JP2721647B2 - 溶融金属の試料採取装置及び試料採取方法 - Google Patents

溶融金属の試料採取装置及び試料採取方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属の試料採取装
置及び試料採取方法に関し、例えば、溶融金属の発光分
光分析用の厚手の盤状のサンプルと、C・S・Nのガス
分析用の薄手の盤状のサンプル等、形状の異なるサンプ
ルを同時に且つ簡便に採取し得る溶融金属の試料採取装
置及びこれを利用した試料採取方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製鋼過程においては、溶融状
態の金属をサンプリングし、発光分光分析による金属成
分の組成分析、或いはC・S・N等のガス分析を行うこ
とによってプロセス管理及び製品管理が行われている。
この際に使用される溶融金属の試料採取装置としては、
図5に示した様な柄のついた金属又は耐火物製のカップ
状の小型容器が使用され、該容器を溶融金属の入ってい
る容器中の一定の位置まで浸け込んで溶融金属を小型容
器内に汲み上げた後、冷却後、容器を逆さにして円錐台
状のサンプルを取り出し、これを分析目的に合せた適宜
な形状に切り出す等の加工処理をして、上記した様な各
種分析用試料が調製されている。
【0003】しかしながら、上記の従来の方法は、溶融
状態の金属を小型容器内に汲み上げる過程は簡便である
ものの、溶融金属の上部に浮遊するスラグがサンプル中
に混入し易く、又、金属を凝固させた後に分析用試料の
切り出し等の加工しなければならず、試料調製が煩雑で
あるという問題があった。更に、カップ状の小型容器全
体を溶融金属が入っている容器中に浸け込む為、容器か
ら溶融金属が溢れて容器の縁に溶融金属が乗り、その状
態で金属が固まってしまうとバリが発生し、得られたサ
ンプルが非常に取り出しにくいという問題があった。更
に、採取したサンプルを気送する場合や、分析用試料の
調製の際にはこの部分を取り除かなければならないとい
う問題もあった。近年では、日常のプロセス管理等を行
う為に上記の装置を自動化し、自動サンプラーとして利
用し、サンプリング作業を省力化することが行われてい
る。この様な場合には、得られたサンプルは、気送等の
手段によって自動的に各種の自動分析機器等の場所に迅
速に搬送されて分析に供され、得られた分析結果は製造
条件の設定値の決定等に直ちにフィードバックされて、
プロセス管理や製品管理がなされている。従って、特
に、この様な場合に上記の問題は頻繁なトラブルの原因
となり、自動化された試料採取装置の信頼性に欠けると
いう問題のみならず、生産ラインそのものの作業性をも
損なう重大な問題であった。
【0004】又、近年、溶融金属の試料採取装置とし
て、溶融金属を、耐熱性セラミックや金属材料からなる
溶融金属が採取される中空部分を有する2個の半割体を
備えた試料採取装置を使用し、中空部内に溶融金属を静
圧で導入した後凝固させ、特定の形状の金属塊を取り出
し、種々の分析目的或いは分析装置に合致した形状のサ
ンプルを得ることが出来る各種の試料採取装置が知られ
ている(特開昭63−32370号公報、特開平3−1
07763号公報等)。当該装置では、中空部分の形状
を工夫することによって、例えば、ロリポップ型と呼ば
れている試料の様に、発光分光分析用のサンプルとC・
S・Nのガス分析用のサンプル等、形状の異なるサンプ
ルを同時に取り出すことも可能である。しかしながら、
これらの装置によって得られるサンプルの形状は、中空
部分に至る導入部が長い溶融金属の導入路(湯道)、所
謂、足として形成されるが、この足があると自動搬送の
際に搬送の円滑さが損なわれる為、足の部分を切り落と
さなければならず、サンプリングの自動化が困難である
という問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した従来のカップ状等の小型容器によって溶融
金属を汲み上げてサンプルを採取するタイプの自動試料
採取装置の有していた、凝固したサンプルの取り出しの
困難さ、及びサンプルの切り出しといった採取したサン
プルを分析用試料に調製する際の加工処理の煩雑さの問
題を解決し、更には所謂ロリポップ型等の形状のサンプ
ルが採取される試料採取装置の有していた、試料の足の
部分を切断する等の試料調製の煩雑さを一挙に解決し、
一回の操作で種々の分析目的或いは分析装置に合致した
形状の異なるサンプルを同時に得ることの出来る、サン
プリングの自動化にも適し且つ作業の省力化を達成し得
る簡便な溶融金属の試料採取装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、着脱自在の
蓋を有する金属或いは耐熱性セラミックからなる小型容
器と、該容器を支える金属或いは耐熱性セラミックから
なる支持棒と、小型容器内に収納された試料型とからな
る溶融金属の試料採取装置において、試料型が、少なく
とも任意の形状に溶融金属が充填される中空部分と、該
中空部分へ溶融金属を導く試料導入部と、溶融金属が導
入された場合に中空部分から排気されるガス抜き用小孔
とを有し、且つ小型容器の底部又は側壁に上記試料型の
試料導入部が着脱自在に嵌め込まれる為の開孔部が設け
られ、更に小型容器の上部に小型容器内の空気を外部へ
排気する為の貫通孔が設けられていることを特徴とする
溶融金属の試料採取装置、及びこれを用いた試料採取方
法である。
【0007】
【作用】本発明によれば、溶融金属が凝固した状態のサ
ンプルの取り出しが容易であり、且つ得られるサンプル
形状が従来のものに比べてその足が格段に短く(図4
(a)図示)、サンプリング後に足の切断等の処理を施
すことなく直ちに自動搬送することが可能な形状をして
おり、且つ、一回の操作で複数の分析目的或いは分析装
置に合致した形状の異なるサンプルを同時に得ることが
出来、更に、分析用試料とする場合の試料調製が容易で
ある作業性及び経済性に優れた溶融金属の試料採取装置
が提供される。
【0008】
【実施例】次に、好ましい実施例を挙げて本発明を更に
詳細に説明する。本発明にかかる試料採取装置は、図1
〜図3にその一例を示す如く、蓋付きの小型容器と、該
容器を支える支持棒と、小型容器内に収納される試料型
とからなるが、該試料型は、少なくとも溶融金属が任意
の形状に充填される中空部分と、該中空部分へと溶融金
属を導く試料導入部と、溶融金属が導入された場合に中
空部分から排気されるガスの通り道となるガス抜き用小
孔とを有し、且つ小型容器の底部等に試料型の試料導入
部が着脱自在に嵌め込まれる開孔部が設けられ、更に小
型容器の上部には小型容器内の空気を外部に排気する為
の貫通孔が設けられていることを特徴とする。特に好ま
しくは、小型容器内の空気を外部へ排気する為の貫通孔
が小型容器の上部側壁に設けられ、且つ該貫通孔に空気
の流通路が接続され、該流通路が支持棒内又は支持棒の
近傍に設けられているものである。
【0009】図1は、上記した本発明にかかる試料採取
装置の一例の縦断面図を示したものであるが、該装置は
大略、例えば、着脱自在の蓋付きのカップ状の小型容器
2と、該小型容器2を支え且つ小型容器2を溶融金属の
中へ浸漬させることが可能な比較的長い柄からなる支持
棒3と、小型容器2内に収納される試料型1とからな
る。
【0010】先ず、試料型1について以下に説明する。
試料型1は、少なくとも溶融金属が任意の形状に充填さ
れる中空部分と、該中空部分へと溶融金属を導く試料導
入部と、溶融金属が導入された場合に中空部分から排気
されるガス抜き用小孔とを有していればいずれの形状の
ものでもよいが、具体的には、従来の所謂ロリポップ型
のサンプルを得る場合に使用されているサンプル型の部
分と同様のものが好ましく使用される。例えば、試料型
1は、通常、数mmの鉄板等の金属材料や耐熱性セラミ
ック材料で形成されており、後に該試料型が容易に割れ
て中の試料を容易に取り出すことが出来る様に、例え
ば、図1の平面図に示した様に、2個の左右対称な鉄製
の半割体を組み合わせて構成されているのが好ましい。
しかし、試料型1を構成する部材は、この例の様に2個
の半割体に限定されるわけでは勿論なく、例えば、試料
型の周囲をセラミック等の材料で形成して両側面を鉄板
等の金属で形成し、複合材料からなる3個の分割体で構
成する等、所期の目的を達成し得るものであればいずれ
のものでもよい。
【0011】分割体の形状としては、例えば、上記した
例の如く2個の半割体を組み合わせた際に、溶融金属を
内部へと導入し得る試料導入部7と、溶融金属が凝固し
た際に特定のサンプル型が得られる様な中空部分を構成
する為の凹凸を有し、且つ溶融金属が中空部分に浸入し
てきた際に内部のガスが外へ抜ける為のガス抜き用小孔
12を少なくとも1つ有していればよく、形状は特定さ
れない。例えば、図1に示した様に、所謂ロリポップ型
の試料が得られる態様の試料型1を用いる場合には、試
料導入部7は試料型1の下部に設けておくのが好まし
い。所謂ロリポップ型のサンプルを得る為の試料型1
は、後述する様に中空部分の下部が極めて薄い為、溶融
金属の入っている容器内から引き上げた際に、この部分
が直ちに凝固し始めるので、試料型1の中空部分を、図
4(c)に示した様な、所謂ズンドウのボンブ型等に形
成した場合と異なり、試料導入部7から固まっていない
溶融金属が落下し、得られるサンプルがダレを起こすこ
とがない為である。
【0012】従って、試料型1の中空部分の形状によっ
ては、試料型1に形成する試料導入部7を試料型1の上
部に設けておいてもよい。例えば、試料型1の上部に試
料導入部7を設けて試料型1の上部から中空部分内へと
溶融試料が導入される態様とすれば、試料型1の中空部
分が例えズンドウのボンブ型に形成されていたとして
も、上記した様なダレを起こし、得られるサンプルの一
部がへこんでしまう等の不都合を生じることがない。即
ち、試料型1の試料導入部7は、試料型1の中空部分の
形状との兼ね合いにおいて、適宜な位置及び形状で形成
するのが好ましい。
【0013】又、試料型1の試料導入部7は、内部に石
英管11を内挿し、且つ該石英管11の一方の先端部を
金属又は耐熱性セラミック材料で形成されている試料導
入部7よりも長くして、図1に示されている様に、試料
型1を小型容器2内に収納した場合に、石英管11の先
端が溶融金属内に入る長さとするのが好ましい。この様
な態様としておけば、金属又は耐熱性セラミック材料で
形成されている試料導入部7が溶解することがない。更
に、溶融金属内に置かれる石英管11の先端に、金属製
の蓋4を設けておけば、溶融金属の浴内に試料型1が収
納された小型容器2が浸漬された場合に直ちには試料型
1の中空部分に溶融金属が浸入してくることはなく、溶
融金属浴の上部にあるスラグ部分を通過し、一定のサン
プリング位置に達した際に、石英管11の先端にある金
属製の蓋4が溶け、試料導入部7内に設置されている石
英管11を通じて、試料型1の中空部分へ溶融金属が浸
入して試料採取が行われる。この際、図1に示した様
に、石英管11が適宜な位置に設置される様に、試料型
1の内部にストッパー13を設けておくのも好ましい態
様である。
【0014】試料型1に設けられているガス抜き用小孔
12は、試料型1内に試料導入部7から溶融金属が浸入
してきた場合に、溶融金属と置換されて試料型1の中空
部内部の気体が外部(小型容器内)へと押し出されてく
るが、その際のガスの通り道として設けるものである。
従って、試料型1の中空部分にあるガスが小型容器内へ
と排気されれば、小孔12の形状、個数、或いは試料型
1に設ける小孔12の位置等、いずれも限定されない
が、中空部分に図3に示した様に、試料型1の最頂部に
位置し、少なくとも1つ設けるのが好ましい。しかし、
これに限定されることなく、試料型1の試料導入部7を
設ける位置や中空部分の形状等との兼ね合いにおいて、
所期の目的を達成し得る様に、最適な位置及び形状等で
適宜に形成するのが好ましい。
【0015】試料型1に設けられている中空部分を構成
する為の凹凸形状も、一定量の溶融金属が特定の形状に
充填され得るものであればいずれの形状のものでもよい
が、好ましくは、得られる凝固後の金属サンプルの形状
が、図4(a)に示した様な、少なくとも上下で厚さの
異なる2種類の厚みの盤状のサンプルを採取することの
出来る、所謂ロリポップ型のサンプルが得られる形状と
するのが好ましい。更に、試料型1を割って取り出され
る凝固後のサンプルの表面が平滑となる様に、中空部分
の内面を平滑に形成しておくのが好ましい。即ち、試料
型1を割って得られた凝固後のサンプルは、例えば、発
光分光分析用等の測定用試料とする場合には分析面を研
磨することを要するが、本発明かかる試料採取装置によ
って採取されたサンプル面は平滑である為、かかる分析
面の研磨作業が容易になされる。この結果、試料調製が
短時間に行われ、分析にかかる時間の短縮と労力の削減
が達成される。
【0016】更に、この様な態様の上下で厚さの異なる
2種類の厚みの盤状のサンプルを採取することの出来る
所謂ロリポップ型の試料型1を用いることによって、一
回の操作で各種の分析目的或いは分析装置に合致した異
なる2種類の形状のサンプルを同時に得ることが可能と
なる。即ち、試料型1の中空部分の上部を厚く、下部が
薄くなる様に半割体の凹凸形状を形成しておけば、発光
分光装置等に最適な4〜10mmの厚さの厚い円盤状サ
ンプルと、ガス分析に最適な2〜4mm程度の厚さの薄
い円盤状サンプルの厚さの異なる2種類の形状のサンプ
ルを同時に得ることが出来る。この結果、厚さの厚いサ
ンプルは、表面を軽く研磨して発光分光用の分析試料と
し、厚さの薄いサンプルは、打ち抜き加工してC・S・
Nガス分析用の分析試料とする。この様に構成すること
によって、従来のカップ状の小型容器で溶融金属を汲み
上げてサンプリングした場合の様に、円錐台形状のサン
プルから各種分析用の試料を切り出すといった作業を要
することがない。更に、上記した様に分析面の研磨が容
易であり、且つ得られるサンプルの下部が極めて薄い
為、ガス分析用試料の打ち抜きも簡易なパンチを使用し
て容易にすることが可能であり、サンプリング後に行わ
れる試料調製を短時間に行うことが出来る。この結果、
分析に要する時間の短縮と労力の削減が達成され、製造
システムそのものの円滑な運転が可能となる。尚、本発
明において使用し得る試料型1の中空部分を形成する凹
凸形状として、上記の説明では、試料型1を凝固後に割
った場合に所謂ロリポップ型の試料が得られるものにつ
いて説明したが、例えば、図4(b)及び(c)に示し
た様に、ディスク型及びボンブ型等のサンプルが得られ
るものについても用いられる。更に、これらに限定され
ないのは、勿論である。
【0017】次に、上記の様な構成を有する試料型1が
収納される小型容器2について説明する。本発明にかか
る溶融金属の試料採取装置の構成部材である小型容器2
は、溶融金属浴内に浸漬された場合に直ちには溶解しな
い様に、およそ5〜10mm程度の厚みを有する鉄等の
金属或いは耐熱性セラミック等の材料で作成される。小
型容器2の形状は、図1に示す例ではカップ状をしてい
るが、これに限定されることなく試料型1が都合よく収
納される形状であればいずれのものでもよい。
【0018】試料型1が小型容器2内部に容易に且つ安
定に収納され、更に試料型1の中空部分に溶融金属が円
滑に導入される様にする為には、小型容器2の形状を、
試料型1を収納し易い様に、少なくとも上部が広く開口
された状態とし、且つ試料型1の試料導入部7を挿入す
る為の開孔部8をいずれかの位置に有する形状とする必
要がある。例えば、図1に示した例では、カップ状の小
型容器2の底部中央に開孔部8が設けられており、該開
孔部8に試料型1の下部に設けられている試料導入部7
を着脱自在に嵌め込まれて、試料型1が小型容器2内に
安定に保持されている。又、小型容器2の上部側面に
は、試料型1に設けられている小孔12から出てくるガ
スを外部へと排気することが出来る様に、貫通孔9が形
成されている。貫通孔9は小型容器2の上部であれば、
例えば、以下に述べる蓋の一部に設けてもよいが、この
貫通孔9に連結して、外部の空気中にガスを排気する為
の排気管等からなる流通路を設ける必要がある為、図1
に示した様に、小型容器2の上部側面に設けるのが好ま
しい。
【0019】更に、小型容器2の上部の開口されている
部分は、小型容器2を溶融金属浴内に浸漬させた際に該
開口部から溶融金属が浸入しない様に、密閉された状態
と出来る様に着脱自在の密封可能な蓋が設けられている
ことを要する。該蓋は、小型容器2と同様の材料で形成
され、且つ試料型1を収納した後にセメント等で接着さ
れる。この様な態様としておけば、溶融金属浴内に小型
容器2を浸漬させた場合に、蓋が外れて溶融金属が小型
容器2内に上部から浸入することがない一方、試料型1
の中空部分に充填された溶融金属が引き上げられて冷却
された後に、図2に示した様に、小型容器2を逆さにし
た場合に、蓋が容易に外れて落下し、これと共に金属が
充填されている試料型1が小型容器2内から容易に落下
する。この結果、溶融金属が凝固した状態のサンプルを
容易に得ることが出来る。
【0020】次に、本発明にかかる試料採取装置を構成
する支持棒3について説明する。上記した内部に試料型
1が収納された小型容器2は、支持棒3によって支持さ
れているが、該支持棒3は、手或いは自動試料採取装置
の場合にはロボットの手によって保持されて、溶融金属
が入っている浴の上まで小型容器2を移動し、続いて支
持棒3を下方へ移動させることによって小型容器2が溶
融金属浴内へと浸漬される。この結果、浴中の溶融金属
が小型容器2内に収納されている試料型1の中空部分へ
と導入される。
【0021】支持棒3は、カップ状の小型容器2と同様
に、鉄等の金属或いは耐熱性セラミック等の材料からな
り、その形状は、図1及び図2に図示した様に、中実棒
状であってもよいし、内部が中空の管状のものであって
もよい。試料型1の上部にある小孔12から排気されて
くるガスは、カップ状の小型容器2の上部に設けられて
いる貫通孔9からこれに接続されている流通路を通じ
て、外部の空気中に排気される様にする。この際、流通
路を支持棒3内又は支持棒3の近傍に設ける様にするの
が好ましい。例えば、図3に示した様に、支持棒3を管
状にして支持棒内に流通路を設け、貫通孔9を通ったガ
スが支持棒の内部を通って空気中へと容易に排気される
様にすれば、別個に専用の排気管を設ける必要がなく、
装置の構成を簡略に出来る為、好ましい。
【0022】又、ガスを空気中へと排気する別の好まし
い方法としては、図1に示した様に、中実の支持棒3の
周囲に厚手の紙で形成された紙管10を設けておき、該
紙管10の径を支持棒3の径よりも大きくしておくこと
によって、紙管10と支持棒3との間に隙間を作り、且
つこの隙間の上部が空気中に存在する様に紙管10と支
持棒3とを構成し、更に紙管10の一部に貫通孔9に連
結される孔を設ければ、紙管10と支持棒3との間の隙
間がガスの流通路となり、ガスを空気中へと容易に排気
させることが出来る。この際に使用する紙管10として
は、溶融金属浴内に浸漬された場合に、直ちに燃えたり
溶融金属が飛び散らない様にする為、1〜5mm程度の
ボール紙等の紙で形成し、更に、紙管10の表面に耐熱
性のセラミックを塗布しておくのが好ましい。この様な
構成とすれば、支持棒3に特別の加工を要することもな
く、且つ支持棒3の強度が損われることなく簡易な試料
採取装置とすることが出来る。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、凝固したサンプルの取
り出しが容易であり、且つ得られたサンプルの後処理で
ある、例えば、分析用試料の切り出し、試料の打ち抜
き、湯道の切断或いは分析面の研磨等の試料調製を容易
にすることが出来、更には一回の操作で各種の分析目的
或いは分析装置に合致した形状の異なるサンプルを同時
に得ることの出来る、サンプリングの自動化に適し且つ
作業の省力化を達成し得る簡便な溶融金属の試料採取装
置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる溶融金属の試料採取装置の一例
を示す縦断面図である。
【図2】本発明にかかる溶融金属の試料採取装置によっ
てサンプルを採取した後、サンプルを取り出す場合の概
念図である。
【図3】本発明にかかる溶融金属の試料採取装置の別の
例を示す縦断面図である。
【図4】本発明にかかる溶融金属の試料採取装置で得ら
れるサンプルの形状の例を示す図である。
【図5】従来の溶融金属の試料採取装置の例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
1:試料型 2:小型容器 3:支持棒 4:金属製の蓋 5:蓋 6:へこみ 7:試料導入部 8:開孔部 9:貫通孔 10:紙管 11:石英管 12:小孔 13:ストッパー
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−46788(JP,A) 特開 昭63−32370(JP,A) 実開 昭63−81253(JP,U) 実開 平2−91962(JP,U) 実開 昭61−199671(JP,U) 実開 昭62−32367(JP,U) 実開 平3−88161(JP,U)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着脱自在の蓋を有する金属或いは耐熱性
    セラミックからなる小型容器と、該容器を支える金属或
    いは耐熱性セラミックからなる支持棒と、小型容器内に
    収納された試料型とからなる溶融金属の試料採取装置に
    おいて、試料型が、少なくとも任意の形状に溶融金属が
    充填される中空部分と、該中空部分へ溶融金属を導く試
    料導入部と、溶融金属が導入された場合に中空部分から
    排気されるガス抜き用小孔とを有し、且つ小型容器の底
    部又は側壁に上記試料型の試料導入部が着脱自在に嵌め
    込まれる為の開孔部が設けられ、更に小型容器の上部に
    小型容器内の空気を外部へ排気する為の貫通孔が設けら
    れていることを特徴とする溶融金属の試料採取装置。
  2. 【請求項2】 小型容器内の空気を外部へ排気する為の
    貫通孔が小型容器の上部側壁に設けられ、且つ貫通孔に
    空気の流通路が接続され、更に該流通路が支持棒内又は
    支持棒の近傍に設けられている請求項1に記載の溶融金
    属の試料採取装置。
  3. 【請求項3】 空気の流通路が支持棒内部又は中実の支
    持棒と該支持棒の周囲に配置された支持棒の径よりも大
    きい紙管との間に設けられている請求項2に記載の溶融
    金属の試料採取装置。
  4. 【請求項4】 試料導入部が、金属又は耐熱性セラミッ
    ク材料で形成されて試料型の下部又は上部に設けられて
    おり、且つ該試料導入部の内部に石英管が内挿され、該
    石英管の一方の先端部が金属又は耐熱性セラミック材料
    で形成されている試料導入部よりも長く、溶融金属内に
    該石英管先端部が入る長さを有し、更に該先端部に金属
    製の蓋が設けられている請求項1に記載の溶融金属の試
    料採取装置。
  5. 【請求項5】 溶融金属が充填される為の試料型の中空
    部分が2個の半割体又は3個以上の分割体で形成されて
    いる請求項1に記載の溶融金属の試料採取装置。
  6. 【請求項6】 試料型の中空部分の厚みが少なくとも上
    下で異なる請求項1に記載の溶融金属の試料採取装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の溶融金属の試料採取装
    置の小型容器を溶融金属中に浸潰させ、小型容器内に収
    納されている試料型の試料導入部から試料型の中空部分
    に溶融金属を侵入させて該中空部分を溶融金属で満たし
    た後、溶融金属の入っている容器内から該小型容器を引
    き上げ、冷却後、小型容器を逆転させて溶融金属が充填
    されている試料型を小型容器の蓋と共に小型容器内から
    落下させて試料を取り出すことを特徴とする溶融金属の
    試料採取方法。
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