JP2565107Y2 - レンジフード用フィルタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、調理用ガスレンジの上
方に配設して排煙を行うレンジフードにおいて、該レン
ジフードに装着されるフィルタ装置、特に、深型レンジ
フードに適したフィルタ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、飲食店の厨房はもとより一般
家庭の台所においても、調理時に発生する油煙や臭気等
を排出するために、排気フアンを備えたレンジフードが
広く採用されており、該レンジフードの吸気口には油煙
が排気フアンに付着するのを防止するフィルタ材が装着
されている。

【０００３】そして、深型のレンジフードは広範囲の煙
を排気させるためにフード自体が大型に形成されてあ
り、しかも、システムキッチン等のデザインとの調和を
配慮してフードの奥行き寸法や横幅寸法が種々に異なっ
ているため、このようなレンジフードに取付けるフィル
タ材としては、その形状をレンジフードに適合可能な構
造にする必要がある。

【０００４】そこで、最近、図10に示すように、横長矩
形状のフィルタ材Ａの左右両端部に伸縮自在な蛇腹状の
取付片Ｂを設けてこの取付片Ｂの長さをフードの内寸法
に合わせるように構成したものが考案された。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなフィルタ材Ａによれば、取付片Ｂの伸縮幅が比較
的小さいために、適合できるレンジフードの横幅寸法が
限定されて使用範囲が狭いばかりでなく、取付片Ｂを伸
長させて取付けても、フィルタ材の両端とレンジフード
の対向内側面間に隙間が生じ、フィルタ作用を奏するこ
とができないという問題点がある。

【０００６】このような問題点は、２枚のフィルタ材を
互いに重ね合わせて左右方向に伸縮自在に連結すれば解
決できるが、フィルタ材Ａは、そのフィルタ部Ｄの周辺
に断面逆台形状の補強溝部Ｅを有するアルミ箔製の枠体
Ｃを一体に取付けてなる構造を有するものであるから、
重ね合わせた場合には両フィルタ材Ａ、Ａの枠体端縁間
に補強溝部Ｅの深さに相当する隙間が生じ、従来から周
知のクリップ形状の連結具では、重ね合わせ部分に対す
る取付けが困難となるばかりでなく、安定した連結が行
えないという問題点が生じる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は上記のような問
題点に鑑みてなされたもので、フィルタ部２の周縁にア
ルミ箔製の枠体３を一体に取付けてなる横長長方形状の
フィルタ材１を二枚、重ね合わせ、その重ね合わせ部に
おける一方のフィルタ材１の上下枠部３ａ、３ｂの一端
部に断面Ｕ字状又はＣ字状に彎曲してなるガイド部材
８、８の一端部をそれぞれ固着し、これらの上下ガイド
部材８、８の彎曲部を他方のフィルタ材１の上下枠部３
ａ、３ｂに被せて該上下ガイド部材８、８の他端部をこ
れらの上下枠部３ａ、３ｂにそれぞれ弾接させ、上記２
枚のフィルタ材１、１を上記上下ガイド部材８、８を介
して左右方向に摺動自在に連結してなるレンジフード用
フィルタ装置を提供するものである。

【０００８】

【作用】一方のフィルタ材１の上下枠部3a、3bにおける
一端部に固着したガイド部材８に他方のフィルタ材１の
上下枠部3a、3bを挟持させているので、一方のフィルタ
材１に対して他方のフィルタ材１を左右方向に摺動させ
て全体の横幅を所望長さに伸縮、調整させることができ
る。従って、その長さをレンジフードの吸気口の内寸法
に応じて伸縮調整し、該吸気口に全面的に張設すること
ができる。この際、ガイド部材８は一方のフィルタ材１
に固定しているから、両フィルタ材１、１を相対的に摺
動させてもガイド部材８はフィルタ材１から抜け出た
り、フィルタ１の中央側に移動したりすることがなく、
上記長さ調整が容易に行える。

【０００９】また、上記フィルタ１、１の端部のうち、
重ね合わせていない自由端部側に磁石等の取付部を一体
に設けておくと、長さ調整したフィルタ材１、１をレン
ジフードの吸気口にワンタッチで取付けることができる
ようになり、レンジフードへの着脱が容易である。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の実施例を示している図面につ
いて説明すると、１は縦幅がレンジフードの吸気口の開
口縦幅に略等しく、横幅が該吸気口の横幅よりも短く形
成されている横長長方形状のフィルタ材で、不織布から
なる通気性を有するフィルタ部２の四方周縁に厚さ50〜
100 μ程度のアルミ箔の成形体からなる枠体３を一体に
取付けてなるものである。なお、枠体３の上下水平枠部
3a、3b間には、長さ方向に適宜間隔毎に補強縦枠部3cが
一体に成形されてある。

【００１１】アルミ箔よりなる枠体３は、フィルタ材１
に耐曲げ強度等の保形性を付与するために、図３に示す
ように、その中央部を全周に亘って膨出させることによ
り一定深さの断面逆台形状の溝部４に形成してあり、さ
らに、該溝部４の開口端の内端側を平坦なフィルタ取付
面５に屈曲形成していると共に外端側を逆Ｕ字状に折り
返して突条部６に形成し、該突条部６の下端縁に縁巻部
７を形成してなる構造を有する。又、上記溝部４の底面
中央には溝内に向かって突出する突条部９を膨出、形成
してある。

【００１２】さらに、フィルタ材１の枠体３の一側垂直
枠部3dの中央部には、蛇腹状に彎曲した伸縮調整部10を
介して片面に磁石片13を取付けている取付部11を一体に
連設してある。

【００１３】このように形成したフィルタ材１を図１、
図２に示すように、二枚、その取付部9bを外側に向けた
状態にして重ね合わせると共に、その重ね合わせ部にお
ける上載側のフィルタ材１の上下枠部3a、3bの一端部に
断面横向きＵ字状に彎曲してなるガイド部材８の一端部
を固着し、このガイド部材８の他端部を他方のフィルタ
材１の溝部４の外底面に摺動自在に弾接させてある。

【００１４】なお、使用時には、フィルタ材１、１を二
枚、左右方向にずらせた状態で重ね合わせるので、一方
のフィルタ材１の上下枠部3a、3b上に他方のフィルタ材
１の垂直枠部3dの上下端が重なり合って、両フィルタ材
１、１の枠部３、３の縁巻部７、７間には、補強溝部４
の深さに相当する間隔部が設けられることになるが、こ
の間隔部の存在にも拘わらず、上記ガイド部材８によっ
て両フィルタ材１、１を相対的に左右方向に摺動調整自
在に連結しているものである。

【００１５】このガイド部材８の構造を詳しく述べる
と、図３に示すように、弾性変形可能な一定幅を有する
金属板片を断面横向きＵ字状に屈曲して屈曲部8aと、該
屈曲部8aの両端に互いに並行して連設した固定片部8bと
摺接片部8cを一体に形成してなるものであり、屈曲部8a
内に重ね合わせたフィルタ材１、１の縁巻部７、７を包
被させると共に固定片部8bを溝部４の外側傾斜面から底
面に沿う溝形形状に形成しててこの固定片部8bを一方の
フィルタ材１の上下枠部3a、3bの溝部４に固定具12によ
って固着してある。

【００１６】なお、固定具12としては、図においては鋲
体12a をフィルタ材１の溝部４とガイド部材８の固定片
部8bとに貫通させたのち、止め部材12b を鋲体12a の先
端に嵌入、係止させた構造としているが、周知の割りピ
ンやカシメ、ホック等の適宜な固定具であってもよい。

【００１７】ガイド部材８の摺接片部8cは他方のフィル
タ材１の溝部外底面に沿った形状に形成されて該溝部４
の外底面に弾接させてある。なお、この摺接片部8cの中
間部に、前記溝部４に形成している突条部９内に係合し
て摺動するガイド突起部8dを突設しておけば、このガイ
ド部材８に対して他方のフィルタ材１の左右摺動を安定
且つ正確に行わせることができる。

【００１８】図４はガイド部材８の変形例を示すもの
で、上記実施例においては、ガイド部材８の屈曲部8a内
に両フィルタ材１、１の縁巻部７、７を内包させた構造
としているが、この実施例においては、ガイド部材８の
屈曲部8a内に他方のフィルタ材１の縁巻部７が包含可能
な形状に形成し、その固定片部8bを一方のフィルタ材１
の溝部外底面に沿わせて上記同様に固定具12によって固
着しているものである。なお、その他の構造は上記図３
に示したものと同様である。

【００１９】図５はガイド部材８の別な実施例に示すも
ので、弾性変形可能な一定幅を有する金属板片を断面Ｃ
字状に屈曲して上記フィルタ１、１の重合縁巻部７、７
を内包可能な径を有する屈曲部8aに形成すると共に、該
屈曲部8aの小間隔を存して対向した遊離端部の一方を摺
接片部8cとし、他方の遊離端部を該摺接片8cの先端延長
方向に屈曲させて小幅の平坦な固定片部8bに形成してな
るものである。

【００２０】このように形成したガイド部材８は、図６
に示すように、その固定片部8bを一方のフィルタ材１の
上下枠部3a、3bの溝部４内に沿わせて上記実施例と同様
に固定具12によって固着してあり、屈曲部8a内に両フィ
ルタ材１、１の縁巻部７、７を包被させると共に摺接片
部8cを他方のフィルタ材１の溝部側面ないしは縁巻部７
に係止状態に弾接させているものである。

【００２１】ガイド部材８をこのように構成すると、そ
の取付時においては、図７に示すように、まず、摺接片
部8bの先端を他方のフィルタ材１の縁巻部７内側に係止
させ、この状態から、固定片部8bをガイド部材８の対向
遊離端間の間隔部が拡がる方向に引張ながら上記係止部
を支点として上方に転回させれば、該固定片部8bが一方
のフィルタ材１の溝部内に嵌入、当接し、屈曲部8a内に
両フィルタ材１、１の枠体縁巻部７、７が内包された状
態となるようにワンタッチで取付作業が行えるものであ
る。

【００２２】このように構成したフィルタ装置をレンジ
フード14に装着するには、前後に重なったフィルタ材
１、１のうち、一方のフィルタ材１の端部に固定してい
るガイド部材８、８に他方のフィルタ材１の上下枠部3
a、3bを案内させながら左右方向に摺動させることによ
り、両フィルタ材１、１の両外側端間の長さ寸法をレン
ジフード14の横幅寸法と一致するように調整する。しか
るのち図８に示すように、フィルタ材１、１の外側垂直
枠部3d、3dに一体に設けている取付部11、11をレンジフ
ード14の吸気口の対向内壁面に密接させ、その磁石片1
3、13を該壁面に磁着させることによって固定させるも
のである。

【００２３】なお、フィルタ材１の縦幅寸法よりもレン
ジフード14の縦幅が大きい場合、図９に示すように、上
記フィルタ装置を一対、上下部の重ね合わせ寸法を調整
してレンジフード14の縦幅に等しくなるように上下に並
列、重合させ、これらのフィルタ装置を上記同様にレン
ジフード14の吸気口の対向内壁面に固定させればよい。

【００２４】

【考案の効果】以上のように本考案のレンジフード用フ
ィルタ装置によれば、フィルタ部２の周縁にアルミ箔製
の枠体３を一体に取付けてなるフィルタ材１を二枚、重
ね合わせ、その重ね合わせ部における一方のフィルタ材
１の上下枠部3a、3bの一端部に断面Ｕ字状又はＣ字状に
彎曲してなるガイド部材８の一端部を固着し、このガイ
ド部材８の他端部を他方のフィルタ材１に弾接させて該
他方のフィルタ材１をこのガイド部材８を介して左右方
向に摺動自在に構成しているので、一方のフィルタ材１
の上下枠部3a、3bにおける一端部に固着したガイド部材
８に他方のフィルタ材１の上下枠部3a、3bを案内させな
がら該フィルタ材１を左右方向に摺動させて全体の横幅
を所望長さに伸縮、調整することができる。

【００２５】従って、吸気口のサイズの異なるレンジフ
ードであっても、一種類のフィルタ装置によって該フィ
ルタの長さをレンジフードの吸気口の内寸法に応じて容
易に且つ正確に伸縮調整が行えて該吸気口に全面的に張
設することができ、吸気口に隙間を生じさせることがな
い。又、ガイド部材８は一方のフィルタ材１の上下枠部
3a、3bの端部に固定しているから、フィルタ装置の長さ
を大きく調整することができるばかりでなく、両フィル
タ材１、１を相対的に摺動させてもガイド部材８はフィ
ルタ材１から抜け出たり、フィルタ１の中央側に移動し
たりすることがなく、上記長さ調整を簡単且つ正確に行
えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】簡略平面図、

【図２】その側面図、

【図３】ガイド部材装着部の拡大断面図、

【図４】ガイド部材の変形例を示す装着部の拡大断面
図、

【図５】ガイド部材の更に別な実施例を示す斜視図、

【図６】その装着部の拡大断面図、

【図７】そのガイド部材の取付状態を示す簡略断面図、

【図８】レンジフードに装着した状態の簡略斜視図、

【図９】その変形例を示す簡略斜視図、

【図１０】従来のレンジフードフィルタ材の平面図。

【符号の説明】

１ フィルタ材 ２ フィルタ部 ３ 枠体 3a 上枠部 3b 下枠部 ４ 溝部 ７ 縁巻部 ８ ガイド部材 8a 屈曲部 8b 固定片部 8c 摺動片部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルタ部２の周縁にアルミ箔製の枠体
   ３を一体に取付けてなる横長長方形状のフィルタ材１を
   二枚、重ね合わせ、その重ね合わせ部における一方のフ
   ィルタ材１の上下枠部３ａ、３ｂの一端部に断面Ｕ字状
   又はＣ字状に彎曲してなるガイド部材８、８の一端部を
   それぞれ固着し、これらの上下ガイド部材８、８の彎曲
   部を他方のフィルタ材１の上下枠部３ａ、３ｂに被せて
   該上下ガイド部材８、８の他端部をこれらの上下枠部３
   ａ、３ｂにそれぞれ弾接させ、上記２枚のフィルタ材
   １、１を上記上下ガイド部材８、８を介して左右方向に
   摺動自在に連結していることを特徴とするレンジフード
   用フィルタ装置。