JPH1096722A - 溶湯からの分析試料の採取器及び採取方法 - Google Patents

溶湯からの分析試料の採取器及び採取方法

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JPH1096722A
JPH1096722A JP8273010A JP27301096A JPH1096722A JP H1096722 A JPH1096722 A JP H1096722A JP 8273010 A JP8273010 A JP 8273010A JP 27301096 A JP27301096 A JP 27301096A JP H1096722 A JPH1096722 A JP H1096722A
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outer tub
shape
molten metal
sample
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JP8273010A
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English (en)
Inventor
Kunya Kaneko
薫也 金子
Kazumasa Sugimoto
和巨 杉本
Masatsugu Nagata
昌嗣 永田
Kyoji Watanabe
恭二 渡辺
Katsuo Mitsubori
勝男 三堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denshi Rika Kogyo Kk
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Denshi Rika Kogyo Kk
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶鋼や溶銑から分析試料を採取する繰り返し
使用できる採取器で均一な急冷試料を得る。 【解決手段】 外部形状が逆円錐台の割り型の鋳型1
を、これと整合する内部形状をもつ外桶2に嵌め込む。
鋳型1には上方の漏斗から中空部11に1〜4秒の短時
間で溶湯を流入させ、同時に通気細孔12から通気孔2
1及び支持管3の管内を通して空気を逃がす。 【効果】 鋳型と外桶の嵌合が緊密でその間に溶湯が侵
入しない。且つ試料取り出し時は外桶から鋳型を放り出
せばその衝撃で漏斗部は折れて試料部のみが得られる。
又、均一な急冷試料が得られ、且つ従来のように厚紙の
外桶を用いないので採取器を繰り返し用いることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】溶銑や溶鋼など鉄鋼の製錬過
程で成分を把握するために、これらの溶湯を採取し、工
程管理分析に供する発光分析等の為の分析試料の採取技
術に関する。
【0001】
【従来の技術】溶銑や溶鋼等の溶湯は、多くの場合その
上面に浮かんだスラグ層が形成されている。溶湯の工程
管理分析に供する試料は、このスラグ層の下の溶湯を採
取し、凝固させて作られる。従来、分析試料の採取方法
として、溶湯を汲み上げて鋳型に流し込んだり、内部形
状がカップ状の鋳型で溶湯を掬い上げ、そのまま冷却し
て円錐台状の鋳造物を得、これを切断して分析試料にし
てきた。
【0002】しかし、近年、発光分析等を使用する生産
工程の管理分析に迅速性が要求されるようになり、分析
試料形状に合わせた内部形状を持つ割り型の鋳型を直接
溶湯に挿入し、分析試料形状に合った鋳造物を得て、切
断に要する時間を省くようになった。分析試料の形状と
しては円盤状、若しくは切断が容易な円柱状、円錐台状
であることが望ましい。このような試料を採取する場合
に、スラグ層が鋳型に流れ込むことを防ぐために、鋳型
への流入口に薄い鉄板や紙の遮蔽板を設け、溶湯への鋳
型挿入時にスラグ層を通過した後に、これらの遮蔽板が
溶け或いは破損して溶湯のみが流入するように工夫す
る。
【0003】更に、鋳型の内部形状を複数の形状を組み
合わせたものとし、一回の採取で複数の分析法に適した
形状の試料を得る鋳型も提案されている。これらの鋳型
は一般に、金属で作られた割り型であり、その外部形状
は円筒形で外筒に嵌め込むことによって割り型を拘束す
る。こうして鋳型の形状が維持した状態で外筒とともに
溶湯中に挿入する。
【0004】従来、最もよく使われているのがプローブ
型と呼ばれているもので、その例を図5に示す。鋳型1
01は外筒102に収納されており、外筒102は支持
棒103で支持され溶湯に挿入される。外筒102の鋳
型収納室の上部に溶湯導入口があり、ここは薄い鋼板1
10で塞がれている。外筒102がスラグ層を通過して
溶湯に達すると、鋼板110が溶けて溶湯が鋳型101
内に流れ込む。この際、鋳型101内の空気は小孔(図
示せず)から支持棒103の中空部を経て大気に逃げ
る。
【0005】鋳型101には鋼が用いられているが、外
筒102及び支持棒103は数mmの厚さの厚紙で作られ
ている。鋳型と外筒との間に溶湯が浸入すると、外筒が
剛体の場合引き上げた後に外筒から鋳型を取り出すこと
が困難となるが、プローブ型では外筒に厚紙を使用して
いるので、これを破壊して鋳型を取り出すことができ
る。
【0006】他に、外筒に厚紙を使用しない型もある。
例えば、特開平8−21832号公報には、外筒を鋼又
はセラミックスで作り、これを管状の支持棒或いは厚紙
管に鋼棒を内挿した支持棒で支持する採取装置が記載さ
れている。その例を図6に示す。
【0007】鋳型101は鉄板等の金属材料や耐熱性セ
ラミック材料で形成されており、外筒102も同様に鉄
等の金属或いは耐熱性セラミック材料で形成されてい
る。支持棒103は空気抜きのために鋼管を用いるか或
いは厚紙管に鋼棒を挿入し強度を確保するとともに、厚
紙管と鋼棒との隙間から空気を抜く。外筒102には蓋
104と開口部108及び空気抜き口107とが付いて
いる。
【0008】鋳型101には試料導入部105があり、
その中に石英管106が挿入されている。石英管106
の先端は試料導入部105より突き出ていて、試料導入
部が溶湯により溶解することを防いでいる。又、石英管
106は金属板110により塞がれており、外筒102
がスラグ層を通過して溶湯に達すると、金属板110が
溶けて溶鋼が鋳型101に流れ込む。
【0009】一方、特開平8−21832号公報の採取
装置では、鋳型に石英管を使用するが、この石英管は鋳
造物を取り出す際の衝撃で殆ど割れてしまい再利用する
ことができなかった。又、鋳型の試料導入部に石英管を
挿入するため工数を要し、更に、一度用いた鋳型では石
英管との嵌合に支障を来すことが多く、鋳型も使い捨て
にせざるを得なかった。更に、溶湯を下から流入させる
ため、引き上げ時に湯落ちのないよう流入部に石英管を
挿入して細くしてある。このため、溶湯の流入に時間が
かり成分が均一に分布する急冷試料が必ずしも得られな
かった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように試料採取の外筒に紙を用いると、これを繰り返し
使用することができず試料採取毎に取り替える必要があ
り、多量の外筒を消費していた。また、石英管を利用し
た試料採取においては石英管を再利用できず、製造コス
トへの影響が無視できず、又資源の浪費にも結びついて
いた。
【0011】この発明は、上記のような資源浪費の問題
を解決しコスト低減を図るとともに、均一性に優れた急
冷試料を得るために行われたもので、その目的は、鋳型
とともにこれを収納する外桶も繰り返して使用すること
を可能にし、且つ切断等の加工が少なく、急冷分析に適
した円柱状、円盤状または円錐台状の試料が迅速に得ら
れる分析試料採取技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、次に記載する発明である。第1の発明は、下
記の部材を備えたことを特徴とする溶湯からの分析試料
の採取器である。 (a)外部形状が円柱状で、内部形状は上方が漏斗状に
開き、その下に円柱状、又は円盤状分析試料の形状に適
合する中空部が在り、この中空部に少なくとも一本の外
部に通ずる通気細孔が設けられた割り型の鋳型と、
(b)前記鋳型を収容し、前記鋳型の外側面との間に下
部を除いて隙間が生ずる円柱状の内部形状を有し、且つ
前記通気細孔に通ずるとともに外部に通ずる通気孔が設
けられた前記鋳型を収納するための耐熱剛体の外桶と、
(c)前記鋳型と前記外桶との間の少なくとも上部に嵌
合する円筒状の紙管と、(d)前記外桶を支持し、且つ
前記通気孔に通ずる細孔が一端に設けられ他端が大気に
開口した支持管。
【0012】鋳型は、割り開いて鋳造物を取り出すこと
ができるように、割り型となっている。この鋳型を閉じ
た時の外部形状は円柱状とする。円柱の径は途中で異な
ってもよい。又、径が異なる円柱の接続部や下部など主
要ではない部分では、円柱以外の形状例えば円錐台のよ
うな形状部があってもよい。
【0013】鋳型の内部形状は、上方から溶湯を流入さ
せるために、上方が漏斗状に開き、その下に分析試料の
形状に適合する中空部が在る。中空部は円柱状、円錐台
状、円盤状のいずれでもよく、目的とする分析に適した
形状にすることができる。上方から溶湯を流入させ、鋳
型を溶湯から引き上げる際に湯落ちを避けるためであ
る。即ち、下方に流入口を設けると、引き上げ時にここ
から湯が流れ出し、湯量不足による形状不良や部分的に
空部をもった試料しか得られないことがある。
【0014】また、溶湯流入の際に鋳型内の空気が抜け
るように、中空部に少なくとも一本の外部に通ずる通気
細孔が設けられている。鋳型は、割り型であるため、鋳
造物を取り出すために開くまでは緊密に閉じられていな
ければならない。この緊密性が欠如すると溶湯が割り型
の分割面の間に浸入し、試料にバリが生じたりする。こ
のため、鋳型は外桶に嵌め込んで収納されたとき緊密に
拘束され、分割面に隙間ができないようにする。
【0015】しかし、剛体である外桶に剛体である鋳型
を直接嵌め込むと、鋳型を取り出すときに迫り合って取
り出しが困難となる。又、取り出しを容易にするため鋳
型と外桶との間に間隔を設けると、溶湯が浸入し一層取
り出しが困難となる。このため、鋳型の上部と外桶との
間に紙管を嵌合し、この紙管を介して外桶により鋳型を
拘束する。鋳型の下部にも紙管を嵌合し上下で拘束して
もよいが、下部は逆円錐形とし、外桶の内部形状をこれ
に整合させて拘束してもよい。
【0016】上記したことから、鋳型が収納される外桶
は、その内部形状を鋳型の紙管を嵌合した部分では紙管
の外側面に密着し、他の部分では、下部の逆円錐形部を
除いて、鋳型外側面との間に隙間が生ずる内部形状とす
る。この外桶に鋳型を収納すると、鋳型が緊密に拘束さ
れるとともに、鋳型の上部に勘合した紙管は溶湯の浸入
を防ぎ、鋳型の下部に嵌合した紙管或いは逆円錐形部と
相まって外桶内で鋳型の位置と姿勢を決定し割り型を拘
束する。
【0017】外桶には、又、鋳型の通気細孔から抜ける
空気が外部に排気されるように、この通気細孔と外部に
通ずる通気孔が設けられる。そして、外桶は、繰り返し
溶湯に曝しても損傷せず、且つ鋳型を拘束する応力で変
形を起こさない耐熱剛体とする。この外桶は、支持管に
よって支えられるが、支持管の内部は通気に使われ上端
は大気に開いており、管壁には外桶の通気孔に通ずる細
孔が空いている。支持管には、外桶同様耐熱剛体が用い
られるが、コストや耐衝撃性等から鋼管が適当である。
【0018】第2の発明は、下記の部材を備えたことを
特徴とする溶湯からの分析試料の採取器である。 (a)外部形状が逆円錐台状で、内部形状は、上方が漏
斗状に開き、その下に円柱状、又は円盤状分析試料の形
状に適合する中空部を有し、この中空部に少なくとも一
本の外部に通ずる通気細孔を有する割り型の鋳型と、
(b)前記鋳型の外部形状に整合する内部形状を有し、
且つ前記通気細孔に通ずるとともに外部に通ずる通気孔
を設けられた前記鋳型を収納するための耐熱剛体の外桶
と、(c)前記外桶を支持し、且つ前記通気孔に通ずる
細孔を一端に有し他端が大気に開口した支持管。
【0019】鋳型、外桶及び支持管からなる分析試料の
採取器であり、鋳型の内部形状と通気細孔、外桶の通気
孔と材質、及び支持管については、第1の発明と同じで
ある。異なるのは、鋳型の中枢部の外部形状と外桶の内
部形状である。鋳型の外部形状は逆円錐台を基本とする
形状で、外桶の内部形状は鋳型の外部形状に整合する逆
円錐台を基本とする形状である。
【0020】逆円錐台の形状にすると、鋳型の自重によ
って外桶が鋳型を拘束し鋳型の分割面を密接させる。同
時に、製作精度が得られやすい形状であり、鋳型の外面
と外桶の内面が全面にわたって密接し、この面間に溶湯
が浸入し難い。このため、第1の発明で使用した紙管が
不要になり、全ての部材を繰り返し使用することができ
る。
【0021】第3の発明は、前記形状の鋳型が、その漏
斗部の足の径が3mm以上6mm以下で、足の長さが5mm以
下であり、中空部の試料の分析面を形成する部分の肉厚
が5mm以上である前記した溶湯からの分析試料の採取器
である。
【0022】発光分光分析や蛍光X線分析等の物理分析
では、分析値は分析試料の組織の影響を受ける。組織は
分析試料の熱履歴によって変わるので、正確な分析値を
得るために溶融し成分が均一に分布している状態のまま
で固化する必要があり、鋳型に注入した溶湯を急冷する
必要がある。試料採取時の冷却過程ではこの点を考慮し
なければならない。
【0023】特に溶湯が溶銑の場合、凝固温度以下では
含まれる炭素が鉄の固溶範囲を越えている。このため、
徐冷により冷却すると炭素はグラファイトとして析出し
正確な分析値が得られなくなる。これを避けるために、
鋳型中の溶銑を急冷し炭素が均一に分散された白銑とし
て凝固させることが行われている。又、溶鋼の場合にお
いても炭素や硫黄、燐等の析出物を形成し易い成分は、
急冷された試料によってより正確な分析値が得られる。
【0024】鋳型を溶湯中に浸漬している時間を短く
し、且つ鋳型に熱を奪わせることによって急冷する。鋳
型の浸漬時間を短くするために、漏斗部の足の径を3mm
以上とし、その長さを5mm以下とする。一方、分析試料
としては漏斗部を足の所で切り離すので、細い方がよ
く、足の径を6mm以下とする。
【0025】前記の物理分析ではディスク試料の円形平
面を分析面とするので、この面では特に急冷が要求され
る。このため、鋳型のこのような面に接している部分の
厚さを少なくとも5mmとする。なお、鋳型が鋼や鋳鉄で
作られていると、これらの材料は熱伝導率が良く比重も
大きいので、中の溶湯を急冷するのに適している。
【0026】第4の発明は、下記の工程からなることを
特徴とする溶湯からの分析試料の採取方法である。 (a)円柱状又は円盤状の試料を採取できる割り型の鋳
型と、これを収納する外桶を準備し、(b)前記鋳型を
前記外桶に嵌め合わせ、漏斗の開口部を薄い鋼板で覆っ
て溶湯に挿入し、(c)前記鋳型を溶湯に浸漬した後引
き上げ、(d)前記鋳型をその天地を変えずに慣性を利
用して前記外桶から放り出し、前記鋳型が落下する衝撃
で割り型を開放し分析試料得る。
【0027】先ず、割り型の鋳型を組合わせて外桶に嵌
め込む。このとき、鋳型の通気細孔が外桶の通気孔に通
ずるように嵌め込む。次に、漏斗の開口部を薄い鋼板で
覆った後支持管を把持してこの鋳型を溶湯に挿入する
と、スラグ層を通過した後開口部を覆っていた鋼板が溶
け、溶湯が流れ込み中空部に溜まる。挿入開始後溶湯が
溜まるまでの時間は1秒以内なので、4秒を超えて浸漬
しない。要するに鋳型や外桶が加熱される時間をできる
だけ短くする。この間にも鋳型の壁面近傍から溶湯の凝
固が始まる。
【0028】鋳型を引き上げ、前記鋳型をその天地を変
えずに慣性を利用して外桶から放り出す。即ち、外桶を
ひっくり返すのではなく、持ち上げた後瞬間的に降下さ
せると鋳型は外桶から放り出される。放り出された鋳型
は床面に落下しその衝撃で割り型が開放される。この
時、溶湯が高炉銑や鋳物或いは鋳鋼であると、漏斗部の
足が同時に折れ試料部から漏斗部が離される。このよう
にして、瞬時に分析試料が得られる。
【0029】
【発明の実施の形態】円柱状の形状の試料を採取する鋳
型を用いる分析試料採取器を図1に示す。図1(a)は
縦断面を示し、同図(b)は図1(a)のA−A断面を
示したものである。図中、1は鋳型、2は外桶、3は支
持管、5は紙管、11は中空部、12は通気細孔、21
は通気孔、31は細孔である。鋳型1が外桶2に嵌め込
まれた状態で、鋳型1の通気細孔12は外桶2の通気孔
21に通じ、更に支持管3の細孔31に通じており、支
持管3は上部で大気に開かれている。
【0030】そして、紙管5は鋳型1と外桶2の間に緊
密に挿入され、鋳型1を拘束するとともに、上部の紙管
5は両者の間に溶湯が侵入することを防いでいる。下部
の紙管は、溶湯の侵入を防ぐ必要がないので、径を小さ
くしてある。この紙管5を嵌合する鋳型1の上部と下部
の外部形状が円柱状であると紙管5が均一に締めつけら
れ緊密性が保ち易い。したがって、厳密に言えば、他の
部分は必ずしも円柱状でなくともよい。例えば、鋳型1
の通気細孔12と外桶2の通気孔21の位置を合わせる
ために、楕円柱であってもよい。
【0031】鋳型1には、鉄や鋼を用いることができ、
外桶2には鉄や鋼の他に焼結合金やセラミックスを用い
ることができる。外桶2と支持管3との接合には、これ
らが鉄鋼材であれば溶接を用いることができる。焼結合
金やセラミックスの場合でも、ネジ止めや差し込み方式
の接合法を使用することができる。
【0032】図1では、紙管5を鋳型1の上部と下部と
に用いてあるが、これらの紙管5は採取器を溶湯から引
き上げ大気に曝されると燃焼してぼろぼろになってしま
う。このため、鋳型1を取り出すときは、鋳型1を外桶
2から簡単に放り出すことができる。上部と下部に紙管
5を使用しても、従来の外桶2にも紙管を使用した場合
に較べ、その使用量は十分の一にも満たない。
【0033】更に、下部では紙管5を使用せずに、外枠
2で鋳型1を拘束することもできる。この場合、鋳型1
の下部が円柱形では鋳型が取り出し難くなるので、この
部分を逆円錐台にする。なお、図では、鋳型1の中空部
11はロリポップ型と呼ばれる試料に適合した形状であ
るが、中空部11の形状は分析試料の形状に合わせれば
よく、これに限らずディスク状或いは円柱状や棒状であ
ってもよい。
【0034】鋳型を逆円錐台とする採取器を図2に示
す。図2(a)は縦断面を示し、図2(b)は(a)図
のA−A断面を示したものである。図2の場合と同様
に、鋳型1が外桶2に嵌め込まれた状態で、鋳型1の通
気細孔12は外桶2の通気孔21、22に通じ、更に支
持管3の細孔31に通じており、支持管3は上部で大気
に開かれている。
【0035】通気細孔12は一本とは限らず、万一詰ま
った場合を考慮して、複数本として確実さを高めること
もできる。この場合、鋳型1の下部は細くすると通気細
孔12や通気孔21の工作が容易である。又、下部は必
ずしも逆円錐台として外桶2と密接させる必要もない。
鋳型1には鍔を付してもよい。これを図3に示す。鋳型
1の上部に鍔13を付し外桶2の上縁を覆うようにした
もので、この鍔13によって、更に鋳型1と外桶2との
間へ溶湯が侵入することが防がれている。
【0036】図4に示した鋳型と外桶を用いると、溶銑
から厚さ15mm、径35mmのディスク状の分析試料を採
取できる。図4で、(a)図は縦断面図であり、(b)
図は(a)図のA−A断面図である。鋳型1には鍔13
が付されており、鋳型1、外桶2ともに鋼製である。鍔
13の上面は、溶銑から引き上げるとき湯切れがよいよ
うに傾斜を付してある。漏斗の足の径は4mm、長さも4
mmである。鋳型1の中空部11を擁する逆円錐台の最大
外径は65mm最小外径は50mmである。支持管3には鋼
管を用い外桶に溶接により接合してある。
【0037】鋳型の通気細孔12は径2mmのもの3本と
したが、鋳型1の下部断面は縦横で径の異なるカプセル
状にした。これにより、通気細孔12が必ず通気孔21
又は22に通ずるように、鋳型1が嵌め込まれるように
したものである。 この採取器を用いて溶銑を採取し分
析試料としたが、鋳型と外桶の間に溶湯が浸入すること
がなく、鋳型の取り出しは容易である。採取した試料に
バリが発生したものは110例中1例も無く、又、鋳型
が外桶から放り出されたときは、漏斗上部及び通気細孔
部も簡単に折り取られていた。
【0038】分析前処理を自動化する場合、試料形状に
異常があると問題を起こすが、この実施例では、試料の
搬送、分析面の研磨等の自動処理で支障を来したものは
皆無であった。更に、得られた分析試料について蛍光X
線分析により炭素含有率を調べたが、測定値は化学分析
値と良く一致しており、再現精度については、従来の特
開平8−21832号公報で開示された採取器で得られ
た試料に較べ、バラツキが半分以下に減っていた。これ
は、鋳型を溶湯に浸漬した時間が短く、又鋳型に密接し
た外桶も鋳造物の急冷に寄与し、均一化した試料が得ら
れたためと考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、溶
湯から分析試料を採取する際に、割り型の鋳型を耐久性
のある鉄鋼等で作られた外桶に嵌め込んだ採取器を用い
る。このため、従来のように試料採取毎に外桶を取り替
える必要がなくなったばかりでなく、割り型組み合わせ
の緊密性が確実に確保され、バリのない自動処理に適し
た分析試料が得られる。更に、溶銑の試料採取では逆円
錐台状の鋳型をこれに整合内部形状をもつ外桶に嵌め込
み、溶銑を鋳型の上方から流入させるので、湯落ちの心
配が無く流入口を大きくすることができ、流入時間を短
縮することができる。このため、均一性に優れた急冷試
料を得ることができ、しかも、外桶から鋳型を放り出す
だけで、形状の整った分析試料が得られる。このよう
に、省資源化とともに優れた迅速処理と分析精度向上に
寄与するこの発明の効果は大きい。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施態様としての分析試料採取器の断
面図であり、(a)図は従断面図、(b)図は(a)図
のA−A断面図である。
【図2】発明の別の実施態様としての分析試料採取器の
断面図でり、(a)図は従断面図、(b)図は(a)図
のA−A断面図である。
【図3】発明の鍔を付した鋳型と外桶からなる分析試料
採取器の模式図である。
【図4】発明の他の実施態様である分析試料採取器の断
面図であり、(a)図は従断面図、(b)図は(a)図
のA−A断面図である。
【図5】従来の分析試料採取器の断面図である。
【図6】従来の別の分析試料採取器の断面図である。
【符号の説明】
1 鋳型 2 外桶 3 支持管 5 紙管 11 中空部 12 通気細孔 13 鍔 21、22 通気孔 31 細孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 昌嗣 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 渡辺 恭二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 三堀 勝男 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4−13−7 電子理化工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の部材を備えたことを特徴とする溶
    湯からの分析試料の採取器。 (a)外部形状が円柱状で、内部形状は上方が漏斗状に
    開き、その下に円柱状、又は円盤状分析試料の形状に適
    合する中空部が在り、この中空部に少なくとも一本の外
    部に通ずる通気細孔が設けられた割り型の鋳型と、
    (b)前記鋳型を収容し、前記鋳型の外側面との間に下
    部を除いて隙間が生ずる円柱状の内部形状を有し、且つ
    前記通気細孔に通ずるとともに外部に通ずる通気孔が設
    けられた前記鋳型を収納するための耐熱剛体の外桶と、
    (c)前記鋳型と前記外桶と間の少なくとも上部に嵌合
    する円筒状の紙管と、(d)前記外桶を支持し、且つ前
    記通気孔に通ずる細孔が一端に設けられ他端が大気に開
    口した支持管。
  2. 【請求項2】 下記の部材を備えたことを特徴とする溶
    湯からの分析試料の採取器。 (a)外部形状が逆円錐台状で、内部形状は、上方が漏
    斗状に開き、その下に円柱状、又は円盤状分析試料の形
    状に適合する中空部を有し、この中空部に少なくとも一
    本の外部に通ずる通気細孔を有する割り型の鋳型と、
    (b)前記鋳型の外部形状に整合する内部形状を有し、
    且つ前記通気細孔に通ずるとともに外部に通ずる通気孔
    を設けられた前記鋳型を収納するための耐熱剛体の外桶
    と、(c)前記外桶を支持し、且つ前記通気孔に通ずる
    細孔を一端に有し他端が大気に開口した支持管。
  3. 【請求項3】前記鋳型が、その漏斗部の足の径が3mm以
    上6mm以下で、足の長さが5mm以下であり、中空部の試
    料の分析面を形成する部分の肉厚が5mm以上である請求
    項1又は2記載の溶湯からの分析試料の採取器。
  4. 【請求項4】下記の工程からなることを特徴とする溶湯
    からの分析試料の採取方法。 (a)円柱状又は円盤状の試料を採取できる割り型の鋳
    型と、これを収納する外桶を準備し、(b)前記鋳型を
    前記外桶に嵌め合わせ、漏斗の開口部を薄い鋼板で覆っ
    て溶湯に挿入し、(c)前記鋳型を溶湯に浸漬した後引
    き上げ、(d)前記鋳型をその天地を変えずに慣性を利
    用して前記外桶から放り出し、前記鋳型が落下する衝撃
    で割り型を開放し分析試料得る。
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