JP2562430Y2 - レンジフード用フィルター装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、調理用ガスレンジの上
方に配設されて排煙を行うレンジフードに装着して使用
される使い捨てタイプのレンジフード用フィルターに関
するものであり、特に深型のレンジフードに用いられる
レンジフード用フィルターに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、飲食店の厨房はもとより一般家庭
の台所においても、調理時に発生する油煙や臭気等を排
出するために、回転排気ファンを備えたレンジフードが
広く採用されている。

【０００３】ところで、この種のレンジフードは、例え
ば図５に示すように、該フードのハウジングに回転排気
ファンを内蔵させると共に、ハウジングの下面に、前記
ファンに臨む排気口をガスレンジに向かって開口してあ
り、該吸気口にはガード用金網等のフィルター部材が、
吸気口を囲む開口周壁を覆う状態で張設され、金網等の
フィルター部材を介して排気されるようになっている。

【０００４】しかしながら、レンジフードは頻繁に使用
されるために、上記金網等のフィルター部材のみで使用
すると頻繁に洗浄が必要になり、金網内部に付着した油
を洗浄除去するのが面倒であると共に、洗浄を怠って放
置しておくと付着し凝固した油が滴状となってガスレン
ジ上に落下するという不衛生な事態をまねく問題があっ
た。

【０００５】一方、この様な問題を解決するものどして
不織布によるフィルター面を形成したアルミニューム枠
体をレンジフードの吸気口に着脱自在に装着して、アル
ミニューム枠体ごと使い捨てにしたフィルターが提案さ
れており、業界内で浅型と称されるレンジフードが利用
されている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この提
案のフィルターは、浅型のレンジフードには適用可能で
あるが、深型のレンジフードのフィルターに使用する
と、深型のレンジフードはフード自体が大型であり、し
かもデザインを重視した製品であるので、外部に露出し
て取り付けることはデザインを低下させるため、フード
の内部に収める必要があり、フードの内面に沿って取り
付けるのが面倒であった。

【０００７】また、深型のレンジフードに始めから標準
品として取り付けてある金網製のフィルターが邪魔にな
って取り付け難い問題があり、逆にこの金網製のフィル
ターを除去して、使い捨て式に変えたのでは標準装備の
金網製のフィルターが全く無駄になってしまう問題があ
った。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記従来およ
び提案のレンジフード用フィルターの問題に鑑みて成さ
れたものであり、深型のレンジフードの金網製フィルタ
ー部材を利用して取り付けることができる簡便でかつ安
価な使い捨て式のレンジフード用フィルターを提供する
ことを目的とするものであり、レンジフードの吸気口に
配設された金網等からなるフィルター部材の下面に着脱
自在に装着されるフィルターであって、不織布からなる
シート状フィルターの一端部を上面側に折り返すと共に
該折り返し部の両側端を上記シート状フィルターの対向
再側端に接着することによって上記フィルター部材の一
端部が収容可能な袋状端部に形成すると共に上記シート
状フィルターの他端部を上記フィルター部材の他端部の
上面側に折り返す折り返し端部に形成し、この折り返し
端部を係止部材によってフィルター部材の他端部に固定
させるように構成したことを特徴とするレンジフード用
フィルター装置である。

【０００９】また、請求項２、３、４は、上記係止部材
の確実かつ簡便な係止手段として、前記係止部材とし
て、フィルター部材の他端部を収容可能にした不織布よ
りなる袋体や、フィルター部材の他端部に装着可能にし
た不織布よりなる環状体あるいは、フィルター部材の他
端部上面に貼着された係止爪を有するテープ部材を使用
したことを特徴とするものである。

【００１０】

【作用】本考案は、上記の構成により、深型のレンジフ
ードの吸気口に配設された金網等からなるフィルター部
材の一端部に、シート状フィルターの袋状端部を被せて
係止させると共に、該シート状フィルター他端部を、前
記フィルター部材の他端部の上面側に折り返して該折り
返し端部を係止部材で固定することにより取り付けるこ
とができるものであり、しかも、該シート状フィルター
は一端部の袋状端 部から他端部の折り返し端部まで全体
的に不織布によって構成されているので、構造が簡単で
安価に且つ容易に製作し得ると共にフィルター部材の全
面に亘って装着することができてフィルター部材の汚損
を防止し得るものである。その上、シート状フィルター
は不織布より形成されているので、油煙中の油分を効率
よく吸着することができ、また、既存の金網のフィルタ
ーをそのまま利用して使い捨て式の衛生的なフィルター
として使用できるものである。

【００１１】また、上記係止部材としてフィルター部材
の他端部を収容可能にした不織布からなる袋体や、フィ
ルター部材の他端部に装着可能にした不織布からなる環
状体あるいは、フィルター部材の他端部上面に貼着され
た係止爪を有するテープ部材を使用することによってシ
ート状フィルターの装着を確実にして、油煙を吸着した
時のシート状フィルターの垂れ下がりが防止されるもの
である。

【００１２】

【実施例】本考案の実施例を図面に従って説明すると、
図１、図２は本考案のレンジフード用フィルター装置Ａ
の一実施例を示し、ポリエステル繊維あるいはポリプロ
ピレン繊維を適宜結合剤で３次元の網目構造に結合させ
た厚さが約０．３ｍｍの不織布１を縦寸法および横寸法
が４２×２７ｃｍの短形体とし、その一端部を上面側に
折り返すと共に該折り返し部の両側端を不織布１の対向
両側端に接着もしくは融着によって接合して深さが５ｃ
ｍの袋状端部２ａを形成したシート状フィルター２と、
上記不織布１と同じ材料で深さが約５ｃｍで開口幅が２
７ｃｍの浅い袋体３ａよりなる係止部材３とから構成し
てあり、レンジフードの吸気口に配設された金網等から
なるフィルター部材４の一端部に、前記シート状フィル
ターの袋状端部２ａを被せて係止させるとともに、フィ
ルター部材４の他端部の上面側にシート状フィルター２
の他端部を折り返して、該折り返し端部２ｂに前記袋体
よりなる係止部材３を被せることにより装着してある。

【００１３】なお、前記フィルター部材４は、深型のレ
ンジフードの金網製フィルター部材がぞのまま使用さ
れ、シート状フィルター２を下面側にしてレンジフード
に取り付けられる。

【００１４】したがって、レンジフードのファンを作動
させると、調理中の油煙は、不織布からなるシート状フ
ィルター２が吸着保持され、ファンの汚染が防止され
る。

【００１５】図３は、本考案の変形例に係るレンジフー
ド用フィルター装置を示し、前記実施例が係止部材３と
して袋体を用いたのに対してこのものは、不織布で形成
した環状体３ｂを使用したものである。

【００１６】この変形例によれば、係止部材３が環状体
３ｂで形成してあるので、フィルター部材４の上面側に
折り返したシート状フィルター２の折り返し端部２ｂに
被せるようにしてフィルター部材４の他端部に該環状体
３ｂを装着したのち、折り返し端部２ｂを内側に引っ張
ると、シート状フィルターの弛みが防止されて、フィル
ター部材４に容易に密着させて取り付けることができ
る。

【００１７】図４は、本考案の第２変形例に係るレンジ
フード用フィルター装置を示し、前記変形例が係止部材
３として環状体３ｂを用いたのに対して、このものは、
フィルター部材の他端両側部上面にマジックテープ（商
品名）などの係止爪を植設させたテープ材３ｃ、３ｃ、
が貼着してあり、このテープ材３ｃの係止爪に不織布か
らなるシート状フィルター２の折り返し端部２ｂを係止
させてある。

【００１８】この変形例によれば、テープ材３ｃの係止
爪がシート状フィルターに食い込み状態で係止されるの
で、該シート状フィルター２が油煙の吸着で重くなって
も、シート状フィルターに弛みや垂れ下がりが発生し難
いものとなる。

【００１９】なお、図１から図４に示した本考案のレン
ジフード用フィルター装置Ａは、いずれもシート状フィ
ルター２を下面側にして図５に示すように、深型のレン
ジフードＢの吸気口に、金網製のフィルター部材４とと
もにフード内面の係止金具等１０を利用して着脱自在に
係止させて使用される。

【００２０】また、油煙の吸着によってシート状フィル
ター２が汚れると、金網製フィルター部材４をフード内
面から一旦取り外してシート状フィルター２を除去し、
ついで新たなシート状フィルター２と係止部材３を前記
フィルター部材４に装着して、レンジフードに再び取り
付ける。なお、油煙で汚れたシート状フィルター２は、
不織布製の柔軟なものであるので小さく丸めて日常のゴ
ミとともに廃棄することができる。

【００２１】

【考案の効果】以上のように、本考案のレンジフード用
フィルター装置は、レンジフードの吸気口に配設された
金網等からなるフィルター部材の下面に着脱自在に装着
されるフィルターであって、不織布からなるシート状フ
ィルターの一端部を上面側に折り返すと共に該折り返し
部の両側端を上記シート状フィルターの対向両側端に接
着することによって上記フィルタ一部材の一端部が収容
可能な袋状端部に形成すると共に上記シート状フィルタ
ーの他端部を上記フィルター部材の他端部の上面側に折
り返す折り返し端部に形成しているので、シート状フィ
ルターはその一端部の袋状端部から他端部の折り返し端
部に至るまで全面的に不織布より形成しているから、構
造が極めて簡単であると共に安価に且つ容易に多量生産
が可能となるものであり、その上、不織布よりなる一端
部をフィルター部材の一端部が収容可能な袋状端部に形
成しているから、この袋状端部をフィルター部材の一端
部に被せることによってシート状フィルターの一端部を
確実に固定することができ、その上、シート状フィルタ
ーの他端部をフィルター部材の他端部の上面側に折り返
えす折り返し端部に形成しているので、シート状フィル
ターの他端部もフィルター部材の他端部に容易に装着す
ることができ、フィルター部材がシート状フィルターに
より全面的に被覆された構造となってフィルター部材の
汚損を防止し得るものである。

【００２２】さらに、シート状フィルターは不織布より
なるものであるから、油煙中の油分を効率よく吸着する
ことができ、また、その取り替えも容易で使い捨て式の
フィ ルターとして使用できるものである。

【００２３】また、シート状フィルターの折り返し端部
を係止部材によってフィルター部材の他端部に固定させ
ることにより、シート状フィルターの一端部側の袋状端
部と共にシート状フィルターをフィルター部材に確実に
張設しておくことができ、このような係止部材として請
求項２に記載したように、フィルター部材の他端部を収
容可能にした不織布からなる袋体を用いることにより、
或いは請求項３に記載したように、フィルター部材の他
端部に装着可能にした不織布よりなる環状体を用いるこ
とによってフィルター部材の他端部に対する上記シート
状フィルターの折り返し端部の固定が容易に行うことが
できると共にこれらの係止部材はシート状フィルターと
同一材料である不織布より形成されているので、シート
状フィルターの油分吸着作用を損なうことがないと共に
体裁のよい外観を呈するフィルター装置を構成し得るも
のである。

【００２４】さらに、係止部材をフィルター部材の他端
部表面に貼着された係止爪を有するテープ材より形成し
ておくと、シート状フィルターの弛みが完全に防止され
て常に弛みの無い状態で取り付けておくことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のレンジフード用フィルター装置の実施
例を説明する斜視図、

【図２】本考案のレンジフード用フィルター装置の断面
図、

【図３】本考案のレンジフード用フィルター装置の第２
実施例を示す斜視図、

【図４】本考案のレンジフード用フィルター装置の第３
実施例を示す斜視図、

【図５】本考案のレンジフード用フィルター装置の使用
法を説明する斜視図。

【符号の説明】

１ 不織布 ２ シート状フィルター ２ａ 袋状端部 ２ｂ 折り返し端部 ３ 係止部材 ４ フィルター部材

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンジフードの吸気口に配設された金網
   等からなるフィルター部材の下面に着脱自在に装着され
   るフィルターであって、不織布からなるシート状フィル
   ターの一端部を上面側に折り返すと共に該折り返し部の
   両側端を上記シート状フィルターの対向両側端に接着す
   ることによって上記フィルター部材の一端部が収容可能
   な袋状端部に形成すると共に上記シート状フィルターの
   他端部を上記フィルター部材の他端部の上面側に折り返
   す折り返し端部に形成し、この折り返し端部を係止部材
   によってフィルター部材の他端部に固定させるように構
   成したことを特徴とするレンジフード用フィルター装
   置。
2. 【請求項２】 係止部材が、フィルター部材の他端部を
   収容可能にした不織布からなる袋体であることを特徴と
   する請求項１に記載のレンジフード用フィルター装置。
3. 【請求項３】 係止部材が、フィルター部材の他端部に
   装着可能にした不織布よりなる環状体であることを特徴
   とする請求項１に記載のレンジフード用フィルター装
   置。
4. 【請求項４】 係止部材が、フィルター部材の他端部上
   面に貼着された係止爪を有するテープ材よりなることを
   特徴とする請求項１に記載のレンジフード用フィルタ
   ー。