JP2557141B2 - エレベーターの信号伝送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、エレベーターの機械室にある制御装置
と、各階の乗場にある信号処理装置との間の信号伝送方
式に特徴があるエレベーターの信号伝送装置に関するも
のである。

［従来の技術］ 従来例の構成を第４図及び第５図を参照しながら説明
する。

第４図は、例えば特開平１−288585号公報に示された
従来のエレベーターの信号伝送装置を示すブロック図で
ある。

第４図において、従来のエレベーターの信号伝送装置
は、マイコン等を有し、エレベーターの機械室に設置さ
れた制御装置（１）と、この制御装置（１）に接続され
た直列伝送路（２）、この直列伝送路（２）に接続さ
れ、マイコン等を有し、各階に設置された乗場の信号処
理装置（３）、（４）、（５）及び（６）とから構成さ
れている。

第５図は、例えば特開昭48−97255号公報に示された
従来のエレベーターの信号伝送装置の乗場の信号処理装
置の一部を示す回路図である。

第５図において、乗場の信号処理装置の構成として、
ホールランタン（７）と、このホールランタン（７）を
駆動する接点（８）と、チャイム（９）と、このチャイ
ム（９）を駆動する接点（10）とが示されている。この
他の構成として図示していないが各接点を動作させるリ
レーのコイル、待時間を表示する待時間表示器、出発時
間を表示する出発時間表示器、運行状況を示す音声合成
装置、運行表示灯等がある。

つぎに、前述した従来例の動作を第６図を参照しなが
ら説明する。

第６図は、従来のエレベーターの信号伝送装置の直列
伝送コードを示す図である。

第６図において、直列伝送コードは、コマンドCA、階
床コードCB、１ビットの方向CC、２ビットのホールラン
タンCD、２ビットのチャイムCE及び待時間表示CFから構
成されている。

コマンドCAは、ホールランタンやチャイムなどのデー
タを示す指令コードである。階床コードCBは、データを
送る階床を示すコードである。例えば、32階床まで制御
する場合では５ビット（2⁵＝32）必要である。方向CC
は、ホールランタンやチャイムのデータが各階床の上方
向から下方向かを示す。ホールランタンCDは、ホールラ
ンタンの制御を示す。例えば、 “00" … 消灯、 “01" … 点灯、 “11" … 点滅 をそれぞれ示す。チャイムCEは、チャイムの制御を示
す。例えば、 “00" … 消音、 “10" … 予報音鳴動、 “01" … 到着音鳴動 をそれぞれ示す。待時間表示CFは、到着までの待時間を
示す。例えば、３ビットで構成されていれば８段階の待
時間を示すことができる。

エレベーターの乗場には、高級機種になるとホールラ
ンタン、チャイム、運行表示灯などの多機能な機器が装
着され、それぞれ点灯、点滅、消灯あるいは方向やエレ
ベーターの運行状況に応じて複雑な多くのモードで制御
されている。

したがって、これらの機器を制御する信号を機器のそ
れぞれに伝送していた。

例えば、乗場の呼びの釦が押されて、最適カゴの割り
当てを決定した場合に、ホールランタン（７）の点灯、
チャイム（９）の予報音鳴動及び待時間表示器の待時間
最大表示をするとき、制御装置（１）は該当乗場の信号
処理装置に以下の直列伝送コードを次々に伝送する。

コマンドCAにはホールランタンのデータを示す指令コ
ード、ホールランタンCDには“01"のデータを含む直列
伝送コード。

コマンドCAにはチャイムのデータを示す指令コード、
チャイムCEには“10"のデータを含む直列伝送コード。

コマンドCAには待時間表示のデータを示す指令コー
ド、待時間表示CFには“111"のデータを含む直列伝送コ
ード。

また、待時間演算を行って待時間表示状態を進める場
合に、待時間の変化に応じて、制御装置（１）は該当乗
場の信号処理装置に以下の直列伝送コードを次々に伝送
する。

コマンドCAには待時間表示のデータを示す指令コー
ド、待時間表示CFには“110"のデータを含む直列伝送コ
ード。

コマンドCAには待時間表示のデータを示す指令コー
ド、待時間表示CFには、“101"のデータを含む直列伝送
コード。

コマンドCAには待時間表示のデータを示す指令コー
ド、待時間表示CFには“000"のデータを含む直列伝送コ
ード。

以上は直列伝送路（２）の場合を説明したが、他の従
来例として並列伝送路を使用した場合には各機器、接点
に対応して多数のケーブル（電線）が必要である。すな
わち、 エレベーターの停止数×｛２（UP、DOWNの方向別）−
２｝×２（ホールランタン、チャイムの２接点）本のケ
ーブルが必要である。なお、各階乗場へも前記合計本数
と同数のケーブルが必要である。

［発明が解決しようとする課題］ 前述したような従来のエレベーターの信号伝送装置で
は、制御装置（１）が各階の各乗場の信号処理装置に対
して多数の信号ビトを伝送する必要があるという問題点
があった。今後の技術の進歩あるいは利用者の利便性向
上のため増加傾向にある信号を考慮したとき、信号量は
益々増加傾向にある。

また、並列伝送路を使用する場合には多数のケーブル
が必要であるという問題点があった。

この発明は、前述した問題点を解決するためになされ
たもので、信号量を減らすことができ、多機能化に対応
することができるエレベーターの信号伝送装置を得るこ
とを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係るエレベーターの信号処理装置は、機械
室に設けられエレベーターを運行制御する制御装置と、
前記制御装置から直列伝送により送信された信号を受信
する乗場の信号処理装置と、前記乗場の信号処理装置に
より駆動される表示機器とを備えたエレベーターの信号
伝送装置において、前記乗場の信号処理装置は、前記制
御装置から直列伝送されたエレベーターの運行状態信号
を基に前記表示機器の表示の要否を判断するとともに、
前記運行状態信号を受信する毎に前記表示機器の表示形
態を変化させるものである。

［作用］ この発明においては、乗場の信号処理装置によって、
前記制御装置から直列伝送されたエレベーターの運行状
態信号を基に前記表示機器の表示の要否が判断されると
ともに、前記運行状態信号が受信される毎に前記表示機
器の表示形態が変化させられる。

［実施例］ この発明の一実施例の構成を第１図を参照しながら説
明する。

第１図は、この発明の一実施例を示すブロック図であ
り、直列伝送路（２）は前記従来装置のものと全く同一
である。

第１図において、この発明の一実施例は、前述した従
来装置のものと全く同一のものと、ハード構成が従来の
ものと同一で機能（ソフトウエア）が異なる制御装置
（1A）と、同じくハード構成が従来のものと同一で機能
（ソフトウエア）が異なる乗場の信号処理装置（3A）、
（4A）、（5A）及び（6A）とから構成されている。

つぎに、前述した実施例の動作を第２図及び第３図を
参照しながら説明する。

第２図はこの発明の一実施例の動作を示すフローチャ
ート図、第３図はこの発明の一実施例の直列伝送コード
を示す図である。

第２図において、（ａ）は制御装置（1A）の動作を示
し、（ｂ）は運行状態CGの種類を示し、（ｃ）は乗場の
信号処理装置の動作を示す。

第３図において、直列伝送コードは、コマンドCA、階
床コードCB、方向CC及び２ビットの運行状態CGから構成
されている。

コマンドCA、階床コードCB及び方向CCは従来と同一で
ある。運行状態CGは、エレベーターの運行状態のシーケ
ンスを示す。例えば、 “11" … カゴの割当決定、 “10" … 状態の進行、 “01" … カゴの到着、 “00" … カゴの出発 をそれぞれ示す。

第２図（ａ）のステップ（11）において、制御装置
（1A）は、乗場の釦が押されると、最適カゴを割当るべ
く複数のカゴの運行状態を調べる。

ステップ（12）において、カゴの割当を決定すると、
第３図に示すように、コマンドCAには運行状態のデータ
を示す指令コード、運行状態CGには“11"のデータを含
む直列伝送コードを該当乗場の信号処理装置に伝送す
る。

乗場の信号処理装置は、運行状態CGが“11"のデータ
を受信すると、ホールランタン（７）を点灯し、チャイ
ム（９）を予報音鳴動し、かつ待時間表示器を最大表示
にする（ステップ21）。

ステップ（13）〜（15）において、カゴの該当乗場ま
での到着の待時間を演算し、到着するまで待状態を１段
階づつ進めるべく、複数回（例えば、待時間を８段階で
表示する場合には残りの７回）同一の、コマンドCAには
運行状態のデータを示す指令コード、運行状態CGには
“10"のデータを含む直列伝送コードを該当乗場の信号
処理装置に伝送する。

乗場の信号処理装置は、運行状態CGが“10"のデータ
を受信する度に、待時間表示器の表示を１段階づつ減ら
す（ステップ22）。

ステップ（16）において、カゴが到着すると、コマン
ドCAには運行状態のデータを示す指令コード、運行状態
CGには“01"のデータを含む直列伝送コードを該当乗場
の信号処理装置に伝送する。

乗場の信号処理装置は、運行状態CGが“01"のデータ
を受信すると、ホールランタン（７）を点滅し、チャイ
ム（９）を到着音鳴動し、かつ出発時間表示器を最大表
示にする（ステップ23）。

ステップ（17）〜（19）において、カゴの出発までの
時間を演算し、出発するまで出発待状態を１段階づつ進
めるべく、複数回（例えば、出発待時間を８段階で表示
する場合には残りの７回）同一の、コマンドCAには運行
状態のデータを示す指令コード、運行状態CGには“10"
のデータを含む直列伝送コードを該当乗場の信号処理装
置に伝送する。

乗場の信号処理装置は、運行状態CGが“10"のデータ
を受信する度に、出発時間表示器の表示を１段階づつ減
らす（ステップ24）。

ステップ（20）において、カゴが出発すると、コマン
ドCAには運行状態のデータを示す指令コード、運行状態
CGには“00"のデータを含む直列伝送コードを該当乗場
の信号処理装置に伝送する。

乗場の信号処理装置は、運行状態CGが“00"のデータ
を受信すると、ホールランタン（７）を消灯し、チャイ
ム（９）を消音する（ステップ25）。

この発明の一実施例は、前述したように、機器別の信
号伝送の代わりに、エレベーターの運行状況を各階床別
に伝送するもので、制御装置（1A）から各乗場の信号処
理装置ヘエレベーターの運行状態を表わす直列伝送化し
た僅か２ビットの信号を伝送し、各乗場の信号処理装置
が伝送された運行状態を表わす信号に基づいてホールラ
ンタン（７）やチャイム（９）などを動作制御している
ので、信号量を減らすことができ、少ない信号量で従来
と同等の制御を行うことができるという効果を奏する。

また、前記運行状態を表わす信号を細かくすることに
より、例えばビット数を増やすことにより、予報から到
着までの状況を詳細に制御することができる。すなわ
ち、乗場の機器が増加しても、信号伝送の間隔をつめる
ことにより機器の多機能化に対応することができる。

なお、制御装置（1A）と乗場の信号処理装置との間を
並列伝送路を用いた場合には、ケーブルの数を大幅に減
らすことができることはいうまでもない。

［発明の効果］ この発明は、以上説明したとおり、機械室に設けられ
エレベーターを運行制御する制御装置と、前記制御装置
から直列伝送により送信された信号を受信する乗場の信
号処理装置と、前記乗場の信号処理装置により駆動され
る表示機器とを備えたエレベーターの信号伝送装置にお
いて、前記乗場の信号処理装置は、前記制御装置から直
列伝送されたエレベーターの運行状態信号を基に前記表
示機器の表示の要否を判断するとともに、前記運行状態
信号を受信する毎に前記表示機器の表示形態を変化させ
るので、信号量を減らすことができ、多機能化に対応す
ることができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第２図
はこの発明の一実施例の動作を示すフローチャート図、
第３図はこの発明の一実施例の直列伝送コードを示す
図、第４図は従来のエレベーターの信号伝送装置を示す
ブロック図、第５図は従来のエレベーターの信号伝送装
置の乗場の信号処理装置の一部を示す回路図、第６図は
従来のエレベーターの信号伝送装置の直列伝送コードを
示す図である。 図において、 （1A）……制御装置、 （２）……直列伝送路、 （3A）、（4A）……乗場の信号処理装置、 （5A）、（6A）……乗場の信号処理装置、 （７）……ホールランタン、 （９）……チャイムである。 なお、各図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機械室に設けられエレベーターを運行制御
   する制御装置と、 前記制御装置から直列伝送により送信された信号を受信
   する乗場の信号処理装置と、 前記乗場の信号処理装置により駆動される表示機器と を備えたエレベーターの信号伝送装置において、 前記乗場の信号処理装置は、前記制御装置から直列伝送
   されたエレベーターの運行状態信号を基に前記表示機器
   の表示の要否を判断するとともに、前記運行状態信号を
   受信する毎に前記表示機器の表示形態を変化させる ことを特徴とするエレベーターの信号伝送装置。