JP2561314Y2 - 太陽熱利用建築物 - Google Patents

太陽熱利用建築物

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JP2561314Y2
JP2561314Y2 JP1992023308U JP2330892U JP2561314Y2 JP 2561314 Y2 JP2561314 Y2 JP 2561314Y2 JP 1992023308 U JP1992023308 U JP 1992023308U JP 2330892 U JP2330892 U JP 2330892U JP 2561314 Y2 JP2561314 Y2 JP 2561314Y2
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村 良 夫 松
井 正 夫 石
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  • Building Environments (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】本考案は、太陽熱を有効的に利用し
た建築物に関する。
【0002】
【考案の技術的背景】建築物内部を包括的に断熱材で囲
繞し、建築物の断熱性および気密性を向上させた建築物
が開発され、特に寒冷地において好評を博している。
【0003】このような建築物においては、建築物内が
密閉空間になるため、建築物内の換気を計画的に行う必
要がある。一方、特開昭63−165633号公報及び
特開昭64−75858号公報に記載してあるように、
太陽熱を集熱装置で集熱して暖められた空気を、建築物
内に配置された蓄熱装置に供給して蓄熱し、この蓄熱を
除々に放出して建築物内を暖房することが知られてい
る。
【0004】ところが、このような太陽熱利用建築物に
おいては、冬期の暖房時には快適であるが、その他の季
節にも必ずしも快適な住環境を実現できるものではなか
った。
【0005】また、太陽光が直接照射されてその熱を蓄
積するように、コンクリートなどの蓄熱体を土間床とし
て配置し、この蓄熱を放出させて建築物内を暖房するこ
とも知られている(ダイレクトゲイン方式)。
【0006】しかしながら、この方式では、第1に、南
向きの部屋の暖房は可能であるが、太陽光が照射しない
北向きの部屋を暖房することはできず、建物全体の暖房
を行うことはできなかった。第2に、夏期に、蓄熱体が
蓄熱・放熱すること、またはオーバーヒートすることが
あり、その結果、夏期にまで暖房を行うことになり、住
環境をかえって損ねるといった問題があった。
【0007】このように、従来、太陽熱を利用して住環
境を快適にしようとの試みがなされているが、冬季にお
ける暖房に主眼がおかれており、四季を通じて快適な住
環境を提供するものではなかった。
【0008】
【考案の目的】本考案は、このような実情に鑑みてなさ
れ、太陽熱を有効に利用できるのみならず、屋外の冷気
なども有効に利用でき、四季を通じて快適な住環境を実
現できる太陽熱利用建築物を提供することを目的とす
る。
【0009】
【考案の概要】このような目的を達成するために、本考
案に係る太陽熱利用建築物は、屋根上に設置した集熱装
置によって外気を流しながら太陽光により加熱して暖気
にし、これを屋内に吸引し屋内の流路を介して蓄熱装置
に案内して蓄熱すると共に屋内に放出して屋内の暖房を
行う一方、集熱装置が太陽光を受けないときに、所定温
度以下の冷やされた外気を屋内に吸引し屋内の流路を介
して蓄熱装置に案内して蓄冷すると共に屋内に放出して
屋内を穏やかに冷房する太陽熱利用建築物において、太
陽光が照射されてその熱を直接蓄熱するように建築物の
床下に配置され且つ蓄熱した熱を屋内に放出可能である
と共に、屋内の流路を介して所定温度以下の冷やされた
外気が導入された場合に、これの冷熱を蓄冷可能である
と共に屋内に放出可能である太陽熱直接蓄熱装置と、屋
内の流路と太陽熱直接蓄熱装置とを連通する連通路を開
閉するための仕切板と、を具備することを特徴としてい
る。
【0010】このような本考案に係る太陽熱利用建築物
によれば、太陽熱を利用して建築物内の暖房を行う場合
には、集熱装置で集熱して加熱された空気を蓄熱装置に
導いて蓄熱し、この熱を有効に暖房に利用できる。な
お、この蓄熱装置による暖房を第1方式と呼ぶ。
【0011】しかも、これに加えて、本考案では、太陽
熱直接蓄熱装置に太陽光を直接照射して蓄熱し、この蓄
熱を建築物内に放出している。この太陽熱直接蓄熱装置
による暖房を第2方式と呼ぶ。したがって、上記第1方
式を、太陽光が照射しない建物の北側等に配置し、第2
方式を、太陽光が照射する建物の南側等に配置すること
により、温まり難い建物の北側等を有効に暖房すること
ができ、建物全体を万遍なく均一に暖房することができ
る。また、第1及び第2の方式を協働させているため、
暖房効率が向上し、例えば、極寒地での暖房にも有効と
なる。
【0012】一方、建築物内を穏やかに冷却する場合に
は、仕切板を開放し、屋内の流路を介して蓄熱装置およ
び太陽熱直接蓄熱装置に屋外空気(夜間冷気)を強制的
に吸引し、これらの蓄冷装置と熱交換させて冷熱を蓄冷
している。そのため、冷熱の放出により建物内を穏やか
に冷却できる。
【0013】この際、第2方式の太陽熱直接蓄熱装置に
夜間冷気を蓄冷しているため、夏期の昼間に太陽熱直接
蓄熱装置がそれ程昇温されることがなく、太陽熱直接蓄
熱装置の過熱を効果的に防止できる。したがって、従来
のように、夏期にまで暖房を行い住環境をかえって損ね
るといったことを有効に防止できる。
【0014】以上から、本考案では、冬期には建物全体
を万遍なく均一に暖房できると共に、夏季には穏やかに
冷却することができ、その結果、四季を通じて快適な住
環境を提供することができる。
【0015】
【考案の具体的説明】以下、図面を参照して本考案の一
実施例について説明する。図1に示すように、本実施例
に係る太陽熱利用建築物2では、屋根4の上に集熱装置
6が設置してある。集熱装置6は、屋外の空気を取り入
れることが可能な取入れ口8と、ここから取り入れられ
た空気が流通する内部流路10とを有する。内部流路1
0には、ガラス等の透明部材を通して太陽光が照射さ
れ、ここに取り入れられた屋外空気が加熱されるように
なっている。内部空気との熱交換効率を高めるため及び
補強効果を高めるために、内部流路10には、図3に示
すように、凹凸形状の波板12を設置するようにしても
良く、また、この集熱装置6と屋根4との間には、断熱
材14を装着することが好ましい。さらに、図1に示す
ように、上記集熱装置6の太陽光照射側の一面には、太
陽電池16を設置することが好ましい。
【0016】このように設置された集熱装置6には、内
部流路10内の加熱空気を屋内に導くための屋内ダクト
18(屋内の流路)の一端が連結してある。屋内ダクト
18の他の一端は、後述する蓄熱装置30に連結してあ
り、屋内ダクト18の途中には、流路切換えボックス2
0が設置してある。この流路切換えボックス20には、
排出ダクト22及び吸引ダクト24(屋内の流路)が連
結してある。排出ダクト22は、屋内ダクト18内の空
気を屋外に排出することが可能になっている。吸引ダク
ト24は、屋外空気を屋内ダクト18に導くことが可能
になっている。流路切換えボックス20内には、排出流
路切換えダンパ26と吸引流路切換えダンパ28が装着
してある。これら切換えダンパ26,28は、集熱装置
6と蓄熱装置30とを連通する場合と、集熱装置6と排
出ダクト22とを連通すると共に吸引ダクト24と蓄熱
装置30とを連通する場合とに、選択的に制御されるよ
うになっている。これらの切換えダンパ26,28は、
断熱性、耐熱性に優れた材質、例えば耐熱性発泡ポリス
チレン(例えば鐘淵化学工業(株)の商品名:ヒートマ
ックス)やシリコーン樹脂などで構成することが好まし
い。
【0017】このような流路切換えボックス20と集熱
装置6側との間の屋内ダクト18内には、集熱装置6内
の空気を屋内ダクト18内に強制的に適宜送風可能な第
1ファン32が装着してある。また、吸引ダクト24内
には、吸引ダクト24から屋外空気を屋内ダクト18内
に強制的に吸引可能な第2ファン34が装着してある。
第1ファン32は、集熱装置6に配置された太陽電池1
6により駆動され、第2ファン34は、この太陽電池1
6による起電力が蓄電された蓄電池(図示略)により駆
動される屋内ダクト18の他端が連結される蓄熱装置3
0は、太陽光があまり照射しない建物の北側の床下に配
置され、屋内ダクト18内の空気が装置の内部に導か
れ、内部を流通する空気と熱交換して、流通する空気の
冷熱ないしは温熱を蓄熱し、熱交換された空気を建築物
内に排出することが可能になっている。蓄熱装置30と
しては、特に限定されないが、図2に示すように、内部
に通気口を有するコンクリートブロック32を複数個配
置したもの等が用いられる。この蓄冷蓄熱装置30によ
る暖房/冷房を第1方式と呼ぶ。
【0018】この蓄熱装置30の上方の部屋は、この装
置30と床との間に空間をとって床仕上げをしても良
く、逆に、この空間をとらずに床仕上げをしても良く、
さらに、畳を設置しても良い。
【0019】このような建築物2における基礎34の外
周、柱36の外周及び屋根材4aの屋内側には、断熱材
38が、建築物を包括的に囲繞するように、しかも床下
空間40及び屋根裏空間42を連通するような内側通気
層44を形成するように、張り巡らされている。そし
て、断熱材38と外壁材46との間及び断熱材38と屋
根材4aとの間には、外側通気層48を形成するように
してもよい。また、このように断熱材38により、建築
物を包括的に囲繞する建築物では、床下空間40、内側
通気層44及び屋根裏空間42の通気を図るため、床下
には床下換気口50を設けると共に、屋根の棟部分には
棟下換気口52を設けてある。これらの換気口には、そ
れぞれ床下開閉ダンパ54及び棟下開閉ダンパ56を設
けてある。棟下換気口及び床下換気口は、断熱性・気密
性が高いものが好ましい。好ましくは、塩ビサッシ(例
えば、鐘淵化学工業(株)商品名エクセルW)と同等以
上のものがよい。
【0020】このように構成された建築物2において
は、室内の換気を強制的に図ることが好ましく、建築物
内のある部屋、例えばトイレや風呂場などでは、建築物
内の空気を屋外に強制的に排出することが可能な換気装
置58を設けることが好ましい。
【0021】また、上述したような切換えダンパ26
と、第1ファン32と、第2ファン34と、太陽電池1
6とを制御するための制御装置(図示略)を設けてあ
る。この制御装置には、屋外の気温を検知する外気セン
サ(図示略)を接続してある。
【0022】さらに、本実施例では、太陽光が比較的照
射し易い建物の南側の土間床には、太陽光が照射されて
その熱を蓄熱し、蓄熱した熱を建築物内に放出可能であ
ると共に、連通路61を介して屋内ダクト18に連結さ
れ、夏の夜間冷気を蓄冷して建築物内に放出可能な太陽
熱直接蓄熱装置60が設けてある。
【0023】さらに、上下動して連通路61を開閉する
仕切板62が設けてある。この仕切板62は、冬の場合
には、遮断してあり、屋内ダクト18から放出される暖
気は、太陽熱直接蓄熱装置60には循環されないように
構成されている。一方、夏の場合には、この仕切板62
が開放され、夏の夜には、第2ファン34が吸引ダクト
24を通して夜間冷気を吸引して、蓄熱装置30だけで
なく、太陽熱直接蓄熱装置60にも冷気が導入されて蓄
冷される。そのため、太陽熱直接蓄熱装置60の過熱が
防止されると共に、蓄冷する容量が比較的大きく、屋内
は一層冷却されることになる。なお、この太陽熱直接蓄
熱装置60による暖房/冷房を第2方式と呼ぶ。
【0024】この太陽熱直接蓄熱装置60は、蓄熱また
は蓄冷できるものであればよく、例えば、図2に示すよ
うなコンクリートブロックなどで構成される。この様な
土間床を太陽熱直接蓄熱装置60に応用する一例とし
て、図14に示すように、基礎70の内側に砂利層71
を設け、その上にビニールシート72を介してコンクリ
ート層73を設けても良い。この場合には、大熱量が得
られると共に結露を防止できる効果がある。
【0025】さらに、この太陽熱直接蓄熱装置60に通
気口を設け、暖気又は冷気を上述した内側通気層44内
で循環するようにしても良い。さらに、この太陽熱直接
蓄熱装置60の上方の部屋を温室的に利用し、この部屋
で暖められた空気を他の部屋に循環するようにしても良
い。いずれの場合にも、上述した換気装置58を常時駆
動させるのが好適である。
【0026】この太陽熱直接蓄熱装置60の上方の部屋
は、土間コンクリートそのものの直接仕上げとするか、
若しくは、伝熱性のよい材質の床仕上げとするのが好ま
しく、畳は設置しない方が好ましい。
【0027】次に、本実施例に係る太陽熱利用建築物の
作用を説明する。季節が冬および夏の場合には、建築物
内の暖房または冷房を行うため、床下換気口50及び棟
下換気口52は閉塞されると共に、換気装置58は常時
駆動されている。
【0028】そして特に冬の昼の場合には、第1方式で
は、仕切板62が遮蔽され、第1ファン32が駆動さ
れ、第2ファン34は駆動されなくてもよい。この状態
では、切換えダンパ26は、図1に示すように、排出ダ
クト22及び吸引ダクト24を閉塞するように制御され
ている。このため、集熱装置6で加熱された空気は、屋
内ダクト18を通して、蓄熱装置30に送られ、ここで
熱交換され蓄熱されると共に、各部屋にも送られ、各部
屋の暖房に寄与し、最終的に換気装置58から屋外に放
出される。
【0029】第2方式では、図1に示すように、太陽熱
直接蓄熱装置60に太陽光を直接照射して蓄熱し、この
蓄熱を建築物内に放出している。本実施例では、上記第
1方式を、太陽光が照射しない建物の北側等に配置し、
第2方式を、太陽光が照射する建物の南側等に配置して
いる。そのため、温まり難い建物の北側等を有効に暖房
することができ、建物全体を万遍なく均一に暖房するこ
とができる。また、第1及び第2の方式を協働させてい
るため、暖房効率が向上し、例えば、極寒地での暖房に
も有効となる。
【0030】冬の夜の場合には、図4に示すように、太
陽電池16に太陽光が照射されないため、第1ファン3
2は駆動されない。しかも、切換えダンパ26は、排出
ダクト22及び吸引ダクト24を閉塞するように制御さ
れているので、建築物内は、蓄熱装置30及び太陽熱直
接蓄熱装置60に蓄えられた温熱により緩やかに暖めら
れる。この時、換気装置58は、常時運転されているの
で、外気は、取入れ口8から屋内ダクト18を通して導
入され、蓄熱装置30と熱交換されて、暖気が屋内に導
入される。
【0031】したがって、昼夜に拘らず太陽熱が有効に
暖房に用いられる。次に、夏の夜には、仕切板62は開
放され、第1ファン32は駆動されず、第2ファン34
は、屋内ダクト18内に夜間冷気を導入するように駆動
される。このため、図5に示すように、夏の夜の比較的
冷たい外気が、吸引ダクト24を通して蓄熱装置30お
よび太陽熱直接蓄熱装置60に導入され、ここで熱交換
され、冷熱をこれら蓄熱装置30,60に蓄冷される。
蓄熱装置30,60から放出された冷気は、各部屋を通
り、各部屋を冷却した後、換気装置58から排出され
る。
【0032】この際、太陽熱直接蓄熱装置60は、昼間
に昇温されたとしても、このように夜間に蓄冷されるた
め、これが過熱されることが効果的に防止される。した
がって、従来のように、夏期にまで暖房を行い住環境を
かえって損ねるといったことを有効に防止できる。
【0033】次いで、夏の昼には、第1ファン32が回
転駆動され、第2ファン34が回転駆動されない。図6
に示すように、集熱装置6と排出ダクト22とを連通し
ているため、第1ファン32の駆動により、集熱装置6
で加熱された空気は排出ダクト22を通して屋外に排出
される。この場合、排出ダクト22に熱交換器を取り付
けて、その熱交換器で冷水を温水などに変換するように
してもよい。また、蓄熱装置30及び太陽熱直接蓄熱装
置60には夏の夜に蓄冷された冷熱があり、この冷熱に
より建築物内を穏やかに冷却することができ、各室内の
冷房作用を補助することになる。
【0034】夏冬以外の春秋の季節には、例えば、床下
換気口50及び棟下換気口52を開口して通気を図るこ
とも可能であり、外気温度などの条件に応じて、切換え
ダンパ26,28を制御することにより快適な住環境を
実現できる。
【0035】次に、図7〜図12を参照して、本考案の
第2の実施例に係る太陽熱利用建築物を説明する。図
7,8に示すように、集熱装置6で加熱された暖気を床
下に設けてある蓄熱装置30に導くための空気回路が第
1及び第2の実施例と異なっている。先ず、大略的に
は、集熱装置6の暖気の屋内取入口6aが、多数個の可
撓性チューブ94によって小屋裏空間内に配設してある
集熱ボックス95に連結してある。この集熱ボックス9
5が、可撓性チューブ98によって、暖気の流れを切り
換えるコントロールボックス100に連結してある。こ
のコントロールボックス100の手前の可撓性チューブ
98内には暖気を吸引するためのファン(吸引手段)9
9が配設してある。コントロールボックス100の一方
の出口は、屋内ダクト105を介して蓄熱装置30に連
結してあり、コントロールボックス100の他方の出口
は、乾燥室67に連通された排出ダクト104に連結し
てある。
【0036】さらに詳細に説明すると、図8に示すよう
に、集熱装置6の屋内取入口6aには、剛体のダクト6
bが設けてあり、このダクト6bに可撓性チューブ94
が連結してある。この可撓性チューブ94は、撓むこと
が可能であればよく、その材料などは問わないが、断熱
性があるグラスウール製ダクト等が好ましい。図7に示
すように、この可撓性チューブ94は、複数個設けてあ
るが、後述するように、これらの長さが等しいことが好
適である。
【0037】可撓性チューブ94が連結される集熱ボッ
クス95は、下方側が直方体状の箱に形成してあり、上
方側が四角錐状の箱に形成してある。この四角錐状の箱
の入口には、剛体のダクト96が設けてあり、これに可
撓性チューブ94が連結してある。図8には、一つの可
撓性チューブ94についてしか図示していないが、他の
可撓性チューブ94も同様の構成により連結してある。
さらに、直方体状の箱の底部には、出口としての剛体の
ダクト97が設けてあり、これに可撓性チューブ98が
連結してある。このように構成してあることにより、集
熱装置6の各屋内取入口6aから出る暖気を複数の可撓
性チューブ94によって集熱ボックス95に集めること
ができる。しかも、集熱ボックス95の下方側が直方体
状の箱に形成してあり、上方側が四角錐状の箱に形成し
てあるため、入口側のダクト96から入って出口側のダ
クト97から出るまでの暖気の流れが極端に曲げられる
ことがない。そのため、圧力損失を生じることなく、暖
気を流すことができる。
【0038】このように、集熱ボックス95を小屋裏空
間内に配設し、複数の可撓性チューブ94を用いてこの
集熱ボックス95と集熱装置6とを連結しているため、
従来のように、長尺物の集熱ダクトを狭い小屋裏空間内
で取り廻しすることなく、可撓性チューブ94を連結す
る作業だけでよい。そのため、小屋裏空間での作業を極
めて簡易・容易にすることができる。
【0039】さらに、可撓性チューブ94を用いてこの
集熱ボックス95と集熱装置6とを連結するだけでよい
ため、従来のように、集熱ダクトと集熱装置の屋内取入
口とを位置合せするような設計を行う必要がなく、現場
での取付作業も容易になる。さらに、種々の構造の異な
る建築物に太陽熱装置を敷設する場合、個々の建物に対
応して集熱ダクトを設計する必要がなく、汎用性をも持
たせることができる。
【0040】さらに、複数個の可撓性チューブ94の長
さを均一にすることにより、集熱装置6の各屋内取入口
6aから集熱ボックス95までの距離を均一にすること
ができる。そのため、集熱装置6の各屋内取入口6aか
らは均一な流速で暖気が集熱ボックス95に取り込まれ
ることになり、集熱装置6の各所で十分に暖められた空
気を屋内に取り入れることができ、暖房効率も向上する
ことができる。
【0041】さらに、コントロールボックス100で
は、その入口側のダクト101内に、強制的に適宜送風
可能なファン99が配設してある。さらに、このコント
ロールボックス100内には、蓄熱装置30に連結した
屋内ダクト105への暖気の流れと、排出ダクト104
への暖気の流れとを切り換えるダンパ(切換手段)10
2が設けてある。これにより、ダンパ102が図8に示
すように排出ダクト104を閉鎖するように切り換えて
あるときには、暖気は蓄熱装置30内に流れる一方、ダ
ンパ102が屋内ダクト105を閉鎖するように切り換
えてあるときには、暖気は排出ダクト104を通して乾
燥室67に排出される。このファン99の駆動及びダン
パ102の切換は、図示しない適宜の制御手段により制
御されると共に、上述した太陽電池16により駆動され
る。
【0042】その他の構成は、第1の実施例と同じであ
る。以下、この第3の実施例に係る太陽熱利用建築物の
作用を説明する。冬の昼の場合には、図9に示すよう
に、仕切板62が遮蔽され、太陽が太陽電池16に照射
されると、その起電力により、ファン99が駆動され
る。ダンパ102が排出ダクト104を閉鎖するように
切り換えられる。このため、集熱装置6で加熱された空
気は、可撓性チューブ94、集熱ボックス95、コント
ロールボックス100、及び屋内ダクト105を介して
蓄熱装置30に送られ、第1の実施例と同様に、太陽熱
直接蓄熱装置60との協働により、屋内が暖房される。
【0043】冬の夜の場合には、図10に示すように、
太陽電池16に太陽光が照射されず、ファン99は駆動
されないと共に、ダンパ102は排出ダクト104を閉
鎖するように切り換えられる。その結果、建築物内は、
蓄熱装置30及び太陽熱直接蓄熱装置60に蓄えられた
温熱により緩やかに暖められる。建物内の換気作用は、
昼間の場合と同様である。
【0044】夏の夜には、図11に示すように、仕切板
62が開放され、ファン99が駆動され、ダンパ102
が排出ダクト104を閉じ、その結果、夜間冷気が集熱
装置6、屋内ダクト105等を介して蓄熱装置30及び
太陽熱直接蓄熱装置60に取り込まれる。これにより、
夜間冷気の冷熱が蓄熱装置30及び太陽熱直接蓄熱装置
60に蓄冷され、蓄熱装置30,60から排出された空
気は各部屋に排出される。これにより、夏の夜における
集熱装置6での大気輻射による冷気も有効利用できる。
さらに、導入された夜間冷気により、太陽熱直接蓄熱装
置60を穏やかに冷やすことができ、昼間に暖められた
太陽熱直接蓄熱装置60の昇温を防止できる。
【0045】夏の昼には、図12に示すように、太陽電
池16に太陽光が照射され、ファン99は駆動され、ダ
ンパ102は屋内ダクト105を閉鎖するように切り換
えられる。これにより、集熱装置6で加熱された空気
は、ファン99により、排出ダクト24を通して屋外に
排出される。また、蓄熱装置30及び太陽熱直接蓄熱装
置60には夏の夜に蓄冷された冷熱があり、この冷熱に
より建築物内を穏やかに冷却することができ、各室内の
冷房作用を補助することになる。
【0046】さらに、図10に示すように、具体的な部
屋では、右上がりのハッチングで示す部分A(南側の太
陽光が入り易い部屋)に第2方式の太陽熱直接蓄熱装置
60を配置し、右下がりのハッチングで示す部分B(北
側の太陽光が入り難い部屋)に第1方式の蓄熱装置30
を配置することが考えられる。
【0047】また、1フロアの全床面積に対する太陽熱
直接蓄熱装置60の割合が30%以上であれば、蓄熱効
果を充分に高めることができる。なお、本考案は、上述
した実施例に限定されるものではなく、本考案の範囲の
範囲内で種々に改変することが可能である。
【0048】
【考案の効果】以上述べたように、本考案では、 この
ような本考案に係る太陽熱利用建築物によれば、太陽熱
を利用して建築物内の暖房を行う場合には、集熱装置で
集熱して加熱された空気を蓄熱装置に導いて蓄熱し、こ
の熱を有効に暖房に利用できる。
【0049】しかも、これに加えて、本考案では、太陽
熱直接蓄熱装置に太陽光を直接照射して蓄熱し、この蓄
熱を建築物内に放出している。したがって、上記第1方
式を、太陽光が照射しない建物の北側等に配置し、第2
方式を、太陽光が照射する建物の南側等に配置すること
により、温まり難い建物の北側等を有効に暖房すること
ができ、建物全体を万遍なく均一に暖房することができ
る。また、第1及び第2の方式を協働させているため、
暖房効率が向上し、例えば、極寒地での暖房にも有効と
なる。
【0050】一方、建築物内を穏やかに冷却する場合に
は、仕切板を開放し、屋内の流路を介して蓄熱装置およ
び太陽熱直接蓄熱装置に屋外空気(夜間冷気)を強制的
に吸引し、これらの蓄冷装置と熱交換させて冷熱を蓄冷
している。そのため、冷熱の放出により建物内を穏やか
に冷却できる。
【0051】この際、第2方式の太陽熱直接蓄熱装置に
夜間冷気を蓄冷しているため、夏期の昼間に太陽熱直接
蓄熱装置がそれ程昇温されることがなく、太陽熱直接蓄
熱装置の過熱を効果的に防止できる。したがって、従来
のように、夏期にまで暖房を行い住環境をかえって損ね
るといったことを有効に防止できる。
【0052】以上から、本考案では、冬期には建物全体
を万遍なく均一に暖房できると共に、夏季には穏やかに
冷却することができ、その結果、四季を通じて快適な住
環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の第1の実施例に係る太陽熱利用
建築物の冬の昼の状態を示す断面図である。
【図2】図2は図1に示す蓄熱蓄冷装置の概略斜視図で
ある。
【図3】図3は図1に示す太陽熱集熱装置に概略斜視図
である。
【図4】図4は本考案の第1の実施例に係る建築物の冬
の夜の状態を示す概略断面図である。
【図5】図5は本考案の第1の実施例に係る建築物の夏
の夜の状態を示す概略断面図である。
【図6】図6は本考案の第1の実施例に係る建築物の夏
の昼の状態を示す概略断面図である。
【図7】図7は本考案の第2の実施例に係る太陽熱利用
建築物に用いる集熱装置、及び集熱ボックスの斜視図で
ある。
【図8】図8は本考案の第2の実施例に係る太陽熱利用
建築物に用いる集熱装置、集熱ボックス、コントロール
ボックス、及び蓄熱装置の断面図である。
【図9】図9は本考案の第2の実施例に係る太陽熱利用
建築物の冬の昼の状態を示す断面図である。
【図10】図10は本考案の第2の実施例に係る建築物
の冬の夜の状態を示す概略断面図である。
【図11】図11は本考案の第2の実施例に係る建築物
の夏の夜の状態を示す概略断面図である。
【図12】図12は本考案の第2の実施例に係る建築物
の夏の昼の状態を示す概略断面図である。
【図13】図13は本考案の第1又は第2の実施例に係
る建築物の1フロアの平面図である。
【図14】図14は太陽熱直接蓄熱装置の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
2 建築物 4 屋根 6 太陽熱集熱装置 16 太陽電池 18 屋内ダクト(屋内の流路) 20 流路切換えボックス 22 排出ダクト(屋内の流路) 24 吸引ダクト(屋内の流路) 26 切換えダンパ 30 蓄熱装置 32 第1ファン 34 第2ファン 50 床下換気口 60 太陽熱直接蓄熱装置 61 連通路 62 仕切板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // E04D 13/18 E04D 13/18

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根上に設置した集熱装置によって外気
    を流しながら太陽光により加熱して暖気にし、これを屋
    内に吸引し屋内の流路を介して蓄熱装置に案内して蓄熱
    すると共に屋内に放出して屋内の暖房を行う一方、集熱
    装置が太陽光を受けないときに、所定温度以下の冷やさ
    れた外気を屋内に吸引し屋内の流路を介して蓄熱装置に
    案内して蓄冷すると共に屋内に放出して屋内を穏やかに
    冷房する太陽熱利用建築物において、太陽光が照射され
    てその熱を直接蓄熱するように建築物の床下に配置され
    且つ蓄熱した熱を屋内に放出可能であると共に、屋内の
    流路を介して所定温度以下の冷やされた外気が導入され
    た場合に、これの冷熱を蓄冷可能であると共に屋内に放
    出可能である太陽熱直接蓄熱装置と、屋内の流路と太陽
    熱直接蓄熱装置とを連通する連通路を開閉するための仕
    切板と、を具備することを特徴とする太陽熱利用建築
    物。
  2. 【請求項2】 前記太陽熱直接蓄熱装置は、建築物内の
    南側の床下に配置してあり、前記蓄熱装置は、建築物内
    の北側の床下に配置してあることを特徴とする請求項1
    に記載の太陽熱利用建築物。
  3. 【請求項3】 前記吸引手段は、前記太陽熱集熱装置に
    配置された太陽電池により駆動されるか、若しくは、こ
    の太陽電池による起電力が蓄電された蓄電池により駆動
    されることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽熱
    利用建築物。
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