JP2003164956A - ダイカスト鋳造法 - Google Patents

ダイカスト鋳造法

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JP2003164956A
JP2003164956A JP2001366493A JP2001366493A JP2003164956A JP 2003164956 A JP2003164956 A JP 2003164956A JP 2001366493 A JP2001366493 A JP 2001366493A JP 2001366493 A JP2001366493 A JP 2001366493A JP 2003164956 A JP2003164956 A JP 2003164956A
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die casting
molten metal
lubricant
powder
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Yuji Okada
裕二 岡田
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プランジャチップを円滑に摺動させることを可
能にしかつ鋳造品のガス量を従来よりも低減することが
できるダイカスト鋳造法を提供すること。 【解決手段】キャビティ内面に離型剤を塗布すると共に
射出スリーブの摺動面に潤滑剤を塗布した後に、給湯さ
れた溶湯金属を射出してキャビティに供給するダイカス
ト鋳造法において、離型剤は、水性媒体と水性媒体に溶
解されたイオン化傾向が溶湯金属よりも高く、溶湯金属
と反応せず且つ溶融温度及び分解温度が溶湯金属の溶湯
温度よりも高い水溶性無機塩とを有する水性無機離型剤
であり、潤滑剤は、粉末状又は顆粒状の形態を有する無
機物からなる基材と、基材に付着性を付与する有機化合
物からなり基材に混合される粉末状又は顆粒状の形態或
いは基材の表面に被覆される皮膜の形態を有する添加材
とを有する粉体潤滑剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイカスト鋳造法
に関する。更に詳しくは、特定の離型剤及び特定の潤滑
剤を用いるダイカスト鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト鋳造法は、アルミニウム等の
溶湯金属をプランジャ装置の射出スリーブに給湯し、こ
の給湯された溶湯金属をプランジャチップで射出して、
ダイカスト用金型のキャビティ内に高速で押し込んで鋳
造する鋳造方法である。
【0003】このダイカスト鋳造法においては、一般に
離型剤をキャビティ内面に塗布して、キャビティに供給
された溶湯金属がキャビティ内面に焼き付くことを防止
し鋳造品を金型から離型し易くしている。またプランジ
ャチップで射出スリーブに給湯された溶湯金属を射出す
る際にプランジャチップの外周面と射出スリーブの内周
面とが摺動することから、潤滑剤をプランジャチップの
外周面や射出スリーブの内周面に塗布してプランジャチ
ップの外周面と射出スリーブの内周面との摺動を円滑に
し且つ摩耗を防止するようにしている。
【0004】この場合、キャビティ内面に塗布される離
型剤としては、樹脂や各種有機化合物等の有機物質を含
有する離型剤が従来から一般に用いられている。また射
出スリーブの内周面(摺動面)やプランジャチップの外
周面(摺動面)に用いられる潤滑剤としては、鉱物油、
天然油脂、ワックス、合成潤滑油等を基材とした油性潤
滑剤、水溶性潤滑剤が従来から一般に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、コス
ト低減、不良率低減等を中心としたダイカスト鋳造品の
高品質化が要望されている。特に製品の軽量化の観点か
らアルミニウムのダイカスト鋳造品が広く用いられるよ
うになり、アルミニウム鋳造品の高品質化が要請されて
いる。
【0006】しかし従来から一般に用いられている離型
剤は、上述したように樹脂や各種有機化合物等の有機物
を含有している。このような有機物にキャビティに供給
された高温の溶湯金属が接触すると、熱分解してガスが
発生してこの発生したガスが鋳造品に含まれることにな
る。
【0007】また従来から一般的に用いられている油性
潤滑剤や水溶性潤滑剤は、鉱物油、天然油脂、ワック
ス、合成潤滑油等を基材として用いているので、高温の
溶湯金属と接触するとやはり油成分からガスが発生し
て、この発生したガスが溶湯金属に巻き込まれガスが鋳
造品に含まれることになる。
【0008】この鋳造品中に含まれるガスは、鋳造品の
強度を弱めたり、鋳造品の表面の仕上がりを悪くして、
製品不良の原因となる。またダイカスト鋳造品について
も溶接が可能な高品質のものが求められるようになる
と、内部に含まれるガス量の少ないダイカスト鋳造品を
製造することが必要となる。例えばアルミニウム鋳造品
について溶接が可能となるためにはガス量が5cm3
100gAl以下であることが要請されている。
【0009】そこで本発明の目的とするところは、プラ
ンジャチップを円滑に摺動させることを可能にしかつ鋳
造品の中のガス量を従来よりも低減することができるダ
イカスト鋳造法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋳造品中の
ガス量を低減させるには、キャビティ内面に塗布する離
型剤及び射出スリーブの摺動面に塗布する潤滑剤を適切
に組み合わせて用いることで、鋳造品中のガス量を低減
させることができると考えた。
【0011】本発明者は、鋭意研究の結果、特開200
0−254756号公報において記載されている水性無
機離型剤と特開平4−236300号公報において記載
されている粉体潤滑剤とを組み合わせて適切な方法で塗
布することによって、内部に含まれるガス量を低減した
鋳造品を鋳造することができることを見出した。
【0012】ここで特開2000−253756号公報
に記載されている離型剤とは、水性媒体と水性媒体に溶
解されたイオン化傾向が溶湯金属よりも高く、溶湯金属
と反応せず且つ溶融温度及び分解温度が溶湯金属の溶湯
温度よりも高い水溶性無機塩とを有する水性無機離型剤
である。そして特開平4−236300号公報で記載さ
れている潤滑剤とは、粉末状又は顆粒状の形態を有する
無機物からなる基材と、基材に付着性を付与する有機化
合物からなり基材に混合される粉末状又は顆粒状の形態
或いは基材の表面に被覆される皮膜の形態を有する添加
材とを有する粉体潤滑剤である。
【0013】そこで上記課題を解決するダイカスト鋳造
法は、ダイカスト用金型を備える型締め装置とキャビテ
ィに溶湯金属を供給するプランジャ装置とを有するダイ
カストマシンを用いて、ダイカスト用金型のキャビティ
内面に離型剤を塗布すると共にプランジャ装置の射出ス
リーブの摺動面に潤滑剤を塗布した後に、射出スリーブ
に給湯された溶湯金属をプランジャチップで射出してキ
ャビティに供給するダイカスト鋳造法において、離型剤
は、水性媒体と水性媒体に溶解されたイオン化傾向が溶
湯金属よりも高く、溶湯金属と反応せず且つ溶融温度及
び分解温度が溶湯金属の溶湯温度よりも高い水溶性無機
塩とを有する水性無機離型剤であり、潤滑剤は、粉末状
又は顆粒状の形態を有する無機物からなる基材と、基材
に付着性を付与する有機化合物からなり基材に混合され
る粉末状又は顆粒状の形態或いは基材の表面に被覆され
る皮膜の形態を有する添加材とを有する粉体潤滑剤であ
ることを特徴とするダイカスト鋳造法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明のダイカスト鋳造法の
実施の形態について説明する。本発明のダイカスト鋳造
法は、ダイカスト用金型を備える型締め装置とキャビテ
ィに溶湯金属を供給するプランジャ装置とを有するダイ
カストマシンを用いて、ダイカスト用金型のキャビティ
内面に離型剤を塗布すると共にプランジャ装置の射出ス
リーブの摺動面に潤滑剤を塗布した後に、射出スリーブ
に給湯された溶湯金属をプランジャチップで射出してキ
ャビティに供給するダイカスト鋳造法において、これら
離型剤と潤滑剤との組み合わせを特徴としている。
【0015】そこでまず本発明のダイカスト鋳造法にお
いて用いられる離型剤、潤滑剤を説明し、そしてこれら
の離型剤及び潤滑剤の塗布方法を説明する。
【0016】(離型剤と潤滑剤)本発明のダイカスト鋳
造法で用いる離型剤と潤滑剤について説明する。
【0017】離型剤 請求項1に記載されているように、本発明のダイカスト
鋳造法に用いられる離型剤は、水性媒体と該水性媒体に
溶解されたイオン化傾向が溶湯金属よりも高く、溶湯金
属と反応せず且つ溶融温度及び分解温度が溶湯金属の溶
湯温度よりも高い水溶性無機塩とを有する水性無機離型
剤である。
【0018】この水性無機離型剤は、キャビティの内面
に塗布して水性媒体を蒸発させると溶解していた無機塩
がキャビティの内面に塗膜となって析出する。このキャ
ビティの内面に析出した無機塩の塗膜は良好な潤滑特性
を発揮して、キャビティに供給された溶湯金属がキャビ
ティに焼き付くことを防止し、また鋳造品の金型からの
抜き性を向上させる。
【0019】この無機塩は溶湯金属の溶湯温度では溶解
も分解しない無機塩が選択されている。従ってこの無機
塩が溶湯金属と接触してガスを発生させることがなく、
鋳造品にガスが巻き込まれて鋳造品中のガス量を増大さ
せることはない。従って製品欠陥を惹起するという問題
を回避することができる。
【0020】またこの無機塩は溶湯金属の溶湯温度では
溶解も分解もしないので、高温下においても離型効果を
有し、金型温度を制限する必要がない。更にこの無機塩
はイオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の塩であり、
溶湯金属と反応することがないので、鋳造品の品質を低
下させることもない。またこの無機塩は水溶性であるの
で、水や水系媒体等を用いた洗浄によって、キャビティ
内面に容易に除去することができる。従ってキャビティ
内面の離型剤の固着・堆積を少なくすることができる。
【0021】この水性離型剤の無機塩を構成する金属
は、溶湯金属の種類により規制される。即ち溶湯金属よ
りもイオン化傾向が高い金属の中から適切に選択するこ
とができる。例えば溶湯金属がアルミニウム、アルミニ
ウム合金や亜鉛、亜鉛合金である場合には、マグネシウ
ム、ナトリウム、カルシウム、カリウム及びリチウム等
の中から選択して用いることができる。溶湯金属がマグ
ネシウムの場合には、ナトリウム、カルシウム、カリウ
ム及びリチウム等の中から選択して用いることができ
る。
【0022】水溶性の無機塩は、各種の塩形態において
用いることができる。一般には塩化ナトリウム、塩化カ
リウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のハロゲ
ン化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、硫
酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等の硫
酸塩、燐酸カリウム、燐酸ナトリウム等の燐酸塩等を用
いることが好ましい。
【0023】上述したこれらの水溶性無機塩を少なくと
も1種類選択して水道水や蒸留水等の水、他の適切な水
溶液等の水性媒体中に溶解して水性無機離型剤を構成す
ることができる。
【0024】この場合水溶性無機塩の濃度は、鋳造品の
種類、特性、用途等に応じて適切に選択することができ
る。一般には0.1〜10質量%程度の濃度において用
いることができ、0.5〜5質量%程度の濃度において
用いることが好ましい。水溶性無機塩の濃度が低くなり
過ぎると、無機塩の析出が少なくなり離型効果が低下し
てしまう。また濃度が高くなり過ぎると、析出する無機
塩の粒径が大きくなって、鋳肌荒れ等の原因となる。
【0025】なおこの水性無機離型剤には、本発明の目
的に悪影響をもたらさない範囲において、公知の各種の
添加剤が添加することができる。例えばノニオン系等の
界面活性剤を添加することが好ましい。
【0026】またこの水性無機離型剤は、pHが10以
上に調整されていることが好ましい。このようにpHを
10以上に調整することにより、この水性無機離型剤を
高温度雰囲気下で用いても金型や金型周辺部分の鋳造装
置又は周辺機器の腐食を効果的に防止することができ
る。
【0027】pHを10以上に調整するには、公知の手
法、例えばアンモニア緩衝液等のpH緩衝剤や、水酸化
カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ調整剤を用い
て行なうことができる。また水性無機離型剤を構成する
水溶性無機塩としてアルカリ性無機塩を用いて行うこと
ができる。このようなアルカリ性無機塩は、水性媒体中
に溶解させた際にその溶液をアルカリ性をする無機塩で
あれば特に限定はない。例えば炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム等のアルカリ炭酸塩、第三燐酸ナトリウム、第三
燐酸カリウム等のアルカリ燐酸塩、ピロ燐酸ナトリウ
ム、ピロ燐酸カリウム等のアルカリピロ燐酸塩等を挙げ
ることができる。なおこれらのうちでアルカリ炭酸塩が
好ましい。
【0028】上記のアルカリ性無機塩は、離型剤のpH
を10以上に保持することができるように、一般に0.
1〜10質量%程度の濃度に添加することが好ましく、
0.5〜5質量%程度の濃度に添加することがより好ま
しい。アルカリ性無機塩の濃度が低くなり過ぎると、p
Hを10以上とすることができなくなって防錆性が低下
してしまう。濃度が高くなり過ぎると、析出する無機塩
の粒径が大きくなって鋳肌荒れ等の原因となる。
【0029】潤滑剤 請求項1に記載されているように、本発明のダイカスト
鋳造法に用いられる潤滑剤は、粉末状又は顆粒状の形態
を有する無機物からなる基材と、基材に付着性を付与す
る有機化合物からなり基材に混合される粉末状又は顆粒
状の形態或いは基材の表面に被覆される皮膜の形態を有
する添加材とを有する粉体潤滑剤である。
【0030】この粉体潤滑剤は、従来の鉱物油等を基材
として用いる潤滑剤と異なり、基材に油成分を有してい
ない。従って鉱物油等を基材とする従来の潤滑剤を用い
た場合に生ずる溶湯金属と接触して基材の油成分が燃焼
してガスを発生させるという事態を回避することができ
る。
【0031】本発明のダイカスト鋳造法で用いられる粉
体潤滑剤の基材は、粉末状又は顆粒状の形態を有する無
機物からなる。
【0032】この基材として用いられる無機物は、固体
で潤滑剤として用いられる無機物であれば特に制限はな
く、窒化ホウ素、フッ化物、タルク、雲母、金属酸化
物、窒化ケイ素、ホウ素化合物、硫黄化合物、リン化合
物等を用いることが好ましい。その他従来から潤滑剤と
して用いられている公知の固体潤滑剤、例えばグラファ
イト、二酸化モリブデン等も用いることができる。これ
らの無機物を粉末状又は顆粒状の形態で、その1種類又
は2種類以上を組合せて用いることができる。
【0033】基材に添加される添加剤として用いられる
有機化合物は、上述の無機物に付着性、転着性を付与す
る性質を有するものであれば特に制限はなく、金属石
鹸、高分子化合物、及び液体状又はペースト状の化合物
をサイクロデキストリン化合物により粉末状又は顆粒状
としたものを用いることが好ましい。
【0034】金属石鹸としてはカルボン酸骨格にナトリ
ウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、リチウ
ム、カリウム、マグネシウム、又は亜鉛を付加したもの
を挙げることができる。高分子化合物としてはポリエチ
レン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、天
然ワックス、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキッ
ド樹脂、ポリウレタン樹脂又はポリスチレン樹脂を挙げ
ることができる。液体状又はペースト状の化合物として
は、合成エステル類、天然油脂類、鉱物油類、シリコン
オイル、ポリフェニルエーテル、ポリアルキレングリコ
ール又はエチレン−プロピレン共重合体を挙げることが
できる。
【0035】これらの有機化合物は粉末状又は顆粒状の
形態で基材と混合して用いることができる。またこの有
機化合物を加熱溶融した状態で基材と混合して基材を被
覆した皮膜の形態で用いることができる。
【0036】なお上述した有機化合物の1種類又は2種
類以上が組合せて用いることができる。例えば金属石鹸
と、高分子化合物と、粉末化された液体状又はペースト
状の化合物とを組合せて用いることができる。
【0037】有機化合物の無機物に対する含有割合は、
0.1〜50質量%の範囲とすることが好ましい。0.
1質量%より小さいと基材となる無機物のプランジャー
チップや射出スリーブの摺動面に対する付着効果が充分
に得ることができない。また50質量%より大きいと有
機化合物から発生するガスが増大してしまう。その結果
鋳造品の内部に含まれるガス量が増加して製品欠陥が生
じる恐れがある。
【0038】なおこの粉体潤滑剤は基材が粉末状又は顆
粒状の形態を有している。従ってこの粉体潤滑剤が付着
したプランジャーチップの摺動面や射出スリーブの摺動
面においては、少なくとも潤滑剤基材の粉末又は顆粒の
粒径だけプランジャチップの摺動面と射出スリーブの間
が隔てられることになる。
【0039】その結果本発明のダイカスト鋳造法におい
ては、プランジャーチップの摺動面と射出スリーブの摺
動面との接触を防止して、射出スリーブの摺動面とプラ
ンジャチップの摺動面との摺動を円滑にしてこれらの摺
動面の摩耗を防止することができる。また作業性も向上
することになる。
【0040】(離型剤及び潤滑剤の塗布方法) 離型剤の塗布方法 本発明のダイカスト鋳造法に用いる離型剤は上述したよ
うに水性無機離型剤である。この水性無機離型剤を通常
用いられる手法例えばダイカスト用金型を開いた状態に
しておいて、スプレーを用いてキャビティ内面に塗布す
ることができる。このようにキャビティ内面に塗布して
キャビティ内面にこの水性無機離型剤の塗膜を形成する
ことができる。
【0041】そしてキャビティ内面に形成された水性無
機離型剤の塗膜を乾燥させて水性無機離型剤を構成する
水性媒体を蒸発させることによって、溶解していた無機
塩をキャビティ表面に析出させて、キャビティ内面にこ
の無機塩の塗膜を形成することができる。
【0042】潤滑剤の塗布方法 本発明のダイカスト鋳造法に用いる潤滑剤は、上述した
ように粉体潤滑剤である。この粉体潤滑剤は適切な方法
で塗布することができる。
【0043】なお従来の粉体潤滑剤は、潤滑剤としてだ
けでなく同時に離型剤として用いられることから、射出
スリーブの摺動面にだけでなく、キャビティの内面にも
用いるということが行われている。そのために粉体潤滑
剤の塗布方法については、上述したように、ダイカスト
用金型を閉じてキャビティを真空にした状態で粉体噴出
ノズル等を用いて射出スリーブに供給されて吸引力によ
って射出スリーブの摺動面及びキャビティ内面に塗布す
るという手法が従来行われていた。
【0044】この従来の手法で粉体潤滑剤を射出スリー
ブの内部空間に供給するとキャビティの内部が真空状態
にあるので、ノズルから供給された粉体潤滑剤がキャビ
ティの方向に吸引されて射出スリーブの摺動面及びキャ
ビティ内面に塗布されることになる。従ってキャビティ
内面に水性離型剤を塗布したとしても、この従来の手法
を用いて粉体潤滑剤を射出スリーブの摺動面に塗布しよ
うすると粉体潤滑剤はキャビティ内面にまで付着してし
まうことになる。その結果キャビティ内面に別途水性無
機離型剤を用いる意義が無くなってしまう。
【0045】そこで本発明のダイカスト鋳造法において
は従来の手法のようにキャビティ内を真空にし粉体潤滑
剤を吸引して、粉体潤滑剤を塗布するという手法を用い
る必要はない。即ち本発明においては粉体潤滑剤の塗布
については粉体噴出ノズル等を用いて適切な方法で射出
スリーブの摺動面に塗布することができる。
【0046】なお粉体噴出ノズルを用いて射出スリーブ
の摺動面に塗布する場合においては、粉体潤滑剤をダイ
カスト用金型を開いた状態で行うことが好ましい。ダイ
カスト用金型を閉じた状態で粉体噴出ノズルを用いて摺
動面に塗布しようとすると、射出スリーブのキャビティ
側が閉じているために潤滑剤を含んだ空気が内部まで流
れにくくなって、粉体潤滑剤を射出スリーブのキャビテ
ィ側にまで適切に塗布しにくくなる。
【0047】更にこのようにダイカスト用金型を開いた
状態で塗布するので、先の鋳造において製品を取り出す
ためにダイカスト用金型を開いた状態をそのまま利用し
て粉体潤滑剤を塗布することができる。その結果作業効
率が向上する。また上述の水性無機離型剤を塗布するた
めにはダイカスト用金型を開いた状態にしておく必要が
あり、水性無機離型剤の塗布工程とこの粉体潤滑剤の塗
布工程とを並行或いは連続的に行うことが可能となり、
この点でも作業効率が向上する。
【0048】なおキャビティを真空にしてその吸引力を
利用して粉体潤滑剤を射出スリーブの摺動面及びキャビ
ティの内面に塗布する従来の手法においては、粉体噴出
ノズルから噴出される粉体潤滑剤をキャビティの方向即
ちプランジャチップが射出するために進行する方向に向
けて噴出することによってキャビティ内面にまで分且つ
潤滑剤が塗布されるようにしていた。そのために給湯口
の下に位置する摺動面即ち溶湯金属が給湯される結果最
も溶損が発生しやすい部位に積極的に粉体潤滑剤が塗布
されることがほとんどなかった。そのためにプランジャ
チップを激しく摩耗させる原因となっていた。
【0049】そこで、図1に示すように、粉体噴出ノズ
ル10を射出スリーブ20の給湯口21入口付近に配置
して、射出スリーブ20の挿入口22に挿入されて溶湯
金属を射出するために待機しているプランジャチップ3
0の前端面31に向けて粉体噴出ノズル10から粉体潤
滑剤を噴出することによって、射出スリーブ20の摺動
面23に塗布することが好ましい。このように最も溶損
が発生しやすい部位に積極的に粉体潤滑剤が塗布するこ
とができる。
【0050】この塗布法について更に詳しく説明する
と、粉体噴出ノズル10を射出スリーブ20の給湯口2
1の入り口付近に配置する。配置する位置は射出スリー
ブの内径等によって異なるが、入り口付近の外側であっ
ても、入り口の境目であってもよい。
【0051】そしてこの粉体噴出ノズル10の噴出口か
ら射出スリーブ20の挿入口22に挿入されて溶湯金属
を射出するために待機しているプランジャチップ30の
前端面31に向けて粉体潤滑剤を噴出する。噴出された
粉体潤滑剤は射出スリーブ20の内部でスワールを発生
させて、粉体潤滑剤は射出スリーブ20の摺動面23を
全体的に塗布されることになる。
【0052】この場合にスワールを概ねプランジャチッ
プ30の前端面31と摺動面23の給湯口21の下に位
置する部位との間で発生させるように調整して粉体潤滑
剤を噴出する。その結果射出スリーブ20の摺動面23
を全体的に塗布できるだけではなく、この給湯口21の
下に位置する部位に粉体潤滑剤の溜まり40を設けるこ
とができる。この粉体潤滑剤の溜まり40によって溶湯
金属による溶損を減少させるだけではなく、プランジャ
チップ30の摩耗を減少させることができる。
【0053】なおこの粉体潤滑剤の粉体噴出ノズル10
から噴出はエア圧力によって行い、このエアー圧力は射
出スリーブの長さに応じて調整する。なお噴出口の径は
φ6mm以上であるとすることが好ましい。噴出口の径
がφ6mmでは粉体噴出ノズル10内に粉体が滞留し易
く、信頼性に欠けることになる。
【0054】即ち本発明のダイカスト鋳造法において
は、粉体潤滑剤の射出スリーブの摺動面への塗布は、従
来のキャビティ内を真空にしてその吸引力を利用して塗
布する手法と異なり、必要な部位に適切に塗布すること
ができる。
【0055】(ダイカストマシンの動作等)上述したよ
うに、本発明のダイカスト鋳造法においては、ダイカス
ト用金型を備える型締め装置とキャビティに溶湯金属を
供給するプランジャ装置とを有するダイカストマシンを
用いて、ダイカスト用金型のキャビティ内面に上述した
水性無機離型剤を塗布すると共にダイカスト用金型を開
いた状態で射出スリーブの摺動面に上述した粉体潤滑剤
を塗布した後に、射出スリーブに給湯された溶湯金属を
プランジャチップで射出してキャビティに供給する。
【0056】本発明のダイカスト鋳造法に用いられるダ
イカストマシンは、ダイカスト用金型を備える型締め装
置とキャビティに溶湯金属を供給するプランジャ装置と
を有するダイカストマシンであって、ダイカスト鋳造法
において通常用いられるダイカストマシンを用いること
ができる。
【0057】水性無機離型剤をキャビティ内面に塗布
し、また粉体潤滑剤を射出スリーブの摺動面に塗布した
後は、通常の方法で鋳造を行うことができる。即ち射出
スリーブへの溶湯金属の給湯、溶湯金属のプランジャチ
ップによる射出してキャビティに溶湯金属を供給するこ
とは、ダイカストマシンを通常方法で用いて行うことが
できる。
【0058】この本発明のダイカスト鋳造法はガス量が
少ない鋳造品を製造することができる。近年製品の軽量
化の観点からアルミニウムのダイカスト製品の高品質化
が要請されており、本発明のダイカスト鋳造法は溶湯金
属としてアルミニウム又はアルミニウム合金を用いてダ
イカスト製品を鋳造するのに好適である。
【0059】なお上述したように粉体潤滑剤の塗布と水
性無機離型剤の塗布は、いずれもダイカスト金型を開い
た状態で行うので、先の鋳造によって鋳造された製品を
取り出すためにダイカスト金型を開いた状態とするのを
利用して、並行的に或いは連続的に作業を行うことがで
き、作業効率を向上させることが可能である。
【0060】
【実施例】(ガス量の比較試験)本発明のダイカスト鋳
造法で鋳造したダイカスト製品に含まれるガス量を評価
するために、他のダイカスト鋳造法で鋳造したダイカス
ト製品に含まれるガス量と比較した。
【0061】この比較試験の内容は、キャビティの内面
に用いられる離型剤と射出スリーブの摺動面に用いられ
る潤滑剤とを各種組み合わせてダイカスト製品を鋳造し
て、そのダイカスト製品に含まれるガス量を測定すると
いうものである。
【0062】表1に試験例1から試験例5において用い
られた離型剤と潤滑剤の組み合わせ及びその組み合わせ
で鋳造されたダイカスト製品中に含まれるガス量を示
す。なお試験例3が本発明のダイカスト鋳造法を用いた
例である。
【0063】
【表1】
【0064】なおガス量とはダイカスト製品100g当
たりのガス量である。単位はcm3である。また以下に
述べる離型剤及び潤滑剤の使用量は、1回のショットに
用いた量である。
【0065】試験例1のエマルジョン系離型剤は、花野
商事株式会社製の商品名「グラフェースTX」を用い
た。この「グラフェースTX」はシリコーンを17質量
%、合成油を2.5質量%、乳化剤を1.5質量%含有
する離型剤である。この「グラフェースTX」を水を用
いて体積で100倍に希釈したものをキャビティの内面
に約65ml塗布した。この場合、固定型の内面に30
ml、可動型の内面に35mlとした。
【0066】試験例1及び試験例2の鉱物油は、日本黒
鉛工業株式会社製の商品名「プランジャハイトTG−
Y」を用いた。この「プランジャハイトTG−Y」は精
製鉱物油と有機粘土と分散剤と天然黒鉛とを有し、黒鉛
分を14.5質量%とする油溶性の黒鉛系潤滑剤であ
る。試験例1及び試験例2では、この鉱物油をプランジ
ャチップの外周面に1cm3塗布した。
【0067】また試験例3及び試験例4の粉体潤滑剤
は、本発明のダイカスト鋳造法に用いられる粉体潤滑剤
であって、いずれも花野商事株式会社製の商品名「GW
−23」を用いた。なおこの「GW−23」は、無機白
色固体潤滑剤と高分子化合物とグラファイトを有する粉
体潤滑剤である。なお試験例4においては、離型剤及び
潤滑剤は共に同一の粉体潤滑剤を用いた。試験例3では
この「GW−23」を射出プランジャの摺動面に1g塗
布した。試験例4では、この「GW−23」をキャビテ
ィの内面及び射出プランジャの摺動面に0.5g塗布し
た。
【0068】試験例2、試験例3及び試験例5の水性無
機離型剤は、本発明のダイカスト鋳造法に用いられる水
性無機離型剤であって、無機塩として、硫酸カリウムが
析出するものである。試験例2、試験例3及び試験例5
のいずれにおいても、硫酸カリウムの濃度が10質量%
となる水溶液にした水性無機離型剤をキャビティの内面
に約65ml塗布した。この場合、固定型の内面に30
ml、可動型の内面に35mlとした。
【0069】試験例5の水溶性潤滑剤は、花野商事株式
会社製の商品名「グラフェースWPL563」を用い
た。この「グラフェースWPL563」は精製潤滑基油
を30質量%、油脂類を10質量%、界面活性剤を8質
量%含有している。この「グラフェースWPL563」
を射出プランジャの摺動面に1cm3塗布した。
【0070】800tダイカストマシンを用いて表1の
組み合わせでキャビティの内面と射出スリーブの摺動面
にそれぞれ離型剤と潤滑剤を塗布した後、射出スリーブ
にアルミニウム溶湯であるAC4CH(溶湯温度:69
0℃)を給湯した。そしてこのAC4CHをプランジャ
チップで射出して、キャビティに供給してダイカスト鋳
造によりテストピースをそれぞれ6個ずつ鋳造した。テ
ストピースの形状は50mm×170mm×2mmとし
た。
【0071】なおダイカスト用金型の温度は200℃と
し、射出速度は3.0m/sとし、射出圧力は50MP
aとした。
【0072】このようにして得られたテストピースにつ
いて、テストピース中に含まれるガス量を減圧測定法で
測定した。そして各試験例について6個のガス量の平均
値を求めた。
【0073】この比較試験では、本発明のダイカスト鋳
造法を用いた試験例3のテストピースのガス量が最も少
なく、鉱物油を潤滑剤として用いた試験例1及び試験例
2のテストピースがガス量が多い。従って潤滑剤として
鉱物油を用いるとガス量が増えることが分かる。
【0074】ただ試験例1と試験例2を比較すると、試
験例2においては本発明のダイカスト鋳造法で用いる水
性無機離型剤を用いており、試験例1ではエマルジョン
系離型剤を用いているが、水性無機離型剤を用いた試験
例2のテストピースの方が試験例1のテストピースより
もガス量が少なくなっている。従って水性無機離型剤の
方がエマルジョン系離型剤よりもガス量の発生が少ない
ということが分かる。
【0075】試験例3と試験例4とを比較すると、試験
例3においては本発明のダイカスト鋳造法で用いる水性
無機離型剤を用いており、試験例4では粉体潤滑剤を離
型剤として用いており、水性無機離型剤を用いた試験例
3のテストピースの方が試験例4のテストピースよりも
ガス量が少なくなっている。従って水性無機離型剤の方
が粉体潤滑剤を離型剤として用いた場合によりもガス量
の発生が少ないということが分かる。
【0076】試験例2、試験例3及び試験例5において
は、いずれも離型剤としては本発明のダイカスト鋳造方
で用いる水性無機離型剤を用いており、潤滑剤について
は試験例2では鉱物油、試験例3は本発明のダイカスト
鋳造方で用いる粉体潤滑剤、試験例5では水溶性潤滑剤
をそれぞれ用いている。
【0077】試験例2、試験例3及び試験例5を比較す
ると、試験例2の鉱物油、試験例5の水溶性潤滑剤、試
験例3の粉体潤滑剤の順でガス量が減少している。従っ
て潤滑剤についても本発明のダイカスト鋳造法で用いる
粉体潤滑剤を用いることによってガス量を最も減少させ
ることができることが分かる。
【0078】なお先に述べたようにアルミニウムに関し
ては一般に内部に含まれるガス量がアルミニウム100
g当たり5cm3以下の場合に溶接が可能であるとされ
ている。本試験の結果から本発明のダイカスト鋳造法を
用いて製造されたアルミニウム鋳造品は十分にこの基準
を上回っており、高品質の鋳造品ということができる。
【0079】(プランジャチップの摩耗量の比較試験)
試験例6として本発明のダイカスト鋳造法で行われる粉
体潤滑剤の塗布を実施し、プランジャチップの摩耗量を
測定した。試験例7として従来のダイカスト鋳造法によ
る粉体潤滑剤の塗布を実施して、プランジャチップの摩
耗量とを比較した。なお粉体潤滑剤はいずれも花野商事
株式会社製の商品名「GW23」を用いた。
【0080】試験例6においては、ダイカスト用金型を
開いた状態で粉体潤滑剤を射出スリーブの摺動面に塗布
した。この場合粉体噴出ノズルを射出スリーブの給湯口
の外側で入り口付近に配置した。そしてこの粉体噴出ノ
ズルの噴出口から射出スリーブの挿入口に挿入されたプ
ランジャチップの前端面に向けて粉体潤滑剤を噴出し
た。
【0081】プランジャチップの前端面と給湯口の下に
位置する摺動面との間でスワールが発生するように調整
して粉体潤滑剤を噴出し、射出スリーブの摺動面の全体
及びまた給湯口の下に位置する部位に粉体潤滑剤の溜ま
りを設けることができるように塗布した。その後ダイカ
スト用金型を閉じて、射出スリーブに溶湯金属を給湯し
て鋳造を開始した。なおこの試験例6では、1回のショ
ットに粉体潤滑剤を0.5g用いた。
【0082】試験例7においては、ダイカスト用金型を
閉じた状態で粉体噴出ノズルを射出スリーブの内部に導
入して、粉体噴出ノズルから粉体潤滑剤を噴出して、真
空のキャビティに粉体潤滑剤を吸引させてキャビティの
内面及び射出スリーブの摺動面に粉体潤滑剤を塗布し
た。その後粉体噴出ノズルを射出スリーブの外に出し、
真空引きを停止して、鋳造を開始した。なおこの試験例
7では、1回のショットに粉体潤滑剤を1g用いた。
【0083】なお本比較試験では800tダイカストマ
シンを用いた。射出スリーブは内径がφ100mmであ
り、長さが550mmのものを用いた。射出スリーブに
給湯される金属溶湯はアルミニウム合金であるADC1
2(成分:Al−10%Si、溶湯温度:650℃)を
用いた。
【0084】そして試験例6及び試験例7ともそれぞれ
鋳造を10000ショットを行った。なおプランジャチ
ップの射出速度は、いずれも最初は低速0.2m/sで
行い、その後高速2.0m/sとした。射出圧力はいず
れも60MPaとした。
【0085】それぞれ5000ショット目におけるプラ
ンジャチップの摩耗量及び10000ショット目のプラ
ンジャチップの摩耗量をプランジャチップの摩耗深さを
測定することによって評価した。
【0086】その結果を図2に示す。本発明のダイカス
ト鋳造法を構成する潤滑剤の塗布方法を使用した試験例
6では10000ショット時のプランジャチップの摩耗
深さが0.05mmであったのに対して、従来の潤滑剤
の塗布方法を使用した試験例7ではプランジャチップの
摩耗深さが0.3mmであった。
【0087】本比較試験からから本発明のダイカスト鋳
造法で鋳造を行った場合には、粉体潤滑剤の従来の方法
で塗布して鋳造を行った場合よりも、プランジャチップ
の摩耗量が少なくなることが分かる。従って本発明のダ
イカスト鋳造を用いた場合、射出スリーブ及びプランジ
ャチップの摺動面の摩耗を少なくすることができる。
【0088】
【発明の効果】本発明のダイカスト鋳造法は、鋳造され
た鋳造品に含まれるガス量を従来の鋳造品と比較して低
減することができる。
【0089】また本発明のダイカスト鋳造法は、粉体潤
滑剤を適切に射出スリーブ摺動面に塗布することでき、
その結果射出スリーブの摺動面とプランジャチップの摺
動面との摺動を円滑にし摩耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のダイカスト鋳造法において粉体潤滑
剤を塗布する方法を概略的に示した図である。
【図2】 ショット数とプランジャチップの摩耗深さと
の関係を示したグラフである。
【符号の説明】
10:粉体噴出ノズル 20:射出スリーブ 21:給湯口 22:挿入口 23:摺動面 30:プランジャチップ 31:前端面 40:粉体潤滑剤の溜まり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 103/06 C10M 103/06 B C D F 105/76 105/76 105/78 105/78 129/26 129/26 143/02 143/02 143/04 143/04 145/14 145/14 145/20 145/20 // C10N 10:02 C10N 10:02 10:04 10:04 10:06 10:06 40:20 40:20 Z 40:36 40:36 Fターム(参考) 4E092 AA05 AA09 AA12 AA15 GA01 4H104 AA04A AA13A AA16A AA18A AA19A AA20A AA21A AA24A AA26A BB15C CA02C CA03C CB08C CB12C CJ03C EA17A FA01 FA02 FA06 PA21 PA48

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイカスト用金型を備える型締め装置と
    該キャビティに溶湯金属を供給するプランジャ装置とを
    有するダイカストマシンを用いて、該ダイカスト用金型
    のキャビティ内面に離型剤を塗布すると共に該プランジ
    ャ装置の射出スリーブの摺動面に潤滑剤を塗布した後
    に、該射出スリーブに給湯された該溶湯金属を該プラン
    ジャチップで射出して該キャビティに供給するダイカス
    ト鋳造法において、 前記離型剤は、水性媒体と該水性媒体に溶解されたイオ
    ン化傾向が前記溶湯金属よりも高く、前記溶湯金属と反
    応せず且つ溶融温度及び分解温度が前記溶湯金属の溶湯
    温度よりも高い水溶性無機塩とを有する水性無機離型剤
    であり、 前記潤滑剤は、粉末状又は顆粒状の形態を有する無機物
    からなる基材と、該基材に付着性を付与する有機化合物
    からなり該基材に混合される粉末状又は顆粒状の形態或
    いは該基材の表面に被覆される皮膜の形態を有する添加
    材とを有する粉体潤滑剤であることを特徴とするダイカ
    スト鋳造法。
  2. 【請求項2】 前記粉体潤滑剤を前記ダイカスト用金型
    を開いた状態において、粉体噴出ノズルを前記射出スリ
    ーブの給湯口入口付近に配置して、前記射出スリーブの
    挿入口に挿入されて前記溶湯金属を射出するために待機
    している前記プランジャチップの前端面に向けて前記粉
    体噴出ノズルから前記粉体潤滑剤を噴出することによっ
    て、前記射出スリーブの前記摺動面に塗布する請求項1
    記載のダイカスト鋳造法。
  3. 【請求項3】 前記水性無機離型剤は、pHが10以上
    に調整されている請求項1又は2記載のダイカスト鋳造
    法。
  4. 【請求項4】 前記無機物は、窒化ホウ素、フッ化物、
    タルク、雲母、金属酸化物、窒化ケイ素、ホウ素化合
    物、硫黄化合物、リン化合物及びグラファイトのうちの
    1種以上である請求項1、2又は3記載のダイカスト鋳
    造法。
  5. 【請求項5】 前記溶湯金属は、アルミニウム又はアル
    ミニウム合金である請求項1、2、3又は4記載のダイ
    カスト鋳造法。
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