JP2561853Y2 - 便器洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、便器洗浄装置の操作レ
バーの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の便器洗浄装置においては、図７、
図８に示すように、洋式便器１の後部に洗浄水貯溜用タ
ンク２を配設し、該洗浄水貯溜用タンク２の側壁に一方
方向への回動により大便用の大量の洗浄水の供給を行い
且つ他方方向への回動により小便用の少量の洗浄水の供
給を行うように回動自在に操作レバー３′を取付けたも
のであり、この操作レバー３′は操作部４′が一つだけ
突出しており、この一つだけ突出した操作部４′は非操
作状態において略下向きとなるように位置しているもの
である。そして、使用に当たっては、小便の洗浄時には
略下向きとなった操作部４′を後方側に押すことで少量
の洗浄水の供給をし、また、大便の洗浄時には略下向き
となった操作部４′を手前側に回動することで大量の洗
浄水を供給するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
例にあっては、小便の洗浄時には略下向きとなった操作
部４′を後方側に押すことで少量の洗浄水の供給をする
のであるが、男子の小便時に立った状態で操作部４′の
操作をする場合には立ったまま腰をかがめて略下向きと
なった操作部４′を後方に押した状態を保って洗浄水を
流す必要があり、腰をかがめての操作であるため、操作
がしにくいという問題がある。また、大便後における洗
浄の際に立った状態で操作部４′をの操作をする場合も
腰をかがめて略下向きとなっている操作部４′を操作す
る必要があって操作がしにくい。

【０００４】本考案は上記の従来例の問題点に鑑みて考
案したものであって、その目的とするところは、立った
ままの姿勢における小便時の洗浄や大便時の洗浄に当た
り、立って行う操作が楽な姿勢ででき、また、洋式便器
に座った状態における操作もしやすい便器洗浄装置を提
供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】従来例の問題点を解決し
て本考案の目的を達成するため、本考案の便器洗浄装置
は、洋式便器１の後部に洗浄水貯溜用タンク２を配設
し、該洗浄水貯溜用タンク２の側壁に一方方向への回動
により大便用の大量の洗浄水の供給を行い且つ他方方向
への回動により小便用の少量の洗浄水の供給を行うよう
に回動自在に操作レバー３を取付けた便器洗浄装置にお
いて、操作レバー３の回転中心から第１の操作部４と第
２の操作部５とを異なる方向に突出させ、非操作状態に
おいて第１の操作部４を略下向きとなるように位置させ
ると共に第２の操作部５を第１の操作部４よりも手前側
に向けて突出するように配置して成るものである。

【０００６】また、非操作状態において略下向きとなる
ように位置した第１の操作部４に重り６を設け、この重
り６の重心を操作レバー３の中心を通る垂直線よりも後
方に位置するように配置することが好ましい。

【０００７】

【作用】上記のような構成の本考案によれば、操作レバ
ー３の回転から第１の操作部４と第２の操作部５とを異
なる方向に突出させ、非操作状態において第１の操作部
４を略下向きとなるように位置させると共に第２の操作
部５を第１の操作部４よりも手前側に向けて突出するよ
うに配置してあることで、男子の小便の洗浄時や立った
ままで大便時の洗浄を行う場合、手前側に向けて突出し
ている第２の操作部５に指をかけて回動した状態で洗浄
水の供給を行うものである。そして、大便の洗浄時には
便器に座って操作する際は通常は下向きに位置している
第１の操作部４を手前に引くように回動することで大量
の洗浄水を供給するものであるが、この場合、本考案に
よれば、第１の操作部４のみの操作だけでなく、第２の
操作部５を操作して手前に回動しても大量の洗浄水を供
給でき、後ろ向きに操作レバー３を操作することで操作
部が見えにくくいにもかかわらず、いずれかの操作部を
操作することで大量の洗浄水を供給することができるの
である。

【０００８】また、第１の操作部４と第２の操作部５と
を異なる方向に向けて突出したものにおいて、非操作状
態で第１の操作部４が略下向きとなるようにするには第
１の操作部４に重り６を設ける必要があるが、本考案の
ように、非操作状態において略下向きとなるように位置
した第１の操作部４に重り６を設け、この重り６の重心
を操作レバー３の中心を通る垂直線よりも後方に位置す
るように配置することで、重り６の重量を軽くしてもバ
ランスをとることができて、操作レバー３の回動操作が
軽い操作力で行えるようになったものである。

【０００９】

【実施例】以下本考案を添付図面に示す実施例に基づい
て詳述する。図１に示すように、洋式便器１の後部に洗
浄水貯溜用タンク２が配設してある。洗浄水貯溜用タン
ク２の側壁の外面側には操作レバー３が回動自在に取付
けてあり、この操作レバー３は一方方向に回動させる
（実施例においては手前側に押し上げるように１００°
回転させる）ことで大便用の大量の洗浄水を洗浄水貯溜
用タンク２から洋式便器１内に供給し、また、他方方向
に回動させる（実施例においては後方に押すように６０
°回転させる）ことで小便用の少量の洗浄水を洗浄水貯
溜用タンク２から洋式便器１内に供給するようになって
いる。この操作レバー３には図２に示すように、操作レ
バー３の回転中心から第１の操作部４と第２の操作部５
とをある開き角度を持って異なる方向に突出させてあ
る。そして、操作レバー３は非操作状態において第１の
操作部４が略下向きとなるように位置すると共に第２の
操作部５が第１の操作部４よりも手前側に向けて突出す
るように配置されるものである。

【００１０】しかして、男子の小便後の洗浄に当たって
は、図３のように手前側に向けて突出した第２の操作部
５を操作して後方に押すように回動操作し、後方への押
し状態を保った状態で小便用の少量の洗浄水の供給を行
うものである。このように、男子の小便の洗浄時には手
前側に向けて突出している第２の操作部５を後方（奥
側）に向けて押して押した状態を保持しながら少量の洗
浄水の供給を行うことで、立った状態での操作がし易く
なるものである。

【００１１】また、大便の場合に便器に座って操作する
際は通常は下向きに位置している第１の操作部４を手前
に引くように回動することで大量の洗浄水を供給する。
この場合、図４に示すように、下向きに位置している第
１の操作部４に指をかけて手前に引くように回動する方
が、手前側に突出している第２の操作部５に指をかけて
手前側に引いて押し上げるように回動するよりも腕の曲
がりが緩やかで操作しやすいものであり、大便時には通
常は上記のように下向きに位置している第１の操作部４
を手前に引くように回動して大量の洗浄水を供給するも
のである。しかしながら、洋式便器１に座って操作レバ
ー３の操作をする場合、後向きの操作になり、このた
め、第１の操作部４を指で探しにくく、この際、第１の
操作部４だけでなく、第２の操作部５を設けておくこと
で、操作部が探し易くなって、図５のように第２の操作
部５に指がかかった場合でも、手前側に引いて押し上げ
るように回動することで、大量の洗浄水を供給できるよ
うになっている。ここで、第２の操作部５を操作した際
に１００°回動した場合でも図６のように第２の操作部
５が操作レバー３の回転中心を通る垂直線よりも手前側
に位置するようにしておくものである。つまり、第２の
操作部５を操作して１００°回動した場合、第２の操作
部５が操作レバー３の回転中心を通る垂直線よりも後方
側に位置するように回動すると、回動操作がしにくいの
で、このようなことがないようにしている。

【００１２】なお、大便の洗浄に当たって立った姿勢で
操作レバー３の操作をするには図３のように第２の操作
レバー３に指を掛けて手前側に回動操作する方が操作が
し易いものである。ところで、非操作状態において第１
の操作部４を略下向きとなるように位置させると共に第
２の操作部５を第１の操作部４よりも手前側に向けて突
出するように配置するに当たっては、第１の操作部４に
重り６を設けることで非操作状態において第１の操作部
４が略下向き姿勢となるようにしてある。

【００１３】この場合、図２の実施例においては、第１
の操作部４に設ける重り６の重心を操作レバー３の中心
を通る垂直線よりも後方に位置するように配置してあ
り、具体的には第１の操作部４のセンターＭよりも後方
側に重り６をずらして配設（実施例では埋設）してあ
る。つまり、重り６を操作部５のセンターＭにもってく
ると重り６の重量を重くしないとバランスがとれず、こ
のように重り６の重量を重くすると操作レバー３の操作
に当たり操作が重くなるが、本考案のように軽い重量の
重り６を用いることで、操作レバー３の操作が軽くでき
ることになる。

【００１４】

【考案の効果】本考案にあっては、上述のように操作レ
バーの回転中心から第１の操作部と第２の操作部とを異
なる方向に突出させ、非操作状態において第１の操作部
を略下向きとなるように位置させると共に第２の操作部
を第１の操作部よりも手前側に向けて突出するように配
置してあるので、立って操作する際には手前側に向けて
突出した第２の操作部に指をかけて回動操作することで
楽な姿勢で操作ができるものであり、また、大便時に便
器に座った状態で操作する際、略下向きとなった第１の
操作部に指をかけることで楽な姿勢で大便時の洗浄がで
き、また、この便器に座っての大便時の洗浄に当たり、
後ろ向きに操作レバーを操作することで操作部が見えに
くくいにもかかわらず、いずれかの操作部を操作するこ
とで大量の洗浄水を供給することができ、この点でも便
器に座っての大便時における洗浄操作がし易いものであ
る。

【００１５】また、非操作状態において略下向きとなる
ように位置した第１の操作部に重りを設け、この重りの
重心を操作レバーの中心を通る垂直線よりも後方に位置
するように配置したものにおいては、第１の操作部と第
２の操作部とを異なる方向に向けて突出し、非操作状態
で第１の操作部が略下向きとなるようにしたものである
にもかかわらず、重りの重量を軽くしてもバランスをと
ることができて、操作レバーの回動操作が軽い操作力で
行えるものであって、この点でも操作がし易いものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の全体斜視図である。

【図２】同上の操作レバー部分の正面図である。

【図３】同上の立って操作する際に第２の操作部に指を
かけて操作している状態を示す説明図である。

【図４】同上の座って操作する際における第１の操作部
に指をかけて操作している状態の説明図である。

【図５】同上の座って操作する際における第２の操作部
に指をかけて操作している状態の説明図である。

【図６】同上の操作レバーを手前側に１００°回動した
状態を示す説明図である。

【図７】従来例の立って操作している状態を示す説明図
である。

【図８】従来例の座って操作している状態を示す説明図
である。

【符号の説明】

１ 洋式便器 ２ 洗浄水貯溜用タンク ３ 操作レバー ４ 第１の操作部 ５ 第２の操作部 ６ 重り

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 洋式便器の後部に洗浄水貯溜用タンクを
   配設し、該洗浄水貯溜用タンクの側壁に一方方向への回
   動により大便用の大量の洗浄水の供給を行い且つ他方方
   向への回動により小便用の少量の洗浄水の供給を行うよ
   うに回動自在に操作レバーを取付けた便器洗浄装置にお
   いて、操作レバーの回転中心から第１の操作部と第２の
   操作部とを異なる方向に突出させ、非操作状態において
   第１の操作部を略下向きとなるように位置させると共に
   第２の操作部を第１の操作部よりも手前側に向けて突出
   するように配置して成る便器洗浄装置。
2. 【請求項２】 非操作状態において略下向きとなるよう
   に位置した第１の操作部に重りを設け、この重りの重心
   を操作レバーの中心を通る垂直線よりも後方に位置する
   ように配置して成る請求項１記載の便器洗浄装置。