JP2564970Y2 - 扉の支持構造 - Google Patents

扉の支持構造

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JP2564970Y2
JP2564970Y2 JP4426292U JP4426292U JP2564970Y2 JP 2564970 Y2 JP2564970 Y2 JP 2564970Y2 JP 4426292 U JP4426292 U JP 4426292U JP 4426292 U JP4426292 U JP 4426292U JP 2564970 Y2 JP2564970 Y2 JP 2564970Y2
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義則 加賀屋
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Denso Ten Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、磁気テープの再生装置
やビデオテープレコーダなどの電子機器において、記録
媒体の挿入口などに好適に用いられる扉の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5は、典型的な従来技術の電子機器1
の扉4付近の拡大斜視図であり、図6はその電子機器1
の前面板2付近の断面図である。この電子機器1は、車
載用の磁気テープカセットの再生装置であり、カセット
挿入口3には防塵などのために扉4が取付けられてい
る。前記扉4の幅方向の一端部4aは折返されて、収納
孔4bが形成されている。この収納孔4b内には軸5が
挿通して収納されている。この軸5の扉4から突出して
いる両端部5a,5bのうちの一方の端部5aは、前面
板2に固定されている軸受6の挿通孔6a内に嵌め込ま
れている。また、前面板2からは支持柱9と挟持部材7
とが立設されており、前記軸5の他方の端部5bは該支
持柱9と挟持部材7との間に挟み込まれ、支持柱9の遊
端部に形成された係止突起9aによって係止され、脱落
が防止されている。
【0003】また、扉4の一端部4aにおいて長手方向
の中央部付近には切欠き4cが形成されており、前記軸
5のこの切欠き4c内に露出している部分には巻きばね
8が巻回されている。巻きばね8の一端部8aは前面板
2に当接し、他端部8bは扉4の裏面4d側に当接し、
扉4を矢符A方向にばね付勢する。こうして扉4は、挿
入口3の外周縁部3aに当接し、電子機器1内への塵や
埃の侵入を防いでいる。したがって、磁気テープカセッ
ト12が挿入されていない状態では、扉4は挿入口3を
塞いでいる。
【0004】また、前記扉4および巻きばね8は導電性
の材料から成り、これに対応して、前面板2において巻
きばね8の前記一端部8aが当接する部分には、アルミ
箔などの導電性シート10が貼付けられている。この導
電性シート10は、該電子機器1が組立てられた状態
で、再生機構や電子回路基板などを収納している筺体1
1と接触する。したがって、人体から扉4に放電された
静電気は、巻きばね8および導電性シート10を介し
て、筺体11に流入し、除去される。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上述のような従来技術
では、前記図6(1)に示されるように挿入口3に磁気
テープカセット12が挿入されていない状態では、扉4
は挟持部材7と支持柱9とによって摺動変位自在に挟持
され、支持部材9に形成された係止突起9aの係止面9
bによって脱落しないように保持されている。しかしな
がら、前面板2から延びた支持柱9の軸線方向Hと、係
止突起9aの係止面9bとの角度θ1が鈍角に対向して
おり、したがって、図6(2)に示されるように、挿入
口3から磁気テープカセット12の挿入方向B側先端部
12aが扉4に当接し、扉4を押し開けることによって
軸5の端部5bが係止面9bに沿って上部に移動してし
まい、挟持部材7側へ押し上げられるような力が作用す
る。軸5の端部5bが挟持部材7側に押し上げられる
と、挟持部材7側からは反対に軸5の端部5bを押し戻
そうとする力が働き、この力によって支持柱9がたわ
み、軸5が支持柱9から外れて扉4が脱落しやすくな
る。
【0006】本考案の目的は、簡便な構成で開口部の扉
を取付け、確実に支持する扉の支持構造を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、部材の壁面に
形成された開口に開閉自在に扉を支持するための構造に
おいて、前記扉の一端部において相互に離反する方向に
延びて形成され、該扉を揺動自在に支持する一対の軸
と、前記壁面から立設され、前記軸が摺動変位自在に載
置される支持部材と、支持部材の遊端部に形成され、該
支持部材から離反してゆくにつれて前記壁面に近接して
ゆく係止面を有する係止突起と、前記支持部材の係止突
起側に対向するように前記壁面から立設され、弾発性を
有する材料から成り、前記支持部材とともに前記軸を摺
動変位自在に挟持する挟持部材とを含むことを特徴とす
る扉の支持構造である。
【0008】
【作用】本考案に従えば、電子機器などの部材におい
て、前面板などの壁面に形成される記録媒体の挿入口な
どの開口に扉を開閉自在に支持するにあたって、前記開
口の周縁部付近には、一対の支持部材と挟持部材とが立
設される。
【0009】一方、扉の一端部には相互に離反する方向
に延びて一対の軸が形成されており、これらの軸がそれ
ぞれ対応する一対の支持部材と挟持部材との間に摺動変
位自在に挟み込まれて、こうして扉は揺動変位自在に支
持される。
【0010】前記支持部材の遊端部には、係止突起が形
成されており、この係止突起は該遊端部から立上がって
延びるにつれて、前記壁面に近接してゆく係止面を有す
る。また、挟持部材は弾発性を有する材料によって形成
され、したがって、挟持部材をその弾発力に抗して支持
部材から離反変位した状態で前記係止突起を乗り越えて
軸が支持部材と挟持部材との間に嵌め込まれ、挟持部材
の変位を解除すると、軸は支持部材と挟持部材との間に
挟持される。こうして簡便に扉を取付けることができ
る。
【0011】また、前記記録媒体の挿入などに伴って扉
が押し込まれても、軸は挟持部材によって支持部材上を
摺動変位し、前記係止面に鋭角に対向する支持部材の面
との間に嵌まり込んで係止される。これによって扉を外
れることなく確実に支持することができる。
【0012】なお、対をなす支持部材と挟持部材とは一
対の軸のうち少なくともいずれか一方に関してのみ設け
られ、いずれか他方に関しては壁面から立設された支持
板に挿通孔が設けられているだけでもよく、この場合に
はまずその挿通孔に他方の軸が嵌め込まれた後、一方の
軸を支持部材と挟持部材との間に嵌め込むようにすれば
よい。
【0013】
【実施例】図1は、本考案の一実施例の電子機器21の
前面板22付近の分解斜視図であり、図2は扉24付近
の拡大斜視図である。前面板22には飾り板31に形成
された突起33が前面板22に形成された挿通孔32に
挿通された後、加熱されて飾り板31と溶着される。こ
の電子機器21は、車載用の磁気テープ再生装置として
用いられ、したがって前面板22に形成された挿入口2
3からは、磁気テープカセット30の挿入または排出が
行われる。
【0014】前記挿入口23の内方には、アルミなどの
導電性材料から成る板状の扉24が配置されている。こ
の扉24の幅方向の一端部24aは折返されて、収納孔
24bが形成されている。収納孔24b内には、金属製
の軸25が挿通されている。軸25の両端部25a,2
5bはそれぞれ扉24の長手方向両端部24e,24f
から相互に離反する方向に突出しており、一方の端部2
5bは前面板22に立設された軸受26の挿通孔26a
に嵌め込まれる。また、軸25の他方の端部25aは、
前面板22から立設された支持柱27上に乗載される。
支持柱27の遊端部には係止突起27aが形成されてお
り、この係止突起27aによって前記端部25bの脱落
が防止されている。
【0015】前記支持柱27の近傍には、挟持部材28
が前面板22から立設されており、該挟持部材28は弾
発性を有する材料によって形成されている。したがっ
て、挟持部材28の弾発力に抗して、該挟持部材28を
押し上げるような状態で支持柱27の係止突起27aの
係止面27bを乗り越えて、軸25が支持柱27と挟持
部材28との間に嵌め込まれる。
【0016】また、前記扉24の一端部24aにおい
て、長手方向の中央付近には、切欠き24cが形成され
ており、この切欠き24c内で露出している軸25に
は、巻きばね29が巻回されている。巻きばね29の一
端部29aは、扉24の裏面24dに当接しており、他
端部29bは前面板22に当接している。この巻きばね
29は、その両端部29a,29bが相互に離反する方
向に弾発力を発生しており、したがって扉24を矢符C
方向すなわち該扉24が閉じる方向にばね付勢してい
る。
【0017】図3は、前面板22付近の断面図である。
図3(1)で示されるように、軸25に一体化された扉
24が、挿入口23付近に取付けられていない状態で
は、前記挟持部材28と係止突起27aとの間隔W1
は、軸25の直径D1よりも小さくなるように形成され
ている。したがって図3(2)で示されるように、軸2
5が係止突起27aと挟持部材28との間に嵌め込まれ
ると、挟持部材28の弾発力によって軸25はがたつき
なく保持される。
【0018】またこのように扉24が挿入口23の背後
側に取付けられると、前面板22には、飾り板31に形
成された突起33が該前面板22に形成された挿通孔3
2に挿通された後、加熱されて飾り板31と溶着され
る。また、前記巻きばね35の弾発力によって、扉24
は前記矢符C方向にばね付勢され、該扉24の少なくと
も一部分が挿入口23の外周縁部23aに当接して、挿
入口23は塞がれている。
【0019】これに対して図3(3)で示されるよう
に、矢符D方向に前記磁気テープ30が挿入されると、
扉24は巻きばね35のばね力に抗して前記矢符C方向
とは反対方向に角変位する。このように扉24が開かれ
た状態で磁気テープカセット30の挿入または排出操作
が行われても、前面板22から延びた支持柱27の軸線
方向Fと、係止突起27aの係止面27bとの角度θ2
が鋭角に形成されており、したがって軸25の端部25
bが係止突起27aの係止面27bに沿って上方に移動
してしまうようなことはなく、支持柱27の係止突起2
7aと挟持部材28との間に嵌り込んで挟持されている
ので、扉24はがたつきなく保持される。
【0020】このように本考案に従う電子機器21で
は、軸25のがたつきを抑えて扉24の開閉状態にかか
わりなく、該扉24を安定して保持することができる。
【0021】また、前面板22において巻きばね29の
一端部28aが当接する部分には、アルミ箔などの導電
性シート34が貼付けられている。この導電性シート3
4は、該電子機器21が組立てられた状態で、再生機構
や電子回路基板などを収納している筺体35と接触す
る。したがって、人体から扉24に放電された静電気
は、巻きばね29および導電性シート34を介して筺体
35に流入し除去される。
【0022】次に図4は、本考案の他の実施例の前面板
22付近の断面図である。本件は前面板22の天井部の
磁気テープカセット30の挿入方向D下流側に支持柱2
7を設け、この下方に前面板22から立設された挟持部
材28との間に軸45を挟持して扉24を保持する。こ
の場合、金型抜方向は矢符Gのようになり、扉24の開
閉によっても支持柱27にたわみを生じることもなく、
したがって軸25が支持柱27と挟持部材28との間か
ら外れ、扉24が脱落することを防ぐことができる。ま
た前面に支持柱27が露出しないので、飾り板31を取
付ける必要がない。
【0023】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、開口の周
縁部付近から立設された一対の支持部材と挟持部材との
間に、扉を揺動自在に支持するための軸を嵌め込むだけ
の簡便な作業で扉を取付けることができる。また開口へ
の記録媒体の挿入などによって扉が押し込まれても、前
記軸は支持部材と挟持部材との間を摺動変位した後、係
止面と該係止面に鋭角に対向する支持部材の該係止面側
の面との間に嵌まり込んで係止され、これによって扉を
はずれることなく確実に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の電子機器21の前面板22
付近の分解斜視図である。
【図2】本考案の一実施例の扉24付近の拡大斜視図で
ある。
【図3】本考案の一実施例の前面板22付近の断面図で
ある。
【図4】本考案の他の実施例の前面板22付近の断面図
である。
【図5】従来技術の扉4付近の拡大斜視図である。
【図6】従来技術の前面板2付近の断面図である。
【符号の説明】
22 前面板 23,23a 挿入口 24,24a,24b,24c,24d,24e,24
f 扉 25,25a,25b 軸 27 支持部材 27b 係止面 27a 係止突起 28 挟持部材

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材の壁面に形成された開口に開閉自在
    に扉を支持するための構造において、 前記扉の一端部において相互に離反する方向に延びて形
    成され、該扉を揺動自在に支持する一対の軸と、 前記壁面から立設され、前記軸が摺動変位自在に載置さ
    れる支持部材と、 支持部材の遊端部に形成され、該支持部材から離反して
    ゆくにつれて前記壁面に近接してゆく係止面を有する係
    止突起と、 前記支持部材の係止突起側に対向するように前記壁面か
    ら立設され、弾発性を有する材料から成り、前記支持部
    材とともに前記軸を摺動変位自在に挟持する挟持部材と
    を含むことを特徴とする扉の支持構造。
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