JP2562906B2 - 溶融金属の試料採取容器 - Google Patents

溶融金属の試料採取容器

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JP2562906B2
JP2562906B2 JP62189198A JP18919887A JP2562906B2 JP 2562906 B2 JP2562906 B2 JP 2562906B2 JP 62189198 A JP62189198 A JP 62189198A JP 18919887 A JP18919887 A JP 18919887A JP 2562906 B2 JP2562906 B2 JP 2562906B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,溶融金属の試料採取容器,特に,溶融金属
のうちでも溶銑を採取し該溶銑中の成分を分析するため
に、溶銑中に浸清して使用される採取装置に内装される
採取容器に関する. 〔従来の技術〕 溶銑の試料採取装置は,例えば,特開昭49−46512号
公報とその他に記載のものが公知である. このような従来公知の装置は,紙管等から成る筒状本
体に容器を内装して成る.この容器は,側部に流入口を
開設した流入室と,該流入室の下方に配置され且つ縮径
路を介して該流入室に連通された採取室とを備えてい
る.筒状本体を溶銑に浸漬したとき,流入口から流入す
る溶銑は,流室及び縮径路により構成された流路を経て
採取室に充填され,採取室内で凝固することにより凝固
試料を生成する.生成された凝固試料は,容器から取出
され,研磨して得られた分析面から成分を分析される.
この分析には発光分光分析器等が用いられる. ところで,溶融金属のなかでも特に溶銑を採取して凝
固試料を生成する場合,凝固時に,溶銑中に含有された
炭素が黒鉛として晶出することがあり,これが分析面に
現れると,分析精度を低下させることになる.このた
め,凝固に際して溶銑を白銑化させることが重要であ
る.この白銑化は,溶銑を凝固させるときの冷却速度に
関係があり,急冷することにより白銑化することが知ら
れている. そこで,溶銑を可及的速やかに冷却するために,従来
の試料採取容器は,鋼,鋳鉄等の熱伝導性の良好な金属
から成る半割の鋳型と,該鋳型の底部を閉塞する熱伝導
性の大きい金属から成る冷し金とにより構成されてい
た.この容器は,側部に流入口を開口した流入室と,該
流入室に続く縮径路を備え,更に,縮径路に続いて冷し
金に臨む採取室を備える.従って,前記流入室及び縮径
部が流入口から採取室に至る溶銑の流路を構成する.流
入口から流入した溶銑は,流入室及び縮径路を経て採取
室に至る間,鋳型により冷却され続ける.即ち,溶銑
は,流入室内で予備冷却され,流路で更に冷却された
後,採取室内で冷し金により急冷され,白銑化した試料
となる. 流入口から流入した溶銑は,採取室内に充填されるだ
けでなく,流路を含む容器の内部全体に充満されるの
で,凝固した試料は,採取室と縮径路と流入室の形状に
対応した金属塊を一連に一体成形した形状のものに成形
される.凝固試料は,鋳型を半割することにより容器か
ら取出され,前記流入室に対応して成形された塊状部分
を不要部として分断される.即ち,この不要部を除去し
た後の試料は,採取室に対応して成形された頭部と,縮
径路に対応して成形された首部を一体に備え,頭部を試
料分析部として供し,首部を試料把持部として供される
ものである. 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の試料採取容器によれば,容器内に流入する溶銑
は,直ちに冷却され凝固が進むため,流入室及び縮径路
の部分で停滞し,引き続き流入口から流入する溶銑によ
る充分な押し湯効果が得られず,このため,縮径路及び
/又は採取室の内部で引け巣や空洞等を生じ,いわゆる
充填不足を生じ易くなる.しかも,容器は,前記のよう
な鋳型及び冷し金から成り,通気性を有しないから,流
入口から流入する溶銑に対して容器内のエアーを良好に
排出することが出来ない.また,溶銑の流入により流入
室でガスが発生する場合,このガスを良好に排出するこ
とが出来ない.このため,残存するエアー又はガスによ
り凝固試料中に巣やピンホールを発生することがある.
然しながら,このような巣やピンホールが採取室中で凝
固した試料の分析部に存在し,研磨した分析面に現れる
ときは,発光分光分析に支障をきたすため,このような
ピンホールや巣が分析面に現れない個所まで,改めて,
分析部を更に研磨し,再度発光分光分析をやり直さなけ
ればならない問題がある. また,容器内に流して充満する溶銑は,鋳型と冷し金
との全体により冷却を促進される結果,試料の分析面の
みならず試料の全体を白銑化し,試料の全体を脆弱なも
のとする.しかも,前記のように,縮径路内で巣や空洞
を生じていることがある.従って,容器から取出した凝
固試料を発光分光分析に供するに際し,試料の分析部を
グラインダ等により研磨するため試料の把持部を自動分
析装置等の把持装置により把持したとき,強度の弱い把
持部が折損して把持装置から脱落する等の問題がある. 更に,容器内に流入する溶銑が,熱伝導性の良好な鋳
型により形成された流入室の壁面に対して焼付きを生じ
ることがあり,凝固試料を容器から取出す作業を困難な
らしめる問題がある. 更に,この主の容器は消耗型なので,従来のような
鋼,鋳鉄等の金属よりも安価なもので形成することが望
まれていた. 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、上記の問題点を解決し、上記の要望に対応
し得た溶銑の試料採取容器を提供するものであり、その
手段として構成したところは,流入口4を開設した流入
室6と、該流入室6の下方に配置された仕切壁10に形成
された縮径路7を介して該流入室6に連通された採取室
8とを備え;流入口4から流入室6及び前記縮径路7に
より構成された流路を経て採取室8に充填された溶融金
属を該採取室8内で凝固せしめることにより凝固試料を
生成する試料採取容器において:前記採取室8は、前記
凝固試料の分析面に対応する底面を形成した浅い凹部13
aを有する冷し金13を、前記縮径路7に臨ましめて仕切
壁10の底部に突き合わせることにより形成され、該採取
室8を底部幅寸法よりも高さ寸法が小さい偏平状に形成
すると共に、前記冷し金13の凹部13aと仕切壁10の底部
を互いに近接して対面せしめて成り、前記流入室6及び
仕切壁10は、熱伝導性の小さい非金属材で且つ耐熱性・
通気性・崩壊容易性を有する成形物12により形成されて
成る点にある。
この際、前記成形物12は、シェルモールドにより構成
することが好ましい。
〔実 施 例〕 以下本発明の溶融金属の試料採取容器を図面に示す実
施例に従い説明する. 第1図は,本発明の容器を内装した採取装置を示し,
該採取装置1は紙管等で作られた筒状の本体2を有す
る.図例では,採取装置1の先端部に碍子又は耐火セメ
ント等により固定された温度測定素子14を取付けている
が,必須ではない. 筒状本体2の内部には試料採取容器3が収納されてい
る.該容器3の側部には試料流入口4が開設されてお
り,該流入口4は,筒状本体2の側壁を貫通する円筒状
のノズル部材4aにより形成されている.筒状本体2の外
周は紙管等の薄い保護壁5により被覆されており,該保
護壁5により流入口4を閉塞している.この保護壁18
は,採取装置1を温度測定素子14を下向きにして溶銑中
に浸漬したとき,スラグ層を通過した後に焼失する. 第2図に示すように,容器3は,流入口4に臨む流入
室6と,該流入室6の下方に配置され且つ縮径路7を介
して該流入室6に連通された採取室8とを備える.従っ
て,前述のように,採取装置1を溶銑中に浸漬したと
き,保護壁5が焼失すると,溶銑が流入口4から流入室
6及び縮径路7を経て採取室8に進入するものであり,
流入口4から採取室8に至る間,流入室6及び縮径路7
により溶銑の流路が構成される. 前記流路の適所には,流入口4から流入する溶銑の流
入方向に交叉する障壁部9が突設されている.この障壁
部9は,図例では,流入室6の頂壁から縮径路7に向か
って延びる先細テーパ状の筒状に形成されている. また,前記縮径路7は,流入室6と採取室8とを仕切
る仕切壁10に設けられた筒状ボス11により形成され,該
ボス11は仕切壁10から流入室6内に起立して突出し,該
ボス11の先端を流入口4を形成するノズル部材4aの口壁
内底面よりも上方に位置せしめている.即ち,筒状ボス
11の先端と,ノズル部材4aの口壁内底面との間には,符
号Aで示す高低差がある. 前記流入室6及び縮径路7は,非金属材から成る成形
物12により形成されている.即ち,この成形物12よっ
て,筒状ボス11を備えた仕切壁10と,流入室6の周壁及
び頂壁と,該頂壁から突設された障壁部9とが,一体に
形成されている.一方,採取室8の底部は冷し金13によ
り形成されており,この冷し金13は鋼等の熱伝導性の大
きい素材により形成されている.該冷し金13は,成形物
12の仕切壁10の底部に接続され,採取室8を形成する凹
部13aを有する.従って,採取室8は,この冷し金13の
凹部13aと,仕切壁10の底面とにより画成される.これ
により、採取室8は、底部幅寸法よりも高さ寸法が小さ
い浅底状に形成され、前記冷し金13の浅い凹部13aと仕
切壁10の底部を互いに近接して対面せしめている。
而して,前記成形物12は,熱伝導性が小さく,耐熱性
・通気性・崩壊容易性を有するものであり,このような
特性を満足するものとして,シェルモールドを用いるこ
とができる.このように,シェルモールドにより成形物
12を成形する場合,該成形物12の形状が複雑であっても
容易に成形が可能であり,従来の試料採取容器を形成す
る金属製の鋳型よりも熱伝導性が相当に小さく,しか
も,溶銑が採取室8に流入し凝固するまで耐熱性を保持
し得る.また,多孔質のものに形成することにより通気
性を有し,一方,機械的強度が低いから凝固試料の取出
しに際し容易に崩壊することができる。即ち,本発明に
おいて,「熱伝導性が小さい」とは,従来の鋼や鋳鉄等
から成る鋳型に対して相対的に熱伝導性が小さいことを
云う.また,「耐熱性」とは,溶銑が流入し凝固するま
で焼失することがなく所定の形状を保持する性質を云
う.また,「通気性」とは,採取室8及び縮径路7の内
部で生成される凝固試料中に巣やピンホールを生じない
程度に成形物12の壁面がエアーやガスの透過性を有する
性質を云う.更に,「崩壊容易性」とは,容器3から凝
固試料を取り出すに際し,成形物12が機械的又は化学的
に容易に崩壊する程度に脆弱である性質を云う.従っ
て,これらの条件を満足するものであれば,シェルモー
ルド以外の素材を用いることも可能であり,焼成された
各種耐火煉瓦素材,溶銑と反応しないセラミック素材等
を用いることができる.また,これらの複合材により成
形物12を成形しても良い. 前記ノズル部材4aは,前記成形物12と同様の非金属材
を成形することにより形成され,又は,セラミック等を
成形することにより形成され,流入室6の側部開口に嵌
合される. 尚,図例では,上記成形物12により流入室6及び縮径
路7を一体成形しているが,本発明では,少なくとも,
障壁部9の一部又は全部,流入室6及び縮径路7の壁面
の一部又は全部,採取室8を画成する仕切壁10の底面
を,前記成形物12により形成しておけば良く,その他の
部分は金属等の任意の材質により形成しても良い. また,成形物12は,図例のように一体成形物とする
他,部分的に分割した成形物としても良い. (作用) 上記容器3を内装した採取装置1により溶銑を試料採
取するには,筒状本体2先端の温度測定素子14を下向き
にして採取装置1を溶銑中に浸漬する.スラグ層を通過
する際,容器3の流入口4は筒状本体2の保護壁2によ
り被覆されており,従って,スラグ等が容器3に浸入す
ることはない. スラグ層を通過して溶銑採取地点に達すると,保護壁
5が焼失し,流入口4を開口せしめるので,溶銑は,該
流入口4から容器3の流室6に流入する.流入する溶銑
は,障壁部9に衝突し,流入室6内で撹拌され,均質に
脱酸される.溶銑が流入室6から縮径路7を経て採取室
8へと進むに際し,この流路を形成する成形物12を熱伝
導性の小さいものとしているので,徐冷されつつ進入
し,後続して進入する溶銑による押し湯効果を発揮し
て,採取室8及び縮径路7内に好適に充填される.溶銑
は,採取室8に進入すると,冷し金13により急冷され,
後述する凝固試料の分析部を冷し金13により白銑化され
る.即ち、溶銑は、流入室6から縮径路7を経て採取室
8に進入するまで、成形物12により保温された状態にあ
るから、溶銑中に含まれた炭素を析出したり晶出するこ
とはなく、自然の状態で採取室8に進入する。そこで、
採取室8に進入し、冷し金13の凹部13aに接するや否
や、急冷され直ちに凝固する。この際、採取室8は、底
部幅寸法よりも高さ寸法が小さい偏平状に形成されると
共に、前記冷し金13の凹部13aと仕切壁10の底部を互い
に近接して対面せしめているので、採取室8に充満され
た溶銑は、上方領域において成形物12から成る仕切壁10
により保温せしめられる一方、冷し金13の凹部13aに対
する接触界面から急冷を開始され、分析面を白銑化した
凝固試料を生成する。即ち、偏平な採取室8内の溶銑
は、炭素の析出や晶出を生じないように保温された状態
の下で、凝固試料の分析面に対応する凹部13aとの接触
界面において急冷され凝固せしめられ、該分析面を好適
に白銑化する。
流入口4から流した溶銑は,採取室8,縮径路7,流入室
6の全体に充満される(然し,流入室6内の溶銑は後述
するように凝固する前に流入口4から排出される).こ
の溶銑の進入時に,採取室8内のエアーは仕切壁10底部
のテーパ面に沿い逆流して流入室6へと排出されるが,
縮径路7中に残留したエアーは成形物12の通気性により
該成形物12の外側へと排出される.同様に,溶銑の進入
により発生するガスも,成形物12を透過して外部へ排出
されるので,少なくとも採取室8と縮径路7の内部にエ
アーやガスを残留することは完璧に防止される.因に,
このような排気効果を一層向上させるため,容器3の適
宜個所にガス抜き孔を付加的に設けることもできる. 容器3内に溶銑が充満した後,採取装置1を溶銑中か
ら引揚げると,第3図示のように,流入室6内の溶銑は
流入口4から流出する.採取室8及び縮径路7内に滞留
する採取溶銑16と,流室6の筒状ボス11の外周に位置す
る底部に残留した余剰溶銑16aとは,筒状ボス11の先端
により分断されている. 前記採取溶銑16は凝固することにより,第4図示のよ
うに,採取室8に対応して成形された頭部の分析部17a
と,縮径路7に対応して成形された首部の把持部17bと
を,一体に備えた凝固試料17を生成する.筒状本体2か
ら容器3を取出し,該容器3内の凝固試料17を取出すに
際しては,成形物12に機械的衝撃を与えれば,該成形物
12は容易に破壊する.即ち,試料17が仮に該成形物12に
焼付き付着していても,該成形物12を崩壊することによ
り,試料17の取出しを容易に行うことができる.尚,縮
径路7の内面に予めジルコニア系の塗型剤等の焼付防止
剤を塗布しておき,焼付きを防止しておけば,試料17の
取出し作業はいっそう容易となる. 取出された試料17は,分析部17aと把持部17bとを一体
に備える他,余剰溶銑の凝固部を有しないから,従来の
ように,試料を余剰凝固部から切断分離する工程は必要
でない. この試料17は,発光分光分析に先立って,グラインダ
等の研磨器により分析部17aの底面を研磨される.この
研磨に際し,試料の把持部17bは,把持装置により把持
されるが,該把持部の内部に引け巣や空洞等の充填不足
を有しておらず,しかも,徐冷されて金属組織に粘り強
さを有しているので,研磨中に折損して脱落するような
危険がなく,自動分析装置等による恥を確実に行うこと
ができる. (その他の実施例) 本発明の試料採取容器は,第5図に示すように,成形
物12の仕切壁10を厚肉のものに形成することにより,縮
径路7を長いものに形成しても良い.これにより,採取
室8に流入する溶銑のいっそう正確な流速のコントロー
ルが可能となり,生成される凝固試料は,首部を長いも
のに成形するので,この長い首部をガス分析用試料とし
て使用することもできる.尚,同図示のように,筒状ボ
ス11の先端を尖鋭端11aに形成しておけば,前述した採
取溶銑16と余剰溶銑16aとの湯切り効果を向上すること
ができる. 第6図に示した実施例は,障壁部9に貫通孔9aを形成
し,該貫通孔9aに板状又は管状の保護体18を挿着して障
壁部9を補強すると共に,容器3の外部より温度検出素
子15を該保護体18を挿通して縮径路7内に延出せしめて
いる.このようにしておけば,容器3内に充満した溶銑
中の炭素含有量を検出することができる.また,保護体
18を温度検出素子15と流入口4との間に位置せしめると
共に,該保護体18の先端を筒状ボス11内に延長せしめて
おけば,温度検出素子15が流入口4から流入した溶鋼の
衝突を受けて破損されることを好適に防止できる. 第7図に示した実施例において,障壁部9は第6図に
示したものと同様に貫通孔9aを形成している.然しなが
ら,この実施例では,貫通孔9aに上述のように温度検出
素子15を挿入する代わりに,該貫通孔9a内に石英パイプ
等から成る採取管19を挿着し,該採取管19を流入室6の
頂壁よりも上方に延長し,該延長端にセラミックファイ
バーの編織物又は不織布等から成る通気性材料により形
成したキャップ20を挿着している.これにより,流入口
4から流入室6に溶銑が流入した際,該溶銑の一部が採
取管19内に充填されると共に,急冷されて凝固する.従
って,該採取管19内の凝固試料を取出し分析することに
より,試料内の窒素や酸素等のガス成分を検知すること
ができる. 第8図及び第9図は,第6図及び第7図に示したよう
な貫通孔9aを有する成形物12を用いた試料採取容器3
を,上述したような温度検出素子15又は採取管19の何れ
も装着しないで,専ら発光分光分析用の試料サンプラー
として利用する場合の実施例を示している.第8図の実
施例では,障壁部9の貫通孔9aを閉塞する耐熱性のキャ
ップ21が設けられている.このキャップ21は頭部21aと
同部21bとを備え,胴部21bを貫通孔9aの上部開口より嵌
入している.第9図の実施例では,流入室6の頂壁上部
に耐熱性の閉塞板22が重合され,該閉塞板22により貫通
孔9aの上部開口を閉塞している.この閉塞板22は流入室
6の頂壁に直接固着しても良いが,試料採取装置1の筒
状本体2内部において,容器3に密接するように該筒状
本体2に固定しても良い.尚,第8図のキャップ21や第
9図の閉塞板22を用いることなく,障壁部9の貫通孔9a
に耐火セメント等の耐火材を充填し,これにより貫通孔
9aを閉塞しても良い.従って,これらの何れの実施例の
場合も,容器3をサンプラーとして使用する場合,容器
3内に流入した溶融金属が,貫通孔9aを介して容器外に
漏出し筒状本体2内に進入することは防止される.しか
も,第6図及び第7図に示したような貫通孔9aを必要と
する成形物12との間で互換性を有する. 〔発明の効果〕 本発明は以上のように構成した結果,次の顕著な作用
効果を奏する. 流入口から流入する溶融金属は,障壁部に衝突して撹
拌された後,採取室に流れ込むので,均質に脱酸され
る.しかも,流入する溶融金属は,障壁部に衝突した
際,流速を制御され,徐々に採取室へと進入するので,
採取室及び縮径部に好適に充填される. 障壁部及び流路の一部又は全部が熱伝導性の小さい非
金属材により形成されているので,流入口から流入した
溶融金属が直ちに急冷されて凝固することなく,徐冷さ
れつつ流路を経て採取室に進入し,このため,引き続き
流入口から流入する後続の溶融金属により押し湯効果が
得られ,採取室及び縮径路内において溶融金属の充填不
足を生じることがなく,生成される凝固試料の分析部や
把持部に巣やピンホール等の不良個所を生じることがな
くなる. また,採取室の一部と,流路の全部又は一部とを形成
する熱伝導性の小さい非金属材が通気性を有する成形物
であるので,溶融金属が充満される際に,容器内のエア
ー又は溶融金属の流入により発生するガスが,前記通気
性により容器外に排出され,このようなエアー又はガス
に起因する巣やピンホールの発生を防止する. また,試料採取容器を溶銑のサンプラーとして用いた
場合,採取室は,熱伝導性の小さい非金属材と,凝固試
料の少なくとも分析面に対応して配置された冷し金とに
より画成されているので,進入した溶銑は冷し金により
急冷され,生成される凝固試料の分析部を好適に白銑代
する.この急冷に際し,溶銑は採取室に至るまでの途中
でほどよく徐冷されているので,不必要ほど過度に急冷
され分析部にクラックを生じさせることはない.一方,
凝固試料の把持部に対応する部分は,徐冷されて凝固す
るため,靭性を有し,後に自動分析装置等の把持装置に
把持せしめられたときに折損する虞れがない. この際、特に本発明によれば、採取室8は、底部幅寸
法よりも高さ寸法が小さい偏平状に形成されると共に、
前記冷し金13の凹部13aと仕切壁10の底部を互いに近接
して対面せしめているので、採取室8に充満された溶銑
は、上方領域において成形物12から成る仕切壁10により
保温せしめられる一方、冷し金13の凹部13aに対する接
触界面から急冷を開始され、分析面を白銑代した凝固試
料を生成する。即ち、偏平な採取室8内の溶銑は、炭素
の析出や晶出を生じないように保温された状態の下で、
凝固試料の分析面に対応する凹部13aとの接触界面にお
いて急冷され凝固せしめられ、該分析面を好適に白銑化
するので、炭素の析出等を有しない良好な分析面を提供
できるという効果がある。
更に,採取室の一部と,流路の全部又は一部とを形成
する熱伝導性の小さい非金属材が崩壊容易性を有する成
形物であるので,凝固試料を容器から取り出すに際し,
この成形物を容易に破壊し,簡単に凝固試料を取り出す
ことができ,しかも,このような成形物であるが故に,
容器が複雑形状のものであっても比較的安価且つ容易に
製作することができる.
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の採取容器を内装した採取装置の1実施
例を示す一部断面正面図,第2図は同容器の第1実施例
を示す縦断面図,第3図は同容器を溶融金属から引き上
げた状態を示す縦断面図,第4図は同容器中で生成され
た凝固試料を示す縦断面図,第5図は縮径路を長いもの
に形成した採取容器の他の実施例を示す縦断面図,第6
図は障壁部の貫通孔に補強管を挿着した実施例を示す縦
断面図,第7図は障壁部の貫通孔に採取管を挿着した実
施例を示す縦断面図,第8図は障壁部の貫通孔をキャッ
プにより閉塞した実施例を示す縦断面図,第9図は障壁
部の貫通孔を閉塞板により閉塞した実施例を示す縦断面
図である。 1……採取装置,2……筒状本体,3……採取容器,4……流
入口,4a……ノズル部材,6……流入室,7……縮径路,8…
…採取室,9……障壁部,9a……貫通孔,10……仕切壁,11
……筒状ボス,12……成形物,13……冷し金,13a……凹
部,15……温度検出素子,17……試料,17a……分析部,17b
……把持部.

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流入口4を開設した流入室6と、該流入室
    6の下方に配置された仕切壁10に形成された縮径路7を
    介して該流入室6に連通された採取室8とを備え;流入
    口4から流入室6及び前記縮径路7により構成された流
    路を経て採取室8に充填された溶融金属を該採取室8内
    で凝固せしめることにより凝固試料を生成する試料採取
    容器において: 前記採取室8は、前記凝固試料の分析面に対応する底面
    を形成した浅い凹部13aを有する冷し金13を、前記縮径
    路7に臨ましめて仕切壁10の底部に突き合わせることに
    より形成され、該採取室8を底部幅寸法よりも高さ寸法
    が小さい偏平状に形成すると共に、前記冷し金13の凹部
    13aと仕切壁10の底部を互いに近接して対面せしめて成
    り; 前記流入室6及び仕切壁10は、熱伝導性の小さい非金属
    材で且つ耐熱性・通気性・崩壊容易性を有する成形物12
    により形成されて成ることを特徴とする溶融金属の試料
    採取容器。
  2. 【請求項2】前記成形物12が、シェルモールドから成る
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶融金属の試料採取
    容器。
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