JP2561606B2 - 景品放出ゲーム機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ゲーム結果に応じて
所定の景品を放出口より放出するようにした景品放出ゲ
ーム機に関連し、殊にこの発明は、球状をなすカプセル
の内部に景品が装填されたものを前記放出口より放出す
るようにした景品放出ゲーム機に関する。

【０００２】

【従来の技術】ゲームセンターには、ゲーム結果に応じ
て所定の景品を放出するようにした各種の景品放出ゲー
ム機が設置されている。その種のゲーム機では、多種類
の景品を用意しているが、景品毎に大きさや形状が異な
ることから、機械内部での処理を容易化するため、球状
をなす合成樹脂製のカプセル内に景品を装填して、カプ
セルごと景品を放出するようにしている。このカプセル
は一対の半球体の開口面を突き合わせて結合したもの
で、もとの半球体に２分割すれば、容易に内部の景品が
取り出せる。

【０００３】ゲーム機の内部には、管状または樋状をな
す案内通路が蛇行させた状態で設けてあり、この案内通
路内に多数のカプセルを整列させて収容する。ゲームの
結果、入賞になると、前記案内通路の下流端に位置する
カプセルがプッシャなどにより突き出されて放出口へ導
かれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な構成では、ゲーム機の内部構造が複雑であるばかりで
なく、カプセルの収容能力に欠けるため、カプセルの補
充作業を頻繁に行う必要がある。カプセルの収容能力を
高めるために、案内通路の全長を長くすることもできる
が、これでは、ゲーム機が大型化して設置スペースが嵩
むという不都合がある。

【０００５】この発明は、上記問題に着目してなされた
もので、カプセルの収容能力が高められた構造が簡易か
つ小型の景品放出ゲーム機を提供することを目的とす
る。また、この発明が他に目的とするところは、放出可
能な状態になったカプセルを、安価なリミットスイッチ
により確実に検出することのできる景品放出ゲーム機を
提供することにある。

【０００６】

【０００７】

【０００８】

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の景品放出ゲーム機では、内部に景品が装
填された多数個の球状カプセルを収容するカプセル収容
部と、前記カプセル収容部の底部に配備され板面には前
記カプセルを１個宛取り込むことが可能なカプセル取込
口を開口した可動板と、前記可動板に接続され可動板を
回転駆動する駆動装置と、前記可動板の下方に配備され
上面に前記カプセル取込口に嵌まったカプセルを転動自
由に支持する支持面を備えると共に支持面のカプセル転
動路上に前記放出口に連通するカプセル落下口を開口し
た支持板と、前記支持板と可動板との間のカプセルの通
過位置に配備されたカプセル検出器とを具備させてお
り、前記支持板の支持面に、カプセルの転動方向と直交
する方向へのカプセルの動きを規制する軌条をカプセル
の転動路に沿って一周形成している。

【００１０】請求項２の景品放出ゲーム機では、前記カ
プセル検出器として、カプセルの通過により押操作され
るリミットスイッチを用いている。

【００１１】

【００１２】請求項３の景品放出ゲーム機では、前記軌
条として、前記支持板の支持面上に突設された２本のレ
ールを用いている。

【００１３】請求項４の景品放出ゲーム機では、前記軌
条として、前記支持板の支持面に凹設された１本の溝を
用いている。

【００１４】

【作用】カプセル収容部内には多数個のカプセルが収容
され、可動板のカプセル取込口にカプセルが１個宛取り
込まれる。駆動装置により可動板が回動すると、カプセ
ル取込口に嵌まったカプセルが支持板の支持面上を転動
してカプセル落下口ヘ導かれる。 このとき、支持面上を
転動するカプセルは、支持面上に形成された軌条によ
り、転動方向と直交する方向への動きが規制され、カプ
セルの通過位置に配備されたカプセル検出器により検出
される。

【００１５】請求項２の景品放出ゲーム機では、支持面
上を転動するカプセルがカプセルの通過位置に配備され
たリミットスイッチを押操作することにより、カプセル
取込口にカプセルが取り込まれたことを検出する。 ま
た、支持面上を転動するカプセルは、請求項３の景品放
出ゲーム機では、支持面上に突設された２本のレールに
より、請求項４の景品放出ゲーム機では、支持面に凹設
された１本の溝の両端部により、転動方向と直交する方
向への動きが規制される。

【００１６】

【実施例】図１は、この発明の一実施例にかかる景品放
出ゲーム機の外観を示す。この景品放出ゲーム機は、３
個のリール３Ａ，３Ｂ，３Ｃによってスロットゲームを
行うものであるが、この発明はスロットゲームに限ら
ず、他の内容のゲームを行うための機種にも実施でき
る。

【００１７】図示例の景品ゲーム機は、カプセル収容部
２上にゲーム機本体１が設置された構造のものである。
ゲーム機本体１の内部には、周面に複数のシンボルが表
された３個のリール３Ａ，３Ｂ，３Ｃが組み込まれてお
り、ゲーム機本体１の前面の各リール３Ａ，３Ｂ，３Ｃ
の位置にはシンボル表示窓４が設けてある。従ってこの
シンボル表示窓４より各リール３Ａ，３Ｂ，３Ｃの回転
状態を観察できる。

【００１８】このシンボル表示窓４には複数本の停止ラ
インＬ１〜Ｌ５が表してあり、リール停止時には、これ
ら停止ライン上に各リール３Ａ，３Ｂ，３Ｃの３駒分の
シンボルが整列する。各停止ラインＬ１〜Ｌ５はメダル
の賭け枚数に応じた本数だけ有効となり、全リール停止
時に、有効化されたいずれかの停止ライン上に予め決め
られたシンボルの組み合わせが整列すると、そのゲーム
は入賞となり、メダルの賭け枚数およびシンボルの組み
合わせ内容に応じて所定枚数のメダルが遊戯者へ付与さ
れる。

【００１９】図示例のものは、ゲームの開始に先立ち、
任意の枚数のメダルをメダル投入口５より投入して予め
機械へ預け、押釦操作により預けたメダル（以下、「預
けメダル」という）を用いてゲーム毎にメダルの賭け枚
数ｎを設定してゲームを行う方式のものであり、入賞に
より遊戯者へ付与されたメダルはその枚数分前記預けメ
ダルの総数Ｎに加算される。そのためにリール表示窓４
には、預けメダルの総数Ｎを表示するための数字表示器
６が設けてある。

【００２０】前記リール表示窓４の近傍には、ゲームを
実施するのに必要な構成、具体的には始動レバー７，リ
ール毎の停止釦スイッチ８，賭け枚数設定用の押釦スイ
ッチ９，精算用の押釦スイッチ１０などが配置される。
始動レバー７は３個のリールを一斉に始動させるための
もの、各停止釦スイッチ８は回転中の各リールを個別に
停止させるためのものである。

【００２１】前記賭け枚数設定用の押釦スイッチ９は、
これを１回押すと１枚のメダルが、続けて２回押すと２
枚のメダルが、続けて３回押すと３枚のメダルが、それ
ぞれ賭け枚数ｎとして設定される。このときの賭け枚数
ｎは預けメダルの総数Ｎより減算され、数字表示器６の
表示値は（Ｎ−ｎ）の値に更新される。

【００２２】精算用の押釦スイッチ１０は、預けメダル
の総数Ｎが景品の交換が可能な枚数（以下「交換枚数」
という）Ｍに達したときに押操作されるもので、この押
釦スイッチ１０が押されたとき、預けメダルの総数Ｎが
交換枚数Ｍ以上であれば、後述する駆動装置が作動して
景品の放出動作が行われると共に、交換枚数Ｍが預けメ
ダルの総数Ｎより減算され、数字表示器６の表示値が
（Ｎ−Ｍ）に更新される。なお預けメダルの総数Ｎが交
換枚数Ｍより小さいときに押釦スイッチ１０が押されて
も、その操作は無視される。

【００２３】つぎにカプセル収容部２は、前面にのぞき
窓１１および景品放出用の放出口１２が設けられた箱状
体であって、この箱状体の内部は、多数個の球状カプセ
ル１３を収容することが可能な空間となっている。各カ
プセル１３は透明な合成樹脂成形体であって、内部に所
定の景品が装填される。このカプセル１３を２個の半球
体に分割すれば、内部の景品を容易に取り出すことがで
きる。なお景品は、おもちゃのような物品に限らず、例
えば景品交換券のようなものであってもよく、また交換
枚数Ｍに相当する枚数のメダルであってもよい。

【００２４】前記カプセル収容部２内の底部には、図２
〜図４に示すように、平面形状が円板状をなす可動板１
４が回転可能に設けられている。この可動板１４は回転
駆動装置１５に連繋された回転軸１６上に水平状態で一
体支持されている。前記回転駆動装置１５は、正逆回転
が可能なモータを駆動源とし、このモータの回転を歯車
機構により低速回転に落とし、回転軸１６へ伝達する。

【００２５】前記可動板１４には、同一円周上の対角位
置に前記カプセル１３を１個宛取り込むことが可能なカ
プセル取込口１７，１７が開設されており、各カプセル
取込口１７の口周縁には下方へ突出する筒状壁１９が一
体形成されている。可動板１４の上面適所には複数のコ
イルスプリング１８が縦設してあり、可動板１４の回転
時、これらコイルスプリング１８と可動板１４の上方位
置に設けられた邪魔板２７とでカプセル収容部２内のカ
プセル１３を攪拌し、これによりカプセル１３の詰まり
を防止し、またカプセル取込口１７へのカプセル１３の
取込みを円滑化する。

【００２６】前記可動板１４の下方には、水平な支持板
２０が可動板１４と平行に配備されている。前記支持板
２０は、可動板１４に対し、カプセル１３の直径とほぼ
一致する間隔隔てて位置させてある。この支持板２０の
上面は、前記可動板１４の各カプセル取込口１７に嵌ま
ったカプセル１３を転動自由に支持する支持面２１を構
成し、この支持面２１のカプセル１３の転動路上に前記
放出口１２に連通するカプセル落下口２２が１個開口し
てある。

【００２７】前記支持板２０と可動板１４との間のカプ
セル１３の通過位置であって、前記カプセル落下口２２
よりわずかに上流位置には、リミットスイッチ２３より
成るカプセル検出器２４が配備してある。前記リミット
スイッチ２３は、図５および図６に示すように、押操作
される操作片２５を備え、この操作片２５がカプセル１
３の通過位置に突出するようリミットスイッチ２３が位
置決めされる。従ってカプセル１３がこのリミットスイ
ッチ２３の位置を通過すると、前記操作片２５がカプセ
ル１３により押されてリミットスイッチ２３の内部の接
点が動作する。このリミットスイッチ２３の作動によ
り、カプセル落下口２２に接近位置するカプセル取込口
１７にカプセル１３が取り込まれていることを判別でき
る。

【００２８】この実施例では、回転駆動装置１５が駆動
を開始した後、リミットスイッチ２３が作動すると、そ
の作動後、カプセル取込口１７がカプセル落下口２２を
通過するに必要な時間だけ経過した適当な時間タイミン
グで回転駆動装置１５を停止させている。一方、もし回
転駆動装置１５が駆動を開始した後、一定時間内（例え
ば可動板１４が５回転する間）に前記リミットスイッチ
２３が作動しないときは、カプセル収容部２内のカプセ
ル１３が欠乏したか、またはカプセル収容部２内でカプ
セル１３の詰まりが生じたかのいずれかであると判断
し、回転駆動装置１５を強制停止させて警報する。

【００２９】前記支持板２０の支持面２１には、径方向
へのカプセル１３の動きを規制するための２本のレール
２６，２６がカプセル１３の転動路に沿って一周形成し
てある。従ってカプセル取込口１７に嵌り込んだカプセ
ル１３は前記リミットスイッチ２３に対して常に同じ位
置を通過することになり、リミットスイッチ２３による
検出が確実に行われる。なおカプセル１３の径方向への
動きを規制する軌条は、レールに限らず、支持面２１に
凹設された１本の溝であってもよい。またカプセル検出
器２４はリミットスイッチ２３に限らず、光電センサな
どを用いて構成することも可能である。

【００３０】つぎに上記構成の景品放出ゲーム機の動作
を説明する。カプセル収容部２内の可動板１４上には多
数個のカプセル１３が収容されており、可動板１４の各
カプセル取込口１７にカプセル１３がそれぞれ１個宛取
り込まれている。

【００３１】ゲームに先立ち、遊戯者は任意の枚数のメ
ダルをメダル投入口５より投入して機械へ預けた後、預
け枚数設定用の押釦スイッチ９を押操作してメダルの賭
け枚数ｎを設定し、始動レバー７を操作してゲームを開
始する。ついで停止釦スイッチ８を順次押操作して３個
のリール３Ａ，３Ｂ，３Ｃを停止させたとき、有効化さ
れた停止ラインのいずれかに所定のシンボルの組み合わ
せが整列すると、そのゲームは入賞となり、メダルの賭
け枚数ｎおよび入賞の種類に応じた枚数のメダルが預け
メダルの総数Ｎに加算される。

【００３２】預けメダルの総数Ｎが交換枚数Ｍに達した
とき、遊戯者が精算用の押釦スイッチ１０を押すと、回
転駆動装置１５が駆動を開始してカプセル収容部２内の
可動板１４が回動する。これによりカプセル取込口１７
に嵌まったカプセル１３は支持板２０の支持面２１上を
転動し、カプセル取込口１７がカプセル落下口２２に対
向位置した時点でカプセル１３がカプセル落下口２２よ
り落下し、放出口１２より放出される。

【００３３】この場合に、カプセル１３がカプセル検出
器２４の位置を通過する際、リミットスイッチ２３の操
作片２５がカプセル１３により押操作され、リミットス
イッチ２３が作動する。これによりカプセル取込口１７
がカプセル落下口２２上を通過した後の適当な時間タイ
ミングで回転駆動装置１５が停止する。カプセル取込口
１７に嵌まったカプセル１３はレール２６により転動方
向と直交する方向への動きが規制されるため、リミット
スイッチ２３によるカプセル１３の検出が確実に行われ
る。

【００３４】もし可動板１４が回転を開始した後、一定
時間内にリミットスイッチ２３が作動しないとき、カプ
セル収容部２内のカプセル残量が減少したか、またはカ
プセル収容部２内でカプセル１３の詰まりが発生したか
のいずれかであると判断し、回転駆動装置１５を強制停
止させる。

【００３５】

【発明の効果】この発明は上記の如く、内部に景品が装
填された多数個の球状カプセルをカプセル収容部に収容
し、カプセル収容部内でカプセル取込口を備えた可動板
を駆動することによりカプセル取込口に取り込んだカプ
セルをカプセル落下口へ導くようにしたから、管状また
は樋状の案内通路へカプセルを整列させて収容する方式
のものと比較して、カプセルの収容能力が高められ、構
造の簡易化並びにゲーム機全体の小型化を実現できる。

【００３６】また、カプセル取込口にカプセルが取り込
まれたか否かをカプセル検出器で検出するようにしたか
ら、カプセル収容部内のカプセル残量の減少やカプセル
収容部内でのカプセルの詰まりの発生を容易に検出でき
る。請求項２の発明では、カプセル取込口にカプセルが
取り込まれたか否かをリミットスイッチにより検出する
ようにしたから、カプセルの検出を安価な構成で行え
る。

【００３７】請求項１，３，および４の発明では、カプ
セル取込口に嵌まったカプセルについて軌条により転動
方向と直交する方向への動きを規制するようにしたか
ら、前記カプセルはカプセル検出器に対して常に同じ位
置を通過することになり、カプセル検出器として安価な
リミットスイッチを用いても、カプセルの検出を確実に
行うことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例にかかる景品放出ゲーム機
の外観を示す正面図である。

【図２】第１図のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【図３】第２図のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。

【図４】カプセル取込口がカプセル落下口に対向位置し
たときの第２図のＣ−Ｃ線に沿う断面図である。

【図５】リミットスイッチの設置状態を示す拡大断面図
である。

【図６】リミットスイッチの設置状態を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ ゲーム機本体 ２ カプセル収容部 １２ 放出口 １３ カプセル １４ 可動板 １５ 回転駆動装置 １７ カプセル取込口 ２０ 支持板 ２１ 支持面 ２２ カプセル落下口 ２３ リミットスイッチ ２４ カプセル検出器 ２６ レール

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ゲーム結果に応じて所定の景品を放出口
   より放出するようにした景品放出ゲーム機において、 内部に景品が装填された多数個の球状カプセルを収容す
   るカプセル収容部と、 前記カプセル収容部の底部に配備され板面には前記カプ
   セルを１個宛取り込むことが可能なカプセル取込口を開
   口した可動板と、 前記可動板に接続され、可動板を回転駆動する駆動装置
   と、 前記可動板の下方に配備され、上面に前記カプセル取込
   口に嵌まったカプセルを転動自由に支持する支持面を備
   えると共に、支持面のカプセル転動路上に前記放出口に
   連通するカプセル落下口を開口した支持板と、 前記支持板と可動板との間のカプセルの通過位置に配備
   されたカプセル検出器とを備えて成り、前記支持板の支持面には、カプセルの転動方向と直交す
   る方向へのカプセルの動きを規制する軌条がカプセルの
   転動路に沿って一周形成されている景品放出ゲーム機。
2. 【請求項２】 前記カプセル検出器は、カプセルの通過
   により押操作されるリミットスイッチである請求項１に
   記載された景品放出ゲーム機。
3. 【請求項３】 前記軌条は、前記支持板の支持面上に突
   設された２本のレールである請求項１に記載された景品
   放出ゲーム機。
4. 【請求項４】 前記軌条は、前記支持板の支持面に凹設
   された１本の溝である請求項１に記載された景品放出ゲ
   ーム機。