JP2560172B2 - アルケニルアルキルシラン - Google Patents

アルケニルアルキルシラン

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JP2560172B2
JP2560172B2 JP4105457A JP10545792A JP2560172B2 JP 2560172 B2 JP2560172 B2 JP 2560172B2 JP 4105457 A JP4105457 A JP 4105457A JP 10545792 A JP10545792 A JP 10545792A JP 2560172 B2 JP2560172 B2 JP 2560172B2
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alkenyl
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silane
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紀夫 篠原
和之 松村
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機珪素化合物に関し、
特に新規なアルケニルアルキルシランに関する。
【0002】
【従来技術】ヒドロゲノシリル基(HSi基)を有する
アルケニルシランは、該ヒドロゲノシリル基が反応性に
富むために、例えば白金系触媒下で不飽和結合に付加し
てSiCH2 CH2 結合を形成したり、アルコール等の
活性水素を有する化合物と脱水素反応をしてSiOC結
合を形成したりする等の性質を有するので、この性質を
利用したシランカップリング剤、シリル化剤又はシリコ
ーン撥水剤として、或いは分子内に二重結合を有してい
るために、シリル基を有するポリマー用の重合性モノマ
ーとして極めて有用である。このようなアルケニルシラ
ンとして、従来から、SiH3 のような3個の水素を有
するアルケニルシランは知られていた(例えば、特開平
1−221383号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
アルケニルシランは、自然発火性や爆発性等があって取
扱が困難であるガス状のモノシラン(SiH4 )を原料
とするので、製造上の安全性に欠けるという欠点があっ
た。また、モノアルケニルシランを製造する場合には、
モノシランを1回のハイドロサイレーションによって効
率良く合成することができるものの、アルケニルアルキ
ルシランを合成する場合には更にアルキル基を導入する
必要がある上、1個のアルキル基のみを導入することは
困難であるので、純粋なアルケニルアルキルシランを製
造することは困難であるという欠点があった。
【0004】そこで、本発明者等は上記の欠点を解決す
べく鋭意研究した結果、特定のクロロシランを原料とし
た場合には、純粋で且つ新規なアルケニルメチルシラン
を合成することができることを見出し、本発明に到達し
た。従って、本発明の第1の目的は、新規なアルケニル
メチルシランを提供することにある。本発明の第2の目
的は、純粋なアルケニルメチルシランを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
一般式CH=CH−(CH)n−Si(CH )H
で表されるアルケニルメチルシランによって達成され
た。上式中、nは4〜8の整数であ
【0006】上記のアルケニルメチルシランは、一般式
CH=CH−(CH)n−Si(CH )Cl
表されるジクロロシラン(単にジクロロシランという)
を、還元することによって容易に製造することができ
る。本発明のアルケニルメチルシランを製造するに際し
ては、還元剤を添加して縣濁させた溶媒中に、ジクロロ
シランを溶媒で希釈或いは希釈せずにそのまま滴下し、
還元反応させることが好ましい。
【0007】用いることのできる溶媒としては、脂肪族
系炭化水素及び芳香族系炭化水素溶媒が挙げられるが、
エチルエーテル、ブチルエーテル及びテトラヒドロフラ
ン等のエーテル系溶媒を使用することが好ましい。還元
剤は特に限定されるものではなく、通常市販されている
各種の還元剤を用いることができるが、特に、水素化ア
ルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム及び水素
化ホウ素カリウム等の金属水素錯化合物を用いることが
好ましい。
【0008】用いる還元剤の量は、用いるジクロロシラ
ンの量1モルに対して1.0〜2.0モルの範囲が好ま
しく、特に1.1〜1.3モルの範囲が好ましい。還元
反応は、−60℃〜+60℃の温度範囲で行わせること
が好ましく、特に−20℃〜+20℃の範囲で行わせる
ことが好ましい。生成物であるアルケニルメチルシラン
は、反応溶液を、反応終了後酢酸エチル或いは希塩酸等
で過剰の還元剤を処理した後蒸留すること等によって容
易に単離することができる。
【0009】
【発明の効果】本発明のアルケニルメチルシランは、液
体状のジクロロシランを原料として製造されるので、製
造に際する安全性に優れる上、純度の高いアルケニル
チルシランである。また、本発明のアルケニルメチル
ランは、二重結合及び反応性に富むSiH基を有してい
るので、エチレン、プロピレン等のオレフィン類と共重
合させることができる上、SiH基に基ずく架橋性によ
って種々の機能を共重合ポリマーに付与することができ
る他、シリル化剤やシランカップリング剤としても有用
である。
【0010】
【実施例】以下本発明を実施例に従って更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0011】実施例1.攪拌機、還流器、滴下ロート及
び温度計を備えた500mlのフラスコに、LiAlH
4 8.8g及び乾燥させたテトラヒドロフラン100m
lを仕込み、−20℃〜−30℃に冷却した後、乾燥さ
せたテトラヒドロフラン50mlに5─ヘキセニルメチ
ルジクロロシランを溶解させた溶液を2〜3時間かけて
滴下した。
【0012】滴下終了後、20〜25℃で2〜3時間か
けて還元反応を行い、生成物を含む混合溶液を得た。次
いで、得られた溶液にHCl の10重量%水溶液100
mlを1時間かけて滴下し、過剰のLiAlH4 を処理
した後数回水洗を行い、反応溶液中のテトラヒドロフラ
ンを水層に移行させて有機相を分取した。得られた有機
相を63mmHgの圧力下で蒸留し、沸点が61℃で無
色透明な液体33.1gを得た。得られた液体の屈折率
は1.4275(25℃)、比重は0.746(25
℃)であった。
【0013】得られた液体は、ガスクロマトグラフィー
分析から、単一成分であることが確認された。ガスクロ
マトグラフィー質量分析、1 H−NMR及び、赤外線吸
収スペクトルを用いて分析した結果は、表1及び図1に
示した通りである。これらの分析結果から、得られた化
合物がCH=CH−(CH2 4 −Si(CH3 )H2
で表される5─ヘキセニルメチルシランであることが確
認された。尚、単離収率は61%であった。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2.5─ヘキセニルメチルジクロロ
シランに代えて、7─オクテニルメチルジクロロシラン
を使用した他は、実施例1と全く同様にして合成を行っ
たところ、4mmHgの圧力下での沸点が45℃で無色
透明な液体39gを得た。得られた液体の屈折率は1.
4342(25℃)、比重は0.762(25℃)であ
った。
【0016】得られた液体を、実施例1と全く同様にし
て分析した結果は表2及び図2に示した通りである。こ
れらの結果から、得られた化合物がCH2 =CH─(C
2 6 ─Si(CH3 )H2 で表される7─オクテニ
ルメチルシランであることが確認された。尚、単離収率
は90%であった。
【0017】
【表2】
【0018】実施例3.5─ヘキセニルメチルジクロロ
シランに代えて、9─デセニルメチルジクロロシランを
使用した他は、実施例1と全く同様にして合成を行った
ところ、4mmHgの圧力下での沸点が45℃で無色透
明な液体59gを得た。得られた液体の屈折率は1.4
403(25℃)、比重は0.775(25℃)であっ
た。
【0019】得られた液体を、実施例1と全く同様にし
て分折した結果は表3及び図3に示した通りである。こ
れらの結果から、得られた化合物がCH=CH−(C
−Si(CH)Hで表される9−デセニル
メチルシランであることが確認された。尚、単離収率は
81%であった。
【0020】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で合成した、5−ヘキセニルメチルシ
ランの赤外線吸収スペクトルである。
【図2】実施例2で合成した、7−オクテニルメチルシ
ランの赤外線吸収スペクトルである。
【図3】実施例3で合成した、9−デニルメチルシラ
ンの赤外線吸収スペクトルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式CH=CH−(CH)n−S
    i(CH )Hで表されるアルケニルメチルシラン;
    式中、nは4〜8の整数であ
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5015624A (en) 1990-04-30 1991-05-14 Dow Corning Corporation Process for reduction of organohalosilanes

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JPH02160793A (ja) * 1988-12-14 1990-06-20 Mitsui Toatsu Chem Inc 有機ケイ素化合物およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5015624A (en) 1990-04-30 1991-05-14 Dow Corning Corporation Process for reduction of organohalosilanes

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