JP4481481B2 - ダイカスト用水性離型剤及びそれを用いたダイカスト鋳造法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、ダイカスト用水性離型剤、及びそれを用いたダイカスト鋳造法に係り、特に、ダイカスト金型のキャビティ面に適用されて、優れた製品離型性を発揮すると共に、そのようなキャビティ面における離型剤の堆積が少なく、また、周辺の機械等に付着しても、錆の発生を効果的に抑制乃至は防止し得る水性離型剤と、それを用いてダイカスト鋳造を有利に行なう方法に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、アルミニウム等の金属溶湯の鋳造手法の一つとして、ダイカスト鋳造法が知られており、そこでは、ダイカスト金型のキャビティ内に射出される金属溶湯が、キャビティ面に焼き付くのを防止して、得られた製品を金型から離型し易くする等のために、各種の離型剤が提案され、それらは、何れも、金型のキャビティ面に塗布されて用いられてきている。
【0003】
例えば、特開平6−15406号公報や特開平6−114494号公報においては、多孔質合成珪酸化合物からなる離型剤粒子、又はそれとワックスとを、分散剤を含有する水中に懸濁させてなる金型鋳造用離型剤が明らかにされており、また、特開平5−177294号公報には、オルガノポリシロキサンと極圧潤滑剤とを乳化剤により水中に乳化してなるアルミダイカスト用離型剤組成物が、そして特開平6−198386号公報には、シリコーン微粉末を固形分とし、D−テトラヒドロキシ吉草酸をバインダとしてなるダイカスト用離型剤が、それぞれ提案され、更に、特開平9−1282号公報には、ワックス粒子と無機粉末粒子と有機化合物の粉末粒子とを混合して構成される金型用粉体離型剤が、また特開平9−47841号公報には、粉末タルクと無機結合剤としての硼酸とからなる高圧鋳造用離型剤が、更に特開平10−34279号公報には、固体潤滑剤とバインダとしてのエポキシ樹脂とからなる金型鋳造用離型剤が、それぞれ、明らかにされている。
【0004】
また、水溶性のダイカスト用離型剤としては、特開平7−62380号公報において、ガラス転移点が30℃以下の水溶性若しくは水分散性樹脂、例えばアクリル系重合体、酢酸ビニル系重合体、無水マレイン酸系共重合体、或いはポリアルキレンオキサイド系ワックス類をバインダとして用い、これに、ワックス類或いはシリコーン等の潤滑剤を配合してなるものが提案され、更に、特開平10−94851号公報においては、マイカ、タルク等の鱗片状粒子と、窒化珪素、二酸化珪素、酸化マグネシウム等の球状粒子と、更にバインダとを溶液に分散させてなるものが提案されている。
【0005】
しかしながら、それら、従来から提案されているダイカスト用離型剤にあっては、一般に、潤滑剤そのものとして、或いは潤滑剤粒子を金型表面に固定せしめるためのバインダとして、樹脂や各種有機化合物からなる有機物質が用いられているところから、そのような有機物質が高温の金属溶湯と接触することにより、熱分解して、炭化・ガス化し、黒煙を発生せしめて、作業環境を悪化させたり、生じたカーボンやガスが鋳造時に金型表面より製品内に浸透し、製品の強度を弱めたり、製品表面の仕上がりを悪くする等の問題を内在している他、そのような有機物質の変性にて、金型表面に潤滑剤を漸次固着、堆積せしめ、製品の抜けや表面性状に悪影響をもたらす等の問題を内在し、更には、有機物質の排出により、廃水中のCODを高め、廃水負荷が大きくなるという問題も内在するものであった。
【0006】
また、粉体形態の離型剤や離型剤粒子を金型表面に付着・固定せしめる場合にあっては、そのような潤滑剤を金型表面の全面に亘って均一に存在せしめることが難しく、そのために、所定の金属溶湯が導入されたときに、焼付きが惹起されたり、製品の抜けが悪い等の問題がある。
【0007】
そこで、それらの様々な問題を解消するために、本願出願人のうちの一人は、先に、特開2000−254756号公報において、イオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の水溶性無機塩を、水性媒体中に溶解せしめてなるダイカスト用水性離型剤を提案した。この先に提案せる離型剤によって、上述した問題が悉く解消せしめられ得ることとはなったのであるが、またそれによって、新たに、高い温度雰囲気下に晒される金型及び金型周辺部分において、例えば、スプレー法にて噴霧された離型剤が飛散して付着したダイカストマシン部分やその周辺機器において、腐食が発生し易くなるといった問題が惹起せしめられることが明らかとなったのである。
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、優れた離型性を実現すると共に、金型表面に残留・堆積することが少なく、また、金属溶湯に接触しても、カーボンやガスを発生することのない、従って製品の抜けや製品品質に悪影響をもたらすことのないものであって、しかも、周辺の機械等に付着しても、錆の発生を効果的に抑制乃至は防止し得るダイカスト用水性離型剤を提供することにあり、更には、そのような水性離型剤を用いて、ダイカスト鋳造を有利に行ない得る手法を提供することをも、その課題とするものである。
【0009】
【解決手段】
そして、本発明者らは、上述せる如き課題を解決すべく鋭意検討した結果、イオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の水溶性無機塩、特に水溶性硫酸塩を、水性媒体中に溶解せしめてなるダイカスト用水性離型剤を用い、更に、かかるダイカスト用水性離型剤のpHを、所定の値以上に調整することによって、優れた離型性等の特性を維持しつつ、有効な防錆性を付与し得る事実を見出したのである。
【0010】
従って、本発明は、そのような知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、イオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の水溶性硫酸塩であって、溶湯と反応せず且つ溶融温度乃至は分解温度が溶湯温度よりも高いものの少なくとも1種を、水性媒体中に溶解せしめて得られる溶液にて構成されていると共に、アルカリ炭酸塩を更に添加して、かかる溶液のpHが10.6以上に調整されていることを特徴とするダイカスト用水性離型剤にある。
【0011】
すなわち、かかる本発明に従うダイカスト用離型剤にあっては、それが金型表面に適用されて、乾燥せしめられることによって、キャビティ面全体に硫酸塩が析出せしめられるところから、金属溶湯の金型に対する焼付きが効果的に阻止され得ると共に、製品の金型からの離型性も高められ、また、その析出した硫酸塩は、溶湯と反応せず且つ溶融温度乃至は分解温度が溶湯温度よりも高いものであるところから、黒煙やガスが発生することがなく、製品欠陥を惹起する等の問題も良好に回避され得るのである。
【0012】
そして、この本発明に従う水性離型剤にあっては、そのpHが10.6以上に調整されているところから、高温雰囲気下に晒される鋳造用装置の金属部分等の周辺機械に離型剤が付着し、その乾燥によって、塩が析出しても、金型や金型周辺部分の如き周辺機械における錆の発生が、効果的に抑制乃至は解消され得ることとなったのである。中でも、上述せる如き条件、即ちイオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の水溶性硫酸塩であって、溶湯と反応せず且つ溶融温度乃至は分解温度が溶湯温度よりも高いものである条件を満たし、特に優れた離型性を示す水溶性硫酸塩は、一般に、それを水に溶解せしめて得られる水溶液が酸性を呈するようになるところから、そのような溶液のpHを調整することによって、それが高温度雰囲気下で用いられても、金型や金型周辺部分の鋳造装置乃至は周辺機器の腐食の発生が効果的に抑制乃至は阻止され得ることとなるのである。
【0013】
なお、本発明においては、かかる溶液のpHを調整するための物質として、アルカリ性無機塩を用いることが望ましく、そのような無機塩を溶存させることによって、溶湯との接触に際して、製品品質を低下せしめるようなことが回避されると共に、水や水性媒体等を用いた洗浄操作によって、それは金型表面から容易に除去され得、以て金型表面における離型剤の固着・堆積が効果的に阻止され得るのである。
【0014】
また、本発明に従うダイカスト用離型剤の好ましい態様の一つによれば、前記アルカリ性無機塩は、アルカリ炭酸塩であることが、望ましい。これによって、極めて簡単にpHを調整することが可能となり、優れた防錆性と離型性とが両立して実現され得ることとなる。
【0015】
さらに、本発明の別の好ましい態様の一つによれば、前記溶湯金属は、アルミニウムであり、そして、該溶湯金属よりもイオン化傾向の高い金属は、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム又はリチウムであることが望ましい。
【0016】
また、本発明に従う水性離型剤によれば、離型剤成分としては、水溶性硫酸塩であることが望ましく、このような水溶性硫酸塩を採用することによって、より一層優れた離型性能が発揮せしめられることとなる。
【0017】
さらに、本発明の他の望ましい態様によれば、上述の如き構成のダイカスト用水性離型剤には、更に、界面活性剤が添加せしめられ、これによって、そのような離型剤のノビやハネを効果的に高めて、金型表面の全面に亘って離型剤の膜の形成を有効に行ない、以て離型性をより一層高めることが可能となる。
【0018】
ところで、本発明は、また、上述の如きダイカスト用水性離型剤を用い、それを、ダイカスト金型のキャビティ面に付与して、かかる水性離型剤を付着せしめた後、乾燥させることにより、該水性離型剤中の前記硫酸塩をキャビティ表面に析出せしめた状態下において、所定の金属溶湯を金型キャビティ内に射出して鋳造を行なうことを特徴とするダイカスト鋳造法をも、その要旨とするものであって、これにより、高品質のダイカスト鋳造製品を有利に得ることが可能となるのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
要するに、本発明に従うダイカスト用水性離型剤は、水性媒体中に所定の水溶性硫酸塩を溶解せしめると共に、更に、そのpHが10.6以上に調整されてなるものである。従って、それが金型表面に適用されて、その溶媒たる水性媒体が蒸発させられて、乾燥せしめられることによって、先ず、そのような硫酸塩が金型表面に析出され、その存在によって、離型性が良好に発揮され得るようになるのである。しかも、かかる所定の水溶性硫酸塩としては、イオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の硫酸塩であって、溶湯と反応せず、且つ溶融温度乃至は分解温度が溶湯温度よりも高いものが、採用されているのである。
【0020】
このように、本発明においては、イオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の塩が用いられるところから、溶湯との反応が効果的に阻止され得て、溶湯品質、ひいては製品品質に悪影響をもたらすようなことが回避され得ることとなるのであり、また、溶融温度乃至は分解温度が溶湯温度よりも高い塩であるところから、高温の金属溶湯と接触しても熱分解せず、そのために、黒煙やガスを発生して、製品にガスを巻き込んだりする等の問題の発生が極めて有利に回避されると共に、高温下でも一定の離型効果が奏され得ることとなるのである。
【0021】
また、水溶性の硫酸塩として、水溶液の形態において、金型表面(キャビティ面)に適用するようにしたことによって、その全面に亘っての接触が容易に行なわれ得て、均一な付着が効果的に為され得ると共に、金型表面に付着した離型剤層(液膜)の乾燥によって、金型表面の全面に硫酸塩の析出物を容易に形成せしめて、目的とする離型性を効果的に発揮させ得るのである。
【0022】
ここにおいて、そのような水溶性硫酸塩を与える金属としては、溶湯金属の種類により自ずから規制され、それよりもイオン化傾向が高い金属の中から、適宜に選択されることとなる。例えば、溶湯金属がアルミニウム(合金)や亜鉛(合金)である場合には、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム及びリチウムの中から選択されることとなるのであり、また、溶湯金属がマグネシウム(合金)の場合には、マグネシウムよりもイオン化傾向の高いナトリウム、カルシウム、カリウム又はリチウムが選択されることとなる。
【0023】
また、本発明で用いられる水溶性の硫酸塩は、上記で選択される金属の各種の塩形態のものが対象とされるのであって、一般に、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩を、例示することが出来る。特に、それらの中でも、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の水溶性硫酸塩が有利に採用され、これによって、極めて優れた離型性が実現され得ることとなる。また、そのような硫酸塩を水性媒体に溶解せしめて得られる溶液は、酸性を示すようになるところから、本発明が有利に適用されることとなるのである。なお、上記した本発明に好適に採用される水溶性硫酸塩は、何れも汎用的な物質であって、安価であると共に、安全性の高いものであり、またそれが排出されても、有機物ではないところから、廃水中のCODを著しく高めるようなこともないといった利点も得られるのである。
【0024】
そして、かかる所定の水溶性硫酸塩の少なくとも1種が、水道水や蒸留水、イオン交換水の如き水や、他の適当な水溶液等の水性媒体中に溶解せしめられることにより、ダイカスト用水性離型剤が調製されるのであるが、その際の硫酸塩の濃度は、鋳造製品の特性や用途等に応じて、適宜に選定され、一般に、0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5%程度の濃度において用いられることとなる。なお、この硫酸塩の濃度が余りにも低くなると、その析出による離型効果を充分に発揮し得なくなる一方、濃度が高くなり過ぎると、金型表面に析出する硫酸塩が大きな粒子となって、鋳肌荒れ等の問題を惹起するようになる。
【0025】
ところで、本発明において用いられるダイカスト用水性離型剤は、上述の如き水溶性硫酸塩を溶解せしめて得られる水溶液が、更に、10.6以上のpH値を示すように調整されたものであり、これによって、鋳造用装置等の周辺機械の金属部分に水性離型剤が付着しても、錆の発生が効果的に抑制乃至は防止され得るようになっているのである。
【0026】
そして、そのようなpHへの調整には、従来から公知の各種手法、例えば、アンモニア緩衝液等のpH緩衝剤や、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ調整剤を用いて行なう手法等を、適宜に選択して実施することが可能であり、それによって、溶液のpHを容易に10.6以上に調整することが出来るのであるが、鋳造品の強アルカリによる腐食を抑制するため、及び、ダイカスト鋳造における作業環境を悪化せしめることがないように、本発明においては、特に、アルカリ性無機塩を用いて、それを溶解、含有せしめることによって、pHを調整する手法が、有利に採用され得ることとなる。そして、そのような無機塩を用いた手法を採用することによって、有機物質が溶湯に接触せしめられた際に生じる作業環境の悪化や製品品質の低下が、有利に抑制乃至は回避され得ると共に、水や水性媒体等による洗浄操作によって、金型表面から容易に除去され、以て金型表面における離型剤の固着・堆積が効果的に阻止され得るといった利点が得られるのである。
【0027】
また、そのようなアルカリ性無機塩としては、それを水等の水性媒体中に溶解させた際に、その溶液をアルカリ性を為す無機塩であれば、何等限定されるものではなく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ炭酸塩;第三燐酸ナトリウム、第三燐酸カリウム等のアルカリ燐酸塩;ピロ燐酸ナトリウム、ピロ燐酸カリウム等のアルカリピロ燐酸塩等を挙げることが出来る。また、本発明においては、そのようなアルカリ性無機塩の中でも、アルカリ炭酸塩が、上述せる如き水溶性硫酸塩の有利な特性を充分に維持するものであるところから、特に、推奨されるのである。なお、上記のアルカリ性無機塩は、離型剤のpHを10.6以上に保持することが出来るように、一般に0.1〜10%程度、より好適には0.5〜5%程度の濃度において添加されることが望ましい。尤も、かかるアルカリ性無機塩の濃度が余りにも低くなると、所望とするpHが得られなくなり、目的とする防錆性が実現され得なくなるのであり、また逆に、濃度が高くなり過ぎると、上記の水溶性硫酸塩と同様に、金型表面に析出する無機塩が大きな粒子となって、鋳肌荒れ等の問題を惹起するようになる。
【0028】
なお、本発明にあっては、その目的の達成において許容される範囲内で、従来のエマルジョン型やディスパージョン型の離型剤を、水性媒体として使用することも可能であり、その場合にあっては、そのような離型剤による離型効果も期待され得るところから、本発明に従う水溶性硫酸塩の濃度を低くすることも可能である。
【0029】
また、本発明に従うダイカスト用水性離型剤には、上述したような必須の離型成分としての所定の水溶性硫酸塩の他に、本発明の目的に悪影響をもたらさない限りにおいて、公知の各種の添加剤が添加せしめられ得るが、中でも、界面活性剤が有利に添加され、それによって離型剤のノビやハネが向上されて、金型表面における離型剤の被覆性が効果的に高められ得、以て硫酸塩が金型表面により均一に析出せしめられ得ることとなる。なお、そのような有効な作用を為す界面活性剤の中でも、特に有利には、ノニオン系界面活性剤が用いられることとなる。ノニオン系界面活性剤は、低温で分解し、本発明に従う離型剤の特徴を減ずることなく、金型表面にスプレー塗装される離型剤の飛沫のハネとノビを効果的に向上せしめ得るのである。
【0030】
さらに、この好適に添加されるノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック共重合体等の公知の各種のものの中から、適宜に選択され、またその添加量としては、一般に、0.01〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%程度の濃度となるように添加せしめられることとなる。
【0031】
ところで、かくの如き本発明に従う水性離型剤を用いて、アルミニウム溶湯やマグネシウム溶湯、亜鉛溶湯等の所定の金属溶湯から、目的とする製品を得るべく、ダイカスト鋳造するに際しては、そのような離型剤は、従来と同様に、ダイカスト金型のキャビティ面に付与乃至は適用されて、金型表面に付着せしめられるのである。具体的には、スプレー法等の公知の塗装方法に従って、本発明に従う水性離型剤が塗装せしめられて、そのような金型表面(キャビティ面)の全面に亘って水性離型剤の塗膜が形成されることとなる。その際、本発明に従う水性離型剤は、完全な水溶液の形態において金型表面に適用されるものであるところから、キャビティ内における離型剤の回り込みが良好であって、離型剤の付着しないキャビティ面の発生が効果的に回避され得るのである。
【0032】
次いで、そのキャビティ面に付着して塗膜を形成する水性離型剤が、乾燥せしめられることにより、換言すれば、その溶媒である水性媒体が蒸発、除去せしめられることにより、溶解されていた硫酸塩がキャビティ表面に析出して、かかる表面を覆う状態とされるのである。なお、ここで用いられるダイカスト金型は、一般に、金型温度が安定するまで捨て打ちが実施され、比較的高温の金型温度の状態下において、目的とするダイカスト鋳造が実施されるものであるところから、そのような比較的高温の金型に対して本発明に従う水性離型剤が塗布されて形成される塗膜の乾燥は、金型自体の有する熱にて容易に実現せしめ得るものであるが、更に、外部から熱を加えて、塗膜の乾燥をより迅速に行なうようにすることも可能である。
【0033】
このように、本発明に従う水性離型剤は、比較的に高温の金型に対して、従来と同様に適用されるものではあるが、そのような離型剤は硫酸塩を主体とするものであって、熱分解するものではないところから、高温下でも変質せず、一定の離型効果を奏するという特徴を有しているのであり、加えて、ダイカスト鋳造の繰り返しにより上昇する金型温度を低下せしめるための冷却液を用いた冷却操作も簡略化し得ることとなったのである。また、黒煙の発生もないところから、作業環境が清浄化され得る特徴も有している。
【0034】
しかも、そのような本発明に従う水性離型剤が、スプレー法等の公知の塗装方法に従って、ダイカスト金型のキャビティ面に塗装せしめられる際に、飛散した離型剤がダイカストマシン等の周辺機械に付着せしめられ、その乾燥によって塩が析出しても、かかる本発明に従う離型剤は、pH=10.6以上のアルカリ性を示すものであるところから、そのような離型剤の付着部位における錆の発生が効果的に抑制乃至は阻止せしめられ得るのである。
【0035】
そして、本発明に従う水性離型剤中の硫酸塩がダイカスト金型のキャビティ表面に析出された状態下において、所定の金属溶湯が、従来と同様にして金型キャビティ内に射出され、鋳造操作が実施されることとなるのであり、その際、射出された金属溶湯は、キャビティ表面に存在する硫酸塩の析出物によって、金型表面に焼付くことが効果的に阻止され、抜き勾配が小さくて、離型精巧の大きな形状の製品であっても、離型時における押出操作にて、製品が変形することが効果的に阻止され得ているのである。
【0036】
また、かくの如くダイカスト鋳造が実施された金型は、従来と同様に、再度のダイカスト鋳造に繰り返し使用されることとなるが、そのような金型に、本発明に従う水性離型剤(硫酸塩の析出物)が付着、残留していても、単に冷却水を吹き付ける等の洗浄操作によって、容易に溶解、除去せしめ得るところから、金型に対する堆積が極めて少なく、従って製品性状に対する悪影響も顧慮する必要がなくなったのである。
【0037】
従って、かくの如きダイカスト鋳造手法に従って得られる製品にあっては、薄肉で、抜き勾配の小さな形状のものであっても、何等変形することなく、また焼付きの発生も認められ得ない、製品品質において、優れたものとなっているのである。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した発明の実施の形態における記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、以下の実施例中の部及び百分率は、何れも、特に断りのない限り、重量基準にて示されるものである。
【0039】
実施例 1 −防錆性の評価−
先ず、ダイカスト用水性離型剤の防錆性を評価するために、下記表1及び表2に示される如き各種の水性離型剤(本発明例1a,1b,2a、比較例1〜4c)を準備し、以下の如くして、錆の発生の程度を、それぞれ調べた。なお、かかる表1及び表2において、b,cの符号が付された水性離型剤は、aの水性離型剤を原液として、水にて、それぞれ、10倍,100倍に希釈することによって、調製されたものである。また、表1中、ノニオン系界面活性剤としては、ニューポール50HB−100(三洋化成工業株式会社製)を用いると共に、比較例1には水道水のみを用い、さらに、表2に示される比較例4a〜4cには、市販のエマルジョン系ダイカスト離型剤:ユシロフォームAZ630WT(ユシロ化学工業株式会社製)を採用した。
【0040】
なお、防錆性の評価は、次の通りである。先ず、ダイカストマシンや製品金型に使用されている材質であるFCD450材の80mm×30mm×10mmのテストピースを準備し、それを#120の砂でショットブラストして、その表面粗さを均一とした後、下記表1及び表2に示される各種離型剤を、テストピース表面に、通常のエアスプレー法に従って一定条件で噴霧せしめ、その後テストピースを、室温下、湿度99%の遮光した恒温槽中において保持した。そして、1時間後のテストピースの表面を観察し、錆の発生の程度を、A〜Eの5段階にて評価し、その結果を、下記表1及び表2に示した。但し、かかるA〜Eの5段階評価における評価基準は、A:錆の発生無し、B:僅かに錆の発生有り、C:少し錆の発生有り、D:一面に錆の発生有り、E:一面に濃く錆の発生有り、とした。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
上記の表1及び表2の結果から明らかなように、アルカリ炭酸塩である炭酸ナトリウムの添加によって、pHが10.6以上に調整された本発明例の水性離型剤にあっては、単なる水のみを使用した比較例やpHが10.6以上に調整されていない比較例の水性離型剤に比して、更に市販の離型剤を用いた比較例に比して,錆の発生が著しく抑制されていることは明らかである。また、そのようなアルカリ炭酸塩の濃度を適宜に選択して、pH値を制御することによって、錆の発生が効果的に抑制されることが理解されるのである。
【0044】
実施例 2 −離型性の評価−
800tダイカストマシンを用いて、自動車部品に使用される製品肉厚2.5mmのオーバードライブケースの連続鋳造を行なった。
【0045】
先ず、水に硫酸ナトリウムの7.5%とノニオン系界面活性剤の0.5%と炭酸ナトリウムの3.0%とを含有せしめてなる、本発明例3に係る水性離型剤(pH=11.9)を準備し、かかる離型剤を、手動スプレーにて、金型のキャビティ面に吹き付け、金型の余熱により乾燥せしめて、金型表面に硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを析出させた後、アルミニウム溶湯:ADC12(成分:Al−10%Si、溶湯温度:690℃)を金型キャビティ内に射出して、ダイカスト鋳造を実施し、その連続鋳造の際のショット数と金型温度の関係を、図1に示した。なお、かかる図1中、○は張付き等の問題が何等惹起されることなく鋳造が実施されたことを示す一方、●及び▲は、それぞれ、金型のゲート前部(キャビティに湯を注ぐ入口部分)や真空バルブ部(キャビティを減圧する口の部分)に張付きが発生したことを示している。
【0046】
また、比較のために、比較例4の離型剤として、市販のエマルジョン系離型剤:グラフェース(花野商事株式会社製)を用い、上記と同様の鋳造を行ない、その際のショット数と金型温度の関係を、図1に併せ示した。なお、かかる図1中、□は、張付き等の問題が何等惹起されることなく、鋳造が実施されたことを示す一方、■は、ゲート前部分に、張付きが発生したことを示している。
【0047】
かかる図1から明らかなように、市販品である比較例4のエマルジョン系離型剤を用いた場合にあっては、金型温度が160℃付近から、張付き、即ちキャビティからの製品の抜けが悪い状態が発生しているのに対して、本発明例3に係る水性離型剤は、多少の部分的な張付きは発生するものの、金型温度200℃まで、実用的に問題なく、鋳造することが可能であった。
【0048】
実施例 3
また、上記の実施例2と同様な連続鋳造を、アルミニウム溶湯:ADC12に代えて、より張付きが発生し易いアルミニウム溶湯:AC4CH(溶湯温度:650℃)を用いて行ない、その結果を、図2に示した。なお、かかる図2中、丸印及び四角印は、それぞれ、本発明例3及び比較例4の離型剤を用いて、ダイカスト鋳造を実施したことを示す。
【0049】
かかる図2からも明らかなように、比較例4のエマルジョン系離型剤:グラフェースを用いた場合にあっては、金型温度が100℃付近から張付きが発生したのに対して、本発明例3の水性離型剤を用いた場合においては、金型温度が130℃以上で、2回の張付きが発生したのみで、優れた離型性が実現され得ていることが、理解されるのである。
【0050】
実施例 4 −ガス発生量の低減効果−
800tダイカストマシンを用いて、自動車部品のバルブボディの連続鋳造を行なった。
【0051】
先ず、上記の本発明例3にかかる水性離型剤を、水にて10倍に希釈して、本発明例4の水性離型剤(pH=10.9)を準備する一方、比較のために、市販品として、市販のエマルジョン系離型剤:ユシロフォーム(ユシロ化学工業株式会社製)を準備した。そして、それらを、スプレー装置にて、金型のキャビティ面に吹き付け、金型の余熱により乾燥せしめて、金型表面に硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを析出させた後、アルミニウム溶湯:ADC12(溶湯温度:650℃)を金型キャビティ内に射出することによって、それぞれ、3ショットずつ、ダイカスト鋳造を実施した。また、その際の鋳造条件としては、金型温度:130〜170℃、射出速度:2.5m/s、射出圧力:60MPaを採用した。
【0052】
そして、上述のようにして得られた鋳造製品の表面を観察したところ、焼付きの発生を示すカジリ等の発生は認められなかった。また、製品中のガス量(n=3)を減圧測定法にて測定したところ、市販品においては、15.7cm3 /100gAlであるのに対して、本発明例4の水性離型剤においては、13.0cm3 /100gAlであり、ガスの発生が抑制されていることが確認された。
【0053】
実施例 5
2500tのダイカストマシンを用いて、大型部品の鋳造を行なった。
【0054】
先ず、硫酸カリウム:7.5% と炭酸ナトリウム:10%と、ノニオン系界面活性剤:0.5%と、水:残部とからなる原液を、水にて10倍に希釈してなる、本発明例5に係る水性離型剤(pH=11.4)を準備し、これを、スプレー装置にて、金型のキャビティ面に吹き付け、金型の余熱により乾燥せしめて、金型表面に硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムを析出させた後、アルミニウム溶湯:ADC12(成分:Al−10%Si、溶湯温度680℃)を金型キャビティ内に射出して、ダイカスト鋳造を実施した。また、この際の鋳造条件としては、金型温度:200℃、射出速度:2.5m/s、射出圧力:40MPaを採用した。
【0055】
そして、このようにして得られた鋳造製品の表面を観察したところ、焼付き状態を示すカジリ等の発生は、何等認められなかった。また、製品中のガス量は、5cm3 以下/100gAlであり、ガス発生の優れた抑制性能が認められた。加えて、かかる離型剤が飛散して付着した鋳造装置部分や金型部分において、錆の発生は、何等認められなかった。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従うダイカスト用水性離型剤を用いることによって、優れた離型性が実現され得ると共に、離型剤の金型表面への残留・堆積が効果的に抑制され得、また金属溶湯に接触しても、カーボンやガスの発生が効果的に抑制され得ることとなる他、そのような水性離型剤が、金型キャビティ面への塗布に際して、金型の他の部位や周辺の機械等に付着しても、その付着部位における錆の発生が効果的に抑制乃至は防止され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2における、金型温度とショット数の関係を示すグラフである。
【図2】実施例3における、金型温度とショット数の関係を示すグラフである。
Claims (4)
- イオン化傾向が溶湯金属よりも高い金属の水溶性硫酸塩であって、溶湯と反応せず且つ溶融温度乃至は分解温度が溶湯温度よりも高いものの少なくとも1種を、水性媒体中に溶解せしめて得られる溶液にて構成されていると共に、アルカリ炭酸塩を更に添加して、かかる溶液のpHが10.6以上に調整されていることを特徴とするダイカスト用水性離型剤。
- 前記溶湯金属がアルミニウムであり、該溶湯金属よりもイオン化傾向の高い金属が、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、カリウム、またはリチウムである請求項1に記載のダイカスト用水性離型剤。
- 界面活性剤が更に添加せしめられている請求項1又は請求項2に記載のダイカスト用水性離型剤。
- 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のダイカスト用水性離型剤を用い、それを、ダイカスト金型のキャビティ面に付与して、かかる水性離型剤を付着せしめた後、乾燥させることにより、該水性離型剤中の前記硫酸塩をキャビティ表面に析出せしめた状態下において、所定の金属溶湯を金型キャビティ内に射出して鋳造を行なうことを特徴とするダイカスト鋳造法。
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