JP2566018Y2 - 各種スイッチ類のノブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、表示面を有する各種
スイッチ類のノブ、特に透過照明付きに適した各種スイ
ッチ類のノブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来の各種スイッチ類のノブの一
例を示す断面図である。図において、１はプラスチック
などからなるノブ本体、３は例えば曲面に印刷可能なタ
ンポ印刷などによって印刷された文字、図形或は単色半
透光性の印刷層、５は例えば静電塗装などによって形成
された黒色などの不透明層、５ａは文字或は図形の各表
示形象に応じて剥離された不透明層の剥離部分である。
このように構成されたノブは、以前にはなかった鮮明な
表示部を形成することができ、特にノブ本体１が半透光
性のプラスチックからなる場合は、ノブ本体１の内部に
小形の照明ランプを設けて点灯すると、剥離部分５ａが
鮮明に浮き上がって見え、優れた透過照明付スイッチの
ノブになるという効果がある。

【０００３】前記剥離部分５ａを形成するには、例えば
特開平１−１０９０３１号公報に記載のように、前記印
刷層３の上で剥離部分５ａに対応する部分に非接着性の
塗料を用いて印刷したのち不透明層５を塗装する。この
のち不透明層５に粘着テープを貼り付け引き剥がすと、
非接着性塗料の部分が不透明層５と共に剥離して希望の
図形に剥離部分５ａを短時間で形成できる技術が知られ
ていたが、前記技術によって形成された剥離部分５ａの
輪郭には、凹凸ができ易く作業に繊細な注意を必要とす
るなどの問題点があった。近年レーザ光を用いたレーザ
マーキング装置が開発され、レーザ光によって前記不透
明層５を加熱すると不透明層５は吸熱して蒸発し、美麗
な輪郭をもつ剥離部分５ａを簡単かつ短時間に形成でき
るようになった。

【０００４】しかし、レーザマーキング装置を用いて前
記剥離部分５ａを形成する場合、前記印刷層３が有彩色
の場合は加熱のため脱色、変色、剥離などの不良が発生
し、白色の場合は黄変、剥離などの不良が発生するとい
う問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】この考案は、かかる問
題点を解決するためになされたもので、レーザマーキン
グ装置を用いてレーザ光によって剥離部分５ａを形成し
ても変色、剥離などの不良が発生しない各種スイッチ類
のノブを得ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案に係る各種スイ
ッチ類のノブは、その表示部の印刷層は、離間された複
数個の印刷層で構成し、この離間された複数個の印刷層
のすべてを被覆する透明層を、不透明層の下面に設ける
ように構成したものである。

【０００７】

【作用】この考案の各種スイッチ類のノブにおいては、
その表示部の印刷層は、離間された複数個の印刷層で構
成し、この離間された複数個の印刷層のすべてを被覆す
る透明層を、不透明層の下面に設けるように構成したの
で、レーザ光による加熱があっても上記透明層が離間さ
れた複数個で構成した印刷層の保護層となり、印刷層の
変色・剥離などの不良発生を防止することができる。

【０００８】

【実施例】図１はこの考案の一実施例である各種スイッ
チ類のノブを示す断面図である。図３と同一又は相当部
分は同一符号を用いて表示してあり、その詳細な説明は
省略する。図において、２はノブ本体１を成形加工によ
って成形する場合、例えばアクリル樹脂などの透明材を
埋め込んで設けた透明部分、印刷層３は、この考案では
離間された複数個の印刷層で構成されている。４は離間
された複数個の印刷層３のすべてを被覆する透明な塗料
などを用いて設けた透明層であり、この透明層４は不透
明層５の下面に設けられている。

【０００９】前記透明部分２は特に光の透過性を良好に
する場合に設けるもので、ノブ本体１が例えばポリカー
ボネート樹脂などの半透光性の材料からなる場合は必ず
しも必要としない。

【００１０】図２（ａ）及び図２（ｂ）は、この考案に
よって形成された各種スイッチ類のノブの表示部の例を
示す平面図である。図において、６は前記不透明層５を
レーザ光によって剥離して形成した表示文字である。図
２（ａ）は透明層４の上の剥離部分５ａの中に印刷層３
の文字を浮き上がらせるようにしたものと表示文字６と
を有する表示部を示す。図２（ｂ）は有色彩、例えば種
々の赤色、黄色、橙色等の色彩の印刷層３の上にその面
積より小さい面積の剥離部分５ａを形成して種々の色の
図形と表示文字６を形成した表示形象の例を示す。いず
れも離間された複数個の印刷層３を半透光性のインキを
用いて印刷すると、透過照明付スイッチとして優れた表
示となるなど多様な表示を形成することができる。

【００１１】

【考案の効果】この考案は以上説明したとおり、各種ス
イッチ類のノブにおいて、その表示部の印刷層は、離間
された複数個の印刷層で構成し、この離間された複数個
の印刷層のすべてを被覆する透明層を、不透明層の下面
に設けるように構成したので、レーザ光によって不透明
層を加熱蒸発による剥離を行っても、上記透明層が離間
された複数個で構成した印刷層の保護層となって下層の
印刷層、例えば種々の赤色、黄色、橙色等の色彩を有す
る有色彩の印刷層を確実に、かつ安定的に保護し、これ
により、変色や剥離などの不良が発生しない鮮明な表示
部を形成できるなどの優れた効果を奏するものである。
さらに、印刷層は離間された複数個の印刷層で構成して
いるため、例えば各個の印刷層に異なる有色彩の印刷を
施した時には、１個の印刷層に異なる有色彩の印刷を施
した場合と比べて、離間された個々の印刷層の間に介在
する保護層となる透明層の存在によって、各個の有色彩
の印刷層の変色や剥離などの不良の発生が一層軽減され
ると共に、個々の有色彩の印刷層を極めて鮮明に表現し
得る表示部を形成することができるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例である各種スイッチ類のノ
ブを示す断面図。

【図２（ａ）】この考案によって形成された各種スイッ
チ類のノブの表示部の一例を示す平面図。

【図２（ｂ）】この考案によって形成された各種スイッ
チ類のノブの表示部の他の例を示す平面図。

【図３】従来の各種スイッチ類のノブを示す断面図。

【符号の説明】

１ ノブ本体 ２ 透明部分 ３ 印刷層 ４ 透明層 ５ 不透明層 ５ａ 剥離部分 ６ 表示文字

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 矢崎 秀幸 茨城県稲敷郡江戸崎町椎塚1339 城南工 業株式会社内 (72)考案者 立野 永久 茨城県稲敷郡江戸崎町椎塚1339 城南工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平４−37487（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−47521（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ノブ本体の表示面に印刷層とその上に不
   透明層を設け、この不透明層をレーザ光によって剥離し
   て表示形象を現すようにした各種スイッチ類のノブにお
   いて、前記印刷層は、離間された複数個の印刷層で構成
   し、この離間された複数個の印刷層のすべてを被覆する
   透明層を、前記不透明層の下面に設けたことを特徴とす
   る各種スイッチ類のノブ。