JP2559537B2 - プロテインcに対するモノクローナル抗体 - Google Patents

プロテインcに対するモノクローナル抗体

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JP2559537B2 JP2502801A JP50280189A JP2559537B2 JP 2559537 B2 JP2559537 B2 JP 2559537B2 JP 2502801 A JP2502801 A JP 2502801A JP 50280189 A JP50280189 A JP 50280189A JP 2559537 B2 JP2559537 B2 JP 2559537B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の背景) 本発明は一般的には血しょうタンパク質に対する抗体
に関し、特にプロテインCとその利用に関するものであ
る。
プロテインCは、セリンプロテアーゼ前駆体であるビ
タミンK依存性血しょうタンパク質であり、活性化によ
り効果的な抗凝固剤となる。活性化プロテインCはプロ
凝固補助因子である第VIIIa因子および第Va因子の特異
的加水分解によって作用するが、この活性化には別のビ
タミンK依存性タンパク質であるプロテインS、および
カルシウム、リン脂質表面(多分、細胞表面)が必要で
ある。止血と血栓症:基礎原子と臨床応用(Hemostasis
and Thrombosis:Basic Principles and Clinical Prac
tice,第2版,Colman,R.W.ら、263頁、ペンシルバニア
州フィラデルフィア J.B.Lippincott,1987年)記載の第
1図によると、Cタンパク質はより小さい軽鎖に1本の
ジスルフィド結合でつながれたより大きい重鎖の2本鎖
の形で循環している。このタンパク質のごく一部は1本
鎖の形で循環しているが、この場合は分子内のリジン−
アルギニンジペプチドが軽鎖を重鎖に直接つないでい
る。プロテインCは活性化して活性化プロテインC(AP
C)となる。トロンビンは、重鎖のArg12−Leu13結合を
特異的に切断しプロテインCを活性化することができ
る。インビボでは、生理的濃度のカルシウムの依存下、
トロンビンが内皮細胞補助因子であるトロンボモジュリ
ンと結合することによりプロテインCの活性化速度は劇
的に促進される。Matschinerら(ビタミンK研究の現代
の進歩,CurrentAdvances in Vitamine K Reserch)、1
35−140頁、John W.Suttie編集、Elsevier Science Pub
lishing,1988年)は凝固におけるビタミンK依存性タン
パク質の役割について、さらに記載している。
プロテインCはインビボにおいてきわめて重要な役割
をはたしている。プロテインCまたはその補助因子であ
るプロテインSが欠損している患者は、顕著な血栓症状
を示す。プロテインCが生まれつき全く欠けている乳児
は塊状血管内凝固症(DIC)、および壊死症候群を示
し、なんらかの治療を施さなければ生後数週間以内に死
亡する。活性化プロテインCはまた、Taylorらが述べて
いるように(J.Clin.Invest.,第79巻、918−925頁,1987
年)内毒素ショックによる凝固傷害および致命的作用か
ら動物を保護することが示された。
Kisielらが最初に報告している様に(J.Clin.Inves
t.第64巻,761−769頁,1979年)、プロテインCはシュ
ウ酸バリウム吸着、および溶解、硫酸アンモニウム分
画、DEAE−セファデクスクロマトグラフィー、デキスト
ラン・硫酸アガロースクロマトグラフィーおよび調製ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を含む古典的タンパク質
精製法により血しょうから半精製状態で単離された。こ
の精製方法は、Stearnsら(J.Biol.Chem.,第263巻第2
号、826−832頁、1988年)の記載にあるHPC−4と名付
けられたプロテインCに対する特異的抗体の発見により
大幅に改良され促進された。「凝固因子を含む血液分画
の標準化に関するIABS/CSL合同シンポジウム(Joint IA
BS/CSL Symposium on Standardization in Blood Fract
ionation including Coagualtion Factors,オーストリ
ア国メルボルン市、1986年)」においてEsmonらが詳細
に述べている様に(Develop.biol.Standard.,67巻、51
−57頁、バーセル市 S.Karger,1987年,に報文)、希釈
したヘパリン化血しょうをQAEセファデクスにバッチ的
に吸着させ0.15M緩衝化NaClで洗浄後、0.5M NaClで溶離
し、再カルシウム化し、そして、HPC−4にバッチ的に
吸着し、次いでCa2+を含む緩衝液で洗浄後EDTAを含む緩
衝液で溶離することにより、ヒト血しょうからプロテイ
ンCが単離される。
HPC−4はヒトプロテインCに対するカルシウム依存
性モノクローナル抗体である。抗体によって認識される
エピトープが同定され、それはトロンビン開裂位置にわ
たるプロテインCの前駆体のアミノ酸鎖に対応する。活
性化プロテインCはHPC−4によって認識されない。
ヒトプロテインCに対するいくつかの抗体が以下の研
究者らによって報告されている。
Laurel ら、FEBS Letters.、第191巻第1号、75−81
頁、1985年; Wakabayashiら、J.Biol.Chem.、261巻、11097−11105
頁、1986年; Sugoら、Thromb.Hemost.Abstr.,Brussells、229頁、1
987年;および Ohlinら、J.Biol.Chem.、第262巻、13798−13804頁、
1988年. これらのうちのいくつかは、例えばLaurellらによっ
て報告されている様に、カルシウム依存性である。しか
しながら、刊行された報告で見るかぎり、この依存性は
プロテインCの軽鎖のカルシウム結合要求によるもので
あり、抗体は軽鎖上のエピトープを認識する。他の抗体
は重鎖上のトロンビン開裂領域周辺を認識するが、これ
らは、Ohlinらによって記載されているHPC−4も含め、
カルシウム依存性ではない。OhlinらのHPC−4抗体はCa
2+依存性でないと同時に活性領域を指向してもおらず、
従って本発明の抗体とは異なったものである。
プロテインCのCa2+結合領域に結合する抗体は、いず
れもプロテインCのみを認識することはなく、そして、
活性型は認識しない。活性型で汚染されていないタンパ
ク質が望ましい場合があるが、プロテインCの活性化を
阻害する治療に使用する場合は特にそうである。
残念ながら本発明の抗体の使用、そして、より最近で
はその性質が文献に報告されているにもかかわらず、単
離、診断または治療の方法については一般に知られてい
ない。
従って、本発明の目的は、プロテインCの活性領域に
結合するCa2+依存性抗体を提供することである。
本発明のさらなる目的は、このCa2+依存性抗体のドメ
インを、他の金属非結合ペプチドまたはタンパク質を単
離するのに使用する方法および手段(金属イオン依存ア
フィニティークロマトグラフイーに利用する)を提供す
ることである。
本発明のさらに他の目的は、このCa2+依存性を治療目
的に使用する方法と手段とを提供することである。
本発明のさらに他の目的は、この単数または複数のCa
2+依存性抗体、それらの誘導体および複合体を診断目的
に提供することである。
(発明の要旨) 本発明は、ウシ起源でない、ヒト、ブタ、ヒヒ、およ
びイヌのプロテインCの活性領域の12個の特異的ペプチ
ド配列(EDQVDPRLIDGK)に特異的に結合するCa2+依存性
モノクローナル抗体に関するものである。本抗体は活性
化プロテインCには結合せず、トロンビン−トロンボモ
ジュリンによるプロテインCの活性化阻害に使用するこ
とができる。この抗体は、固定化担体に結合した上記の
ペプチド配列を利用するアフィニティ−クロマトグラフ
によって、細胞培養物または腹水から大量に単離するこ
とができる。
本抗体はプロテインCの単離および特徴づけに、そし
て、診断およびプロテインCの活性化を阻害する治療
に、特別な用途がある。プロテインCは自然につくられ
るか、または組み替え遺伝子の発現によってつくられ
る。抗体がプロテインCに特異的で活性プロテインCに
対しては特異的でないこと、および抗体をクロマトグラ
フィー支持体に固定化するとき、特定のエピトープおよ
びカルシウムによって抗体の抗原結合位置を保護するこ
とができるということが、プロテインC精製における本
抗体の利点に包含される。インビボにおいて、本抗体は
腫瘍の成長を阻害することが示された。さらに、高レベ
ルの第VIII因子阻害物質、血友病、血小板欠損症(thro
mbocytopenia)、およびその他凝固性を増大することが
望ましい凝固不全症において凝固を促進するのに、本抗
体、抗プロテインS抗体、CB−4結合タンパク質が、単
独または組み合せで有効である。さらに、特定のエピト
ープを抗体の大量精製に使用すること、および本抗体が
ウイルス不活性化処理に対し安定であることは、従来、
開示されていない。
(図面の簡単な説明) 第1図は、1本のジスルフィド結合で結ばれたプロテ
インCの重鎖、軽鎖を示す模式図であり、成長因子様領
域(Gla−領域)、セリンプロテアーゼ領域および活性
ペプチド領域が指定されている。
第2図は、ペプチドP(6−17)が存在する場合、お
よび存在しない場合の金属イオンに依存するHPC−4の
固有蛍光の変化を示し、F/Fo対金属イオン濃度(mM)の
グラフである。1μMのHPC−4を、2μMのP(6−1
7)が存在する場合、またはしない場合について、トリ
プトファンの放射光をモニターしながら金属イオンで滴
定した。Foは金属を添加しないときのHPC−4放射光ピ
ーク面積(±ペプチド)を示す。●および○は、HPC−
4またはHPC−4+ペプチドのそれぞれのCa2+滴定値、
そして、■および□は、HPC−4またはHPC−4+ペプチ
ドのそれぞれのMg2+滴定値を示す。
(発明の詳細な説明) モノクローナル抗体HPC−4を特に有用にする性質は
次の通りである。
本抗体はプロテインCとカルシウム存在下でのみ結合
し、活性化プロテインC(APC)とは結合しない。従っ
て本抗体をアフィニティー支持体に固定化すると、血し
ょう由来の原料または組織培養発現系由来の原料からき
わめて穏和な条件でプロテインCを単離することができ
る。このことは生産物の生物活性を維持し、固体支持体
樹脂を安定に保つ上で重要である。活性化プロテインC
はどの様な条件でも抗体と結合しないため、得られた生
産物には全くAPCが含まれない。
本抗体はプロテインCの活性部位に結合するので、イ
ンビボで抗凝固タンパク質APC生成を阻止するのに使わ
れ得る。この抗体はAPCに結合せず、またそれを阻害も
しないのでインビボにおける阻害効果はAPC投与によっ
て逆転することもできる。
本抗体はプロテインCの特定の領域残基6から17、特
にEDQVDPRLIDGK内に結合する。このペプチドは固体担体
樹脂に直接固定化され、マウス腹水液または組織培養物
上澄から抗体を高濃度で単離するのに使用され得る。こ
の方法によれば、非常に希薄な溶液からでも抗体をきわ
めて純粋に高収率で単離することができる。
必要であれば、カルシウムイオンを除去するか、また
は精製されたモノクローナル抗体の機能に影響しない
1.5Mグアニジンによって抗体を固定化ペプチドから外す
ことができる。グアニジンは規制当局によって認められ
たウイルス不活性化剤であるので、後者は有意義であ
る。この試薬で溶離または処理した後は、ハイブリドー
マの組織培養物が用いられる場合には、得られた抗体中
には、モノクローナル抗体を生産するのに用いられたマ
ウス由来の腹水、または培養物上澄に存在し得る生きた
ウイルスは、全く含まれない。従って、プロテインCを
調製するために用いられた抗体からプロテインC生産物
にウイルスが持ち込まれることはない。
本抗体はヒト、ブタ、イヌ由来のプロテインCを認識
するが、ウシ由来のものは認識しない。それゆえ、組替
え技術によるプロテインC生産細胞を培養するのに使わ
れるウシ胎児血清はヒトプロテインC生産物を汚染しな
い。
本発明のモノクローナル抗体は以下のように生産され
るハイブリドーマHPC−4より分泌される。
モノクローナル抗体の製造 完全フロインドアジュバント中の50−100μsの精製
ヒトプロテインC(HUPC)をBALB/cマウスに腹腔内注射
した。マウスは、3週間後に不完全フロインドアジュバ
ントにエマルジョン化したHuPCで、そして6週間後にTB
S(0.1M NaCl 0.02M Tris塩酸,pH7.5)中のHuPCで再免
疫化した。4日後、35%ポリエチレングリコール1450を
使用する、以下の文献に記載される標準的な方法により
脾臓細胞とマウスミエローマ細胞系P3X63AG8−653と融
合した。
Laurell,M.,K.Ikeda,S.Lindgaren,J.Stenflo FEBS Le
tters191巻、75−81頁、1985年; Wakabayashi,K.,Y.Sakata,N.Aoki,J.Biol.Chem.261
巻、11097−11105頁、1986年; Borrebaeck,C.A.K.,M.E.Etzer,J.Biol.Chem.,256巻、
4723−4725頁、1981年; Kohler,G.,C.Milstein,Nature256巻、495−497頁 197
5年。
細胞をHAT培地で培養しハイブリドーマを選別した。
4週間後に、5mMのCa2+存在下および不存在下で固相酵
素結合免疫吸着分析法による融合細胞の抗体生産性を選
別した。
分析のため、培養上澄を5mM CaCl2または5mM EDTAを
含む緩衝液中に1:4の比率で希釈した。全ての試薬(抗
原、洗浄用緩衝液、検出用抗体)中には適当な濃度のカ
ルシウムまたはEDTAが含まれる。
プロテインCとの反応性を基準に決められる、目的と
する陽性クローンを、ネズミ腹膜洗浄供給細胞について
の限界希釈により少なくとも2回、再クローン化した。
最初に腹水分泌を誘導するため、BALB/cマウスにプリ
スタンを投与し、14日後、免疫順応させるため10mg/ml
のシクロホスファミド0.1mlを腹腔内注射した。74時間
後に、3−6×106個の細胞を腹腔内注射し、7−10日
後に、腹水を採取しHPC−4モノクローナル抗体を腹水
から精製した。抗体は通常、腹水1ml当り8−15mg含ま
れている。抗体は以下の3つの異なった方法で精製され
た。(1)(NH4)2SO4分画を行ない、次いでQAEセファ
デクスクロマトグラフィーにかける;(2)ヒトプロテ
インC Affi−Gel 15によるアフィニティークロマトグラ
フィーを行う;または、(3)HPC−4により認識され
るペプチドEDQVDPRLIGK(GLU−Asp−Gln−Va1−Asp−Pr
o−Arg−Leu−lle−Asp−Gly−Lys)上でのアフィニテ
ィークロマトグラフィーにかける。
あるいは、選別されたハイブリドーマは実験室用培養
容器中、インビトロにて増殖され、選ばれた抗原に対す
るモノクローナル抗体がデカンテーションによって採取
され、そして、腹水の場合と同様に精製することができ
る。ハイブリドーマ組織培養物上澄から、HPC−4を単
離するために、エピトープアフィニティー樹脂を使用す
ることもできる。原料は直接カラムにかけられる。対数
増殖中の培養物中の抗体濃度は25μg/mlである。
モノクローナル抗体HPC−4は腹水から次のようにし
て精製された。つまり、まず、腹水をNH4SO4分画(腹水
を水で1:1に希釈し、同容量の飽和NH4SO4を加えて沈澱
させる)後、QAE−セファデックスQ−50によるクロマ
トグラフィーを行い(硫酸アンモニウムによる沈澱を遠
心分離で集め、0.027M Tris燐酸、pH6.3中に透析脱塩
し、その後、腹水1ml当り樹脂1mlの割合のカラムを0.02
7M Tris燐酸pH6.3で平衡化し、0から0.4MのNaCl直線勾
配でカラム容積の約5倍量を流し約8時間かけて展開し
た)。続いて、溶離液に50%NH4SO4を加えて抗体を沈澱
させ、セファデクスG200カラムクロマトグラフィー(0.
1MNacl,ImM MOPS,pH7.5)を行うことにより、モノクロ
ーナル抗体精製HPC−4を得た。
本抗体はHuPC−Affi−Gelまたはペプチド−Affi−gel
アフィニティークロマトグラフィーによって精製するこ
ともできる。HPC−4によって認識されるエピトープは
プロテインC重鎖の活性領域にある12個のペプチド配列
EDQVDPRLIDGKまたは免疫学的に類似の配列である。Affi
−Gel 15に結合したペプチドの最終濃度は約1.0mg/mlと
なる。製造者(Bio−Rad社、カリフォルニア州リッチモ
ンド市)の記載によれば、エピトープ・ペプチドの結合
は0.1M NaCl、0.1M MOPS、pH7.5、4℃で行われる。Aff
i−Gelは有機溶剤を除くため使用直前に氷冷水で洗浄さ
れる。エピトープ・ペプチドは0.1M NaCl、0.1M MOPS、
pH7.5で1−2mg/mlの濃度に調製され、必要量のAffi−G
el 15と混合しペプチドとゲルとの最終比率を1mg/mlと
する。ペプチドとゲルを緩やかに終夜振とう混合し(12
−18時間)、ペプチドをゲルに結合させる。結合反応が
完了した後、樹脂をガラスカラムにそそぎ込み、0.1M N
aCl、0.01M MOPS、pH7.5で洗浄する。100mlの樹脂は少
なくとも1.5gのHPC−4を結合する能力がある。
ヒトプロテインCも同様な方法でAffi−Gelに結合さ
せることができる。1ml当り3−5mgのタンパク質を含む
上記緩衝液を必要量のAffi−Gel 15と混合し、ヒトプロ
テインCとゲルの最終比率を3−5mgタンパク質/mlゲル
とする。
脱塩した腹水由来の硫酸アンモニウム分画をエピトー
プ・アフィニティーカラムに負荷し、少なくとも4倍量
の0.4M NaCl、0.02M Tris塩酸、ImM CaCl2、pH7.5でカ
ラムを洗浄した。次にHPC−4を以下のいずれかの方法
でカラムから溶出した: (1)2M NaCl,0.02M Tris塩酸塩,2mM EDTA; (2)2M NaCl,1.5Mグアニジン塩酸塩,0.02M Tris塩酸,
2mM EDTA。
後者の方法の利点は、タンパク質がより鋭いピークと
なり、200mlの腹水を100mlの樹脂カラムにかけた場合、
25mg/mlを越える高濃度で溶出されることである。この
様な条件で溶出した後、抗体は95%を越えるエピトープ
結合能力を保持している。ついで、次の利用のためHPC
−4を適当な緩衝液中に透析もしくは脱塩する。SDSゲ
ル電気泳動の結果、HPC−4中には不純物は認められな
かった。カラムが過負荷の場合、素通りした原料を再び
カラムに戻すことでさらにHPC−4を回収することがで
きる。
HPC−4抗体は少なくと2.6Mのグアニジンまたは2Mチ
オシアン酸カリウム中、22℃で少なくとも2時間は安定
であり、この様な条件で処理した後、95%を越えるエピ
トープ結合能力を保持している。ペプチド・アフィニテ
ィーカラムから溶出後、上記試薬のいづれかで処理する
ことは、出発原料としての抗体を含有する溶液中に存在
するウイルスを確実に不活性化し、プロテインC最終生
産物は、それを調製するために使用した抗体に由来する
ウイルスで汚染されない。
本発明のモノクローナル抗体を分泌するハイブリドー
マ細胞系はHPC−4と名付けられ、1988年11月2日付け
でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(Am
erican Type Culture Collection,Rockville,MD)に寄
託され、受託番号ATCC No.HB9892を得ている。この寄託
物は本願が特許となると一般に入手可能となる。しか
し、寄託物が入手可能となるということは、政府により
認められている特許権を侵害して、本発明を業として実
施することを認可するものではないことを理解しなけれ
ばならない。
プロテインCモノクローナル抗体の樹脂への結合 抗体の結合は、生産者(カリフォルニア州リッチモン
ド市Bio−Rad社)に記載されているように、0.1M NaCl,
0.1M MOPS,pH7.5,4℃で行われる。Affi−Gelは有機溶剤
を除くため、使用直前に氷冷水で洗浄される。Hpc−4
は0.1M NaCl,0.1M MOPS中(pH7.5)、3−5mg/mlの濃度
で調製され、必要量のAffi−Gel10と混合し、HPC−4の
ゲルに対する最終比率を5mgl/mlとする。抗体とゲルと
を終夜(12−18時間)穏和に振とう混合し、結合反応を
行わせる。通常、90%を越える割合での抗体が固定化さ
れる。結合反応が終了後、樹脂をガラスカラムにそそぎ
込み0.1M NaCl,0.01M MOPS(pH7.5)で洗浄する。この
条件下で樹脂は少なくとも1年間は安定である。
モノクローナル抗体の特徴 HPC−4抗体の性質に関する詳細な解析はStearnsらに
よる「Ca2+依存性モノクローナル抗体とプロテインC活
性ペプチド領域との相互作用(The Interaction of a C
a2+−Dependent Monoclonal Antibody with the Protei
n C Activation Peptide Region;J.Biol.Chem.,263巻,8
26−832頁,1988年)」に述べられている。上記の様に調
製されたHPC−4モノクローナル抗体はプロテインC重
鎖の活性領域にあるペプチド配列及びCa2+に特異的であ
る。この抗体はペプチド結合部位に加えて少なくとも一
つの金属イオン結合部位を持っているように思われる。
ペプチド結合活性は金属イオン結合部位での結合に敏感
であり、あるいはそれに依存している。金属イオン結合
部位はカルシウムの様な2価金属カチオンか、Tb3+の様
によく似たイオン半径と、配位する性質と、を有する金
属と結合することができる。
カルシウムが金属イオン結合部位に結合すると、モノ
クローナル抗体はペプチドとの結合について、有意によ
り敏感になる。金属イオンがモノクローナル抗体の金属
結合部位に結合していないときには、抗原結合部位は相
対的に抗原結合に対し鈍感になる。従って、抗原−抗体
結合が抗体を取りまく媒体中の金属イオン濃度を調節す
ることにより制御され得る。この様なモノクローナル抗
体の性質は、以下に述べるよういくつかの利点がある。
HPC−4のプロテインCへの結合は、HPC−4およびプ
ロテインC双方のカルシウムイオン結合部位でのカルシ
ウムイオンの存在により制御される。ヒトHPC−4(HuP
C)のどの部分にHPC−4結合部位があるかを決めるため
に、Esmonらの方法(J.Biol.Chem.258巻,554−556頁,19
83年)によりHuPCを還元し、カルボキシメチル化し(RC
M)RCM−重鎖とRCM−軽鎖を調製した。この両者を0.1M
NaCl,0.02M Tris塩酸,2mM CaCl2(pH7.5)に対して透析
し、同じ緩衝液で平衡化したHPC−4−Affi−Gel10カラ
ム(1.5×18cm,0.2ml/min.,2mlずつ分画)にかけた。結
合したタンパク質は、2mM CaCl2の代わりに2mM EDTAを
使用した以外は同一の緩衝液で溶離した。タンパク質を
含む画分を10%ドデシル硫酸ナトリウムを含むポリアク
リロニトリルゲル電気泳動で分析した。
その結果、カルシウムを結合してC−タンパク鎖であ
るプロテインC軽鎖はカラムに保持されず、それ自体で
はカルシウムを結合できない重鎖は保持され、EDTAを含
む緩衝液で溶出することが証明された。
活性ペプチド領域の役割をHPC−4 Affi−Gel 10カラ
ムによるアフィニティークロマトグラフィーで調べた。
0.1M NaCl,2mM CaCl2,0.1M MOPS(pH7.5)溶液中のHuPC
およびRCM重鎖を0.2吸光度単位/mlに希釈し、1mlのサン
プルを同じ緩衝液で平衡化したHPC−4−Affi−Gel 10
カラム(0.5cm×6cm)にかけた。結合したタンパク質は
0.1M NaCl,2mM EDTA,0.1M MOPS(pH7.5)で0.7ml画分づ
つ溶出させた。溶出したHuPCまたはRCM重鎖の画分23−2
5をプールし、活性ペプチドをトロンビン分解(10%,w/
w,4時間,37℃)で遊離させた。反応を停止するため過剰
のアンチトロンピンIIIを加え、再度カルシウムを添加
し5mM CaCl2濃度とした後、同じカラムで処理した。各
クロマトグラムでのA280吸光物質の回収率に基づくタン
パク質の回収率は98%を上回った。
これらの結果は、プロテインCのHPC−4結合部位は
活性部位上またはその近傍にあること、HuPCは抗体カラ
ムにCa2+に依存して結合すること、およびAPCへ活性化
された後、HuPCはもはやHPC−4には結合しないことを
示している。RCM重鎖もまたCa2+の存在下にHPC−4カラ
ムに結合し、EDTAで溶出される。溶出液をトロンピンで
処理し活性ペプチドを遊離させ、HPC−4カラムで再処
理した場合、RCM−重鎖はもはやHPC−4カラムに結合し
ない。
HPC−4抗原結合のCa2+依存性を調べるため、125I標
識抗体、即ちRCM重鎖、HuPCおよびガンマカルボキシグ
ルタミン酸ドメインの無いHuPC(HuGDPC)をイムノビー
ズ(Bio−rad社製)に固定化したHPC−4とインキュベ
ートした。イムノビーズに結合したHPC−4をTBS0.1%
ゼラチン,1mM EDTA(pH7.5)中、4℃で1夜インキュベ
ートし、TBS0.1%ゼラチン(pH7.5)で充分に洗浄した
(Chelex処理)。放射能標識したタンパク質を、100μ
1のHPC−4結合ベッドにCa2+濃度を増加させたTBS0.1
%ゼラチン(pH7.5)と共に加えた。全容量を200μlと
した。溶液を攪はんしながら25℃で2時間インキュベー
トし、適切な量のCa2+を含むゼラチン緩衝液で洗浄後、
ベッドをNE1600ガンマ線計数器(Nuclear Enterprises
社製)で計測した。対照試料としてCa2+を加えないも
の、および1ml EDTAを加えないものを用いた。抗原の最
終濃度は0.04から0.1μMの範囲であり、抗体結合部位
が過剰であることを確認するに充分な低濃度である。1m
M EDTA存在下に測定した1分当たりのベースラインカウ
ント数(加えた総カウント数の5−15%)を、1分当り
の結合した総カウント数から差し引いた。
125I標識RMC重鎖の最大結合量が加えた総量の80−90
%であり、125I標識HuPCまたはHUGDPCの60−70%であっ
た。HPC−4への最大結合量の1/2量に相当するCa2+濃度
はRMC重鎖の場合約36(±5)μMであり、HuGDPCの場
合110(±29)μM,HuPCの場合205(±23)μMであっ
た。
HPC−4(50μM)またはRCM重鎖(35μM)について
45Ca2+との平衡透析実験を行った結果、両者のタンパク
質いずれもCa2+と高い親和性をもつ結合部位は検知され
なかった。しかしながら、両者を一緒に透析した場合
(30μM RCM重鎖,15μM HPC−4)、RCM重鎖とHPC−4
が複合体で2:1の化学量比をとると仮定すると、2mM Ca
2+濃度で複合体1モル当り2モルと3モルとの間のCa2+
が結合することを示す結果が得られた。
抗体結合には活性ペプチド領域が要求されるので、こ
の領域をカバーするため3種類の重なり合う合成ペプチ
ドを調製した。
ここでDはアスパラギン酸、Tはトレオニン、Eはグ
ルミン酸、Qはグルタミン、Vはバリン、Pはプロリ
ン、Rはアルギニン、Lはロイシン、Iはイソロイシ
ン、Gはグリンシン、Kはリジン、Mはメチオニン、S
はセリン、Wはトリプトファンである。矢印はトロンビ
ンによる開裂部位を示す。
合成ペプチドは、アプライド・バイオシステム社製40
3Aペプチド合成装置を用いた固相合成法により、Dr.Ken
neth Jackson(University of Oklahoma Health Scienc
e Center,Oklahoma CityにあるSt.Francis Hospital,Tu
lsa Medical Research Institute)によるt−ブトキシ
カルボニルの化学を用いて調製された。ペプチドは無水
ふっ化水素処理により切断された。逆相高圧液体クロマ
トグラフィーにより評価されたペプチドの純度は90%を
上回った。ペプチドの分子量は、個々の無水マミノ酸の
分子量の総和にペプチド結合生成の補正を行って見積っ
た。ペプチド濃度は、1mMのペプチドの純水溶液の220nm
吸光度を基準に見積った。
3種のペプチドについて、マイクロタイター・プレー
トの小孔内に塗布された固相HuPCに対する125I標識HPC
−4結合に対する効果を調べた。P(1−12)はHPC−
4のHuPCに対する結合を阻害せず、P(15−27)はHPC
−4の結合を30%しか阻害しなかったが、P(6−17)
はHPC−4のHuPCに対する結合を阻害し、最大値の1/2の
阻害が約0.5μMペプチド濃度で生じた。HPC−4と3種
の合成ペプチドとの相互作用は、Velickら(Proc.Nat.A
cad.Sci.USA,46巻,1470−1482頁,1960年)およびStewar
dら(Antibody Affinity:Thermodynamic Aspects and B
ioligical Significance,76−77頁,1983年)の方法によ
り、Ca2+の存在する場合およびしない場合についてタン
パク質の固有蛍光をモニターして調べた。
固有蛍光の測定に際して、2μMのP(6−17)が存
在する場合および存在しない場合について、TBS(pH7.
5)中1μMのHPC−4(Chelex処理を行ったもの)を同
じ緩衝液で希釈したCaCl2またはMgCl2で滴定した。合成
ペプチドP(1−12),P(6−17)またはP(15−27)
で滴定されたHPC−4の1mM EDTAまたは1mM CaCl2を含有
する溶液中の最終濃度は、ペプチドを添加する前は5μ
Mであった。蛍光強度(305−400nm)は滴定液添加の5
分後に測定された。すべての実験条件で、滴定液添加に
よる試料の希釈は、観測される4%未満の信号変化に寄
与した。
結合するペプチドは芳香族アミノ酸を含まないため、
観測される固有蛍光の変化はペプチドの結合に起因する
抗体の変化に直接関連する。HPC−4の固有蛍光は1mM C
a2+の存在下、P(6−17)で滴定すると増加し、ペプ
チドと抗体との比率が予想される2:1の値に達したとき
最大となった。1mM EDTA中でも蛍光は増加したが、この
場合はより高いペプチド濃度を必要とした。合成ペプチ
ドP(1−12)とP(15−17)の場合はCa2+の存在下で
HPC−4の蛍光は有意に変化しなかった。
HPC−4−P(5−17)結合のCa2+依存性について
も、蛍光法で検討した。P(6−17)の存在下HPC−4
の固有蛍光はCa2+滴定で増加し、6.5±1.2μM Ca2+濃度
で最大値変化の1/2を示した。2μM P(6−17)が存在
する場合、あるいは、しない場合について、1μM HPC
−4を金属イオンで滴定した。さきに述べた様に、トリ
プトファンの発光の変化をモニターした。Mg2+はペプチ
ドが存在する場合、あるいは、しない場合の何れの場合
もHPC−4の内因性蛍光になんらの効果もなかった。ペ
プチドの不在下で抗体をCa2+で滴定した場合、内因性蛍
光の消光はわずか5%であり、Ca2+と抗体との親和性の
相互作用が低い可能性を示している。
Ca2+結合部位を研究するためTb3+を使用したが、その
理由はタンパク質のトリプトファンまたはチロシン残基
に充分近い部位にTb3+が結合すると、1重項−1重項遷
移が有効におこなわれ、Tb3+の蛍光発光が非常に増大す
るためである。P(6−17)は蛍光を増強するためのド
ナーとなる芳香族アミノ酸を含まないのに対し、HPC−
4には含まれる。0.1M MES,0.1%ゼラチン,0.02%NaN3
(pH6.0)中、1μM HPC−4を4μM P(6−17)の存
在下、および不存在下にTb3+で滴定した。SB 300UVバン
ドパスフィルター(Orier社製)を励起光路に使用し、H
PC−4トリプトファンを285nmで励起した。Tb3+イオン
の発光強度を2nm毎に記録し、538から552nmまで積算し
た。散乱光からの寄与は、570から580nmで記録される励
起波長の高調波として測定された。Tb3+の各濃度毎に、
試料測定と平行して滴定した溶媒の発光強度ブランク値
を、タンパク質溶液の値から差し引き、タンパク質依存
のTb3+の蛍光のみを求めた。
HPC−4のTb3+による滴定の結果、Tb3+の蛍光が増加
し、遊離Tb3+濃度が34±11μMで最高値の1/2となっ
た。P(6−17)の存在下でも、Tb3+によるHPC−4の
滴定によりTb3+の蛍光は増加したが、最高値1/2濃度は
遊離Tb3+濃度で2±0.9μMに減少した。ペプチドを同
じ条件で滴定した対照実験ではTb3+の蛍光には何等の増
大は認められず、ペプチドのみでは蛍光の変化は生じな
いことを示している。ペプチド−HPC−4複合体によりT
b3+の親和性が17倍増加することは、HPC−4の低親和性
金属結合部位が高親和性に変化することを示している。
これらの結果はCa2+の抗体−ペプチド複合体に対する結
合に関して、Hummel−Dreyerのゲル濾過手法により認識
された(Biochem.Biophys.Act.,63巻,530−532頁,1962
年)。P(6−17),HPC−4およびその混合物をカラム
にかけ、それらのCa2+に対する結合能を測定した。P
(6−17)はCa2+と結合しなかったが、HPC−4と3.5倍
モル過剰のP(6−17)を使用した場合、HPC−4 1モル
当りCa2+1.76モルのCa2+結合量の増加が認められた。Mg
2+はHPC−4/P(6−17)複合体によるCa2+結合に対し何
等の効果も示さなかった(0.01mMあるいは0.02mM Ca2+
でHPC−4 1モル当りCa2+がそれぞれ1.41および1.52モ
ル)。
本発明には、第1図に示される重鎖の残基6から17ま
でのアミノ酸配列部分;グルタミン酸−アスパラギン酸
−グルタミン−バリン−アスパラギン酸−プロリン−ア
ルギニン−ロイシン−イソロイシン−アスパラギン酸−
グリシン−リジンを少なくとも包含する、抗体HPC−4
に結合するプロテインCの活性断片(エピトープ)が含
まれる。
上記したように、このペプチドはアフィニティークロ
マトグラフィーによるHPC−4の単離と精製に利用され
得る。同様に、このペプチドは抗体がクロマトグラフィ
ーの基質に結合する過程で、結合部位を一時的に保護す
るため、および最大量の結合した抗体が単離すべきタン
パク質に結合するために利用可能であることを保証する
ために使われ得る。HPC−4による認識には必要でな
く、クロマトグラフィーの基質と反応できるペプチドの
反応活性グループ(アミノ末端、リジン側鎖)は、最初
に当業者に公知の標準的な方法を用いて無水酢酸とペプ
チドとの反応でブロックされる。HPC−4が樹脂と結合
した後、抗体の抗原結合部位に結合したペプチドは、1.
5Mグアニジン塩酸塩、2mM EDTA,0.02M Tris塩酸(pH7.
5)で洗浄して除かれる。
抗体とペプチドは、プロテインCおよび抗体の精製・
単離に使用する目的で、それぞれアガロース、アクリル
アミドおよびその他の一般的なクロマトグラフィー用樹
脂、フィルター等を含む様々な基質に結合することがで
きる。この様な材料は、タンパク質を基質に結合する方
法と同様、当業者に公知のものである。材料の選択は、
多くは精製の規模や分析すべき試料によるが、最終製品
が医薬品用途の場合は材料の生物適合性および政府機関
の認可にもよる。同様に、診断に使用する場合の抗体を
標識する方法と手段も、当業者に公知であり、放射性分
子、蛍光分子、燐光分子、あるいは酵素分子等で標識す
ることが包含される。
金属依存性抗原結合部位を持つ固定化抗体を用いる抗原
の回収 本発明のモノクローナル抗体は、抗原結合部位と、少
なくとも一つの金属結合部位を持つことが示されてい
る。抗原が高い親和性で結合するためには、イオン結合
部位が占有されることが要求される。クローニングとcD
NA配列から、抗体の金属イオン結合領域のアミノ酸配
列、あるいは可変領域の遺伝子が決められる。このcDNA
セグメントは、他のタンパク質、特にいろいろな抗体を
コードする遺伝子に挿入され得、それから造られるタン
パク質に金属結合能を与える。これらのキメラ抗体は、
それ自体では金属に依存する構造変化を受けない他の分
子を単離するのに使用され得る。このことは、穏和な溶
離条件を有するモノクローナル抗体を見いだすことはし
ばしばきわめて難しく、対象とするタンパク質を機能の
ある形態で溶離することができないので、タンパク質精
製に大きな利点をもたらす。その結果、タンパク質精製
におけるモノクローナル抗体の潜在能力は充分に実現さ
れていない。抗原そのものが金属に依存する構造変化を
受けるという要求よりはむしろ、抗体の金属結合能によ
り、金属に依存して抗原と結合する抗体は、きわめて穏
和な条件でのアフィニティークロマトグラフィーに利用
され、抗原はキレート剤または金属を含む溶液で溶離さ
れる。
HPC−4の金属結合領域は、タンパク質限定分解法に
より抗体の小断片をつくることにより決められる。金属
イオン結合能のある断片は、Tb3+の蛍光を増大させる能
力によって同定することができるが、その理由はこのイ
オンが、この結合を検出するための抗原が存在しなくて
も、抗体との間に充分な親和性を持つからである、抗体
のFab、Fab′、Fe断片は、ペプシンやパパイン消化を用
いる標準手法で、当業者によって調製することができ
る。より小さな断片は、抗体の適当な部分からCNBr分解
法あるいは以下の文献に記載されているような他のタン
パク分解酵素を用いた消化法によって、イオン結合能を
有する最小断片まで分解することにより得られる。すな
わち、Kurosawa,S.,ら、J.Biol.Chem.,263巻,5993−599
6頁,1988年;Ohlin,A−KとJ.Stenflo,J.Biol.Chem.,263
巻,7411−4717頁,1988年;Stearns,D.J.,ら,J.Biol.Che
m.,「マイクロトロンボモジュリン;トロンボモジュリ
ンの表皮細胞成長因子前駆体相同領域から得られた残基
310−486はプロテインC活性化を促進する。(Microthr
ombomodulin;Residues 310−486 from the epidermal g
rowth factor precursor−homology domain of thrombo
modulinwill accelerate protein C activation)」,
出版準備中、1989年である。HPC−4 cDNAはクローン化
され、当業者に公知の方法で配列決定される。cDNAはハ
イブリード細胞系HPC−4(ATCC No.9892)および確立
されたラムダgt11発現ライブラリー(T.V.Huyrh,ら、
「DNAクローニング:実際的手法(DNA cloning:a pract
ical approach)」第1巻、D.M.Clover編、IRL Press
社、Oxford、1985年、49−78頁)から調製され得る。ラ
イブラリーはアフィニティー精製されたヤギ抗HPC−4
抗体を用いてスクリーニングされ得る。ついで適当なク
ローンを増殖させ、cDNAを切断し標準的なDNA配列決定
のためM13に挿入する(M13クローニングと配列決定ハン
ドブック(M13 cloning and sequencing handbook),Am
ersham社;Messing,J.、「クローニングのための新しいM
13ベクター(New M13 vectors for cloning)」Method
in Enzymology-Recombinant DNA Techniques,101巻,par
t C:20−78頁,1983年)。
さらに、抗HPC−4と陽性の反応性を示すクローンに
よって発現した断片も精製され、Tb3+結合能が試験さ
れ、それによりHPC−4分子中の関連のある領域を見つ
ける他の方法を可能にする。ひとたびHPC−4抗体遺伝
子の適切なイオン結合断片に対応するDNA断片の位置が
決められると、EcoR1の様な適当な制限酵素によってこ
の断片を切り出すことができる。キメラ遺伝子を構築す
る方法は、例えば以下の文献に開示されている。Kobilk
a,B.K.ら、「キメラα2−,β2−アドレナリンレセプタ
ー:エフェクター結合及びリガンド結合特異性に含まれ
るドメインのデリニエーション(Chimeric α2−,β2
−Adrenergic Receptors:Delineation of Domains lnvo
lved in Effector Coupling and Ligand Binding Speci
ficity)」Science,240巻,1310−1316頁,1988年;Verhoe
yen,M.,C.Milstein,G.Winter,「ヒト抗体の改造、抗リ
ゾチーム活性グラフティング(Reshaping Human Antibo
dies:Grafting an Antilysozyme Activity)」Science,
239巻,1534−1536頁,1988年;Riechmann,L.,M.Clark,H.W
aldmann,G,Winter,「治療のためのヒト抗体の改造(Res
haping humanantibodies for therapy)」Nature,332
巻,323−327頁,1988年。対象とするモノクローナル抗体
に対する遺伝子を含む標的DNAは、cDNA断片を挿入する
スペースが得られるよう、起源DNAと同様に制限酵素で
処理される。相補的末端を持つリンカーが挿入部(例え
ばSall)に連結されて“連結”が行われる。キメラcDNA
は、Summera,M.D.とG.E.Smith,「バキュロウイルスベク
ター法マニュアルと昆虫細胞培養法(A manual of meth
ods for Baculovirus vectors and insect cellculture
procedures)」(テキサス農業実験ステーション(Tex
as Agricultural Experimental Station)(1987)に記
載している手順等により、バキュロウイルス(Baculovi
rus)等の適当な発現ベクターにクローン化される。組
み替え遺伝子の発現はこれに記載された方法で行われ得
る。目的の生産物のスクリーニングはELISA法で行わ
れ、遊離したタンパク質は、標的免疫グロブリンが金属
に依存して特異的である抗原を認識する能力によって試
験される。抗原の認識に金属イオンの存在が要求される
か否かは、特定の抗原−抗体ペアに依存することが多
い。
HPC−4の金属結合部位がアミノ酸の単一鎖に存在せ
ず、例えば免疫グロブリンの重鎖と軽鎖とがこの部位に
寄与している場合、Verhoeyen,M.,ら、Science,1988
年;(Riechmann,L.,ら、Nature,1988年に述べられてい
る様、上記の手順をそれらの断片に対して繰り返すこと
が必要になる。本発明は上記に開示された手順におい
て、特定のスクレアーゼ、ベクターあるいはその発現シ
ステムの使用になんら制限されず、HPC−4由来の適当
なペプチド配列の挿入により、金属に依存して対象とす
る抗原を結合できる機能性抗体の生産に最終的に至る、
上記手法のあらゆる組み合せが包含されることは、当業
者に認められるであろう。
HPC−4抗体の治療への利用 哺乳類における凝固・抗凝固システムは、血液を好適
な流動状態に保つための精巧なチェック・アンド・バラ
ンスシステムである。このシステムのどのひとつの要素
が変わっても、哺乳類の止血作用を保つ能力に重大な影
響を与える。
プロテインCシステムは、血液凝固を阻害し、血栓溶
解を刺激する抗凝固制御システムである。このシステム
は、凝固過程でフィブリノーゲンをフィブリンに変換す
る酵素であるトロンビンによって活性化される。遊離も
しくは過剰のトロンビンは、内皮細胞上のタンパク質で
あるトロンボモジュリンと結合する。トロンビン−トロ
ンボモジュリン複合体はトロンビンの血塊形成を触媒す
る能力を減少させ、トロンビンを有効なプロテインC活
性化因子に変える。一方、活性化プロテインCはプロテ
インSおよび細胞膜表面と共同して、限定タンパク質分
解により第Va因子および第VIIIa因子を不活性化する。
不活性化された第Va因子は酵素Xa因子または基質である
プロトロンビンと有効に相互作用する能力を失う。
プロテインC、トロンボモジュリン、プロテインSに
対する抗体、あるいはプロテインSに結合してそれを補
助因子としては失活させるC4b結合タンパク質を、適当
な形態で添加することにより、血塊形成を促進すること
が望ましい個体に対して血塊形成を促進するために使用
することができる。FVIII阻害因子をもつ患者がこのグ
ループの代表である。第Va因子の不活性化を阻止するこ
とにより、第VIII因子が相対的に欠損していても凝固は
進行する。
これらのプロテインC抗凝固システムの阻害剤を投与
する効果は、その経路をブロックするために使われた試
薬によるが、過剰の活性化プロテインCまたはプロテイ
ンSを投与することによって逆転し得る。その適量が血
液中に存在するタンパク質の相対的なモル量に関する計
算に基づく。
過剰凝固性状態をつくりだす、このアプローチの実現
性がHPC−4をヒヒに投与することによって実証された
(Taylorら,J.Clin.Invest.,79巻,918−925頁,1987
年)。HPC−4が存在する場合、動物は低レベルのバク
テリア抽出物に対し、全フィブリノーゲンの消費に特徴
づけられる塊状凝固応答を示した。抗体が無い場合は、
この応答を示さなかった。C4bBPのレベルが約1mg/ml血
しょうまで上昇した場合も、実質的に同じ結果が得られ
た。これらの応答は動物に有害であるが、いづれの方法
も凝固システムを促進することが示される。これは、正
常な止血作用が損なわれた状況下では、有用である。
この方法は例えば、ヘパリンまたは放射線治療で誘起
される血小板減少症、緊急事故の後の再出血を極小にす
る急性の肝臓疾患および出血性打撲などの凝固因子欠損
状態の処置に応用することができる。
HPC−4はまた、充実性腫瘍床に毛細血管血塊を誘起
するのに使用される。イヌの充実性腫瘍モデルで、腫瘍
の成長を大きく阻害することが見いだされた。プロテイ
ンCの抗凝固経路をブロックすることのできる、抗体お
よび/あるいは上記試薬と、腫瘍壊死因子または放射線
のような現在使用されている処置とを組み合わせること
により、充実性腫瘍のより有効な処理方法が導かれ得
る。
これらの試薬の投与に対して、薬学的に受け入れられ
るキャリアーとしては、生理pHの無菌生理食塩水が挙げ
られる。好ましい投与方法では、試薬は患者に注射さ
れ、最も好ましくは静脈注射される。好ましい投与量は
血しょう1ml当りHPC−4が約5〜約20μgであり、これ
は90%を上回る内因性プロテインCをブロックするに充
分な量である。
実施例1:血しょうからプロテインCの大量迅速単離 プロテインCの迅速単離法を以下に示されるフローダ
イアグラムに従って実施した。簡単に言えば、プロテイ
ンCおよびその他のビタミンK依存性タンパク質は、0.
02Tris塩酸(pH7.5),ヘパリン(1U/ml最終容量)およ
びベンズアミジン塩酸(最終容量で10mM)で1:1に希釈
したヒト血しょう30lからQAEセファデクスQ50(30gを0.
1M NaCl,0.02Tris塩酸,pH7.5で膨潤)に室温で1時間、
バッチ的に吸着させ、30〜60分間静置し、上澄をサイフ
ォン除去した。セファデクスを10×60cmカラムに充填
し、1の0.15M NaCl,0.02M Tris塩酸,10mMベンズアミ
ジン塩酸塩(pH7.5)で洗浄後、プロテインCを0.5M Na
Clを含む同じ緩衝液で溶離した。集められた溶液の容積
は約600mlに減少した。この容積にヘパリン10U/ml,Ca2+
10mM,DFP 1mMおよび約100mlのHPC−4Affi−Gel10を加え
た。この混合液を約1時間攪はん、静置後、2.5×20cm
のカラムに充填し、1の0.5M NaCl,0.02M Tris塩酸,5
mMのベンズアミジン塩酸塩,2mM CaCl2(pH7.5)で洗浄
し、次いで100mlの0.1M NaCl,0.02M Tris塩酸,2mM CaCl
2(pH7.5)で洗浄し、Ca2+の代わりに2mM EDTAを含む同
じ緩衝液で溶離した。
血清アミロイドP、すなわち、Ca2+の存在でセファデ
クスに結合するタンパク質による汚染は、QAEセファデ
クスQ50イオン交換クロマトグラフィーで除去された。
カラム(0.9×30cm)を0.02M Tris塩酸(pH7.5)中、0.
1から0.6M NaCl直線勾配で展開し、プロテインCをカラ
ムから最後のピークとして溶離した。精製物をSDSゲル
電気泳動、プロテインC抗体およびプロテインC活性分
析で確認した。この調製物から、単一鎖および2本鎖プ
ロテインCが、ヒト血しょう中にある場合とほぼ同じ比
率で得られた。
Konyne(Cutter Labs),Proplex(Hylans),FEIBA(I
MMUNO,Austrua)等の市販のビタミンK依存性血しょう
タンパク質濃縮物を血しょうの代わりに使用した場合、
濃縮物はプロテインCのHPC−4結合に対応できる緩衝
液に再構成され(例えば2mM CaCl2、ヘパリン等の抗凝
固剤5−10U/ml、アンチトロンビンIII(10−100μg/m
l)、ベンズアミヂンおよびDFP等のプロテアーゼ阻害剤
各1mMを含むpH6からpH7.5の緩衝液)、バッチまたはカ
ラムでHPC−4−Affi−Gel10樹脂に直接かけられる。洗
浄および溶離条件は、上記と同じである。プロテインC
をHPC−4樹脂から溶離後、QAEクロマトグラフィーは、
アフィニティー樹脂で処理される原料中に血清アミロイ
ドPが存在する場合のみ必要である。
遺伝子工学的にヒトプロテインCを生産する組織培養
細胞由来の上澄を血しょうまたはその濃縮物の代わりに
使用した場合、試料は2mM CaCl2およびプロテアーゼ阻
害剤を加えるか、濃縮して、先に詳しく述べたプロテイ
ンCのHPC−4結合に対応できる緩衝液に再分散した
後、HPC−4アフィニティー樹脂と直接混合される。上
澄液は、先に血しょうに関して述べた様に、50%NH4SO4
沈澱あるいはイオン交換により濃縮され得る。プロテイ
ンCの収率は通常、抗体1mgあたりプロテインC0.04mgで
ある。
実施例2:プロテインCの臨床分析へのHPC−4の応用 HPC−4は、ヒト血しょう中のプロテインCの分析に
使用できる。プロテインCは固定化HPC−4に定量的に
吸着され、かつ再現性よく溶出される。得られたプロテ
インCはその活性で分析される。このことは、再発性血
小板減少症の特定の患者のプロテインC欠損および異常
プロテインC分子を明瞭に示すのに有用である。プロテ
インC抗体を診断の目的に使用した例が以下の文献に記
載されている。D′Angelo,S.V.ら,J.Clin.Invest.,77
巻,416−425頁,1986年およびFainoi,E.ら,Blood,71巻,
940−946頁,1988年である。
さらに、臨床血しょうサンプル中のプロテインCに対
する抗体のレベルを決めるための酵素結合イムノアッセ
イ(ELISA)、放射線イムノアッセイ(RIA)等の、臨床
検査室での日常の免疫学的分析法を開発する目的で、抗
体はエンザイモビーズ(Enzymobeads、Bio−Rad社)を
使用する125I、ビオチン(Shattil,S,ら,Blood70巻,30
7−315頁,1987年)あるいは当業者に公知の適切な標識
等のトレーサーで標識される。
しかしながら、抗体を使用する方法に関する記載はす
でに公開されているが、本発明のモノクローナル抗体は
一般には提供されていないことは認識されるべきであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 9162−4B C12N 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 エスモン,ナオミ エル アメリカ合衆国 オクラホマ 73111 オクラホマ シティ,ノース ストーン ウォール 5800 (56)参考文献 The Journal of Bi ological Chemistr y,263[2]P.826−832

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロテインC重鎖の活性ペプチド領域にあ
    るエピトープおよびカルシウムに対して特異的なCa2+
    存性モノクローナル抗体であって、アメリカン・タイプ
    ・カルチャー・コレクション(American Type Culture
    Collection)に1988年11月2日付けで寄託され、ATCC N
    o.9892の受託番号を付与された、ハイブリドーマ細胞
    系、HPC−4により生産される、モノクローナル抗体。
  2. 【請求項2】放射性分子、化学発光分子、蛍光分子、燐
    光分子および酵素からなる群から選択される標識をさら
    に含む請求項1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】アメリカン・タイプ・カルチャー・コレク
    ション(American Type Culture Collection)に1988年
    11月2日付けで寄託され、ATCC No.9892の受託番号を付
    与された、ハイブリドーマ細胞系 HPC−4。
  4. 【請求項4】プロテインC前駆体を活性を有する状態で
    単離する方法であって、以下の工程: (a)プロテインC重鎖の活性ペプチド領域にあるエピ
    トープに対して特異的なCa2+依存性モノクローナル抗体
    であって、モノクローナル抗体HPC−4の可変領域を有
    する抗体を提供する工程; (b)該前駆体およびカルシウムを含有する溶液を提供
    する工程、ここで該前駆体がカルシウムと共に該Ca2+
    存性モノクローナル抗体に結合する; (c)該前駆体が該Ca2+依存性モノクローナル抗体に結
    合する条件下でインキュベートする工程;および (d)キレート剤により、該前駆体を溶出する工程; を、包含する方法。
  5. 【請求項5】前記Ca2+依存性モノクローナル抗体がHPC
    −4である、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】プロテインC重鎖の活性ペプチド領域にあ
    るエピトープに対して特異的なCa2+依存性モノクローナ
    ル抗体であって、モノクローナル抗体HPC−4の可変領
    域を有する抗体を単離する方法であって、以下の工程: (a)アミノ酸配列:グルタミン酸−アスパラギン酸−
    グルタミン−バリン−アスパラギン酸−プロリン−アル
    ギニン−ロイシン−イソロイシン−アスパラギン酸−グ
    リシン−リジンまたはHPC−4が結合し得る免疫学的に
    同等な配列を含む固定化ポリペプチドを提供する工程; (b)該Ca2+依存性モノクローナル抗体およびカルシウ
    ムを含有する溶液を提供する工程、ここで該Ca2+依存性
    モノクローナル抗体がカルシウムと共に該ポリペプチド
    に結合する; (c)該Ca2+依存性モノクローナル抗体が該ポリペプチ
    ドに結合する条件下でインキュベートする工程;および (d)キレート剤により、該Ca2+依存性モノクローナル
    抗体を溶出する工程; を、包含する方法。
  7. 【請求項7】前記Ca2+依存性モノクローナル抗体がHPC
    −4である、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】金属の結合に依存して構造変化を生じさせ
    る金属結合部位を有さないタンパク質を機能のある形態
    で単離する方法であって、以下の工程: (a)プロテインC重鎖の活性ペプチド領域にあるエピ
    トープに対して特異的なCa2+依存性モノクローナル抗体
    であって、モノクローナル抗体HPC−4の可変領域を有
    する抗体を提供する工程; (b)該タンパク質およびカルシウムを含有する溶液を
    提供する工程、ここで該タンパク質がカルシウムと共に
    該Ca2+依存性モノクローナル抗体に結合する; (c)該タンパク質が該Ca2+依存性モノクローナル抗体
    に結合する条件下でインキュベートする工程;および (d)キレート剤により、該タンパク質を溶出する工
    程; を、包含する方法。
  9. 【請求項9】前記Ca2+依存性モノクローナル抗体がHPC
    −4である、請求項8に記載の方法。
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