JP2558040C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2558040C
JP2558040C JP2558040C JP 2558040 C JP2558040 C JP 2558040C JP 2558040 C JP2558040 C JP 2558040C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adjusted
fabric
air permeability
treatment
tenter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Akzo Nobel NV
Original Assignee
Akzo Nobel NV
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、試験差圧500Paで測定して、<120l/dm2・minの範
囲内の意図的に調整された通気性を有する工業織物並びにその製造方法に関する
。 【0002】 【従来の技術】 工業織物の多数の用途のためには、意図的に調整された通気性が極めて重要で
ある。このための例としては、パラシュートの裏地の織物、ガスフィルタ装置の
ための織物、ジャンピングクッションを製造するための織物等が挙げられる。 【0003】 このことは特にエアバック織物に関して当てはまる。エアバックは一般に異な
った通気性を有する2つの織物からなる。エアバック機能のレリーズの際に自動
車乗員に向けられるコンタクト部分のためには、試験差圧を500Paで測定し
て、<10l/dm2・minの極端に低い通気性が所望される。この織物に向
かって、ゼネレータから発生したガスは流れ、かつエアバックを膨らます。 【0004】 しかし、自動車の衝突の場合の自動車乗員のエアバックのソフトな受け止めは
、ガスの一部が乗員に衝突する際にエアバックから逃げることができる前提が満
足される際にのみ可能である。この理由から、エアバックのためには異なった通
気性を有する一体製造された織物が使用されるか、又は通気性を意図的に異なっ
た値に調整された2枚の織物が縫い合わされる。その際、このようなエアバック
は、極めて低い通気性を有する前記のいわゆるコンタクト織物と、ゼネレータガ
スの意図的に配量された流出を可能にする著しく高い通気性を有するいわゆるフ
ィルタ織物とからなる。該フィルタ織物は、一般にエアバックの側面部分に設け
られる。フィルタ織物のためには、試験差圧500Paで測定して、20〜12
0l/dm2・minの通気性が必要である。 【0005】 ヒトを怪我から保護するために役立つあらゆる材料のためには、これらの材料
の一旦調整された特性が長時間に亙って維持されかつ極端な条件下でも変化しな
いという不可避的要求が生じる。これらの要求は、特に、事故の際に乗員の保護
に役立つエアバックのために設定される。例えば、エアバックのコンタクト織物
とフィルタ織物の両者の一旦調整された通気性は、いかなる時も、また自動車の
長時間の運転後も事故の際に乗員の保護が保証されるべき場合に、変化せずに維 持されねばならない。長時間に亙ってかつまた極端な条件下で不変に維持される
通気性のためには、一般に表現“耐老化性”が使用される。 【0006】 エアバックのフィルタ織物のためと同様に、意図的に調整された通気性を有す
る別の工業織物に関しても、特にヒトの保護に役立つ場合には、最適な耐老化性
に対する要求が課されるべきである。従って、この要求は、パラシュート、ジャ
ンピングクッション等のための上記織物のためにも、この要求は不可避である。 【0007】 エアバック並びに低い通気性に関して類似した要求が課せられる別の工業織物
ためのコンタクト織物を製造するために、欧州特許公開第436950号明細書
に、必要な低い通気性の調整を可能にする方法が記載されている。コンタクト織
物に比較して明らかに高い通気性を必要とするエアバック用のフィルタ織物のた
めにも、該方法を使用することができる。調整された通気性の良好な耐老化性を
保証するために、いかなる操作パラメータに注意すべきかは、該明細書には開示
されていない。欧州特許公開第436950号明細書に記載された方法は、ポリ
アミド糸からなる織物のためにだけ好適であるにすぎない。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 従って、ユーザの安全性を高める冒頭に記載した種類の工業織物並びにその製
造方法を提供することであった。 【0009】 【課題を解決するための手段】 この課題は、請求項1記載の織物及びその製造方法により解決される。 【0010】 ところで驚異的にも、織物工場における、湿式加工並びに乾燥の際の操作条件
を相互に正確に調和させかつなかんずく乾燥後の冷却及び巻き取り条件を、以下
に記載するように、極めて精確に注意すれば、最適な耐老化性と同時に意図的に
調整された通気性を有する工業織物が得られることが判明した。 【0011】 意図的に調整された通気性を有するエアバック織物及びその他の工業織物を製
造するためには、しばしばフィラメント糸の形のポリアミド繊維が使用される。
ポリアミド6.6が特に好ましいことが立証されている。しかしまた、別の合成
繊維、例えばポリエステル繊維も、この用途のために極めて好適であることが立
証された。 【0012】 工業織物のためには、230〜940dtexの糸番手が特に好適であること
が立証された。特にエアバックのためには、特に235,350及び470dt
exの番手が使用される。モノフィラメントの数は、235dtexで36、3
50又は470dtexの番手で72であってよい。 【0013】 織物製造のために使用されるポリアミド糸は、更に有利には少なくとも60c
N/texの強度及び15〜30%の伸び率を有する。この用途のためのポリエ
ステル糸は、少なくとも60cN/texの強度及び10〜25%の伸び率を有
する。 【0014】 コンタクト織物とフィルタ織物に使用されるポリアミド糸は、収縮率が異なる
。フィルタ織物を製造するには2〜4%の熱気収縮率(190℃で測定)を有す
る糸を使用するが、コンタクト織物のためには7〜10%の熱気収縮率(190
℃で測定)を有する糸を使用する。収縮率の差異は、フィルタ織物とコンタクト
織物のための異なる通気性要求から生じる。コンタクト織物において低い通気性
のためには、緻密な織物、ひいては湿式処理の際の強力な収縮解放が必要であり
、このために高い出発収縮率が必要である。 【0015】 エアバック織物を製造するためにポリエステルフィラメント糸を使用する際に
は、相応する熱気収縮率はフィルタ織物のためには1〜4%(190℃で測定)
及びコンタクト織物のためには5〜9%(190℃で測定)である。 【0016】 意図的に調整された通気性のために、製織の際にたて糸とよこ糸の糸数は正確 に糸番手に調和させるべきである。例えば、平織でたて糸とよこ糸に16/cm
の糸数で2〜4%の熱気収縮率(190℃で測定)を有するポリアミド6・6糸
で72モノフィラメントを有する470dtexの番手(470f72)を使用
する際には、湿式加工で以下に詳細に説明する条件を維持しかつ乾燥すると、仕
上げ加工した織物において、試験差圧500Paで測定して、約80l/dm2
・minの通気性が達成される。上記番手で糸数をたて糸とよこ糸で19/cm
に高めると、以下に記載する条件を維持することを前提として、試験差圧500
Paで測定して、約30l/dm2・minの通気性が得られる。36モノフィ
ラメントを有する235dtexの番手(235f36)を使用すると、仕上げ
加工した織物の通気性は、たて糸とよこ糸で26/cmの糸数で加工した場合、
試験差圧500Paで測定して、約40l/dm2・minである。全ての前記
のデータは、2〜4%(190℃で測定)の熱気収縮率を有するポリアミド6・
6糸の使用に関する。 【0017】 織物は対称的製織パターンでの平織で製造するのが有利である。より小さい番
手のためには、必要とされる製品の感触のために、対称的製織パターンでのパナ
マ織2/2を選択することもできる。より高い通気性を有するエアバックのフィ
ルタ織物のためには、平織とは異なる、一層良好なシームの滑り防止性をもたら
す織方が有利な場合もある。このための例としては、綾織、パナマ織又はクレー
プ織が挙げられる。 【0018】 対称的製織パターンとは、たて糸とよこ糸が少なくとも実質的に同じ糸数を有
し、しかもよこ糸とたて糸が少なくとも近似値的に同じ繊維特性、例えば強度、
切断伸び率及び熱気収縮率を有することを表す。織物の対称的製織パターンは、
たて糸とよこ糸が同じ強度を有するという要求を簡単に満足せしめることができ
る。この要求は、特に自動車製造者によってエアバックにおいて要求される、そ
れというのもエアバックにおいては優先方向を持たない半径対称構造が重要であ
るからである。 【0019】 織物工場で前記条件に基づき製造した織物を、水浴中で60〜140℃で処理
する。この場合、収縮解放が行われ、織物が緻密化される。 【0020】 水浴中での処理のためには、90〜100℃の温度が有利である、それという
のもこの温度範囲は意図的に調整された通気性に関して極めて好ましいことが立
証されているからである。特に有利であるのは、95℃の処理温度である。この
場合有利であるとして挙げられる温度は、湿式処理のための機械選択に関して、
100℃を越える温度におけるよりも制限が軽減されるからである。 【0021】 水浴内での処理は、例えば繊維加工において幅出し洗浄のために利用されるす
べての機械で行うことができる。幅出洗浄機が好ましいことが立証された。もち
ろん、このような処理のためにはジガーも好適である。 【0022】 100℃を越える温度で作業する場合には、このためには機械としてHTジガ
ーが挙げられる。この場合には、140℃までの処理温度が可能である。 【0023】 この湿式処理は、同時に場合により製織の前に施されたサイズの除去も行う。
このことは、織物、例えば自動車のハンドル内のエアバックの部分的に極めて長
い貯蔵の際に織物のバクテリヤによる侵害を回避するために有利である。 【0024】 一般にサイズ加工せずに使用されるたて糸においてより糸を使用する際にも、
水浴内での処理は同時に繊維製造から糸上に場合により存在する製剤の除去を行
う。 【0025】 前記の処理温度は、ポリアミド糸にもまたポリエステル糸にも当てはまる。 【0026】 湿式処理において選択すべき処理時間並びに場合による浴への添加物は、除去
すべきサイズ又は製剤により決まり、かつ当業者に周知である。 【0027】 前記の特性を有するポリエステル糸を使用すると、十分な収縮解放及び織物緻
密化は前記の湿式法では不可能である。ポリエステル糸からなる織物の場合には
、熱気処理により付加的な収縮解放を行う。 【0028】 この場合には、湿式処理後に、ポリアミド糸とポリエステル糸からなる織物の
後処理において根本的な差異が生じる。ポリアミド糸からなる織物の場合には湿
式処理により所望の通気性を調整するために十分な収縮解放、ひいては織物緻密
化が達成されるが、ポリエステル糸からなる織物の場合にはこのために付加的な
熱気処理が必要である。 【0029】 熱気処理のための以下の実施態様は、ポリアミド糸からなる織物に関する。ポ
リエステル糸からなる織物の場合には、なお以下に詳細に記載する、熱気処理に
おける別の条件に留意すべきである。 【0030】 湿式処理後に、長い貯蔵時間を置かずにポリアミド糸からなる織物の乾燥を実
施すべきである。 【0031】 この乾燥は有利にはテンターで実施する。この場合、織物は3〜5%のリード
でテンターに走入させるべきである。 【0032】 乾燥温度は極めて重要である。これは150℃を上回るべきでない。140〜
150℃の温度が好ましいことが判明した。より高い乾燥温度は、織物の熱固定
を惹起し、ひいては通気性を低下させる恐れがある。その際には、この多くの工
業織物のために極めて重要である特性の意図的調整は、もはや保証されない。 【0033】 乾燥は有利にはテンターで行う。物品速度は、テンター内で約80秒の滞在時
間が達成されるように調整する。テンター走入のリードは3.5%である。テン
ターから出た後に、緩慢に冷却すべきである。テンター出口にしばしば設置され
る冷却ファンは、この場合には作動させるべきでない。可能な限り緩慢な冷却を 保証するために、テンターから走出する織物を、前後に連続的に配置されたダン
シングロール上にを走行させ、そうして緩慢に室温に冷却する。 【0034】 この冷却処理後、織物の湿分は約5%であるべきである。 【0035】 テンターの後方での織物の巻き取りは小さい張力で行うことが重要である。実
施した実験では、150〜300N/m織物幅の張力範囲が好ましいことが判明
した。 【0036】 この反応条件で、その通気性が極端な条件下でもそのまま維持される、従って
最適に耐老化性である織物が得られる。 【0037】 ポリエステル糸からなる織物の場合には、湿式処理はポリアミド糸からなる織
物と同じ形式で行う。その後、ポリエステル糸からなる織物の場合には、例えば
ドラム乾燥機又はシーブドラム乾燥機で150℃で乾燥処理する。乾燥後に、テ
ンターに固定し、その際190℃の温度に調整する。リードはテンターに走入す
る際約3%である。 【0038】 冷却の際の条件には、ポリアミド糸からなる織物に関して言及したことが当て
はまる、この場合もちろんこれらの条件はポリエステル織物の場合にはポリアミ
ド織物における程耐老化性に影響しない。 【0039】 耐老化性は、自動車製造で常用の極端な条件のシュミレーションに則って調査
した。このために、織物を第1段階でまず105℃の温度に100時間さらした
。引き続き、この織物を168時間に亙って温度サイクル処理にかけた(第2段
階)。このためにはまず105℃で6時間貯蔵し、次いで−35℃に1時間で冷
却した。この温度に、織物を更に6時間さらした。その後、105℃に1時間加
熱し、この温度で6時間貯蔵した。該第2段階を、極めて高い温度と極めて低い
温度で交替する前記リズムで総計168時間継続した。次いで、第3段階で更に 168時間異なった温度及び空気湿度で貯蔵した。このサイクルでは、織物をま
ず95%の相対空気湿度で70℃に6時間の処理時間さらした。引き続き、30
%の相対空気湿度で20℃の温度に1時間で移行させた。この条件でも、6時間
貯蔵した。次いで、更に95%の相対空気湿度で70℃の温度に1時間で移行し
、この場合も6時間貯蔵し、引き続き該処理リズムを前記のようにして継続した
。第3処理段階でも、前記リズム内での総処理時間は168時間であった。 【0040】 耐老化性を判定するために、標準雰囲気(22℃、相対空気湿度65%)中で
の2週間継続した貯蔵後に通気性を測定した。 【0041】 通気性の試験は、DIN53887に基づき行った。このDIN規格と異なり
、低い通気性でもなお明確な信号を得ることができるように、もっぱら試験差圧
を500Paに高めた。 【0042】 以下の表が示すように、本発明に基づき製造した工業織物は前記の極端な老化
条件後もそのまま維持された。表から明らかなように、通気性はこの極端な試験
条件で初期値の15%以上変化しなかった。このことは通気性の比較的高い出発
水準を有する織物に関して、中ないし低い出発水準を有する織物に関すると同じ
形式で当てはまる。このことは、エアバック・フィルタ織物を製造するための前
記方法はエアバック・コンタクト織物を製造するためにも好適であることを意味
する。これら両者の織物種類は、通気性に要求される値において異なる。 【0043】 上記実験は、ポリアミド6.6フィラメント糸を用いて実施した。糸番手は4
70f72(470dtex,72モノフィラメント)であった。実験8でのみ
、糸番手350f72を使用した。収縮率(熱気収縮、190℃で測定)は、実
験1〜6のために使用した糸では3.2%であり、通気性の種々の出発水準を、
糸数及び製織の際の製織パターンを変更することにより調整した。収縮率は、実
験7のための糸の場合には8.2%であり、実験8の糸の場合には8.7%であ
った(それぞれ190℃で測定)。 【0044】 従って、本発明に基づき製造した工業織物の場合には、意図的に調整した通気
性は極端な条件下での老化試験後も変化せずに維持された。従って、本発明に基
づき製造した工業織物は、なかんずく、ヒトの保護のために役立ちかつ一旦設定
された条件が変化せずに維持されるべきである物品において、極めて重要である
。 【0045】 このことは特にエアバックに当てはまる。本発明に基づき製造した織物をエア
バックのフィルタ織物で使用すると、フィルタ織物の通気性が、例えば自動車の
ハンドル内で長時間保存された後でも変化せずに維持され、ひいては数年間の運
転後もエアバック機能をレリーズするとゼネレータで発生したガスの制御された
流出が可能であることが保証される。 【0046】 従って、本発明に基づき製造された織物からなるフィルタ部分及びコンタクト
織物を有するか、又はこれらの部分の少なくとも一方が本発明に基づき製造され
た織物からなるエアバックを有するエアバック装置は、衝突の場合の自動車乗員
の安全な受け止めの可能性を提供する。このことは、自動車の数年の運転時間後 でもこのようなエアバック装置を保証する。従って、本発明に基づき製造した織
物からなるフィルタ部分及びコンタクト部分を有するエアバックを含むエアバッ
ク装置は、自動車乗員に対して高度の安全性を提供し、それにより従来の装置に
比して明らかな進歩性が達成されたことになる。 【0047】 エアバック装置には、エアバック自体、自動車におけるエアバックの収納機構
並びにエアバック装置をレリースする制御装置を包含されるものと解されるべき
である。 【0048】 【実施例】 次に実施例により本発明を詳細に説明する。 【0049】 例1 この実施例は、エアバックのためのフィルタ織物において必要とされるような
、比較的高い通気性を有する耐老化性織物の製造を示す。 【0050】 番手470f72を有するポリアミド6.6フィラメント糸を、平織で織物に
加工した。使用した糸は熱気収縮率3.4%(190℃で測定)を有していた。
糸数はたて糸もよこ糸も16/cmであった。 【0051】 そうして製造した織物を、引き続き95℃でジカー上で湿式処理した。ジカー
上で、6つの処理パッセージを通過させた。 【0052】 ジカー上で処理し巻き取った織物のロールをテンターに装着し、該テンターに
リード4%で走入させた。乾燥温度は150℃であった。 【0053】 テンターを出た織物を、緩慢に、テンター出口の冷却ファンを作動させずに、
ダンシングロール上で室温(約25℃)に冷却し、かつ小さい張力で巻き取った
。乾燥した織物の残留湿分は、4.7%であった。 【0054】 このようにして製造した織物は、試験差圧500Paで78l/dm2・mi
nの通気性を示した。 【0055】 引き続き、該織物を前記の3工程老化法で処理し、次いで標準雰囲気で貯蔵し
た。空気湿度は、この処理後、試験分圧500Paで測定して、82l/dm2
・minであった。 【0056】 例2 例1を同じ出発糸を用いて繰り返したが、この場合には低い通気性に調整する
ために1cm当たりより多い糸数で加工した。これはたて糸及びよこ糸が18/
cmであった。その他の製造条件は、そのままであった。 【0057】 この場合には、42l/dm2・minの通気性を有する織物が得られた。雰
囲気処理を伴う老化試験後は、通気性は44l/dm2・minであった。該測
定結果は、試験差圧500Paで確認した。 【0058】 織物の別のデータも、老化試験において、以下の表に示すように、殆ど変化し
なかった。引裂強さにおいてのみ、僅かな低下が確認された。 【0059】 例3 例1を同じ出発糸を用いて繰り返した。この場合には、例1の平織の代わりに
綾織2/2を選択した。その他の製造条件は、そのままであった。 【0060】 この場合には、57l/dm2・minの通気性を有する織物が得られた。老
化試験及び標準雰囲気処理後、通気性は60l/dm2・minであった。該測
定結果は、試験差圧500Paで確認した。 【0061】 この場合も、前記の引裂強さ低下を除き、他の織物のデータは、以下の表に示
すように、変化しなかった。 【0062】 例2及び3は、糸数を介して調整した織物密度とは無関係に及び織り方とは無
関係に本発明による方法によれば、その通気性が極端な条件下での試験の際に殆
ど実質的に変化せず、かつ残りの織物データも上記老化試験後に殆どそのまま維
持されたことを示す。 【0063】 例4 この例では、本発明による方法は通気性が極めて低い出発値を有する織物を製
造するためにも十分に好適であり、かつエアバックのためのフィルタ織物を製造
するためと同様にエアバックのためのコンタクト織物を製造するために使用する
ことができることを示すものである。 【0064】 例1とは異なり、この場合には、熱気収縮率7.2%(190℃で測定)を有
する高い収縮性糸を使用した。更に、22/cmで高い糸数に調整した。該両者
の手段は、緻密な織物、ひいては低い通気性を得るために利用した。他の操作デ
ータは、例1に相当する。 【0065】 この場合には、通気性6.4l/dm2・minを有する織物が得られた。老
化試験及び標準雰囲気処理後に、通気性は6.6l/dm2・minであった。
全ての記載の値は、試験差圧500Paで確認した。 【0066】 他の織物データに関しては、別の実験に類似した特性像が生じた: 例5 例4を繰り返したが、該実施例とは異なり、番手350f72(糸番手350
dtex,フィラメント数72)を使用した。この場合使用した糸では、熱気収
縮率は6.7%(190℃で測定)であった。低い糸番手に相当して、25/c
mの高い糸数を使用した。残りの操作データは、例1又は例4と同じであった。 【0067】 この場合には、4.6l/dm2・minの通気性を有する織物が得られた。
老化試験及び標準雰囲気処理後、通気性は4.9l/dm2・minであった。
全ての測定結果は、試験差圧500Paで確認した。 【0068】 他の織物のデータは、この場合も、別の実験に類似した特性像を生じた: 例6 例6では、例4を更に繰り返したが、この場合には番手235f36(糸番手
235dtex,フィラメント数36)を使用した。この場合使用した糸では、
熱気収縮率は6.4%(190℃で測定)であった。低い糸番手に相当して、3
0/cmの高い糸数を使用した。残りの操作データは、例1又は例4と同じであ
った。 【0069】 この場合には、7.4l/dm2・minの通気性を有する織物が得られた。
老化試験及び標準雰囲気処理後、通気性は7.5l/dm2・minであった。
該測定結果は、試験差圧500Paで確認した。 【0070】 他の織物のデータは、この場合も、別の実験に類似した特性像を生じた: 例7 この実施例は、本発明による方法に基づくポリエステルフィラメントからなる
エアバックのためのフィルタ織物の製造を示す。 【0071】 番手550f96を有するポリエステルフィラメント糸を、平織で織物に加工
した。使用した糸は、熱気収縮率2.7%(190℃で測定)を有していた。糸
数は縦糸の横糸も16/cmであった。 【0072】 そうして製造した織物を、引き続き95℃でジカー上で湿式処理した。ジカー
上で、6つの処理パッセージを通過させた。 【0073】 ジカー上で処理し巻き取った織物のロールをテンターに装着し、かつ該テンタ ーで150℃で乾燥した。引き続き、テンターで190℃で固定した。該テンタ
ーに走入する際のリードは3%であった。 【0074】 テンターを出た織物を、例1と同様に冷却した、即ちテンター出口の冷却ファ
ンを作動させずに、ダンシングロール上で室温(約25℃)に冷却した。巻き取
りは、この場合も小さい張力で行った。 【0075】 このようにして製造した織物は、試験差圧500Paで43l/dm2・mi
nの通気性を示した。 【0076】 引き続き、該織物を前記の3工程老化処理し、次いで標準雰囲気で貯蔵した。
全処理時間後及び標準雰囲気処理後に、44l/dm2・minの通気性が確認
された。通気性の測定は、全ての場合試験分圧500Paで行った。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 試験差圧500Paで測定して、<120l/dm2・minの
    範囲内の意図的に調整された通気性、及び良好な耐老化性を有する工業織物にお
    いて、該織物が熱気収縮率<9%(190℃で測定)を有する糸から製造されて
    おり、かつ、通気性の値が老化サイクル試験で初期値の15%以下変化し、その
    際この老化サイクル試験は以下の処理段階を有する3段階法で実施したものであ
    る: 第1段階:織物を105℃で100時間処理する、 第2段階:温度サイクル処理を、以下の処理工程を12回繰り返して168時
    間の全時間で行う: 織物を105℃で6時間処理する、 1時間かけて−35℃に冷却する、 織物を−35℃で6時間処理する、 1時間かけて105℃に再び加熱する、 第3段階:空気湿度サイクル処理を、以下の処理工程を12回繰り返して16
    8時間の全時間で行う、 織物を温度70℃及び相対空気湿度95%で6時間処理する、 処理条件を1時間かけて温度20℃及び相対空気湿度30%に変化させる、 織物を温度20℃及び相対空気湿度30%で6時間処理する、 処理条件を1時間かけて温度70℃及び相対空気湿度95%に変化させる ことを特徴とする、意図的に調整された通気性及び高い耐老化性を有する工業織
    物。 【請求項2】 請求項1記載の工業織物よりなる、著しく良好な耐老化性と同
    時に意図的に調整された通気性が必要とされる物品。 【請求項3】 請求項1記載の、少なくとも1種のフィルタ織物又はコンタク
    ト織物よりなるエアバック。 【請求項4】 請求項3記載のエアバックよりなるエアバック装置。 【請求項5】 試験差圧500Paで測定して、<120l/dm2・min
    の範囲内の意図的に調整された通気性を有する工業織物を製造する方法において
    、著しく良好な耐老化性を達成するために、調整すべき通気性に合わせられた熱
    気収縮率及び正確に糸番手及び調整すべき通気性に合わせられた糸数を有する合
    成フィラメント糸からなる織物を水浴内で60〜140℃の温度で湿式処理し、
    引き続きその都度の繊維種類に固有の条件で1工程又は2工程で熱気処理し、そ
    の際最後の熱気処理をその都度テンターで行い、テンター処理後に緩慢に冷却し
    かつ小さい張力で巻き取ることを特徴とする、意図的に調整された通気性及び高
    い耐老化性を有する工業織物の製造方法。 【請求項6】 著しく良好な耐老化性を達成するために、調整すべき通気性に
    合わせられた熱気収縮率及び正確に糸番手及び調整すべき通気性に合わせられた
    糸数を有するポリアミドフィラメント糸からなる織物を水浴内で60〜140℃
    の温度で収縮をとるために湿式処理し、引き続き3〜5%のリードでテンターに
    送りかつテンター内で最高150℃で乾燥し、かつテンター処理後に緩慢に冷却
    しかつ小さい張力で巻き取り、その際乾燥及び冷却条件を、織物が巻き取りの際
    に約5%の湿分を有するように調整する、請求項5記載の製造方法。 【請求項7】 著しく良好な耐老化性を達成するために、調整すべき通気性に
    合わせられた熱気収縮率及び正確に糸番手及び調整すべき通気性に合わせられた
    糸数を有するポリエステルフィラメント糸からなる織物を水性浴内で60〜14
    0℃の温度で湿式処理し、引き続き乾燥し、かつテンター内で約190℃で固定
    し、テンター処理後に緩慢に冷却しかつ小さい張力で巻き取ることを特徴とする
    、請求項5記載の製造方法。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2558040B2 (ja) 意図的に調整された通気性及び高い耐老化性を有する工業織物、該織物よりなる物品及び該織物の製造方法
KR950012684B1 (ko) 피복 처리를 요하지 않는, 공기 투과도가 낮은 공업용 직물의 제조방법
JP2950954B2 (ja) 合成フィラメント系からなる熱収縮した未塗布織物、その製造方法、エアバック及びエアバック装置
JP5674472B2 (ja) 高強度低収縮性ポリアミド糸
AU673227B2 (en) Airbag and fabric for manufacturing same
JP5629405B1 (ja) エアバッグ用布帛
JP3429006B2 (ja) 低透過性エアバッグ布帛
CN106489000B (zh) 制备用于气囊的聚酯织物的方法
EP0976857B1 (en) Uncoated woven fabric for air bags, and its production process and system
CN110997995B (zh) 安全气囊用织物、安全气囊用涂层织物和使用其的安全气囊
JPH04281062A (ja) ち密な織り方を有する、被覆されてない工業用織物の製造方法およびこれからなる物品
JP3413702B2 (ja) エアバッグ用織物の製造方法
JP7188393B2 (ja) エアバッグ基布およびそれを含むエアバッグ
JP2558040C (ja)
JP7349558B2 (ja) 資材用基布およびその製法
JP3745627B2 (ja) 高密度織物
JP3248581B2 (ja) ノンコートエアバッグ用織物及びその製造方法、並びにノンコートエアバッグ用織物の製造装置
JP3859038B2 (ja) エアバッグ用織物
JP4019635B2 (ja) 低通気織物の製造方法
JP3544179B2 (ja) 高密度織物の製織法
JP3716768B2 (ja) ノンコートエアバッグ用織物及びその製造方法
JP3716769B2 (ja) ノンコートエアバッグ用織物及びその製造方法
JP3716770B2 (ja) ノンコートエアバッグ用織物
JP4076593B2 (ja) エアバッグ用基布およびその製造法
AU2002301667B2 (en) Process and Apparatus for Producing Uncoated Woven Fabric for Air Bags