JP2579300Y2 - 太陽熱利用建築物 - Google Patents

太陽熱利用建築物

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JP2579300Y2
JP2579300Y2 JP1992021622U JP2162292U JP2579300Y2 JP 2579300 Y2 JP2579300 Y2 JP 2579300Y2 JP 1992021622 U JP1992021622 U JP 1992021622U JP 2162292 U JP2162292 U JP 2162292U JP 2579300 Y2 JP2579300 Y2 JP 2579300Y2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/40Solar thermal energy, e.g. solar towers

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  • Building Environments (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の技術分野】本考案は、太陽熱を有効的に利用し
た建築物に関する。
【0002】
【考案の技術的背景】建築物内部を包括的に断熱材で囲
繞し、建築物の断熱性および気密性を向上させた建築物
が開発され、特に寒冷地において好評を博している。
【0003】このような建築物においては、建築物内が
密閉空間になるため、建築物内の換気を計画的に行う必
要がある。また、最近では、建築物の暖房に関して、特
開昭63−165633号公報及び特開昭64−758
58号公報に記載してあるように、太陽熱を集熱装置で
集熱して暖められた空気を、建築物内に配置された蓄熱
装置に供給して蓄熱し、この蓄熱を除々に放出して建築
物内を暖房することが知られている。
【0004】ところが、このような太陽熱利用建築物に
おいては、冬期の暖房については考慮されているが、夏
の冷房については未検討であったり、前述の換気との整
合性については考えられておらず、必ずしも快適な住環
境を提供できるものではなかった。
【0005】さらに、太陽熱により暖められた空気を乾
燥室(例えば、浴室)に導き、これにより洗濯物を乾燥
するようにすることも提案されているが、夏の場合に
は、乾燥室(浴室)から熱気が漏れ出ることがあり、か
えって住環境を阻害するといったことがあった。
【0006】
【考案の目的】本考案は、このような実情に鑑みてなさ
れ、太陽熱を有効利用した上で、乾燥室での乾燥を行い
ながら、計画的に換気を行うことにより、また、夜間冷
気を有効利用することにより、四季を通じて快適な住環
境を実現できる太陽熱利用建築物を提供することを目的
とする。
【0007】
【考案の概要】この目的を達成するため、本考案に係る
太陽熱利用建築物は、屋根上に設置した集熱装置によっ
て外気を流しながら太陽光により加熱して暖気にし、こ
れを吸引手段により屋内に吸引し、屋内の流路の切換手
段を切り換えて暖気を蓄熱装置に案内して蓄熱すると共
に屋内に放出し、これにより、少なくとも屋内の暖房を
行う太陽熱利用建築物において、加熱された暖気を屋内
に設けた乾燥室に案内するための排出ダクトと、乾燥室
とこれに隣接する部屋とを遮断可能に連通する乾燥室ダ
ンパと、乾燥室内の空気を屋外に排出すると共に、建物
内の空気をも屋外に排出することが可能な換気装置と、
を具備することを特徴としている。
【0008】このような本考案に係る太陽熱利用建築物
によれば、冬期などにおいて、太陽熱を利用して建築物
内の暖房を行う場合には、太陽熱集熱装置で集熱して加
熱された空気を蓄熱装置に導いて蓄熱し、この熱を有効
に暖房に利用することができる。
【0009】しかも、乾燥室ダンパを開口すると共に、
換気装置による計画的な換気を行うことにより、暖めら
れた空気を建物内から乾燥室に導入して乾燥室を乾燥後
屋外に排出している。したがって、冬期においては、効
果的な暖房を行えると共に、乾燥室の乾燥をも効果的に
行うことができ、さらに、建物内の換気をも行え快適な
住環境を提供できる。
【0010】一方、請求項2に記載のように、集熱装置
が太陽光を受けないときに、所定温度以下の冷やされた
外気を屋内に吸引するように吸引手段を駆動すると共
に、この外気を蓄熱装置に案内して蓄冷すると共に屋内
に放出するように切換手段を切り換える制御を行う制御
手段をさらに備えていることも特徴としている。そのた
め、建築物内を冷却する場合には、吸引手段及び切換手
段を制御して、外気(夜間冷気)を蓄熱装置に導いてこ
れに蓄冷し、この冷熱により建物内を穏やかに冷却する
ことができる。
【0011】この際、夏の昼間には、太陽熱集熱装置で
暖められた空気を直接乾燥室に導いて乾燥室を乾燥して
いると共に、乾燥室ダンパを閉じ、換気装置による換気
を行っている。そのため、乾燥室の乾燥を充分に行える
と共に、乾燥室から建物内に熱気が漏れることがない。
したがって、夏期においても、穏やかに冷却できると共
に、乾燥室の乾燥をも充分効果的に行え、さらに、建物
内の換気をも行え快適な住環境を提供できる。
【0012】このように、本考案では、乾燥室の乾燥を
充分に行いながら、冬期には建物を効果的に暖房できる
と共に、夏季にも効果的に冷房することができ、四季を
通じて快適な住環境を提供することができる。
【0013】
【考案の具体的説明】以下、本考案の2つの実施例に係
る太陽熱利用建築物について具体的に説明する。
【0014】先ず、図1〜図6を参照して、本考案の第
1の実施例について説明する。図1に示すように、第1
の実施例に係る太陽熱利用建築物2では、屋根4の上に
太陽熱集熱装置6が設置してある。太陽熱集熱装置6
は、屋外の空気を取り入れることが可能な取入れ口8
と、ここから取り入れられた空気が流通する内部流路1
0とを有する。内部流路10には、ガラス等の透明部材
を通して太陽光が照射され、ここに取り入れられた屋外
空気が加熱されるようになっている。内部空気との熱交
換効率を高めるため及び補強効果を高めるために、内部
流路10には、図3に示すように、凹凸形状の波板12
を設置するようにしても良い。また、この集熱装置6と
屋根4との間には、断熱材14を装着することが好まし
い。さらに、この集熱装置6の太陽光照射側の一面に
は、太陽電池16を設置することが好ましい。
【0015】このように設置された集熱装置6には、内
部流路10内の加熱空気を屋内に導くための屋内ダクト
18の一端が連結してある。屋内ダクト18の他の一端
は、後述する蓄熱蓄冷装置30に連結してあり、屋内ダ
クト18の途中には、流路切換えボックス20が設置し
てある。この流路切換えボックス20には、排出ダクト
22及び吸引ダクト24が連結してある。排出ダクト2
2は、屋内ダクト内の空気を浴室(乾燥室)67に排出
することが可能になっている。吸引ダクト24は、屋外
の空気を屋内ダクト18に導くことが可能になってい
る。屋内ダクト18と排出ダクト22との分岐部である
流路切換えボックス20内には、排出流路切換えダンパ
(切換手段)26と吸引流路切換えダンパ(切換手段)
28が装着してある。排出流路切換えダンパ(切換手
段)26は、太陽熱集熱装置6から屋内ダクト18を介
して排出ダクト22に向かう流路を遮断する場合と、太
陽熱集熱装置6から蓄熱蓄冷装置30方向に向かう屋内
ダクト18の流路を遮断する場合とに、選択的に制御さ
れるようになっている。吸引流路切換えダンパ(切換手
段)28は、吸引ダクト24から屋内ダクト18に向か
う流路を遮断する場合と、太陽熱集熱装置6から蓄熱蓄
冷装置30方向に向かう屋内ダクト18の流路を遮断す
る場合とに、選択的に制御されるようになっている。こ
の切換えダンパ26,28は、断熱性、耐熱性に優れた
材質、例えば耐熱性発泡ポリスチレン(例えば鐘淵化学
工業(株)の商品名:ヒートマックス)などで構成する
ことが好ましい。
【0016】このような流路切換えボックス20と集熱
装置6側との間の屋内ダクト18内には、集熱装置6内
の空気を屋内ダクト18内に強制的に適宜送風可能な第
1ファン(吸引手段)32が装着してある。第1ファン
(吸引手段)32は、太陽熱集熱装置6に配置された太
陽電池16により駆動されるようになっている。また、
吸引ダクト24内には、屋外の空気を吸引ダクト24を
通じて屋内ダクト18に適宜送風可能な第2ファン(吸
引手段)34が装着してある。この第2ファン(吸引手
段)34は、太陽電池16による起電力が蓄電された蓄
電池(図示略)により駆動されるようになっている。
【0017】また、本実施例では、集熱装置6が太陽光
を受けないときに、所定温度以下の冷やされた外気(例
えば、夜間冷気)を屋内に導入するように、第2ファン
34を駆動すると共に、この外気を蓄熱装置30に案内
して蓄冷すると共に屋内に放出するように切換えダンパ
28を切り換える制御を行う制御手段(図示略)が設け
てある。
【0018】屋内ダクト18の他端が連結される蓄熱装
置30は、床下に配置され、屋内ダクト18内の空気が
装置の内部に導かれ、内部を流通する空気と熱交換し
て、流通する空気の冷熱ないしは温熱を蓄熱し、熱交換
された空気を建築物内に排出することが可能になってい
る。蓄熱装置30としては、特に限定されないが、図2
に示すように、内部に通気口を有するコンクリートブロ
ック32を複数個配置したもの等が用いられる。
【0019】このような建築物2における基礎33の外
周、柱の外周及び屋根の屋内側には、断熱材38が、建
築物を包括的に囲繞するように、しかも床下空間40及
び屋根裏空間を連通するような内側通気層44を形成す
るように、張り巡らされている。そして、断熱材38と
外壁材46との間及び断熱材38と屋根4との間には、
外側通気層48を形成するようにしてもよい。また、こ
のように断熱材38により、建築物を包括的に囲繞する
建築物では、床下空間40、内側通気層44及び屋根裏
空間の通気を図るため、床下には床下換気口50を設け
ると共に、屋根の棟部分には棟下換気口52を設けてあ
る。これらの換気口には、それぞれ床下開閉ダンパ54
及び棟下開閉ダンパ56を設けてある。
【0020】次に、本実施例に係る太陽熱利用建築物2
内は、これに限定されるものでないが、例えば、図1に
示すように、居間61、和室62、台所63、玄関・ホ
ール64、便所65、脱衣所66、および浴室(乾燥
室)67とからなっている。
【0021】本実施例では、蓄熱装置30は、居間61
の床下に配置してあり、居間61の床には、蓄熱装置3
0から空気の冷熱ないしは温熱を吹き出すための吹出口
71が設けてある。
【0022】また、脱衣所66の天井裏には、換気装置
58が設けてあり、この換気装置58には、3つの吸引
管58a,58b,58cと、排出管58dとが連結し
てある。これにより、換気装置58を駆動すると、脱衣
所66、便所65、及び浴室(乾燥室)67内から空気
を吸引して屋外に排出し、これらを換気するようになっ
ている。なお、この換気装置58は、高断熱・高気密型
住宅においては、計画的換気を行う目的で、四季を問わ
ず24時間連続的に駆動する。さらに、本実施例では、
洗濯物などを乾燥するための乾燥室として、浴室67を
利用するが、この浴室67とこれの隣室の脱衣所66と
の界壁には、開閉可能なダンパである乾燥室ダンパ81
が設けてある。また、この浴室67のドア67aは、浴
室67内の暖気が漏れないように断熱性の高いものが好
ましい。
【0023】さらに、浴室(乾燥室)67を除く各部屋
は、冷熱ないしは温熱の空気が流通できるようになって
いる。積極的に空気を流通する場合には、各部屋のドア
を開放させておいてもよく、また、各部屋の界壁にダン
パないしはグリルを設けてあってもよい。
【0024】したがって、冬期などにおいて、居間61
の吹出口71から暖気を吹き出す場合、浴室67の乾燥
室ダンパ81を開口すると共に、吸引管58bを閉じる
か又は絞った状態にて換気装置58を駆動させる。これ
により、吹出口71からの暖気は、各部屋を循環した
後、脱衣所66に入る。この際吸引管58bを閉じるか
又は絞った状態にしてあるため、脱衣所66に入った暖
気は積極的に浴室67に移行され、浴室67内を充分に
暖房及び乾燥させた後、吸引管58aを介して屋外に排
出される。また、便所65は、四季をを問わず24時間
連続的に換気されており、各部屋から便所65に入った
暖気は、吸引管58cを介して屋外に排出される。
【0025】一方、夏期などにおいて、吹出口71から
冷気を吹き出す場合には、後に詳細に説明するように太
陽熱集熱装置6で暖められた空気を浴室67に供給する
と共に、乾燥室ダンパ81を閉じ、さらに、吸引管58
a〜58c全て開口した状態で換気装置58を駆動させ
る。これにより、吹出口71からの冷気は、各部屋を循
環した後、脱衣所66または便所65に入り、吸引管5
8b,58cを介して換気装置58により屋外に排出さ
れる。一方、浴室67は、供給された暖気により充分に
乾燥されており、乾燥後吸引管58aを介して換気装置
58により屋外に排出される。この際、乾燥室ダンパ8
1が閉じられており、ドア67aの断熱性が高いため、
浴室67から暖気が各部屋に漏れることがなく、各部屋
が暖気により住環境を阻害されることがない。さらに、
この暖気が浴室67からより一層漏れないようにするた
めには、換気装置58の吸引量をできるだけ多くする方
が好ましい。
【0026】なお、上述したような切換えダンパ26
と、第1ファン32と、第2ファン34と、太陽電池1
6とを制御するための制御装置(図示略)を設けてあ
る。この制御装置には、屋外の気温を検知する外気セン
サ(図示略)を接続してある。
【0027】次に、本実施例に係る太陽熱利用建築物全
体の作用を説明する。季節が冬及び夏の場合には、建築
物内の暖房及び冷房を行うため、床下換気口50及び棟
下換気口52は閉塞される。
【0028】特に冬の昼の場合には、第1ファン32が
駆動され、第2ファン34は駆動されない。この状態で
は、切換えダンパ26,28は、図1に示すように、排
出ダクト22を閉塞するように制御されている。このた
め、集熱装置6で加熱された空気は、屋内ダクト18を
通して、蓄熱装置30に送られ、ここで熱交換され蓄熱
されると共に、吹出口71から吹き出される。
【0029】この際、浴室67の乾燥室ダンパ81を開
口すると共に、吸引管58bを閉じるか又は絞った状態
にて換気装置58を駆動させる。これにより、吹出口7
1からの暖気は、各部屋を循環した後、脱衣所66に入
る。この際吸引管58bを閉じるか又は絞った状態にし
てあるため、脱衣所66に入った暖気は積極的に浴室6
7に移行され、浴室67内を充分に暖房及び乾燥させた
後、吸引管58aを介して屋外に排出される。また、便
所65は、四季をを問わず24時間連続的に換気されて
おり、各部屋から便所65に入った暖気は、吸引管58
cを介して屋外に排出される。
【0030】したがって、冬期においては、各部屋の効
果的な暖房を行えると共に、浴室(乾燥室)67の乾燥
をも効果的に行うことができ、さらに、建物内の換気を
も行え快適な住環境を提供できる。
【0031】冬の夜の場合には、図4に示すように、太
陽電池16に太陽光が照射されないため、第1ファン3
2は駆動されず、第2ファン34も駆動されない。しか
も、切換えダンパ26,28は、排出ダクト22及び吸
引ダクト24を閉塞するように制御されているので、建
築物内は、蓄熱装置30に蓄えられた温熱により緩やか
に暖められる。建物内の換気作用は、昼間の場合と同様
である。
【0032】次に、夏の場合には、図5,6に示すよう
に、切換えダンパ26,28は、屋内ダクト18を遮断
し及び排出ダクト22及び吸引ダクト24を開口するよ
うに制御される。
【0033】夏の夜には、図5に示すように、第1ファ
ン32は駆動されず、昼の間に太陽電池16で充電され
た電力によって第2ファン34が駆動される。このた
め、夏の夜の比較的冷たい夜間冷気が、吸引ダクト24
及び屋内ダクト18を通して、蓄熱装置30に導入さ
れ、ここで熱交換され、冷熱を蓄熱装置30に蓄冷する
ことになる。蓄熱装置30から排出された空気は、吹出
口71などを通して各部屋に排出される。
【0034】この際、乾燥室ダンパ81を閉じ、さら
に、吸引管58a〜58c全て開口した状態で換気装置
58を駆動させる。これにより、吹出口71からの冷気
は、各部屋を循環した後、脱衣所66または便所65に
入り、吸引管58b,58cを介して換気装置58によ
り屋外に排出される。これにより、各部屋は、穏やかに
冷却されると共に、充分に換気される。また、浴室67
は、取入れ口8→内部流路10→排出ダクト22を経由
して導入され、外気が吸引管58aから排出されること
で乾燥していく。また、後述するように夏の昼間に浴室
に供給された暖気は、乾燥室67の乾燥の後、換気装置
58により排出されているが、この際、乾燥室ダンパ8
1が閉じられており、ドア67aの断熱性が高いため、
浴室67から暖気が各部屋に漏れることがなく、各部屋
が暖気により住環境を阻害されることがない。
【0035】夏の昼には、第1ファン32が駆動され、
第2ファン34が駆動されない。図6に示すように、切
換えダンパ26が排出ダクト22を開口しているので、
第1ファン32が駆動されることにより、集熱装置6で
加熱された空気は、排出ダクト22を通して浴室(乾燥
室)67に供給される。この際、乾燥室ダンパ81を閉
じ、さらに、吸引管58a〜58c全て開口した状態で
換気装置58を駆動させている。そのため、浴室67
は、供給された暖気により充分に乾燥され、乾燥後吸引
管58aを介して換気装置58により屋外に排出され
る。この際、換気装置58の吸引量をできるだけ多くし
ているため、また、乾燥室ダンパ81が閉じられてお
り、ドア67aの断熱性が高いため、浴室67から暖気
が各部屋に漏れることがなく、各部屋が暖気により住環
境を阻害されることがない。
【0036】一方、吹出口71からの冷気は、各部屋を
循環した後、脱衣所66または便所65に入り、吸引管
58b,58cを介して換気装置58により屋外に排出
される。
【0037】したがって、夏期においても、穏やかに冷
却できると共に、乾燥室の乾燥をも充分効果的に行え、
さらに、建物内の換気をも行え快適な住環境を提供で
き、クーラー等の効率的運転による省エネルギー化にも
役立つ。
【0038】また、排出ダクト22に熱交換器を取り付
けて、その熱交換器で冷水を温水などに変換するように
してもよい。夏冬以外の春秋の季節には、例えば、床下
換気口50及び棟下換気口52を開口して通気を図るこ
とも可能である。そして、外気温度などの条件に応じ
て、切換えダンパ26を制御することにより快適な住環
境を実現できる。
【0039】次に、図7〜図12を参照して、本考案の
第2の実施例に係る太陽熱利用建築物を説明する。図
7,8に示すように、集熱装置6で加熱された暖気を床
下に設けてある蓄熱装置30に導くための空気回路が第
1の実施例と異なっている。先ず、大略的には、集熱装
置6の暖気の屋内取入口6aが、多数個の可撓性チュー
ブ94によって小屋裏空間内に配設してある集熱ボック
ス95に連結してある。この集熱ボックス95が、可撓
性チューブ98によって、暖気の流れを切り換えるコン
トロールボックス100に連結してある。このコントロ
ールボックス100の手前の可撓性チューブ98内には
暖気を吸引するためのファン(吸引手段)99が配設し
てある。コントロールボックス100の一方の出口は、
屋内ダクト105を介して蓄熱装置30に連結してあ
り、コントロールボックス100の他方の出口は、乾燥
室67に連通された排出ダクト104に連結してある。
【0040】さらに詳細に説明すると、図8に示すよう
に、集熱装置6の屋内取入口6aには、剛体のダクト6
bが設けてあり、このダクト6bに可撓性チューブ94
が連結してある。この可撓性チューブ94は、撓むこと
が可能であればよく、その材料などは問わないが、断熱
性があるグラスウール製ダクト等が好ましい。図7に示
すように、この可撓性チューブ94は、複数個設けてあ
るが、後述するように、これらの長さが等しいことが好
適である。
【0041】可撓性チューブ94が連結される集熱ボッ
クス95は、下方側が直方体状の箱に形成してあり、上
方側が四角錐状の箱に形成してある。この四角錐状の箱
の入口には、剛体のダクト96が設けてあり、これに可
撓性チューブ94が連結してある。図8には、一つの可
撓性チューブ94についてしか図示していないが、他の
可撓性チューブ94も同様の構成により連結してある。
さらに、直方体状の箱の底部には、出口としての剛体の
ダクト97が設けてあり、これに可撓性チューブ98が
連結してある。このように構成してあることにより、集
熱装置6の各屋内取入口6aから出る暖気を複数の可撓
性チューブ94によって集熱ボックス95に集めること
ができる。しかも、集熱ボックス95の下方側が直方体
状の箱に形成してあり、上方側が四角錐状の箱に形成し
てあるため、入口側のダクト96から入って出口側のダ
クト97から出るまでの暖気の流れが極端に曲げられる
ことがない。そのため、圧力損失を生じることなく、暖
気を流すことができる。
【0042】このように、集熱ボックス95を小屋裏空
間内に配設し、複数の可撓性チューブ94を用いてこの
集熱ボックス95と集熱装置6とを連結しているため、
従来のように、長尺物の集熱ダクトを狭い小屋裏空間内
で取り廻しすることなく、可撓性チューブ94を連結す
る作業だけでよい。そのため、小屋裏空間での作業を極
めて簡易・容易にすることができる。
【0043】さらに、可撓性チューブ94を用いてこの
集熱ボックス95と集熱装置6とを連結するだけでよい
ため、従来のように、集熱ダクトと集熱装置の屋内取入
口とを位置合せするような設計を行う必要がなく、現場
での取付作業も容易になる。さらに、種々の構造の異な
る建築物に太陽熱装置を敷設する場合、個々の建物に対
応して集熱ダクトを設計する必要がなく、汎用性をも持
たせることができる。
【0044】さらに、複数個の可撓性チューブ94の長
さを均一にすることにより、集熱装置6の各屋内取入口
6aから集熱ボックス95までの距離を均一にすること
ができる。そのため、集熱装置6の各屋内取入口6aか
らは均一な流速で暖気が集熱ボックス95に取り込まれ
ることになり、集熱装置6の各所で十分に暖められた空
気を屋内に取り入れることができ、暖房効率も向上する
ことができる。
【0045】さらに、コントロールボックス100で
は、その入口側のダクト101内に、強制的に適宜送風
可能なファン99が配設してある。さらに、このコント
ロールボックス100内には、蓄熱装置30に連結した
屋内ダクト105への暖気の流れと、排出ダクト104
への暖気の流れとを切り換えるダンパ(切換手段)10
2が設けてある。これにより、ダンパ102が図8に示
すように排出ダクト104を閉鎖するように切り換えて
あるときには、暖気は蓄熱装置30内に流れる一方、ダ
ンパ102が屋内ダクト105を閉鎖するように切り換
えてあるときには、暖気は排出ダクト104を通して乾
燥室67に排出される。このファン99の駆動及びダン
パ102の切換は、図示しない適宜の制御手段により制
御されると共に、上述した太陽電池16により駆動され
る。なお、図9〜12に示すように、排出ダクト104
の乾燥室67への出口には、この出口を閉鎖可能なダン
パ106が設けてある。
【0046】その他の構成は、第1の実施例と同じであ
る。以下、この第2の実施例に係る太陽熱利用建築物の
作用を説明する。冬の昼の場合には、図9に示すよう
に、太陽が太陽電池16に照射されると、その起電力に
より、ファン99が駆動される。ダンパ102が排出ダ
クト1044を閉鎖するように切り換えられる。このた
め、集熱装置6で加熱された空気は、可撓性チューブ9
4、集熱ボックス95、コントロールボックス100、
及び屋内ダクト105を介して蓄熱装置30に送られ、
ここで熱交換され蓄熱されると共に、吹出口71から吹
き出される。
【0047】この際、第1の実施例と同様に、乾燥室6
7の乾燥室ダンパ81を開口すると共に、吸引管58b
を閉じるか又は絞った状態にて換気装置58を駆動させ
る。これにより、吹出口71からの暖気は、各部屋を循
環した後、脱衣所66に入る。この際吸引管58bを閉
じるか又は絞った状態にしてあるため、脱衣所66に入
った暖気は積極的に乾燥室67に移行され、乾燥室67
内を充分に暖房及び乾燥させた後、吸引管58aを介し
て屋外に排出される。また、便所65は、四季をを問わ
ず24時間連続的に換気されており、各部屋から便所6
5に入った暖気は、吸引管58cを介して屋外に排出さ
れる。
【0048】冬の夜の場合には、図10に示すように、
太陽電池16に太陽光が照射されず、ファン99は駆動
されないと共に、ダンパ102は昼間と同様に排出ダク
ト104を閉鎖する状態になっている。その結果、外気
が集熱装置6、屋内ダクト105等を介してゆっくりと
吸入されると共に、建築物内は、蓄熱装置30に蓄えら
れた温熱により緩やかに暖められる。建物内の換気作用
は、昼間の場合と同様である。
【0049】夏の夜には、図11に示すように、冷房効
果を発揮させるため、夜間の比較的冷たい空気を取り込
むように構成してある。即ち、ファン99が駆動される
と共に、ダンパ102が排出ダクト104を閉鎖するよ
うに切換えてある。これにより、夜間冷気が屋内ダクト
105を介して蓄熱装置30に取り込まれ、夜間冷気の
冷熱が蓄熱装置30に蓄冷され、蓄熱装置30から排出
された空気は、吹出口71などを通して各部屋に排出さ
れる。
【0050】この際、乾燥室ダンパ81を開け、乾燥室
67の乾燥室ダンパ81を開口すると共に、吸引管58
bを閉じるか又は絞った状態にて換気装置58を駆動さ
せる。これにより、吹出口71からの冷気は、各部屋を
循環した後、脱衣所66に入る。この際吸引管58bを
閉じるか又は絞った状態にしてあるため、脱衣所66に
入った冷気は積極的に乾燥室67に移行され、吸引管5
8a,58cを介して換気装置58により屋外に排出さ
れる。これにより、各部屋は、穏やかに冷却されると共
に、充分に換気される。
【0051】夏の昼には、図12に示すように、太陽電
池16に太陽光が照射され、ファン99は駆動され、ダ
ンパ102は屋内ダクト105を閉鎖するように切り換
えられる。これにより、集熱装置6で加熱された空気
は、ファン99により、排出ダクト24を通して乾燥室
67に排出される。
【0052】この際、乾燥室ダンパ81を閉じ、さら
に、吸引管58a〜58c全て開口した状態で換気装置
58を駆動させている。そのため、乾燥室67は、供給
された暖気により充分に乾燥され、乾燥後吸引管58a
を介して換気装置58により屋外に排出される。この
際、換気装置58の吸引量をできるだけ多くしているた
め、また、乾燥室ダンパ81が閉じられており、ドア6
7aの断熱性が高いため、浴室67から暖気が各部屋に
漏れることがなく、各部屋が暖気により住環境を阻害さ
れることがない。一方、蓄熱装置30には、夏の夜に蓄
冷された冷熱があり、吹出口71からの冷気は、各部屋
を循環した後、脱衣所66または便所65に入り、吸引
管58b,58cを介して換気装置58により屋外に排
出される。
【0053】なお、本考案は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本考案の範囲の範囲内で種々に改変
することが可能である。特に、浴室は、乾燥室としての
例示であり、乾燥室は、何らかの物を乾燥する部屋であ
れば如何なる部屋であっても良い。
【0054】
【考案の効果】以上述べたように、本考案では、乾燥室
ダンパを開口すると共に、換気装置による計画的な換気
を行うことにより、暖められた空気を建物内から乾燥室
に導入して乾燥室を乾燥後屋外に排出している。したが
って、冬期においては、効果的な暖房を行えると共に、
乾燥室の乾燥をも効果的に行うことができ、さらに、建
物内の換気をも行え快適な住環境を提供できる。
【0055】一方、請求項2に記載のように、建築物内
を冷却する場合には、吸引手段及び切換手段を制御し
て、外気(夜間冷気)を蓄熱装置に導いてこれに蓄冷
し、この冷熱により建物内を穏やかに冷却することがで
きる。
【0056】この際、夏の昼間には、太陽熱集熱装置で
暖められた空気を直接乾燥室に導いて乾燥室を乾燥して
いると共に、乾燥室ダンパを閉じ、換気装置による換気
を行っている。そのため、乾燥室の乾燥を充分に行える
と共に、乾燥室から建物内に熱気が漏れることがない。
したがって、夏期においても、穏やかに冷却できると共
に、乾燥室の乾燥をも充分効果的に行え、さらに、建物
内の換気をも行え快適な住環境を提供できる。
【0057】このように、本考案では、乾燥室の乾燥を
充分に行いながら、冬期には建物を効果的に暖房できる
と共に、夏季にも効果的に冷房することができ、四季を
通じて快適な住環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の第1の実施例に係る太陽熱利用
建築物の模式的斜視図である。
【図2】図2は図1に示す蓄熱蓄冷装置の概略斜視図で
ある。
【図3】図3は図1に示す太陽熱集熱装置に概略斜視図
である。
【図4】図4は同実施例に係る建築物の冬の夜の状態を
示す模式的斜視図である。
【図5】図5は同実施例に係る建築物の夏の夜の状態を
示す模式的斜視図である。
【図6】図6は同実施例に係る建築物の夏の昼の状態を
示す模式的斜視図である。
【図7】図7は本考案の第2の実施例に係る太陽熱利用
建築物に用いる集熱装置、及び集熱ボックスなどの斜視
図である。
【図8】図8は同実施例に係る太陽熱利用建築物に用い
る集熱装置、集熱ボックス、コントロールボックス、及
び蓄熱蓄冷装置の断面図である。
【図9】図9は同実施例に係る建築物の冬の昼の状態を
示す模式的斜視図である。
【図10】図10は同実施例に係る建築物の冬の夜の状
態を示す模式的斜視図である。
【図11】図11は同実施例に係る建築物の夏の夜の状
態を示す模式的斜視図である。
【図12】図12は同実施例に係る建築物の夏の昼の状
態を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
2 建築物 4 屋根 6 太陽熱集熱装置 16 太陽電池 26 排出流路切換えダンパ(切換手段) 28 吸引流路切換えダンパ(切換手段) 30 蓄熱装置 32 第1ファン(吸引手段) 34 第2ファン(吸引手段) 58 換気装置 67 乾燥室(浴室) 81 乾燥室ダンパ 99 ファン(吸引手段) 102 ダンパ(切換手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F24F 7/08 F24F 7/08 A F24J 2/42 F24J 2/42 D (56)参考文献 特開 昭63−75858(JP,A) 特開 平3−70929(JP,A) 特開 平2−290448(JP,A) 特開 昭63−34432(JP,A) 特開 昭60−149849(JP,A) 特開 昭60−263055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/74 E04D 13/18 E04F 17/04 F24D 11/00 F24F 3/00 F24F 7/08 F24J 2/42

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根上に設置した集熱装置によって外気
    を流しながら太陽光により加熱して暖気にし、これを吸
    引手段により屋内に吸引し、屋内の流路の切換手段を切
    り換えて暖気を蓄熱装置に案内して蓄熱すると共に屋内
    に放出し、これにより、少なくとも屋内の暖房を行う太
    陽熱利用建築物において、 加熱された暖気を屋内に設けた乾燥室に案内するための
    排出ダクトと、 乾燥室とこれに隣接する部屋とを遮断可能に連通する乾
    燥室ダンパと、 乾燥室内の空気を屋外に排出すると共に、建物内の空気
    をも屋外に排出することが可能な換気装置と、を具備す
    ることを特徴とする太陽熱利用建築物。
  2. 【請求項2】 集熱装置が太陽光を受けないときに、所
    定温度以下の冷やされた外気を屋内に吸引するように吸
    引手段を駆動すると共に、この外気を蓄熱装置に案内し
    て蓄冷すると共に屋内に放出するように切換手段を切り
    換える制御を行う制御手段をさらに備えていることを特
    徴とする請求項1に記載の太陽熱利用建築物。
  3. 【請求項3】 前記吸引手段は、前記太陽熱集熱装置に
    配置された太陽電池により駆動されるか、若しくは、こ
    の太陽電池による起電力が蓄電された蓄電池により駆動
    されることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱利用建
    築物。
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