JP2565264Y2 - 製氷機の排水部の構造 - Google Patents

製氷機の排水部の構造

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JP2565264Y2 JP1992006241U JP624192U JP2565264Y2 JP 2565264 Y2 JP2565264 Y2 JP 2565264Y2 JP 1992006241 U JP1992006241 U JP 1992006241U JP 624192 U JP624192 U JP 624192U JP 2565264 Y2 JP2565264 Y2 JP 2565264Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、貯氷室の融氷水、製氷
部の製氷残水等が排水管を介して機外へ排水されるよう
になっている製氷機の排水部の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】製氷機は、例えば実公昭60−2787
9号、特開昭61−248937号等に開示されている
ように、従来周知であり、一般に図4に示されているよ
うに構成されている。すなわち、断熱壁から前方が開口
した箱体1として形成されている機内には、その上方部
に製氷部2が、中間に貯氷室であるストッカ3が、そし
て最下部にコンプレッサ、凝縮器、制御ボックス等が収
納されている機械室4が配置されている。箱体1の開口
部には、水平軸を中心として揺動する断熱扉5が設けら
れ、この断熱扉5を開いてストッカ3内の氷を取り出す
ことができるようになっている。製氷部2の下方には、
製氷残水を受ける排水皿6が設けられ、この排水皿6に
排水接続パイプ8が設けられている。排水接続パイプ8
は、排水皿6の底部7を貫通し、その上方開口部は底部
7より所定高さ突出している。また下方開口部9は、後
述するストッカ3の排水口11に臨んでいる。ストッカ
3の底10は、図5に示されているように、勾配が付け
られ、最下位位置に排水口11が形成されている。排水
口11は、箱体1の後壁寄りに設けられ、図5の(イ)
に示されている従来例では、ベンド管12を介して箱体
1外の排水管13に接続されている。また、排水接続パ
イプ8の下端も、排水口11に臨み、製氷部の製氷残水
は、ストッカ3内で生じる融氷水と共に排水管13を介
して排水溝14に排水されるようになっている。また、
図5の(ロ)に示されている従来例では、U字管15を
介して箱体1外の排水管13に接続され、そして排水溝
14に同様に排水される。
【0003】機械室4に配置されているコンプレッサ、
凝縮器等を運転し、製氷部2を冷却して、ポンプにより
製氷用水を製氷器面に散水すると、製氷用水は製氷器面
に徐々に凍結していく。未凍結の製氷用水は、繰り返し
製氷器面に散水され、やがて所望の大きさの氷に成長す
る。そこで、散水動作と冷却動作を停止し、例えば脱氷
用散水器に脱氷用水道水を圧送する。製氷器面は、脱氷
用水の顕熱により温度上昇し氷は、製氷器面から脱落
しストッカ3に貯えられる。そこで、必要に応じて断熱
扉5を開き中の氷を取り出すことができる。上記のよう
な製氷中に生じる製氷残水は、排水皿6に設けられてい
る排水接続パイプ8から図5の(イ)、(ロ)において
実線の矢印で示されているように、ベンド12あるいは
U字管15を介して箱体1外の排水管13を通して排水
溝14に排水される。一方、ストッカ3内の氷も断熱扉
5の開閉による外気の侵入等により解けるが、その融氷
水等は、排水口11から製氷残水と同様に、ベンド12
あるいはU字管15を介して箱体1外の排水管13を通
して排水溝14に排水される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記のように、従来の
製氷機も排水装置を備え、その排水管13は機外に設け
られているので、排水皿6からの製氷残水も、ストッカ
3からの融氷水等も機外に排水することができ、製氷動
作上も、また貯氷中の氷から水を除去するという意味か
らは格別問題はない。しかしながら、図5の(イ)に示
されているようにベンド12を介して排水管13が接続
されていると、排水溝14内の悪臭、排水溝14内で蒸
発する塩素等が鎖線の矢印で示されているように、排水
管13、ベンド12および排水口11を通ってストッカ
3に達し、貯氷中の氷を汚染することがある。また、
の悪臭は、排水接続パイプ8から製氷部2に至り、製氷
部2に付着することもある。特に、夏期のように、外気
温が高いと、排水溝14内の排水の腐敗も激しく、悪臭
はひどいものとなる。
【0005】このような悪臭の逆流を防止するために、
冷凍ショウケース等の排水管にトラップを設けることは
例えば実公昭62−12225号、同59−24950
号、実開平1−123184号等により知られている。
しかしながら、製氷機には製氷機特有の製氷残水の問題
があるので、前記の公報に記載されているような排水ト
ラップでは、悪臭、塩素臭等のストッカ3への侵入を防
ぐことはできない。製氷部からの製氷残水と、ストッカ
3からの融氷水等をコンパクトな排水装置で排水し、且
つ悪臭の逆流を防止するためには、図5の(ロ)に示さ
れているように、排水口11と排水管13との間にU字
管15が介装された構造になるが、このような構造によ
ると、U字管15の底部に溜まる製氷残水融氷水と
より排水溝14内の悪臭は捕集される。しかしながら、
製氷残水は、製氷器面に繰り返し散水されても凍結しな
かった水で、塩素等の不純物が濃縮されているので、ト
ラップに溜まっている製氷残水から塩素が蒸発し、塩素
が鎖線で示されているように、ストッカ3に達し貯氷中
の氷を汚染するという別の問題が生じる。したがって、
本考案は、ストッカあるいは貯氷室に排水の悪臭、製氷
機特有の製氷残水から生じる塩素等が侵入しない、製氷
機の排水部の構造を提供することを目的とし、また製氷
部にも排水の悪臭等が侵入しない製氷機の排水部の構造
を提供すること目的としている。また、他の考案は、
上記目的に加えてトラップ水として使用される製氷残水
の塩素等の濃度が薄められる製氷機の排水部の構造を提
供することを目的としている
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の考案は、
上記目的を達成するために、製氷部と、該製氷部で製氷
される氷が貯えられる貯氷室とを備え、前記製氷部で生
じる製氷残水は排水接続パイプを通して、前記貯氷室の
融氷水は該貯氷室を構成している底壁に設けられている
排水口を通して、共通の排水管から機外へ排水されるよ
うになっている製氷機の排水部の構造であって、前記排
水口の近傍には、前記貯氷室の融氷水が貯留する第1ト
ラップが設けられ、製氷残水等から生じる気体の前記貯
氷室への侵入は、前記第1トラップの融氷水によって防
止されるようになっていると共に、前記第1トラップの
には、前記製氷部の製氷残水が貯留する第2トラッ
プが設けられ、排水等から生じる気体の前記製氷部への
侵入は、前記第2トラップの製氷残水によって防止され
るようになっている。請求項2に記載の考案は、請求項
1に記載の第1トラップが、貯氷室の融氷水が貯留する
凹溝と、排水接続パイプが貫通しているフランジ部の周
囲から垂下し、その下端が前記凹溝内に臨んでいる仕切
とにより構成され、そして請求項3に記載の考案は、
請求項1または2に記載の第2トラップには、第1トラ
ップからの融氷水も貯留するように構成される。
【0007】
【作用】考案は、上記のように構成されているので、
貯氷室で生じる融氷水は、貯氷室の排水口近傍の第1ト
ラップを介して、また製氷残水は、排水接続パイプを通
第1トラップのに設けられている第2トラップを
介して、共通の排水管から機外へ排水される。このと
き、請求項3に記載の考案では、第2トラップに貯留さ
れる製氷残水は、融氷水により薄められる。その結果、
製氷残水から発生する塩素の量は減る
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を説明する。本実施例
に係わる製氷機も、排水装置以外の構造は、図4に示さ
れているように構成されている。すなわち、詳しい説明
はしないが、断熱壁から前方が開口した箱体1として形
成されている箱体1内には、その上方部に製氷部2が、
中間に貯氷室であるストッカ3が、そして最下部にコン
プレッサ、凝縮器、制御ボックス等が収納されている機
械室4が配置されている。箱体1の開口部には、水平軸
を中心として揺動する断熱扉5が設けられ、この断熱扉
5を開いてストッカ3内の氷を取り出すことができる。
製氷部2の下方には、製氷残水を受ける排水皿6が設け
られ、この排水皿6に排水接続パイプ8が設けられてい
る。排水接続パイプ8は、排水皿6の底部7を貫通し、
その上方開口部は底部7より所定高さ突出している。ま
た、下端の開口部9は、後述する排水口11に臨んでい
る。ストッカ3は、例えば発泡スチロール等の断熱材で
包まれている内箱16から構成され、その底10は、図
1の(イ)に示されているように、勾配が付けられ、そ
の最低位置に排水口11が形成されている。排水口11
は、箱体1の後壁寄りに設けられ、底部断熱材7を垂直
に貫通している。そして、その下端に箱体1外まで延び
ている排水管13が適宜接続され、前述した従来例と同
様に例えば排水溝14に排水できるようになっている。
なお、図1の(イ)に示されているように、排水接続パ
イプ8の下端の開口部9は、ストッカ3の排水口11内
で、後述する凹溝24よりも下方に位置している。
【0009】ストッカ3の排水口11の上方部に設けら
れている融氷水トラップ20、排水口11の中間部に設
けられる製氷残水トラップ30、これらのトラップに関
連した排水接続パイプ8等は、以下に述べるような部材
から構成されているが、これらの部材が合成樹脂から形
成されるときは、成形用の金型、部材の組立の容易性、
トラップ20、30の清掃の容易さ等を考慮して適宜分
解して形成され、そして組み立てられる。したがって、
以降は、形成されそして組み立てられた後の形状につい
て説明する。融氷水トラップ20は、図1に示されてい
るように、内箱16が下方に略直角に曲げられた、平面
的にみるとリング状を呈する垂直壁21と、リング状の
底壁22と、垂直壁21の径より小径の垂直内壁23と
から上方が開口した凹溝24として構成されている。そ
て、この凹溝24内にリング状の仕切26が配置さ
れている。仕切26は、円盤状のフランジ27の外
周部を下方へ略直角に曲げて形成されている。そして、
仕切26と、垂直壁21、底壁22および垂直内壁2
3との間には所定の間隔がおかれている。フランジ
7には、排水接続パイプ8が気密的に貫通している。し
たがって、凹溝24に融氷水が溜まると、排水管13中
の気体がストッカ3に侵入することはない。
【0010】製氷残水トラップ30は、受皿32と排水
接続パイプ8の下端の開口部9とで構成されている。す
なわち、垂直縁31と底32とから構成されている受皿
33は、排水口11の内側で、かつ融氷水トラップ20
の下において、複数個のリブ34により支持され、こ
の受皿33に排水接続パイプ8の下端の開口部9が所定
深さ挿入され、製氷残水トラップ30が構成されてい
る。
【0011】本実施例によると、融氷水トラップ20の
凹溝24には、主としてストッカ3内で生じる融氷水が
溜まり、そして製氷残水トラップ30の受皿32には製
氷残水が溜まっている。したがって、ストッカ3内の融
氷水等は、融氷水トラップ20を介して、また製氷残水
は製氷残水トラップ30を介して排水管13から機外へ
排出することができるが、排水管13中の悪臭は、これ
らのトラップ20、30により捕らえられ、ストッカ3
内へも、また排水接続パイプ8を介して製氷部にも侵
入しない。特に、本実施例によると、融氷水トラップ2
0の凹溝24には、空気中の水蒸気が結露した結露水も
溜まるが、主として融氷水が溜まるので、すなわち不純
物を含まないように凍結した氷が解けた、純水に近い融
氷水が貯留しているので、塩素臭がストッカ3内の氷に
付くようなことはない。製氷残水トラップ30の受皿3
2には、製氷残水が溜まっているが、排水接続パイプ8
の横断面積は小さいので、ここで生じる塩素量は少な
く、したがって排水接続パイプ8から製氷部2に至り
そしてストッカ3に達する塩素量はさらに少なく、貯氷
中の氷が塩素臭に汚染されるようなこともない。また、
本実施例によると、融氷水トラップ20は、凹溝24と
仕切26とから構成され、製氷残水トラップ30は、
受皿32と排水接続パイプの下端の開口部9とで構成
されているので、図5の(ロ)に示されている従来のU
字形トラップに比較して組立、分解が容易でトラップ2
0、30の清掃も容易にできる効果が得られる
【0012】次に、図2により本考案の第2の実施例を
説明する。図1に示されている実施例の構成部材と同様
な部材には同じ参照符号を付けて重複説明はしないが、
本実施例によると、受皿33の径が比較的大きく、受皿
32の垂直縁31は、融氷水トラップ20の垂直内壁2
3の半径外方まで達している。したがって、融氷水トラ
ップ20の溢れる融氷水が、製氷残水トラップ30の受
皿32に落ち込み、製氷残水が薄められ、その結果塩素
分も希釈される。それ故、塩素臭に汚染されることがさ
らに少なくなる。図3には、本考案の第3の実施例が示
されている。本実施例によると、受皿33は、複数本の
支持部材35、35により凹溝24の垂直内壁23に支
持されている。本実施例によると、受皿33の取り付
け、取り外しがさらに簡単になる効果が得られる。
【0013】
【考案の効果】以上のように、本考案によると、貯氷室
の排水口近傍には、融氷水が貯留する第1トラップが設
けられているので、排水の悪臭、製氷残水中の塩素等が
貯氷室 に侵入することがない、という本考案特有の効果
が得られる。特に、製氷残水は、製氷に繰り返し使用さ
れた残りの水で、水道水中の塩素等の不純物が濃縮さ
れ、悪臭も発生し易くなっているが、こられの塩素を含
んだ悪臭も融氷水により貯氷室への侵入が阻止される。
また、本考案によると、第1トラップには、純水に近い
融氷水が貯留するので、トラップ水により貯氷中の氷が
汚染されるようなこともない。さらには、第1トラップ
の下流には、製氷残水が貯留する第2トラップが設けら
れているので、排水管から排水の悪臭が製氷部、あるい
は製氷部をまわって貯氷室へ侵入するようなこともな
く、より完全に悪臭から保護される。他の考案による
と、第1トラップが、貯氷室の融氷水が貯留する凹溝
と、排水接続パイプが貫通しているフランジ部の周囲か
ら垂下し、その下端が前記凹溝内に臨んでいる仕切部と
により構成されているので、排水部の構造がコンパクト
になる効果が付加され、さらに他の考案によると、第2
トラップには、第1トラップの融氷水も貯留するように
なっているので、製氷残水が純水に近い融氷水で薄めら
れ、製氷残水から生じる塩素の量も減じられる効果が付
加される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の第1実施例を示す図で、(イ)はそ
の断面図、(ロ)は(イ)において矢印A−A方向に見
た平面図である。
【図2】 本考案の第2実施例を示す断面図である。
【図3】 本考案の第3実施例を示す断面図である。
【図4】 製氷機の例を一部破断して示す斜視図であ
る。
【図5】 従来の製氷機の排水部の例を拡大して示す図
で、(イ)はベンドを使用した例を、また(ロ)はU字
管を使用した例をそれぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 箱体 3 ストッカ 8 排水接続パイプ 9 開口部26 仕切部 27 フランジ部 11 排水口 20 融氷水トラップ 30 製氷残水トラップ30

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製氷部(3)と、該製氷部(3)で製氷
    される氷が貯えられる貯氷室(3)とを備え、前記製氷
    部(3)で生じる製氷残水は排水接続パイプ(8)を通
    して、前記貯氷室(3)の融氷水は該貯氷室(3)を構
    成している底壁(10)に設けられている排水口(1
    1)を通して、共通の排水管(13)から機外へ排水さ
    れるようになっている製氷機の排水部の構造であって、 前記排水口(11)の近傍には、前記貯氷室(3)の
    氷水が貯留する第1トラップ(20)が設けられ、製氷
    残水等から生じる気体の前記貯氷室(3)への侵入は、
    前記第1トラップ(20)の融氷水によって防止される
    ようになっていると共に、 前記第1トラップ(20)の下には、前記製氷部
    (3)の製氷残水が貯留する第2トラップ(30)が設
    けられ、排水等から生じる気体の前記製氷部(3)への
    侵入は、前記第2トラップ(30)の製氷残水によって
    防止されるようになっていることを特徴とする製氷機の
    排水部の構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の第1トラップ(20)
    が、貯氷室(3)の融氷水が貯留する凹溝(24)と、
    排水接続パイプ(8)が貫通しているフランジ部(2
    7)の周囲から垂下し、その下端が前記凹溝(24)内
    に臨んでいる仕切部(26)とにより構成されている製
    氷機の排水部の構造。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の第2トラップ
    (30)には、第1トラップ(20)からの融氷水も貯
    留するようになっている製氷機の排水部の構造。
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JPH0447579Y2 (ja) * 1985-06-24 1992-11-10
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