JP3009466B2 - 壁と一体化された便器を有する水洗便所ユニット - Google Patents

壁と一体化された便器を有する水洗便所ユニット

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の目的は、駅、空港、市場等といった公衆が利
用するあらゆる施設に設置し得る水洗便所ユニットを提
供することである。また、この水洗便所ユニットは、例
えば船舶のキャビンに設置することも可能である。
水洗便所ユニットの従来の工法では、便器、洗面台等
の必要な据付け品は全て工場内で取り付けられる。この
ため、水洗便所ユニットを現場に設置する際には、上記
据付け品を水道配管および下水溝に接続するだけでよ
い。このように、工場内で予め据付け品の取付け作業が
行われるため、現場での設置作業に要する時間は大幅に
短縮される。
しかるに、工場内で予め取付け作業が行われるにもか
かわらず、水洗便所ユニットの構造は相変らず複雑であ
る。便所内では、各据付け品ごとに取付けスペースが必
要となる。また、構造が複雑なため洗浄する際に不便で
ある。
そこで、本発明の目的は、従来よりも大幅に簡単な構
造を有し、効率的な使用および簡易な洗浄が可能となる
水洗便所ユニットを提供することである。本発明におい
ては、ユニットは分離独立した便器を備えておらず、便
器はユニットの壁構造物と連続一体的に形成されてい
る。また、本発明による水洗便所ユニットの設計および
構造は、水洗便所が必要とする全ての装置を備えてい
る。
以下、本発明の実施例を下記添付図面を参照して説明
する。
図１ 本発明による水洗便所ユニットの部分断面斜視
図。
図２ 図１に示された水洗便所ユニットの正面図。
図３ 上記水洗便所ユニットの平面図。
図４ 上記水洗便所ユニットを模式的に示す横断面
図。
図５ 図４に対応して第二の実施例を示す図。
図６ 上記水洗便所ユニットに使用されるトイレット
ペーパーの断面図。
図７ 図６に対応してトイレットペーパーの第二の実
施例を示す図。
図８ 図６に対応してトイレットペーパーの第三の実
施例を示す図。
図１は、本発明による水洗便所ユニット10の部分断面
図である。この図に示されているように、水洗便所ユニ
ット10は分離独立した便器11を有していない。その代り
に、水洗便所ユニット10の内側面は、便器11が湾曲壁面
12と連続一体的になるように設計されている。便器11
は、湾曲壁面12に設けられたノズル13から流出し便器11
に流れ込む洗浄水によって洗浄される。洗浄水タンク29
は、湾曲壁面12の裏側で水洗便所ユニット10の上部に設
置することができる。
水洗便所ユニット10は、便器11が湾曲壁面と連続一体
的に形成されているため、従来の据付け式腰掛を有して
いない。本発明による水洗便所ユニット10においては、
水洗便所の腰掛として水洗便所ユニット10の内壁12上に
便座15が配設されている。この便座15は、ヒンジ14を介
して手前に引き倒され、使用後は持ち上げられて元の位
置に戻される。便座15の上方にはトイレットペーパー容
器16が配設されており、トイレットペーパー20は便座15
のカバーとしても用いられる。このトイレットペーパー
20は、便座15に被せることができるように、ソックスの
ような形状をなしている。
水洗便所ユニット10の内壁12にはハンドル25および照
明装置26が設けられており、また床には床すのこ17で覆
われた床ドレンが形成されている。この床ドレンには独
立した給水装置が接続されており、この給水装置は便器
11を洗浄する際に同時に床すのこ17の下方部分を洗浄す
る。
図２は、図１に示された水洗便所ユニット10の正面図
である。同図は、湾曲した内壁12と連続一体的に形成さ
れている便器11の形状を明瞭に示している。洗浄水はノ
ズル13から流出し、内壁12をつたって便器11に流れ込
み、さらに下水溝18へと流れていく。本実施例において
はノズル13が分離独立した部材で構成されているが、洗
浄水ノズルとして機能するくぼみあるいは突起等を内壁
に形成することもできる。床すのこ17の下方に設けられ
た床ドレンも、開口部19を介して下水溝につながってい
る。
洗浄水タンク29が図中に破線で示されており、そこか
ら給水配管30が下方にのびている。洗浄水は壁中に配設
された給水弁を通り、配管31を介してノズル13に達す
る。図２には給水弁のパネル27が示されており、このパ
ネル27は、便器洗浄用のハンドルと手洗い用蛇口28のハ
ンドルとを有している。ハンドル操作による手動洗浄に
替えて、弁座15が使用後に持ち上げられた際常に自動的
に便器11が洗浄されるようにすることもできる。この場
合、床すのこ17の下方の床ドレンもまた洗浄される。
腰掛は二枚の便座15よりなり、これらの便座15は、非
使用時においてはトイレットペーパー容器16の下方で壁
に面して直立されている。同図は、弁座15の直立した収
納姿勢には他の機能があることを示している。すなわ
ち、トイレットペーパー20は筒状に形成されているの
で、二つの独立したトイレットペーパーロールから引き
出された筒状のトイレットペーパー20で便座15を覆うこ
とができる。トイレットペーパー20には、約50cm間隔で
切取用ミシン目が穿設されている。トイレットペーパー
20の余分な部分が切り離された後、ヒンジ14を介して便
座15が符号21で示された位置まで引き倒される。
便座15の持ち上げは、釣合いおもり又はバネにより行
うことができる。また、便座15の持ち上げ動作は少し遅
れて生じるようにして、あまり早期に持ち上がらないよ
うにすることが好ましい。
図３は、本発明による水洗便所ユニット10の平面図で
ある。この水洗便所ユニット10は、後部22および前部23
を備えている。この水洗便所ユニット10の機能および技
術的装置は、全て後部22に設けられている。一方、前部
23はドア24のみを有している。このような構成区分によ
る第一の利点は、全ての接続配管を水洗便所ユニット10
の背面に集中させることができる点である。第二の利点
は、図に示されたように、湾曲部を有する後部22と前部
23とをそれぞれ別個に製造できるというユニット工法上
の利点である。第三の利点は、後部22および前部23のそ
れぞれが、既に設置されている便所のドアから搬入でき
る程に小さいという点である。この第三の利点は、本発
明による水洗便所ユニット10を用いて既存の便所を改造
する際に重要である。
水洗便所ユニット10の便座15および他の細部について
は、上述した構成以外にも多様な設計が考えられる。な
お、上記実施例においては、強化プラスチックが用いら
れる。
図４は、上記水洗便所ユニット10の便座15の動きを示
す模式図である。ヒンジ14は、図１から図３に示された
ように、水洗便所ユニット10の後部22の後部内壁上に設
けられる。また、図５に示されたように、後部22の側部
内壁上にヒンジ14を設けることもでき、この場合は便座
15の持上げ方向が違ってくる。重要な点は、持ち上げら
れた便座15の真上にトイレットペーパー容器16があり、
引き出された筒状のトイレットペーパー20で容易に便座
15を覆うことができることである。
本発明の重要な目的の一つは、上記水洗便所ユニット
10の清潔さを保つことである。すなわち、上記水洗便所
ユニット10は、排泄物が溜まりやすい凹部を全く有して
いない。さらに、水洗便所ユニット10の使用に際して、
基本的に構造部材を素手で直接さわる必要がない。
本発明による水洗便所ユニット10の優れた構造および
効率的な機能によって清潔さが保たれる。図６に示され
たような断面形状を有する本発明によるトイレットペー
パー20もまた重要な役割を果たす。このトイレットペー
パー20は、筒状に折り曲げられ、継ぎ目32にて接合され
た形状を有する。また、図７に示されたように、上記継
ぎ目32を側端に設けることもできる。さらに、図８に示
されたように、上記トイレットペーパー20を、予め二つ
の部材より形成することもできる。この実施例は、図７
に示されたような継ぎ目32を両側端に有しており、中央
部にはミシン目が穿設された継ぎ目33を有している。上
記ミシン目によって、トイレットペーパーを二つの筒状
片に容易に分割することができる。
なお、下記請求の範囲の範囲内において本発明による
種々の変形例をなすことは当業者にとって自明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−202030（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−147080（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−24182（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−108956（ＪＰ，Ｕ) 米国特許3905048（ＵＳ，Ａ) 米国特許3015110（ＵＳ，Ａ) 欧州特許426976（ＥＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) E03D 11/00 E03D 13/00 E03C 1/02 A47K 17/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】便器（11）や洗面器等の必要な据付け品が
    設置前に取り付けられており、少なくとも大部分が設置
    のためおよび水道配管もしくは下水溝への接続のための
    準備がなされている水洗便所ユニット（10）において、
    水洗便所ユニット（10）の全体または少なくともその一
    部は、便器（11）が水洗便所ユニット（10）の内壁に直
    接形成されるように構成されており、 この便器（11）の内側面が内壁（12）の一部を形成し、 内壁（12）の内側面は湾曲しており、かつ便器（11）の
    内側面は湾曲した内壁（12）の内側面と連続一体的に形
    成され、内壁（12）には腰掛け機能を有する便座（15）
    が取り付けられたことを特徴とする水洗便所ユニット
    （10）。
  2. 【請求項２】水洗便所ユニット（10）の内壁（12）と便
    器（11）が一つの部材よりなることを特徴とする請求項
    １記載の水洗便所ユニット（10）。
  3. 【請求項３】便器（11）用の洗浄水タンク（29）は水洗
    便所ユニット（10）上部で内壁（12）と外壁（22）との
    間隙に配設され、便器へ洗浄水を注水するための少なく
    とも一つのノズル（13）が内壁に設けられていることを
    特徴とする請求項１または２のいずれかに記載の水洗便
    所ユニット（10）。
  4. 【請求項４】水洗便所ユニット（10）の床水準面に床す
    のこ（17）で覆われた床ドレンが形成され、この床ドレ
    ンは下水溝（18）に接続され、さらにこの床ドレンは便
    器（11）が洗浄される際に同時に洗浄されるように構成
    されていることを特徴とする請求項１、２または３のい
    ずれかに記載の水洗便所ユニット（10）。
  5. 【請求項５】便座（15）は便器（11）の上方にヒンジ
    （14）を介して内壁（12）に取付けられており、前記便
    座（15）は非使用時において直立した姿勢に切換可能で
    あることを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載
    の水洗便所ユニット（10）。
  6. 【請求項６】水洗便所ユニット（10）の便座（15）は釣
    合いおもり又はバネによって直立した姿勢にまで持ち上
    げられるように構成されており、この持ち上げ動作には
    時間遅れがあり、解放された便座は所定時間経過後に持
    ち上げられることを特徴とする請求項５記載の水洗便所
    ユニット（10）。
  7. 【請求項７】便座（15）が直立姿勢にまで持ち上げられ
    ると自動的に便器（11）および床ドレンの洗浄が開始さ
    れることを特徴とする請求項６記載の水洗便所ユニット
    （10）。
  8. 【請求項８】水洗便所ユニット（10）の内壁（12）上で
    便座（15）の上方にトイレットペーパー容器（16）が配
    設され、このトイレットペーパー容器（16）から便座
    （15）を覆うためのトイレットペーパーを引き出し得る
    ことを特徴とする請求項５、６または７記載の水洗便所
    ユニット（10）。
  9. 【請求項９】水洗便所ユニット（10）のトイレットペー
    パー容器（16）内に別個の二つのロールまたは二つに分
    離可能な一つのロールが収納され、このロールは筒状の
    トイレットペーパー（20）より形成され、このトイレッ
    トペーパー（20）の端部は便座（15）に被せ得ることを
    特徴とする請求項８記載の水洗便所ユニット（10）。
  10. 【請求項１０】水洗便所ユニット（10）の内壁（12）に
    照明装置（26）および給水弁の操作パネル（27）が配設
    され、この操作パネルは便器（11）を洗浄用のハンドル
    および必要に応じて手洗い用蛇口（28）のハンドルを有
    することを特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載
    の水洗便所ユニット（10）。
  11. 【請求項１１】水洗便所ユニット（10）は後部（22）お
    よび前部（23）の二つの部材より形成され、前記後部
    （22）には便器（11）、便座（15）、トイレットペーパ
    ー容器（16）、照明装置（26）、操作パネル（27）、洗
    浄水タンク（29）および水道、下水もしくは電気の各接
    続部等の水洗便所ユニットの機能に関連する技術的装置
    が配設され、前記前部（23）にはドア（24）が組み込ま
    れていることを特徴とする請求項１乃至10のいずれかに
    記載の水洗便所ユニット（10）。
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