JP2563183Y2 - 排水横主管オフセット構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、複数層建築物に設けら
れる排水配管における排水横主管のオフセット構造に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、複数層建築物に設けられる排水
配管は、図３に例示するように、各階層の便器等の排水
機器11に接続される横枝管12と、各横枝管12が接続され
る集合管13と、各階層の集合管13を連結して一直線状に
する排水立管14と、最下層の集合管13（又は立管14) 下
端に脚部曲り管15等を介して接続される排水横主管16と
により一管式に構成されており、会所17を経て排出され
る。

【０００３】従来、建築物の一階がガレージとなってい
る場合、排水横主管16は、図３、図４に示すように、45
度曲管18,19 を接続して垂直方向のオフセット部20が設
けられている。この一管式排水配管は、汚水と雑排水を
同一の排水管に流すもので、立管14内に通気立管と同じ
役割を果す空気コアを、排水の流れによって形成する機
能をもっており、排水立管14と並列して通気立管を配設
する必要がないため、排水配管がシンプルになる等の利
点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記従来例にあって
は、排水横主管16にオフセット部20を設けると、排水流
量が多い場合、図５に示すように、前記曲管18,19 内に
排水が充満して上部曲管18内上部に空気21が閉じ込めら
れてその圧力が上昇し、安定した排水ができず、集合管
13、横枝管12から排水機器11に排水が逆流するなどの問
題が生じる。そこで、排水横主管16のオフセット部20の
上流側と下流側をバイパスする空気抜き配管を設けてい
るが、配管が複雑になる。

【０００５】本考案は、上述のような実状に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、排水流量が多い
場合でも、オフセット部管内に旋回流を実現させて管内
空気圧力の上昇を防止でき、空気抜き配管が不要な横主
管オフセット構造を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本考
案は、複数層建築物の排水配管の立管下端又は最下層集
合管下端に、脚部曲り管を介して接続される排水横主管
のオフセット構造であって、前記排水横主管は、上部横
主管と下部横主管とからなり、上部横主管に対して下部
横主管が曲管を介して上下及び水平方向にオフセットさ
れていることを特徴としている。

【０００７】

【作用】本考案によれば、脚部曲り管を経てオフセット
部内に流入する排水は、上下及び水平方向にオフセット
する管内壁に沿って旋回しながら流下するため、オフセ
ット部管内にも排水立管及び集合管内中央に連通する空
気コアが形成される。したがって、管内空気圧力の上昇
が解消され、かつ圧力変動が小さい安定した排水が行な
われる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。図１及び図２は本考案の実施例を示し、排水配管の
上部構成は図３に示す従来例と略同じであるから、図３
を援用し説明は省略する。図１及び図２において、１は
排水横主管オフセット部で、上部排水横主管2 と下部排
水横主管3 とが、２個の45度曲管4,5 を上下（垂直) 及
び横（水平) 方向にオフセット6,7 させて連通状に連結
されている。なお、45度曲管4,5 は、従来一般に使用さ
れているものを利用することができる。

【０００９】また、上部排水横主管2 は、脚部曲り管8
を介して最下層集合管9 の下端又は排水立管の下端に接
続されている。10は排水横主管3 の末端（又は途中) に
設けられた排水会所である。上記実施例において、排水
立管及び集合管9 から脚部曲り管8 及び上部排水横主管
2 を経てオフセット部1 内に流入した排水は、曲管4,5
の内面に沿って図２に点線矢印で示すように旋回流とな
って下部排水横主管3 内に流入し、オフセット部1 の曲
管4,5 内にも、排水立管、集合管9 、脚部曲り管8 及び
上下部排水横主管2,3 の各中央に連通する空気コアが形
成される。したがって、排水配管全体の管内空気圧力の
上昇が解消され、また、管内空気圧力の変動も小幅化で
き、騒音も減少し、静かで安定した排水を行なうことが
できる。

【００１０】本考案は、上記実施例に限定されるもので
はない。

【００１１】

【考案の効果】本考案は、上述のように、複数層建築物
の排水配管の立管下端又は最下層集合管下端に、脚部曲
り管を介して接続される排水横主管のオフセット構造で
あって、前記排水横主管は、上部横主管と下部横主管と
からなり、上部横主管に対して下部横主管が曲管を介し
て上下及び水平方向にオフセットされていることを特徴
とするものであるから、空気抜き配管を設けなくても、
管内空気圧力の変動を小さく、かつ基準値以下に保持す
ることができ、騒音を減少して静かで安定した排水を可
能とし、配管をシンプルにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す正面図である。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】排水配管全体の一般例を示す概略正面図であ
る。

【図４】従来の排水横主管オフセット構造を示す拡大側
面図である。

【図５】従来例のオフセット部管内圧力変動説明図であ
る。

【符号の説明】

１ オフセット部 ２ 上部排水横主管 ３ 下部排水横主管 ４ 曲管 ５ 曲管 ６ 上下方向のオフセット ７ 水平方向のオフセット ８ 脚部曲り管 ９ 集合管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−142993（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−25054（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数層建築物の排水配管の立管下端又は
   最下層集合管下端に、脚部曲り管を介して接続される排
   水横主管のオフセット構造であって、前記排水横主管
   は、上部横主管と下部横主管とからなり、上部横主管に
   対して下部横主管が曲管を介して上下及び水平方向にオ
   フセットされていることを特徴とする排水横主管オフセ
   ット構造。