JP2559025B2 - 熱転写記録方法 - Google Patents

熱転写記録方法

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JP2559025B2
JP2559025B2 JP7127835A JP12783595A JP2559025B2 JP 2559025 B2 JP2559025 B2 JP 2559025B2 JP 7127835 A JP7127835 A JP 7127835A JP 12783595 A JP12783595 A JP 12783595A JP 2559025 B2 JP2559025 B2 JP 2559025B2
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマル記録ヘッドや
レーザ光ビーム等を利用して単色階調画像やカラー画像
等を連続階調で記録媒体に熱転写記録するに有用な熱転
写記録シートを用いた熱転写記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写記録シートとしては、コン
デンサ紙やポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム等の耐熱性の基体シートの一表面上に、ホットメル
トコーティング法で熱転写性のインク層を形成したいわ
ゆる溶融転写型の熱転写記録シートが公知である。
【0003】この熱転写記録シートを用いての熱転写
は、記録紙等の記録媒体と熱転写記録シートを圧接した
状態で、インク層が形成されていない側の基体シート
面、即ち基体シート裏面側から例えば公知のサーマル記
録ヘッド等により選択的に昇温記録制御し、バインダ材
料の溶融に伴う実質的なインク材料の粘性低下を利用し
て記録媒体に転写、付着させる。
【0004】然しこの場合のいわゆるインク溶融は、基
体シートと接するインク裏側から始まり、昇温書き込み
熱エネルギーの増加と共にインク層の厚み方向に進行
し、インク層表面が溶融されて初めてこれに接する記
録媒体に、厚み方向に溶融したインク材料のほとんど全
てが一度に転写される特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、熱転写記録に
は、熱的にはインク層の厚み方向に完全に溶融させるに
必要な一定の融解エネルギーを必要とし、この場合、不
連続にインク材料が熱転写されるため、文字等の二値濃
度記録には有用であるが、昇温書き込み熱エネルギーに
対応して記録濃度が変化するいわゆる連続階調記録が困
難という、難点を有している。
【0006】そのため、この難点を改良するため、ディ
ザ法や濃度パターン法等のディジタル疑似階調法が広く
検討されているが、実質的な解像度が低下し、方式的に
も複雑になり、その改良が望まれていた。
【0007】この観点から本発明者等は、インク層に多
数の貫通孔を配置して多孔性に構成し、溶融したインク
を直ちにこの貫通孔を浸透せしめて記録媒体に転写する
いわゆる熱浸透方式とも称されるべき熱転写記録方法を
提示した。
【0008】上記記録方式によると連続記録階調が可能
であるが、初期の連続階調特性を得るには、貫通孔の孔
径や配置密度、さらにはインク層面と記録媒体面との接
触条件等に細心の配慮が必要である。この接触条件の改
良に、多孔性インク層にさらにスペーサ粒子を混入した
熱転写シートも提示されているがスペーサー粒子の粒径
がインク層よりも小なる場合には、貫通孔の孔径や配置
密度による制限が厳しい。従って必ずしもこのような熱
浸透方式によらず、製造上、動作上にも容易に、かつ安
定した連続階調記録ができる改良された熱転写記録シー
トを用いた熱転写記録方法が望まれる。
【0009】本発明は上記課題を解決するもので、スペ
ーサー粒径を一定以上に限定することににより、必ずし
もこのような熱浸透方式によらず容易に安定した連続階
調記録が行えることを見いだしたことに基づくもので、
作成も容易で、かつ安定にモノクロ画像やフルカラー画
像等の階調記録が行える改良された熱転写記録シートを
用いた熱転写記録方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、色材と昇温によって粘性が低下して記録媒体
への転写性が付与されるバインダー材料とからなるイン
ク材料を有し、且つ前記バインター材料よりも高い融点
乃至は流動点を有すると共に、前記インク材料からなる
層の厚さ以上の粒径を有するインク転写補助粒子を前記
インク材料に混入せしめた熱転写層を、シート状の耐熱
性基体の一方の面側に配置した熱転写シートを用い、こ
の熱転写シートの前記熱転写層を前記記録媒体に押圧し
た状態で前記インク材料を昇温記録制御し、このときの
加熱量に応じて前記インク材料および前記インク転写補
助粒子の前記記録媒体への転写量を変化させて階調記録
することを特徴とする熱転写記録方法である。
【0011】
【作用】本発明の原理とするところは、昇温記録制御に
よってその粘性が減少制御され、記録媒体への転写性が
付与される関係にあるインク材料を有し、かつこのイン
ク材料の構成成分にして昇温によりその粘性が減少制御
される関係にあるバインダー材料よりも高い融点乃至は
流動点を有すると共に、このインク材料からなる層の厚
さ以上の粒径を有するインク転写補助粒子を前記インク
材料に混入せしめた熱転写層をシート状の耐熱性基体の
一方の面側に設置した熱転写記録シートを用いた熱転写
記録方法にある。
【0012】ここにインク材料とは記録媒体に転写すべ
き所期の記録材料を意味し、それらは着色、非着色を問
わないが、通常の転写記録では顔料、染料、もしくはこ
れらの混合材からなる色材を含んで構成される。また、
バインダー材料とは昇温によって粘性が低下し記録媒体
への転写性が付与される材料を一括して意味し、これら
は単一材料に所定されず複数種の材料で構成することが
でき、必要に応じて加えられる可塑剤、柔軟剤、表面活
性剤、チキソトロピー剤その他の助剤もバインダー材料
に包含して意味するものとする。
【0013】また、インク転写補助粒子の粒形は球状が
好ましいが、時にその粒形は問わず、この場合はその粒
径は平均粒径で表示することができる。インク転写補助
粒子は、必要に応じて透明、不透明材料が使用でき、ま
た着色、非着色材料も適宜選択できる。そしてバインダ
ー材料溶融時において、バインダー材料と非相溶性であ
っても、部分相溶性乃至は相溶性であっても良く、適
宜、複数種を混合して使用することもできる。
【0014】また、前記熱転写記録シートを製造するに
際し、前記インク材料と前記インク転写補助粒子と、前
記バインダー材料を溶解する溶媒材料とを含む混合材料
を前記耐熱性基体の一方の表面側に所定の厚さに塗布成
層した後で、前記溶媒材料を蒸発、除去せしめ、前記イ
ンク材料からなる層の厚さを前記インク転写補助粒子の
粒径以下に構成すればよい。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の熱転写記録方法に用いる熱
転写記録シートの一実施例の断面構造図、図2はこの熱
転写記録シートの熱転写層の表面平面図、図3(a),
(b)は図1で示した熱転写記録シートを用いた本発明
の熱転写記録方法での転写原理説明図である。
【0016】100は熱転写記録シート(略して転写
体)、200は記録紙等の記録媒体、300は熱乃至レ
ーザ光等の昇温記録信号、400は転写体100と記録
媒体200とを圧接するための押圧力で、密着性を良く
し良好な転写記録を得るために、例えば1〜5kg/cm2
程度の高圧力に設定される。
【0017】転写体100は、耐熱性さらには透光性で
ある薄いフィルムやシート状の基体110の表面110
a側に、顔料乃至は染料の少なくとも何れかを含む着色
色材122と、昇温によってその粘度が低下する関係に
あるバインダ材12、例えばホットメルトバインダ材
との混合材料から成る薄い厚さのインク材料120から
成る層が形成される。
【0018】インク材料層120には、昇温記録信号3
01,302に対応した記録画素310それぞれに対応
してその面内に、単数乃至は図に例示した如く複数個の
インク転写補助粒子(以下補助粒子と略称する)123
が設置されて熱転写層130が構成される。本実施例で
は補助粒子123は球状の場合が例示され、その粒径は
補助粒子123間に位置するインク材料層120部の厚
さt以上に選ばれる。従って、補助粒子123は補助粒
子123が存在しない部分のインク材料層表面120a
よりも部分的に突出し、熱転写層130表面は微細な凹
凸を形成する。
【0019】なお、本実施例では補助粒子123の突出
表面123b上にも薄くインク材料120’が位置して
いるが、これは必ずしも存在しなくてもよく、この部分
の補助粒子表面123bは露出させることもできる。
【0020】昇温記録信号300の発生源としては、例
えばパルス幅変調の電気信号500で、その発熱量がパ
ルス幅変調される抵抗発熱体素子を有する公知のサーマ
ル記録ヘッドや、照射光量がパルス幅変調されるレーザ
ー光照射装置等を用いる。以下、サーマル記録ヘッドに
よる場合は、記録ヘッドを基体裏面110bに圧接せし
め、基体110を介して熱伝導でインク材料層120を
昇温記録制御する。
【0021】レーザー光照射装置による場合は、基体1
10b側から非接触で、基体110を介してインク材料
層120にレーザー光を照射し、その光吸収による熱エ
ネルギーでインク材料層120を昇温記録制御する。以
下、サーマル記録ヘッドで昇温記録制御する場合を例に
取り説明する。
【0022】昇温記録信号300の印加によって、イン
ク材料層120は裏面120b側から昇温し、融点に達
してなお所要の融点熱が供給されると、この一定の融点
温度下においてホットメルトバインダ材121は溶融、
液状化し、実質的に粘性が低下していわゆる溶融インク
材料140aを生成する。
【0023】さらに昇温記録信号300が印加された状
態では、この溶融インク材料140aの温度は、層裏面
(即ち基体表面110a)側から、融点を越えて再び上
昇を開始し、その昇温に対応して材料140はさらに粘
度が低下し、流動性が付与されると同時に、この溶融イ
ンク材料140aを介しての熱伝導により、溶融はイン
ク材料層表面120a側へと進行する。
【0024】一方、補助粒子123としてバインダー材
料121よりもその融点(乃至は流動点)を高く選んで
おくと、基体表面110a、さらには溶融インク材料1
40aからの熱伝導による昇温は、その融点までは連続
的である。
【0025】このようにして、補助粒子123におい
て、インク材料層120に埋設されている部分の表面1
23a、および層表面120aより突出した部分の表面
123bに接する未溶融のインク材料120、および1
20’はそれぞれ、最高温度でも融点温度である。その
ため、これより高い融点温度を有する補助粒子表面12
3a,123bからの加熱によって融解熱が供給され
る。従って図3(a)の如くその表面123a,123
bに沿って溶融インク材料140b,140cが発生
し、記録信号300の印加パルス幅と共に、その溶融部
分が拡大し、また溶融部は更に粘度が低下し、流動性が
増加する。
【0026】一般に固体から液体に変移する時、その体
積膨張率は不連続的に増大する。この傾向はワックス材
料が特に顕著で、体積膨張は20%程度に達する。
【0027】このようにして、溶融インク材料140
a、更には140bは、その熱膨張によって、補助粒子
表面123aを伝わって矢印150の如く、浸透、押し
出しされ、補助粒子表面123bと記録媒体表面200
aとの狭い間隙を介してその一種の毛細管現象により、
補助粒子表面123bを伝わって、記録媒体表面200
aに付着、転写される。
【0028】この場合、記録媒体200が多孔質紙等の
如く吸インク性が大なる場合には、上記の付着、転写が
促進され、また、押圧力400が適当に大であると、補
助粒子123と基体表面110a間に介在する溶融イン
ク材料140aがこの押圧力400で強制的に表面12
3a,123bを介して、より効果的に浸透、押し出さ
れることになる。
【0029】記録媒体表面200aに、付着した溶融イ
ンク材料は記録媒体200により熱を奪われ、粘性が増
大したり、さらには固化する。
【0030】記録信号300のパルス幅Pwが適当に小
なる場合には、そのパルス幅Pwに対応して付着、転写
量も少ないが、図3(a)においてパルス幅Pw=Pw
1 の如く、Pwが適当に大きく低粘性化した溶融インク
材料140a、140bの存在によって補助粒子123
に可動性が付与される場合には、上記の浸透、押し出し
150に連なって、信号301印加終了後、溶融インク
材料140a,140bが冷却して元の例えば固体状態
に復帰する以前、即ち未だ流動状態を保持し、かつ補助
粒子123が可動性を失わない状態で、記録媒体200
と記録シートを剥すと、図3(b)に例示する如く、溶
融インク材料140a,140b,140cの残部は補
助粒子表面に付着して補助粒子123と共に記録媒体表
面200aへ付着、転着され、色材122を含んだ転写
記録161が得られる。
【0031】記録信号300のパルス幅PwがPw=P
w2 とさらに広くなると、溶融はついにはインク材料層
表面120aに迄達し、インク材料層120の全厚み部
分が補助粒子123と共に媒体表面200に付着、転写
し、この場合の転写記録162が転写光学記録濃度の最
大値となる。
【0032】このようにして、昇温記録信号300に対
応してインク材料層120が溶融、低粘度化し、この低
粘度化に対応して補助粒子123と共に、記録媒体表面
200aに転写記録160を生ずるので、パルス幅Pw
に対応して補助粒子123を単位としてその光学濃度が
濃度変調と面積変調が共存した形で、連続階調で制御さ
れる利点がある。
【0033】以上はバインダ材料121が明確な融点を
もち、しかもその溶融時に粘度が急激に低下する場合の
例について説明したが、バインダー材料121が例えば
天然のワックス材料の如く多種材料の混合体からなり、
明確な融点を持たず昇温に対する粘度の低下が緩やか
で、または針入度が大きく常温固形、乃至は半固形材料
である場合にも階調記録できる。さらには融点が常温
(例えば25度)以上であって、例えばポリブタンの如
く常温粘着性のバインダー材料121においても、その
粘着によるインク材料120のかぶり転写(熱転写層1
20と記録媒体200を圧接しただけインク材料120
が転写する現象)を防止するため、常温(例えば25
度)における粘度を例えば2×104センチアポズ以
上、このましくは5×104センチアポズ以上に高く選
び、補助粒子123の配置密度を適当に高く選ぶことに
より、同様にパルス幅Pwに対応して連続階調で転写記
録160が得られる。
【0034】これらの場合、記録信号300もパルス幅
Pwに対応してインク材料層120、120’が粘性低
下しこれらの全体が流動性になると、この粘性低下に対
応して記録媒体表面200aと粒子表面123b間の一
種の毛細管現象により補助粒子表面123b、さらには
123aを介して、インク材料120’、120が記録
媒体表面200aへと浸透付着、転写される。また、イ
ンク材料層120部における流動化したインク材料が流
動状態を失わない状態で、記録媒体200と転写シート
100とを剥離すると、低粘性化したインク材料を表面
123a,123bに付着した補助粒子123が転写さ
れて、パルス幅Pwに対応した連続階調の転写記録16
0が記録媒体表面200aに得られる。
【0035】本発明にかかる熱転写記録シート100を
用いた記録方法では以上の動作説明からも明かな如く溶
融、低粘性化インク材料に対して、補助粒子表面123
a,123b及び記録媒体表面200aは、良好な濡れ
性が必要で、これらの表面に対する濡れ角(接触角)は
少なくとも90度以内で、可能な範囲で小なるよう設定
される。
【0036】なお、図1において、補助粒子123の粒
径φがインク材料層120の厚さtよりも小であると、
図3(a)において記録媒体表面200aにインク材料
層120aが密着される。この場合、例えば基体表面1
10a側に、または補助粒子表面に低粘度化、もしくは
溶融したインク材料が存在しても、インク材料層表面1
20は溶融乃至は低粘度化せぬ限り転写記録160を生
じ得ない。一方、層表面120aが溶融乃至は低粘度化
した状態では、層120内部に存在する溶融乃至は低粘
度変化したインク材料までも媒体表面200aに一度に
付着し転写されてしまい、高濃度の転写記録160を生
じる。そのため階調性に乏しい転写記録特性となる。
【0037】補助粒子123の粒形は必ずしも球状に限
定されず、多角形状等その粒形は必ずしも問わない。ま
た、粒形も全て単一径である必要もなく、適当な粒径分
布をもっていても良い。この場合、インク層面120a
の厚さt以上の粒径φを持ち、インク層面120a以上
に突出した補助粒子123が連続階調の転写記録に寄与
し、それ以下の粒径の補助粒子123は色材122とし
ての顔料と類似の挙動を示す。
【0038】従って実用的には、粒径φは平均孔径で表
示するのが便利である。補助粒子123の平均粒径φ
は、インク材料層120の厚さtの相関の下に、連続階
調転写特性や転写記録最高濃度の両方から、好ましい範
囲が実用的に選定される。平均粒径φmが1.5μm未
満では、インク材料層120の厚さtが過小となり、転
写記録160の最高濃度が大きく取れず、また製作的に
均一な熱転写層120が困難となり、かぶり転写を生じ
易くなる。一方、補助粒子123の平均粒径φmが15
μmを越えると、補助粒子123の熱容量が過大とな
り、所期の昇温が困難となると共に、浸透、押し出し1
50の経路が過度に長くなって低感度化し、最高記録濃
度も低下する。
【0039】従って好ましい平均粒径φmの範囲は1.
5μm〜15μmである。時に平均粒径φmを2μm〜
10μmの範囲内に選ぶと、かぶり転写が容易に防止で
き、連続階調性や記録感度等も良好にできるため推奨さ
れる。この場合、粒径分布において最大粒径値が15μ
mを越えぬことが望ましい。
【0040】一方、補助粒子123の配置密度は、記録
画素310の密度及び熱転写記録特性を考慮して選定さ
れる。補助粒子123の最低の配置密度は、記録画素
れぞれに対して単数個が位置する場合である。
【0041】通常、公知のリニヤ型サーマル記録ヘッド
を利用して階調画像を記録する場合、画質の点から記録
密度、即ち記録画素310の密度dは4ドット/mm以
上に選ばれる。
【0042】それゆえ、φ>tを満足する本発明に有効
な補助粒子123に限定したその隠ぺい率(基体表面1
10aの単位面積に占める粒子123の面積率)Sの最
小値は、粒径φの好ましい最小値、φ=φmin(=1.
5μm)は(πφmind2)/4で与えられ、d=4ドッ
ト/mmでは、1.89×10-2(1.89%)とな
る。
【0043】一方、Sの最大値はφ>tの補助粒子12
3が互いに重なることなく基体表面110aに最稠密に
配置された場合で、π/4=0.785(78.5%)
で与えられる。Sは上記範囲内で適宜選択できる。
【0044】上記において、補助粒子123の配置密度
が少なすぎると、補助粒子123を介しての転写記録1
60の濃度が不十分となり、また記録画像も粗く見え
る。これらの防止には、補助粒子123の配置密度は1
6個/mm(265個/mm2)以上に選ぶことが望ま
しい。図2には記録画素310それぞれに補助粒子12
3が4こ配置された場合が例示されている。
【0045】補助粒子123は、転写記録160の色彩
鮮明度から無色透明乃至は白色であることが望ましいが
着色していても良い。この場合、その色彩を色材122
と同色に選ぶと転写記録160の濃度改善に有効であ
る。異なる色彩に選ぶと転写記録160の色彩はインク
材料120と粒子123と混色となるため、パルス幅P
wに応じて転写記録160の色彩が変化し、多色記録が
できる利点がある。
【0046】補助粒子123は非多孔質粒子に限定され
ず、多孔質粒子も使用できる。無色透明乃至は白色の補
助粒子123としては、例えば、透明ガラス粉末溶融石
英粉末、エポシキ樹脂などの熱硬化性樹脂粒子や、ポリ
アミド,ポリカーボネート樹脂などの熱可塑性樹脂、酸
化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン、酸化珪素(SiO
2)、酸化錫、硫酸バリウム等の無機粉末粒子等が用い
られる。
【0047】着色の補助粒子123としては、例えばベ
ンガラ等の無機顔料、ジスアゾエロー10G等の二次粒
子径が大きな有機顔料(この場合、色材122と同種の
顔料であっても良い)、アシッドダイレーキ、ベーシッ
クダイレーキ、アシドゾレーキ等の染色レーキ粒子や、
色材で着色されたプラスッチック粒子、珪燥土、また色
材122が黒色染料乃至はカーボンブラック等黒色顔料
である時は、粒子123として人造黒鉛等の黒色材料を
用いることができる。
【0048】補助粒子123としては、常温乃至はイン
ク材料層120製作時にバインダー材料121と完全
溶しないか溶媒に完全溶解しないホットメルト材料、例
えばカルナウバワックスやサゾールワックス粒子を用い
ることもできる。この場合、熱転写時にバインダー材料
121と相溶するように選ぶと転写感度が改良され、強
固な転写記録160が得られる利点がある。
【0049】これらの補助粒子123は複数種を混合し
て用いることもできる。インク材料層120を構成する
バインダー材料121は、昇温記録制御によってその粘
性が低下し、転写付着性が付与されることが条件で、常
温(たとえば25度C)で必ずしも固体である必要はな
いが、転写記録160の保存性から常温固形のホットメ
ルト材料の使用が好ましい。
【0050】ホットメルト材料としては、例えばカルナ
バワックス、ミツロウ、パルフィン、マイクロクリスタ
ルワックス等のワックス類、または低分子量ポリエチレ
ン、低分子ポリスチレン、ポリステアリン酸ビニル、石
油樹脂等ポリアミド樹脂、脂環族飽和炭化水素樹脂、ロ
ジン変性マレイン酸樹脂等が挙げられるが、転写感度や
転写記録物の堅ろう性等から、融点または流動点は50
〜170度C、好ましくは60〜120度Cが選ばれ
る。また、柔軟性をバインダ剤に持たせるため混合させ
る柔軟剤も同様に、例えばポリ酢酸ビニル、セルロース
エステリン類、アクリル系樹脂類、またはステアリン
酸、ラノリンなどからそれらの溶融または軟化温度に基
づいて適宜使用される。バインダー剤として、それ自体
柔軟性に富む、例えば石油樹脂、低分子量ポリスチレン
等が使用される場合には、特に柔軟剤を加えないことも
ある。さらにまた、昇温と共に粘度が低下し粘着性が増
大する関係にあってかつ常温で流動性の粘着材料をバイ
ンダー剤に含むことにより、より一層、昇温に対する粘
度の低下及び転写効率を上げることができ、例えばポリ
ブテン、ポリイソプチレン、ポリブタジエエン、シリコ
ンオイルなどの粘着材料をホットメルト材料に混合して
熱特性を調整し、バインダー剤として使用することもで
きる。
【0051】色材122としては、着色記録において
は、通常の印刷用インク、塗料等に用いられる有機乃至
無機顔料や染料、更にはこれらの混合色剤が、適宜に選
択して使用できる。
【0052】例えば黒色転写記録において顔料としては
カーボンブラック、ダイヤモンドブラック、染料として
はCI Solvent Black 3 等を用いる。
【0053】また、フルカラー転写記録には、上記の他
にシアン色としてはCI Pigment Blue 15(顔料)CI
Solvent Blue 25(染料)、マゼンタ色にはCI Solve
nt Red 57(顔料)CI Solvent Red 49, イエロー色に
はCI Pigment Yellow 12(顔料)CI Pigment Yello
w 17(顔料)CI Solvent Yellow 16 等、顔料、染料
乃至はこれらの混合物の3原色乃至は黒を加えた4原色
のインク材料120をもって、熱転写層130を同一の
基対シート110上にフレーム順次で順番に配設し、こ
れらをフレーム順次で重ね転写するか、上記原色熱転写
層を原色毎に別の転写シート100を形成し。それぞれ
の原色転写シート毎に公知のリニヤ型サーマル記録ヘッ
ドを配し、3乃至4色の原色記録信号をそれぞれの記録
ヘッドの配設位置に対応して遅延させ、線順次で重ね転
写させてフルカラー記録が達成される。これら色材12
2とバインダー材料121との混合重量%は、転写記録
特性を考慮して定められる。
【0054】色材122として例えば染料を用いる場
合、インク材料層120に占める重量%が2%以下であ
ると転写記録濃度が不足し、一方、色材122が顔料で
ある場合、重量%が60%を越えるとインク材料120
全体としての溶融時の粘性低下が不足し、記録媒体表面
200への転写が困難となり、転写記録濃度が不足す
る。従って色材122の重量%は2〜60%の範囲内で
適当に選び、それゆえバインダー材料121はこれに対
応して98〜40%の範囲内に選ぶのが望ましい。
【0055】特に、色材122を10〜50%、バイン
ダー材料121を90〜50%の範囲内としたインク材
料120は、転写記録濃度や連続階調性に優れ、推奨さ
れる範囲である。この範囲は、色材122として顔料に
用いる時に特に有効である。シート状基体2としては、
例えば厚さが3.5〜15μm程度のポリエチレンテレ
フタレート、ポリイミド、セロファン、ポリカーボネイ
ト、トリアセチルセルロース、ナイロンなどの樹脂フィ
ルムもしくは上質紙、グラシン紙、トレーシング紙、コ
ンデンサ紙等の耐熱紙を用いることができる。
【0056】記録媒体200としては、上質紙、コート
紙、アート紙、合成紙等の紙類やポリエチレンテレフタ
レート、ポリプロピレン、セロファン等のプラスチック
フィルム等を用いることができる。
【0057】熱転写シート100は、以上の構成を適
宜、組み合わせて例えばホットメルトコーティング法や
ソルベントコーティング法によって、基体シート表面1
10a状に熱転写層130を塗布、成層して製造でき
る。
【0058】例えばホットメルトコーティング法の場
合、第1の方法がバインダー材料121、色材122、
補助粒子123からなる混合材料を、バインダー材料1
21の融点以上に適当に加熱して流動性にし、これを補
助粒子123の粒径と等しい厚さに表面110a上に塗
布する。この熱転写層130は常温に冷却されるとバイ
ンダー材料121の固化に伴う熱収縮により、補助粒子
123の粒径φに比較してインク材料層120の厚さt
は小になりφ>tの関係を満足し、この補助粒子123
が前述の熱転写記録に有効に寄与する。
【0059】第2の方法は、基体表面110aに予めイ
ンク材料層120を薄くホットメルトコーティング法等
で塗布しておき、その表面に高融点の補助粒子123を
均一に散布塗布した後、この表面に4弗化エチレンで被
覆したローラや4弗化エチレンフィルム等、溶融したバ
インダー材料121に対する非接着体を圧接した状態で
加熱し、バインダー材料121を溶融せしめ、このバイ
ンダー材料121の軟化状態で補助粒子123を、イン
ク材料層120内に一部を進入せしめ、φ>tの関係を
満足させる。
【0060】第3の方法は、高融点の補助粒子123を
芯材としてその表面にインク材料120を薄く被覆した
複合粒子を表面120aに一葉に散布、配設した措置、
第2の方法と同様に非接着体を圧接して加熱し、インク
材料120を溶融せしめ、φ>tの関係を満足させる。
【0061】この種のホットメルトコーティング法で
は、補助粒子123としてホットメルト材料を用いるの
が困難であるとともに、製造法的にφ>tの関係を満足
させるのに配慮が必要となる。これらの改良は、ソルベ
ントコーティング法によると改良される。
【0062】即ち、バインダー材料121、色材12
2、補助粒子123の混合材料において、常温において
補助粒子123を溶融せず、またバインダー材料12
1、さらには色材122が染料を含む時はこの染料をも
溶融する溶媒を選択し、この溶媒を上記混合材料に加え
て混合練肉した溶解懸濁材料液を作る。この場合、補助
粒子123の過度の粉砕を防止するため、インク材料液
を予め混合練肉し、その後で補助粒子123を混合分散
せしめることもできる。
【0063】これらの材料液を、バーコータやオフセッ
ト印刷、グラビヤ印刷法等で基体表面110a上に所定
の厚みに薄く塗布、成層する。この成層により補助粒子
123は表面110a面に沈着して平面上に配置され、
溶媒を蒸発、乾燥させることにより塗布層の内、インク
材料120の溶解液は厚さが減少する。従って加える溶
媒量を制御することにより、φ>tの関係を満足するイ
ンク材料層120の厚さtを任意に制御できるのみなら
ず、補助粒子123としてホットメルト材料も使用する
ことができる等、優れた効果を示す。
【0064】この場合、色材122としての顔料はその
二次粒子の粒径が、インク材料層120の厚さtよりも
小に選ばれることはいうまでもない。
【0065】図4は、本発明にかかる熱転写記録シート
のたの実施例の構造断面図である。本実施例は、図1と
比較して、記録媒体200圧接時におけるかぶり転写を
改良するとともに、さらに良好な階調記録特性を得るこ
とを目的としている。
【0066】図1においては補助粒子123の突出部表
面123b上に色材122を含むインク材料120’が
付着していた。このような場合、バインダー材料121
が柔らかい(針入度が大きい)場合には、記録媒体20
0による圧接において色材122を含むインク材料12
0’が転写し、このかぶり転写により記録画像の品質を
低下させる場合がある。一方、粒子表面123bを介し
ての溶融インク材料の浸透150を容易にするためや、
補助粒子123の記録媒体表面200aへの付着、転写
には表面123bは予めインク材料120’で濡れてい
ることが望ましい。
【0067】このようにして上記の条件を満足し、かつ
かぶり転写を改良するため、図4では、粒子表面123
bに付着するインク材料を120bの如く、材料120
部より色材122の含有量が少ないか、もしくは全く含
まないいわゆるバインダー材料121リッチなインク材
料で構成する。さらに、低転写記録濃度域(即ちパルス
幅Pwが狭い領域)の改善には粒子表面123a部に位
置する溶融インク材料140b(図3(b)参照)は効
果的に低粘性化することがより効果的である。
【0068】このようにして上記の改善に、本実施例で
インク材料120cで例示した如く、補助粒子123近
傍即ち表面123a部に位置するインク材料の色材12
2含有量を少なくとも補助粒子123間中央部に位置す
る材料120部より少なくしたいわゆるバインダーリッ
チなインク材料で構成する。このようにすることによ
り、120cは、バインダー材料121本来の熱粘性特
性に基づき昇温書き込みにより有効に低粘性化し、表面
123a,123bを介して効果的に記録媒体表面20
0aへの浸透150を開始すると共に、表面200aへ
の補助粒子123の付着、転写よりも効果的に行え、高
転写濃度で、階調性に優れた記録特性が得られる利点が
ある。
【0069】このようなバインダー含有量の多いインク
材料120b、さらには120cは色材122として顔
料を用い、ソルベントコーティング法で溶媒を多くして
熱転写層130を形成すると容易に作成できる。
【0070】即ち前述の溶解懸濁材料液を基体表面11
0a上に所期の厚さに成層し、その溶媒を蒸発、乾燥さ
せると、その蒸発量の増加とともに、溶解懸濁材料液層
の厚さは徐々に減少する。
【0071】いま溶解懸濁材料液の粒子表面123bに
対する濡れ角(接触角)を90度以下に小に選んでおく
と、懸濁材料液層はその厚さが補助粒子123の径φ以
下では常に上述の濡れ角を保持して懸濁材料液面と粒子
表面123bの接触縁端が乾燥、固化する。即ち溶解懸
濁材料液の内バインダー材料溶解液は、この乾燥、固化
に対応して選択的に粒子表面123b、さらには123
aに移動、引き寄せられて乾燥、固化されるため、結果
として補助粒子123間の中央部に位置するインク材料
層120と比較して、バインダー材料121の含有量が
大なるインク材料120b、さらには120cが形成さ
れる。この場合。材料構成を適当に選ぶと、120b、
120cの顔料含有量は無視できる程度にまで低下させ
ることができる利点がある。
【0072】このように、ソルベントコーティング法に
よるとかぶり転写及び階調特性が改善された熱転写記録
シートが製造できる優れた効果がある。なお、この場
合、顔料とともに染料を混合した色材122の構成では
染料はバインダー溶液に含まれて移動するために材料1
20b、120c内に含有され得るが、染料混入量を適
当に選ぶことにより、低パルス幅領域の階調性と転写濃
度が改善される利点がある。この場合、染料と顔料の色
彩を異ならせるとパルス幅Pwに対応して、低パルス幅
域では染料色彩、高パルス幅域ではこれに顔料色彩が混
色してマルチカラーの転写記録160が得られる利点が
あり、転写記録160の色彩調節に使用することもでき
る。
【0073】なお、図も111の如く、基体裏面110
b面に、例えばポルサルフォン樹脂等の耐熱樹脂にシリ
カ微粉末等の高融点無機粉末を混入した耐熱性滑剤層を
設け、サーマル記録ヘッドの昇温制御による基体シート
110のスティックや耐熱性を改良することもできる。
【0074】図5は、本発明の熱転写記録シートの他の
実施例の断面構造図である。本実施例においても、図4
で説明したと同様に熱転写層130はソルベントコーテ
ィング法で製造される。
【0075】図示のようにφ>tの関係を満足する補助
粒子123の粒径φは適当なる分布を有している。基体
裏面110bからの昇温書き込みによる各補助粒子12
3の受け取る熱エネルギーはその断面積、従ってφ2
比例する。然るに各粒子123の熱容量はその体積、そ
れゆえφ3に比例する。そのため、粒径φの小なる程、
所要の温度上昇を示し、記録信号のパルス幅Pwの小な
る領域で溶融インクの浸透、押し出し150及び粒子1
23の記録媒体面200aへの付着、転写が起こるのに
対し、φの大なる粒子123ではこれらはPwの大なる
領域で生じる。
【0076】従って補助粒子123の粒径φを適当に分
布を持たせ異ならせておくと、パルス幅Pwの増加とと
もにφに小なる補助粒子123からφの大なる粒子12
3へと順次Pwに対応して転写記録160を生じるた
め、適当に広いPw領域にかつ連続階調性に優れた転写
記録特性が得られる利点があるとともに、この粒径分布
を変えることにより、ガンマ特性等の転写記録特性を調
節することもできる。
【0077】なお、図5に例示する如く、インク材料層
120に、その裏面120a’から表面120a側に実
質的に貫通する微細な貫通孔124を配し、インク材料
層120を多孔性に構成すると溶融インク材料140a
(図3(a)参照)はその溶融時の熱膨張や毛細管現象
等により、その溶融量及び粘性低下に対応して貫通孔1
24を矢印151の如く浸透し、貫通孔124の内壁さ
らには表面120a部のインク材料120を溶融し、記
録媒体表面に付着、転写されるため、補助粒子表面12
3b、123aを介しての浸透150と相まって連続階
調記録特性をさらに改良することができる。
【0078】この改良は補助粒子123の粒子配置密度
が少なく、記録媒体表面200aがインク材料層表面1
20aに直接、圧接されるような場合に顕著である。
【0079】貫通孔124の孔径は溶融インク材料14
0aの内、少なくとも溶融したバインダー材料121が
浸透可能であれば良く、0.1μm以上に選ばれる。例
えば色材122として通常の印刷インクに使用される顔
料を使用する場合、その平均二次粒径は最高でも1.2
μm以下であるので、この顔料も透過可能なようにこの
粒径1.2μmよりも大なる平均粒径に貫通孔151を
構成することが望ましい。特にこの場合、顔料の粒径分
布の最大値が通常5μm以下であるとことを考慮する
と、貫通孔151の平均粒径は5μm以上に選ぶと、さ
らに顔料色材122の浸透151を容易にする。
【0080】貫通孔124は、図4に既述の如く、熱転
写層130をソルベントコーティング法で製造する場
合、バインダー材料121に対する溶媒さらにはこれに
非溶媒を加え、これらの乾燥乃至は蒸発の速度を制御
し、インク材料層120に発生するピンホールを制御す
ることにより容易に形成できる。
【0081】図6は本発明にかかる熱転写記録方法に用
いる熱転写記録シートのさらに他の実施例の断面構造図
である。
【0082】本実施例では、基体110とインク材料層
120との間に中間層124が設けられ、補助粒子12
3はこの中間層124により基体表面110aから浮い
て配置される。中間層124の厚さt’は通常、インク
材料層120の厚さtよりも薄く、例えば1.5μm以
下に構成される。
【0083】中間層124は、例えばインク材料層12
0と同種のインク材料層、乃至はこれより低い融点乃至
は流動点を有するホットメルト材料層乃至はインク材料
層で構成することができる。この場合、インク材料層1
20と同色彩乃至は異なる色彩の色材を含有させること
もできる。
【0084】上記の構成で、補助粒子123の粒径φを
t+t’以上に選んでおくと、図3(a)の如く記録媒
体200からの押圧力400により、溶融、低粘性化し
た高温の中間層124は補助粒子123を介して圧力が
かけられ、粒子表面123a,123b、さらには貫通
孔150を介して記録媒体200側に浸透、押し出され
る。
【0085】この浸透する中間層材料は一種の熱伝導媒
体としても働き、この浸透、押し出し過程でインク材料
層120に溶融熱を供給することができ、インク材料層
120の記録媒体200への転写を助勢し、転写記録特
性を改善することができる。この場合、色材122と同
色彩の染料乃至は顔料色材で中間層124を着色してお
くと、転写記録160の記録濃度が改良され、一方さら
に異なる色彩に選択すると記録信号のパルス幅Pwに対
応して転写記録160の色彩を変化させることができ
る。
【0086】また中間層124としてバインダー材料1
21よりも高融点の例えばポリビニルブチラール、エチ
ルセルローズ、ポリエステル樹脂等を基体表面に塗布し
てこの上にインク材料層120を配して接着強度の改良
をおこなうこともできる。
【0087】中間層124はホットメルトコーティング
法やソルベントコーティング法で作り、この上に中間層
124を著しく溶解しないよう溶媒を選び、ソルベント
コーティング法で熱転写層130を形成して図6の熱転
写記録シートが製造できる。
【0088】図7は本発明にかかる一実施例の熱転写記
録シートを用いた熱転写記録装置のシステム構成図であ
る。
【0089】510はリニア型ターマル記録ヘッドで、
昇温記録511には抵抗発熱素子が例えば4ドット/m
mの密度で配置される。この昇温記録部511と金属や
耐熱プラテン610との間に、記録媒体200と熱転写
層130を有する熱転写記録シート(転写体)100と
を介挿・圧接し、プラテン610の矢印611の如き回
転により矢印612,613の如く紙送りする。62
1,622はそれぞれ記録媒体ロール、巻き取りロー
ル、631,632はそれぞれ転写体ロール、巻き取り
ロールである。520は、記録ヘッド510の抵抗発熱
素子それぞれの入力画像信号500Bに対応してパルス
幅変調された発熱制御電気信号500Aを、紙送り61
2,613に同期して線順次で変換供給する変調電源装
置である。記録ヘッド510により、記録部511に対
応した熱転写層130Aを、基体110を介して線順次
で昇温記録制御する。本実施例では、記録画素それぞれ
の内に多数個の補助粒子123が位置し、電気信号50
0Aのパルス幅Pwに対応して発熱素子の発熱が制御さ
れ、この昇温記録制御によって溶融したインク材料14
0が微細な多数個の補助粒子123を介して浸透し、補
助粒子123と共に記録媒体面200aに転写され、信
号500Aのパルス幅Pwに対応した連続記録階調の記
録濃度で、記録画素全面にわたって転写記録160が得
られる。
【0090】この場合、所期の転写記録濃度を得るため
にはある一定以上のパルス幅Pwに対しては溶融インク
材料140が付着した補助粒子123が、記録媒体表面
200へ付着、転写する必要のあることは既述の通りで
ある。そのため、上記のパルス幅Pw領域においては、
記録信号パルス500A印加後、溶融インク材料140
が冷却し、元の固形形態に復帰以前にあって、補助粒子
123表面における溶融インク材料140が流動性を
ある程度保持し、補助粒子123が媒体表面200aへ
の転写性を保持している状態で素早く記録媒体200と
熱転写記録シート100とを剥離する手段を付与する
この剥離は、記録画像の剥離ムラを防止するため記録部
511から一定距離(一定時間)走行した後で行う。
【0091】本実施例では紙送り612,613の張力
を強くし、記録部511を過ぎた状態で、例えばストリ
ッパー700によって素早くシート100と媒体200
を剥離し、上記の条件を満足させる。
【0092】また、微細な補助粒子123、さらには中
間層124を介して粘性低下したインク材料120、さ
らには補助粒子123を記録媒体200に付着、転写さ
せる。従って高画質の階調画像の転写には、これらの転
写を保証する平滑度が記録媒体表面200aに要求され
る。実験によると、ベック平滑度が104秒以上の滑ら
かな表面を持つ、記録紙やプラスチックシートが記録媒
体200としては望ましい。
【0093】フルカラー画像記録では、シアン、マゼン
タ、イエロー、さらには黒色のインク材料120を重ね
転写するが、本発明の熱転写記録シート100において
は、シート100に補助粒子123が存在し、また記録
媒体表面200aにも粒子123が転写されるため、先
行した転写記録160の表面160aと後行するシート
100のインク材料表面120aが補助粒子123がス
ペーサーとなり、さらに圧着する確率が減少し、先行転
写記録による後行インク材料層120aへのバック転写
や、後行のインク材料120の過度の転写記録が防止さ
れ、良好なフルカラー転写記録が行える利点がある。
【0094】以下本発明にかかる熱転写記録方法の実験
例について述べる。記録ヘッド510としては4ドット
/mmで512総ドット数のリニヤ型サーマル記録ヘッ
ドを用い、断りのない限りその1ドット当たりの記録印
加電力は0.6W/ドット、主走査記録速度は16.6
ミリ秒/ライン、副走査線記録密度4ライン/mm、記
録信号500Aは6ビットでパルス幅Pw変調、最大変
調パルス幅は4ミリ秒である。シート状の基体110は
裏面に滑性耐熱層111を設けた厚さ9μmのポリエチ
レンテレフタレート(PET)フィルムを用いた。記録
媒体200としては、厚さ150μmのポリプロピレン
合成紙を用い、その表面200aはベック平滑度は10
4秒以上に構成されている。熱転写シート100と記録
媒体200の圧接力400は、3.5kg/cm2であ
る。
【0095】バインダー材料121としては、脂環族飽
和炭化水素樹脂及び固体パラフィンからなるホットメル
材料の内、少なくとも前者、乃至は前者と後者の両方を
インク材料120に含有させることにより、極めて良好
な連続階超転写記録が行える。
【0096】<熱転写記録シートの構成例1>バインダ
ー材料121として融点が約70℃の脂環族飽和炭化水
素樹脂50部(以下全て重量)融点が50〜52℃の固
体パラフィン20部、色材122としてカーボンブラッ
ク30部、分散剤2.5部、補助粒子123として平均
粒径φmが3μmの酸化アルミニウム(Al2O3)粉末粒
子100部、溶媒としてキシレン400部を加えて混練
した懸濁溶液を#3の市販のバーコーターで基体表面1
10aに、ソルベントコーティングする。続いてキシレ
ン溶媒を乾燥させて厚さ約3μmの熱転写層130を形
成した。なお、この場合、補助粒子123は粒子の粉砕
による粒径の減少および不透明性の増加を防止するた
め、コーティング前に懸濁溶液に混合分散させてもよ
い。
【0097】図8に、記録信号500Aのパルス幅Pw
と転写記録160の光学濃度Dとの関係を示す実験特性
を記した。図に示す如く、Pwの増加に対応して記録媒
体表面200aの光学濃度Doから転写記録濃度Dは滑
らかに立ち上がり、極めて優れた連続階調特性を有する
ことが明らかである。なお、本実施例における熱転写層
130の塗工量は約1.6g/m2であった。
【0098】<熱転写記録シートの構成例2>構成例1
に加えてカーボンブラックの替わりに色材122として
シアン色顔料(CI Pigment Blue 15)30部を加え、
Al2O3粒子に替え補助粒子123として平均粒径3μm
の溶融石英粉末粒子を30部加え、分散剤を1部とした
厚さ約3μmの熱転写層130を有する熱転写記録シー
ト100は、図8と同様にPwが0〜4ミリ秒の間で良
好な連続階調の転写記録特性が得られた。
【0099】<熱転写記録シートの構成例3>構成例2
において、シアン色顔料の替わりに、色材122として
イエロー色顔料(CI Pigment Yellow 12)を30部加
えた厚さ約3μmの熱転写層130を有する熱転写記録
シート100は、図8と同様にPwが0〜4ミリ秒の間
で良好な連続階調の転写記録特性が得られた。
【0100】<熱転写記録シートの構成例4>構成例2
において、シアン色顔料の替わりに、色材122として
マゼンタ色顔料(CI Pigment Red 57:1)30部を加
えた厚さ約3μmの熱転写層130を有する熱転写記録
シート100は、図8と同様にPwが0〜4ミリ秒の間
で良好な連続階調の転写記録特性が得られた。
【0101】<熱転写記録シートの構成例5>構成例2
において、補助粒子123として平均粒径約5μmのカ
ルナウバワックス(融点約83℃)粒子25部、平均粒
径5μmの溶融石英粉末粒子12.5部からなる混合材
料で形成し、#5のバーコーターでソルベントコーティ
ングして厚さ約5μmの熱転写層130を形成した熱転
写記録シート100は、図8と同様にパルス幅Pwが0
〜4ミリ秒の間で良好な連続階調の転写記録特性が得ら
れた。
【0102】補助粒子123としてのカルナウバワック
スは、常温(例えば25℃)ではキシレン溶媒に殆ど溶
解せず、また構成例2、従って構成例1のバインダー材
料121とは常温でソルベントコーティングするとカル
ナウバワックスはバインダー材料121よりも高融点の
ホットメルト型の補助粒子123が形成でき、高Pw域
ではインク材料120と共に、溶融乃至はバインダー材
料121と相溶して記録媒体表面200aに転写される
ため、高感度の熱転写記録シートが構成できる利点があ
る。
【0103】なお、以上において、既述の種々の材料を
適宜利用することもできる。図9は本発明にかかる熱転
写記録方法を実現する熱転写記録装置の他の実施例のシ
ステム構成図である。なお、説明の便宜上、タイミング
機構は図示省略されている。
【0104】本実施例は記録媒体200としてカット紙
を、またインク材料層として、シアン色120C、マゼ
ンタ色120M、イエロー色120Yをダンダラ状に基
体110上に面順次で順次配置した転写体100を用い
て、フルカラー画像の熱転写記録を行う例で、631は
転写体ロール、632は転写体巻き取りロールである。
【0105】リニヤサーマル記録ヘッド510を矢印5
12Bの如く移動し、記録プラテン610Bから離す。
巻き取りローラー632を矢印632Aの如く回転し、
転写体100を矢印613の如く紙送りし、シアン記録
材料相120cの先端をヘッド500の記録部511に
頭出しする。
【0106】プラテン610Bを矢印611Aの如く回
転させ、紙ロック機構610bが給紙台640に対応す
る位置に来た状態で、紙送りローラー641によってカ
ット紙200を給紙し、その先端をロック機構610b
により固定する。そしてプラテン610Bの回転611
Aによってカット紙200の先端がヘッド510の記録
部511を少し過ぎた状態で、ヘッド510を矢印51
2Aの如く移動し、記録部511とカット紙200との
間にシアン記録材料層120cを有する転写体100を
圧接する。
【0107】この状態で入力画像信号500Bのシアン
信号を変調電源装置520で記録階調に対応してパルス
幅変調し、このシアン信号を発熱制御電気信号500A
として先順次でヘッド510に加える。この線順次周期
に同期せしめてプラテン610Bを611Aの如く回転
してカット紙200を紙送りするとともに、転写体10
0を矢印613の如く紙送りする。
【0108】このようにすることにより、シアン記録材
料層120cは基体110を介して線順次で昇温記録制
御され、そのパルス幅に対応して各画素では溶融したイ
ンク材料120さらには補助粒子123がカット紙20
0に浸透、転写し、連続階調でシアン色の転写記録16
0Cが線順次で得られ、シアン色画像が階調転写記録さ
れる。
【0109】このようにしてロック機構610bが再び
記録部511に近ずくと、ヘッド510を矢印512の
如く移動して離し、マゼンタ記録材料層120Mの頭だ
しをする。機構610bが記録部220を通過すると、
再び矢印512Aの如く圧接する。そしてシアン転写記
録画素160Cに所定の位置あわせをした状態で、信号
500Bのマゼンタ成分に対応したマゼンタ信号500
Aをヘッド510に線順次印加し、シアン転写記録16
0Cへマゼンタ転写画像を得る。
【0110】以下同様にしてイエロー転写記録160Y
を、重ね転写記録を行い、これが終了した状態でヘッド
510を矢印512Bの如く離し、プラテン610Bを
矢印611Bの如く逆回転させると、カット紙300は
その後端から給紙台640に紙戻しされて出てくる。
【0111】このようにして、カット紙から成る記録媒
体200には、転写記録160C、160M、160Y
が重ね転写されフルカラー画像がいわゆる熱浸透転写記
録される。
【0112】以上は、シアン、マゼンタ、イエローの3
原色によりカラー記録したが、これにさらに黒を加えて
4原色でカラー記録することもでき、また、その転写順
位は必要に応じて任意に変えることができる。
【0113】本発明にかかる熱転写記録シート100を
用いた熱転写記録装置では、図7で説明したように、補
助粒子123の存在により、安定な重ね転写記録がで
き、良好なフルカラー画像の転写記録が行える。
【0114】例えば、リニヤ型サーマル記録ヘッド51
0の記録密度は4ドット/mm(総数512ドット)、
押圧力3.5kg/cm2、印加記録電力0.6W/ド
ットにおいて、シアン、マゼンタ、イエローの順に面順
次デビデオ静止画をフルカラー転写記録すると記録信号
500Aの最大パルス幅4ms、そのパルス幅変調が6
bit主走査画像数480ドット、主走査線記録速度1
6ms/線、副走査線密度4線/mm、副走査線総数6
20線において、それぞれの原色色彩画像は、9.92
秒で転写記録でき、紙送り等の時間も含めて1毎のカラ
ービデオ画像が40秒で、高速度、高記録濃度、かつ良
好な階調のフルカラー画像記録ができた。なお、フルカ
ラー記録においては、シアン、マゼンタ、イエロー、さ
らには黒を加えた3乃至4原色色彩の独立した転写体と
3乃至は4個のリニヤサーマル記録ヘッドを用い、原色
色彩を独立に重ね転写記録することもできる。
【0115】以上のように、昇温記録によって、その粘
性が減少制御され、記録媒体への転写性が付与される関
係にあるインク材料を有し、且つこのインク材料の構成
成分たるバインター材料よりも高い融点乃至は流動点を
有すると共に、このインク材料からなる層の厚さ以上の
粒径を有するインク転写補助粒子を前記インク材料に混
入せしめた熱転写層を、シート状の耐熱性基体の一方の
面側に配置した熱転写シートを用い、この熱転写インク
シートと記録媒体とをサーマル記録ヘッドの記録部と、
これに対向する記録プラテンとの間に重ねて介挿、圧接
させるとともに前記熱転写インクシートと記録媒体とを
同時に同方向に紙送りする関係にあって、前記耐熱性基
体も他方の面側に前記サーマル記録ヘッドが圧接され、
前記熱転写表面に記録媒体を圧接した状態で、前記基体
を介して熱転写層をサーマルヘッドで昇温記録制御し、
この昇温記録制御が終了するとともに、この昇温記録制
御された熱転写層が、前記記録部を通過し、かつ前記バ
インダー材料の粘性が元の状態に復帰する以前におい
て、前記熱転写記録シートと記録媒体とを剥離し、前記
インク転写粒子表面にインク材料が付着、転写せしめる
ことを原理とする熱転写記録方法および熱転写記録装置
によると、連続階調の良好な熱転写記録が実現できる。
【0116】特に、中間調画像の熱転写記録において、
上記の熱転写記録シートと記録媒体の剥離条件を満足し
た状態で、かつ熱転写記録シートと記録媒体の各部が、
前記記録から一定の距離(即ち上昇記録制御から一定の
経過時間後)遠ざかった状態で、剥離するように構成す
ると低階調部でもむらのない極めて良好な中間調画像が
得られる利点がある。
【0117】なお、例えば図6の如く、厚さt’の中間
層124を有する構造の熱転写記録シート100におい
て、φ>t+t’の関係に粒径φを選んだ補助粒子12
3を基体表面110a上にソルベントコーティング法や
ホットメルト法等で中間層124を成層する時、中間層
124の構成材料に混合し、粒径φの一部が中間層12
4内に埋設されるように成層し、この粒子123が突出
した中間層124の凹凸形成面にインク材料120のみ
をソルベントコーティング法等で塗布して厚さtの層1
20を形成することもできる。
【0118】なお、この場合、中間層124および補助
粒子123の両方を共に高融点、非熱転写性に構成する
ことができる。この場合には、補助粒子123は記録媒
体面200aに付着、転写されず、インク材料120の
みがその粘性低下に対応して補助粒子表面を伝わって記
録媒体表面200へ浸透し、付着、転写されることにな
る。従って、転写記録160は補助粒子123を含まな
いため、カラー転写記録等の場合、色純度の良いカラー
転写記録等が行える。
【0119】なお、構成例1において、補助粒子123
のAl2O3粉末粒子を溶融石英粉末粒子に、また構成例2
〜5における補助粒子123の溶融石英粉末粒子をAl2O
3粉末粒子に替えても同様に良好な転写記録が行える。
【0120】これらの補助粒子123は必要に応じて既
述の条件を満足する限りにおいては他の無機乃至は有機
粉末粒子に替えることができる。
【0121】なお、昇温記録制御を主としてサーマル記
録ヘッドで行う場合について例述したが、中間層12
4、さらには補助粒子123等を光吸収性にし、これら
に光熱変換効果を持たせることにより、基体裏面110
b側から、レーザービーム等の光エネルギーで昇温記録
制御しても、同様に転写記録できることは明かである。
【0122】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、昇温記録
制御によって粘性低下したインク材料をインク転写補助
粒子を介して浸透せしめると共に、インク転写補助粒子
とともに記録媒体に転写せしめる熱転写記録方法であっ
て、従来の溶融転写記録方式では困難であった時に顔料
色材による連続階調の転写記録を可能とし、OA、H
A、ニュウメディア、ファクシミリ分野等のモノクロ乃
至はフルカラープリンターとして、その産業上の効果は
極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録方法に用いる熱転写記録シ
ートの一実施例の断面構造図
【図2】図1の熱転写記録シートの熱転写層の表面平面
【図3】図1の熱転写記録シートを用いた熱転写記録方
法を例にとっての転写原理説明図
【図4】本発明にかかる熱転写記録方法に用いる熱転写
記録シートの他の実施例の断面構造図
【図5】本発明にかかる熱転写記録方法に用いる熱転写
記録シートの他の実施例の断面構造図
【図6】本発明にかかる熱転写記録方法に用いる熱転写
記録シートの更に他の実施例の断面構造図
【図7】本発明にかかる熱転写記録方法を実現する熱転
写記録装置一例のシステム構成図
【図8】本発明にかかる熱転写記録方法の一実施例の実
験特性図
【図9】本発明にかかる熱転写記録方法を実現する熱転
写記録装置の他の例のシステム構成図
【符号の説明】
100 熱転写記録シート 110 耐熱性基体 120 インク材料 121 バインダー材料 122 色材 123 インク転写補助粒子 130 熱転写層 200 記録媒体 300 昇温記録信号 310 記録画素 400 押圧力 500A,500B 電気信号 510 サーマル記録ヘッド

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材と昇温によって粘性が低下して記録
    媒体への転写性が付与されるバインダー材料とからなる
    インク材料を有し、且つ前記バインター材料よりも高い
    融点乃至は流動点を有すると共に、前記インク材料から
    なる層の厚さ以上の粒径を有するインク転写補助粒子を
    前記インク材料に混入せしめた熱転写層を、シート状の
    耐熱性基体の一方の面側に配置した熱転写シートを用
    い、この熱転写シートの前記熱転写層を前記記録媒体に
    押圧した状態で前記インク材料を昇温記録制御し、この
    ときの加熱量に応じて前記インク材料および前記インク
    転写補助粒子の前記記録媒体への転写量を変化させて階
    調記録することを特徴とする熱転写記録方法。
  2. 【請求項2】 熱転写記録シートが、シート状の耐熱性
    基体と熱転写層との間に、インク転写補助粒子を含まな
    いインク材料から成る層を介在せしめたことを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の熱転写記録方法。
  3. 【請求項3】 熱転写記録シートが、インク材料層に埋
    設されているインク転写補助粒子の周囲、及び耐熱性基
    体に対して反対側のインク転写補助粒子表面に、インク
    材料からなる層よりも色材含有率の小なる前記インク材
    料を形成せしめたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の熱転写記録方法。
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