JP2563219Y2 - 作業車用サイドカバー - Google Patents

作業車用サイドカバー

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JP2563219Y2
JP2563219Y2 JP1993046678U JP4667893U JP2563219Y2 JP 2563219 Y2 JP2563219 Y2 JP 2563219Y2 JP 1993046678 U JP1993046678 U JP 1993046678U JP 4667893 U JP4667893 U JP 4667893U JP 2563219 Y2 JP2563219 Y2 JP 2563219Y2
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喜経 荒木
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、作業車のエンジンルー
ム側部に設けられたサイドカバーに関し、更に詳しく
は、サイドカバーを前方へ開放する時にサイドカバーの
下部が上方へ屈曲するように構成したサイドカバーに関
するものである。
【0002】
【従来の技術と考案が解決しようとする課題】従来よ
り、作業車である建設機械等においては、定期点検時あ
るいは任意の点検時にエンジンルーム内を点検できるよ
うにエンジンルーム側部に開閉式のサイドカバーが設け
られている。そして、点検時には、このサイドカバーを
開放してその開口からエンジンルーム内を点検してい
る。
【0003】この種建設機械の一種であるホイールロー
ダにおけるサイドカバーは、図4の全体側面図に示すよ
うに、後部タイヤT間の上部に位置するエンジンルーム
Eの側部に設けられている。このサイドカバー50は、
エンジンルームEの側部に大きな後部タイヤTが位置し
ているため、このタイヤTの上部は側面視においてエン
ジンルームEの前方下部と重なる位置となってしまう。
また、エンジンルームE内全体を点検するためには、側
面視においてタイヤTと重なる位置も開放できるような
サイドカバー50を設けなければ各機器を十分点検する
ことができない。その上、サイドカバー50開放時に
は、開放するサイドカバー50がタイヤTと干渉しない
ようにして出来るだけ大きく開放する必要もある。
【0004】従って、従来のサイドカバーは、タイヤT
との干渉を避けるために前部を後方へ開放するように構
成されている。
【0005】上記図4に示す従来例1のサイドカバー
は、図5の側面図に示すように、サイドカバー50の前
方下部を別体の三角状取外し式サイドカバー53とする
ことにより、サイドカバー50を後方へ開放した時にタ
イヤTと干渉しないような形状に形成し、このサイドカ
バー50を後部垂直方向に設けたヒンジ51によりエン
ジンルームE側に回動自在に取着している。
【0006】そして、この従来例1の場合、サイドカバ
ー前部外面に設けた把手52を持ってサイドカバー50
を前方から後方に向けて開放すると、回動時にタイヤT
と干渉しないような形状に形成されたサイドカバー50
が前方から後方に向けて回動し、その後、前方下部に設
けた別体の取外し式サイドカバー53を取り外すことに
よりエンジンルームE側部を開放して、その開口からエ
ンジンルームE内を点検している。
【0007】また、他の構成からなる従来例2のサイド
カバーとしては実開昭61− 13776号公報記載のものがあ
り、このサイドカバーは、図6の側面図に示すようにサ
イドカバー60を小さな前側サイドカバー60aと大き
な後側サイドカバー60bとから2分割形成し、前側サ
イドカバー60aを前部垂直方向に設けたヒンジ61に
より、後側サイドカバー60bを後部垂直方向に設けた
ヒンジ61によりそれぞれエンジンルームE側に回動自
在に取着したものである。
【0008】そして、この従来例2の場合、両サイドカ
バー60a,60bの中央部外面にそれぞれ設けた把手
62を持って、タイヤTと干渉する前部サイドカバー6
0aをタイヤTと干渉しない程度に前方へ開放し、タイ
ヤTと干渉しない大きな後部サイドカバー60bを後方
へ開放することによりエンジンルームE側部を開放し
て、その開口からエンジンルームE内を点検している。
【0009】しかし、上記従来例1では、サイドカバー
50を開放すると同時に三角状取外し式サイドカバー5
3を取外す必要があり、従来例2では、前側サイドカバ
ー60aと後側サイドカバー60bの2つを開放する必
要があり、両従来例共、取扱いがめんどうであるという
欠点がある。更に、エンジンルームE内の点検作業は、
作業現場等において上記サイドカバーを開放した状態
で、タイヤT後方の地上あるいはデッキB上から行うた
め、サイドカバーを後方へ開放する構成の場合、その開
放したサイドカバーが点検の邪魔になり極めて作業姿勢
の悪い中での点検作業を強いられてしまう。
【0010】従って、上記従来例1,2のようにサイド
カバーを後方へ開放する構成では、エンジンルームE内
を十分点検することが難しいと共に、その点検作業に多
くの労力と時間を費やすため、作業効率の極めて悪い作
業となってしまう。
【0011】なお、サイドカバーの下部をエンジンルー
ムE側に軸着して上部を下方へ向けて開放するような構
成も考えられるが、この場合、開放したサイドカバーが
タイヤ上面に当接するためカバー表面に傷が付いてしま
うと共に、上記サイドカバーと同様に開放したサイドカ
バーが点検作業を阻害してしまう。
【0012】本考案は上記課題に鑑みて、サイドカバー
開放時にタイヤと干渉することなく前方へ大きく開放で
きるように構成したサイドカバーを提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1考案における作業車用サイドカバーは、タイヤ
間の上部にエンジンルームを有し、該エンジンルームの
側部にエンジンルーム内全体が点検できるサイドカバー
を設け、該サイドカバー全体を前方へ解放する時にサイ
ドカバーの下部の一部が側面視においてタイヤの上部と
重なる作業車において、前記サイドカバーを上部に位
置するサイドカバー本体と下部に位置する下側サイドカ
バーとから分割形成し、該サイドカバー本体の前部垂直
方向をエンジンルーム側に回動自在に取着すると共に、
該下側サイドカバーの上部水平方向をサイドカバー本体
側に屈曲自在に取着し、前記サイドカバー本体の回動中
心から後方に偏位したエンジンルーム側と前記下側サイ
ドカバーの回動中心より下側とを連結する連結材を設
、該連結材の長さを、前方へ開放するサイドカバーが
タイヤと干渉する前に下側サイドカバーを引っ張って上
方へ折り曲げる長さにしたことを特徴とするものであ
る。
【0014】また、第2考案における作業車用サイドカ
バーは、上記第1考案において、サイドカバー本体が所
定角度回動した時にサイドカバーの回動を抑止する係止
機構を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
【作用】上記第1考案の構成によれば、上部に位置する
サイドカバー本体と下部に位置する下側サイドカバーと
により分割形成されたサイドカバーは、サイドカバー本
体の前部垂直方向がエンジンルーム側に回動自在に取着
されると共に下側サイドカバーの上部水平方向がサイド
カバー本体側に屈曲自在に取着されているため、サイド
カバー本体と共に下側サイドカバーも前方へ回動する。
この時、サイドカバー本体の回動中心から後方に偏位し
たエンジンルーム側と下側サイドカバーの回動中心より
下側とが、前方へ開放するサイドカバーがタイヤと干渉
する前に下側サイドカバーを引っ張って上方へ折り曲げ
る長さの連結材で連結されているため、開放時にそれぞ
れの回動中心が異なり、サイドカバー本体の開放動作に
伴って下側サイドカバーの下端部が徐徐に上方へ屈曲さ
せられ、下側サイドカバーがタイヤと干渉する前に上方
へ折り曲げられる。
【0016】また、第2考案の構成によれば、サイドカ
バー本体が所定角度回動した時に、サイドカバー本体の
回動を抑止する係止機構を設けているため、サイドカバ
ー本体を所定角度開放するとサイドカバーの回動が抑止
される。この時、下側サイドカバーは所定の角度で屈曲
した状態が維持される。
【0017】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本考案の第1実施例に係る作業車用サイド
カバーを示す側面図であり、図2は開放状態を示す後方
からの斜視図である。
【0018】図示するように、後部タイヤT間の上部に
位置するエンジンルームEの側部にサイドカバーSが設
けられており、このサイドカバーSは、上部に位置する
サイドカバー本体3と下部に位置する下側サイドカバー
4とから分割形成され、略L字状のサイドカバー本体3
とその下部に形成された横長長方形状の下側サイドカバ
ー4とにより長方形状に形成されており、後部外面には
把手2が設けられている。
【0019】このサイドカバーSは、サイドカバー本体
3が、その内面の前部垂直方向に設けられたヒンジ1に
よりエンジンルームE側に回動自在に取着され、下側サ
イドカバー4が、その内面の上部水平方向に設けられた
ヒンジ5によりサイドカバー本体3側に屈曲自在に取着
されている。
【0020】従って、サイドカバー本体3は、前部垂直
方向に設けられたヒンジ1を垂直回動軸Vとしてエンジ
ンルームEに対して水平方向に回動し、下側サイドカバ
ー4は、上部水平方向に設けられたヒンジ5を水平回動
軸Hとしてサイドカバー本体3に対して垂直方向に屈曲
する。そして、サイドカバーS全体は、上記垂直回動軸
Vを回動中心として前方へ開放するようになる。なお、
上記垂直回動軸V及び水平回動軸Hに設けたヒンジ1,
5は他の回動手段であってもよく、回動自在に取着でき
るような構成であればよい。
【0021】また、エンジンルームEの上記サイドカバ
ーSの回動中心である垂直回動軸Vから後方に偏位した
所定位置には上部ブラケット6が設けられ、下側サイド
カバー4下端部の略中央位置には下部ブラケット7が設
けられ、これらのブラケット6,7間には連結材である
ワイヤ8の各端部がそれぞれ連結されている。このワイ
ヤ8は、サイドカバーSを所定角度回動した時から緊張
される長さに設定してあり、サイドカバーSを閉鎖した
時には少し弛むような長さになっている。なお、このワ
イヤ8は長さを調節可能に構成することも可能であり、
また、この連結材にチェーンや紐等を採用してもよく、
これらは適宜選択すればよい。
【0022】一方、サイドカバー本体3の内面には、サ
イドカバーSが所定角度回動した時にサイドカバーSの
回動を抑止する係止機構9が設けられている。この係止
機構9を上記図2及び図3(a) の平面図と(b) の正面図
に基づいて以下に説明する。
【0023】図示するように、サイドカバーSの内面に
は、長手方向に長溝10aが形成された係合部材10が
略水平に設けられ、この下部には前方が上方へ向けて傾
斜するようにガイド板11が設けられている。一方、エ
ンジンルームE側にはブラケット12が設けられてお
り、このブラケット12に形成された挿入孔12aには
ロッド13の基部が挿入され、このロッド13の基端部
には抜止め防止部材14が設けられている。そして、こ
のロッド13の先端は上記係合部材10の長溝10aに
挿通されており、これらによって係止機構9が構成され
ている。なお、この係止機構9は、例えば、ヒンジ1を
所定回動角度で係止するような機構であってもよく、サ
イドカバーSを所定の回動角度で係止できるような機構
であればよい。
【0024】以上のように構成された第1実施例のサイ
ドカバーSによれば、サイドカバーS開放時に以下のよ
うに動作する。すなわち、把手2を持ってサイドカバー
Sの後部を前方へ回動させると、僅かに回動させた所定
角度からワイヤ8が緊張され、その回動角度から下側サ
イドカバー4の下端がワイヤ8によりエンジンルームE
側から引っ張られた状態でサイドカバーS全体が前方へ
回動させられる。この回動動作時には、サイドカバーS
の回動中心から側方へ偏位してワイヤ8の回動中心が設
けられているため、サイドカバーSの回動に伴って下側
サイドカバー4の下端が徐徐に上方へ屈曲させられる。
この時、サイドカバーSはタイヤTの上方へと回動して
行くが、下側サイドカバー4の下端はタイヤTに当接す
ることなく自動的に上方へ徐徐に折れ曲がる。そして、
サイドカバーSが所定回動角度に達した時には、下側サ
イドカバー4がほぼ90°屈曲した略水平状態となり、
この時の下側サイドカバー4は、タイヤT上端から上方
へ離間した位置となるため、タイヤTとの干渉を避けて
サイドカバーSを前方へ大きく開放することができる。
【0025】また、回動動作時の係止機構9は、サイド
カバーSの回動に伴ってロッド13の先端が長溝10a
内を移動すると共に、傾斜したガイド板11上を摺動し
ながら上昇し、サイドカバーSが所定回動角度に達した
時点でロッド13の先端がガイド板11の端部から下方
へ落下する。このようにしてロッド13の先端がガイド
板11の端部から落下すると、ロッド13は、その先端
がガイド板11の端部に当接して逆行が抑止されるた
め、サイドカバーSが所定角度で開放した状態が維持さ
れる。
【0026】以上のように、第1実施例によれば、サイ
ドカバーSを上下2分割構成すると共に下側サイドカバ
ー4をサイドカバー本体3の回動動作に伴ってタイヤT
を避けるように上方へ屈曲させるので、サイドカバーS
をタイヤTに当接させることなく前方へ大きく開放する
ことが可能となるため、タイヤT後方あるいはバンパB
上からエンジンルームE内を点検する時に、作業の邪魔
になっていたサイドカバーSが全くない状態でエンジン
ルームE内を一望しながら点検作業が行え、極めて容易
にエンジンルームE内の各機器を点検することができ
る。
【0027】また、この時下側サイドカバー4は、上記
したようにサイドカバーSの外面から内側へ略90°屈
曲したほぼ水平状態となるため、この下側サイドカバー
4上に点検等に要する工具等を置くことができ、点検時
の煩雑な工具の取替え作業等を容易に行うことも可能と
なり、作業効率を向上させることができる。
【0028】なお、上述した実施例では作業車の一種で
あるホイールローダを例に説明したが、他の作業車であ
っても回動時にサイドカバー下部が干渉するような構造
の場合、本考案を適用すれば同様の作用効果を奏するこ
とができる。
【0029】
【考案の効果】本考案によれば、サイドカバーを前方に
開放させるとその回動動作に伴って下側サイドカバーが
徐徐に上方へ屈曲するため、サイドカバーをタイヤと干
渉させることなく前方へ大きく開放することができる。
これによって、一動作によりサイドカバーを前方へ大き
開放することができるので、タイヤ後方からエンジン
ルーム内を容易に点検することが可能となり、各機器の
点検整備等を極めて容易に行うことができ、作業効率の
大幅な向上を図ることができる。
【0030】また、サイドカバーを所定角度開放した時
に係止機構で回動を抑止すると、下側サイドカバーを所
定角度で屈曲した状態に維持できるため、サイドカバー
の安定保持が可能となると共に、この下側サイドカバー
の上面に工具等を載置することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る作業車用サイドカバーの第1実施
例を示す側面図である。
【図2】図1に示す第1実施例の開放状態を示す斜視図
である。
【図3】係止機構を示す図面であり、(a) は平面図、
(b) は正面図である。
【図4】従来の建設機械全体を示す側面図である。
【図5】従来のサイドカバーを示す側面図である。
【図6】従来の他のサイドカバーを示す側面図である。
【符号の説明】
1…ヒンジ 2…把手 3…サイドカバー本体 4…下側サイドカバー 5…ヒンジ 6…上部ブラケット 7…下部ブラケット 8…ワイヤ(連結材) 9…係止機構 10…係合部材 11…ガイド板 12…ブラケット 13…ロッド B…デッキ S…サイドカバー E…エンジンルーム T…タイヤ V…垂直回動軸 H…水平回動軸

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ間の上部にエンジンルームを有
    し、該エンジンルームの側部にエンジンルーム内全体が
    点検できるサイドカバーを設け、該サイドカバー全体を
    前方へ解放する時にサイドカバーの下部の一部が側面視
    においてタイヤの上部と重なる作業車において、 前記サイドカバーを上部に位置するサイドカバー本体
    と下部に位置する下側サイドカバーとから分割形成し、
    該サイドカバー本体の前部垂直方向をエンジンルーム側
    に回動自在に取着すると共に、該下側サイドカバーの上
    部水平方向をサイドカバー本体側に屈曲自在に取着し、
    前記サイドカバー本体の回動中心から後方に偏位したエ
    ンジンルーム側と前記下側サイドカバーの回動中心より
    下側とを連結する連結材を設け、該連結材の長さを、前
    方へ開放するサイドカバーがタイヤと干渉する前に下側
    サイドカバーを引っ張って上方へ折り曲げる長さにした
    ことを特徴とする作業車用サイドカバー。
  2. 【請求項2】 サイドカバー本体が所定角度回動した時
    にサイドカバーの回動を抑止する係止機構を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の作業車用サイドカバー。
JP1993046678U 1993-08-27 1993-08-27 作業車用サイドカバー Expired - Lifetime JP2563219Y2 (ja)

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JPH0715484U JPH0715484U (ja) 1995-03-14
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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