JPH04118120U - レンジフード用フイルター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油滴が生じ難い衛生的で、メンテナンス不要
の簡便でかつ安価な使い捨て式のレンジフード用フィル
ターを提供することを目的とする。 【構成】 ポリエステル繊維あるいはポリプロピレン繊
維を適宜結合剤で３次元の網目構造に結合させた不織布
の上面にポリエステル繊維糸を平織りしたネットを貼着
させた通気性シートを中央部分を窪ませて全体を皿形状
のシート状フィルター１に成形してあり、上記該シート
状フィルター１の取り付け用周縁部１ａの上面に永久磁
石３が配されているとともに、シート状フィルター１の
周縁部１ａを下面にヨーク３が配されて、シート状フィ
ルター１の周縁部１ａを金属製ヨーク２と永久磁石３の
間に挟着状態にして構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、調理用ガスレンジの上方に配設されて排煙を行うレンジフードに装 着して使用される使い捨てタイプのレンジフード用フィルターに関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来、飲食店の厨房はもとより一般家庭の台所においても、調理時に発生する 油煙や臭気等を排出するために、回転排気ファンを備えたレンジフードが広く採 用されている。

【０００３】 ところで、この種のレンジフードは、ハウジングの下面に、前記ファンに臨む 吸気口をガスレンジに向かって開口してあり、該吸気口にはガード用金網等のフ ィルター部材が、吸気口を囲む開口周壁を覆う状態で張設され、金網等のフィル ター部材を介して排気されるようになっている。

【０００４】 しかしながら、レンジフードは頻繁に使用されるために、上記金網等のフィル ター部材をそのまま用いた場合には、フィルター部材の汚れが早くフィルター部 材の洗浄を頻繁に行う必要があり、フィルター部材の取り外しが面倒であると共 に、フィルター部材の洗浄を怠ると該フィルター部材表面や開口部周壁並びに排 気ファン等が油煙で早期に汚損され、この状態で放置しておくと付着し凝固した 油が滴状となってガスレンジ上に落下するという不衛生な事態をまねく問題があ った。

【０００５】 そこで、出願人は先に、この様な問題を解決したフィルターとしてフィルター 面を形成したアルミニュームシートからなるレンジフード用フィルターにおいて 外周枠に永久磁石片を取り付けたフラップを折曲げ自在に設けた使い捨て式のフ ィルターを提案（実公平２−４４８１９号）した。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

この提案のフィルターは、レンジフードへの着脱が容易になって使い捨てに好 都合であると共に、業界内で浅型や深型と称される多種のレンジフードに適用可 能であるという利点があり、洗浄手間を要する金網式フィルター部材の下面を簡 単に覆うことができるため好んで使用されるようになってきたが、上記提案では アルミニュームシートを外周枠に用いているために、浅型のレンジフードに使っ た場合には、外周枠からは油煙が吸引されないので、フィルター面から吸引・排 気される油煙がアルミニュームシートの外周枠表面に付着したまま外周枠の下端 部で滴状になり易く、この外周枠に付着した油を拭きとる手間が煩らわしく、よ り衛生的でメンテナンス不要の簡便な使い捨て式フィルターの開発が望まれてき た。

【０００７】 また、上記提案のフィルターは、安価に製造可能とはいえ、フィルター面の周 囲にアルミニュームシートの外周枠を取り付けるために、材料面や加工手間の面 からコストダウンするのに限界があり、主婦が気兼ね無く頻繁に使い捨て出来る ほどの廉価な価格で提供するには製造コストの点で限界があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記従来および提案のレンジフード用フィルターの問題に鑑みて成 されたものであり、油滴が生じ難く衛生的でメンテナンス不要の簡便でかつ安価 な使い捨て式のレンジフード用フィルターを提供することを目的とするものであ り、不織布等からなるシート状フィルターと、該シート状フィルターの周縁部上 面に配設される永久磁石と、シート状フィルターの周縁部下面に配設される金属 製ヨークとからなり、上記シート状フィルターを永久磁石と金属製ヨークの間に 着脱自在に挟着させてあることを特徴とするレンジフード用フィルターである。

【０００９】

【作用】

本考案は、上記の構成により、レンジフードの吸引口を覆うようにして永久磁 石にフィルターを介して金属製ヨークを被嵌挟持して取り付けることで不織布等 の通気性シートによるシート状フィルターで油煙が均等に吸引されることになり 、油が不織布に吸着保持されて油滴が生じ難いと共に、不織布による取付け部が 一体に設けられているので、レンジフード表面と該取付け部との間に回り込んだ 油を、該取付け部に吸着させてレンジフードの汚れを最小限にすることができる ものである。

【００１０】 また、シート状フィルターを永久磁石と金属製ヨークの間に着脱自在に挟着さ せてあるので、金属製ヨークを永久磁石から、又永久磁石及びヨークとフィルタ ーと共に取り外すことでシート状フィルターだけを簡単に交換できる。

【００１１】 また、上記シート状フィルターの中央部を窪ませて皿形状に成形しておけば、 シート状フィルターの窪み部分の側壁面からも油煙を吸収、排気して排気効率を 高くできる。

【００１２】

【実施例】

本考案の実施例を図面に従って説明すると、図１、図２は本考案のレンジフー ド用フィルターＡの実施例を示し、中央部を３〜５ｃｍの深さで窪ませて皿形状 に成形された不織布からなるシート状フィルター１と、該シート状フィルター１ の周縁部上面に配設される永久磁石３と、シート状フィルターの周縁部下面に配 設される金属製ヨーク２とからなり、永久磁石３はレンジフードの吸引口周辺の 適宜場所の金属部に吸着させておき、上記シート状フィルターの周縁部１ａを永 久磁石３と金属製ヨーク２の間で着脱自在に挟着して構成されている。

【００１３】 上記フィルター１の寸法は、縦寸法および横寸法がそれぞれ３７×４２ｃｍに してあり、中央部分の窪み部分１ｂの縦寸法および横寸法が２７×３２ｃｍにし て、窪みの周辺に約５ｃｍ幅の取付け用周縁部１ａが一体に設けられている。な お、この周縁部１ａは永久磁石とヨークで挟持するために柔軟であることが必要 である。上記皿形状の窪み部分１ｂは、前記不織布を繊維を溶融させない程度の 温度で熱圧して成形されている。なお不織布をスチーム等の加熱で軟化させて冷 圧して成形してもよい。前記窪み部分１ｂの形状は、矩形に限らず楕円形状であ ってもよい。また、シート状フィルターを形成する不織布には、ポリエステル繊 維糸のネット等の通気性を阻害しない直径０．１〜０．３ｍｍ程度の細い補強材 を積層しておいても良い。

【００１４】 また、金属製ヨーク２の内面には、前記永久磁石３を嵌着させる突起による係 止部２ａが設けられ、該係止部２ａと永久磁石３との間にシート状フィルター１ の周縁部１ａを着脱自在に嵌合して挟着させている。

【００１５】 したがって、上記シート状フィルター１の周縁部１ａを永久磁石３と金属製ヨ ーク２の間に挟着状態でレンジフードの吸気口に配するだけで、永久磁石３の磁 力でレンジフードに取り付けることができるものである。

【００１６】 図３は、本考案の第２実施例を示し、前記実施例がシート状フィルター１の窪 み部分１ｂの底面を平坦面に形成したものに対して、これは、窪み部分１ｂの底 面を山形の屈曲凹凸部１０、１０、１０…を繰り返した凹凸面に形成したもので ある。

【００１７】 また、図４は本考案の第３実施例を示し、前記実施例がシート状フィルター１ の窪み部分１ｂの底面をピラミッド型凸部１１、１１、１１…が連設された凹凸 面に形成したものである。上記第２実施例、第３実施例のように、窪み部分の底 面を凹凸面に形成しておくと、油煙の吸着面積が広くなり、レンジフード内部の ファンの汚染を一層少なくできる。

【００１８】 本考案のレンジフード用フィルターは、例えば図５に示すように浅型のレンジ フードＢの吸気口をシート状フィルター１の皿形状の窪み部分１ｂで覆うように して配し、金属製ヨーク２と永久磁石３で着脱自在に固着して使用され、取換え の際には永久磁石３をレンジフードからフィルター１と共に取り外してもよく、 又金属製ヨーク２を取り外してフィルター１を取り外すようにしてもよく、取り 外したシート状フィルター１を廃棄したあと、新たなシート状フィルター１を金 属製ヨーク２で永久磁石３に挟みつけてレンジフードＢに取り付けるものである 。

【００１９】 以上の実施例では、シート状フィルター１を中央部を窪ませた皿形状にしたも のであるが、シート状フィルターは吸気口を覆い得る大きさであれば平坦な形状 のものであっても良い。また、不織布に代えて織物等の通気性シートを使用して もよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように、本考案のレンジフード用フィルターは、不織布等の通気性シー トからなるシート状フィルターと、該シート状フィルターの周縁部上面に配設さ れる永久磁石と、シート状フィルターの周縁部下面に配設される金属製ヨークと からなり、上記シート状フィルターを永久磁石と金属製ヨークの間に挟着状態で レンジフードの吸気口に着脱自在に取り付け可能としたものであるので、不織布 等の通気性シートによるシート状フィルターで油煙が均等に吸引されることによ り、油が不織布に吸着保持されて油滴が生じ難いと共に、アルミ等の取り付け枠 を用いないので、フィルターを捨てるまでの使用期間にフィルター回りの枠部材 の油滴拭き取り等のメンテナンス作業が不要である。

【００２１】 また、全体が不織布等の通気性シートで形成できるので、アルミ外枠材と組合 わせる製造手間がなく、不織布の成形による工業生産で廉価に提供することがで きるものである。

【００２２】 また、シート状フィルターを永久磁石と金属製ヨークとの間に挟着状態にして 取り付けるものであるので永久磁石と金属製ヨークと共に、あるいは金属性ヨー クを取り外すだけでシート状フィルターだけを廃棄して交換できるため、磁石を フィルターごと捨てるような無駄がない。

【００２３】 また、側壁部の上端に不織布を外側に延出させた取付け部が一体に設けられて いるので、レンジフード表面と取付け部との間に回り込んだ油を、該取付け部に 吸着させてレンジフードの汚れを最小限にすることができるものである。

【００２４】 さらに、上記シート状フィルターの中央部を窪ませて皿形状に成形しておけば 、シート状フィルターの窪み部分の側壁面からも油煙を吸収、排気して排気効率 の高いフィルターを提供できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のレンジフード用フィルターの一実施例
を説明する斜視図

【図２】本考案のレンジフード用フィルターの一部拡大
断面図

【図３】本考案のレンジフード用フィルターの第２実施
例を示す断面図

【図４】本考案のレンジフード用フィルターの第３実施
例を説明する一部切断斜視図

【図５】本考案のレンジフード用フィルターの使用状態
を説明する斜視図

【符号の説明】

１ シート状フィルター １ａ 取り付け用周縁部 １ｂ 窪み部分 ２ 金属製ヨーク ３ 永久磁石

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 不織布等からなるシート状フィルター
   と、該シート状フィルターの周縁部上面に配設される永
   久磁石と、シート状フィルターの周縁部下面に配設され
   る金属製ヨークとからなり、上記シート状フィルター周
   縁部を永久磁石と金属製ヨークの間に着脱自在に挟着さ
   せてあることを特徴とするレンジフード用フィルター。
2. 【請求項２】 シート状フィルターが、中央部を窪ませ
   て皿形状に成形されていることを特徴とするレンジフー
   ド用フィルター。