JP2562533Y2 - 複写機等の上げ蓋用バランスヒンジ - Google Patents
複写機等の上げ蓋用バランスヒンジInfo
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- JP2562533Y2 JP2562533Y2 JP1610293U JP1610293U JP2562533Y2 JP 2562533 Y2 JP2562533 Y2 JP 2562533Y2 JP 1610293 U JP1610293 U JP 1610293U JP 1610293 U JP1610293 U JP 1610293U JP 2562533 Y2 JP2562533 Y2 JP 2562533Y2
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- mounting shaft
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えば複写機等におけ
る被取付体に対して、被複写機物を押圧するための上げ
蓋につき、これが被複写物の厚さに応じて上下動可能な
るよう取り付け得るようにした上げ蓋用バランスヒンジ
の改良に関する。
る被取付体に対して、被複写機物を押圧するための上げ
蓋につき、これが被複写物の厚さに応じて上下動可能な
るよう取り付け得るようにした上げ蓋用バランスヒンジ
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複写機における上げ蓋の取り付け
装置にあっては、そのヒンジ構成が図5に示す如く、上
げ蓋aの基辺側に回動部bを取着すると共に、これに回
転軸cを介して枢着した基端部dには、支持杆eを下方
へ向け突設し、この支持杆eを、被取付体fの基辺側に
設けた縦長の軸穴gに昇降自在なるよう挿入されたもの
となっている。
装置にあっては、そのヒンジ構成が図5に示す如く、上
げ蓋aの基辺側に回動部bを取着すると共に、これに回
転軸cを介して枢着した基端部dには、支持杆eを下方
へ向け突設し、この支持杆eを、被取付体fの基辺側に
設けた縦長の軸穴gに昇降自在なるよう挿入されたもの
となっている。
【0003】従って、上記従来例によるときは、書籍な
ど厚い被複写物hを複写しようとする際、同図における
実線で示した状態から二点鎖線で示す状態に、上げ蓋a
の先端a′側を下圧し、これにより、ヒンジの支持杆e
を上昇させて当該上げ蓋aを水平状態とすることで、被
複写物hを押圧可能としている。
ど厚い被複写物hを複写しようとする際、同図における
実線で示した状態から二点鎖線で示す状態に、上げ蓋a
の先端a′側を下圧し、これにより、ヒンジの支持杆e
を上昇させて当該上げ蓋aを水平状態とすることで、被
複写物hを押圧可能としている。
【0004】上記の如く、上げ蓋aを下圧しようとする
際には、上げ蓋aの裏面と被複写物hとの当接した位
置、つまり、図示のOラインを中心として、当該Oライ
ンから回転軸cまでの距離を半径rとする円周線上に沿
って、上記回転軸cが図示の矢印i方向へ引き上げられ
ようとする。しかし、この際、上記の支持杆eは軸穴g
に沿って鉛直方向へ案内されるから、実際には取付軸e
は図示した矢印j方向への垂直な動きしかできない。
際には、上げ蓋aの裏面と被複写物hとの当接した位
置、つまり、図示のOラインを中心として、当該Oライ
ンから回転軸cまでの距離を半径rとする円周線上に沿
って、上記回転軸cが図示の矢印i方向へ引き上げられ
ようとする。しかし、この際、上記の支持杆eは軸穴g
に沿って鉛直方向へ案内されるから、実際には取付軸e
は図示した矢印j方向への垂直な動きしかできない。
【0005】従って、円弧状に矢印i方向へ引き上げら
れることにより、当該ヒンジの支持杆eは僅かではある
が前後方向(図において左右方向)に揺動されることと
なって、当該支持杆eの前後両側面と、軸穴gの開口縁
における前後両側縁とが接触する図示の上位箇所Aおよ
び下位箇所Bに「かじり」の現象が生じ、支持杆eの円
滑な上昇を阻害することになる。
れることにより、当該ヒンジの支持杆eは僅かではある
が前後方向(図において左右方向)に揺動されることと
なって、当該支持杆eの前後両側面と、軸穴gの開口縁
における前後両側縁とが接触する図示の上位箇所Aおよ
び下位箇所Bに「かじり」の現象が生じ、支持杆eの円
滑な上昇を阻害することになる。
【0006】さらに、上記従来例によるときは、上げ蓋
aが、当該ヒンジに内装された発条により、閉蓋させよ
うとする矢印k方向の上げ蓋トルクと、これに対抗する
こととなる上げ蓋aを開蓋させようとする矢印l方向の
ヒンジトルクとが発揮されるようにしてあり、このこと
によって、上げ蓋aにフリーストップ状態が得られるよ
うにしたり、開蓋させ易くしたり、勢いよく閉蓋されて
しまうのを防ぐようにしている。
aが、当該ヒンジに内装された発条により、閉蓋させよ
うとする矢印k方向の上げ蓋トルクと、これに対抗する
こととなる上げ蓋aを開蓋させようとする矢印l方向の
ヒンジトルクとが発揮されるようにしてあり、このこと
によって、上げ蓋aにフリーストップ状態が得られるよ
うにしたり、開蓋させ易くしたり、勢いよく閉蓋されて
しまうのを防ぐようにしている。
【0007】しかしながら、上記従来例によれば、前記
の如く上げ蓋aにおける先端部側の押し下げて支持杆e
を上昇させる際、ヒンジトルクは、支持杆eに対して上
げ蓋aを閉じる方向に作用し、これにより図5の場合で
は、支持杆eが下降位置にある時の、ヒンジ軸線mと、
上げ蓋aとのなす角度αが103°であるのに対し、支
持杆eが上昇された時の、ヒンジ軸線mと上げ蓋aとの
なす角度α′は90°となり、当該ヒンジは13°閉じ
られることになる。
の如く上げ蓋aにおける先端部側の押し下げて支持杆e
を上昇させる際、ヒンジトルクは、支持杆eに対して上
げ蓋aを閉じる方向に作用し、これにより図5の場合で
は、支持杆eが下降位置にある時の、ヒンジ軸線mと、
上げ蓋aとのなす角度αが103°であるのに対し、支
持杆eが上昇された時の、ヒンジ軸線mと上げ蓋aとの
なす角度α′は90°となり、当該ヒンジは13°閉じ
られることになる。
【0008】即ち、ヒンジトルクは、当該ヒンジが上昇
されながら閉じられる際に、支持杆eの図示した上位箇
所Bまたは下位箇所Cに加えられ、各箇所B、Cに大き
な摩擦力が生じ、これが支持杆eの円滑な上昇を妨げて
いることとなる。
されながら閉じられる際に、支持杆eの図示した上位箇
所Bまたは下位箇所Cに加えられ、各箇所B、Cに大き
な摩擦力が生じ、これが支持杆eの円滑な上昇を妨げて
いることとなる。
【0009】そこで、上記問題点を解決しようとしたも
のとして図6に示す如きものが提案されており、これに
よるときは、ガイド板nによって原稿台pの基辺側に通
路qを形成し、一方、原稿押え本体sにヒンジtを介し
てスライド板uを連結し、該スライド板uを上記通路q
に上下方向へ移動自在に挿入すると共に、上記ガイド板
nの下端にあって、上記スライド板uと接する方向にボ
スvを突設することで、ガイド板nとスライドuとの間
に隙間wを形成し、さらに、上記ガイド板nのスライド
板uと接する部位にフィルムxが張設されたものであ
る。
のとして図6に示す如きものが提案されており、これに
よるときは、ガイド板nによって原稿台pの基辺側に通
路qを形成し、一方、原稿押え本体sにヒンジtを介し
てスライド板uを連結し、該スライド板uを上記通路q
に上下方向へ移動自在に挿入すると共に、上記ガイド板
nの下端にあって、上記スライド板uと接する方向にボ
スvを突設することで、ガイド板nとスライドuとの間
に隙間wを形成し、さらに、上記ガイド板nのスライド
板uと接する部位にフィルムxが張設されたものであ
る。
【0010】しかしながら、上記従来例によるときは、
ガイド板nとスライド板uとの接触面にボスvを設け
て、面接触を点接触に変えたり、隙間wを設けたり、摩
擦力軽減の為のフィルムxを張設しただけであるため、
前記の問題点に対する根本的な解決策とはなっていな
い。
ガイド板nとスライド板uとの接触面にボスvを設け
て、面接触を点接触に変えたり、隙間wを設けたり、摩
擦力軽減の為のフィルムxを張設しただけであるため、
前記の問題点に対する根本的な解決策とはなっていな
い。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、上記従来の
有するこのような問題点に鑑み、請求項1では、ヒンジ
の取付軸と、これが上下方向へ摺動自在に挿入されるよ
うに、被取付体の軸受部に凹設された縦長凹穴との形状
を適切に構成することにより、上記取付軸と縦長凹穴と
の接触面における摩擦力を軽減することができ、これに
より、上げ蓋の開成、閉成の操作性を向上すると共に、
耐久性をも改善しようとするのが、その目的である。
有するこのような問題点に鑑み、請求項1では、ヒンジ
の取付軸と、これが上下方向へ摺動自在に挿入されるよ
うに、被取付体の軸受部に凹設された縦長凹穴との形状
を適切に構成することにより、上記取付軸と縦長凹穴と
の接触面における摩擦力を軽減することができ、これに
より、上げ蓋の開成、閉成の操作性を向上すると共に、
耐久性をも改善しようとするのが、その目的である。
【0012】さらに、請求項2にあっては、取付軸の後
側面に形成した円弧面もしくは傾斜面の下端にローラを
軸支することで、上げ蓋の開成操作をより軽快に行い得
るようにしている。
側面に形成した円弧面もしくは傾斜面の下端にローラを
軸支することで、上げ蓋の開成操作をより軽快に行い得
るようにしている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記の目的を
達成するため、上げ蓋の基辺側に固定される回動部と、
これに回転軸によって上記上げ蓋を上下方向へ回動自在
なるよう枢支した基端部と、該基端部から閉成状態の上
げ蓋と直角状に下方へ垂設した取付軸と、当該上げ蓋を
装着すべき被取付体に設けられ、前記取付軸を上下方向
へ摺動自在に挿入する縦長凹穴を有する軸受部とからな
り、前記取付軸を、上記軸受部の縦長凹穴に挿入可能に
して、かつ上下方向へ摺動自在なるよう形成すると共
に、当該上げ蓋の後側面と、これに対接する縦長凹穴の
一側面を、夫々前記上げ蓋の閉成により、その裏面と、
前記被取付体の上面に載置した被載置物との当接部から
前記回転軸までの距離よりも、上記当接部を支点とする
半径が所要寸法だけ大きく設定した円周線上に沿う円弧
面もしくは傾斜面にて形成してなる複写機等の上げ蓋用
バランスヒンジを提供しようとしている。
達成するため、上げ蓋の基辺側に固定される回動部と、
これに回転軸によって上記上げ蓋を上下方向へ回動自在
なるよう枢支した基端部と、該基端部から閉成状態の上
げ蓋と直角状に下方へ垂設した取付軸と、当該上げ蓋を
装着すべき被取付体に設けられ、前記取付軸を上下方向
へ摺動自在に挿入する縦長凹穴を有する軸受部とからな
り、前記取付軸を、上記軸受部の縦長凹穴に挿入可能に
して、かつ上下方向へ摺動自在なるよう形成すると共
に、当該上げ蓋の後側面と、これに対接する縦長凹穴の
一側面を、夫々前記上げ蓋の閉成により、その裏面と、
前記被取付体の上面に載置した被載置物との当接部から
前記回転軸までの距離よりも、上記当接部を支点とする
半径が所要寸法だけ大きく設定した円周線上に沿う円弧
面もしくは傾斜面にて形成してなる複写機等の上げ蓋用
バランスヒンジを提供しようとしている。
【0014】さらに、請求項2では請求項1にあって、
取付軸の円弧面もしくは傾斜面における下端側に、軸受
部の縦長凹穴における円弧面もしくは傾斜面を転動する
ローラーが軸支されていることをその内容としている。
取付軸の円弧面もしくは傾斜面における下端側に、軸受
部の縦長凹穴における円弧面もしくは傾斜面を転動する
ローラーが軸支されていることをその内容としている。
【0015】
【作用】被取付体の上面に、厚い被載置物を載置した
後、上げ蓋を、その先端側が下方へ押し下げられるよう
にして閉成すると、上げ蓋の裏面が、被載置物の後端上
縁に当接し、この当接部を支点として上げ蓋の先端側は
下方に押し下げられ、これによって、当該上げ蓋と回動
部を枢着する回転軸は、上記の支点から回転軸の中心ま
での距離を半径とする円周線上に沿って円弧上に上昇さ
れ、このことで取付軸は軸受部の縦長凹穴内を引き上げ
られて行くことになる。
後、上げ蓋を、その先端側が下方へ押し下げられるよう
にして閉成すると、上げ蓋の裏面が、被載置物の後端上
縁に当接し、この当接部を支点として上げ蓋の先端側は
下方に押し下げられ、これによって、当該上げ蓋と回動
部を枢着する回転軸は、上記の支点から回転軸の中心ま
での距離を半径とする円周線上に沿って円弧上に上昇さ
れ、このことで取付軸は軸受部の縦長凹穴内を引き上げ
られて行くことになる。
【0016】上記被載置物が最も厚い場合を想定して、
上記支点からの当該半径による円周線上に、取付軸と縦
長凹穴における両円弧面もしくは傾斜面を形成するよう
にした場合には、当該ヒンジは、その取付軸と上げ蓋と
のなすヒンジ角度が閉じてしまうことなしに上昇される
ことになる。即ち、取付軸が上昇される際、上記の角度
は変化することなく一定に保たれるので、該取付軸と縦
長凹穴との接触面に「かじり」の現象が発生しなくな
り、従って摩擦力は低減される。
上記支点からの当該半径による円周線上に、取付軸と縦
長凹穴における両円弧面もしくは傾斜面を形成するよう
にした場合には、当該ヒンジは、その取付軸と上げ蓋と
のなすヒンジ角度が閉じてしまうことなしに上昇される
ことになる。即ち、取付軸が上昇される際、上記の角度
は変化することなく一定に保たれるので、該取付軸と縦
長凹穴との接触面に「かじり」の現象が発生しなくな
り、従って摩擦力は低減される。
【0017】また、上記の想定厚さよりも薄い被載置物
の場合は、上記した支点の位置が厚い被載置物の場合に
比して下位となるので、当該ヒンジの上昇により、ヒン
ジ角度が開くことになり、このことによって、取付軸の
円弧面もしくは傾斜面における下端部におけるヒンジト
ルクのかかる部位では、その摩擦力が、一層軽減される
ことになる。
の場合は、上記した支点の位置が厚い被載置物の場合に
比して下位となるので、当該ヒンジの上昇により、ヒン
ジ角度が開くことになり、このことによって、取付軸の
円弧面もしくは傾斜面における下端部におけるヒンジト
ルクのかかる部位では、その摩擦力が、一層軽減される
ことになる。
【0018】請求項2にあっては、ヒンジトルクがかか
っている取付軸の下端部が、ローラーによって縦長凹穴
に対し転がり接触となるので、この部分の摩擦力をさら
に小さくなり、上げ蓋は、より軽く力で閉成される。
っている取付軸の下端部が、ローラーによって縦長凹穴
に対し転がり接触となるので、この部分の摩擦力をさら
に小さくなり、上げ蓋は、より軽く力で閉成される。
【0019】
【実施例】以下、本考案を複写機の上げ蓋による図1、
図2に示した第1実施例について詳記すると、同上図に
おいて、1は複写機の機体を示す被取付体、2はこの被
取付体1の上面に後述するバランスヒンジによって開閉
自在なるよう載装される上げ蓋である。
図2に示した第1実施例について詳記すると、同上図に
おいて、1は複写機の機体を示す被取付体、2はこの被
取付体1の上面に後述するバランスヒンジによって開閉
自在なるよう載装される上げ蓋である。
【0020】バランスヒンジは、上記上げ蓋2の基辺側
に取着された回動部3と、この回動部3の後端側にあっ
て、回転軸4により枢着された基端部5と、この基端部
5から、閉成状態にある上げ蓋2に対して、直交状とな
るよう下方にむけて縦設した取付軸6とにより構成され
ている。
に取着された回動部3と、この回動部3の後端側にあっ
て、回転軸4により枢着された基端部5と、この基端部
5から、閉成状態にある上げ蓋2に対して、直交状とな
るよう下方にむけて縦設した取付軸6とにより構成され
ている。
【0021】一方、上記被取付体1の基辺側には別途形
成された軸受部7がボルト8‥‥‥止めによって下方へ
向け縦設されている。上記軸受部7には、上端に開口し
た縦長凹穴9が凹設されている。上記縦長凹穴9は、そ
の前側面9aと左右の側面が垂直面に形成され、後側面
のみが、下端から上端後方へ弯曲上昇する円弧面9bに
形成され、これによって当該縦長凹穴9は底部に向けて
狭く、上端の開口部に向けて拡く形成されている。もち
ろん、上記縦長凹穴9は軸受部7に貫設されたものでも
よい。
成された軸受部7がボルト8‥‥‥止めによって下方へ
向け縦設されている。上記軸受部7には、上端に開口し
た縦長凹穴9が凹設されている。上記縦長凹穴9は、そ
の前側面9aと左右の側面が垂直面に形成され、後側面
のみが、下端から上端後方へ弯曲上昇する円弧面9bに
形成され、これによって当該縦長凹穴9は底部に向けて
狭く、上端の開口部に向けて拡く形成されている。もち
ろん、上記縦長凹穴9は軸受部7に貫設されたものでも
よい。
【0022】また、前記の取付軸6は、上記の縦長凹穴
9に挿入可能にして、かつ上下方向へ摺動自在なるよ
う、前側面6aと、左右の側面6b(一方のみ図示)が
垂直面に形成され、後側面のみを、下端から上端後方へ
弯曲上昇する円弧面6cに形成しており、これによって
当該取付軸6は、基端から徐々に下方へ向け先細りとな
るよう形成されている。
9に挿入可能にして、かつ上下方向へ摺動自在なるよ
う、前側面6aと、左右の側面6b(一方のみ図示)が
垂直面に形成され、後側面のみを、下端から上端後方へ
弯曲上昇する円弧面6cに形成しており、これによって
当該取付軸6は、基端から徐々に下方へ向け先細りとな
るよう形成されている。
【0023】図1にあっては、書籍のような厚い被複写
物である被載置物10をコピーする場合を想定して、上
記した各円弧面6c、9bの形状を示している。即ち、
上記被載置物10を被取付体1の上面1aに載置し、上
げ蓋2の先端側2aを下圧して閉成すると、被載置物1
0の前端上縁10aと、上げ蓋2の裏面2bとが当接す
る、当該当接部を支点Oとして、上げ蓋2は図において
反時計方向へ回動し、これにより図中二点鎖線で示した
如く、水平状態に閉成されることになる。
物である被載置物10をコピーする場合を想定して、上
記した各円弧面6c、9bの形状を示している。即ち、
上記被載置物10を被取付体1の上面1aに載置し、上
げ蓋2の先端側2aを下圧して閉成すると、被載置物1
0の前端上縁10aと、上げ蓋2の裏面2bとが当接す
る、当該当接部を支点Oとして、上げ蓋2は図において
反時計方向へ回動し、これにより図中二点鎖線で示した
如く、水平状態に閉成されることになる。
【0024】この際、上記回転軸4は、その中心から上
記の支点Oまでの距離を半径Xとする円周線上を図示し
た矢印D方向へ上昇することになるから、図中実線で示
したように、取付軸6が下降位置にある時のヒンジ角度
β(取付軸と上げ蓋とのなす角度)と、図中二点鎖線で
示した如く、取付軸6が上昇された時のヒンジ角度β′
が変らないように、即ち当該ヒンジが開閉動しないよう
に、上記した両円弧面6c、9bが、上記の半径Xより
も所要寸法だけ大きい半径Yで、上記支点Oを中心とす
る円周線上に沿って形成されるようにしてある。
記の支点Oまでの距離を半径Xとする円周線上を図示し
た矢印D方向へ上昇することになるから、図中実線で示
したように、取付軸6が下降位置にある時のヒンジ角度
β(取付軸と上げ蓋とのなす角度)と、図中二点鎖線で
示した如く、取付軸6が上昇された時のヒンジ角度β′
が変らないように、即ち当該ヒンジが開閉動しないよう
に、上記した両円弧面6c、9bが、上記の半径Xより
も所要寸法だけ大きい半径Yで、上記支点Oを中心とす
る円周線上に沿って形成されるようにしてある。
【0025】図2は、図1に示したものより厚さの薄い
被載置物10′を複写する場合を示しており、この場合
には、支点Oの位置が前述の場合に比して低くなるか
ら、これによって、ヒンジトルクによりヒンジ角度β
は、取付軸6が上昇されることでヒンジ角度γまで開
く。従って、当該ヒンジは開き方向につき、図示した矢
印F方向のヒンジトルクのかかる上記円弧面6cの下位
箇所Eにおける摩擦力が軽減される。
被載置物10′を複写する場合を示しており、この場合
には、支点Oの位置が前述の場合に比して低くなるか
ら、これによって、ヒンジトルクによりヒンジ角度β
は、取付軸6が上昇されることでヒンジ角度γまで開
く。従って、当該ヒンジは開き方向につき、図示した矢
印F方向のヒンジトルクのかかる上記円弧面6cの下位
箇所Eにおける摩擦力が軽減される。
【0026】図3に示す第2実施例では、上記取付軸6
における円弧面6cの下位箇所Eに、上記した縦長凹穴
9における円弧面9bを転動自在なるようローラー11
が回転自在に軸支されている。このことによって、縦長
凹穴9の円弧面9bと、取付軸6の円弧面6cは、滑り
接触から転がり接触に変えられるので、下位箇所Eにお
ける摩擦力はより小さくなる。
における円弧面6cの下位箇所Eに、上記した縦長凹穴
9における円弧面9bを転動自在なるようローラー11
が回転自在に軸支されている。このことによって、縦長
凹穴9の円弧面9bと、取付軸6の円弧面6cは、滑り
接触から転がり接触に変えられるので、下位箇所Eにお
ける摩擦力はより小さくなる。
【0027】図4の第3実施例によるときは、取付軸6
の後側面と、これに対接する縦長凹穴9の後側面を、前
述の円弧面6c、9bに変えて傾斜面6d、9cにより
形成してある。この両傾斜面6d、9cは、図1に示し
た第1実施例と同様に、支点Oを中心とした半径Yの円
周線上に沿って形成し、互いに面接触させるように形成
されるが、図示したように、取付軸6における傾斜面6
dの下端にローラー11を回転自在に軸支して、相手側
である縦長凹穴9における傾斜面9c上を転動するよう
にしてもよい。
の後側面と、これに対接する縦長凹穴9の後側面を、前
述の円弧面6c、9bに変えて傾斜面6d、9cにより
形成してある。この両傾斜面6d、9cは、図1に示し
た第1実施例と同様に、支点Oを中心とした半径Yの円
周線上に沿って形成し、互いに面接触させるように形成
されるが、図示したように、取付軸6における傾斜面6
dの下端にローラー11を回転自在に軸支して、相手側
である縦長凹穴9における傾斜面9c上を転動するよう
にしてもよい。
【0028】図示例は、取付軸6の上昇により、ヒンジ
角度βがγに開く方向で上記両傾斜面6d、9cの傾斜
角度を設定してあるが、上記ヒンジ角度βを閉じる方向
で、上記両傾斜面6d、9cの傾斜角度を設定すること
も可能であり、この場合でも、前述の従来例に比して、
取付軸6と縦長凹穴9における摩擦を小さくすることが
できる。尚、当該ヒンジにあっては、もちろん、図示し
ない発条等を有する機構により、上げ蓋2を閉じる方向
の上げ蓋トルクと、これに対抗するヒンジトルクとを付
勢させてある。
角度βがγに開く方向で上記両傾斜面6d、9cの傾斜
角度を設定してあるが、上記ヒンジ角度βを閉じる方向
で、上記両傾斜面6d、9cの傾斜角度を設定すること
も可能であり、この場合でも、前述の従来例に比して、
取付軸6と縦長凹穴9における摩擦を小さくすることが
できる。尚、当該ヒンジにあっては、もちろん、図示し
ない発条等を有する機構により、上げ蓋2を閉じる方向
の上げ蓋トルクと、これに対抗するヒンジトルクとを付
勢させてある。
【0029】
【考案の効果】本考案は、以上説明したように構成され
ているので、請求項1によるときは、取付軸と、これが
上下方向へ摺動自在なるよう挿入される軸受部における
縦長凹穴との両対接面を、上げ蓋が、その裏面と、被取
付体上面に載置した被載置物との当接部を支点として回
動により閉成される際のその支点を中心とする円周線上
に沿う円弧面もしくは傾斜面に形成したので、最も厚い
被載置物を被取付体上に載置することを想定して、上記
円弧面もしくは傾斜面を設定することにより、厚い被載
置物の場合は、ヒンジ角度は閉じることなく、所定のヒ
ンジ角度のままで閉蓋されるようになる。また薄い被載
置物の場合は、ヒンジトルクによって上記ヒンジ角度は
開き方向となり、このことによって、取付軸と軸受部と
の摺動時における摩擦力が軽減され、上げ蓋先端での下
方への加圧力を小さくすることができて、当該上げ蓋を
軽く閉成でき、その操作性をよくすることができると共
に、取付軸も縦長凹穴も損傷を受けず耐久性を向上し得
る。
ているので、請求項1によるときは、取付軸と、これが
上下方向へ摺動自在なるよう挿入される軸受部における
縦長凹穴との両対接面を、上げ蓋が、その裏面と、被取
付体上面に載置した被載置物との当接部を支点として回
動により閉成される際のその支点を中心とする円周線上
に沿う円弧面もしくは傾斜面に形成したので、最も厚い
被載置物を被取付体上に載置することを想定して、上記
円弧面もしくは傾斜面を設定することにより、厚い被載
置物の場合は、ヒンジ角度は閉じることなく、所定のヒ
ンジ角度のままで閉蓋されるようになる。また薄い被載
置物の場合は、ヒンジトルクによって上記ヒンジ角度は
開き方向となり、このことによって、取付軸と軸受部と
の摺動時における摩擦力が軽減され、上げ蓋先端での下
方への加圧力を小さくすることができて、当該上げ蓋を
軽く閉成でき、その操作性をよくすることができると共
に、取付軸も縦長凹穴も損傷を受けず耐久性を向上し得
る。
【0030】また、取付軸および縦長凹穴の上記した円
弧面もしくは傾斜面は、下端から上端後方へ弯曲もしく
は傾斜上昇して形成されるので、当該取付軸は先細に、
一方、縦長凹穴は下部よりも上端開口部が広く各々形成
されるため、被取付体に対して取付軸が着脱し易くな
る。
弧面もしくは傾斜面は、下端から上端後方へ弯曲もしく
は傾斜上昇して形成されるので、当該取付軸は先細に、
一方、縦長凹穴は下部よりも上端開口部が広く各々形成
されるため、被取付体に対して取付軸が着脱し易くな
る。
【0031】さらに、請求項2にあっては、ヒンジトル
クがかかる部位に軸支したローラーにより、取付軸と、
軸受部における縦長凹穴の円弧面もしくは傾斜面とが、
面接触ではなく、抵抗の少ない転がり接触となるので、
この部分の摩擦力をより小さくすることができ、閉蓋操
作をより小さい加圧力で行なうことが可能となる。
クがかかる部位に軸支したローラーにより、取付軸と、
軸受部における縦長凹穴の円弧面もしくは傾斜面とが、
面接触ではなく、抵抗の少ない転がり接触となるので、
この部分の摩擦力をより小さくすることができ、閉蓋操
作をより小さい加圧力で行なうことが可能となる。
【図1】本考案に係る上げ蓋用バランスヒンジの一使用
状態を示す第1実施例の縦断面図である。
状態を示す第1実施例の縦断面図である。
【図2】同上実施例につき薄い被載置物を複写する状態
を示した縦断面図である。
を示した縦断面図である。
【図3】同上、上げ蓋用バランスヒンジの第2実施例を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図4】同上、上げ蓋用バランスヒンジの第3実施例を
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
【図5】従来の上げ蓋取り付け装置を示す縦断面図であ
る。
る。
【図6】従来の原稿押え装置を示す縦断面図である。
1 被取付体 1a 上面 2 上げ蓋 2b 裏面 3 回動部 4 回転軸 5 基端部 6 取付軸 7 軸受部 9 縦長凹穴 6c 円弧面 9b 円弧面 6d 傾斜面 9c 傾斜面 10 被載置物 11 ローラー O 支点 Y 半径
Claims (2)
- 【請求項1】 上げ蓋の基辺側に固定される回動部と、
これに回転軸によって上記上げ蓋を上下方向へ回動自在
なるよう枢支した基端部と、該基端部から閉成状態の上
げ蓋と直角状に下方へ垂設した取付軸と、当該上げ蓋を
装着すべき被取付体に設けられ、前記取付軸を上下方向
へ摺動自在に挿入する縦長凹穴を有する軸受部とからな
り、前記取付軸を、上記軸受部の縦長凹穴に挿入可能に
して、かつ上下方向へ摺動自在なるよう形成すると共
に、当該上げ蓋の後側面と、これに対接する縦長凹穴の
一側面を、夫々前記上げ蓋の閉成により、その裏面と、
前記被取付体の上面に載置した被載置物との当接部から
前記回転軸までの距離よりも、上記当接部を支点とする
半径が所要寸法だけ大きく設定した円周線上に沿う円弧
面もしくは傾斜面にて形成してなる複写機等の上げ蓋用
バランスヒンジ。 - 【請求項2】 取付軸の円弧面もしくは傾斜面における
下端側に、軸受部の縦長凹穴における円弧面もしくは傾
斜面を転動するローラーが軸支されている請求項1記載
の複写機等の上げ蓋用バランスヒンジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1610293U JP2562533Y2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 複写機等の上げ蓋用バランスヒンジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1610293U JP2562533Y2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 複写機等の上げ蓋用バランスヒンジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0671830U JPH0671830U (ja) | 1994-10-07 |
JP2562533Y2 true JP2562533Y2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=11907161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1610293U Expired - Fee Related JP2562533Y2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 複写機等の上げ蓋用バランスヒンジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562533Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016051966A (ja) * | 2014-08-29 | 2016-04-11 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置 |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP1610293U patent/JP2562533Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016051966A (ja) * | 2014-08-29 | 2016-04-11 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像読取装置及び該画像読取装置を備えた画像形成装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0671830U (ja) | 1994-10-07 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |