JP3465898B2 - 金属溶湯の熱分析用試料採取容器 - Google Patents
金属溶湯の熱分析用試料採取容器Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属の溶湯の熱分
析用試料容器に関し、更に詳しくは、鋳鉄やアルミニウ
ムもしくはその合金などの鋳物を鋳造する際にその組織
を炉前で熱分析するための試料採取容器で、いわゆるプ
ローブ型と称される採取容器に関する。
析用試料容器に関し、更に詳しくは、鋳鉄やアルミニウ
ムもしくはその合金などの鋳物を鋳造する際にその組織
を炉前で熱分析するための試料採取容器で、いわゆるプ
ローブ型と称される採取容器に関する。
【０００２】
【従来の技術】鋳鉄、あるいはアルミニウムまたはその
合金等の軽金属を鋳造するに当たって、その溶湯の組織
を炉前で調査する方法として、温度センサを備えた熱分
析用試料採取容器に溶湯を注入し、その冷却曲線を温度
センサの出力から得る方法が一般に採用されている。
合金等の軽金属を鋳造するに当たって、その溶湯の組織
を炉前で調査する方法として、温度センサを備えた熱分
析用試料採取容器に溶湯を注入し、その冷却曲線を温度
センサの出力から得る方法が一般に採用されている。
【０００３】この種の採取容器としては、上端に開口部
を有する試料室を備えた有底の略円筒形状を有する耐熱
性材料からなる容器本体に、試料室の底壁を貫通して熱
電対などの温度センサを試料室内に臨ませた、いわゆる
カップ型のものが多用されている。このカップ型の採取
容器においては、金属を溶解させた炉からその溶湯を取
鍋もしくは柄杓を用いて採取容器内に注入する。
を有する試料室を備えた有底の略円筒形状を有する耐熱
性材料からなる容器本体に、試料室の底壁を貫通して熱
電対などの温度センサを試料室内に臨ませた、いわゆる
カップ型のものが多用されている。このカップ型の採取
容器においては、金属を溶解させた炉からその溶湯を取
鍋もしくは柄杓を用いて採取容器内に注入する。
【０００４】この種の採取容器として、また、以上のよ
うなカップ状のもののほか、特開２０００−１３１３１
１号公報に開示されている、いわゆるプローブ型の採取
容器が知られている。この提案におけるプローブ型の採
取容器は、上端に開口部を有する試料室に隣接して、下
端が開口し、かつ、上端が試料室の上端開口部に連通す
る湯口と、下端が試料室の開口部に連通し、上方に伸び
た後に横方向に伸び、更に上方に伸びるように屈曲して
上端が本体の最頂端で開口する排気通路と、試料室の上
方に形成され、当該試料室の開口部から試料室内に挿入
される温度センサを保持するセンサ保持部とを、耐熱性
材料によって一体的に形成した構造を有している。この
従来のプローブ型の採取容器においても、試料室の形状
・寸法は上記したカップ型のものと同等とされる。
うなカップ状のもののほか、特開２０００−１３１３１
１号公報に開示されている、いわゆるプローブ型の採取
容器が知られている。この提案におけるプローブ型の採
取容器は、上端に開口部を有する試料室に隣接して、下
端が開口し、かつ、上端が試料室の上端開口部に連通す
る湯口と、下端が試料室の開口部に連通し、上方に伸び
た後に横方向に伸び、更に上方に伸びるように屈曲して
上端が本体の最頂端で開口する排気通路と、試料室の上
方に形成され、当該試料室の開口部から試料室内に挿入
される温度センサを保持するセンサ保持部とを、耐熱性
材料によって一体的に形成した構造を有している。この
従来のプローブ型の採取容器においても、試料室の形状
・寸法は上記したカップ型のものと同等とされる。
【０００５】そして、このプローブ型の採取容器の製造
に際しては、採取容器の中心軸に沿った分割面、つまり
容器の長手方向に沿った分割面で分割された左右２つの
耐熱材料からなる部材を作り、これらをその分割面にお
いて接着剤で接合している。
に際しては、採取容器の中心軸に沿った分割面、つまり
容器の長手方向に沿った分割面で分割された左右２つの
耐熱材料からなる部材を作り、これらをその分割面にお
いて接着剤で接合している。
【０００６】このプローブ式の採取容器によれば、溶湯
中に浸漬することにより、下端が開口した湯口を通じて
溶湯が試料室内に流入し、この流入に伴って試料室内を
含む容器内部の空気は上端が開口した排気通路から外部
に排出する。従ってこのプローブ型の採取容器では、取
鍋や柄杓を用いることなく溶湯を試料室内に満たすこと
ができる。
中に浸漬することにより、下端が開口した湯口を通じて
溶湯が試料室内に流入し、この流入に伴って試料室内を
含む容器内部の空気は上端が開口した排気通路から外部
に排出する。従ってこのプローブ型の採取容器では、取
鍋や柄杓を用いることなく溶湯を試料室内に満たすこと
ができる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した提
案におけるプローブ型の採取容器においては、排気通路
が容器内で折れ曲がっているなど構造が複雑で、また、
縦割りにした２つの耐熱材料からなる部材相互の接着面
積が大きく、組立の作業性が悪いという問題がある。ま
た、これらの２つの部材は横寸法に比して縦寸法が大き
い細長い形状となるため、各部材の焼成時に反りが発生
しやく、この反りは２つの部材相互の接着不良の原因と
なり、また、接着面が試料室を二分する位置に存在して
いるため、接着剤が試料室内に入り込んでいる場合には
不純物として溶湯を汚染する可能性があり、これらのこ
とから、多くの検査工程を設ける必要がある。
案におけるプローブ型の採取容器においては、排気通路
が容器内で折れ曲がっているなど構造が複雑で、また、
縦割りにした２つの耐熱材料からなる部材相互の接着面
積が大きく、組立の作業性が悪いという問題がある。ま
た、これらの２つの部材は横寸法に比して縦寸法が大き
い細長い形状となるため、各部材の焼成時に反りが発生
しやく、この反りは２つの部材相互の接着不良の原因と
なり、また、接着面が試料室を二分する位置に存在して
いるため、接着剤が試料室内に入り込んでいる場合には
不純物として溶湯を汚染する可能性があり、これらのこ
とから、多くの検査工程を設ける必要がある。
【０００８】また、従来のプローブ型の採取容器におい
ては、前記したように排気通路が容器内で折れ曲がって
いるため、流入した溶湯が冷えた場合には内部で排気通
路を塞いでガスを排出できない場合があり、その場合、
ガス圧により採取した溶湯が逆流して排除され、規定量
の溶湯が採取できない可能性がある。
ては、前記したように排気通路が容器内で折れ曲がって
いるため、流入した溶湯が冷えた場合には内部で排気通
路を塞いでガスを排出できない場合があり、その場合、
ガス圧により採取した溶湯が逆流して排除され、規定量
の溶湯が採取できない可能性がある。
【０００９】更に、従来のプローブ型の採取容器におい
ては、主として内部経路の複雑さに起因して、溶湯に浸
漬するために必要な押し込み力が大きくなるという問題
もある。
ては、主として内部経路の複雑さに起因して、溶湯に浸
漬するために必要な押し込み力が大きくなるという問題
もある。
【００１０】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、その主たる目的は、従来のプローブ型の採取容
器に比して、構造が簡単で製造工程および検査工程を大
幅に簡素化することのできるプローブ型の金属溶湯の熱
分析用試料採取容器を提供することにある。
もので、その主たる目的は、従来のプローブ型の採取容
器に比して、構造が簡単で製造工程および検査工程を大
幅に簡素化することのできるプローブ型の金属溶湯の熱
分析用試料採取容器を提供することにある。
【００１１】また、本発明の他の目的は、従来のプロー
ブ型の採取容器に比して、押し込み力が少なくてすみ、
かつ、排気通路内で溶湯が固まって排気を阻害する恐れ
のない金属溶湯の熱分析用試料採取容器を提供すること
にある。
ブ型の採取容器に比して、押し込み力が少なくてすみ、
かつ、排気通路内で溶湯が固まって排気を阻害する恐れ
のない金属溶湯の熱分析用試料採取容器を提供すること
にある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】上記した主たる目的を達
成するため、請求項１に係る発明の金属溶湯の熱分析用
試料採取容器は、上端に開口部を有する有底円筒状の試
料室と、その試料室に隣接して形成され、下端が開口
し、かつ、上記試料室の開口部に連通する湯口と、上記
試料室の開口部に連通し、かつ、上端が当該試料室の開
口部より上方で開口する排気通路と、上記試料室の上方
に形成され、当該試料室の開口部から試料室内に挿入さ
れる温度センサを保持するセンサ保持部とが、耐熱性材
料によって一体的に形成されてなる金属溶湯の熱分析用
試料採取容器において、上記耐熱性材料が、試料室の上
方で、かつ、この試料室を横切らない位置で当該容器の
中心軸に直交する分割面において分割された上下２つの
部材からなり、その２つの部材が上記分割面で相互に接
合されて一体化されていることによって特徴づけられ
る。
成するため、請求項１に係る発明の金属溶湯の熱分析用
試料採取容器は、上端に開口部を有する有底円筒状の試
料室と、その試料室に隣接して形成され、下端が開口
し、かつ、上記試料室の開口部に連通する湯口と、上記
試料室の開口部に連通し、かつ、上端が当該試料室の開
口部より上方で開口する排気通路と、上記試料室の上方
に形成され、当該試料室の開口部から試料室内に挿入さ
れる温度センサを保持するセンサ保持部とが、耐熱性材
料によって一体的に形成されてなる金属溶湯の熱分析用
試料採取容器において、上記耐熱性材料が、試料室の上
方で、かつ、この試料室を横切らない位置で当該容器の
中心軸に直交する分割面において分割された上下２つの
部材からなり、その２つの部材が上記分割面で相互に接
合されて一体化されていることによって特徴づけられ
る。
【００１３】また、同じく上記した主たる目的と、加え
て他の目的を達成するため、請求項２に係る発明の金属
溶湯の熱分析用試料採取容器は、上記と同様に、上端に
開口部を有する有底円筒状の試料室と、その試料室に隣
接して形成され、下端が開口し、かつ、上記試料室の開
口部に連通する湯口と、上記試料室の開口部に連通し、
かつ、上端が当該試料室の開口部より上方で開口する排
気通路と、上記試料室の上方に形成され、当該試料室の
開口部から試料室内に挿入される温度センサを保持する
センサ保持部とが、耐熱性材料によって一体的に形成さ
れてなる金属溶湯の熱分析用試料採取容器において、上
記湯口と排気通路とが一直線上に連通ていることによっ
て特徴づけられる。
て他の目的を達成するため、請求項２に係る発明の金属
溶湯の熱分析用試料採取容器は、上記と同様に、上端に
開口部を有する有底円筒状の試料室と、その試料室に隣
接して形成され、下端が開口し、かつ、上記試料室の開
口部に連通する湯口と、上記試料室の開口部に連通し、
かつ、上端が当該試料室の開口部より上方で開口する排
気通路と、上記試料室の上方に形成され、当該試料室の
開口部から試料室内に挿入される温度センサを保持する
センサ保持部とが、耐熱性材料によって一体的に形成さ
れてなる金属溶湯の熱分析用試料採取容器において、上
記湯口と排気通路とが一直線上に連通ていることによっ
て特徴づけられる。
【００１４】請求項１に係る発明においては、試料室、
湯口、排気通路およびセンサ保持部からなる採取容器
を、試料室の上方で、かつ、試料室を横切らない位置で
容器の中心軸に直交する分割面で分割し、つまり上下２
つの部材に分割して、その分割面において接合した構成
を採用することにより、従来の容器の中心軸に沿って分
割した、つまり左右２つの部材に分割した従来のプロー
ブ型採取容器に比して、接合面積の縮小化による接着作
業の容易化、各部材の縦横比の縮小による各部材の焼成
時における反りの発生の解消、接合面が試料室を横切ら
ないが故に接着剤の試料室内への侵入の恐れの解消を実
現でき、製造工程および検査工程を簡素化することがで
きる。
湯口、排気通路およびセンサ保持部からなる採取容器
を、試料室の上方で、かつ、試料室を横切らない位置で
容器の中心軸に直交する分割面で分割し、つまり上下２
つの部材に分割して、その分割面において接合した構成
を採用することにより、従来の容器の中心軸に沿って分
割した、つまり左右２つの部材に分割した従来のプロー
ブ型採取容器に比して、接合面積の縮小化による接着作
業の容易化、各部材の縦横比の縮小による各部材の焼成
時における反りの発生の解消、接合面が試料室を横切ら
ないが故に接着剤の試料室内への侵入の恐れの解消を実
現でき、製造工程および検査工程を簡素化することがで
きる。
【００１５】また、請求項２に係る発明においては、湯
口と排気通路とが一直線上に連通した構成を採用するこ
とにより、プローブ型採取容器の内部構造が簡略化され
るばかりでなく、溶湯の流れがスムーズとなって湯口内
で溶湯が冷えることを抑制することが可能となる。ま
た、このプローブ型採取容器の内部構造の簡略化による
溶湯の流れのスムーズ化は、溶湯内への容器の浸漬時に
おける押し込み力の低減にも寄与する。
口と排気通路とが一直線上に連通した構成を採用するこ
とにより、プローブ型採取容器の内部構造が簡略化され
るばかりでなく、溶湯の流れがスムーズとなって湯口内
で溶湯が冷えることを抑制することが可能となる。ま
た、このプローブ型採取容器の内部構造の簡略化による
溶湯の流れのスムーズ化は、溶湯内への容器の浸漬時に
おける押し込み力の低減にも寄与する。
【００１６】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の好
適な実施の形態について述べる。図１は本発明の実施の
形態の縦断面図で、図２はそのＡ−Ａ断面図であり、図
３は同じくそのＢ−Ｂ断面図である。
適な実施の形態について述べる。図１は本発明の実施の
形態の縦断面図で、図２はそのＡ−Ａ断面図であり、図
３は同じくそのＢ−Ｂ断面図である。
【００１７】この例における採取容器３は、セラミック
等の耐熱性材料によって形成され、上端部に開口部３１
ａを有し、底壁３１ｂを備えてなるカップ状の試料室３
１と、下端に開口部３２ａを有し、試料室３１の開口部
３１ａに連通する湯口３２と、同じく試料室３２の開口
部３１ａに連通し、上端に試料室３１の開口部３１ａよ
りも上方で開口する開口部３３ａを備えた排気通路３３
と、試料室３１の上方に位置し、試料室３１の開口部３
１ａから試料室３１内に挿入される温度センサ２を保持
するセンサ保持部３４とが一体に形成されている。
等の耐熱性材料によって形成され、上端部に開口部３１
ａを有し、底壁３１ｂを備えてなるカップ状の試料室３
１と、下端に開口部３２ａを有し、試料室３１の開口部
３１ａに連通する湯口３２と、同じく試料室３２の開口
部３１ａに連通し、上端に試料室３１の開口部３１ａよ
りも上方で開口する開口部３３ａを備えた排気通路３３
と、試料室３１の上方に位置し、試料室３１の開口部３
１ａから試料室３１内に挿入される温度センサ２を保持
するセンサ保持部３４とが一体に形成されている。
【００１８】湯口３２は試料室３１の中心軸と平行に、
当該試料室３１に隣接して形成されており、排気通路３
３は湯口３２の直上の延長線上に形成され、換言すれば
湯口３２と排気通路３３とは一直線上に位置して相互に
連通しており、従ってこれらの湯口３２と排気通路３３
は、実際には採取容器３の下端および上端において開口
部３２ａ，３３ａを備えた直線的な貫通縦孔からなり、
その貫通縦孔の中間部分が、横孔３５により試料室３１
の開口部３１ａに連通した構造を有している。
当該試料室３１に隣接して形成されており、排気通路３
３は湯口３２の直上の延長線上に形成され、換言すれば
湯口３２と排気通路３３とは一直線上に位置して相互に
連通しており、従ってこれらの湯口３２と排気通路３３
は、実際には採取容器３の下端および上端において開口
部３２ａ，３３ａを備えた直線的な貫通縦孔からなり、
その貫通縦孔の中間部分が、横孔３５により試料室３１
の開口部３１ａに連通した構造を有している。
【００１９】センサ保持部３４は、試料室３１の直上に
形成され、上端に開口部３４ａが形成されているととも
に底壁３４ｂ有し、その底壁３４ｂを貫通して温度セン
サ２が試料室３１内に挿入された状態で固定されてい
る。なお、温度センサ２は先の実施の形態で用いるもの
と同等の熱電対等によって構成されている。
形成され、上端に開口部３４ａが形成されているととも
に底壁３４ｂ有し、その底壁３４ｂを貫通して温度セン
サ２が試料室３１内に挿入された状態で固定されてい
る。なお、温度センサ２は先の実施の形態で用いるもの
と同等の熱電対等によって構成されている。
【００２０】そして、以上の構造を有する採取容器３
は、上部材３６と下部材３７を接着剤等で接合てしな
り、上部材３６に排気通路３３とセンサ保持部３４が形
成されているとともに、下部材３７には試料室３１と湯
口３２、および横孔３３が形成されており、これら両部
材の接合面３８は、試料室３１を横切らずにその上方に
位置し、採取容器３の中心軸に対して直交している。
は、上部材３６と下部材３７を接着剤等で接合てしな
り、上部材３６に排気通路３３とセンサ保持部３４が形
成されているとともに、下部材３７には試料室３１と湯
口３２、および横孔３３が形成されており、これら両部
材の接合面３８は、試料室３１を横切らずにその上方に
位置し、採取容器３の中心軸に対して直交している。
【００２１】この実施の形態において、試料室３１の直
径Ｄは２０ｍｍであり、その深さＬは４１ｍｍ、試料室
３１内での温度センサ２の位置は、底壁３１ｂからの距
離ＬＳ′が１６ｍｍで、試料室３１の径方向には略中央
である。また、試料室３１の周壁３１ｃの肉厚は７ｍｍ
であり、その底壁３１ｂについても７ｍｍである。
径Ｄは２０ｍｍであり、その深さＬは４１ｍｍ、試料室
３１内での温度センサ２の位置は、底壁３１ｂからの距
離ＬＳ′が１６ｍｍで、試料室３１の径方向には略中央
である。また、試料室３１の周壁３１ｃの肉厚は７ｍｍ
であり、その底壁３１ｂについても７ｍｍである。
【００２２】以上の実施の形態は、従来のこの種のプロ
ーブ型の採取容器と同様に、例えばセンサ保持部３４の
上端の開口部３４ａに紙筒製等のロッド４を挿入して、
採取容器３を溶湯内に浸漬することにより、溶湯が湯口
３２の下端の開口部３２ａから浸入し、湯口３２および
横孔３５を経由して試料室３１内に流入する。その間、
湯口３２および試料室３１内の空気は溶湯の浸入に追随
して排気通路３３を通ってその上端の開口部３３ａから
外部に排出される。
ーブ型の採取容器と同様に、例えばセンサ保持部３４の
上端の開口部３４ａに紙筒製等のロッド４を挿入して、
採取容器３を溶湯内に浸漬することにより、溶湯が湯口
３２の下端の開口部３２ａから浸入し、湯口３２および
横孔３５を経由して試料室３１内に流入する。その間、
湯口３２および試料室３１内の空気は溶湯の浸入に追随
して排気通路３３を通ってその上端の開口部３３ａから
外部に排出される。
【００２３】この実施の形態によると、採取容器３が、
試料室の上方で、かつ、試料室を横切らない位置で当該
容器３の中心軸に直交する分割面で分割され上部材３６
と下部材３７とを、その分割面で接合しているため、容
器の中心軸に沿った分割面で分割した左右の２部材をそ
の分割面で接合した従来のプローブ型採取容器に比し
て、接合面積が小さくなって接着作業が容易となる。更
に、上部材３６と下部材３７の縦横比は、従来の左右に
分割する２部材の縦横比よりも小さくなるため、各部材
の焼成時において反りが発生しないという利点がある。
試料室の上方で、かつ、試料室を横切らない位置で当該
容器３の中心軸に直交する分割面で分割され上部材３６
と下部材３７とを、その分割面で接合しているため、容
器の中心軸に沿った分割面で分割した左右の２部材をそ
の分割面で接合した従来のプローブ型採取容器に比し
て、接合面積が小さくなって接着作業が容易となる。更
に、上部材３６と下部材３７の縦横比は、従来の左右に
分割する２部材の縦横比よりも小さくなるため、各部材
の焼成時において反りが発生しないという利点がある。
【００２４】そして、本発明の実施の形態においては、
上部材３６と横部材３７との接合面３８が試料室３１を
横切らないため、換言すれば試料室３１内に流入した溶
湯が接合面３８に接しないため、接合用の接着剤が溶湯
に混入する恐れがなくなる。これらのことから、この実
施の形態によると、製造工程および検査工程を従来のプ
ローブ型の採取容器に比して大幅に簡略化することがで
きる。
上部材３６と横部材３７との接合面３８が試料室３１を
横切らないため、換言すれば試料室３１内に流入した溶
湯が接合面３８に接しないため、接合用の接着剤が溶湯
に混入する恐れがなくなる。これらのことから、この実
施の形態によると、製造工程および検査工程を従来のプ
ローブ型の採取容器に比して大幅に簡略化することがで
きる。
【００２５】更に、以上の実施の形態においては、湯口
３２と排気通路３３とが一直線上に連通した内部構造を
採っているため、構造の簡略化と併せて、溶湯の採取時
に容易かつ確実に排気することができる結果、溶湯の流
れがスムーズで、試料室３１の前段において溶湯が冷え
ることを抑制することができ、しかもこの溶湯の流れの
スムーズ化は、溶湯内への容器の浸漬時における押し込
み力の低減にも寄与する。
３２と排気通路３３とが一直線上に連通した内部構造を
採っているため、構造の簡略化と併せて、溶湯の採取時
に容易かつ確実に排気することができる結果、溶湯の流
れがスムーズで、試料室３１の前段において溶湯が冷え
ることを抑制することができ、しかもこの溶湯の流れの
スムーズ化は、溶湯内への容器の浸漬時における押し込
み力の低減にも寄与する。
【００２６】なお、以上の実施の形態においては、試料
室３１を一つだけ備えた例を示したが、同等の試料室３
１を横に並べて相互に一体化してなる公知多プローブ型
にも本発明を等しく適用し得ることは勿論である。
室３１を一つだけ備えた例を示したが、同等の試料室３
１を横に並べて相互に一体化してなる公知多プローブ型
にも本発明を等しく適用し得ることは勿論である。
【００２７】
【発明の効果】以上のように、請求項１に係る発明によ
れば、試料室を横切らない分割面で上下に２分割された
部材を、その分割面において接合しているので、接合の
ための接着剤が試料室内の溶湯に混入する恐れがないと
ともに、接合面積が従来の左右に分割した構造のものに
比して小さくなって接合作業が容易となり、しかも各部
材の焼成時における反りが生じにくくなり、これらによ
って製造工程並びに検査工程を従来のプローブ型採取容
器に比して大幅に簡略化することができる。
れば、試料室を横切らない分割面で上下に２分割された
部材を、その分割面において接合しているので、接合の
ための接着剤が試料室内の溶湯に混入する恐れがないと
ともに、接合面積が従来の左右に分割した構造のものに
比して小さくなって接合作業が容易となり、しかも各部
材の焼成時における反りが生じにくくなり、これらによ
って製造工程並びに検査工程を従来のプローブ型採取容
器に比して大幅に簡略化することができる。
【００２８】また、請求項２に係る発明によれば、湯口
と排気通路とを一直線上に連通させた構成を採用してい
るので、容器の内部構造が簡略化され、湯口を介して試
料室へと向かう溶湯の流れがスムーズになり、湯口で溶
湯が固まる等の不具合を生じる恐れがなくなった。
と排気通路とを一直線上に連通させた構成を採用してい
るので、容器の内部構造が簡略化され、湯口を介して試
料室へと向かう溶湯の流れがスムーズになり、湯口で溶
湯が固まる等の不具合を生じる恐れがなくなった。
【図１】本発明の実施の形態の縦断面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。
３ プローブ型採取容器
３１ 試料室
３１ａ 開口部
３１ｂ 底壁
３１ｃ 周壁
３２ 湯口
３２ａ 開口部
３３ 排気通路
３３ａ 開口部
３４ センサ保持部
３５ 横孔
３６ 上部材
３７ 下部材
３８ 接合面
Claims (2)
- 【請求項１】 上端に開口部を有する有底円筒状の試料
室と、その試料室に隣接して形成され、下端が開口し、
かつ、上記試料室の開口部に連通する湯口と、上記試料
室の開口部に連通し、かつ、上端が当該試料室の開口部
より上方で開口する排気通路と、上記試料室の上方に形
成され、当該試料室の開口部から試料室内に挿入される
温度センサを保持するセンサ保持部とが、耐熱性材料に
よって一体的に形成されてなる金属溶湯の熱分析用試料
採取容器において、 上記耐熱性材料が、試料室の上方で、かつ、この試料室
を横切らない位置で当該容器の中心軸に直交する分割面
において分割された上下２つの部材からなり、その２つ
の部材が上記分割面で相互に接合されて一体化されてい
ることを特徴とする金属溶湯の熱分析用試料採取容器。 - 【請求項２】 上端に開口部を有する有底円筒状の試料
室と、その試料室に隣接して形成され、下端が開口し、
かつ、上記試料室の開口部に連通する湯口と、上記試料
室の開口部に連通し、かつ、上端が当該試料室の開口部
より上方で開口する排気通路と、上記試料室の上方に形
成され、当該試料室の開口部から試料室内に挿入される
温度センサを保持するセンサ保持部とが、耐熱性材料に
よって一体的に形成されてなる金属溶湯の熱分析用試料
採取容器において、 上記湯口と排気通路とが一直線上に連通していることを
特徴とする金属溶湯の熱分析用試料採取容器。
Priority Applications (4)
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|---|---|---|---|
| JP2001267559A JP3465898B2 (ja) | 2001-09-04 | 2001-09-04 | 金属溶湯の熱分析用試料採取容器 |
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| US10/132,759 US6739750B2 (en) | 2001-09-04 | 2002-04-25 | Sampling vessel for thermal analysis of molten metal |
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Family
ID=19093672
Family Applications (1)
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- 2001-09-04 JP JP2001267559A patent/JP3465898B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2002
- 2002-03-28 DE DE10214154A patent/DE10214154A1/de not_active Withdrawn
- 2002-04-25 US US10/132,759 patent/US6739750B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2002-04-25 CN CNB021184488A patent/CN1327205C/zh not_active Expired - Fee Related
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