JPH0345828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、くじやワツペン等として利用でき
る、剥離後再貼着可能な粘着シートに関するもの
である。

従来、くじやワツペン等として利用できるこの
種の粘着シートは、適当な紙又はフイルムの表面
上に着色されたシリコーンを部分的に塗布し、該
紙またはフイルムのシリコーンが塗布された面に
粘着剤を塗布し、更にその粘着剤の上に任意の紙
又はフイルムを積層し、シリコーン塗布面から任
意の紙又はフイルムを剥離することができるよう
になしていた。

しかし、かかる方法によると、シリコーン単体
では透明なために、彩色せんとすれば着色シリコ
ーンを用いなければならず、シリコーン塗布面に
任意の絵柄を設けることは不可能であり、また部
分的にシリコーンを塗布することは塗りむらが出
る等の不具合が多く、見当合わせ等を必要とな
り、生産能率が悪かつた。

本考案は、かかる事情に鑑みなされたもので、
紙よりなる基材の表面の一部分に、離型剤層を形
成すべく塗布される離型剤としてのシリコーンを
吸収しにくい印刷インキにより印刷して目止め層
を設けて目止めし、目止め層の周辺部たる基材の
目止め層が形成されていない他部分は、非目止め
層部となすとともに、該基材の目止め層が形成さ
れた表面には、目止め層及び非目止め層部の両部
分に亘つてシリコーンからなる離型剤を塗布して
離型剤層を形成し、目止め層の部分においては剥
離強さが小で、非目止め層の部分においてはシリ
コーンからなる離型剤が基材にしみ込み、均一な
皮膜が形成されないことで剥離強さを大となし、
さらに該離型剤層の表面に粘着剤層を設け、該粘
着剤層表面に表面シートを積層し、且つ、前記目
止め層の外周縁よりやや内側で、前記表面シート
から粘着剤層に達する程度の切抜溝を形成したこ
とを特徴とし、切抜溝の内側の目止め層に絵柄を
設けることができ、シリコーン塗布の際見当合わ
せが不要で、塗りむらがなく、紙質を適当に変更
することにより離型強度および各部における離型
強度の差をコントロールでき、表面シートが不用
意に引き剥れたり、切抜溝から粘着剤がにじみ出
ることもない粘着シートを提供せんとするもので
ある。

以下、本考案を図面に示した実施例に従つて詳
細に説明する。

第１図は本考案の一実施例たる粘着シートの断
面図、第２図は該粘着シートの斜視図である。

１は、上質紙、コート紙、キヤストコート紙等
の紙からなる基材である。

２は、前記基材１の表面の一部分に、樹脂を含
む、シリコーンを比較的吸収しない印刷インキを
もつて適宜な絵柄を印刷してなる目止め層であ
り、該目止め層２により目止めを施す。この目止
め層２の厚みは、後述するシリコーンからなる離
型剤が表面に残留し得る程度となす。さらに、目
止め層２表面に、第２図に示すように、例えば、
１等等のくじのあたりやはずれを示す文字等の絵
柄を印刷することができる。

そして、目止め層２の周辺部たる基材１の目止
め層２が形成されていない他部分は、印刷インキ
による目止めが施されていない非目止め層部とし
て残存させる。

３は、前記基材１の目止め層２が形成された面
全体に、シリコーンからなる離型剤を塗布してな
る離型剤層であり、該離型剤層３は、目止め層２
の部分においては印刷インキにて目止めされてそ
の表面に残留し、均一な皮膜ができ、目止め層２
が形成されていない非目止め層部分においてはシ
リコーンが基材１にしみ込み均一な皮膜が形成さ
れない。

４は、離型剤層３の表面に粘着剤を一面に塗布
してなる粘着剤層である。

５は、該粘着剤層４の表面に積層された前記基
材１と同様な材料よりなる表面シートである。

そして、前記のように積層された表面シート５
および粘着剤層４にわたつて、前記目止め層２の
外周よりやや内側で目止め層２の外周縁に沿つて
環状切抜溝６が形成されている。而して、表面シ
ート５の切抜溝６で囲繞された部分は、第１図に
示すように爪等で離型剤層３より引き剥すことが
でき、その引き剥した部分を、その粘着剤層４側
において、他所に再び貼り付けることができる。

次に、具体例を挙げて本考案を具体的に説明す
ると、コート紙上にインクにて図柄を形成し、次
にコート紙の全面にシリコンを塗布し、さらにシ
リコーン塗布面に粘着剤を塗布し、その上にコー
ト紙をラミネートした。そして、打ち抜き型で所
定形状に切抜溝を形成した。しかる後方面のコー
ト紙を印刷された図柄部分、すなわち切抜溝部位
で引き剥したところ、第３図で示す如くその剥離
抵抗は10〜35g／inchであり、印刷されていない
残余部分を引き剥したところ、第３図で示す如く
その剥離抵抗は190g／inchの粘着シートを得た。

このように、目止め層の部分においては剥離強
さが小で、その余の部分においては大となり、極
端な差異が生じるために、必要な部分にくじや図
柄を印刷して引き剥しやすくすることにより、く
じやワツペンとしても利用でき、しかも絵柄を形
成できるので極めて便利であり、シリコーンを部
分的に塗布するのとは異なつて塗りむらが出るこ
ともなく、見当合わせ等も不用となるため、生産
能率を上げることができる。しかも、紙質等を適
当に変更することにより各部における剥離強さを
変えることができ、表面シートが不用意に引き剥
れたり、切抜溝から粘着剤がにじみ出ることも少
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例たる粘着シートの断
面図、第２図は該粘着シートの斜視図、第３図は
実施例の特性を示す図である。 １……基材、２……目止め層、３……離型剤
層、４……粘着剤層、５……表面シート、６……
切抜溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 紙よりなる基材の表面の一部分に、離型剤層
   を形成すべく塗布される離型剤としてのシリコ
   ーンを吸収しにくい印刷インキにより印刷して
   目止め層を設けて目止めし、目止め層の周辺部
   たる基材の目止め層が形成されていない他部分
   は、非目止め層部となすとともに、該基材の目
   止め層が形成された表面には、目止め層及び非
   目止め層部の両部分に亘つてシリコーンからな
   る離型剤を塗布して離型剤層を形成し、目止め
   層の部分においては剥離強さが小で、非目止め
   層の部分においてはシリコーンからなる離型剤
   が基材にしみ込み、均一な皮膜が形成されない
   ことで剥離強さを大となし、さらに該離型剤層
   の表面に粘着剤層を設け、該粘着剤層表面に表
   面シートを積層し、且つ、前記目止め層外周縁
   よりやや内側で、前記表面シートから粘着剤層
   に達する程度の切抜溝を形成したことを特徴と
   する粘着シート。 ２ 目止め層は、くじを形成するべく印刷形成さ
   れた実用新案登録請求の範囲第１項記載の粘着
   シート。 ３ 切抜溝は、目止め層の外周よりやや内側で目
   止め層の外周縁に沿つて環状に形成され、切抜
   溝で囲繞された表面シートの該部分は、離型剤
   層より引き剥がすことができるように形成され
   た実用新案登録請求の範囲第１項または第２項
   記載の粘着シート。