JP2562791Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、化粧料容器に関するも
ので、より具体的には容器本体内に化粧料を充填した中
皿を着脱自在に収納固定してなる化粧料容器に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の化粧料容器は、化粧料を
充填した中皿を容器本体内に収納固定するために、容器
本体と中皿との間に接着剤や両面接着テープを介して、
その接着力を利用して容器本体内に中皿を固着するよう
にしているものがある。

【０００３】そして、このような化粧料容器の中皿を容
器本体から取り外す時には、例えば、実公昭５９−１６
００５号公報に示されるような化粧料容器が公知となっ
ている。すなわち、この化粧料容器では、容器本体の底
板の一部に舌片を形成し、この舌片を介して中皿の底部
を指で下方より押し上げて、容器本体に嵌入組み付けら
れた中皿を上方に押し出し、接着剤、両面テープを剥が
すようになっている。

【０００４】しかしながら、かかる従来の化粧料容器に
おいては、容器本体と中皿との接着の強度の調節が難し
いといった問題点がある。すなわち、接着剤や両面接着
テープの接着強度が強すぎた場合、中皿を交換する際、
中皿を剥がしにくくなり、弱すぎた場合、携帯時にわず
かな振動で容器本体から離脱する虞れがある。さらに、
剥がした面がべとつくといった問題点があった。さらに
また、中皿の交換を数回繰り返すと、容器本体の接着面
に化粧料が飛散付着して接着強度が著しく低下するとい
った問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】このような問題点か
ら、中皿と容器本体のそれぞれ接触する面にアンダーカ
ットを設けて、互いの凹凸嵌合によって中皿の着脱を行
うようにしているものがあるが、この場合も中皿を外す
際にスムーズに外すことが難しかった。

【０００６】本考案はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的は、アンダーカットを用いた場合
でも、中皿をスムーズに外す機構を有する化粧料容器を
提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本考案によれば、容器本体内に化粧料を充填した中
皿を着脱自在に収納固定してなる化粧料容器において、
容器本体内に皿枠を固着し、皿枠に中皿を嵌合収納し、
皿枠の側壁及び底壁を切欠して空所を設け、この空所に
押上部材を回動自在に装着し、押上部材に係合突条を設
け、中皿の外側壁に係合溝を設けて係合突条と係合可能
とし、皿枠の空所に対応する容器本体の底壁に貫通孔を
形成するとともに、貫通孔から押上部材を押圧、回動さ
せ中皿の底面を押し上げ可能としたことを特徴とする。

【０００８】

【作用】以上の構成により本考案の化粧料容器にあって
は、押上部材を貫通孔から上方へ押圧すると、押上部材
は回動し、これにより押上部材の係合突条と中皿の係合
溝とが解除されるとともに押上部材を上方へ押圧するこ
とにより、押上部材は中皿の底面を押し上げ、中皿を簡
単に取出すことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の好適な実施例を図に基づいて
詳細に説明する。図１ないし図４は、本考案の第１実施
例に係る化粧料容器を示す。本実施例の化粧料容器は、
図１に示されるように容器本体１０と、皿枠２０、押上
部材３０および中皿４０、蓋体（図示せず）からなって
いる。

【００１０】容器本体１０は、平面略矩形をなし、その
後端中央部には、凹所１１が形成され、後方部両側面に
は蝶番ピン挿通孔１２が穿設され、図示しない蝶番ピン
により蓋体が回動自在に軸着されている。また、容器本
体１０の前端中央部には、切欠凹所１３が形成され、そ
の奥面上方部には蓋体の係合突片と係合する係合突片１
４が形成されている。さらに、容器本体１０の上面に
は、皿枠２０を収納する略矩形の凹部１５が形成されて
いる。この凹部１５の一方の内側壁中央部には、切欠凹
所１６が形成されている。また、この切欠凹所１６側に
位置する容器本体１０の底面には、貫通孔１７が形成さ
れている。

【００１１】皿枠２０は、中皿４０を収納するための凹
所２１を有し、かつ容器本体１０の凹部１５に収納可能
な外形で、凹所２１の上端は水平な鍔部２２と一体的に
接続され、容器本体１０の周壁上面全体を覆う形状にな
っている。また、皿枠２０の一方の側壁の内側中央部に
は、前後方向に延長する係合突条２３が形成されてい
る。さらに、皿枠２０の他方の側壁には、鍔部２２の下
方から底壁にかけて切欠かれた空所２４が形成されてい
る。この空所２４は、容器本体１０に形成された切欠凹
所１６および貫通孔１７に対応する位置に形成されてい
る。さらにまた、空所２４を形成する両側壁角部の下方
部には前後方向に延長する軸穴２５，２５が形成されて
いる。そして、この皿枠２０を容器本体１０の凹部１５
内に超音波接着等により固着し、中皿４０を嵌合収納す
ると、中皿４０と容器本体１０との間には空所２６が形
成される。

【００１２】押上部材３０は、この空所２６内に収納可
能な断面略Ｌ字状の板体で、その上端部内面には係合突
条３１が形成されている。また、上端部外面中央部に
は、弾性片３２が下方に向かって突出している。さら
に、押上部材３０の角部の左右両側壁には一対のピン状
の軸部３３，３３が形成されており、皿枠２０を容器本
体１０に固着することにより軸穴２５，２５に軸着さ
れ、押上部材３０を回動自在にしている。さらにまた，
押上部材３０の底壁は段部３４を介して肉厚の押上部３
５となっており、その上面は先端下方に向かってなだら
かに傾斜している。

【００１３】中皿４０は、皿枠２０の凹所２１に収納可
能な外形で、その両側外面には皿枠２０の係合突条２３
と係合しうる係合溝（図示せず）と押上部材３０の係合
突条３１と係合しうる係合溝４１が形成されている。

【００１４】上記のように構成された化粧料容器の容器
本体１０内に皿枠２０及び中皿４０を収納した状態で
は、図２に示すように、中皿４０は、一方では皿枠２０
の係合突条２３と係合し、かつ押上部材３０の係合突条
３１は中皿４０の係合溝４１と係合し、弾性片３２の先
端部は容器本体１０の内側壁と当接した状態で、皿枠２
０内に収納され、押上部材３０を押圧し、貫通穴１７に
収納保持し、押上部材３０のがたつきをなくすようにな
っている。押上部材３０の軸部３３は皿枠２０の軸穴２
５内に挿通し、これにより押上部材３０は容器本体１０
と中皿４０との間の空所２６内に回動自在に組み込まれ
る。また、押上部材３０は、段部３４が容器本体１０の
底壁に当接し、かつ押上部３５の下面が容器本体１０の
底面とほぼ同一面上に位置した状態で、貫通孔１７から
露出している。さらに、その上面は先端下方に向かって
なだらかに傾斜し、中皿４０の底面との間に隙間を有し
ている。

【００１５】このような状態から押上部材３０の押上部
３５の下面を上方へ押圧すると、押上部材３０は図３に
示されるように、軸部３３を支点として先端部が中皿４
０の底面との間の隙間を回動しつつ、かつ弾性片３２を
弾性変形させながら外方向へ回動し、これにより押上部
材３０の係合突条３１と中皿４０の係合溝４１とが解除
される。

【００１６】さらに、図４に示されるように押上部材３
０の押上部３５を上方へ押圧すると、押上部３５は中皿
４０の底面を押上げるので、これにより皿枠２０の係合
突条２３との係合も解除され、中皿４０を簡単に取出す
ことができる。

【００１７】図５ないし図７は、本考案の第２実施例を
示す。この実施例では、押上部材３０ａの角部には、ピ
ン状の軸部３３，３３にかわって、肉薄のヒンジ部３６
を介して下方に突出した突部３７が形成されている。こ
の突部３７の下端部内面には係合突部３８が形成されて
いる。一方、容器本体１０の底部には透孔１８が形成さ
れ、この透孔１８の上端部には外方に向かって突部１９
が形成されている。そして、この透孔１８に突部３７を
挿入すると、係合突部３８が突部１９と係合するように
なっている。

【００１８】このような状態から押上部材３０ａの押上
部３５を上方へ押圧すると、押上部材３０は図６に示さ
れるように、押上部３５がヒンジ部３６を支点として中
皿４０の底面との間の隙間を回動しつつ、弾性片３２を
弾性変形させながら外方向へ回動し、これにより押上部
材３０ａの係合突条３１と中皿４０の係合溝４１とが解
除される。

【００１９】さらに、図７に示されるように押上部材３
０ａの押上部３５を上方へ押圧すると、押上部３５は中
皿４０の底面を押上げ、これにより皿枠２０の係合突条
２３との係合も解除され、中皿４０を簡単に取出すこと
ができる。その他の構成及び作用は、第１実施例と同様
である。

【００２０】またいずれの実施例においても、押上部材
３０の押上部３５を押圧した時、中皿４０の係合溝４１
と押上部材３０の係合突条３１の係合が外れる直前に中
皿４０の底面を押上げ、これにより中皿４０をはじき出
すことも可能である。

【００２１】

【考案の効果】以上のように、本考案によれば、容器本
体内に化粧料を充填した中皿を着脱自在に収納固定して
なる化粧料容器において、容器本体内に皿枠を固着し、
皿枠に中皿を嵌合収納し、皿枠の側壁及び底壁を切欠し
て空所を設け、この空所に押上部材を回動自在に装着
し、押上部材に係合突条を設け、中皿の外側壁に係合溝
を設けて係合突条と係合可能とし、皿枠の空所に対応す
る容器本体の底壁に貫通孔を形成するとともに、貫通孔
から押上部材を押圧、回動させ中皿の底面を押し上げ可
能としているので、アンダーカットを用いた場合でも、
中皿をスムーズに外すことができる。

【００２２】また、係合突条と係合溝により、中皿を容
器本体に固着するので接着剤や両面接着テープにより固
着する場合に比べ、接着強度の問題や、繰り返し使用す
る場合の接着強度の低下といった問題も生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例に係る化粧料容器の斜視図
である。

【図２】本考案の第１実施例に係る化粧料容器の要部の
断面側面図である。

【図３】作動状態を要部を拡大して示す断面側面図であ
る。

【図４】作動状態を要部を拡大して示す断面側面図であ
る。

【図５】本考案の第２実施例に係る化粧料容器の要部の
断面側面図である。

【図６】作動状態を要部を拡大して示す断面側面図であ
る。

【図７】作動状態を要部を拡大して示す断面側面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 容器本体 １７ 貫通孔 ２０ 皿枠 ２６ 空所 ３０，３０ａ 押上部材 ３１ 係合突条 ４０ 中皿 ４１ 係合溝

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器本体内に化粧料を充填した中皿を着
   脱自在に収納固定してなる化粧料容器において、該容器
   本体内に皿枠を固着し、該皿枠に該中皿を嵌合収納し、
   該皿枠の側壁及び底壁を切欠して空所を設け、該空所に
   押上部材を回動自在に装着し、該押上部材に係合突条を
   設け、該中皿の外側壁に係合溝を設けて該係合突条と係
   合可能とし、該皿枠の該空所に対応する該容器本体の底
   壁に貫通孔を形成するとともに、該貫通孔から該押上部
   材を押圧、回動させ該中皿の底面を押し上げ可能とした
   ことを特徴とする化粧料容器。