JP2560961Y2 - コンクリート型枠間隔保持用座金 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、セパレーターの端部に
取付けてコンクリート型枠の堰板間隔を所定に保持する
のに使用するコンクリート型枠間隔保持用座金に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のコンクリート型枠間隔保
持用座金は、中央部に通孔を穿ってセパレーターの端部
ねじの内側の無ねじ部に嵌合するもの、または、中央部
にねじ孔を設けてセパレーターの端部ねじにねじ込むも
のである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来のこの種の上記コ
ンクリート型枠間隔保持用座金中で、前者の座金は取扱
い中に落下することがあり、また、後者の座金はねじ込
むのに手間が掛り、この座金類は使用上多大の手間と労
力を要し、型枠建込作業の効率化の面でネックとなって
いる点である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、取扱い易くて
型枠建込作業の大幅な省力化とコストダウンが可能にな
り、型枠建込作業の作業員不足を補うことができるコン
クリート型枠間隔保持用座金を提供することを目的とす
る。

【０００５】すなわち、金属板の中央部を一側へ略球面
状に突出させてその突出部（２）の中心にセパレーター
（５）の通孔（３）を穿ち、該突出部（２）の内側には
通孔（３）の周縁から離れた位置を基点とし他側に向け
て斜めに切り起こされた複数の爪片（４）を放射状に設
けると共に、その放射状の爪片（４）の先端間をセパレ
ーター（５）の外径と略等しく形成してコンクリート型
枠間隔保持用座金（ａ）を構成し、取扱い易くて型枠建
込作業の大幅な省力化とコストダウンが可能になり、型
枠建込作業の作業員不足を補う目的を、金属板のプレス
加工により、一側への突出部とその突出部内側への放射
状の切り起こし爪片を設けることにより実現した。

【０００６】

【実施例】図面は、本考案の一実施例を示し、その構成
を図面について説明すれば、（ａ）はコンクリート型枠
間隔保持用座金で、ばね鋼板等の円形金属板の周縁
（１）を残し中央部を一側へ略球面状に押出し突出させ
てその突出部（２）の中心に通孔（３）を穿ち、該突出
部（２）の通孔（３）の外方部分に先端が内方へ向かう
複数のＶ状切溝を放射状に入れ、該切溝内の部分を、そ
の外端位置を基点とし他側内方へ池側への凸円弧状をな
して傾斜するように起こし、他側内方へ傾斜する複数の
爪片（４）を放射状に設けて成る。

【０００７】（５）はセパレーターで、両端部に転造ね
じ（６）を設けると共に、該ねじ（６）の内側に適当寸
法の無ねじ部（７）を残して鍔状ストッパー（８）を形
成する。（９）は締付杆で、基端面中心にねじ孔（１
０）を設けて先端部に転造ねじ（１１）を形成する。
（１２）は押え座金、（１３）はナットである。

【０００８】（Ａ）はコンクリート型枠の堰板で、その
適当箇所に通孔（１４）を穿つ。（Ｂ）は堰板（Ａ）の
外面に当てる縦ばた材、（Ｃ），（Ｃ）は縦ばた材
（Ｂ）の外側に組合わせる横ばた材、（Ｄ）はコンクリ
ート壁を示す。

【０００９】その作用を説明する。座金（ａ）の通孔
（３）をセパレーター（５）のねじ（６）の端部に嵌
め、その座金（ａ）の爪片（４）の先端をセパレーター
（５）のねじ（６）および無ねじ部（７）に摺動させて
図２に示すように座金（ａ）をセパレーター（５）のス
トッパー（８）まで押込めば、座金（ａ）の爪片（４）
の弾力により放射状の爪片（４）の先端がセパレーター
（５）の無ねじ部（７）に接して該放射状の爪片（４）
によりセパレーター（５）を挟持し、その爪片（４）に
より座金（ａ）の後退を阻止して座金（ａ）は図２に示
す押込み状態に固定する。

【００１０】そこで、図１に示すようにセパレーター
（５）のねじ（６）を堰板（Ａ）の通孔（１４）に挿通
して該ねじ（６）の突出部に締付杆（９）のねじ孔（１
０）を螺合し、座金（ａ）と締付杆（９）により堰板
（Ａ）を挟持して堰板（Ａ）を建込む。

【００１１】その後、堰板（Ａ）の外面に縦ばた材
（Ｂ）を当て、その縦ばた（Ｂ）の外側に締付杆（９）
を挟んで横ばた材（Ｃ），（Ｃ）を組合わせ、押え座金
（１２）を横ばた材（Ｃ），（Ｃ）に当ててナット（１
３）を締付杆（９）のねじ（１１）にねじ込むと、座金
（ａ）と押え座金（１２）により堰板（Ａ）および縦横
のばた材（Ｂ）、（Ｃ），（Ｃ）を一体に締付け固定し
て型枠を構成する。

【００１２】本考案のコンクリート型枠間隔保持用座金
（ａ）は、両端部のねじ（６）の内側端に連結してスト
ッパー（８）を形成したセパレーターに使用しても、上
記と同様に作用する。なお、爪片（４）は、上記Ｖ状に
代えてＵ状等になしても上記と同様に作用し、セパレー
ター（５）に必ずしも接しなくてもよい。

【００１３】

【考案の効果】本考案のコンクリート型枠間隔保持用座
金は、下記のような利点がある。

【００１４】（１） 金属板の打出し形成によって作製
するから、構造は極めて簡単であり、プレス打出しだけ
の単純な加工で容易安価に多量生産できる。

【００１５】（２） 爪片は座金の突出部内に収納され
ているから、取扱い中に爪片が変形したり、破損するこ
とはない。

【００１６】（３） 座金をセパレーターに嵌めて取付
けるときは、座金の放射状の爪片がセパレーターの端部
ねじに摺動して軽快円滑に移行し、セパレーターへの座
金の取付け操作は容易で、工場でも現場でも簡易迅速に
行うことができて取扱いおよび作業上至便である。

【００１７】（４） 座金をセパレーターに取付けた後
は、その座金の放射状の爪片の先端がセパレーターのね
じに引掛ってセパレーターの取扱い中に座金が落下する
ことはない。そのために、型枠建込作業の効率を上げて
大幅な省力化とコストダウンになる上に、型枠建込作業
の作業員不足を補うことができて作業上有益である。

【００１８】（５） 座金の爪片が突出部の中間部分か
ら切り起こされて座金の通孔の周縁には特に丸昧が生じ
ないから、セパレーターのストッパーへの座金の当接位
置が一定で、型枠の精度は高くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るコンクリート型枠間隔
保持用座金を使用してコンクリート型枠を組立てた状態
の縦断正面図である。

【図２】同上のコンクリート型枠間隔保持用座金付きセ
パレーターの要部の拡大正断面図である。

【図３】その座金の側面図である。

【符号の説明】

Ａ 堰板 Ｂ 縦ばた材 Ｃ 横ばた材 Ｄ コンクリート壁 ａ コンクリート型枠間隔保持用座金 １ 周縁 ２ 突出部 ３ 通孔 ４ 爪片 ５ セパレーター ６ ねじ ７ 無ねじ部 ８ ストッパー ９ 締付杆 １０ ねじ孔 １１ ねじ １２ 押え座金 １３ ナット １４ 通孔

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属板の中央部を一側へ略球面状に突出
   させてその突出部の中心にセパレーターの通孔を穿ち、
   該突出部の内側には上記通孔の周縁から離れた位置を基
   点とし他側に向けて斜めに切り起こされた複数の爪片を
   放射状に設けると共に、その放射状の爪片の先端間を上
   記セパレーターの外径と略等しく形成してなるコンクリ
   ート型枠間隔保持用座金。