JP2563909B2 - パルプ及びパルプの製法 - Google Patents

パルプ及びパルプの製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はパルプ及びパルプの製法に係り、詳しくは、
メラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂架橋体を含む改良さ
れたパルプ及び該改良パルプの製法に関する。
[従来の技術] 紙の白色度、不透明度及び印刷後の不透明度等の光学
的特性の改善を目的として、カオリン、タルク、ホワイ
トカーボン等の微細な粒子や、微細な尿素樹脂を填料と
して配合することはよく知られている。
例えば、尿素とホルムアルデヒドとのモル比が1:1〜
1:2の不溶、不融性かつ非多孔性でBET比表面積が5〜10
0m2/gの尿素樹脂を填料として添加することにより、紙
の白色度、不透明度を改善する方法が提案されている
(特公昭51−23601)。
また、紙の光学的特性を改善する他の方法として、水
を媒質とするパルプスラリーに尿素とホルムアルデヒド
を酸性触媒の存在下に反応させて繊維組織上にメチレン
尿素沈殿物を、機械的、化学的に固定させ、これを抄紙
して紙製品を製造する方法が提案されている(特開昭46
−2410)。
[発明が解決しようとする問題点] 前記特公昭51−23601の方法では、新聞用紙等の印刷
用紙の場合には、紙に印刷を施した際、印刷された画像
が裏面に透けて見える、即ち印刷後の不透明度の改善効
果が不十分であるという欠点があった。また、特開昭46
−2410の方法によっても、紙の白色度、不透明度はある
程度改善されるものの、印刷後不透明度については殆ど
改善効果がみられなかった。
一般に、尿素とホルムアルデヒドとを反応させて得ら
れる微小な架橋体粒子、あるいは微小な無機物粒子等を
填料として紙製品に添加し、それによって紙の光学的特
性を改善することはよく知られており、この方法におい
ては、填料の添加量を増やしてやれば、その改善効果は
増す。しかしながら、填料の添加量を増すことは反面、
紙の強度を低下させることにつながり、しかも従来の填
料では紙の光学的特性として重要な白色度、不透明度、
印刷後不透明度をバランスよく改善することは困難であ
った。また、従来の填料では、抄紙時の歩留りが低く、
ツインワイヤー抄造機のように高速で高いシェアのかか
る抄造装置では、均一に高度の充填を行うことが難しい
という問題もあった。
かかる問題を解決するものとして、本発明者らは先
に、パルプの水性スラリーに水溶性メラミン樹脂を酸性
触媒の存在下反応させ、パルプの繊維表面を1μ以下の
微小な架橋体で強固に被覆したことを特徴とするパルプ
及びこのパルプの製造方法について、先に本出願人より
特許出願した(特公平3−57237号公報)。
先願のパルプによれば、印刷後不透明度、白紙の白色
度及び不透明度などの紙製品の光学的特性は効果的に改
善されるものの、紙を抄造する際の作業性にやや難点が
あった。即ち、紙を抄造する場合には、原料となるパル
プを所望の濃度に調製し、更に必要に応じて各種のパル
プを配合するのであるが、先願のものではこれらの工程
におけるパルプの分散性が若干不十分であるという欠点
があった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記従来の問題点を解決すると共に、
更に先願を改良するべく、鋭意検討を重ねた結果、特定
の方法でパルプにメラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂架
橋体の略球形形状の粒子をパルプの繊維表面に生成させ
ることにより、紙製品の光学的特性、特に印刷後不透明
度も著しく優れ、しかも分散性の改善されたパルプが得
られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、白色度、不透明度、印刷後の不透明
度等の光学的特性に優れ、しかも抄造に際しては極めて
良好なパルプ分散性で紙製品を製造することができる、
改良されたパルプ及び該改良パルプの製造方法を提供す
るものであって、 パルプの繊維表面をメラミン尿素ホルムアルデヒド樹
脂架橋体が被覆しており、該架橋体は粒径3μm以下の
略球形形状の粒子であって、かつ、該架橋体粒子はパル
プの繊維に化学的に固定されていることを特徴とするパ
ルプ、 及び パルプの水性スラリーに、メラミンと尿素とのモル比
0.02:1〜1:1、かつ、メラミン及び尿素の合計とホルム
アルデヒドとのモル比1:0.9〜1:4の割合で反応させて得
られる水溶性メラミン尿素共縮合樹脂と酸性触媒とを添
加して、メラミン、尿素及びホルムアルデヒドの合計濃
度とパルプ濃度との比が0.3:1〜15:1の混合溶液を得、
該混合溶液をpH6以下で30〜90℃の温度に保持して反応
させた後、中和することを特徴とするパルプの製法、 を要旨とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「%」は特記しない限り「重
量%」を示す。
本発明の改良パルプは、メラミン尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂架橋体粒子がパルプ繊維に化学的に固定された状
態で該繊維を被覆してなるものである。
以下にこのような本発明の改良パルプを、本発明のパ
ルプの製法に従って製造する方法について説明する。
本発明において、原料パルプとしては特に制限はな
く、例えば機械パルプであるGP、RGP、化学パルプであ
るSP、KPのほか、DIPのような回収パルプ等が挙げられ
る。また、パルプは漂白などの化学的処理が施されてい
てもよい。これらのパルプの水性スラリーとしては、パ
ルプ濃度が1.5〜30%のものが好ましく、パルプの叩解
度はカナダ標準濾水度(以下、「CSF」と略記する。)
として100〜500ml程度であることが好適である。
本発明の方法においては、まず、パルプの水性スラリ
ーに、水溶性メラミン尿素共縮合樹脂を添加し、十分に
混合する。次いで酸性触媒を添加するが、混合を十分に
行なうためには酸性触媒を水で5〜20%程度の濃度に稀
釈して添加するのが好ましい。
本発明で使用される水溶性メラミン尿素共縮合樹脂
は、メラミンと尿素とのモル比が0.02:1〜1:1、好まし
くは0.1:1:1〜0.6:1、かつ、メラミン及び尿素の合計と
ホルムアルデヒドとのモル比が1:0.9〜1:4、好ましくは
1:1〜1:2、となるような割合で反応させて得られる水溶
性メラミン尿素共縮合樹脂である。このようなメラミン
尿素共縮合樹脂は、所定割合のメラミンと尿素とホルム
アルデヒドとを、通常、中性〜弱アルカリ性で60〜90℃
において20〜60分反応させることにより得られる。その
他、所定割合のメラミンのホルムアルデヒドを先に中性
〜弱アルカリ性で60〜90℃において20〜60分反応させ、
その後所定量の尿素を添加してさらに反応させることに
より得ることもできる。
水溶性メラミン尿素共縮合樹脂の製造に際し、メラミ
ンと尿素とのモル比が0.02:1より小さくメラミンが少な
い場合には、得られる改良パルプのタイナミックリテン
ションが小さく、このモル比が1:1を超えてメラミンが
多い場合には、得られる改良パルプの分散性が悪い。ま
た、メラミン及び尿素の合計とホルムアルデヒドとのモ
ル比が1:0.9より小さくホルムアルデヒドが少ない場合
には、反応収率が低下し、紙の光学的特性の十分な改善
効果が得られず、また、このモル比が1:4を超えてホル
ムアルデヒドが多い場合には、反応収率が低下するほか
未反応のホルムアルデヒドの量が増え好ましくない。
なお、水溶性メラミン尿素共縮合樹脂の製造に用いら
れるメラミン又は尿素は、公知の方法で製造されるもの
で良く、また、ホルムアルデヒドとしては、通常、ホル
ムアルデヒド濃度が30〜55%のホルムアルデヒド水溶液
を用いるが、その他、パラホルムアルデヒドのような水
溶性のホルムアルデヒド重合体を用いることもできる。
本発明において、水溶性メラミン尿素共縮合樹脂は、
水性パルプスラリーに水溶性メラミン尿素共縮合樹脂及
び酸性触媒を添加して得られる混合溶液中の、メラミ
ン、尿素及びホルムアルデヒドの合計濃度とパルプ濃度
との比が0.3:1〜15:1、好ましくは0.5:1〜10:1となるよ
うに添加する。本発明の改良パルプを得るために、この
割合は極めて重要な要件であり、該濃度比が0.3より小
さい場合には、パルプの繊維表面に粒径3μm以下のほ
ぼ球状の、有効なメラミン尿素はホルムアルデヒド樹脂
架橋体を良好に形成させることができない。例えば紙力
増強を目的としてメラミン尿素系の樹脂を用いる場合、
上記の濃度比は通常0.02〜0.05:1であり、この様な条件
下では水溶性メラミン尿素共縮合樹脂が酸性条件下に生
成する樹脂架橋体は、パルプ繊維の接触点における接着
剤としての役割を果たすものの、紙の光学的性質を改善
するような粒子、即ち、粒径3μm以下の略球形形状の
粒子の形成は起こらない。一方、該濃度比が15より大き
い場合は、パルプ表面の全面に形状の不揃いな架橋樹脂
が形成され、良好な光学的特性が得られない。
なお、本発明の方法においては、混合溶液中のメラミ
ン、尿素及びホルムアルデヒドの合計濃度は1.5%以
上、パルプ濃度は2%以上であることが好ましい。これ
らの濃度がこの値より小さい場合には、反応収率が低い
ばかりでなく、粒径3μm以下の略球形形状を有する好
適な形状のメラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂架橋体の
粒子が形成されない場合がある。
一方、酸性触媒としては、硫酸、塩酸等の鉱酸、ギ
酸、酢酸、パラトルエンスルホン酸、スルファミン酸等
の有機酸等を挙げることができる。本発明においては、
これらの酸性触媒は、得られる混合溶液のpH、即ち、反
応時のpHが6以上、好ましくは5以下に保持されるよう
に添加する。
なお、本発明においては、パルプの繊維により好まし
い略球形状のメラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂架橋体
を形成させる目的で、反応時に各種の保護コロイド剤を
共存させても良い。保護コロイド剤としては、アラビア
ゴム、カルボキシメチルセルロースアルカリ金属塩、ア
ルギン酸アルカリ金属塩等の天然物及びその変成物、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、マレイン酸とスチレ
ンの共重合体及びそのアルカリ金属塩、ポリビニルアル
コール等の合成水溶性高分子等が挙げられる。これらの
保護コロイド剤の添加量は、通常メラミン、尿素及びホ
ルムアルデヒドの合計量に対して約0.1〜10%とするの
が好ましい。添加方法は特に制限されないが、メラミ
ン、尿素及びホルムアルデヒドを反応させて水溶性メラ
ミン尿素共縮合樹脂を製造する際に、この反応系に溶解
させておくのが有利である。
このようにパルプの水性スラリーに水溶性メラミン尿
素共縮合樹脂及び酸性触媒を添加して得られた混合溶液
は、30〜90℃の温度で保持して、パルプの水性スラリー
中で水溶性メラミン尿素共縮合樹脂を酸性下反応させ
る。反応後は、通常用いられるアルカリ性物質、例えば
苛性ソーダ、炭酸ソーダ等により、好ましくはpH4.5〜
7程度に中和する。
このような本発明の方法によれば、パルプ繊維の表面
に、例えば粒径3μm以下の微小な略球形形状のメラミ
ン尿素ホルムアルデヒド樹脂架橋体粒子が化学的に固定
された、高特性パルプが得られる。
このようなメラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂架橋体
粒子で繊維表面が被覆された本発明のパルプを用いて、
紙の製造するには、紙の絶乾重量に対して本発明のパル
プが0.5〜50%とりわけ2〜40%の配合率となるよう
に、本発明のパルプと他のパルプとを配合して抄紙する
のが望ましい。本発明のパルプが0.5%以下では光学的
特性の改善効果が十分でなく、また50%以上にしても、
それに見合う改善効果が得られず経済的でない。
なお、抄造は常法に従って行うことができ、また、本
発明のパルプと配合する他のパルプとしては、GP、RG
P、SP、KP、DIP等の通常、紙の原料として使用されるも
のを1種又は2種以上併用して用いることができる。
なお、本発明におけるパルプの繊維上のメラミン尿素
ホルムアルデヒド樹脂架橋体粒子の粒子径の測定は、次
のような方法による。即ち、反応、中和により得られた
生成物を濾紙で濾過し、必要により水で洗浄する。濾別
された、又は濾別後、水で洗浄して得られた濾過残渣
(以下、「パルプパッド」という。)は、約80%の水分
を含んでいるので、パルプパッドをまず重量で約100倍
量のアセトン中に投入し、常温で10分間よくかき混ぜて
溶媒置換を行う。溶媒置換を行ったパルプパッドは、濾
過後、常温で真空乾燥を行い、含まれているアセトンを
完全に除去する。以上の処理を経た乾燥パルプを両面テ
ープを用いて試料台に固定し、イオンコーターにより厚
さが約15nmとなるように金を蒸着し、常法により、走査
型電子顕微鏡で一万倍に拡大、観察して粒子径の測定を
行う。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。
なお、以下において「部」は「重量部」を示す。
実施例1 I 改良パルプの調製 加温用湯浴、かき混ぜ機を備えたフラスコ中に、水10
01部、メラミン18.8部、尿素51.2部、37%濃度のホルマ
リン水溶液84.1部及びカルボキシメチルセルロースナト
リウム塩(ダイセル(株)製「CMCダイセル1193」)1
%水溶液200部を投入し、撹拌しながら65℃まで昇温
し、30分間反応させて水溶性メラミン尿素共縮合樹脂溶
液を得た。(メラミン:尿素=0.175:1、メラミン及び
尿素の合計:ホルムアルデヒド=1:1(いずれも仕込モ
ル比))。
次いで、内容物をビーカーに移し替え、このビーカー
中に、パルプ濃度20%の含水リファイナーグランドパル
プ(以下、「RGP」と略記する。)500部を加え、30分間
撹拌し続けた(メラミン、尿素及びホルムアルデヒドの
合計濃度:パルプ濃度の比=1:1)。その後、内容物を
ビーカーに移し替え、強力に撹拌しながら10%濃度の稀
硫酸145部を加え、更に約3分撹拌した後、内容物のpH
を測定したところ1.3であり、また内容物の温度は35℃
であった。そこでこれをそのまま放置し、約20分毎に内
容物をかき混ぜながら5時間反応させた。
次に、ビーカーに水3000部を加え、撹拌しながら10%
濃度の苛性ソーダ水溶液約92部を徐々に添加し、pH7ま
で中和を行い、パルプ濃度2.75%のスラリーを得た。
このスラリーを少量分取し、乾燥して測定した固形分
の値から、スラリー中の固形分は140部に相当するもの
であることが確認された。
II 紙の調製 Iで得た改良パルプを使用して紙を調製した。パルプ
配合として、KBKP10部、TMP28部、DIP28部、RGP24.2
部、Iの改良パルプ(改良RGP)9.8部からなる、叩解度
290ml(CSF)の1%パルプスラリー1000部に、10%硫酸
アルミニウム水溶液3部を添加し、1分間撹拌して調製
スラリーを得た。次いで25cm×25cmのTAPPI角型シート
マシンにて抄紙し、3.5kg/cm2でプレス脱水を行った
後、表面温度105〜110℃のロータリードライヤーで3分
間乾燥を行った。次いで、線圧40kg/cmでカレンダー掛
けを行った後、相対湿度65%、温度20℃の恒温恒湿室で
24時間のシーズニングを行って、紙質評価用の紙を得
た。
III 紙質の評価 IIで得た紙について、光学的特性を調べた。白色度は
JIS P−8123、不透明度はJIS P−8138、印刷後不透
明度はJ.TAPPI No.45−84に準じて測定を行った。
結果を第2表に示す。
IV 固形物粒子の測定 Iで得られたメラミン尿素ホルムアルデヒド樹脂架橋
体を含むパルプスラリーを一部をとり、濾紙で濾過し、
次いで水で洗浄濾過を行ないパルプパッド約1gをとり、
これを100mlのアセトン中に投入して溶媒置換を行なっ
た後、真空乾燥して試料を調製し、これを走査型電子顕
微鏡で1万倍に拡大して観察した。
結果を第2表に示す。
実施例2 I 改良パルプの調製 加温用湯浴、かき混ぜ機を備えたフラスコ中に水1143
部、メラミン14.2部、37%濃度のホルマリン17.8部及び
カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(ダイセル
(株)「CMCダイセル1193」)1%水溶液120部を投入
し、撹拌しながら65℃まで昇温し、60分反応させた後、
さらに尿素28.2部、37%濃度のホルマリン29.7部を添加
して引続き65℃で60分反応させて水溶性メラミン尿素共
縮合樹脂溶液を得た(メラミン:尿素=0.24:1、メラミ
ン及び尿素の合計:ホルムアルデヒド=1:1(いずれも
モル比))。
次いで、内容物をビーカーに移し替え、このビーカー
中にパルプ濃度20%のRGP500部を加え、30分間撹拌し続
けた(メラミン、尿素及びホルムアルデヒドの合計濃
度:パルプ濃度の比=0.6:1)。その後、強力に撹拌し
ながら10%濃度の稀硫酸147部を加えた。約3分撹拌し
た後に内容物のpHを測定したところ1.1であり、また内
容物の温度は33℃であった。そこでそのまま放置し、約
20分毎に内容物をかき混ぜながら3時間経過させた。
次にビーカーに水3000部を加え、撹拌しながら10%濃
度の苛性ソーダ水溶液約95部を徐々に添加し、pH7まで
中和を行ないパルプ濃度2.39%のスラリーを得た。
このスラリーを少量採取し、乾燥して測定した固形分
の値から、スラリー中の固形分は122部に相当するもの
であることが確認された。
II 紙の調製 パルプ配合を第1表に示すようにした他は、実施例1
と同様にして行なった。
III 紙質の評価 実施例1と同様にして行なった。結果を第2表に示
す。
IV 固形物粒子の測定 実施例1と同様にして行なった。結果を第2表に示
す。
実施例3,4、比較例1〜3 メラミンと尿素とモル比、メラミン及び尿素の合計と
ホルムアルデヒドのモル比、メラミン、尿素及びホルム
アルデヒドの合計濃度、パルプ濃度、酸性触媒を添加し
た後のpHと反応温度、反応時間及びパルプ配合を第1表
に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして紙を
得、その評価及び固形物粒子の測定を行なった。なお、
実施例3においては、カルボキシメチルセルロースナト
リウム塩を使用しなかった。また、比較例3は、改良RG
Pを用いず、その分通常のRGPを多く配合した例である。
結果を第2表に示す。
第2表より、本発明の改良パルプを用いた紙は、白色
度、不透明度及び印刷後の不透明度のいずれにおいても
優れた特性を示すことが明らかである。
実施例5 実施例1〜4、比較例1で得たパルプスラリーを各50
0mlづつビーカーにとり、錨型撹拌翼を有する撹拌機に
より、常温で、120r.p.mで30分間撹拌した。その後、更
に水で希釈し、各々、0.05%の濃度に調製した。これら
の希釈されたスラリー500mlを、8メッシュの金網上
に、5cmの高さから20ml/秒の速さで流下した。ついで金
網上に残ったパルプを集め、濾紙に移して吸引濾過を行
ない、乾燥して重量を測定した。金網上に残ったパルプ
の比率を求め、パルプの分散性を比較した。
結果を第3表の通りであった。
第3表より、本発明によれば、著しく高い分散性でパ
ルプを配合することができることが明らかある。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明のパルプは、パルプ繊維の
表面を粒径3μm以下の微小なメラミン尿素ホルムアル
デヒド共縮合樹脂架橋体の略球形形状の粒子が被覆して
なるものであり、本発明のパルプを用いることにより、
紙の白色度、不透明度及び印刷後不透明度をバランスよ
く改善することができ、特に印刷後の不透明度の改善さ
れた紙製品を容易に製造することができる。その上、パ
ルプの分散性も著しく優れていることから、紙の品質を
高めることができる。
従って、このような本発明のパルプを用いて得られる
紙は、白色度、不透明度、印刷不透明度等の光学的特
性、とりわけ印刷後の不透明度が著しく優れ、極めて高
特性のものとなる。
しかして、このような本発明の優れたパルプは、メラ
ミン尿素共縮合樹脂を酸性触媒下に反応させて、パルプ
表面に粒径3μm以下の微小な略球形形状のメラミン尿
素ホルムアルデヒド共縮合樹脂架橋体粒子を生成させる
本発明の製法により、極めて容易に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 立花 秀一 いわき市小名浜字高山34番地 日本化成 株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−102333(JP,A) 特開 昭49−100313(JP,A) 特公 平3−57237(JP,B2) 大江礼三郎翻訳監修「紙およびパルプ 製紙の化学と技術」第3巻、第74〜79頁 中外産業調査会

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプの繊維表面をメラミン尿素ホルムア
    ルデヒド樹脂架橋体が被覆しており、該架橋体は粒径3
    μm以下の略球形形状の粒子であって、かつ、該架橋体
    粒子はパルプの繊維に化学的に固定されていることを特
    徴とするパルプ。
  2. 【請求項2】パルプの水性スラリーに、メラミンと尿素
    とのモル比0.02:1〜1:1、かつ、メラミン及び尿素の合
    計とホルムアルデヒドとのモル比1:0.9〜1:4の割合で反
    応させて得られる水溶性メラミン尿素共縮合樹脂と酸性
    触媒とを添加して、メラミン、尿素及びホルムアルデヒ
    ドの合計濃度とパルプ濃度との比が0.3:1〜15:1の混合
    溶液を得、該混合溶液をpH6以下で30〜90℃の温度に保
    持して反応させた後、中和することを特徴とするパルプ
    の製法。
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大江礼三郎翻訳監修「紙およびパルプ製紙の化学と技術」第3巻、第74〜79頁 中外産業調査会

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