持器52と複数の玉53、53と
を組み合わせたものが、係止環32としての役目を果た
す。従って、上記先端寄り部分55の外径dを、保持器52
の両端に形成した係合部37、37同士が係合した際に於け
る、複数の玉53、53の最大内接円の直径よりも小さくし
ている、上記外径dをこの様に規制する事により、上記
係止環32を上記先端寄り部分55の外側を通過させた場合
にも、上記保持器52の両端に形成した係合部37、37同士
が係合しない様にしている。
一方、上記内輪23の基端寄り部分56の外径Dは、両端
の係合部37、37同士が係合した際に於ける、複数の玉5
3、53の最大内接円の直径と同じか、この直径よりも大
きくしている。そして、保持器52と玉53、53とから成る
係止環32を、基端寄り部分56の外側に移動させた場合
に、保持器52の両端部に形成した係合部37、37同士が係
合し、係止環32の径が拡がったままの状態となる様にし
ている。
そして、本実施例の場合、上記複数の玉53、53の表面
の一部が、前記各実施例に於いて係止環32に形成した、
第一の傾斜面41(請求項1に記載した発明の場合)或は
第一の傾斜面49(請求項5に記載した発明の場合)に代
わって、内輪23の先端縁に形成した傾斜面57(第二の傾
斜面42、或は第二の傾斜面50に相当する。)、及び前記
傾斜面54と係合する。
従って本実施例の場合は、この複数の玉53、53が、内
輪23の先端縁に形成した傾斜面57、或は前記傾斜面54と
係合する事により、係止環32による内輪23とエンジン側
作動筒26との係脱を行なう事ができる。
特に、本実施例の場合には、前述の様に、玉53、53と
傾斜面54、57との摩擦状態は、滑り摩擦から転がり摩擦
に変わる為、玉53、53と傾斜面54、57との係合を軽い力
で行なえる。
しかも本実施例の場合には、上記内輪23とエンジン側
作動筒26との係合時に、内輪23からエンジン側作動筒26
に引っ張り力を伝達するのは、玉53、53であり、保持器
52は単にこの玉53、53を保持するだけとなる。この為、
保持器52を、弾性変形し易い合成樹脂や、断面積の小さ
な金属材により造る事が可能となり、内輪23とエンジン
側作動筒26とを係脱させる為に要する力を、より低減化
する事ができる。
尚、この様な保持器52と玉53、53とら成る係止環32
は、第8図に示す様な構造のクラッチレリーズ用軸受ユ
ニット5に限らず、第1図に示した様な軸受ユニットに
も、或は第5図に示した様な軸受ユニットにも、それぞ
れ組み込んで使用する事ができる。
又、請求項1に記載した発明の場合、第1図に示した
様に、レリーズ軸受20の内輪23の内周面に係止凹溝38を
形成する他、外輪21を内輪23よりも幅広に形成し、この
外輪21の内周面に係止凹溝38を形成する事もできる。但
し、この場合には、内輪23をアンビル18に対し固定し、
外輪21を回転させる。
同様に、請求項5に記載した発明の場合、第5図に示
した様に、レリーズ軸受20の外輪21の外周面に係止凹溝
38を形成する他、内輪23を外輪21よりも幅広に形成し、
この内輪23の内周面に係止凹溝38を形成する事もでき
る。但し、この場合には、外輪21を固定し、内輪23を回
転させる。
又、場合によっては、トランスミッション側作動筒を
レリーズ軸受20とは独立させ、このトランスミッション
側作動筒を、レリーズ軸受20の外輪21或は内輪23に固定
する事もできる。この場合は、レリーズ軸受20として、
汎用の深溝型玉軸受を使用する事ができる。
又、第8〜10図を除く各実施例に於いて使用する係止
環32として、断面が角型のものに代えて、円形のものを
使用する事もできる。
更に、図示の各実施例の場合と逆に、係止環32を装着
する支持凹溝31をトランスミッション側作動筒(レリー
ズ軸受20の外輪21或は内輪23と一体にする場合を含
む。)に形成し、係止凹溝38をエンジン側作動筒26に形
成する事もできる。
(発明の効果) 本発明のクラッチレリーズ用軸受ユニットは、以上に
述べた通り構成され作用する為、比較的少ない部品で簡
単な構造であるにも拘らず、トランスミッション側作動
筒とエンジン側作動筒との結合、分離を容易に行なう事
ができる。従って、プルタイプのクラッチ機構の組立、
修理を容易に行なえる様にする事ができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は、請求項1に記載された発明の実施例を示
しており、第1図はクラッチレリーズ用軸受ユニットの
半部断面図、第2図は係止環の第1例を示す正面図、第
3図は同じく第2例を示す正面図、第4図は第3図のA
矢視図、第5〜7図は請求項5に記載された発明の実施
例を示しており、第5図はクラッチレリーズ用軸受ユニ
ットの半部断面図、第6図は係止環の正面図、第7図は
第6図のB矢視図、第8〜10図は請求項6に記載された
発明の実施例を示しており、第8図は半部断面図、第9
図は係止環の正面図、第10図は第9図のC矢視図、第11
〜12図はプッシュタイプのクラッチ機構の原理を示して
おり、第11図は非作動状態を、第12図は作動状態を、そ
れぞれ示す半部断面図、第13〜14図はプルタイプのクラ
ッチ機構の原理を示しており、第13図は非作動状態を、
第14図は作動状態を、それぞれ示す半部断面図、第15図
は本発明のクラッチレリーズ機構を組み込んだプルタイ
プのクラッチ機構の全体構成を示す断面図、第16〜18図
は従来のプルタイプのクラッチ機構に用いるクラッチレ
リーズ用軸受ユニットを示しており、第16図は組み立て
前の状態を、第17図は組み立てられた状態を、第18図は
分解する際の状態を、それぞれ示す部分断面図である。 1:ダイヤフラムばね、2:プレッシャープレート、3:クラ
ッチディスク、4:クラッチカバー、5:クラッチレリーズ
用軸受ユニット、6:トランスミッション側ユニット、7:
レリーズフォーク、8:エンジン側ユニット、9:傾斜面、
10:係止環、11:係止突条、12:押圧スリーブ、13:傾斜
面、14:軸、15:フロントカバー、16:スリーブ、17:支持
板、18:アンビル、19:係止部、20:レリーズ軸受、21:外
輪、22:内方軌道、23:内輪、24:外方軌道、25:玉、26:
エンジン側作動筒、27:皿板ばね、28:引っ張り環、29:
ストップリング、30:皿板ばね、31:支持凹溝、32:係止
環、33:段部、34:ストップリング、35、36:係止突部、3
7:係合部、38:係止凹溝、39:先端寄り部分、40:基端寄
り部分、41:第一の傾斜面、42:第二の傾斜面、43:第三
の傾斜面、44:フライホイール、45:除肉部、46:ストッ
プリング、47:先端寄り部分、48:基端寄り部分、49:第
一の傾斜面、50:第二の傾斜面、51:第三の傾斜面、52:
保持器、53:玉、54:傾斜面、55:先端寄り部分、56:基端
寄り部分、57:傾斜面。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸に沿って移動自在なスリーブの周囲に固
    定されたアンビルと、このアンビルの内側に装着された
    レリーズ軸受と、このレリーズ軸受により上記アンビル
    の内側に回転自在に支持されたトランスミッション側作
    動筒と、一端部をダイヤフラムばねの内周縁に係合した
    エンジン側作動筒とから成るクラッチレリーズ用軸受ユ
    ニットに於いて、上記トランスミッション側作動筒と上
    記エンジン側作動筒とのうちの一方の作動筒の外周面に
    形成した支持凹溝と、内周縁部をこの支持凹溝に係合さ
    せた円環状の係止環と、上記トランスミッション側作動
    筒と上記エンジン側作動筒とのうちの他方の作動筒の内
    周面に形成した係止凹溝とを有し、上記係止環は、その
    外径を弾性的に収縮自在で、且つ収縮時に、両端部に形
    成した係合部同士の係合を自在とし、上記他方の作動筒
    の内周面のうち、上記トランスミッション側作動筒と上
    記エンジン側作動筒との間に引っ張り方向の力が作用す
    る際に上記係止環の外周縁部と係合する部分である、上
    記係止凹溝よりも一端寄り部分の内径Rは、上記係合部
    同士が係合した際の上記係止環の外径よりも大きく、上
    記他方の作動筒の内周面のうち、上記係止凹溝よりも他
    端寄り部分の内径rは、上記係合部同士が係合した際の
    上記係止環の外径以下に、それぞれ形成すると共に、上
    記係止環の外周縁の他端側角部に第一の傾斜面を、上記
    他方の作動筒の内周側一端寄り角部に、この第一の傾斜
    面と摺接自在な第二の傾斜面を、上記係止凹溝の他端側
    側面に、上記第一の傾斜面と摺接自在な第三の傾斜面
    を、それぞれ形成した事を特徴とするクラッチレリーズ
    用軸受ユニット。
  2. 【請求項2】係止環が、弾性変形自在で両端部に係合部
    を有する保持器と、この保持器に回転のみ自在に保持さ
    れた複数の転動体とから成り、この複数の転動体の一部
    表面が、第一の傾斜面に代わって第二、第三の傾斜面と
    係合し、且つ上記複数の転動体が、他方の作動筒の内周
    面に形成された係止凹溝と係合する、請求項1に記載さ
    れたクラッチレリーズ用軸受ユニット。
  3. 【請求項3】内周面に係止凹溝を形成した他方の作動筒
    がトランスミッション側作動筒であり、このトランスミ
    ッション側作動筒が、レリーズ軸受を構成する内輪又は
    外輪と一体に形成されている、請求項1又は請求項2に
    記載されたクラッチレリーズ用軸受ユニット。
  4. 【請求項4】内周面に係止凹溝を形成した他方の作動筒
    がエンジン側作動筒である、請求項1又は請求項2に記
    載されたクラッチレリーズ用軸受ユニット。
  5. 【請求項5】軸に沿って移動自在なスリーブに装着され
    たレリーズ軸受と、このレリーズ軸受により上記スリー
    ブの外側に回転自在に支持されたトランスミッション側
    作動筒と、一端部をダイヤフラムばねの内周縁に係合し
    たエンジン側作動筒とを有するクラッチレリーズ用軸受
    ユニットに於いて、上記トランスミッション側作動筒と
    上記エンジン側作動筒とのうちの一方の作動筒の内周面
    に形成した支持凹溝と、外周縁部をこの支持凹溝に係合
    させた円環状の係止環と、上記トランスミッション側作
    動筒と上記エンジン側作動筒とのうちの他方の作動筒の
    外周面に形成した支持凹溝とを有し、上記係止環は、そ
    の外径を弾性的に拡張自在で、且つ拡張時に、両端部に
    形成した係合部同士の係合を自在とし、上記他方の作動
    筒の外周面のうち、上記トランスミッション側作動筒と
    上記エンジン側作動筒との間に引っ張り方向の力が作用
    する際に上記係止環の内周縁部と係合する部分である、
    上記係止凹溝よりも一端寄り部分の外径dは、上記係合
    部同士が係合した際の係止環の内径よりも小さく、係止
    凹溝よりも他端寄り部分の外径Dは、上記係合部同士が
    係合した際の係止環の内径以上に、それぞれ形成すると
    共に、上記係止環内周縁の他端側角部に第一の傾斜面
    を、上記他方の作動筒の外周側一端寄り角部に、この第
    一の傾斜面と摺接自在な第二の傾斜面を、上記係止凹溝
    の他端側側面に、上記第一の傾斜面と摺接自在な第三の
    傾斜面を、それぞれ形成した事を特徴とするクラッチレ
    リーズ用軸受ユニット。
  6. 【請求項6】係止環が、弾性変形自在で両端部に係合部
    を有する保持器と、この保持器に回転のみ自在に保持さ
    れた複数の転動体とから成り、この複数の転動体の一部
    表面が、第一の傾斜面に代わって第二、第三の傾斜面と
    係合し、且つ上記複数の転動体が、他方の作動筒の外周
    面に形成された係止凹溝と係合する、請求項5に記載さ
    れたクラッチレリーズ用軸受ユニット。
  7. 【請求項7】外周面に係止凹溝を形成した他方の作動筒
    がトランスミッション側作動筒であり、このトランスミ
    ッション側作動筒が、レリーズ軸受を構成する外輪又は
    内輪と一体に形成されている、請求項5又は請求項6に
    記載されたクラッチレリーズ用軸受ユニット。
  8. 【請求項8】外周面に係止凹溝を形成した他方の作動筒
    がエンジン側作動筒である、請求項5又は請求項6に記
    載されたクラッチレリーズ用軸受ユニット。
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JPH077625Y2 (ja) * 1990-05-18 1995-02-22 株式会社大金製作所 レリーズベアリング組立体

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JPH02173423A (ja) 1990-07-04

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