JPH0221749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷凍・冷蔵ケースの物品収納室外の底
部に配設されて除霜水、その他のドレンを貯留す
るタンクに関する。

通常、オープンタイプ、クローズタイプを問わ
ず、冷凍・冷蔵ケースにおいては、収納室内への
着露水や、冷媒蒸発器及びこれを配設した冷気風
路に対する加熱除霜時に除霜水を生ずる。このよ
うなドレンは、収納室外の底部に設けられた排水
口に排水用配管を接続して最寄りの排水溝へ排出
するようにしている。ところが、冷凍・冷蔵ケー
スの設置場所例えば、スーパーマーケツトなどに
よつては、排水溝が近くに無い場合、あるいは排
水用配管の設置が困難な場合がある。このような
場合には、冷凍・冷蔵ケースの収納室外の底部に
ドレン貯留タンクを配設するようにし、ドレンの
溜まり具合、店内状況等を考慮して排水作業を行
なうという方法がとられている。

第１図はこのような方法に用いられている従来
のドレン用タンクを断面図で示す。

タンク１は、その上面に一定量のドレンを溜め
ることが可能な凹部２を有している。この凹部２
には、シールした電熱ヒータあるいは冷凍・冷蔵
ケースの冷却回路に使用されている冷媒凝縮器の
放熱を利用したヒータ３を配設して、凹部中の水
分を蒸発させてしまうようにしている。凹部２の
側壁には、ヒータ３で蒸発しきれない場合を考慮
して、凹部内の余剰のドレンをタンク１内へ移入
する溢水穴４が設けられていると共に、溢水穴４
より低い位置に設けられた穴にサイフオン管５が
設けられている。サイフオン管５は、タンク１内
に臨む端部がタンク底部近くまで垂下され、凹部
２内に臨む端部が凹部内底部近くまで垂下されて
いる。またサイフオン管５の最高部は、溢水穴４
より低位置に設定されている。またタンク１の側
壁には、排水口６が設けられ、排水口６にはコツ
ク７を取り付けてタンク１内が満杯になつた時
に、ホース８を接続して所定の排水溝まで延ばし
排出するようにしている。

ところでこのドレン用タンクは、凹部２に加熱
除霜時の除霜水と、ごみ、塵埃あるいは野菜くず
等の含まれるケース側からの排水とを溜め、蒸発
しきれない場合にケース１内に落とすという構造
であるため、凹部２内底部に沈殿物が溜まり易
く、サイフオン管５の入口を塞いでしまうことが
あつた。またヒータ３の配設、サイフオン管５の
取り付け等、組立て作業が面倒であつた。

本考案は、このような欠点に鑑み、組立て作業
性、メインテナンス性の向上を図り、コストダウ
ンにも貢献するドレン用タンクを提供しようとす
るものであり、以下にその実施例を説明する。

第２図は本考案の一実施例を断面図で示す。

冷凍・冷蔵ケース１０における物品収納室１１
外の底部空間の一部にドレン用タンク２０が着脱
自在に収納されている。

ケース本体１０においては、底部断熱壁１２に
おいて冷媒蒸発器１３側からの除霜水第１の排水
と収納室側に生ずる排水第２の排水とを分離でき
るようにしており、第１の排水管１４、第２の排
水管１５でそれぞれの排水が行なわれる。

排水管１５の入口には、フイルタ（図示省略）
が設けられて大きなごみの流入が阻止される。タ
ンク２０が収納されている底部空間においては、
その底壁１６の後部に前方に傾斜面を持つ段部１
７が形成され、前方開口は着脱自在な機械室カバ
ー１８で被われる。

ドレン用タンク２０は、その斜視図である第３
図をも参照して、上面にドレンを受けるための凹
部２１が形成されている。またタンク２０の下面
には、後部が前部に比して薄くなるような２段の
段部２２，２２′を形成して、後方の段部２２′が
段部１７に嵌合した状態で底壁１６との間に一定
の隙間ができ且つタンク２０が水平になるように
している。凹部２１は前方に傾斜して形成されて
おり、その最底部に凹部２１の貯留水をタンク２
０内に導入すべく第２の導入部を構成するための
貫通孔２３が設けられていると共に、タンク２０
の上端面よりやや低い高さまで延びてタンク本体
内と連通する溢水管２４が設けられている。勿
論、凹部２１の側壁に溢水穴を設けるようにして
も良い。またタンク２０の前方側の上端面には、
第１の導入部を構成するための貫通孔２５が設け
られ、排水管１５に接続されたホース１９が嵌入
可能にされている。更にタンク２０の前端面に
は、その下部に排水口２６が形成されていると共
に、中央部に取手２７が設けられている。なお貫
通孔２３は、常時、ゴム栓２８で閉止され、排水
口２６はキヤツプ２９で閉止されている。このよ
うなタンク２０は、樹脂成形により容易に得ら
れ、水の溜まり具合を観察し易いように少なくと
も半透明にされている。

ヒータ３１は、ケース本体側に取り付けられた
吊金具３２で保持され、図示の如きセツト状態で
凹部２１内において溢水管２４の上端よりも低い
高さにあるように保持されている。

以上のような構成により、凹部２１内には除霜
水のみが貯留され、収納室からのごみ成分を含ん
だ水はタンク２０内に貯留される。凹部２１内の
水はヒータ３１により蒸発するが、蒸発し切れず
レベルが上昇した場合は、溢水管２４からタンク
２０内に流入するので凹部２１から外へ溢れるこ
とは無い。タンク２０内の水の溜まり具合は、機
械室カバー１８越しでも確認することができ、客
の少ない時や閉店時に排水作業を行なう。

排水作業を行なう場合には、まず機械室カバー
１８を取り外しホース１９を貫通孔２５から抜く
と、タンク２０は容易に引き出すことができる。
しかもタンク２０は引き出すにつれてその後部側
のコーナ部が段部１７の傾斜面に沿つてスライド
するので後部側が徐々に下がる。このことにより
吊金具３２で保持されているヒータ３１に触れる
ことなくタンク２０を引き出すことができる。こ
れはタンク２０を底部空間内に入れる場合も同様
である。なおタンク２０を引き出す時、凹部２１
に水が残つている場合には、栓２８を抜いて凹部
２１内の水をすべてタンク２０内に移送してから
行なうことにより、引き出しに際しての凹部２１
からの水のこぼれを無くすことができる。引き出
したタンク２０は、排水可能な場所まで運びキヤ
ツプ２９を外して排水する。勿論、ゴムホース８
を冷凍・冷蔵ケース本体の配置位置まで延ばすよ
うにすれば、その場での排水も可能であるが、こ
の場合には排水口２６をコツク付きのものにすれ
ばなお良い。

第４図、第５図はそれぞれ本考案の他の実施例
を示し、第２図、第３図と同部分については同番
号を付している。

この実施例は、第２図、第３図に示した溢水管
２４と栓２８の機能を一つの部材で兼ねさせたも
のである。すなわち凹部２１の最底部に設けられ
た貫通孔２３に所定長の筒状の栓２８′を着脱自
在にしている。これによつて一定量以上の水が溜
まつた場合には、栓２８′の上端からこれを通し
てタンク２０内にオーバーフローさせるように
し、凹部２１内の水をタンク２０内に移送する場
合は栓２８′を抜くだけで実現することができる。
このようにすると溢水管２４を設置することが不
要となり、第２図の例に比してコストの低減化を
図ることができる。

更に他の構造としては、貫通孔２３とこれに装
着される栓２８′の径をホース１９の径より大き
めにし、ホース１９を栓２８′内に遊嵌させるこ
とにより、排水管１５からの水と凹部２１のオー
バフロー水とを栓２８′を通してタンク２０内に
落とすことができる。このようにすれば、タンク
２０に貫通孔２５を設けることが不要となり、更
にコストの低減化を図ることができる。

以上のように本考案によるドレン用タンクは、
冷媒蒸発器の配設された風路からの除霜水と収納
室からの排水とを別に受けるようにし、特に除霜
水の受け部、タンク全体の形状を工夫したことに
より、次のような効果が得られる。

上述した複数の機能を一体成形のタンクで得
られるようにしたことにより、作業性の向上と
コストダウン、更にメインテナンスの向上を図
ることができる。

除霜水と冷却室からの排水とを分離して受け
るようにしたことにより、加熱蒸発は清浄水に
対してのみ行なわれ、従来のように塵埃、野菜
くずのような不純物の沈殿物が加熱されること
による悪臭発生のおそれが無い。またヒータも
不純物によつて腐蝕が促進されるようなことが
無い。

タンク本体内の水を排出する場合、あらかじ
め凹部に残つている除霜水をタンク本体内に移
入することが可能となつたため、タンク本体を
ケースから引き出す場合に水を底面上に散らす
ことが無く、衛生上、メインテナンス上好まし
い。

タンク本体の出し入れが凹部内にあるヒータ
に注意することなくスライド方式によるワンタ
ツチ操作で行なうことができるため、排水作業
の時間を短縮することができる。

部品点数の減少により、管理上、更にコスト
ダウンが可能となる。

タンク本体は成形品であるため品質上もばら
つき無く安定させることができる。

オープンタイプ、クローズタイプを問わずど
のような冷凍・冷蔵ケースにも適用でき汎用性
が向上する。

勿論、本考案は実施例に限定されるものでは無
く、特にタンク上面に形成する凹部の形状、下面
に形成する段部の形状等は様々に変更可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のドレン用タンクを断面図で示
し、第２図は本考案の一実施例を冷凍・冷蔵ケー
スの底部に配設した状態で断面図で示し、第３図
は本考案の一実施例の斜視図、第４図は本考案の
他の実施例を第２図同様に示した図、第５図はそ
のうちのドレン用タンクの斜視図。 図中、１０は冷凍・冷蔵ケース、１３は冷媒蒸
発器、２０はドレン用タンク、２４は溢水管、２
６は排水口、２８，２８′は栓、３１はヒータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 冷凍・冷蔵ケースの冷媒蒸発器の配設された
   風路からの第１の排水と物品収納室からの第２
   の排水とを貯留するための密閉式のドレン用タ
   ンクにおいて、該ドレン用タンクの上面をくぼ
   ませて前記風路の底部に設けられた第１の排水
   管を通して前記第１の排水を受けて貯留すると
   共に、これを蒸発させるためのヒータを配設し
   た凹部を設け、該ドレン用タンクにはまた、前
   記物品収納室の底部に設けられた第２の排水管
   を通して前記第２の排水を該ドレン用タンク内
   に導入するための第１の導入部を設け、前記凹
   部には、該凹部への貯留水が所定水位になると
   これを越える分を該ドレン用タンク内に溢水せ
   しめる溢水部を設けると共に、該凹部の底面を
   傾斜面としてその最底部に該凹部の貯留水を必
   要に応じて該ドレン用タンク内に導入するため
   の第２の導入部を設けてなり、前記溢水部を前
   記凹部の底部に前記ドレン用タンク内と連通す
   るように設けた前記所定水位の高さまで延びた
   管で構成し、前記第２の導入部は前記凹部の最
   底部において栓で閉止可能にした貫通孔で構成
   したことを特徴とするドレン用タンク。 ２ 前記第２の導入部における前記貫通孔に前記
   所定水位の高さまで延びる管を前記栓として着
   脱自在に設けて前記溢水部を兼ねるようにした
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載のドレン用タンク。