JP2016210938A - 難燃性固形潤滑剤、その難燃性固形潤滑剤の製造方法、およびその難燃性固形潤滑剤を用いたダイカスト方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑剤のガス化を抑制して、ガス化した分の潤滑剤を追加投入する必要性をなくし、ガス化に伴う発火や引火の危険性を低減し、また、これにより、二酸化炭素の発生を削減しつつ、好適な難燃性を発揮させ、更に、潤滑剤の計量性を向上させ、潤滑剤の飛散による作業環境の汚染を低減し、安定した潤滑性を発揮させる難燃性固形潤滑剤の提供。
【解決手段】投影面積が50〜3000mm2であり、前記投影面積をAmm2、平均厚さをBmmとしたときに、B/√Aが、1/55〜1/1.4となる、難燃性固形潤滑剤に関する。更に、全長が10〜60mmであり、厚さの最大値が全長に対して1/20〜1/2である難燃性固形潤滑剤であることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】投影面積が50〜3000mm2であり、前記投影面積をAmm2、平均厚さをBmmとしたときに、B/√Aが、1/55〜1/1.4となる、難燃性固形潤滑剤に関する。更に、全長が10〜60mmであり、厚さの最大値が全長に対して1/20〜1/2である難燃性固形潤滑剤であることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、またはこれらの元素を含む合金等の非鉄金属類をダイカスト加工する工程において、高温で熱し液体となった非鉄金属類をダイカスト設備に鋳込むための射出機に用いる潤滑剤に関する。本発明は、この射出機内部の潤滑性を向上させるための難燃性固形潤滑剤、その難燃性固形潤滑剤の配合組成および製造方法、その難燃性固形潤滑剤を用いたダイカスト方法に関する。
周知のごとく、ダイカストとは、高温の液体となった非鉄金属類(以下、溶融金属という。)を、特殊な鉄鋼材料でできた金型に高速・高圧力で鋳込み、冷え固まった非鉄金属類を取り出す金属加工法である。ダイカストは、切削加工法や重力鋳造法に比べて、機械化が進んでおり、生産性が高い成形法である。そのため、ダイカストは、自動車部品および機械部品等の製造に広く活用されている。
溶融金属を金型に鋳込む際、射出機内の潤滑性が不足している場合には、射出機内のプランジャースリーブとプランジャーチップとの摩擦が大きくなる。また、プランジャースリーブやプランジャーチップに溶融金属が焼付いたり、プランジャースリーブとプランジャーチップとがカジリを起こしたりする原因となっている。その結果、プランジャースリーブの摩耗やプランジャーチップの破損を引き起こすこともある。
このような焼付きや摩耗等を防止するために、溶融金属を鋳込む前に、射出機内のプランジャースリーブまたはプランジャーチップに潤滑剤が注入されている。このような潤滑剤には、主に油性の潤滑油が用いられており、一部に水溶性の潤滑剤も用いられている。潤滑剤の市場においては、主に液状の潤滑剤(以下、液状潤滑剤という。)が用いられている。
これら液状潤滑剤の注入方法としては、プランジャースリーブ内に潤滑剤を注入する方法と、プランジャーチップに潤滑剤を垂らす方法がある。より詳細には、前者は、プランジャースリーブ内へ溶融金属を供給するためのプランジャースリーブの側面に開口して設けられた潤滑剤投入口(給湯口ともいう)からプランジャースリーブ内の底部に液状潤滑剤を給油する方法である。また、後者は、プランジャーチップを後退させ、プランジャースリーブの開口部からプランジャーチップを外部に50〜80%露出させ、この露出されたプランジャーチップに液状潤滑剤を垂らす方法である。
前者の方法のように、潤滑剤投入口からプランジャースリーブ内に液状潤滑剤を注入する方法においては、液状潤滑剤の拡散やプランジャースリーブ内の清掃を目的としてエアブローが行われている。しかし、このエアブローにより、液状潤滑剤は作業所内に飛散し、オイルミスト等の作業環境悪化の原因となっている。
また、エアブローにより、プランジャースリーブ内に拡散された潤滑剤は、プランジャースリーブの熱を受けやすくなり、気化してガスを多量に発生させる。このガスが約700℃の溶融金属と接触することで発火等を起こし、火災の原因となる場合がある。このような発火や引火は、油性の潤滑油ばかりではなく、油分の含有量の多い水溶性潤滑剤でも起こる場合がある。
一方、後者の方法のように、プランジャーチップを外部に露出させ、液状潤滑剤を垂らす方法では、プランジャーチップに充分に液状潤滑剤を付着させるため、液状潤滑剤を多く塗布する傾向にある。そのため、プランジャーチップが高温となっている場合には、液状潤滑剤を垂らす際に、発火等を起こしやすい。
この後者の方法のように、プランジャーチップを外部に露出させ、液状潤滑剤を垂らす方法では、液状潤滑剤がプランジャーチップに付着しきらずに、下に垂れてしまう。下に垂れた液状潤滑剤は、露出させたプランジャーチップの下に設けた受け皿等に溜まることとなる。そして、この余った液状潤滑剤が溜まった受け皿に、高温の溶融金属の飛沫が接触することによっても、火災の原因となることがある。
加えて、この発火等によって液状潤滑剤の潤滑成分が燃えて、液体量が減ってしまう。そのため、初期の液状潤滑剤の塗布量を多くしなければならないが、塗布量を多くすることで、さらに発火等が起こりやすくなる。
また、液状潤滑剤から気化したガスが、成形品の中に混入することで、鋳巣の原因となり、成形品の強度を悪化させる一因となっている。
以上のような液状潤滑剤の問題対策として、140〜280℃の融点を持つ少なくとも1種類の高融点ワックス状物質と、該高融点ワックス状物質より30℃以上低く、且つ40〜130℃の融点を持つ低融点ワックス状物質と、潤滑性粉体とを含むことを特徴とする固形離型剤(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
また、自己潤滑性を有する粉体または混合体であり、常温において粉状または粒状で、かつダイカストマシンのプランジャースリーブ内へ投入後、プランジャースリーブ内面の70〜130℃の温度の熱、または前記プランジャースリーブに供給される溶融金属の熱によって液化する性質を有することを特徴とするプランジャースリーブ用潤滑剤(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかし、上記のような粉末または粒状の潤滑剤は、引火性の低減または作業環境悪化の防止になるが、その効果は十分ではない。すなわち、上記のような粉末または粒状の潤滑剤は、受熱面積が大きいため、溶融速度が速い。そのため、潤滑剤がガス化するまでの時間が短く、多量に発生した可燃性ガスと高温の溶融金属とが接触する可能性があり、発火や引火の危険性が残っている。
また、一般に、上記のような粉状または粒状の潤滑剤の投入量を計量するためには計量機を用いるが、すり切りで計量する際に問題が生じる場合がある。例えば、計量の際に、粉末または粒状の潤滑剤を押しつぶしてしまい、その押しつぶされた潤滑剤が計量機に付着し、正確な計量が困難となる場合がある。その結果、射出機内への潤滑剤の投入量が不正確となり、潤滑性のムラが発生するため、成形品の密度や寸法精度のバラつきの原因となりやすい。
加えて、上記のような粉状または粒状の潤滑剤を投入する際は、圧縮エアーによる投入方法が多用されている。しかし、この圧縮エアーによって、潤滑剤を投入する際に、潤滑剤がプランジャースリーブ内から飛散し、作業環境の悪化や発火等の原因となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、新規の難燃性固形潤滑剤を提供することを目的とする。新規の難燃性固形潤滑剤により、潤滑剤のガス化を抑制して、ガス化した分の潤滑剤を追加投入する必要性をなくすとともに、ガス化に伴う発火や引火の危険性を低減することを課題とする。また、これにより、二酸化炭素の発生を削減しつつ、好適な難燃性を発揮させることも課題とする。さらに、新規な難燃性固形潤滑剤により、潤滑剤の計量性を向上させ、潤滑剤の飛散による作業環境の汚染を低減するとともに、安定した潤滑性を発揮させることを課題とする。加えて、難燃性固形潤滑剤を成形する難燃性固形潤滑剤の製造方法、および難燃性固形潤滑剤を用いて成形品をダイカスト加工するダイカスト方法を提供することも目的とする。
本発明は、投影面積が50〜3000mm2であり、前記投影面積をAmm2、厚さの最大値をBmmとしたときに、B/√Aが、1/55〜1/1.4となる、難燃性固形潤滑剤に関する。
本発明は、さらに、全長が10〜60mmであり、厚さの最大値が全長に対して1/20〜1/2である難燃性固形潤滑剤であることが好ましい。
本発明は、さらに、平板形状、円筒形状、円盤形状、コイン形状、タブレット形状、レンズ形状、傘形形状、中空円筒形状、ドーナツ形状およびトローチ形状からなる群より選ばれる形状を有する難燃性固形潤滑剤であることが好ましい。
本発明は、粉粒体ワックス(a)および全体の配合量に対して14質量%以下の伝熱促進剤(b)を含有する、難燃性固形潤滑剤に関する。
本発明は、さらに、粉粒体ワックス(a)を含み、粉粒体ワックス(a)の種類が、動植物ワックス、鉱物ワックス、石油系ワックス、および合成ワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である難燃性固形潤滑剤であることが好ましい。
本発明は、さらに、粉粒体ワックス(a)を含み、粉粒体ワックス(a)の平均粒子径が、100〜2000μmである難燃性固形潤滑剤であることが好ましい。
本発明は、伝熱促進剤(b)を粉粒体ワックス(a)に打ち込む打込工程と、打込工程の後に粉粒体ワックス(a)を所定の形状に圧縮成形する成形工程とを有する、難燃性固形潤滑剤の製造方法に関する。
本発明は、さらに、成形工程の圧縮圧力が、0.1〜40kN/cm2である難燃性固形潤滑剤の製造方法であることが好ましい。
本発明の難燃性固形潤滑剤によれば、潤滑剤のガス化を抑制して、ガス化した分の潤滑剤を追加投入する必要性をなくすとともに、ガス化に伴う発火や引火の危険性を低減することができる。その結果、二酸化炭素の発生を削減しつつ、好適な難燃性を発揮させることができる。また、潤滑剤の計量性を向上させ、潤滑剤の飛散による作業環境の汚染を低減するとともに、安定した潤滑性を発揮させることができる。
本発明は、粉粒体ワックスおよび伝熱促進剤を含有する難燃性固形潤滑剤を提供する。以下に、本発明の難燃性固形潤滑剤における特徴的な形状および組成について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
潤滑剤の溶融時間は、その形状および組成に影響される。そのため、潤滑剤の組成を好適に調整したり、粒状の潤滑剤をコイン形状などの扁平形状に成形して受熱面積を調整したりすることによって、成形性と好適な溶融時間とを両立させた潤滑剤を得ることができる。
1−1 難燃性固形潤滑剤の形状
従来の潤滑剤として、例えば、水溶性もしくは油性の潤滑剤、粒状もしくは粉末の潤滑剤のような流動性の高い潤滑剤が挙げられる。これらの流動性の高い潤滑剤は、プランジャースリーブに潤滑剤を投入した後に、潤滑剤がプランジャースリーブ内に広がりやすい。そのため、潤滑剤の受熱面積が非常に大きくなってしまう。その結果、流動性の高い潤滑剤は、プランジャースリーブに潤滑剤を投入した後に、短時間でガス化しやすく、多量のガスを発生してしまう。そして、その後にプランジャースリーブ内に投入される高温の溶融金属とガス化した潤滑剤とが接触する際に、引火や発火が引き起こされやすくなる。
従来の潤滑剤として、例えば、水溶性もしくは油性の潤滑剤、粒状もしくは粉末の潤滑剤のような流動性の高い潤滑剤が挙げられる。これらの流動性の高い潤滑剤は、プランジャースリーブに潤滑剤を投入した後に、潤滑剤がプランジャースリーブ内に広がりやすい。そのため、潤滑剤の受熱面積が非常に大きくなってしまう。その結果、流動性の高い潤滑剤は、プランジャースリーブに潤滑剤を投入した後に、短時間でガス化しやすく、多量のガスを発生してしまう。そして、その後にプランジャースリーブ内に投入される高温の溶融金属とガス化した潤滑剤とが接触する際に、引火や発火が引き起こされやすくなる。
また、流動性の高い潤滑剤は、計量作業やエアブローの際に飛散しやすい。そのため、飛散した潤滑剤が付着することによって汚れの原因となったり、潤滑剤の量が不足して摩擦が大きくなったりすることにより、作業環境の悪化や製造製品の品質劣化を招きやすい。
さらに、水溶性または油性の潤滑剤は、周辺の温度によって体積が変化したり、計量容器に付着して固化したりしやすい。そのため、体積を指標として計量する場合に、計量誤差が生じるという問題がある。
以上のような問題を回避する観点から、飛散しにくい形状と、受熱面積が好適に調整された形状とを兼ね備えた固形の潤滑剤を成形することが好ましい。
飛散しにくい形状に成形することにより、計量に伴う潤滑剤の飛散や計量誤差を防止することができる。また、作業環境や製造製品を好適に維持することができる。加えて、プランジャースリーブに投入する潤滑剤の量を、投入する潤滑剤の個数によって調整することもできるようになる。
受熱面積が好適に調整された形状に成形することにより、潤滑剤のガス化を抑制することができるようになる。そのため、引火や発火の危険性が少ない好適な難燃性を示す潤滑剤を得ることができる。
具体的には、投影面積が50〜3000mm2であり、前記投影面積をAmm2、厚さの最大値をBmmとしたときに、B/√Aが、1/55〜1/1.4となる潤滑剤に成形することにより、飛散しにくい形状と、受熱面積が好適に調整された形状とを兼ね備えた固形の潤滑剤を成形することができる。
本願明細書において、受熱面とは、本発明の難燃性固形潤滑剤を、プランジャースリーブに投入した際、プランジャースリーブに接触し、プランジャースリーブの熱を受ける面のことをいう。厚さ方向とは、受熱面に対して垂直となる方向である。投影面積とは、1つの固形の潤滑剤を、厚さ方向から投影した場合に、受熱面と平行な面に形成され得る投影図の面積をいう。厚さの最大値とは、受熱面からその対向する面までの距離の最大値を意味する。
投影面積の形状は、略円形状であっても略正方形状であっても、難燃性固形潤滑剤の溶融性には大きく影響しないものと考えられる。また、投影面積の形状が略長方形状の場合であっても、投影面積の形状が極端に細長くならない限り、難燃性固形潤滑剤の溶融性は大きく変化しないものと考えられる。
一方、投影面積の正の平方根である√Aは、投影面積が略正方形状に近い形状の場合は、投影面積の一辺の長さ、すなわち難燃性固形潤滑剤の全長に等しい。また、投影面積の形状が、略正方形状以外の形状であっても、投影面積の形状が極端に細長い等の特段の事情がなければ、√Aは、難燃性固形潤滑剤の全長に近似できるものと考えられる。
以上のような観点から、B/√Aは、難燃性固形潤滑剤の厚さと全長との比を規定するものであると捉えることができる。難燃性固形潤滑剤の厚さと全長との比が一定の範囲にあれば、原則として難燃性固形潤滑剤は好適な溶融性を発揮するものと考えられる。
ただし、一定質量の難燃性固形潤滑剤において、B/√Aが極端に小さい場合、例えば、B/√Aが1/55未満の場合は、難燃性固形潤滑剤が薄くなりすぎる。そのため、成形時、搬送時、および投入時に割れが生じやすくなったり、取り扱いが困難になったりする。
また、一定質量の難燃性固形潤滑剤において、B/√Aが極端に大きい場合、例えば、B/√Aが1/1.4を超える場合は、難燃性固形潤滑剤が厚くなりすぎる。そのため、溶融時間が長くなり、難燃性固形潤滑剤の受熱面が、プランジャースリーブの内壁面と接触しないおそれが生じる。
以上のような観点から、本発明の難燃性固形潤滑剤は、B/√Aが1/55〜1/1.4のものである。また、B/√Aは、1/45〜1/5であることが好ましく、1/40〜1/10であることがより好ましい。
立方体形状や球形状のような溶融性が悪くなる形状は、上記のようなB/√Aの範囲には含まれない。つまり、B/√Aの範囲は、溶融性が良好となるための好適な形状の範囲、すなわち、溶融性が良好となるような厚さと全長との比の範囲を規定しており、投影面積の形状が極端に細長くない扁平な形状全般を表している。
上記の通り、一定質量の難燃性固形潤滑剤においては、B/√Aが一定の範囲にあれば、原則として難燃性固形潤滑剤は好適な溶融性を発揮するものと考えられる。しかし、難燃性固形潤滑剤の質量が極端に小さい場合、すなわち、難燃性固形潤滑剤の投影面積が極端に小さい場合は、難燃性固形潤滑剤が小さくなりすぎるため、好ましくない。
より具体的には、例えば、投影面積Aが50mm2未満である場合は、難燃性固形潤滑剤が小さくなりすぎて、難燃性固形潤滑剤の取扱性が悪くなる。また、投入する難燃性固形潤滑剤の個数が増えて、溶融時間の調整が困難になる。加えて、エアブローによって飛散しやすくもなり、潤滑剤を特定の形状に成形する意義が失われる。
一方、難燃性固形潤滑剤の質量が極端に大きい場合、すなわち、難燃性固形潤滑剤の投影面積が極端に大きい場合は、難燃性固形潤滑剤が大きくなりすぎるため、好ましくない。
より具体的には、例えば、投影面積Aが3000mm2を超える場合は、難燃性固形潤滑剤が大きくなりすぎて、潤滑剤の総量を潤滑剤の個数によって微調整しにくくなる。そのため、潤滑剤を固形に成形する意義が失われる。
以上のような観点から、本発明の難燃性固形潤滑剤は、投影面積Aが50〜3000mm2のものである。また、投影面積Aは、100〜2500mm2であることが好ましく、100〜2000mm2であることがより好ましい。すなわち、投影面積Aの範囲は、難燃性固形潤滑剤の大きさについての好適な範囲を表している。
なお、受熱面が凹凸を有している場合は、受熱面積と投影面積は厳密には一致しないが、本発明の難燃性固形潤滑剤のように扁平な形状においては、プランジャースリーブからの熱の受け方は、受熱面の凹凸の有無によらず、同様であると考えられる。そのような観点においては、受熱面積と投影面積とは同義のものであると解釈することができる。
本発明の難燃性固形潤滑剤の全長は、10〜60mmであることが好ましく、10〜40mmであることがより好ましく、10〜30mmであることがさらに好ましい。難燃性固形潤滑剤の全長が10mm未満であると、潤滑剤が飛散しやすくなる傾向にある。難燃性固形潤滑剤の全長が60mmを超えると、潤滑剤の総量を潤滑剤の個数によって微調整しにくくなる傾向にある。
なお、難燃性固形潤滑剤の全長とは、難燃性固形潤滑剤の長手方向の距離を意味する。例えば、受熱面が略長方形状の難燃性固形潤滑剤においては長辺の長さを表し、受熱面が略正方形状の難燃性固形潤滑剤においては一辺の長さを表し、受熱面が略円形状の難燃性固形潤滑剤においては直径の長さを表す。
本発明の難燃性固形潤滑剤の厚さの最大値は、全長に対して1/20〜1/2であることが好ましく、1/20〜1/5であることがより好ましく、1/20〜1/8であることがさらに好ましい。難燃性固形潤滑剤の厚さの最大値が全長に対して1/20未満であると、成形性が悪くなったり、溶融時間が短くなりすぎてガス化しやすくなったりする傾向にある。難燃性固形潤滑剤の厚さの最大値が全長に対して1/2を超えると、溶融時間が長くなる傾向にある。
本発明の難燃性固形潤滑剤の厚さの最大値は、0.5mm〜30mmであることが好ましく、1〜20mmであることがより好ましく、2〜15mmであることがさらに好ましい。難燃性固形潤滑剤の厚さの最大値が0.5mm未満であると、成形性が悪くなったり、割れが生じやすくなったりする傾向にある。また、溶融時間が短くなりすぎてガス化しやすくなったりする傾向もある。難燃性固形潤滑剤の厚さの最大値が30mmを超えると、溶融時間が長くなる傾向にある。
難燃性固形潤滑剤の全長と厚さの最大値は、プランジャースリーブの内面温度と、潤滑剤の溶融時間および必要量に応じて調整することが可能である。例えば、プランジャースリーブの内面に接触する難燃性固形潤滑剤の面積を小さくし、難燃性固形潤滑剤を厚くすることにより、難燃性固形潤滑剤の溶融速度を遅くすることができる。一方、プランジャースリーブの内面に接触する難燃性固形潤滑剤の面積を大きくし、難燃性固形潤滑剤を厚くすることにより、難燃性固形潤滑剤の溶融速度を早くすることができる。また、潤滑剤の必要量は、鋳込む溶融金属の量、またはプランジャースリーブの容量により、適宜調整することができる。
難燃性固形潤滑剤の形状は、特に限定されないが、例えば、平板形状、円筒形状、円盤形状、コイン形状、タブレット形状、レンズ形状、傘形形状、中空円筒形状、ドーナツ形状、またはトローチ形状などが挙げられる。
これらの形状は、具体的には、図1に示すような扁平形状であるものを表す。難燃性固形潤滑剤を厚さ方向から投影した場合の投影図の形状は、特に限定されず、略円形状や略四角形状の他、任意の形状とすることができる。なお、難燃性固形潤滑剤の形状は、起伏のない平らな形状であってもよいし、起伏を有する平たい形状であってもよい。すなわち、難燃性固形潤滑剤の形状は、屈曲部や凹凸部、穴や孔を有するものであってもよい。
例えば、図1(A)に示すような難燃性固形潤滑剤1Aは、平板形状である。平板形状とは、平らな板状の形状を意味する。
例えば、図1(B)に示すような難燃性固形潤滑剤1Bは、円筒形状である。円筒形状とは、中央に貫通孔を有する平らな円柱形状を意味する。
例えば、図1(C)に示すような難燃性固形潤滑剤1Cは、円盤形状である。円盤形状とは、円形で両面が略凸状の平たい形状を意味する。
例えば、図1(D)に示すような難燃性固形潤滑剤1Dは、コイン形状である。コイン形状とは、円形の硬貨やチップに類した平らな形状を意味する。
例えば、図1(E)に示すような難燃性固形潤滑剤1Eは、タブレット形状である。タブレット形状とは、円形の錠剤形状で、比較的厚さのある平たい形状を意味する。
例えば、図1(F)に示すような難燃性固形潤滑剤1F1および難燃性固形潤滑剤1F2は、レンズ形状である。レンズ形状とは、凸レンズの形状やコンタクトレンズの形状など、少なくとも1つの面が略凸型の曲面を形成する円形の平たい形状を意味する。
例えば、図1(G)に示すような難燃性固形潤滑剤1G1および難燃性固形潤滑剤1G2は、傘形形状である。傘形形状とは、略錐形状、または略錐形状の底面部に凹部を有する平たい形状を意味する。
例えば、図1(H)に示すような難燃性固形潤滑剤1Hは、中空円筒形状である。中空円筒形状とは、円筒形状の有する中空よりも径の大きい中空をさらに有する平らな円筒形状を意味する。
例えば、図1(I)に示すような難燃性固形潤滑剤1Iは、ドーナツ形状である。ドーナツ形状とは、中央に貫通孔を有する平たいリング形状であって、垂直断面が略円形状であるものを意味する。
例えば、図1(J)に示すような難燃性固形潤滑剤1Jは、トローチ形状である。トローチ形状とは、中央に貫通孔を有する平らなリング形状であって、垂直断面が略四角形状であるものを意味する。
上記のような形状に難燃性固形潤滑剤を成形することによって、受熱面積が好適となり、潤滑剤への急激な熱伝導を抑えることができる。その結果、潤滑剤がガス化する速度を抑えることができ、引火や発火の危険性を低減することができる。
上記の難燃性固形潤滑剤の形状の中でも、受熱面積が最適でプランジャースリーブの熱を効果的に受けることが可能となったり、成形がしやすくなったりする観点から、円筒形状、円盤形状、またはコイン形状であることが特に好ましい。
1−2 難燃性固形潤滑剤の組成成分
本発明の難燃性固形潤滑剤は、プランジャースリーブに投入するまでは、最適な形状を維持できることが好ましい。また、難燃性固形潤滑剤の中の潤滑成分や、難燃性固形潤滑剤がガス化する際に生じる一部のガスが、高温の溶融金属と接触しても、引火や発火を起こさないことが好ましい。さらに、潤滑成分が、迅速にプランジャースリーブ内で伸展することが好ましい。伸展性が高い潤滑剤であれば、エアブローする必要がなく、潤滑剤の飛散を防止することができる。
本発明の難燃性固形潤滑剤は、プランジャースリーブに投入するまでは、最適な形状を維持できることが好ましい。また、難燃性固形潤滑剤の中の潤滑成分や、難燃性固形潤滑剤がガス化する際に生じる一部のガスが、高温の溶融金属と接触しても、引火や発火を起こさないことが好ましい。さらに、潤滑成分が、迅速にプランジャースリーブ内で伸展することが好ましい。伸展性が高い潤滑剤であれば、エアブローする必要がなく、潤滑剤の飛散を防止することができる。
以上のような観点から、本発明の難燃性固形潤滑剤は、粉粒体ワックス(a)および伝熱促進剤(b)を含有する組成としている。
本発明の難燃性固形潤滑剤は、その形状または組成により、プランジャースリーブに投入した後の潤滑剤の溶融時間を調整できるため、潤滑剤のガス化や飛散を防止できる。そのため、作業環境の改善に役立ち、潤滑剤が溶融金属に接触した際の発火や引火を防止することができる。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、溶融後にプランジャースリーブ内に潤滑成分を充分に伸展させることができる。そのため、本発明の難燃性固形潤滑剤は、安定した潤滑性を発揮することが可能となり、成形品の生産効率を維持することが可能となる。また、引火や発火の可能性が低いため、焼えて失われてしまう分の潤滑剤を投入する必要がない。そのため、潤滑剤の使用量を抑えることが可能となる。
1−2−1 組成成分:粉粒体ワックス(a)
粉粒体ワックス(a)は、100〜250℃における潤滑性を向上させ、プランジャースリーブ内での潤滑成分の伸展性を向上させるために用いられる。すなわち、本発明の難燃性固形潤滑剤においては、粉粒体ワックス(a)が潤滑成分として機能し得る。
粉粒体ワックス(a)は、100〜250℃における潤滑性を向上させ、プランジャースリーブ内での潤滑成分の伸展性を向上させるために用いられる。すなわち、本発明の難燃性固形潤滑剤においては、粉粒体ワックス(a)が潤滑成分として機能し得る。
粉粒体ワックス(a)は、気体または液体であると成形することが困難であるため、固体またはペースト状(半固体)のものを用いることが好ましい。粉粒体ワックス(a)の種類は、特に限定されないが、例えば、動植物ワックス、鉱物ワックス、石油ワックス、または合成ワックスなどが挙げられる。
粉粒体ワックス(a)は、融点のバラつきが少なく、純度の高いものが好ましい。不純物が多いワックスは、不純物が少ないワックスと比較すると、融点が低下してガス化しやすくなる傾向にある。融点のバラつきが少なく、純度の高いワックスを用いる観点からは、上記の粉粒体ワックス(a)の中でも、石油系ワックスまたは合成ワックスが特に好ましい。
石油系ワックスの種類は、特に限定されないが、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、またはペトロラタムなどが挙げられる。
合成ワックスの種類は、特に限定されないが、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、またはエステルワックスなどが挙げられる。
粉粒体ワックス(a)としては、上記の石油系ワックスおよび合成ワックスの中から、1種類または2種類以上を混合して用いることが特に好ましい。
粉粒体ワックス(a)の平均粒子径は、難燃性固形潤滑剤の成形性に影響を及ぼす傾向にある。粉粒体ワックス(a)の平均粒子径は、5〜2000μmであることが好ましく、100〜1000μmであることがより好ましい。粉粒体ワックス(a)の平均粒子径が5μm未満であると、粉粒体ワックス(a)が圧縮熱により溶融してべたつくため、難燃性固形潤滑剤の連続成形に不向きとなる傾向にある。粉粒体ワックス(a)の平均粒子径が2000μmを超えると、難燃性固形潤滑剤を成形しても、脆く崩れやすくなる傾向にある。成形性を考慮すると、平均粒子径が100μm以上の粉粒体ワックスを混合することが好ましい。
また、粉粒体ワックス(a)の融点は、プランジャースリーブ内での溶融性、伸展性、および成形性に影響を及ぼす傾向にある。粉粒体ワックス(a)の融点は、40〜100℃であることが好ましい。粉粒体ワックス(a)の融点が、40℃未満であると、難燃性固形潤滑剤を成形する際に、粉粒体ワックス(a)が熱で溶けて、難燃性固形潤滑剤の成形が難しくなる傾向にある。粉粒体ワックス(a)の融点が100℃を超えると、プランジャースリーブ内で、難燃性固形潤滑剤が溶融し切らずに固形のまま残りやすくなる傾向にある。また、プランジャースリーブ内に潤滑成分が充分に行き渡らなくなることにより、潤滑剤の焼付き等の原因となる場合がある。
また、複数の粉粒体ワックス(a)を併用する場合は、融点が50〜64℃である粉粒体ワックス(a)と、融点が65〜75℃である粉粒体ワックス(a)とを併用することが好ましい。また、より詳細には、2種類の粉粒体ワックス(a)の質量比が、粉粒体ワックス(a)100部のうち、融点が50〜64℃である粉粒体ワックス(a)が25〜75部、融点が65〜75℃である粉粒体ワックス(a)が75〜25部であることが好ましい。このように複数の粉粒体ワックス(a)を併用することにより、350℃付近のプランジャースリーブ内における潤滑剤の溶融性および伸展性が良好となる傾向にある。また、成形性も良好となる傾向にある。
粉粒体ワックス(a)は、難燃性固形潤滑剤の主成分であり、潤滑剤が溶融した後の潤滑剤の伸展性に大きく影響する傾向にある。なお、ここで主成分とは、難燃性固形潤滑剤の配合成分のうち、最も多くの質量を占める配合成分をいう。
粉粒体ワックス(a)の配合量は、50〜95質量%であることが好ましく、60〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることが最も好ましい。粉粒体ワックス(a)の配合量が50質量%未満であると、潤滑性や伸展性が低下する傾向にある。粉粒体ワックス(a)の配合量が95質量%を超えると、後に記載する伝熱促進剤(b)の配合量が不十分になり、溶融時間が長くなる傾向にある。
1−2−2 組成成分:伝熱促進剤(b)
伝熱促進剤(b)を難燃性固形潤滑剤に配合すると、難燃性固形潤滑剤の溶融時間を早めることができる傾向にある。融点が高い粉粒体ワックス(a)を配合した場合は、潤滑剤をプランジャースリーブ内に投入しても、迅速に溶融しない可能性があるが、伝熱促進剤(b)を配合することで、難燃性固形潤滑剤の伝熱性が良くなり、融点が高い粉粒体ワックス(a)を配合した場合でも、難燃性固形潤滑剤を迅速に融解させることが可能となる。
伝熱促進剤(b)を難燃性固形潤滑剤に配合すると、難燃性固形潤滑剤の溶融時間を早めることができる傾向にある。融点が高い粉粒体ワックス(a)を配合した場合は、潤滑剤をプランジャースリーブ内に投入しても、迅速に溶融しない可能性があるが、伝熱促進剤(b)を配合することで、難燃性固形潤滑剤の伝熱性が良くなり、融点が高い粉粒体ワックス(a)を配合した場合でも、難燃性固形潤滑剤を迅速に融解させることが可能となる。
伝熱促進剤(b)の熱伝導率は、5W/mK以上であることが好ましく、10〜5500W/mKであることがより好ましい。伝熱促進剤(b)の熱伝導率が5W/mK未満であると、溶融時間が長くなりすぎたり、潤滑剤の成形性が低下したりする傾向にある。伝熱促進剤(b)の熱伝導率が高いほど、伝熱促進剤(b)を少量配合するだけで、潤滑剤の溶融時間を早めることができる傾向にあるが、伝熱促進剤(b)の熱伝導率が5500W/mKを超えると、溶融時間が早くなりすぎて、ガス化等の問題が発生しやすくなる傾向にある。
また、伝熱促進剤(b)は、潤滑成分の溶融性及び伸展性を向上させる観点から、超微粒子または微粒子などの粉末状であることが好ましい。伝熱促進剤(b)の平均粒子径は、2〜50μmであることが好ましく、5〜30μmがより好ましく、5〜20μmが最も好ましい。伝熱促進剤(b)の平均粒子径が2μm未満であると、伝熱促進剤(b)が凝集しやすくなり、伝熱促進剤(b)を分散させることが困難となる傾向にある。伝熱促進剤(b)の平均粒子径が50μmを超えると、潤滑成分の溶融時間が長くなり、伸展性が低下したり、分散が不十分となったりするなど、充分な伝熱促進効果が得られなくなる可能性がある。
伝熱促進剤(b)の種類は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム含有化合物、ケイ素含有化合物、酸化亜鉛等の亜鉛含有化合物、酸化マグネシウム等のマグネシウム含有化合物、炭素化合物、金含有化合物、銀含有化合物、銅含有化合物、ニッケル含有化合物、インジウム含有化合物、ガリウム含有化合物、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、または二硫化タングステンなどが挙げられる。
アルミニウム含有化合物は、特に限定されないが、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、または水酸化アルミニウムなどのアルミニウム粉末類が挙げられる。
ケイ素含有化合物は、特に限定されないが、例えば、シリカまたは窒化ケイ素などの金属ケイ素類が挙げられる。
炭素化合物は、特に限定されないが、例えば、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、または熱処理カーボンナノホーンなどのカーボン粉末類が挙げられる。
グラファイトは、特に限定されないが、例えば、土状黒鉛または鱗状黒鉛のような黒鉛などが挙げられる。
グラファイトを用いる場合は、土状黒鉛と鱗状黒鉛とを併用することが好ましい。鱗状黒鉛と土状黒鉛とを併用することにより、伝熱促進効果に加え、静摩擦をさらに低減させることができる。鋳造機の大きさによっては、プランジャーチップが戻る際に、プランジャーチップがプランジャースリーブに引っかかることがあり、静摩擦をさらに低減する必要が生じる場合がある。このような場合に、鱗状黒鉛と土状黒鉛とを併用した難燃性固形潤滑剤を用いることが、特に好ましい。
土状黒鉛と鱗状黒鉛とを配合する質量比は、黒鉛100部のうち、土状黒鉛が10〜90部、鱗状黒鉛が90〜10部であることが好ましく、黒鉛100部のうち、土状黒鉛が20〜80部、鱗状黒鉛が80〜20部であることがより好ましい。土状黒鉛は、コロの役割を果たし、鱗状黒鉛は、滑り易い板の役割を果たす。そのため、これらを併用することによって、潤滑性をさらに向上させることが可能となる。
上記の伝熱促進剤(b)の中でも、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、またはカーボン粉末のグラファイトが特に好ましい。これらは、高温における安定性が高く、層状の結晶構造によって特定方向へ割れやすい劈開性を発揮して、高温における潤滑性を良好にするからである。
なお、伝熱促進剤(b)は、2種類以上を配合してもよい。
伝熱促進剤(b)の配合量は、1〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、2〜14質量%であることが特に好ましい。伝熱促進剤(b)の配合量が1質量%未満であると、難燃性固形潤滑剤の溶融時間を早める効果が低くなり、高温における潤滑性が不足する傾向にある。伝熱促進剤(b)の配合量が30質量%を超えると、伝熱促進剤(b)が骨材となって溶融した粉粒体ワックス(a)などを保持してしまい、潤滑剤の伸展性が阻害されてしまう傾向にある。
1−2−3 組成成分:乾性油(c)
乾性油(c)は、添加剤を混合する際に粉塵が生じることを防止し、配合成分の混合効率を高めるために用いることができる。また、乾性油(c)は、酸化により乾燥皮膜を形成する。そのため、乾性油(c)を混合することにより、難燃性固形潤滑剤の割れが生じにくくなり、難燃性固形潤滑剤の成形性が大幅に向上する傾向にある。
乾性油(c)は、添加剤を混合する際に粉塵が生じることを防止し、配合成分の混合効率を高めるために用いることができる。また、乾性油(c)は、酸化により乾燥皮膜を形成する。そのため、乾性油(c)を混合することにより、難燃性固形潤滑剤の割れが生じにくくなり、難燃性固形潤滑剤の成形性が大幅に向上する傾向にある。
乾性油とは、ヨウ素価が130以上のものをいい、ヨウ素価が100〜130のものは半乾性油、ヨウ素価が100以下のものは不乾性油という。なお、ヨウ素価とは、油中の不飽和脂肪酸の量を示す指標である。
ヨウ素価が130以上の乾性油であれば、空気中の酸素により酸化して完全に固化し、強固な乾燥皮膜を形成する傾向にある。このことにより、難燃性固形潤滑剤の成形性が向上し、難燃性固形潤滑剤の割れ等を防止できる傾向にある。
乾性油(c)の配合量は、10質量%以下であることが好ましく、0.1〜7.0質量%であることがより好ましく、0.2〜5.0質量%であることがさらに好ましい。乾性油(c)は、酸化により固化する傾向にあるため、乾性油(c)の配合量が10質量%を超えると、潤滑剤の溶融速度が遅くなる傾向にある。また、潤滑剤がプランジャースリーブ内に残りやすくなる傾向もある。
乾性油(c)の種類は、特に限定されないが、例えば、亜麻仁油、グレープシード油、紫蘇油、月見草油、桐油、ピーナッツ油、荏油、紅花油、芥子油、胡桃油、向日葵油、クワイナッツ油、ローズヒップ油、イワシ油、またはニシン油などが挙げられる。
1−2−4 組成成分:金属石鹸(d)
金属石鹸(d)は、200〜300℃における潤滑性を維持するため、また、静摩擦を低減するために、必要に応じて添加することができる。金属石鹸(d)の種類は、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、またはオクチル酸などの脂肪酸との金属塩が挙げられる。
金属石鹸(d)は、200〜300℃における潤滑性を維持するため、また、静摩擦を低減するために、必要に応じて添加することができる。金属石鹸(d)の種類は、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、またはオクチル酸などの脂肪酸との金属塩が挙げられる。
金属石鹸(d)の種類は、より詳細には、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12-ヒドロキシステアリン酸アルミニウム、12-ヒドロキシステアリン酸バリウム、12-ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12-ヒドロキシステアリン酸リチウム、12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛、12-ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸リチウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸バリウム、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸リチウム、モンタン酸ナトリウム、ベヘン酸カルシウム、ベヘン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ベヘン酸リチウム、ベヘン酸ナトリウム、ベヘン酸銀、セバシン酸ナトリウム、ウンデシレン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、またはパルミチン酸亜鉛などが挙げられる。これら金属石鹸(d)は2種類以上を併用してもよい。
上記の金属石鹸(d)の中でも、安定した潤滑性を発揮し、入手がしやすいという観点から、ステアリン酸亜鉛、またはステアリン酸アルミニウムを用いることが好ましい。
金属石鹸(d)の配合量は、10質量%以下であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることがさらに好ましい。金属石鹸(d)の配合量が10質量%を超えると、難燃性固体潤滑剤を成形しても、難燃性固体潤滑剤が脆くなる傾向にある。
2−1 難燃性固形潤滑剤の製造方法
以下、本発明の難燃性固形潤滑剤の製造方法について説明するが、本発明の難燃性固形潤滑剤の製造方法は、これに限定されない。
以下、本発明の難燃性固形潤滑剤の製造方法について説明するが、本発明の難燃性固形潤滑剤の製造方法は、これに限定されない。
本発明の難燃性固形潤滑剤を、下記の方法で製造することにより、運搬中に割れ等の破損を発生させにくく、プランジャースリーブ内に安定して供給できる難燃性固形潤滑剤を製造することができる。また、下記の方法で製造することにより、伸展性が良好であり、安定した潤滑性を発揮する難燃性固形潤滑剤を製造することができる。以下、難燃性固形潤滑剤の製造方法を、混合工程、打込工程、コーティング工程、および成形工程とに分けて説明する。
2−1−1 混合工程
伝熱促進剤(b)および必要に応じて添加され潤滑成分となる金属石鹸(d)等の添加剤は、粉粒体ワックス(a)の表面に打ち込む前に、予め混合しておくことが好ましい。この混合工程を経ることにより、添加剤を潤滑剤内に均一に分散させることができる。
伝熱促進剤(b)および必要に応じて添加され潤滑成分となる金属石鹸(d)等の添加剤は、粉粒体ワックス(a)の表面に打ち込む前に、予め混合しておくことが好ましい。この混合工程を経ることにより、添加剤を潤滑剤内に均一に分散させることができる。
2−1−2 打込工程
予め混合された伝熱促進剤(b)および必要に応じて添加される金属石鹸(d)等の添加剤を、粉粒体ワックス(a)の表層に打ち込むことが好ましい。この打込工程により、混合物の粒度の違いによる潤滑剤の強度低下を防止することができる。そのため、潤滑剤の成形性を向上させることができる。
予め混合された伝熱促進剤(b)および必要に応じて添加される金属石鹸(d)等の添加剤を、粉粒体ワックス(a)の表層に打ち込むことが好ましい。この打込工程により、混合物の粒度の違いによる潤滑剤の強度低下を防止することができる。そのため、潤滑剤の成形性を向上させることができる。
具体的には、伝熱促進剤(b)および金属石鹸(d)等の添加剤を、高速回転するミキサー等が発生させる衝撃力によって、粉粒体ワックス(a)の表層に打ち込み、固定化する。
粉粒体ワックス(a)に打ち込む添加剤の量が多い場合には、この打込工程を複数回に分けて行うことが好ましい。
また、粉粒体ワックス(a)を溶融して、その他の有効成分を添加し、粉砕や混合をする工程を追加してもよい。
2−1−3 コーティング工程
表層に添加剤が打ち込まれた粉粒体ワックス(a)は、乾性油(c)でコーティングすることが好ましい。乾性油(c)で粉粒体ワックス(a)をコーティングすることにより、難燃性固形潤滑剤を成形する際、粉粒体ワックス(a)同士がくっつきやすくなり、難燃性固形潤滑剤の成形性が向上する。また、乾性油(c)が固化した後は、乾性油(c)が乾燥皮膜を形成するため、難燃性固形潤滑剤に割れ等が生じにくくなり、難燃性固形潤滑剤が安定した強度を保つことができるようになる。
表層に添加剤が打ち込まれた粉粒体ワックス(a)は、乾性油(c)でコーティングすることが好ましい。乾性油(c)で粉粒体ワックス(a)をコーティングすることにより、難燃性固形潤滑剤を成形する際、粉粒体ワックス(a)同士がくっつきやすくなり、難燃性固形潤滑剤の成形性が向上する。また、乾性油(c)が固化した後は、乾性油(c)が乾燥皮膜を形成するため、難燃性固形潤滑剤に割れ等が生じにくくなり、難燃性固形潤滑剤が安定した強度を保つことができるようになる。
また、このコーティング工程は、打込工程中に行うことが好ましい。打込工程において、高速回転するミキサーを用いる場合は、予め混合された伝熱促進剤(b)および必要に応じて添加される金属石鹸(d)等の添加剤が粉塵の原因となりやすい。そのため、乾性油(c)をスプレー塗布することにより、この粉塵を防止することができ、打込工程の効率を高めることができる。
なお、乾性油(c)の粘度が高く、スプレー塗布が困難な場合には、炭化水素系溶剤などで乾性油(c)を希釈して、乾性油(c)の粘度を低下させることが好ましい。このことにより、スプレー塗布が行いやすくなる。
2−1−4 成形工程
表層に伝熱促進剤(b)等の添加剤が打ち込まれ、乾性油(c)でコーティングされた粉粒体ワックス(a)を、金型を用いた圧縮成形機を用いて、所定の形状、大きさ、厚さに圧縮成形する。
表層に伝熱促進剤(b)等の添加剤が打ち込まれ、乾性油(c)でコーティングされた粉粒体ワックス(a)を、金型を用いた圧縮成形機を用いて、所定の形状、大きさ、厚さに圧縮成形する。
圧縮成形機の種類は、連続成形が可能なものであれば、特に限定されないが、例えば、油圧プレス機、サーボプレス機、単軸打錠機、またはロータリー打錠機などが挙げられる。
圧縮成形機による圧縮圧力は、0.1〜40kN/cm2であることが好ましく、0.1〜20kN/cm2であることがより好ましく、0.2〜15kN/cm2であることがさらに好ましい。圧縮圧力が0.1kN/cm2未満であると、難燃性固形潤滑剤が成形されにくく、脆く崩れやすくなる傾向にある。圧縮圧力が40kN/cm2を超えると、成形する難燃性固形潤滑剤が圧縮成形機に溶着し、圧縮成形機から取り出す際に割れやすくなる傾向にある。
本発明の難燃性固形潤滑剤を上記のような製造工程によって成形することにより、潤滑剤の強度が確保され、割れなどの潤滑剤の破損を防止することができるようになる。
また、この難燃性固形潤滑剤は、すり切りの計量機等を用いることなく投入量を正確に個数管理することができるので、計量性に優れており、成形品の密度や寸法精度のバラつきを防止することができる。
また、難燃性固形潤滑剤は、割れなどの破損が生じにくいため、安定した潤滑剤の生産を維持することができる。また、運搬等の途中でも割れなどの破損が生じにくいため、鋳造設備まで安定して運搬等することが可能となる。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、その製造工程において、受熱面積を適宜調整することにより、既存の鋳造装置のサイクル条件を変更せずに、最適な溶融時間に調整することが可能となる。そのため、本発明の難燃性固形潤滑剤は、様々な鋳造装置に用いることができる。すなわち、新たな装置を導入することなく、既存装置へ用いることが可能となる。
本発明の難燃性固形潤滑剤を用いたダイカスト方法は、特に限定されないが、プランジャースリーブに難燃性固形潤滑剤を投入した後、溶融金属をプランジャースリーブに注入して、溶融金属を高速・高圧力で金型に鋳込み、冷え固まった非鉄金属類鋳物を成形品として得ることができる。このとき、難燃性固形潤滑剤を複数枚投入することにより、潤滑剤の必要量を調整することができる。
以下、実施例を用いて、本発明の難燃性固形潤滑剤の組成物、難燃性固形潤滑剤の製造方法について詳細に説明する。なお、この発明は、以下の実施例そのままに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更には、異なる実施形態となるよう構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の難燃性固形潤滑剤の性能を評価するために、各種潤滑剤についての溶融性試験、平均動摩擦試験および静摩擦試験を行った。溶融性試験、平均動摩擦試験および静摩擦試験に用いたワックス、伝熱促進剤、および金属石鹸を表1〜表3に示す。
[実施例1、比較例1、または比較例2で用いる潤滑剤の製造]
溶融性試験を行うために、表1に示すワックスA3gを用いた。ワックスAを表4に示す形状とするために、圧縮成形機(株式会社南陽製、4STサーボショット)を用いて、10kN/cm2の圧縮圧力をかけて圧縮成形した。以上のようにして製造された潤滑剤を、実施例1、比較例1および比較例2で用いる潤滑剤とした。
<溶融性試験>
図2に、潤滑剤についての溶融性試験を行うための溶融試験機10の概略図を示す。溶融試験機10は、試験筒11と、潤滑剤投入口12と、温度測定面13と、ヒータ14とを有する。この溶融試験機10の直径は、約3500tの実機ダイカストマシンのプランジャースリーブに相当する。
溶融性試験を行うために、表1に示すワックスA3gを用いた。ワックスAを表4に示す形状とするために、圧縮成形機(株式会社南陽製、4STサーボショット)を用いて、10kN/cm2の圧縮圧力をかけて圧縮成形した。以上のようにして製造された潤滑剤を、実施例1、比較例1および比較例2で用いる潤滑剤とした。
<溶融性試験>
図2に、潤滑剤についての溶融性試験を行うための溶融試験機10の概略図を示す。溶融試験機10は、試験筒11と、潤滑剤投入口12と、温度測定面13と、ヒータ14とを有する。この溶融試験機10の直径は、約3500tの実機ダイカストマシンのプランジャースリーブに相当する。
試験筒11は、円筒形状であり、試験筒11の内面の温度を測定できるように、その両端面は開口している。試験筒11の寸法は、直径18cm、長さ50cmである。
潤滑剤投入口12は、試験筒11の長手方向中央に形成されており、試験筒11の中に潤滑剤を投入できる構成となっている。潤滑剤投入口12の寸法は、縦15cm、横10cmである。
温度測定面13は、図2において破線で示したように、潤滑剤投入口12と対向する円筒内面にあり、ヒータ14によって加熱された試験筒11の温度を測定できる構成となっている。
ヒータ14は、試験筒11の外部に設けられており、潤滑剤投入口12と対向する側に位置している。ヒータ14は、温度測定面13を所定温度まで加熱する機能を有する。
上記の溶融試験機10を用いて、試験筒11内での潤滑剤の溶融時間を測定し、溶融性試験とする。以下に、溶融性試験の手順を説明する。
ヒータ14を用いて、温度測定面13の温度を350℃まで加熱した。その後、潤滑剤投入口12から、表4に示す形状の潤滑剤3gを潤滑剤投入口12から試験筒11に投入した。潤滑剤を試験筒11に投入後、潤滑剤が完全に溶融するまでの時間を測定し、その結果を溶融時間とした。溶融性試験の試験結果を表4および表5に示す。
表4に、形状がそれぞれ異なる潤滑剤についての溶融性試験の試験結果を示す。なお、潤滑剤に含有されているワックスの質量は、実施例1、比較例1および比較例2において同じであり、3gである。
実施例1で用いたコイン形状の潤滑剤の溶融時間は、15秒であった。これに対し、比較例1で用いた球形状の潤滑剤の溶融時間は、24秒であった。また、比較例2で用いた立方体形状の潤滑剤の溶融時間は、23秒であった。
実施例1、比較例1および比較例2で用いた潤滑剤は、同じ質量であるため、潤滑剤の受熱面積は、比較例1(球形状)、比較例2(立方体形状)、実施例1(コイン形状)の順に大きくなっている。潤滑剤の受熱面積が大きくなるほど、潤滑剤の溶融時間が短くなることが、表4において示された。
[実施例2〜3または参考例3〜4に用いる潤滑剤の製造]
伝熱促進剤を用いた潤滑剤についての溶融性試験を行うために、表1に示すワックスBと表2に示す伝熱促進剤Aとを用いた。一般家庭用の高速回転ミキサーが発生する衝撃力によって、ワックスBの表層に伝熱促進剤Aを打ち込んで、潤滑剤組成物を作製した。作製した潤滑剤組成物をコイン形状(直径20mm、厚さ2mm)とするために、圧縮成形機を用いて、10kN/cm2の圧縮圧力で、上記潤滑剤組成物を圧縮成形した。以上のようにして作成された潤滑剤を、実施例2〜3または参考例3〜4に用いる潤滑剤とした。
伝熱促進剤を用いた潤滑剤についての溶融性試験を行うために、表1に示すワックスBと表2に示す伝熱促進剤Aとを用いた。一般家庭用の高速回転ミキサーが発生する衝撃力によって、ワックスBの表層に伝熱促進剤Aを打ち込んで、潤滑剤組成物を作製した。作製した潤滑剤組成物をコイン形状(直径20mm、厚さ2mm)とするために、圧縮成形機を用いて、10kN/cm2の圧縮圧力で、上記潤滑剤組成物を圧縮成形した。以上のようにして作成された潤滑剤を、実施例2〜3または参考例3〜4に用いる潤滑剤とした。
なお、実施例1、比較例1、比較例2における溶融性試験よりも溶融する温度条件を厳しくするため、ワックスの融点が高いワックスBを用いた。
[比較例5に用いる潤滑剤の製造]
比較例5に用いる潤滑剤は、鉱物油に伝熱促進剤Aを混合したものを用いた。鉱物油には、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のスーパーオイルN−460(引火点:312℃、自然発火温度200〜410℃)を用いた。潤滑剤の配合成分の比率は、表5に記載の通りとした。
比較例5に用いる潤滑剤は、鉱物油に伝熱促進剤Aを混合したものを用いた。鉱物油には、JX日鉱日石エネルギー株式会社製のスーパーオイルN−460(引火点:312℃、自然発火温度200〜410℃)を用いた。潤滑剤の配合成分の比率は、表5に記載の通りとした。
実施例2、実施例3、参考例3、参考例4においては、コイン形状の固形潤滑剤を試験筒11に投入した。比較例5においては、液状の潤滑剤を市販の注射器を用いて試験筒11に注入した。
表5に、伝熱促進剤を用いた潤滑剤についての溶融性試験の結果を示す。潤滑剤についての溶融性や伸展性などの性能として、最も優れているものを「優」とし、次いで、「良」、「可」、「不可」の順として評価結果を示した。
比較例5で用いた潤滑剤は、従来の油性潤滑剤である。この油性潤滑剤は、流動性が高く、試験筒11の熱を受けてガス化するのが早かった。そのため、多量のガスを発生し、溶融時間は0秒であった。すなわち、発生したガスによる引火または発火の恐れがあったため、比較例5で用いた潤滑剤の性能評価は、「不可」とした。
また、ガス発生後、油性潤滑剤の潤滑成分の粘度が高くなり、試験筒11の中で広がることなく残留していた。このように、潤滑剤の伸展性も認められなかったため、比較例5で用いた潤滑剤の伸展性の評価は「×」とした。
一方、実施例2で用いた潤滑剤は、伝熱促進剤としての黒鉛5質量%を配合しており、溶融時間は21秒であった。また、実施例3で用いた潤滑剤は、伝熱促進剤としての黒鉛10質量%を配合しており、溶融時間は29秒であった。潤滑剤を液状とせずに、コイン形状に成形することにより、潤滑剤の受熱面積を調整することができたため、潤滑剤が気化することを抑制することができ、急激なガスの発生を抑えることができた。以上のような理由から、実施例2で用いた潤滑剤の性能評価は「優」、実施例3で用いた潤滑剤の溶融時間の評価は「良」とした。
また、実施例2および実施例3で用いた潤滑剤は、溶融後、試験筒11の中に広く伸展したため、アルミ溶融金属が鋳込まれる際、安定した潤滑性を発揮することが可能となった。よって、実施例2および実施例3で用いた潤滑剤の伸展性の評価は「○」とした。
参考例3で用いた潤滑剤は、伝熱促進剤としての黒鉛15質量%を配合しており、溶融時間は120秒以上であった。参考例4と同様に、ガスの発生を抑えることは可能であったが、潤滑剤が完全に溶融する前に、アルミ溶融金属が鋳込まれる可能性が高かった。また、参考例3で用いた潤滑剤は、試験筒11の摩耗やアルミ溶融金属の焼付き等の原因となる可能性が残った。以上のような理由から、参考例3で用いた潤滑剤の性能評価は「不可」とした。
また、潤滑剤が充分に伸展しなかったため、参考例3で用いた潤滑剤の伸展性の評価は「×」とした。
参考例4で用いた潤滑剤には、伝熱促進剤を配合しておらず、溶融時間は39秒であった。潤滑剤を液状とせずにコイン形状に成形することで、潤滑剤が気化することを抑制することができた。また、このことにより、潤滑剤に起因するガスの発生を抑え、引火や発火を防止することが可能となった。ただし、融点の高いワックスを用いる場合は、潤滑剤が溶融する前に、溶融金属が鋳込まれる可能性があり、そのことにより、試験筒11の摩耗や溶融金属の焼付き等の原因となる可能性が残った。以上のような理由から、参考例4で用いた潤滑剤の性能評価は「可」とした。
また、参考例4で用いた潤滑剤は、伸展性が低かったため、伸展性の評価は「△」とした。
以上のように、潤滑剤を液状とせずに、コイン形状に成形することにより、潤滑剤のガス化を抑制できることが示された。また、伝熱促進剤としての黒鉛を用いた場合は、その配合量が多すぎる場合には、黒鉛が骨材となり、潤滑剤の伸展性が悪くなって、伝熱促進を妨げる結果となった。一方、伝熱促進剤としての黒鉛を用いない場合は、潤滑剤の溶融時間が長くなってしまうことが示された。
[実施例4〜9に用いる潤滑剤の製造]
伝熱促進剤となる土状黒鉛と鱗状黒鉛とを異なる配合比率にした潤滑剤について、平均動摩擦試験および静摩擦試験を行った。表2に示す伝熱促進剤Aおよび/または伝熱促進剤Bと、表3に示す金属石鹸とを混合して混合物とした。上記の混合物を、高速回転ミキサーが発生させる衝撃力によって、表1に示すワックスCとワックスDとの混合物の表層に打ち込んで、潤滑剤組成物を作製した。作製した潤滑剤組成物をコイン形状(直径20mm、厚さ2mm)とするために、圧縮成形機を用いて、10kN/cm2の圧縮圧力で圧縮成形して、難燃性固形潤滑剤を作製した。難燃性固形潤滑剤の配合成分の比率は、表6に記載の通りとした。
<平均動摩擦試験および静摩擦試験>
伝熱促進剤となる土状黒鉛と鱗状黒鉛とを異なる配合比率にした潤滑剤について、平均動摩擦試験および静摩擦試験を行った。表2に示す伝熱促進剤Aおよび/または伝熱促進剤Bと、表3に示す金属石鹸とを混合して混合物とした。上記の混合物を、高速回転ミキサーが発生させる衝撃力によって、表1に示すワックスCとワックスDとの混合物の表層に打ち込んで、潤滑剤組成物を作製した。作製した潤滑剤組成物をコイン形状(直径20mm、厚さ2mm)とするために、圧縮成形機を用いて、10kN/cm2の圧縮圧力で圧縮成形して、難燃性固形潤滑剤を作製した。難燃性固形潤滑剤の配合成分の比率は、表6に記載の通りとした。
<平均動摩擦試験および静摩擦試験>
作製した難燃性固形潤滑剤を溶融させて、そのうちの0.05gを試験片に塗り、摩擦摩耗試験機を用いて試験を行った。摩擦摩耗試験機であるフリクションプレーヤは、株式会社レスカ製のFPR−2100を用いた。また、試験片に対する摩擦を測定するために、温度300℃、荷重5000gの条件下で、SUJ−2製の圧子に、往復幅18mm、速度10mm/秒の直線往復運動をさせた。圧子を10往復させた時の動摩擦係数の平均値を平均動摩擦とし、圧子を2往復させた時の折り返し点における摩擦係数を静摩擦とした。なお、停止条件は、圧子を5往復させるのに要する時間が18秒となる条件とした。
表6に、伝熱促進剤となる土状黒鉛と鱗状黒鉛とを異なる配合比率にした潤滑剤について、平均動摩擦試験および静摩擦試験を行った結果を示す。平均動摩擦と静摩擦とを総合的に評価し、両摩擦係数の低いデータを「優」とし、次いで、「良」、「可」、「不可」の順として潤滑性能の評価を行った。
実施例4〜9の潤滑剤について、平均動摩擦には大きな差は認められなかった。一方、実施例4〜9の静摩擦については、伝熱促進剤となる土状黒鉛と鱗状黒鉛との配合比率に応じて、差が認められた。
実施例8の潤滑剤は、伝熱促進剤となる黒鉛の質量比率が鱗状黒鉛100%のものを用い、静摩擦は0.12となった。また、実施例9の潤滑剤は、伝熱促進剤となる黒鉛の質量比率が土状黒鉛100%のものを用い、静摩擦は0.13となった。実施例8および実施例9に用いた潤滑剤は、一般的な350tクラスの射出機に用いられるプランジャーに対しても、遜色なく用いることが可能であるので、潤滑性能の評価を「可」とした。
また、土状黒鉛と鱗状黒鉛とを混合して配合した実施例4〜7において、静摩擦が大幅に改善された。
実施例4の潤滑剤は、伝熱促進剤となる黒鉛の質量比率が、鱗状黒鉛80質量%、土状黒鉛20質量%であり、静摩擦は0.09となった。よって、実施例4の潤滑剤の潤滑性能の評価は「良」とした。
実施例5の潤滑剤は、伝熱促進剤となる黒鉛の質量比率が、鱗状黒鉛75質量%、土状黒鉛25質量%であり、静摩擦は0.08となった。よって、実施例5の潤滑剤の潤滑性能の評価は「良」とした。
実施例6の潤滑剤は、伝熱促進剤となる黒鉛の質量比率が、鱗状黒鉛50質量%、土状黒鉛50質量%であり、静摩擦は0.07となった。よって、実施例6の潤滑剤の潤滑性能の評価は「優」とした。
実施例7の潤滑剤は、伝熱促進剤となる黒鉛の質量比率が、鱗状黒鉛25質量%、土状黒鉛75質量%であり、静摩擦は0.07となった。よって、実施例7の潤滑剤の潤滑性能の評価は「優」とした。
以上のように、伝熱促進剤における土状黒鉛と鱗状黒鉛との配合比率を好適な比率とすることにより、潤滑剤の静摩擦性が改善されることが示された。
以上、詳述した通り、本発明の難燃性固形潤滑剤を用いることにより、発火や引火を大幅に削減することができる。そのため、作業環境の安全を確保でき、発火等による潤滑剤の焼失を低減し、潤滑剤の消費量を削減することも可能となる。その結果、さらに発火等の可能性が低くなる。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、伸展性が高く、エアブローを用いる必要がないため、作業所内に潤滑剤が飛散することがない。そのため、作業所内のオイルミストを低減することが可能となる。
また、作業環境に潤滑剤が飛散することがないため、潤滑剤を余分に塗布する必要が生じない。そのため、溶融金属の飛沫接触による発火等を低減することが可能となる。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、プランジャーに投入する潤滑剤の量を難燃性固形潤滑剤の個数によって管理できるため、潤滑剤の投入量を正確に把握できる。そのため、過不足なく潤滑剤を供給することが可能となるため、成形品の品質が安定し、成形品の生産管理が容易となる、
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、潤滑剤の投入に伴う微粉末の発生を抑えることが可能となる。そのため、作業環境の汚染を防止することができ、作業環境の安全、快適性を確保することが可能となる。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤の製造方法によれば、割れが生じにくい難燃性固形潤滑剤を製造することが可能となり、難燃性固形潤滑剤の安定生産および安定供給が可能となる。
また、従来の粘稠液体の潤滑剤に比べ、プランジャースリーブ内で約20倍もの油膜伸展性がある。そのため、プランジャースリーブ内の細部まで潤滑剤が広がるため、プランジャースリーブとプランジャーチップとの摩耗の防止、プランジャースリーブまたはプランジャーチップとアルミ等の非鉄金属の溶融金属との焼付きを防止することが可能となる。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、その製造工程において受熱面積を適宜調節することにより、潤滑剤の溶融温度および溶融時間の調整ができる。そのため、任意の鋳造装置に対応することができ、汎用性が高い。
また、本発明の難燃性固形潤滑剤は、安定した潤滑性を有する。そのため、ダイカストによる成形品の製造効率が大幅に向上する。
10 溶融試験機
11 試験筒
12 潤滑剤投入口
13 温度測定面
14 ヒータ
11 試験筒
12 潤滑剤投入口
13 温度測定面
14 ヒータ
Claims (15)
- 投影面積が50〜3000mm2であり、前記投影面積をAmm2、厚さの最大値をBmmとしたときに、B/√Aが、1/55〜1/1.4となる、難燃性固形潤滑剤。
- 全長が10〜60mmであり、厚さの最大値が全長に対して1/20〜1/2である、請求項1に記載の難燃性固形潤滑剤。
- 平板形状、円筒形状、円盤形状、コイン形状、タブレット形状、レンズ形状、傘形形状、中空円筒形状、ドーナツ形状およびトローチ形状からなる群より選ばれる形状を有する、請求項1または2に記載の難燃性固形潤滑剤。
- 粉粒体ワックス(a)および全体の配合量に対して14質量%以下の伝熱促進剤(b)を含有する、難燃性固形潤滑剤。
- 粉粒体ワックス(a)を含み、粉粒体ワックス(a)の種類が、動植物ワックス、鉱物ワックス、石油系ワックス、および合成ワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤。
- 粉粒体ワックス(a)を含み、粉粒体ワックス(a)の平均粒子径が、5〜2000μmである、請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤。
- 粉粒体ワックス(a)を含み、粉粒体ワックス(a)の融点が、40〜100℃である、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤。
- 伝熱促進剤(b)を含み、伝熱促進剤(b)の熱伝導率が、5W/mK以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤。
- 伝熱促進剤(b)を含み、伝熱促進剤(b)の種類が、アルミニウム含有化合物、ケイ素含有化合物、亜鉛含有化合物、マグネシウム含有化合物、炭素化合物、金含有化合物、銀含有化合物、銅含有化合物、ニッケル含有化合物、インジウム含有化合物、ガリウム含有化合物、窒化ホウ素、二硫化モリブデン、および二硫化タングステンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤。
- 炭素化合物が、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、および熱処理カーボンナノホーンからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項9に記載の難燃性固形潤滑剤。
- グラファイトが、土状黒鉛および鱗状黒鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上である、請求項10に記載の難燃性固形潤滑剤。
- 粉末状の伝熱促進剤(b)を含む、請求項1〜11のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤。
- 伝熱促進剤(b)を粉粒体ワックス(a)に打ち込む打込工程と、
打込工程の後に粉粒体ワックス(a)を所定の形状に圧縮成形する成形工程とを有する、難燃性固形潤滑剤の製造方法。 - 成形工程の圧縮圧力が、0.1〜40kN/cm2である、請求項13に記載の難燃性固形潤滑剤の製造方法。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の難燃性固形潤滑剤を用いたダイカスト方法。
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