JP3735112B2 - 凝血性蛋白質に特異的な抗体、未変性蛋白質を単離するためのそれらの利用、その蛋白質の蛋白質分解性開裂産物を含まない凝血性組成物 - Google Patents

凝血性蛋白質に特異的な抗体、未変性蛋白質を単離するためのそれらの利用、その蛋白質の蛋白質分解性開裂産物を含まない凝血性組成物 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、凝血性疾患の治療のための精製済み血液凝固因子を含む治療学的組成物の調製法に関する。該組成物は、未変性分子種と開裂を受けた分子種との間を識別する抗体、より具体的にはモノクローナル抗体を利用する親和性クロマトグラフィーにより取得される。このような抗体を取得するために複数の方法が開示され、このような抗体により、活性化種もしくは分解種に相当する開裂産物を含まない未変性ポリペプチドとしての、因子IX、因子VII、プロテインC、もしくはプロテインSを初めとするビタミンK−依存的血液凝固蛋白質の単離が可能になる。
発明の背景
血液凝固系の蛋白質の先天性もしくは後天性欠損症により凝血性疾患の発症の主要原因が与えられる。この系の内のたった一つの構成成分が欠損もしくは不足していても、出血もしくは血栓症という主要な臨床兆候をもたらすという様式で、凝血促進経路と抗凝血経路との間の微妙なバランスが十分妨げられる可能性がある。最も一般的な出血性疾患の内の一つは血友病Aであり、これは凝固因子VIIIの欠損もしくは機能不全に起因する。発症の頻度はより劣るものの同様に重篤な出血性疾患には、凝血性蛋白質である因子IX(血友病B)、因子VII、もしくは因子Xの欠損症がある。一方で、血栓症は、凝固経路の拮抗物質として作用するある系の主要構成成分であるプロテインCもしくはプロテインSの部分的(異型接合性もしくは後天性)欠損症の結果としてさえも発症することがある(凝血性疾患についての総説に関しては、A.L.BloomおよびD.P.Thomas(Eds.)、Haemostasis and Thrombosis、2nd edition,Churchill−Livingstone、Edinburgh、1987、pp393−436および452−464、を参照せよ)。補充療法はインビボでの凝血バランスを回復させるのに協力かつ有効な手段であると考えられている。例えば、因子IXを含む濃縮物は、因子IXの欠損症を患う患者の出血を抑制するのに用いる際には命綱的存在となるかなり貴重な血液産物であることがわかっている。
市販品として入手することが可能な因子IXの濃縮物(いわゆるプロトロンビン複合体濃縮物)は通常、他の血漿蛋白質から因子IXを分離するためのイオン交換樹脂を用いて調製する。しかしながら、この技術によっては密接に関連する他の多数の凝血性蛋白質をも含む因子IX調製物が得られる。これらの凝血性蛋白質には因子VII、因子X、因子II、プロテインC、およびプロテインSが含まれ、これらすべてのものはビタミンK−依存的蛋白質の部類に属する。用語「ビタミンK−依存的」は、これらの蛋白質がビタミンK−依存的過程における生合成中にカルボキシル化されるグルタミン酸残基を含むという事実を意味する。カルボキシル化はこれらの蛋白質に、Ca2+−依存的凝血過程内におけるこれらの蛋白質の生物学的活性に必須である独特なCa2+−結合部位を提供する。これらののものと他のものとの構造的類似性のために(B.FurieおよびB.C.Furie、Cell vol 53、1988、pp505−518、を参照せよ)、ビタミンK−依存的蛋白質は容易に共精製される。したがって大半の因子IX濃縮物も、因子VII、プロテインC、およびプロテインSのような他の凝血性蛋白質を含み、そして必然的に同一の濃縮物がこれらの蛋白質の欠損症の治療に一様に用いられてきた。しかしながら、プロテインCおよびプロテインSのような抗凝血性蛋白質を含む組成物での出血性疾患の治療は実際にははなはだ好ましくなく、主要な混入物質として因子IX、因子VII、もしくは他の凝血促進性構成成分を含む組成物での血栓塞栓症の治療にしても同様である。したがって、ある特別な凝血性蛋白質の欠損症を癒すための理想的な治療学的組成物は、未変性の立体配座をとるその単一構成成分のみからできており、他には溶媒を除く何物をも含まないが、時としては不活性担体を含むことがあるというものであるべきである。その結果、所望される純度を達成するのに必要な精製手法が次第に複雑になってきている。
高度でより複雑な精製法が導入されるにつれ、標的種の所望されない蛋白質分解という新規の問題に直面するようになった。限定的蛋白質分解は数々の生物学的な系の調節における主要メカニズムとなっている(H.NeurathおよびK.A.Walsh、Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol 73、1976、pp3825−3832、を参照せよ)。このような生物学的な系の典型的な例には、補体系、線維素溶解系、および血液凝固系がある。これらの性物学的カスケード系は、未変性で不活性な前駆体蛋白質の、一つもしくは複数の特異的ペプチド結合の蛋白質分解による活性酵素もしくは補因子への遂次変換を必要とする。一方で、これらの過程を局所的な制御の下で維持し、そして蛋白質分解による標的蛋白質の不活性化を誘導するためのフィードバック機構が存在する。したがって、凝固カスケードの構成成分は生物学的活性を持たない前駆体形態で血漿中に存在する。補充療法に関しては、もはや未変性の状態ではない凝固蛋白質の存在はやっかいなものであり、それは開裂種がインビボにおいて凝血についての天然の局所的制御を迂回することができるためである。天然の機構は生理学的条件下において効果的に蛋白質分解を制御しているものの、凝血性蛋白質がそれらの天然の源から単離される場合にはこれらの機構を維持することはもはや不可能となる。このようなプロテアーゼー感受性配列はこれらの蛋白質の三次構造内に露出されているため、これらは天然の制御機構を失っている非生理学的環境内においては蛋白質分解のための接触可能な標的をたやすく提供してしまう。したがって、精製中に部分的蛋白質分解を完全に回避することは事実上不可能である。攻撃を受けやすいこれらの蛋白質の無制御状態での蛋白質分解はヒト血漿もしくはその分画のような天然の源からの精製のみに限定されるばかりでなく、同一蛋白質を、インビトロにおいて形質転換させた細胞株から、あるいはインビボにおいて遺伝形質転換性動物の、牛乳を初めとする生物学的液体から組換えDNA技術により取得する場合には同一の出来事が生じる可能性がある。
治療用製品中の開裂種の存在は明らかに所望されないものであり、それは、活性化された蛋白質の存在が凝血系のトロンボゲン形成反応を引き起こすことがある一方で、活性化されてない蛋白質の存在は、修正すべき反応を競合的に阻害することができる至適条件以下の生物学的活性を有する産物を誘導してしまうためである。プロトロンビン複合体濃縮物は事実上全てのビタミンK−依存的凝固因子の活性種を含み、そしてこれは1970年代以降血栓塞栓合併症の発症の作因であることが立証されている(G.C.White et al.、Blood vol 49、1977、pp159−170;J.M.Lusher、Seminars in Hematology vol 28、suppl 6、1991、pp3−5)。論理的には、凝固系の開始段階に関与し、そしてそのことによりそのカスケード機構で最も増幅されるそれらの種は、特に生理学的凝血バランスを妨害する可能性が最も高いものとして考えるべきである。実際のところ、精製した活性化済み強固因子を利用するインビボでの研究により、活性化された因子IX(S.Gitel et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol 74、1977、pp3028−3032)、および活性化された因子VII(K.Mertens et al.、Thromb.Haemostasis vol 64、1990、pp138−144)が、極端に低い用量においてさえもトロンボゲンとなることが同定された。この研究はインビボでの阻害に対して比較的耐性である活性化形態についての特別な重要性を提議している可能性がある。活性化されたビタミンK−依存的凝固因子の大半のものは、血液の血漿中の多量なプロテアーゼ阻害剤によるほとんど即時的な阻害反応に供されている。しかしながら、因子IXaはゆっくりにのみ阻害される一方で、因子VIIaおよび活性化されたプロテインCは最高2時間までのインビボでの半減期を有する(K.Mertens et al.、Thromb.Haemostasis vol 64、1990、pp138−144;P.C.Comp、Hematology、McGraw−Hill、New York、NY、1990、pp1290−1303)。したがって患者にビタミンK−依存的凝血性蛋白質を注入する際には、痕跡量の活性化形態さえもが、生理学的制御を迂回するに十分な程長時間患者の循環系内に残存することがあることを明記しておくべきである。そのため、それらの蛋白質の中でもプロテインCならびに因子VIIおよびIXは、活性化されることを回避すべきもの、すなわちそれらの未変性チモーゲンについて選択された手法を利用して精製すべきものである。一方で、該蛋白質の不活性化をもたらす他の開裂が生じることがあり、これによりそれらの治療効果が低減される。例えば、因子IXは酵素であるトロンビンもしくはエラスターゼにより不活性化されることがあり、そしてその開裂産物はもはや因子IXa活性を有する形態へと変換される可能性を保てなくなる(A.Takaki et al.J.Clin.Invest. vol 72、1983、pp1706−1715;W.Kisiel et al.、Blood vol 66、1985、pp1302−1308)。それに類似して、抗凝血性のプロテインSはトロンビンにより容易に開裂を受けて、もはや抗凝血性活性を持たない産物になる(総説については、M.Hessing、Biochem.J. vol 277、1991、pp581−592、を参照せよ)。したがって、これらの因子の治療用濃縮物の副作用を低減させそして効力を改善するには、開裂を受けた未変性でない種の発生を回避することがかなり重要であることが明白である。
未変性のチモーゲン種とそれらの開裂誘導体との間の構造的な違いをより良く認識するための、これらの蛋白質の制限的蛋白質分解に関連する分子レベルでの出来事が現在ではより詳細に記載されている。制限的蛋白質分解が凝血系に関与する数々のビタミンK−依存的蛋白質において生じるので、表Iは、そのような蛋白質分解の標的配列の概要を表している。それらの配列には以下に示すものがある。
(a)ヒトの因子VII:未変性のチモーゲンは406のアミノ酸からなる一本鎖の糖蛋白質であり、これが残基152と153との間の単結合の開裂により因子VIIaへ変換する(表Iを参照せよ)。この標的配列は、トロンビン、ならびに因子IXa、XaおよびXIIaを初めとする数々の酵素による開裂が可能であり、これによりジスルフィド結合により互いに結び合わされる2本のポリペプチド鎖からなる活性種がもたらされる。この因子VIIaは、因子Xおよび因子IXを初めとする数々の標的物質を活性化することによりトロンボゲン形成反応の強力な引き金物質を提供する
Figure 0003735112
(b)ヒトの因子IX:未変性のチモーゲンは415のアミノ酸からなる一本鎖の糖蛋白質であり、これが2段階で因子XIaもしくは因子VIIaにより因子IXaへと変換する。第一段階は残基145と146との間の開裂を必要とし、これにより残基1−145からなる軽鎖と残基146−415からなる重鎖を含む二本鎖の不活性中間体(因子IXαと称される)の形成がもたらされる。第二段階においては、因子IXαの重鎖が残基180と181との間でさらに開裂し、35残基分(146−180)の活性化ペプチドおよび活性酵素(因子IXaβ)がもたらされると共に残基181−415の重鎖が残存する。後述の開裂は最終的な因子IXa活性を引き出すために必要である一方、前述の145−146結合の開裂は因子XIaもしくは因子VIIaによる因子IXの活性化における必須段階であるように思われる(R.W.Colman et al.(Eds)、Hemostasis and Thrombosis、J.B.Lippincott、Philadelphia、1987、pp29−38におけるU.HednerおよびE.W.Davie;M.J.Griffith et al.、J.Clin.Invest. vol 75、1985、pp4−10)。したがって、因子IXαは、180−181の位置における開裂およびそれに付随するトロンボゲンである因子IXa種の形成に関しては、未変性の因子IXであるチモーゲンと比較してもより攻撃を受けやすくなっている。この蛋白質分解活性に加え、トロンビンもしくはエラスターゼによる開裂の結果として不活性化が生じることもある。この蛋白質分解的不活性化は残基327と328との間、および残基338と339との間の開裂を必要とし、因子IXの凝血促進活性種へは最早や変換できない誘導体がもたらされる(表Iを参照せよ)。
(c)ヒトのプロテインC:未変性のチモーゲンは残基1−155の軽鎖および残基158−419の重鎖でできている419のアミノ酸からなる二本鎖糖蛋白質である。このチモーゲンは残基169と170との間の重鎖中の単一開裂により活性化される。活性化された種は協力な抗凝血性物質であり、この物質はプロテインSと称するビタミンK−依存的補因子の存在を必要とする様式で因子VaおよびVIIIaを不活性化する。
(d)ヒトのプロテインS:未変性種は635のアミノ酸からなる一本鎖の糖蛋白質である。この蛋白質のN−未端部分は残基49−50および70−71の間に2つのトロンビン感受性結合を含む。トロンビンによるプロテンSの開裂の後でも、N−末端断片は依然としてジスルフィド結合を介してこの分子に結合している。しかしながら、トロンビン−感受性領域内で開裂されていないプロテインSのみが活性化されたプロテインCについての補因子としての活性を示す。したがって、先天性もしくは後天性のプロテインS欠損症の有効な治療のための組成物中に、未変性でかつ未開裂のプロテインSを提供することが好ましい。
結論として、未変性蛋白質を含む源からの未開裂な未変性種の選択を可能にする調製方法、ならびに表Iにまとめてある、標的ペプチド結合での開裂による産生される蛋白質分解性誘導体についての特別な必要性が存在する。
Figure 0003735112
1(R.W.Colman et al..(Eds)、Hemostasis and Thrombosis、J.B.Lippincott、Philadelphia、1987、pp242−267、におけるE.W.Davie et al.、を参照せよ)
従来の技術の記載
モノクローナル抗体技術の発達は、血漿からの微量蛋白質をほぼ均一状態にまで精製することについての可能性を急進的に変化されてきた。モノクローナル抗体は、それらが個々の血漿蛋白質に対して完全な特異性を示すというような様式において調製および選択することができる。血漿蛋白質に特異的なモノクローナル抗体を不活性マトリックス上に固定化させる場合には、このマトリックスはその血漿蛋白質を含む混合物から特異的にその血漿蛋白質を吸収するであろう。そのマトリックスの洗浄後、その血漿蛋白質を、純粋もしくは実質的に純粋な形態においてかなり緩和な条件下で溶出させることができる。この研究法により免疫−親和性クロマトグラフィーによるヒト血漿からの純粋な因子IXの単離が可能となった[A.H.Goodall et al.、Protides of the Biological Fluids (Peeters、Ed.) vol 30;Pergamon Press、Oxford、1982、pp403−407;K.Mertens et al.、Thromb. Haemostasis vol 50;1983、p249;K.Mertens、Ph.D. dissertation(学位論文)、State University of Leiden(ライデン州立大学)、1985、pp83−98]。それに続いて、類似する方法の免疫−親和性クロマトグラフィーが他のビタミンK−依存的凝血性蛋白質の精製について実行可能となった。
幾つかの事例においては、抗体はCa2+−イオンの存在下においてはそれらの標的であるビタミンK−依存的蛋白質に特異的に結合できるという、より限定された特異性が達成されている。これらの条件下では、Ca2+−イオンと、ビタミンK−依存的蛋白質に特有なカルボキシル化されたグルタミン酸残基との相互作用により、その標的蛋白質は生物学的に活性な立体配座をとっている。精製法に適用する場合、このような抗体により、因子IX(H.A.Liebman et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol 82、1985、pp3879−3883;K.J.Smith、Blood vol 72、1988、pp1269−1277)、ならびにプロテインC(D.J.Stearns et al.、J.Biol.Chem. vol 263、1988、pp826−832)について記載されるように、Ca2+−結合剤であるEDTAによる緩和な条件下での標的蛋白質の溶出が可能となる。
しかしながら、それらの高い選択性にもかかわらず、これらの方法では未変性なものと、活性化されているもしくは分解されている凝固因子との間を識別することは不可能であり、そしてその結果、開裂産物は、所望される未変成で活性化されていない標的産物と一緒に精製される。そのうえCa2+−依存的である抗体は、Ca2+−イオンを血漿もしくはその分画を初めとする大半の原材料に添加する場合には必ずビタミンK−依存的標的蛋白質の蛋白質分解性開裂を引き起こすCa2+−依存的凝固系の引き金も同時に引いてしまうことになるという不利な点を有している。少量の活性化凝固因子でさえも播種性静脈内凝血および血栓塞栓症の作因としての関連性が示されていることが証明されているため、このことは最終的治療用産物の適応性についての主要な欠点となっている。
発明の要約
本発明は、凝固因子IXおよびプロテインSを例とするもののような凝血性蛋白質の未変性の(活性化もしくは分解用の)開裂部位を含む特定のエピトープに特異的なCa2+−非依存的単一特異的抗体(ポリクローナルもしくはモノクローナルのいずれか)の産生および選択のための方法、ならびに未変性で未開裂のポリペプチドとしてのこれらの蛋白質の単離のための方法に関する。この方法の手法は、標的蛋白質の一次配列の破壊はその蛋白質内に数々の変化を引き起こし、その内の一つが開裂部位自体の露出であるという概念に基づいている。本発明は、未変性の開裂部位を含むエピトープに対する抗体がそのエピトープの未変性形態および開裂形態について異なる親和性を有し、そのためにクロマトグラフィー法に応用した際の分離を可能することができるということを示している。種々の源からの精製法に適用可能にする目的で、本発明に記載される抗体は、単離すべき凝血因子内に存在する制限的蛋白質分解のための標的を提供する配列に特異的であるばかりでなく、Ca2+−非依存的でもある。この方法は、適切な特異性を有する抗体の選択、固体支持体上へのそれらの固定化、およびその後に原材料と固定化抗体とを接触させて該蛋白質を結合させることを必要とする。適切な溶液での洗浄および溶出の後、標的蛋白質は活性化されていない未変性の状態においてかなり精製された形態で回収されるが、これが、凝血性疾患の治療のための治療学的組成物中において利用するための具体的な目的となる物質である。
本発明の方法は、未変性の未開裂標的蛋白質について特異的な選択性を達成するという点において、免疫−親和性クロマトグラフィーの分野における主要な技術躍進となっている。これは、後に改善された治療学的血液産物へと製剤化して行くことができる未変性の凝血性蛋白質を取得するための方法を考慮に入れてある。これらの産物は、重篤な出血もしくは凝血という事態に直面した患者の治療のためにこれまでに使用することが可能であったものと比較するとより安全でそしてより有効な試薬を提供する。
本発明の他の目的および利点は、以下に示す本発明のより詳細な記述から明らかになるであろう。
好ましい態様の詳細な記述
本発明は、凝血性蛋白質を含む混合物からの、蛋白質分解性開裂に感受性を示す該蛋白質の単離のための、そして該混合物を、該凝血性蛋白質の未変性種と開裂種との間を本質的に識別するCa2+−非依存的抗体を使用する免疫親和性クロマトグラフィーに供することを含む方法を提供する。
用語「凝血性蛋白質」は本明細書中においては広範な意味において用いられ、そして因子IXおよびVIIのような血液凝固因子のみを含むのではなく、凝固回路の拮抗剤として作用する系の構成成分であるプロテインCおよびSのようなビタミンK−依存的蛋白質をも含む。さらに本発明はいずれかの哺乳類のものであることができるいずれかの起源の凝血性蛋白質の単離を包含するが、これをヒト起源の凝血性蛋白質の単離に適用することが好ましい。
本発明に従って用いられる抗体はポリクローナル抗体であることができるが、モノクローナル抗体を用いることが好ましい。この抗体はCa2+−非依存的でありそして該凝血性蛋白質中の未変性な蛋白質分解性開裂部位を含む該凝血性蛋白質のエピトープに特異的であることが好ましい。本発明はまた、そのような抗体すなわち蛋白質分解性開裂に感受性を示す凝血性蛋白質に特異的なCa2+−非依存的抗体(該抗体は該凝血性蛋白質の未変性種と開裂種との間を実質的に識別する)をも含む。
本発明の特に好ましい一連の最初の態様においては、抗体は、因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基139−154に相当するアミノ酸配列QTSKLTRAETVFPDVD(配列番号1)を有するオリゴペプチド、あるいは因子IXのアミノ酸残基173−188に相当するアミノ酸配列QSFNDFTRVVGGEDAK(配列番号2)を有するオリゴペプチド、あるいは因子IXのアミノ酸残基320−335に相当するアミノ酸配列ALVLQYLRVPLVDRAT(配列番号3)を有するオリゴペプチド、あるいは因子IXのアミノ酸残基335−342に相当するアミノ酸配列TCLRSTKF(配列番号4)を有するオリゴペプチドのいずれかとの反応性を示す。
本発明の特に好ましい他の態様に従うと、抗体は因子VIIに特異的であり、そして因子VIIのアミノ酸残基147−158に相当するアミノ酸配列SKPQGRIVGGKV(配列番号5)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す。
本発明の特に好ましい更に別の態様に従うと、抗体はプロテインCに特異的であり、そしてプロテインCのアミノ酸残基160−179に相当するアミノ酸配列EDQEDQVDPRLIDGKMTRRG(配列番号6)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す。
本発明の特に好ましい別の一連の態様においては、抗体はプロテインSに特異的であり、そしてプロテインSのアミノ酸残基40−59に相当するアミノ酸配列FYPKYLVCLRSFQTGLFTAA(配列番号7)を有するオリゴペプチド、あるいはプロテインSのアミノ酸残基62−79に相当するアミノ酸配列STNAYPDLRSCVNAIPDQ(配列番号8)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す。
本発明はまた、蛋白質分解性開裂に感受性である凝血性蛋白質に特異的な抗体を調製するための(該抗体は該凝血性蛋白質の未変性種と開裂種との間を実質的に識別する)、そして該凝血性蛋白質の特異的抗体を、該凝血性蛋白質特異的抗体を誘導するために適切な方法で免疫化した動物から、もしくは該凝血性蛋白質特異的抗体を産生する細胞培養物から単離し、そして該凝血性蛋白質の未変性種と開裂種との間を実質的に認識する抗体を選択するために該抗体をスクリーニングする段階を含んでなる方法をも提供する。
本発明に従うと、該スクリーニングは、該凝血性蛋白質中の未変性な蛋白質分解性開裂部位を含む該凝血性蛋白質のエピトープのアミノ酸配列を含むオリゴペプチドを用いて実施することが好ましい。該オリゴヌクレオチドは、QTSKLTRAETVFPDVD(配列番号1)、QSFNDFTRVVGGEDAK(配列番号2)、ALVLQYLRVPLVDRAT(配列番号3)、TCLRSTKF(配列番号4)、SKPQGRIVGGKV(配列番号5)、EDQEDQVDPRLIDGKMTRRG(配列番号6)、FYPKYLVCLRSFQTGLFTAA(配列番号7)、およびSTNAYPDLRSCVNAIPDQ(配列番号8)からなる群から選択されることが好ましい。本発明はこのようなオリゴペプチドをも含む。
未変成な(活性化もしくは分解用)開裂部位(一つもしくは複数)を有する凝固因子に特異的なモノクローナル抗体の調製法および特性決定法は、以下に示すスクリーニング法により理解することができる。
1.標的ペプチド結合から数えて、開裂配列の少なくとも一部分である残基−20から+20まで、好ましくは残基−10から+10までを含むペプチドの特定。
2.標準的な酵素免疫アッセイ、放射性免疫アッセイ、免疫ブロッティング、もしくは適切な技術を用いる、Ca2+−イオンの非存在下における、もともとの抗原(未変性蛋白質として少なくとも部分的に存在する)に結合する抗体の合成についてのハイブリドーマの培養上清のスクリーニング。
3.関連する活性化および/または分解用開裂部位を含む特定されたペプチドを用いる陽性上清の再スクリーニング。これらのペプチドは、もともとの抗体から、もしくは組換えDNA技術を介して得られるものを初めとする他の源のいずれかからの断片としてペプチド合成により取得することができる。特別な事例においては、これらのペプチドは適切な担体分子と結合させることができる。
4.適切な細胞株の選択および増殖、ならびに適切な親和性クロマトグラフィー法で選択した抗体の適用。
本発明はまた、蛋白質分解性開裂に感受性である凝血性蛋白質の治療学的有効量ならびに薬剤学的に許容されるそのための担体を含んでなり、該凝血性蛋白質がその蛋白質分解性開裂産物を実質的にに含まない薬剤学的組成物をも提供する。より具体的には、該組成物は、凝血性蛋白質を含む混合物から該混合物を、該凝血性蛋白質の未変性種と開裂種との間を実質的に識別する抗体を用いる免疫親和性クロマトグラフィーに供することにより取得される凝血性蛋白質を含む。該凝血性蛋白質は、因子IX、因子VII、プロテインC、およびプロテインSを初めとするビタミンK−依存的蛋白質の部類から選択されることが好ましい。
本発明はまた、因子IX、因子VII、プロテインC、およびプロテインSを初めとするビタミンK−依存的蛋白質の部類から選択される凝血性蛋白質をも含み、該蛋白質は、その蛋白質分解性開裂産物を実質的に含まない。
本発明は、因子IXおよびプロテインSについて実施例においてさらに詳しく説明されるが、当業者により理解されるであろう他の凝血性蛋白質にも同様にこれを適用することができる。
これらの実施例は、本発明の態様を実施し、そしてこれらの態様を、未開裂の標的配列を含む未変性蛋白種に実質的に特異的なCa2+−非依存的モノクローナル抗体の産生を達成する目的で使用するという様式の詳細を提供する。未変性種に対する特異性とは、未変性エピトープについての親和性は開裂を受けたエピトープについてのものとは実質的に異なることを意味する。このことは、この抗体は開裂種と比較してより高いもしくはより低い親和性のいずれかで未変性種に結合することを意味し、この違いによりクロマトグラフィー法におけるこれらの種の分解が可能になる。したがってこれらの抗体は未変性の凝血性蛋白質の単離のための新規の手法を提供する。実施例Iは因子IXの一次活性化開裂部位に対するモノクローナル抗体の産生および選択に適用させた際の本発明の典型的な例であるが、一例では、この実施例Iにおいて与えられる記述、ならびに未変性な因子IXの単離のためのそれらの抗体の適用法は、プロテインS、因子VII、およびプロテインCを初めとする他の凝血生蛋白質に適応することが可能であると解釈される。当業者が当技術分野の領域内において改変を行った場合は、これらは本発明の範囲内に含まれるものとして考慮される。別に特定されていない限り、本明細書内において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明にふさわしい、通常の当業者により一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書において記載されるものに類似するもしくはそれに等価な方法および材料はいずれも本発明の実施および検査の際に使用することができるものの、好ましい方法および材料をここに記載する。
実施例1
未変性なヒトの因子IXに特異的なCa2+−非依存的モノクローナル抗体の調製および選択
未変性なヒトの因子IXについての実質的な特異性を有するCa2+−非依存的モノクローナル抗体の選択のために、因子IXの一次活性化部位であるQ139−D154を含むペプチドNo.1(表Iを参照せよ)を標準的な方法により合成した。選択された抗−因子IX陽性培養物の免疫化、融合、およびサブクローニングは、抗原として常法により精製された因子IXを利用して、既に確立されている方法
Figure 0003735112
に従って実施した。ハイブリドーマ細胞上清の一次スクリーニングは固相酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して実施した。この目的のために、精製した因子IXをマイクロタイタープレート(Dynatech GmbH、Plockingen、Germany)の各ウエルに、4℃において一晩、50mMのNaHCO3 pH9.5中において0.5μg/mlの濃度でコートした。このプレートを50mMのTris−HCl、154mMのNaCl、10mMのEDTA、0.05%のTween−20、pH8.0で洗浄し、そしてその後Ca2+−イオンの非存在下において培養物上清と共にインンキュベートした。結合した抗体は、基質としてテトラメチルベンジジンを用いて、パーオキシダーゼに結合させたヤギ抗−マウス抗体により検出した。二次スクリーニングのために、陽性を示す上清を因子IXコーティングの代わりにウシのアルブミン担体(5μg/ml)に対して結合させたペプチドNo.1を用いることを除いては同一のELISA法を用いて再スクリーニングを行った。2つの陽性細胞株(CLB−FIX D4およびCLB−FIX 9と表示される)が取得され、これらは因子IXと、一次活性化部位を含む合成ペプチドNo.1との両方と反応性を示した。産生された免疫グロブリンを、常法を用いるイオン交換クロマトグラフィーおよびゲル濾過により精製した。
モノクローナル抗体CLB−FIX D4およびCLB−FIX 9のサブタイプ決定を行い、そしてマウスMAbイソタイプ決定用キット(Holland Biotechnology、Leiden、The Netherlands)を用いてこれらがカッパー軽鎖を有するIgG1サブクラスに属することを同定した。これら2つのモノクローナル抗体については、先に記載したELISA技術を利用して、未変性の因子IXならびに開裂種である因子IXαおよび因子IXaβに関するそれらの親和性についてのさらに詳しい特徴決定を行った(Kimet al.、J.Immunol.Methods vol 131、1990、pp213−222)。両方の抗体について、抗体と未変性な因子IXとの間の複合体についての解離係数は1.2nMであることが解り、一方で因子IXaβについての親和性は無視できるほどの量(10μMを上回る解離係数)であるものと思われた。CLB−FIX D4およびCLB−FIX 9の両抗体は、未変性種と比較して実質的により高い親和性で開裂種のIXαに結合した(各々0.3および0.6nMの解離係数)。これらの所見により、これらの抗体のエピトープ内における開裂によって少なくとも2倍もしくは4倍の変化がそれらの親和性にもたらされることが示された。モノクローナル抗体CLB−FIX D4を、因子IXの凝固活性におけるその効果についてさらに詳しく調査した。固定量の因子IX(1μg)を、37℃において30分間、異なる量の抗体CLB−FIX D4(0−50μg)と共にインキュベートした。次に残存活性を一段階式凝固アッセイにおいて測定した(J.J.Veltkamp et al.、Thromb.Diath.Haemorrh.vol 19;1968、pp279−203)。10倍モル過剰の抗体の存在下においては、因子IX活性はその90%を上回るものが阻害され、したがって抗体CLB−FIX D4のエピトープ内における開裂は因子IX活性化における律速段階であることが証明された。免疫吸着体は、精製したCLB−FIX D4およびCLB−FIX 9のIgGを標準的な方法に従ってCNBrで活性化させたセファロース(5mg/mlのセファロース;Pharmacia社、Uppsals、Sweden)に結合させることにより調製した。この免疫吸着体を以下に記載される親和性クロマトグラフィーにおける利用のためにカラム内に詰め、そして20mMのクエン酸三ナトリウム、154mMのNaCl、10mMのベンズアミド−HCl、pH7.4からなる緩衝液で平衡化させた。
実施例2
プロトロンビン複合体濃縮物からの未変性の因子IXの精製
通常の技術(J.Heystek et al.、Vox Sang. vol 25;1973、pp113−123)により原材料として調製されたプロトロンビン複合体濃縮物からの未変性な因子IXの単離のための免疫吸着体として利用するために、固定化したCLB−FIX D4のIgGの評定を行った。350mlのプロトロンビン複合体濃縮物に対して、0.1Mのクエン酸三ナトリウム、0.77MのNaCl、および0.05Mのベンズアミジン−HCl、pH7.4、を含む90mlの緩衝液を添加した。この混合物を、20mMのクエン酸三ナトリウム、154mMのNaCl、10mMのベンズアミジン−HCl、pH7.4、中で平衡化させた20mlのCLB−FIX D4−Sepharoseを含むカラムにかけた(直系2.5cm、流速25cm/時間)。次に全ての未結合蛋白質が除去されるまでこのカラムを同一の緩衝液で洗浄した。この時点において緩衝液を溶出用緩衝液(平衡化用緩衝液中の2MのKSCN)に替えた。各分画を回収し、そして確立されている方法により蛋白質および因子IXの凝血活性についてのアッセイを行った(M.M.Bradford、Anal.Biochem.vol.72;1976、pp248−254;J.J.Veltkamp et al.、Thromb.Diath.Haemorrh.vol 19;1968、pp279−203)。この溶出液中には因子IXの活性の内の67%が回収され、比活性は356U/mgであった。分光光度法(K.Mertens et al.、Thromb.Haemostasis vol 54;1985、pp654−660)を利用してアッセイしたところ、この溶出液には検出可能な因子IXa活性は含まれていなかった(すわなち、<5pM)。そのうえ、標準的な方法を用いて因子XI、因子X、および痕跡量のマウスIgGの存在について活性化されていない因子IXの産物を調査した。この結果により、この産物中では存在可能性なこれらの混入物の残存量は極めて低いことが示された(表IIを参照せよ)。
同一の手法を抗体CLB−FIX D4について先に記載したものと同一の条件下において固定化させた抗体CLB−FIX 9を用いることにより実施したところ、類似する結果が得られた。KSCNに加えて、LiClおよびNaNO3のような他のカオトロピック塩も、純粋で未変性な因子IXを効率よく回収するための溶出用緩衝液中に用いることができた。
これらの結果は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(K.WeberおよびM.Osborn、j.Biol.Chem. vol 244;1969、pp4406−4412)、ならびに因子II、IX、X、プロテインC、およびプロテインSに対する適切な抗体を利用するウエスタンブロット分析(H.Towbin et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol 76;1979、pp 4350−4355)により証明された。素通り分画の分析により、大量のビタミンK−依存的蛋白質、因子II、X、プロテインCおよびSの存在が示された。因子IXに対するポリクローナル抗体を用いることにより、因子IXの活性化産物を示す多量の二本鎖種を、見かけ上未結合である一本鎖種の幾つかのものと同様に可視化させることができた。それとは対照的に、溶出分画は活性化されていない未変性の因子IX種を独占的に含んでいた。混入物質は全く検出されなかったため、表IIにおいて示される分析が定量的に行われたことが実証された。したがって抗体CLB−FIX D4もしくはCLB−FIX 9を利用する親和性クロマトグラフィーにより、プロトロンビン複合体濃縮物からの活性化されていない因子IXの特異的な単離のための有効な方法が提供される。
Figure 0003735112
実施例3
部分的に開裂させた因子IX種の混合物からの未変性な因子IXの選択的精製法
抗体CLV−FIX D4を利用する親和性クロマトグラフィーにより他の凝血性蛋白質からの見かけ上活性化されていない因子IXの特異的な分離が可能となるため(実施例1を参照せよ)、因子IXの多様な開裂産物についての選択性を、特に因子IXaβおよびその蛋白質分解−感受性前駆体である因子IXαに関してより詳細に評定した。
CLB−FIX D4−親和性クロマトグラフィーに供するための3つの混合物を調製したが、各混合物は、以下に示す一つの特異的な因子IXの活性化産物をかなりの割合で含んでいた。
(1)因子IXaβ:実施例Iの方法により取得された精製済み因子IXを、精製されたヒトの因子IXaと共にインキュベートすることにより活性化させた。後者はセライトにより活性化させたヒト血漿(D.L.Tankersley et al.、Thromb.Res.vol 25;1982、pp307−317)から、ヒトの因子IX[J.C.M.Meijers、Ph.D.dissertation(学位論文)、State University of Utrecht(ユトレヒト州立大学)、1988、pp93−108]に対するモノクローナル抗体を用いる免疫−親和性クロマトグラフィーにより調製した。因子IX(245μg/ml)は、CaCl2(2mM)を含む50mMのTris、100mMのNaCl、pH7.4、中で、因子IXa(16μg/ml)と共にインキュベートした。37℃における2時間のインキュベーションの後、この反応をEDTA(最終濃度10mM)の添加により終結させ、そしてこの混合物を以下に記載するCLB−FIX D4−クロマトグラフィーに供した。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびウエスタンブロット分析により判定したところ、この段階においては約90%の因子IXが因子IXaβに変換されていた。
(2)因子IXα:因子IXαの調製のために、因子IXを、CaCl2をインキュベーションの間MnCl2(6.8mM)に代えることを除いては因子IXaβについて先に記載したものと同一の条件下において因子XIaと共にインキュベートした。これらの条件下においては因子IXαが主要な開裂産物として蓄積することが見いだされた一方で、実質的な因子IXaの形成は全く検出されなかった。37℃における2時間のインキュベーションの後、EDTAを10mMの最終濃度になるように添加し、そしてこの混合物をCLV−FIX D4−クロマトグラフィーに供した。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびウエスタンブロット分析により、約70%の蛋白質が145−146の位置における単一開裂により2本鎖の因子IXαに変換していたことが示された(表Iを参照せよ)。
(3)因子IX:対照として、同量の精製済み因子IXを、CLB−FIX D4−クロマトグラフィーに供する前に因子IXaの非存在下においてインキュベートした。
次にこれらの混合物(2.4ml)を抗−因子IX CLB−FIX D4 IgGカラム(容積3ml;直系1cm、流速10ml/時間)にかけた。このカラムを、実施例Iにおいて記載されるように洗浄および溶出させた。素通り分画および溶出分画における蛋白質含有量ならびに因子IXおよび因子IXaの活性を、実施例Iにおけるものと同一の方法を使用して決定した。表IIIはこれらの実験をまとめてあり、そして因子IXaβは抗−因子IXモノクローナル抗体カラムに結合しない一方で、残りの活性化されていない未変性の因子IXは溶出液中に回収されたことが示されている。中間体開裂産物である因子IXαは親和性カラムから溶出されなかったという所見により、因子IXと、材料145−146の間の一次活性化部位において開裂される種との間を実質的に識別するモノクローナル抗体を、未変性の因子IXを特異的に単離するためのクロマトグラフィーによる方法において利用することができるという概念が支持される。
本文において示される証拠により、本明細書において利用される全ての基準によっても、本質的に他の血漿蛋白質を含まず、また同時に完全に未変性の状態でもあり、そして活性化された種もしくは活性化中間体を含まない因子IXの単離のための、未変性開裂部位を含むエピトープに特異的なCa2+−依存的モノクローナル抗体の利用が初めて示される。この因子IX産物はトロンボゲン形成性混入物質を全く含まないため、この産物により、血友病Bに苦しむ患者の補充療法において利用するためにこれまでに知られていた因子IXの調製物に関する重要な改善法が提供される。
Figure 0003735112
実施例4
未変性なヒトのプロテインSに特異的なモノクローナル抗体の調製および選択
未変性のヒトのプロテインSを特異的に識別するCa2+−依存的モノクローナル抗体の選択のために、プロテインSの一次開裂部位F40−A59を含むペプチドNo.7(表Iを参照せよ)を、標準的な方法により合成した。選択されてきた抗−プロテインS陽性培養物の免疫化、融合、およびサブクローニングは、抗原として常法により精製されたプロテインS
Figure 0003735112
を利用して実施した。抗−プロテインSモノクローナル抗体産生性細胞株の一次スクリーニングは、主に実施例1において記載されるように、Ca2+−イオンの非存在下において抗−プロテインS特異的ELISA系を使用して実施した。二次スクリーニングのためには、陽性を示す上清を、プロテインSコーティングの代わりにペプチドNo.7を用いる以外は同一のELISA法を使用して再スクリーニングした。プロテインSと、開裂部位F40−A59を含む合成ペプチドNo.7との両方についての反応性を示す2つの陽性細胞株(CLB−PS 41およびCLB−PS 52と表示される)を取得した。
これらのモノクローナル抗体については、開裂を受けたプロテインS種の混合物内の未変性なプロテインSについてのそれらの選択性に関するさらに詳しい特徴決定を行った。この目的のために、精製したプロテインSは、プロテインS(140μg/ml)を50mMのTris、150mMのNaCl、pH7.4中においてトロンビン(0.75μg/ml)と共にインキュベートすることによりその開裂形態へと変換させた。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により判定したところ、37℃における1時間のインキュベーションの間にプロテインSはその2本鎖の誘導体へと変換されていた。しかしながら、最初の固定化抗体として抗体CLB−PS 41もしくはCLB−PS 52を利用するELISA分析(実施例1を参照せよ)により、観察される蛋白質分解の程度に比例してプロテインSの識別作用が失われてゆくことが明らかにされた。これらの所見により、これらの抗体のエピトープ内における開裂によりプロテインSについてのそれらの親和性の実質的な変化がもたらされることが示される。開裂を受けたプロテインS種に対して抗体CLB−PS 41およびCLB−PS 52の結合が生じないということは、それらのエピトープがペプチドNo.7により示される一次開裂部位F40−A59に存在するということに何ら矛盾するところがない。産生される免疫グロブリンを精製し、そして免疫吸着体は、実施例1において記載されるように5mgの精製済みCLB−PS 41およびCLB−PS 52のIgGを0.3gのCNBrで活性化させたセファロースに結合させることにより調製した。この免疫吸着体をカラム内に詰め、そして以下に記載する親和性クロマトグラフィーにおいて使用するための、20mMのクエン酸三ナトリウム、154mMのNaCl、10mMのベンズアミジン−HCl、pH7.4、からなる緩衝液で平衡化させた。
実施例5
ヒト血漿からの未変性なプロテインSの精製
クエン酸処理済みのヒト血漿(100ml)を抗−プロテインS CLB−PS 52 IgGカラム(カラム容積3ml;直系1cm;流速10ml/時間)にかけた。全ての未結合蛋白質が除去されるまでこのカラムを平衡化用緩衝液で洗浄した。この時点において緩衝液を解離用緩衝液(平衡化用緩衝液中の3MのKSCN)に替えた。蛋白質含有量、SDS−アクリルアミドゲル電気泳動およびウエスタンブロット分析による組成決定、ならびに活性化させたプロテインCについてのプロテインS補因子(P.C.CompおよびC.T.Esmon、New Engl.J.Med. vol 311、1984、pp1525−1528)の分析のために各分画を回収した。溶出により、血漿中においてはプロテインSとの複合体の状態で存在していることが知られている(B.DahlbackおよびJ.Stenflo、Proc.Natl.Acad.Sci.USA vol 78、1981、pp.2512−2516)C4b−結合性蛋白質と称する構成成分として同定できる高分子量種を生じた。しかしながら、未変性なプロテインSはこれらの分画中には全く検出されず、このことにより未変性なプロテインSはCLB−PS 52モノクローナル抗体カラムに結合したままになっていることが示された。緩衝液を平衡化用緩衝液に戻し、そして次にプロテインSを同一緩衝液中の6Mグアミジン−HClを使用して溶出させた。プロテインSについてのアッセイにより、溶出されたプロテインS産物は完全な生物学的活性を示すことが証明された。還元条件もしくは非還元条件下における電気泳動およびウエスタンブロット分析により、この最終産物は検出可能なC4b−結合性蛋白質もしくは他の混入物質をいずれも含まず、そして全て一本鎖で未変性なプロテインSからできていることが明らかにされた。
本文において提供される証拠により、未変性のプロテインSと、残基49−50の間に一次トロンビン開裂活性化部位で開裂を受ける種との間を実質的に識別するモノクローナル抗体により、完全に未開裂な未変性の状態においてプロテインSを単離することが可能になったことが初めて示される。免疫親和性クロマトグラフィー法に適用させると開裂を受けた不活性化種をいずれも含まないプロテインS産物が取得され、そしてこのこと自体が当該技術分野においてこれまでに知られているプロテインSの調製法に関する主要な改善法を提供する。このことにより、先天性もしくは後天性プロテインS欠損症に起因する血栓症に苦しむ患者の効率の良い治療が可能になるはずである。
本明細書中に記載される実施例および態様は説明を目的とするのみのものであり、そしてそれらの観点における種々の変法もしくは改変が当業者に思い浮かぶであろうが、それらは本出願の精神および領域ならびに添付される特許請求の範囲の範囲内に含まれるものである。
配列表
配列番号:1
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:2
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:3
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:4
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:5
配列の長さ:12
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:6
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:7
配列の長さ:20
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112
配列番号:8
配列の長さ:18
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
配列
Figure 0003735112

Claims (16)

  1. 蛋白質分解性開裂に感受性である凝血性蛋白質因子IXの因子IX含有混合物から離方法であって、該混合物を、Ca2+イオンの非存在下で因子IXの未変性種と開裂種との間を識別する抗体を使用する免疫親和性クロマトグラフィーに供することを含む方法。
  2. 該抗体が、因子IX中の未変性な蛋白質分解性開裂部位を含む因子IXのエピトープに特異的である、請求1に記載の方法。
  3. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基139−154に相当するアミノ酸配列QTSKLTRAETVFPDVD(配列番号1)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求1に記載の方法。
  4. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基173−188に相当するアミノ酸配列QSFNDFTRVVGGEDAK(配列番号2)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求1に記載の方法。
  5. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基320−335に相当するアミノ酸配列ALVLQYLRVPLVDRAT(配列番号3)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求1に記載の方法。
  6. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基335−342に相当するアミノ酸配列TCLRSTKF(配列番号4)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求1に記載の方法。
  7. 蛋白質分解性開裂に感受性である凝血性蛋白質因子IXに特異的な抗体であって、Ca2+イオンの非存在下で因子IXの未変性種と開裂種との間を識別することを特徴とする体。
  8. 該抗体が、因子IXの未変性な蛋白質分解性開裂部位を含む因子IXのエピトープに特異的である、請求項7に記載の抗体。
  9. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基139−154に相当するアミノ酸配列QTSKLTRAETVFPDVD(配列番号1)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求項7に記載の抗体。
  10. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基173−188に相当するアミノ酸配列QSFNDFTRVVGGEDAK(配列番号2)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求項7に記載の抗体。
  11. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基320−335に相当するアミノ酸配列ALVLQYLRVPLVDRAT(配列番号3)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求項7に記載の抗体。
  12. 該抗体が因子IXに特異的であり、そして因子IXのアミノ酸残基335−342に相当するアミノ酸配列TCLRSTKF(配列番号4)を有するオリゴペプチドとの反応性を示す、請求項7に記載の抗体。
  13. 蛋白質分解性開裂に感受性である凝血性蛋白質因子IXに特異的な抗体の調製方法であって、該抗体がCa2+イオンの非存在下で因子IXの未変性種と開裂種との間を認識する抗体であり、そして因子IX特異的抗体を誘導させるための適切な方法により免疫化した動物からあるいは因子IX特異的抗体を産生する細胞培養物から因子IXに特異的な抗体を単離し、そして因子IXの未変性種と開裂種との間を実質的に識別する抗体を選択するために該抗体類をスクリーニングする段階を含む方法。
  14. 因子IX中の未変性な蛋白質分解性開裂部位を含む因子IXのエピトープのアミノ酸配列を含むオリゴペプチドを用いて該スクリーニングを実施する、請求項13に記載の方法。
  15. 該スクリーニングを、QTSKLTRAETVFPDVD(配列番号1)、QSFNDFTRVVGGEDAK(配列番号2)、ALVLQYLRVPLVDRAT(配列番号3)およびTCLRSTKF(配列番号4)からなる群より選択されるオリゴペプチドを用いて実施する、請求項13に記載の方法。
  16. QTSKLTRAETVFPDVD(配列番号1)で示されるオリゴペプチド
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