JP2565900B2 - ダイカスト用潤滑剤組成物 - Google Patents

ダイカスト用潤滑剤組成物

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JP2565900B2 JP62100962A JP10096287A JP2565900B2 JP 2565900 B2 JP2565900 B2 JP 2565900B2 JP 62100962 A JP62100962 A JP 62100962A JP 10096287 A JP10096287 A JP 10096287A JP 2565900 B2 JP2565900 B2 JP 2565900B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ダイカスト用潤滑剤組成物に関し、さらに
詳しくいえば熱処理ダイカスト品鋳造のために用いる、
高温潤滑性が優れガス発生量の少ないダイカスト用潤滑
剤組成物に関する。
[従来の技術] 従来のダイカスト方法では、第3図に示すようにまず
固定型8′と可動型12′を開いた状態にしておき、その
型面に離型剤スプレー装置29を用いて離型剤を吹き付け
等の方法で塗布する。この離型剤としては、通常植物
油、鉱物油等にアルミニウムの微粉その他のものを混合
したもの等が用いられている。その後この固定型8′と
可動型12′を当接して型空間を形成する。そして型空間
に連通する射出スリーブ14′内に溶融金属を注ぎ込み、
射出スリーブ14′内を摺動する射出プランジャ16′を前
進させる。この射出プランジャ16′により、前記射出ス
リーブ14′内に注ぎ込まれた溶融金属は、高速で前記型
空間内に射出される。
その後この型空間内に射出された溶融金属を一定時間
経過させることによって凝固させ、そして可動型12′を
貫通して設けられる押出ピンにより型空間外へ押し出し
ている。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の離型剤を用いて上記のダイカスト方法では、次
のような問題がある。すなわち可動型12′および固定型
8′に塗布された離型剤が、前記溶融金属が型空間に射
出される際にこの溶融金属内に巻き込まれるという現象
がある。
この場合、真空ダイカスト法を用いるとエアの巻き込
みはある程度防止できるが、金型表面に残留している離
型剤が溶融金属に巻き込まれる際には、この離型剤はガ
ス状あるいは液状となって巻き込まれる。従って溶融金
属が製品として凝固したのちこの製品を熱処理すると製
品内に巻き込まれた鋳物内ガスが膨張して製品のふくら
み現象を引き起こすという問題がある。
従来の離型剤では、熱処理可能ガス量2.5cc/100gアル
ミニウム(Al)よりも多い3.5cc/100gAlが限界値であ
り、熱処理を行なうとフクレ不良、切削巣不良が発生
し、熱処理可能なレベルに達しない。
本発明は、鋳物内ガス量を増すことなく離型皮膜を形
成し、従来不可能とされていた熱処理ダイカスト品の量
産化を可能にするダイカスト用潤滑剤組成物を提供する
ことを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記問題点を解決するために、本発明者等は新規なダ
イカスト方法(以下新ダイカスト方法という。)および
ダイカスト装置を発明し、出願(特願昭60−298396、未
公開発明)している。
このダイカスト装置は、第1図および第2図に示すよ
うに、固定型8と、この固定型8に当接して型空間を形
成する摺動自在な可動型12と、前記型空間内に溶融金属
を導くための射出スリーブ14と、この射出スリーブ14内
に摺動自在に配され前記溶融金属を前記型空間内に押し
出す射出プランジャ16と前記射出スリーブ14と前記型空
間とを結ぶ通路中に形成された高温部に対し、潤滑剤を
噴射させるノズルとを備える事を特徴とする。
そして上記新ダイカスト方法は、上記装置を用いるも
ので、固定型と、この固定型と当接して型空間を形成す
る可動型と、前記型空間に向けて一端が開口し、前記型
空間へ溶融金属を導く射出スリーブと、前記型空間内に
て凝固した凝固品をこの型空間より押し出す押出ピンと
を用い、 前記型空間と前記射出スリーブとを結ぶ通路中に形成
された高温部に潤滑剤を吹き付ける第1工程と、 前記可動型を前記固定型に当接させて型空間を形成す
る第2工程と、 前記射出スリーブ内に溶融金属を供給する第3工程
と、 前記射出スリーブ内の溶融金属を射出プランジャによ
り前記型空間側へ射出する第4工程と、 前記型空間内の溶融金属を凝固させる第5工程と、 前記可動型を前記固定型より引き離し前記型空間内の
凝固品を前記型空間内より押し出す第6工程とを経時順
に行ない、前記第1工程終了後ただちに前記第2工程を
行なうことを特徴とする方法等である。
本発明者等は、さらに鋭意研究の結果、以下にのべ
る、新ダイカスト鋳造法に用いるとガス発生量が少なく
高温潤滑性の良い潤滑剤を完成したものである。
本発明のダイカスト用潤滑剤組成物は、シリコーンオ
イル100重量部、ポリアルキレングリコール10〜100重量
部、天然ワックス10〜100重量部、界面活性剤10〜50重
量部、固体潤滑剤1〜20重量部を含むことを特徴とする
ダイカスト用潤滑剤組成物である。
上記シリコーンオイルは、高温潤滑性の良い潤滑皮膜
を形成させるもので塗装に悪影響を与えないものであ
る。このシリコーンオイルとしては該オイルがダイカス
ト製品に付着していても該製品に塗装可能なペインタブ
ルシリコーンオイルが好ましい。このペインタブル性シ
リコーンには、アルキル変性シリコーンや脂肪酸変性シ
リコーン等がある。このうち、特にアルキル変性シリコ
ーンの平均分子量1000〜9000のもので、粘度1000cst(2
5℃)のものが良好である。
上記ポリアルキレングリコールは、潤滑皮膜を均一に
形成するための展延性を与えるものであり、常温で液状
のものである。ポリアルキレングリコールとしては、平
均分子量200〜15000の直鎖状のもので、粘度10〜5000cs
t(20℃)のものが良好である。この重合物は、上記シ
リコーンオイル100重量部に対して、10〜100重量部の配
合量で用いられるのが良い。これが10重量部未満になる
と低温部の付着性が問題となり、100重量部を超えると
シリコーンオイルとの比率により高温部の付着およびガ
ス量が問題になる。
上記天然ワックスは高温付着性を与え、潤滑性の改善
と離型性の向上を目的とするものであり、常温で固体状
のものである。その種類としては、木ろう、密ろう、ラ
イスワックス、カルナバワックス、キャンデリラワック
ス等がある。またこの天然ワックスとしては、平均分子
量500〜5000のものであり、その粘度が10〜50cst(100
℃)のものが良好である。この天然ワックスの配合量
は、上記シリコーンオイルの100重量部に対して10〜100
重量部が良い。これが10重量部未満になると潤滑性不足
になり、100重量部を越えるとベタつき堆積が問題にな
る。
上記界面活性剤とは、シリコーンオイル、ポリアルキ
レングリコール、天然ワックスを安定に乳化させる乳化
剤である。この界面活性剤としては、非イオン系界面活
性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルアミノエーテル、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンチオエーテル、脂肪
酸ソルビタンエステル等が用いられる。
上記界面活性剤の配合量は、通常、シリコーンオイ
ル、ポリアルキレングリコールおよび天然ワックスの全
量を100重量部とする場合、5〜25重量部である。そし
てこれは、ホモジナイザー、コロイドミル、プラネタリ
ーミキサーなどの乳化装置を用いて数μ程度の安定した
エマルジョン粒子を水系等で生成するものである。この
うち水系エマルジョンが好ましい。これは粘性が適度で
あること、吹き付け塗布が容易であること、環境面で安
全、安定であることのためである。しかし目的に応じて
メタノール、n−ヘキサン等の溶媒系とすることもでき
る。上記配合量が5重量部未満になると合成油、ワック
スの乳化不良になり、25重量部を超えると泡立ち、増粘
が問題になる。
上記固体潤滑剤とは、高温部での潤滑性を向上させ焼
付、カジリの発生を防止するものである。このものとし
ては、窒化硼素、タルク、雲母、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、滑石等を用いることができる。またこれは、窒化硼
素等の平均粒径1.5μのものが好ましい。さらにこの固
体潤滑剤の配合量は、上記シリコーンオイル100重量部
に対して1〜20重量部が好ましい。これが1重量部未満
になると潤滑性不足になり、20重量部を越えると金型内
部に堆積が問題となる。
本発明の潤滑剤の調整は、上記シリコーンオイル、ポ
リアルキレングリコール、天然ワックスおよび界面活性
剤の所定量を加熱混合して均一とした後、温水等の媒体
を加え、ホモジナイザー、コロイドミル、プラネタリー
ミキサー等の乳化装置で処理し、さらにこの固体潤滑剤
を加えて行なうことができる。
[実施例] 以下、具体的実施例により本発明を説明する。
(ダイカスト装置) 本実施例において新ダイカスト法に用いられるダイカ
スト装置は、第2図に示すものである。即ちこの装置は
以下に説明する通りである。
工場などの床には固定ベース2が固定されている。こ
の固定ベース2の上には固定プラテン4が固定されてい
る。そしてこの固定プラテン4と対峙する位置には、可
動プラテン6が配されている。この可動プラテン6と固
定プラテン4とは図示しないタイバーで連結されてお
り、可動プラテン6はこのタイバーを前記固定プラテン
4側に近づく方向、あるいは離れる方向に摺動自在とな
っている。
前記固定プラテン4には固定型8が固定されており、
この固定型8には型面18bが刻設されている。また前記
固定プラテン4および固定型8には、これらを貫通する
射出スリーブ14が設けられている。この射出スリーブ14
は円筒状をなすもので、この円筒空間内には射出プラン
ジャ16が摺動自在に配されている。また前記射出スリー
ブ14には、この射出スリーブ14内に溶融金属ぬ注ぎ込む
ための注湯口15が形成されている。また前記射出プラン
ジャ16にはその径が太くなった節部16aが形成されてい
る。
前記可動プラテン6にはダイベース10が固定され、こ
のダイベース10には可動型12が固定されている。この可
動型にも型面18aが刻設されており、この可動型12が前
記固定型8と当接した際に前記型面18aと型面18bとによ
り型空間が形成されている。なおこの型空間と前記射出
スリーブ14内とは連通されている。
前記固定型8には、前記型面18aと18bとにより形成さ
れる型空間に連通する負圧通路48が形成されている。こ
の負圧通路48は、切換え弁38を介して負圧源36に連通し
ている。この負圧源36はバキュームタンク40とバキュー
ムポンプ42とこのバキュームポンプ42を駆動させるモー
ター44とからなる。また、前記切換え弁38は前記負圧通
路48を前記負圧源36に連通させる位置と、前記負圧通路
48を大気に開放させる位置とに切り換わる電磁弁であ
る。
前記可動型12には、カットオフピン46が配されてい
る。このカットオフピン46は前記可動型12を貫通するよ
うにして設けられており、その一端はカットオフピン駆
動機構60に連結されており、また他端は前記負圧通路48
に面している。そして前記可動型12が前記固定型8に当
接している時において、このカットオフピン46が前進す
ることによって前記負圧通路48と型空間との連通を遮断
させるものである。このカットオフピン46の途中には径
が太くなっている節部46aが形成されており、この節部4
6aがそれぞれダイベース10に設けられた前進位置リミッ
トスイッチ52および後退位置リミットスイッチ54を打ち
たたくことによりカットオフピン46の位置が検知されて
いる。なお、前記カットオフピン駆動機構60は油圧を利
用した駆動機構となっている。
前記可動型12には前記型空間内で凝固した凝固品を押
し出すための押出ピン22が配されている。この押出ピン
22は複数本配されるもので、その一端は押出板30に連通
されており、また他端は前記型空間に面している。この
押出ピン22のうち後述するスプールコア20の近傍に配さ
れるものには、その内部に潤滑剤噴出通路が形成されて
いる。この潤滑剤噴出通路が形成された押出ピン22は、
空気通路24を介して圧縮空気圧源に連通しており、さら
に潤滑剤通路26を介して潤滑剤溜まり28に連通してい
る。すなわに空気通路24より圧縮空気を噴出させると、
霧吹現象により潤滑剤溜まり28内の潤滑剤が潤滑剤通路
26より吸い上げられ、前記圧縮空気とともに前記押出ピ
ン22の潤滑剤通路26を通って前記スプールコア20に向け
て噴出される構造となっている。
前記スプールコア20は前記可動型12の前記射出スリー
ブ14に対向する位置に形成されている。通常可動型12お
よび固定型8には図示しない冷却通路が形成されてお
り、この冷却通路に冷却水を循環させることによって可
動型12および固定型8の冷却を行なっている。なお、ス
プールコア20の温度は、一回の鋳造工程に要する時間
(サイクル・タイム)と前記冷却水量の調整により、非
常に高温(390〜420℃)となっている。この高温となっ
ているスプールコア20に向けて前記押出ピン22の潤滑剤
噴出通路が開口しているのである。
前記射出プランジャ16にはその径が太くなっている節
部16aが形成されており、この節部16aがリミットスイッ
チ5を打ちたたくことにより射出プランジャ16の位置が
検出されている。またこのリミットスイッチ5には中間
停止位置タイマ56および吸引タイマ58が電気的に接続さ
れている。さらに前記射出プランジャ16の下面には、チ
ップ潤滑剤を導くためのチップ潤滑剤導入管62が配され
ている。このチップ潤滑剤導入管を介してチップ潤滑剤
が前記射出スリーブ内14に導かれ、射出スリーブ14内壁
と射出プランジャ16の先端16bとの潤滑を行なってい
る。なおこのチップ潤滑剤導入管の開口位置は前記射出
プランジャ16が最前進した時に前記注湯口15の前縁近傍
となる位置に開口している。
さらに前記中間停止位置タイマ56は、前記射出プラン
ジャ16が中間位置で停止する時の停止時間を計測するも
のであり、また前記吸引タイマ58はこの射出プランジャ
16が中間位置での停止を開始した時点から、前記切換え
弁38を負圧通路48が連通する状態に切換え、さらにカッ
トオフピン46で負圧通路48と型空間とを遮断する時点ま
での時間を計測しているものである。
図中符号46で示されるものは、前記固定型8と可動型
12とが当接した際に両者のシールを行なうシール剤であ
る。
第4図は前記スプールコア20を正面より見た時の図で
ある。この図からもわかるようにこのスプールコア20の
周りには前記押出ピン22が3本配置されている。この3
本の押出ピン22の潤滑剤噴出通路の開口端22aは、それ
ぞれ前記スプールコア20に向けて開口している。なおこ
の押出ピン22は前記押出板30により摺動自在となってお
り、第2図に示すように、この押出ピン22が前記型空間
内に向けて押し出されている時に始めて前記潤滑剤導入
通路の開口端22aがスプールコア20に向けて開口するよ
うになっている。
(装置の作動および新ダイカスト法) 次に上記装置の作動について説明する。まず前記押出
板30を図中右方向に移動させることにより、前記押出ピ
ン22を型空間内に向けて突出させる。そして前記空気通
路24より圧縮空気を送り込み潤滑剤溜まり28内に貯えら
れた潤滑剤を潤滑剤通路26より吸い上げる。そしてこの
圧縮空気と潤滑剤との混合ガスを前記押出ピン22内部に
形成されたチップ潤滑剤導入通路62より前記スプールコ
ア20に向けて噴射させる。このスプールコア20は10数回
のすて打ちを経過したのち、前述したごとく高温となっ
ており、この高温のスプールコア20に向けて前記潤滑剤
が噴射される。この潤滑剤はスプールコア20の高熱を受
けて一部のものはその油分が蒸発して前記型空間側へと
上昇し、また残りの油分は前記スプールコア20外周に熱
分解したものが含まれたペースト状物の状態で付着す
る。
その後可動型12を固定型8に向けて移動させて型空間
を形成させた後スプールコア上の上記ペースト状物を乾
燥させる。
次に、射出スリーブ14の注湯口15より溶融金属を射出
スリーブ14内に注ぎ込む。この溶融金属の注ぎ込みが完
了したのち、射出プランジャ16をまず低速度でもって図
中左方向へ前進させる。そして射出スリーブ14内が前記
溶融金属で占められる割合が50%以上になった時、前記
射出プランジャ16はその前進を停止する。なおこの射出
プランジャ16が中間位置にて停止するのは、前記節部16
aが前記リミットスイッチ5を打ちたたくことによって
検知されている。そしてこの射出プランジャ16が停止し
ている時間は前記中間停止位置タイマ56によって検知さ
れており、またこのリミットスイッチ5が打ちたたかれ
たことにより前記切換え弁38を切り換える。すなわに負
圧通路48が前記負圧源36と連通され、前記型空間内は前
記負圧源36によって負圧状態に吸引される。そしてこの
吸引開始時間からの経過時間を前記吸引タイマ58が計測
しており、所要時間経過したとこの吸引タイマ58が検知
すれば、前記カットオフピン46を前記カットオフピン駆
動機構60によって前進させ、前記負圧通路48と前記型空
間との連通を遮断させる。なお前記カットオフピン46は
前記カットオフピン駆動機構60によって前進および後退
をするわけであるが、その前進位置および後退位置は前
記前進位置リミットスイッチ52および後進位置リミット
スイッチ54によって検知されている。
前記中間位置停止位置タイマ56が前記射出プランジャ
16の吸管停止期間を計測しおわると、前記射出プランジ
ャ16は高速にて前進する。それにより射出スリーブ14内
に注ぎ込まれた溶融金属は前記型空間に向けて高速にて
噴射されることになる。この時溶融金属が高速度で型空
間に向けて噴射されると、前記スプールコア20の外周に
付着している上記ペースト状物となった潤滑剤も前記溶
融金属とともに型空間内に運ばれる。
なお前述したごとく前記スプールコア20に潤滑剤が噴
射された時に蒸発した潤滑剤の油分と、前記溶融金属に
巻き込まれかつ熱分解したものが含まれたペースト状物
となった潤滑剤とによって前記型空間内より凝固製品を
取り出す際の離型力を低減させているものと考えられ
る。
前記型空間に溶融金属の射出が完了すれば、その後一
定時間経過させその溶融金属を凝固させる。その凝固が
完了すれば、前記可動型12を前記固定型8より引き離
し、前記押出板30を前進させて凝固品を前記型空間より
押し出す。これによりダイカスト鋳造が完了する。
第5図は上述したダイカスト鋳造サイクルを示した図
である。
なお上述の実施例では、可動型12を固定型8に当接し
て型空間を形成する前に押出ピン22を前進させ、スプー
ルコア20に潤滑剤を噴射させているが、可動型12を固定
型8に当接させた後にスプールコア20に向けて潤滑剤を
噴射させるようにしてもよい。
なおこのサイクルを第6図に示している。
上述した実施例において特に注目すべき点は、前記ス
プールコア20が高温となっており、このスプールコア20
に潤滑剤が吹きつけられることにより潤滑剤が熱分解し
たものが含まれたペースト状物となってしまうというこ
とである。すなわちこのペースト状物となった潤滑剤は
溶融金属とともに型空間内に侵入しそのまま凝固するわ
けであるが、たとえ溶融金属内に巻き込まれて凝固した
としても、もともとこの潤滑剤は熱分解したものが含ま
れたペースト状物とされているわけであるから、その後
においてその凝固品に熱が作用したとしても、このペー
スト状物となった潤滑剤が膨張するということはない。
すなわち従来のようにガス状態のままで潤滑剤が巻き込
まれれば、その後においてこのガス状態の潤滑剤が膨張
することも考えられるわけであるが、上記ペースト状物
とされていることによってこのような膨張は防止されて
いるのである。すなわに製品が膨張、いわゆる膨れ現象
を発生することはないわけである。
この実施例で用いた上記潤滑剤の組成は、前に記載し
たとおり、シリコーンオイル100重量部、ポリアルキレ
ングリコール10〜100重量部、天然ワックス10〜100重量
部、界面活性剤10〜50重量部、固体潤滑剤1〜20重量部
からなるダイカスト用潤滑剤組成物であれば良く、この
ダイカスト用潤滑剤組成物を構成する各成分すなわちシ
リコーンオイル、ポリアルキレングリコール、天然ワッ
クス、界面活性剤及び固体潤滑剤の具体的な種類やその
平均分子量も同様に前に記載したものでよい。また、こ
のダイカスト用潤滑剤組成物を直接用いる他、水を添加
してもよいことも前に記載した通りであるが、例えばこ
のダイカスト用潤滑剤組成物重量の1000倍といった量の
多量の水を添加すればば潤滑効果が低減することは明白
であるので、水の添加量は例えばこのダイカスト用潤滑
剤組成物の10倍程度以下としたほうがよいことは当然の
粘度調整範囲である。
なお、潤滑剤としては上記組成範囲内であればどのよ
うな具体的組成のものを用いても後述する作用効果は奏
するが、以下の試験では、シリコーンオイル100重量
部、ポリアルキレングリコール50重量部、天然ワックス
60重量部、界面活性剤20重量部、固体潤滑剤(窒化ほう
素)6重量部からなるダイカスト用潤滑剤組成物を水17
64重量部で希釈した潤滑剤を用いた。
(実施例1) (1)真空ダイカスト法と新ダイカスト法を併用し、
開発した潤滑剤を用いた場合(実施例1)、(2)真空
ダイカスト法と新ダイカスト法を併用し、潤滑剤として
市販のチップ潤滑剤の原液を用いた場合(比較例1)、
(3)真空ダイカスト法を用いこの市販の離型剤(50倍
に希釈したもの)を使用した場合(比較例2)について
実験を行った。
なお、上記した市販のチップ潤滑剤には、パラフィン
系精製潤滑基油100重量部、油脂誘導体433重量部、非イ
オン系界面活性剤217重量部、防錆剤17重量部、防腐剤1
7重量部及びイオン交換処理水2550重量部の組成のもの
を用い、上記した市販の離型剤には、合成ワックス100
重量部、極圧添加剤85重量部、エステルオイル79重量
部、界面活性剤44重量部、防錆剤6重量部、防腐剤6重
量部及びイオン交換処理水898重量部の組成のものを用
いた。
(実験条件) ハイシリコンアルミ合金を用い、次の条件下でコンプ
レッサー用のサイドハウジングをダイカストした。
1)使用機械:650トンダイカストマシン 2)溶湯温度:平均730℃ 3)サイクルタイム:60sec 4)熱処理条件:500℃×4Hr 上記結果を第1表に示す。この結果によれば真空ダイ
カスト法と新ダイカスト法を併用する(実施例1および
比較例1)と、比較例2と比べて鋳物内ガス量は大幅に
低減する。しかし市販のチップ潤滑剤を用いた場合(比
較例1)では、新ダイカスト法および真空ダイカスト法
を併用した最も良い条件であっても、熱処理可能(膨れ
不良が発生しない)なガス量2.5cc/100gAlよりも多いガ
ス量3.5〜5.0cc/100gAlとなり、熱処理を行うと直径0.5
mm〜3mmの膨れが発生した。またこの比較例1では、鋳
造性の面でも焼き付きにより900shotで型ミガ キが必要となった。
一方本発明の開発した潤滑剤を用いる(実施例1)
と、鋳物内ガス量は、1.8〜2.4cc/100gAlとなり熱処理
可能なガス量2.5cc/100gAl以下にすることができる。こ
の場合熱処理を行っても膨れはほとんど発生せず、0.5
〜1mmの微小な膨りがごくわずか発生するのみであり、
膨れ不良とならない。またこの場合は、鋳造性をみても
3000shotまで焼き付きによる型ミガキは必要なく、市販
潤滑剤を用いた場合(比較例1)より3倍以上向上して
いる。
以上のことにより、本発明の潤滑剤が、熱処理ダイカ
スト品の鋳造に適した潤滑剤であることがわかる。
本発明の潤滑剤を、一般品の潤滑剤として使用すると
巻き込みガス量も減らすことができ、内質が向上する
し、鋳造性も良く鋳造不良(焼き付き、カジリ)を防止
できる。
(実施例2) ダイカスト用アルミ合金ADC−12を用い、次の条件下
でスタータ用のセンターケースをダイカストした。
1)使用機械:500トンダイカストマシン 2)溶湯温度:平均650℃ 3)サイクルタイム:24sec 本実施例は、第2表に示すように、上記本発明の潤滑
剤を用い、新ダイカスト法のみでダイカストを行ない、
熱処理は目的とせず離型剤スプレーの廃止によるサイク
ルタイム短縮を目的としたものである。なお、比較例3
としては上記した市販の離型剤(原液)を用いた新ダイ
カスト法、比較例4としてはこの上記した市販の離型剤
50倍希釈液を用いた通常法で実施した。
本実施例、比較例3および4の結果を第2表に示す。
この表に示すように、本発明の潤滑剤を用いると(実施
例2)、市販の離型剤を用いる場合(比較例3および
4)と比べると、ガス発生量が少なく、また離型性も良
いことがわかる。さらに本実施例2では7000shotでも焼
き付き、カジリに問題はなかったが、比較例3では120 0shotで高温部にカジリが発生した。なお、この焼き付
き、カジリの評価は目視で行なった。
[発明の効果] 本発明のダイカスト用潤滑剤組成物は、シリコーンオ
イル100重量部、ポリアルキレングリコール10〜100重量
部、天然ワックス10〜100重量部、界面活性剤10〜50重
量部、固体潤滑剤1〜20重量部を含むことを特徴とす
る。
上記シリコーンオイルは高温潤滑性を与え、ポリアル
キレングリコールは展延性を与え、上記ワックスは高温
付着性を与える。そしてこれらの成分はスプールコアに
吹き付けられたとき、および溶湯がスプールコア上の潤
滑剤に触れたときに蒸気が発生し、この蒸気によりこれ
らが金型表面に付着する。また上記固体潤滑剤は高温で
の潤滑性を助ける働きをする。特にこれは高温部の潤滑
性を向上させる。スプールコア上の固体潤滑剤が射出時
に溶湯とともに運ばれて金型表面に付着する。
従って本潤滑剤組成物は、潤滑剤吹付温度(スプール
コア温度)から熱処理温度の間に発生するガス量が少な
く、製品取出温度での潤滑性に優れたものである。
また本潤滑剤組成物を、上記新ダイカスト方法に真空
法を併用することにより、所定のガス発生量が少ないの
で、熱処理品の鋳造が可能となる。さらに本潤滑剤組成
物を一般強度部品のダイカストに用いると、熱分解ガス
の発生が減るため内質の良いダイカスト品ができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例において用いられた潤滑剤組成物を使用
する状態を示す説明断面図である。第2図は実施例にお
いて用いられた新ダイカスト法に使用されるダイカスト
装置の説明断面図である。第3図は従来のダイカスト装
置を用いて離型剤をスプレーする状態を示す説明断面図
である。第4図はスプールコア部を示す正面図、第5図
はダイカスト鋳造サイクルを示す図である。第6図はダ
イカスト鋳造サイクルを示す図である。 8……固定型 12……可動型 14……射出スリーブ 16……射出プランジャ 18a、18b……型面 20……スプールコア(高温部) 26……潤滑剤通路 28……潤滑剤 29……離型剤スプレー装置 62……チップ潤滑剤導入通路
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 107:34 103:00 103:06 ) C10N 40:00 40:20 (72)発明者 竹久 文隆 刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電装株 式会社内 (72)発明者 大倉 忠雄 大津市栗林町5番1号 日本黒鉛工業株 式会社瀬田工場内 (72)発明者 半田 勝則 大津市栗林町5番1号 日本黒鉛工業株 式会社瀬田工場内

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコーンオイル100重量部、ポリアルキ
    レングリコール10〜100重量部、天然ワックス10〜100重
    量部、界面活性剤10〜50重量部、固体潤滑剤1〜20重量
    部を含むことを特徴とするダイカスト用潤滑剤組成物。
  2. 【請求項2】シリコーンオイルは、アルキル変性シリコ
    ーン又は脂肪酸変性シリコーンであるペインタブル性シ
    リコーンオイルから構成される特許請求の範囲第1項記
    載のダイカスト用潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】アルキル変性シリコーンの平均分子量は10
    00〜9000である特許請求の範囲第2項記載のダイカスト
    用潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】ポリアルキレングリコールは鎖状であり、
    その平均分子量は200〜15000である特許請求の範囲第1
    項記載のダイカスト用潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】天然ワックスは木ろう、蜜ろう、ライスワ
    ックス、カルナバワックス及びキャンデリラワックスの
    うちの一つである特許請求の範囲第1項記載のダイカス
    ト用潤滑剤組成物。
  6. 【請求項6】天然ワックスの平均分子量は500〜5000で
    ある特許請求の範囲第5項記載のダイカスト用潤滑剤組
    成物。
  7. 【請求項7】界面活性剤は非イオン系界面活性剤である
    特許請求の範囲第1項記載のダイカスト用潤滑剤組成
    物。
  8. 【請求項8】界面活性剤の配合量は、シリコーンオイ
    ル、ポリアルキレングリコールおよび天然ワックスの全
    量を100重量部とする場合、5〜25重量部である特許請
    求の範囲第1項記載のダイカスト用潤滑剤組成物。
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