JP2793131B2 - 溶融金属の試料採取装置及び溶融金属のサンプリング方法 - Google Patents

溶融金属の試料採取装置及び溶融金属のサンプリング方法

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JP2793131B2
JP2793131B2 JP6191342A JP19134294A JP2793131B2 JP 2793131 B2 JP2793131 B2 JP 2793131B2 JP 6191342 A JP6191342 A JP 6191342A JP 19134294 A JP19134294 A JP 19134294A JP 2793131 B2 JP2793131 B2 JP 2793131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属の試料採取装
置に関し、特に、所謂ロリポップ型等のディスク型凝固
サンプルが得られる吸引方式又は押し込み方式で溶融金
属を採取する溶融金属の試料採取装置及び溶融金属のサ
ンプリング方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、製鋼過程においては、溶融状
態の金属をサンプリングし、発光分光分析による金属成
分の組成分析、或いはC・S・N等のガス分析を行うこ
とによってプロセス管理及び製品管理が行われている。
この際に使用される溶融金属の試料採取装置としては種
々のものが知られている。例えば、溶融金属を採取する
為の中空部分を有する2個の金属製等の半割体を備えた
試料採取装置を使用し、該中空部内に溶融金属を導入し
た後、凝固させ、特定の形状の金属塊を取り出すことに
よって種々の分析目的或いは分析装置に合致した形状の
ディスク型サンプルを得る各種の試料採取装置が知られ
ている(特開昭63−32370号公報、特開平3−1
07763号公報等)。当該装置では、中空部分の形状
を工夫することにより、例えば、ロリポップ型と呼ばれ
ている試料の様に、発光分光分析用の厚手のディスク型
サンプルとC・S・Nのガス分析用の薄手のディスク型
サンプルという様に、形状の異なるサンプルを同時に取
り出すことも可能である。
【0003】しかしながら、上記の様なディスク型サン
プルが得られる装置で溶融金属を採取する場合には、溶
融金属浴上部にあるスラグ層を避けスラグ層の下側の溶
融金属を採取する為、試料型内へ溶融金属を導く為の導
管をかなり長くしなければならず、中空部分に至る試料
の導入部(道管内)に存在する溶融金属が凝固して長い
導入路(湯道)として残ってしまい、ロリポップ型形状
等のディスク型凝固金属サンプルの下部には、図6
(b)に示した様な長い棒状の凝固金属部分(以下、足
部分という)が連結された状態で試料が得られるという
問題がある。即ち、分析用試料調製の際には、この足部
分を切断しなければならず、その為に、切断装置が別途
必要となる等、試料調製作業が煩雑であった。更に、日
常のプロセス管理等を行う為には、試料採取装置で得ら
れた凝固金属サンプルを迅速に分析し、その分析結果を
製造条件の設定値の決定等の為に直ちに製造現場にフィ
ードバックして、プロセス管理や製品管理が行われてい
るが、上述の足部分の切断に時間を要する為、迅速な分
析が困難となり、生産ラインそのものの作業性が損なわ
れるという問題もある。更に、近年では、日常のプロセ
ス管理等を行う為に試料採取装置を自動化し、サンプリ
ング作業を省力化することが行われているが、この様な
場合に、得られたサンプルは気送等の手段によって、自
動的に各種の自動分析機器等の場所に迅速に搬送されて
分析に供される。しかし、上記した様な長い足部分を有
する試料の場合は、搬送用のコンテナに入れる時点で足
部分を切断機等で切断しなければならない為、自動化が
困難であるという問題もあった。更に、特に吸引方式で
サンプリングを行う場合には、吸引する為のエアーガン
や真空ポンプ等の装置を溶融浴のある現場まで持参しな
ければならず、簡易にサンプリングを行うことが出来な
いという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記した従来のロリポップ型等のディスク型凝固サ
ンプルが得られる溶融金属の試料採取装置を改良し、溶
融金属のサンプル採取に関して、スラグ層の下側にある
溶融金属中から分析用の良好なサンプルを採取すること
が出来、且つ分析用の試料調製に際して短時間に、且つ
切断機等の特別の装置を用いることなくディスク型凝固
サンプルと足部分の連結部を容易に分離をすることが出
来、更に、サンプル採取後に必要とする凝固サンプルの
みを取り出し、直ちに気送等の手段により搬送すること
も可能な、サンプリングの自動化にも適し且つ作業の省
力化を達成し得る優れた溶融金属の試料採取装置を提供
することにある。更に、本発明の別の目的は、吸引方式
でサンプリングを行う場合にも簡易な設備で容易に行う
ことが出来る溶融金属の試料採取装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決する為の手段】上記の目的は、下記の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、溶融金属が任
意の形状に充填される中空部分と、該中空部分へ溶融金
属を導く試料導入口と、通気孔とを少なくとも有する試
料型、該試料型の上記試料導入口内に一端が挿設され、
且つ他端が試料採取時に溶融金属中に浸漬されるように
構成された導管、及び上記の試料型及び導管を内部に固
定保持するための筒体とからなる溶融金属の試料採取装
置において、試料採取時に導管のみが溶融金属中に浸漬
し、且つ、導管の長さが、溶融金属の上部に浮遊するス
ラグ層の下部のスラグを含まない溶融金属中に導管の先
端が位置するように構成されており、更に、試料型の試
料導入口内にある導管の先端部に、導管の内径よりも細
い形状の凝固金属部分を形成するための孔が設けられて
いることを特徴とする溶融金属の採取装置、及び溶融金
属のサンプリング方法である。
【0006】
【作用】本発明者らは、上記従来技術を解決すべく鋭意
研究の結果、本発明の構成によれば、試料採取が容易で
あるにもかかわらず、試料型の中空部分に形成されるデ
ィスク型凝固サンプルと、導管内に留まった溶融金属が
凝固して上記のサンプル部分に繋がって形成された足部
分との連結部分が、従来の装置によって得られるサンプ
ルより格段に細い為、ディスク型の凝固サンプルと足部
分との連結部分を何等特別の装置を要せずに簡便に分離
をすることが出来る。その結果、分析用の試料調製を短
時間に簡潔にすることが出来、更に、溶融金属サンプル
を採取後に直ちに気送等の手段により搬送することも可
能な、サンプリングの自動化にも適し且つ作業の省力化
を達成した簡便な溶融金属の試料採取装置が提供される
ことを知見して本発明に至った。更に、吸引方式でサン
プリングを行う場合に、上記の溶融金属の試料採取装置
に組み合わせて、真空ポンプ等と切り離して使用するこ
とが可能な簡易な減圧タンクを使用すれば、いかなる場
所及びいかなる状況下でサンプリングを行う場合であっ
ても、軽装備でサンプリング作業を容易に行うことが出
来ることを知見して本発明を達成した。
【0007】
【実施例】本発明にかかる溶融金属の採取装置は、溶融
金属が任意の形状に充填される中空部分と、該中空部分
へと溶融金属を導く試料導入口と、通気孔とを少なくと
も有する試料型、該試料型の試料導入口に一端が内挿さ
れ、且つ他端が溶融金属中に浸漬される導管、及び内部
に試料型及び導管とを固定保持する筒体とからなる溶融
金属の試料採取装置において、導管の試料導入口側の先
端近傍に溶融金属側の導管先端部の内径よりも径の小さ
い、導管の内径よりも細い形状の凝固金属部分を形成す
るための孔が形成されていることを特徴とする。
【0008】以下、具体例について図面を参照しながら
説明する。図1は、本発明にかかる試料採取装置20の
断面図である。先ず、該装置は、大きくは試料型2と、
該試料型2の試料導入口4に一端が内挿された導管1
と、試料型2の周囲に設けられた筒体3とから構成され
る。
【0009】先ず、試料型2について以下に説明する。
試料型2は、少なくとも溶融金属が任意の形状に充填さ
れる中空部分6と、該中空部分6へと溶融金属を導く試
料導入口4と、通気孔7とを有していればいずれの形状
のものでもよい。試料型2は、通常、数mm厚の鉄板等
の金属材料や耐熱性セラミック材料で形成されており、
溶融金属が凝固後に該試料型が容易に割れて中の試料を
容易に取り出すことが出来る様に、例えば、2個の左右
対称な鉄製の半割体を組み合わせて構成されているのが
好ましい。しかし、試料型2を構成する部材は、この例
の様に2個の半割体に限定されるわけでは勿論なく、例
えば、試料型2の周囲をセラミック等の材料で形成して
両側面を鉄板等の金属で形成し、複合材料からなる3個
の分割体で構成する等、所期の目的を達成し得るもので
あればいずれのものでもよい。
【0010】試料型2に設けられている中空部分6を構
成する為の凹凸形状は、一定量の溶融金属が特定の形状
に充填され得るものであればいずれの形状のものでもよ
く、目的とするサンプル形状に合わせて適宜に凹凸を形
成したものを用いる。例えば、図5(a)のロリポップ
型のサンプルを得る為には、上部の中空部分が厚く、且
つ下部の中空部分が極めて薄くなる様に試料型2の凹凸
を形成し、図5(b)のディスク型のサンプルを得る為
には、中空部分6が一様な厚さとなる様に凹凸を形成す
る。中でも、少なくとも上下で厚さの異なる2種類の厚
みの盤状のサンプルを採取することの出来る、所謂ロリ
ポップ型のサンプルが得られる形状とするのが好まし
く、更に、試料型2を割って取り出される凝固後のサン
プルの表面が平滑となる様に、中空部分6の内面を平滑
に形成しておくのがより好ましい。
【0011】例えば、試料型2の中空部分6の上部を厚
く、下部が薄くなる様に半割体の凹凸形状を形成してお
けば、発光分光装置等に最適な4〜10mmの厚さの厚
い円盤状サンプルと、ガス分析に最適な2〜4mm程度
の厚さの薄い円盤状サンプルといった、厚さの異なる2
種類の形状のサンプルを1回のサンプリング操作で同時
に得ることが出来る。更に、試料型2を割って得られた
凝固後のサンプルは、例えば、発光分光分析用等の測定
用試料とする場合には分析面を研磨することを要する
が、本発明にかかる試料採取装置によって採取されたサ
ンプル面は平滑である為、かかる分析面の研磨作業が容
易になされる為、厚さの厚いサンプルは、表面を軽く研
磨して発光分光用の分析試料とすることが出来る。又、
厚さの薄いサンプルは、そのまま簡易なパンチを使用し
て容易に打ち抜き加工して、C・S・Nガス分析用の分
析試料とすることが出来る。即ち、この様に構成するこ
とによって、一回の操作で各種の分析目的或いは分析装
置に合致した異なる2種類の形状のサンプルを同時に得
ることが可能となる結果、分析用の試料調製が短時間に
行われ、分析にかかる時間の短縮と労力の削減が達成さ
れ、製鋼等の製造システムそのものの円滑な運転が可能
となる。
【0012】又、試料型2の試料導入口4は、中空部分
6に連続して設けられているものであり、内部に石英管
等からなる導管1を挿設することが出来、且つこの試料
導入口4部分で試料型2全体を、後述する筒体3内に固
定保持し得るものであればいずれの形状であってもよ
い。尚、導管1の先端が試料型2の試料導入口4の適宜
な位置に、即ち、ディスク型サンプルの直下に設置され
る様に、試料型2の内部に導管1の先端部のストッパー
を設けておくのも好ましい態様である。
【0013】試料型2に設けられている通気孔7は、試
料型2の中空部分6内に溶融金属を導入させる為に必要
なものである。即ち、サンプリングを吸引方式で行う場
合には、例えば、筒体3の上部開口部に吸引口を作り、
該吸引口を真空ポンプや吸引装置に繋げ、真空ポンプ等
を作動させることによって、筒体3内を減圧にすること
によって、該通気孔7は、吸引用の小孔となり、通気孔
7を通じて中空部分6を減圧状態にし、導管1を通じて
中空部分6への溶融金属の浸入を可能とする。又、サン
プリングを押し込み方式で行う場合には、導管1を通じ
て中空部分6へ溶融金属が浸入してきた場合に、溶融金
属の浸入に伴って通気孔7から徐々に空気が排気されて
ゆき、中空部分6に溶融金属が良好に充填される。この
様な機能を有する通気孔7の形状、個数、或いは試料型
2に設ける通気孔7の位置等、いずれも限定されない
が、図1に示した様に、試料型2の最頂部に少なくとも
1つ以上、例えば、内径1〜3mm程度の孔を設けるの
が好ましい。しかし、これに限定されることなく、中空
部分6の形状、減圧手段等との兼ね合いにおいて、所期
の目的を達成し得る様に、最適な位置及び形状等で適宜
に形成するのが好ましい。
【0014】上記した試料型2の下部に設けられている
試料導入口4内に挿設される導管1は、試料型2の中空
部分6内へと溶融金属を導入する為のものであるが、こ
の導管1は好ましくは石英ガラス管の様な耐熱性材料か
ら作製される。導管の形状としては、溶融金属の上部に
浮遊するスラグ部分の下部にある溶融金属を、試料型2
の中空部分6内へと吸引すること等によって導くことが
出来るものであればいかなるものでもよい。例えば、内
径は、好ましくは5〜15mmであり、管の肉厚は、1
〜3mm程度とし、管の長さは、スラグの厚さにもよる
が、15〜25cm程度で構成するのが好ましい。又、
導管の溶融金属に浸漬される側には、スラグ層を通過す
る際に、スラグが導管内に入り込んでこない様にキャッ
プ8が装着されている。該キャップの材質としては、
0.1〜0.5mm程度の厚みの鋼板や厚紙等が用いら
れ、溶融金属がサンプリングされる適宜な位置に導管1
が置かれた場合に、キャップ8が溶け、その結果、溶融
金属が導管1内を通じて試料型2の中空部分6内へと導
入される。
【0015】本発明においては、上記した様な導管1の
試料導入口4側の先端近傍に、溶融金属側の導管先端部
の内径よりも径の小さい孔5が形成されていることを特
徴とする。例えば、図2(a)及び(b)に示した様
に、試料型2側の導管の先端が1以上、例えば、1〜4
個、好ましくは2〜3個の小孔5を設けて封じられた
り、図2(c)に示した様に、試料導入口側の導管の先
端近傍、例えば、導管の先端から1cm程度の位置の導
管1を加熱することによって絞り、その部分の内径が細
くなる様に構成する。しかし、これらの方法に限定され
ず、例えば、導管1の先端近傍に目皿状の小孔を設けて
もよい(図示なし)。
【0016】上記した導管1の上部近傍に設けられる小
孔5の内径及び孔の長さとしては、該小孔5内を溶融金
属が容易に通ることが出来、試料型2の中空部分6内を
溶融金属で一杯に満たすことが可能であり、且つサンプ
リング終了後、金属が凝固した後に、試料型2及び導管
1を割って試料を取り出した場合に、この小孔5の部分
に形成される凝固金属の細い棒が、何等特別の切断装置
を使用することなく、素手で或いは金槌で軽く叩く程度
で容易に折れるものであれば、いずれにも限定されな
い。例えば、小孔の内径を1.0〜3mm程度、好まし
くは、1.5〜2mm程度とし、小孔の長さを、0.5
〜8mm、好ましくは2〜3mm程度とする。
【0017】この様に構成すれば、試料型2によって得
られるディスク型のサンプルと導管1内に留まった溶融
金属によって得られる金属棒(足)との連結部分が、図
5に示した様に、径が2mm程度で長さが2〜3mm程
度の格段に細い金属棒状となる為、何ら特別の切断装置
を要することなく、素手等でディスク型のサンプル部分
と足部分との連結部分を容易に切断することが出来、両
者を迅速且つ容易に分離することが可能である。即ち、
小孔5の内径を1mmより小さくすると、溶融金属が通
りにくくなってしまいサンプリングが困難となる。一
方、3mmより大きくすると、形成される連結部分が太
くなり、素手等で切断するのが困難となる為、好ましく
ない。尚、図2(c)に示す様に、加熱等により導管1
の内径をしぼった場合には、しぼった部分の最小径が、
1.0〜3mm程度、好ましくは、1.5〜2mm程度
となっていればよい。
【0018】上記した様な試料型2と導管1とは、図1
に示した様に、組み合わされて全体が固定保持される様
に、試料型2の周囲を取り巻く筒体3内に装着される。
筒体3は、例えば、1〜5mm程度の厚さのボール紙等
の紙やガラス繊維等のセラミックを含有させた材料で形
成され、試料型2の周囲を取り巻く程度の径の筒体が用
いられる。図1に示した様に、この様な筒体3内に鋳物
砂の様な耐熱性材料からなる固定具9を用いて、試料型
2と導管1とが組み合わされた形で固定保持されて本発
明にかかる試料採取装置が形成される。又、この際に、
図1に示した様に、試料型2の試料導入口4の周囲に紙
管等の筒体を設け、試料型2を構成する分割体をしっか
りと組み合わせ拘束した状態で支持させて、サンプリン
グした場合に分割体の合わせ目が緩み、合わせ目から溶
融金属が出てくることが生じない様にして、固定具9内
に埋め込んで形成するのが好ましい。
【0019】更に、固定具9の外側に耐熱セメント等を
用い耐熱シール10を設けておけば、溶融金属からの熱
気に耐えることが出来、且つサンプリングを筒体3上部
からの吸引方式で行う場合には固定具9の隙間を通して
空気が入らない為、筒体3内が充分に減圧されるので好
ましい。又、サンプリングを溶融金属浴内に試料採取装
置を浸漬させて、試料型2の中空部分6内に溶融金属を
押し込んでサンプリングが行われる場合には、筒体3が
直ちに燃えたり溶融金属が飛び散らない様にする為、筒
体3の表面にも耐熱性セラミック層(不図示)を塗布形
成しておくのが好ましい。
【0020】本発明にかかる溶融金属の採取装置は、基
本的には上記した様な構成を有するが、使用に際して下
記に述べる様な特有の減圧タンクと組み合わせて用いれ
ば、いかなる場所及びいかなる状況下においても簡便に
溶融金属の良好な分析用サンプルを採取することが可能
となる。特に、本発明にかかる溶融金属の採取装置にお
いては、得られるディスク型の凝固サンプルと足との連
結部分を細くする為に、導管1の先端部を細く構成して
いるので、図6(a)に示した様な、一定の内径を有す
る従来の導管を用いた装置の場合よりも、溶融金属が試
料型2の中空部分6へと入りにくい為、吸引式でサンプ
リングするのが好ましい。
【0021】本発明で使用する減圧タンクは、図3
(a)に示す様な構造を有するものである。図を参照し
ながら説明すると、本発明で使用する減圧タンクは、減
圧状態を保持し得る一定の容量を有し、且つ出口と入口
とを有する減圧タンク室と、該タンク室内の真空度を測
定する為のゲージと、タンク室の出口近傍及び入口近傍
に夫々設けられた空気の流れを遮断する為のバルブとを
有し、一方のバルブの先に試料採取装置の筒体に密着し
て嵌め込まれる形状の吸引口が設けられているが、該吸
引口の先端部は、着脱自在の少なくとも耐熱性網部と耐
熱性繊維部とからなるフィルタで構成されており、且つ
他方のバルブの先に真空ポンプ又は吸引装置に着脱自在
に接続される為の接続具が設けられていることを特徴と
する。
【0022】本発明で使用する減圧タンクを構成する減
圧タンク室の容量は、本発明にかかる試料採取装置の試
料型2の中空部分6の容積及び筒体3の長さや径、及び
真空度から算出して適宜の容量とする。例えば、40〜
50φ×500〜600mm程度とするのが好ましい。
又、試料採取装置の筒体に密着して嵌め込まれる形状を
有する吸引口は、図3(b)にその拡大図を示したが、
試料採取装置の筒体に密着して嵌め込まれる嵌合部とそ
の先端にあるフィルタ部とからなる。図に示す様に、フ
ィルタ部は、鋼やステンレス製等からなるの耐熱性網の
間に、通常スチール製タワシ等に使用されているスチー
ルウールや、石英ウールやガラスウールといった耐熱性
繊維を充填して構成される。この様なフィルタ部は、嵌
合部に着脱自在に設けられている。
【0023】上記の様な構造の減圧タンクは、図4に示
す様に、本発明にかかる試料採取装置の筒体3の上部に
ある開口部に、減圧タンクの吸引口の嵌合部が密着して
嵌め込まれて接続され、減圧タンクの反対側には、真空
ポンプや吸引装置が着脱自在の接続具を介して接続され
る。この様に接続後、先ず、真空ポンプ等を作動させな
がら真空ポンプ側のバルブAを開ける。しばらくそのま
まの状態で真空ポンプを作動させ続け、ゲージで減圧タ
ンク室が減圧されたのを確認した後、バルブAを閉じ
る。次に、試料採取装置側のバルブBを開けることによ
って、試料採取装置の筒体3内を減圧にすると、通気孔
7を介して試料型2の中空部分6内が減圧状態となる
為、溶融金属が導管1内を上昇し、中空部分6内に一杯
となるまで溶融金属が充填される。尚、バルブBは、作
業者の安全を考慮すると、試料採取装置から1.5〜2
m程度の位置にバルブBを設けて置くのが好ましい。
【0024】この際、バルブBを有する吸引パイプの先
端の先には上記した構造のフィルタが設けられている
為、溶融金属をサンプリングした場合に、吸引ガス中に
含まれる溶融金属や浮遊物がこのフィルター部分に捕捉
されるので吸引パイプが目詰りを起こすことがなく、サ
ンプリング作業が円滑に行われる。又、サンプリング作
業終了後にフィルタが目詰りを生じた場合には、上記し
た様に、フィルタ部が嵌合部に着脱自在に構成されてい
る為、フィルタ部を取り外し、耐熱性網及び耐熱性繊維
を交換することによって常に良好な状態での吸引方式に
よるサンプリング作業が達成される。
【0025】更に、本発明で使用する減圧タンクの減圧
操作は、サンプリング時に行わずに、試料採取装置の導
管1を溶融浴内に浸漬する前に行っておいてもよい。従
って、本発明で使用する減圧タンクは、真空ポンプや吸
引装置と切り離した形で使用することが出来る。即ち、
サンプリング場所に真空ポンプや吸引装置があれば、こ
れに減圧タンクを接続して上記した様な操作を行うこと
により試料採取を行えばよいが、真空ポンプや吸引装置
がサンプリング場所にない場合にも、サンプリングに出
かける前に減圧タンクを減圧状態とし、この状態の減圧
タンクを溶融浴のあるサンプリング現場へと持参するの
みで容易吸引方式で試料を採取することが可能となる。
この様に、本発明にかかる減圧タンクを使用すれば、サ
ンプリング現場へと真空ポンプを持ち込む必要がない
為、サンプリングに要する装備を軽備なものとすること
が出来、更に、サンプリング現場内に真空ポンプ等から
の接続ホースを長く引き込む必要がない為、いかなるサ
ンプリング場所においても簡便に吸引方式で溶融金属試
料を採取することが可能となる。尚、本発明で使用する
減圧タンクは、本発明にかかる溶融金属の採取装置に使
用するのが特に好ましいが、これに限定されるわけでは
なく、溶融金属を吸引方式で採取する場合に、他の構成
を有する試料採取装置においても好ましく使用すること
が出来る。
【0026】又、本発明にかかる溶融金属の試料採取装
置を、本発明で使用する減圧タンクの構成部材である吸
引口とこれに繋がったバルブBを有する耐圧性の吸引パ
イプのみを使用し、該吸引パイプの他端を真空ポンプに
接続し、真空ポンプの近傍に必要な圧力をセットし得る
圧力スイッチを設けた態様でも、良好な溶融金属のサン
プリングが可能である。即ち、吸引口の嵌合部を、試料
採取装置の筒体に嵌め込み、バルブBを閉じた状態で真
空ポンプのスイッチを入れ、圧力スイッチの電磁弁が閉
じて真空ポンプが止まるまで作動させて、耐圧性の吸引
パイプ内の空気を排気させる。ポンプが停止したら、本
発明にかかる試料採取装置の導管1の部分を溶融金属内
に浸漬させ、導管の先端が溶融金属浴の所定の位置まで
浸漬されたら、バルブBのコックを開き吸引を開始して
サンプリングを行えば、パイプが目詰りを起こすことな
く安定したサンプリング操作が可能となる。この場合
に、特に、耐圧性の吸引パイプとして、長いパイプがコ
イル上に巻かれたコイル式のパイプを使用すれば、持ち
運びに便利であるし、サンプリング時に長いパイプが床
を這うことがなく、安全性にも優れる為、好ましい。
【0027】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、一回
の操作で各種の分析目的或いは分析装置に合致した形状
の異なるサンプルを同時に得ることの出来、且つスラグ
層の下側の溶融金属中から良好な分析用サンプルを採取
することが出来るのみならず、更に、得られるディスク
型の凝固金属サンプルとこれに連結されている足部分と
の連結部分を何等特別の装置を要せずに切断し、両者を
容易に分離をすることが出来る為、分析用試料の試料調
製を短時間に簡便に行うことが出来、且つ溶融金属サン
プルを採取後、直ちに気送等の手段により搬送すること
も可能となる為、作業の省力化が達成され、且つサンプ
リングの自動化にも適した簡便な溶融金属の試料採取装
置が提供される。更に、本発明によれば、吸引方式でサ
ンプリングを行う場合に、上記の溶融金属の試料採取装
置に組み合わせて、真空ポンプ等と切り離して使用する
ことが可能な簡易な減圧タンクを使用することによっ
て、いかなる場所或いはいかなる状況下でも、サンプリ
ング作業を円滑に且つ容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる溶融金属の採取装置の一例を示
す縦断面図である。
【図2】本発明にかかる溶融金属の採取装置の導管の先
端近傍の形状の例示である。
【図3】本発明で使用する減圧タンクの断面図である。
【図4】本発明にかかる溶融金属の採取装置と減圧タン
クとの接続状態を示す断面図である。
【図5】本発明にかかる溶融金属の採取装置によって得
られるディスク状の凝固金属のサンプルを示す図であ
る。
【図6】従来の溶融金属の採取装置の例を示す縦断面図
である。
【符号の説明】
1:導管 2:試料型 3:筒体 4:試料導入口 6:中空部分 7:通気孔 8:キャップ 9:固定具 10:耐熱シール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−32370(JP,A) 特開 昭56−18287(JP,A) 実開 昭54−91193(JP,U) 実開 昭63−81253(JP,U) 実開 平3−88161(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属が任意の形状に充填される中空
    部分と、該中空部分へ溶融金属を導く試料導入口と、通
    気孔とを少なくとも有する試料型、該試料型の上記試料
    導入口内に一端が挿設され、且つ他端が試料採取時に溶
    融金属中に浸漬されるように構成された導管、及び上記
    の試料型及び導管を内部に固定保持するための筒体とか
    らなる溶融金属の試料採取装置において、試料採取時に
    導管のみが溶融金属中に浸漬し、且つ、導管の長さが、
    溶融金属の上部に浮遊するスラグ層の下部のスラグを含
    まない溶融金属中に導管の先端が位置するように構成さ
    れており、更に、試料型の試料導入口内にある導管の先
    端部に、導管の内径よりも細い形状の凝固金属部分を形
    成するための孔が設けられていることを特徴とする溶融
    金属の採取装置。
  2. 【請求項2】 試料導入口側の導管の先端部が、導管の
    内径よりも小さい1以上の孔を残して封じられている請
    求項1に記載の溶融金属の試料採取装置。
  3. 【請求項3】 試料導入口側の導管の先端近傍の導管の
    内径がしぼられて、導管の内径よりも径の小さい孔が形
    成されている請求項1に記載の溶融金属の試料採取装
    置。
  4. 【請求項4】 試料型の中空部分の厚さが少なくとも上
    下で異なる請求項1に記載の溶融金属の試料採取装置。
  5. 【請求項5】 更に、減圧状態を保持し得る一定の容量
    を有し、且つ出口と入口とを有する減圧タンク室と、該
    タンク室内の真空度を測定する為のゲージと、タンク室
    の出口近傍及び入口近傍に夫々設けられた空気の流れを
    遮断する為のバルブとを有する減圧タンクにおいて、一
    方のバルブの先に試料採取装置の筒体に密着に嵌め込ま
    れる形状の吸引口が設けられており、且つ該吸引口が先
    端に着脱自在に構成されている少なくとも耐熱性網部と
    耐熱性繊維部とからなるフィルタ部を有し、更に、他方
    のバルブの先に真空ポンプ又は吸引装置に着脱自在に接
    続される接続具が設けられている請求項1に記載の溶融
    金属の試料採取装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の溶融金属の試料採取装
    置が使用されていることを特徴とする溶融金属のサンプ
    リング方法。
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