JP2566872Y2 - 窓フレーム扉内蔵式採光小窓 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本案は、採光を必要とする扉に設
けられる窓フレーム扉内蔵式採光小窓に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種、従来の窓フレーム扉内蔵式採光
小窓の取付状態縦断面図を図５に、同・横断面図を図６
に示す。尚、図６に於いては、取付用の螺子は省略し
た。図中、αは採光小窓、Ａは鋼鈑製化粧カバーパネ
ル、Ａ１はペーパー心材、１はアルミニウム製小窓内部
側押縁、２はアルミニウム製小窓外部側押縁、３はネオ
プレン製ガラス敷ゴム、４はガラスビード、５は窓フレ
ーム、５ａは上下フレーム、５ｂは左右フレーム、６は
金属製平太螺子、７は金属製丸皿太螺子、Ｂは窓ガラ
ス、Ｃは扉体である。

【０００３】図５，６に示す様、従来の窓フレーム扉内
蔵式採光小窓αに於いて、ガラスＢの固定は、四辺端部
を塩化ビニール製のガラスビード４，４にて内外両側か
ら挟み込み把持すると共に、当該ガラスビード４，４を
小窓内部側押縁１及び小窓外部側押縁２にて挟み込み把
持し、かつ当該小窓内外部側押縁１，２を、窓ガラスＢ
取付域周囲を形取った切断端縁Ａ２間よりペーパー心材
Ａ１を取り去った空隙部分にラワン材からなる窓フレー
ム５を枠状嵌入したパネルＡの前記切断端縁Ａ２に外嵌
する一方、左右及び下辺に於いては、当該ガラスＢと前
記小窓外部側押縁２間にガラス敷ゴム３を介在すると共
に、四辺に於いて前記小窓内部側押縁１及び小窓外部側
押縁２を前記窓フレーム５の上下左右フレーム５ａ，５
ｂにそれぞれ平太螺子６，丸皿太螺子７にて緊締して固
定していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の窓フレーム扉内蔵式採光小窓に於いては、前記小窓
内部側押縁１を窓フレーム５に緊締する丸皿太螺子７が
外部に露出しているばかりでなく、前記小窓内外部側押
縁１，２はパネルＡの切断端縁Ａ２に外嵌する段構造で
あるため、パネルＡと小窓内外部側押縁１，２との連続
感が損なわれ違和感を与えており、意匠性の面で問題が
あった。

【０００５】亦、前記平太螺子６や丸皿太螺子７を緊締
するドリル孔明け作業が必要なため、時間と手間が掛か
って加工性が悪く、特に狭い小窓では困難となり、その
上に当該平太螺子６や丸皿太螺子７がガラスＢと接触し
てひび割れを来すこともあった。さらに前記ラワン材か
らなる窓フレーム５や平太螺子６及び丸皿太螺子７等の
部品点数が多いのでコストがかかる。

【０００６】一方、前記窓ガラスＢ面積を小さくしよう
とすると、前記窓フレーム５に於ける前記平太螺子６及
び丸皿太螺子７の螺子穴貫設位置が近接してドリル孔明
け作業が難しくなり、特に幅方向に於いて窓ガラスＢ辺
を短くすることは至難であった。こゝに於いて、本案は
前記従来の課題に鑑み、意匠性を向上すると共に、現場
での窓ガラス組入施工も良好な窓フレーム扉内蔵式採光
小窓を提供せんとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題の解決は、本案
が次に列挙する新規な特徴的構成手段を採用することに
より達成される。即ち本案の第１の特徴は、嵌入部の内
外両側面と突出部の内外両端鈎縁とを脇溝を介して隔て
た断面対称形上下フレームおよび断面対称形左右フレー
ムで枠組構成される窓フレームを、扉体の内外両側化粧
カバーパネルの窓フレーム嵌入用切断端縁に前記内外両
端鈎縁が対向臨接するまで当該切断端縁間に前記嵌入部
を内嵌接着する一方、窓ガラスの四辺端部に亙り内外か
らガラスビードにて挾み込み把持するとともに、基端嵌
合部を前記上下フレームの突出部中央域の内外側に並行
陥設した嵌溝にそれぞれ嵌脱自在に嵌込む内外一対の対
称形上下押縁内外傾斜部の対向突設する爪端で上下辺の
前記ガラスビードを内外から挾み込み保持し、他方、左
右辺の前記ガラスビードを前記左右フレームの突出部中
央域に陥設した控溝を中に挾んで相対向突設する銜爪端
で左右辺の前記ガラスビードを内外から銜込保持してな
る窓フレーム扉内蔵式採光小窓である。

【０００８】本案の第２の特徴は、脇溝が、内外両側化
粧カバーパネルの窓フレーム嵌入用切断端縁とこれに対
向近臨する突出部の内外両端鈎縁とに亙り隠蔽する化粧
帯板の割込取付部を銜持してなる窓フレーム扉内蔵式採
光小窓である。

【０００９】

【作用】本案は、前記の様な手段を講じたので、採光小
窓の窓ガラスの四辺端部をガラスビードにて挟み込み把
持し、上下辺に於いては、前記ガラスビードを内外一対
の対称形上下押縁の対向爪部の挟み込みにて把持すると
共に、当該小窓上下押縁の基端嵌合部を内外化粧カバー
パネルの窓フレーム嵌入用切断端縁間に嵌入部を嵌入接
着した上下フレーム突出部の中央部内外側に並行陥設し
た嵌溝にそれぞれ嵌脱自在に嵌込み固定する。

【００１０】一方、採光小窓の左右辺に於いては、前記
ガラスビードを前記内外化粧パネルの窓フレーム嵌入用
切断端縁間に嵌入部を嵌入接着した左右フレームの突出
部控溝を中に挾んで相対向突設する銜爪端で押し込み嵌
合する。尚、特に前記化粧カバーパネルが錆止め加工を
施さない材質の場合には、前記上下フレーム及び左右フ
レームのそれぞれの脇溝に沿って割込取付部を押込銜持
して内外窓フレーム切断端縁と内外両端鈎縁とに亙り隠
蔽する化粧帯板を装着延在する。

【００１１】

【実施例】（第１実施例） 本案の第１実施例を図面に付き詳説する。本実施例は、
化粧カバーパネルＡが概して錆止め鋼板の場合に用いら
れる。図１は本実施例の窓フレーム扉内蔵式採光小窓の
取付状態縦断面図、図２は同・横断面図である。図中、
βは本実施例の窓フレーム扉内蔵式採光小窓、８は上下
押縁、９はアルミニウム製上下フレーム、１０はアルミ
ニウム製左右フレーム、１１は窓フレーム、１２，１
２′は脇溝である。尚、従来例と同一部材には同一符号
を付してある。

【００１２】先ず、本実施例の窓フレーム扉内蔵式採光
小窓βの構成部品を説明する。上下フレーム９は内外側
表面の脇溝１２により嵌入部９ａと突出部９ｂに区分さ
れる断面対称かつ同一長尺物で、内外化粧カバーパネル
Ａ，Ａのペーパー心材Ａ１を取り去っ窓フレーム嵌入用
切断端縁Ａ２，Ａ２間に嵌入する相対峙垂直並行する内
外の嵌入部９ａ，９ａの表面にスリット９ｃを刻設して
おり、嵌合時には当該スリット９ｃに接着剤を充填して
対接する前記化粧カバーパネルＡ裏面と嵌合接着する。

【００１３】亦、脇溝１２は嵌入部９ａの内外両側表面
と突出部９ｂの内外両端鈎縁９ｄとを隔て、突出部９ｂ
の中央部には断面Ｔ字形嵌合フック９ｅで仕切られた内
外側に並行嵌溝９ｆが陥設延在する。更に、各嵌溝９ｆ
の前記嵌合フック９ｅとの対向側に嵌合爪９ｇ，９ｇが
向合い突設されている。

【００１４】亦、上下押縁８は、前記上下フレーム９の
嵌溝９ｆに嵌合する基端嵌合部８ａと内外傾斜部８ｂの
銜爪端８ｃを有する断面同一長尺物部材の内外一対から
なり、前記銜爪端８ｃ，８ｃ間にてガラスビード４，４
を把持する。

【００１５】一方、左右フレーム１０は前記上下フレー
ム９同様、内外側表面の脇溝１２′により嵌入部１０ａ
と突出部１０ｂに区分され断面対称かつ同一長尺物で、
パネルＡのペーパー心材Ａ１を取り去った窓フレーム嵌
入用切断端縁Ａ１，Ａ１間に嵌入する相対峙する垂直並
行する内外の嵌入部１０ａ，１０ａの表面にスリット１
０ｃを凹設しており、嵌合時には当該スリット１０ｃに
接着剤を充填して対接する前記化粧カバーパネルＡ裏面
と嵌合接着する。

【００１６】亦、脇溝１２′は嵌入部１０ａの内外両側
表面と突出部１０ｂの内外両端鈎縁１０ｄとを隔て、突
出部１０ｂの中央部には陥設延在した控溝１０ｅを中に
挾んで、銜爪端１０ｆ，１０ｆが相対向突設する。尚、
前記銜爪端１０ｆ，１０ｆにてガラスビード４，４を把
持する。要するに、当該左右フレーム１０は、前記上下
フレーム９と上下押縁８，８の両機能を備えた形状をな
すものである。

【００１７】本実施例の窓フレーム扉内蔵式採光小窓β
の構成部品はこの様な具体的形状を有し、次に窓ガラス
Ｂの取付固定状態を説明する。窓ガラスＢは、四辺端部
を塩化ビニール製のガラスビード４，４にて挟み込み把
持すると共に、上下辺に於いては、図１に示す様、当該
ガラスビード４，４を内外一対の上下押縁８，８の対向
する銜爪端８ｃ，８ｃの挾み込みにて把持し、かつ当該
上下押縁８，８の基端嵌合部８ａ，８ａをペーパー心材
Ａ１を取り去った化粧カバーパネルＡ，Ａの窓フレーム
嵌入切断端縁Ａ２，Ａ２間に嵌入接着した上下フレーム
９の突出部９ｂの嵌溝９ｆ，９ｆに嵌脱自在に嵌込固定
する。

【００１８】一方、左右辺に於いては、図２に示す様、
前記ガラスビード４，４を控左右フレーム１０の銜爪端
１０ｆ，１０ｆ間に押し込み嵌合せしめ、当該左右フレ
ーム１０をペーパー心材Ａ１を取り去った前記化粧カバ
ーパネルＡ，Ａの窓フレーム嵌入用切断端縁Ａ２，Ａ２
間に嵌入接着して固定される。

【００１９】（第２実施例） 本案の第２実施例を図面につき詳説する・ 本実施例は、化粧カバーパネルＡが概して化粧鋼板の場
合に用いられる。図３は本実施例の窓フレーム扉内蔵式
採光小窓の取付状態縦断面図、図４は同・横断面図であ
る。図中、γは本実施例の窓フレーム扉内蔵式採光小
窓、１３は化粧帯板、１３ａは割込取付部である。尚、
図１乃至図２に示す前記第１実施例と同一部材には同一
符号を付してある。

【００２０】本実施例と前記第１実施例との差異は、第
１実施例に於いて錆止め鋼板製であった化粧カバーパネ
ルＡが、第２実施例に於いては化粧鋼板製となっている
ので、錆の発生しやすい当該化粧カバーパネルＡの切断
端縁Ａ２の地金露出部位を化粧帯板１３にて被覆した点
であり、当該化粧帯板１３の他の部品は第１実施例と全
く同一の物である。

【００２１】詳しくは、前記化粧帯板１３は、脇溝１
２，１２′に割込取付部１３ａを押込止着して化粧カバ
ーパネルＡの窓フレーム嵌入用切断端縁Ａ２と鈎縁１０
ｄに跨って隠蔽する断面同一長尺物である。

【００２２】当該化粧帯板１３の存在によって、化粧カ
バーパネルＡの錆止め加工していない化粧鋼板の切断端
縁Ａ２が隠蔽されて、ここからの錆の発生を防止するこ
とが出来ると共に、前記化粧カバーパネルＡが第１実施
例の様な錆止め鋼板の場合でも、当該切断端縁Ａ２がギ
ザギザになって第１実施例の仕上げでは露出して見苦し
い時等は、当該切断端縁Ａ２を隠蔽して美しい仕上げに
することが出来る。

【００２３】

【考案の効果】かくして、本案によれば、前記従来の窓
フレーム扉内蔵式採光小窓に於いては、小窓内部側押縁
を窓フレームに緊締する丸皿太螺子が外部に露出してい
たり、前記小窓内外部側押縁と化粧カバーパネルとの連
続感が損なわれていて意匠性の面で問題があったもの
を、上下左右フレームの固定を接着剤で行って螺子類を
廃し、かつ当該上下左右フレームの嵌入部を前記化粧パ
ネルの窓フレーム嵌入用切断端縁間の空隙に埋込んで露
出部を極力少なくして意匠性を向上する。

【００２４】その上、窓フレームは別途工場等で扉体製
作と同時に嵌入取付けられており、前記螺子類を緊締す
る作業が不要となって時間と手間が掛からなくなるので
加工性が向上すると共に、現場施工のラワン材からなる
窓フレームや前記螺子類等の部品を現場に搬入用意する
ことが不要となって部品点数が減少し、結果コスト低下
をもたらす。一方、窓ガラス面積を小さくしようとする
と、前記窓フレームに於ける螺子穴貫設位置が近接して
貫設が難しくなる従来のものと比して、自由に窓ガラス
面積を小さくすることが可能となる等、優れた実用性、
有用性を具有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の第１実施例に於ける窓フレーム扉内蔵式
採光小窓の取付状態縦断面図である。

【図２】同上、横断面図である。

【図３】同上、第２実施例に於ける窓フレーム扉内蔵式
採光小窓の取付状態縦断面図である。

【図４】同上、横断面図である。

【図５】従来の窓フレーム扉内蔵式採光小窓の取付状態
縦断面図である。

【図６】同上、横断面図である。

【符号の説明】

α，β，γ…窓フレーム扉内蔵式採光小窓 Ａ…化粧カバーパネル Ａ１…ペーパー心材 Ａ２…窓フレーム嵌入用切断端縁 １…小窓内部側押縁 ２…小窓外部側押縁 ３…ガラス敷ゴム ４…ガラスビード ５，１１…窓フレーム ６…平太螺子 ７…丸皿太螺子 Ｂ…窓ガラス Ｃ…扉体 ８…上下押縁 ８ａ…基端嵌合部 ８ｂ…傾斜部 ８ｃ…銜爪端 ９…上下フレーム ９ａ，１０ａ…嵌入部 ９ｂ，１０ｂ…突出部 ９ｃ，１０ｃ…スリット ９ｄ，１０ｄ…鈎縁 ９ｅ…嵌合フック ９ｆ…嵌溝 ９ｇ…嵌合爪 １０…左右フレーム １０ｅ…控溝 １０ｆ…銜爪端 １２，１２′…脇溝 １３…化粧帯板 １３ａ…割込取付部

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】嵌入部の内外両側面と突出部の内外両端鈎
   縁とを脇溝を介して隔てた断面対称形上下フレームおよ
   び断面対称形左右フレームで枠組構成される窓フレーム
   を、扉体の内外両側化粧カバーパネルの窓フレーム嵌入
   用切断端縁に前記内外両端鈎縁が対向臨接するまで当該
   切断端縁間に前記嵌入部を内嵌接着する一方、窓ガラス
   の四辺端部に亙り内外からガラスビードにて挾み込み把
   持するとともに、基端嵌合部を前記上下フレームの突出
   部中央域の内外側に並行陥設した嵌溝にそれぞれ嵌脱自
   在に嵌込む内外一対対称形上下押縁の内外傾斜部の対向
   突設する爪端で上下辺の前記ガラスビードを内外から挾
   み込み保持し、他方、左右辺の前記ガラスビードを前記
   左右フレームの突出部中央域に陥設した控溝を中に挾ん
   で相対向突設する銜爪端で左右辺の前記ガラスビードを
   内外から銜込保持したことを特徴とする窓フレーム扉内
   蔵式採光小窓
2. 【請求項２】脇溝は、内外両側化粧カバーパネルの窓フ
   レーム嵌入用切断端縁とこれに対向近臨する突出部の内
   外両端鈎縁とに亙り隠蔽する化粧帯板の割込取付部を銜
   持することを特徴とする請求項１記載の窓フレーム扉内
   蔵式採光小窓