JP2556873B2 - ハードバター組成物 - Google Patents

ハードバター組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、良質なテンパリング型ハードバター組成
物、詳しくは、高温ファットブルーム及び低温ファット
ブルームの防止効果に優れたテンパリング型ハードバタ
ー組成物に関する。
〔従来技術及びその問題点〕
テンパリング型チョコレートに発生するファットブル
ームは、テンパリング・冷却工程の不適切により生じ
るもの、貯蔵・流通での管理不充分、特に高温にされ
されて生じるもの(高温ファットブルーム)、低温下
で、ナッツ類との複合系製品で生じるもの(低温ファッ
トブルーム)の3種に分けて考えることができる。上記
のファットブルームは、テンパリング・冷却工程を適
切に行うことにより解決され得るものである。また、上
記の高温ファットブルームも、貯蔵・流通における管
理が適切に行われれば解決され得るものであるが、現実
にはその管理を適切に行う事には多くの困難が伴うた
め、ハードバター製造業界においても耐高温ブルーム性
のあるハードバターの開発に注力している。そして、か
かるハードバターについての数多くの特許出願がなされ
ている。また、上記の低温ファットブルームに対して
は、ナッツ類を糖、ガム質などでコーティングして、ナ
ッツ類からナッツ油のチョコレートへの移行を抑制する
ことによって、ブルームを防止する方法、あるいは、ナ
ッツ類を予め高温に加熱しておき、チョコレートと混合
しブルームを防止する方法が提案されている。
しかし、いづれの方法も未だ満足のいくものではな
く、まして高温ファットブルーム及び低温ファットブル
ームを同時に防止する方法は知られていない。
従って、本発明の目的は、チョコレートの高温でのフ
ァットブルームと低温でのファットブルームの両方に効
果のある、テンパリング型のハードバター組成物を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記目的を達成すべく、ハードバター
の組成、あるいは添加物と高温及び低温ファットブルー
ムとの関係を詳細に検討した結果、特定の油脂と、特定
の硬化油及び/又はポリグリセリン脂肪酸エステルとを
特定の割合で配合したハードバター組成物が前記目的を
達成するものであることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、β−不
飽和−α,α′−ジ飽和トリグリセリドを主成分とし、
構成脂肪酸残基としてアラキン酸残基及び/又はベヘン
酸残基を2〜10重量%含む油脂(A)80〜99.5重量部
と、構成脂肪酸残基としてエルカ酸残基を5重量%以上
含む油脂の、硬化油(B)及び/又はポリグリセリン脂
肪酸エステル(C)0.5〜20重量部〔但し、上記(B)
成分を用いない場合には上記(C)成分は0.5〜5重量
部である)とから成るハードバター組成物を提供するも
のである。
以下、本発明のハードバター組成物について詳述す
る。
本発明のハードバター組成物の構成成分である油脂
(A)は、位置選択性のあるリパーゼを用いた合成によ
り、あるいは、β−不飽和−α,α′−ジ飽和トリグリ
セリド(以下、SUSという)を多量に含む油脂、例えば
パーム油、シア脂、サル脂、イリッペ脂などから加工し
て又は加工せずして得ることができる。前記油脂(A)
のSUS含量は、ハードバターとして要求される口どけ
性、テンパリング作業性、カカオ脂との相溶性などの観
点から、60重量%以上であるのが好ましく、70重量%以
上であれば更に好ましい。SUS以外のトリグリセリドと
しては、トリ飽和トリグリセリド(S)、トリ飽和トリ
グリセリド(U3)、αないしα′−不飽和−ジ飽和トリ
グリセリド(USSないしSSU)、αないしα′−飽和−ジ
不飽和トリグリセリド(SUUないしUUS)、β−飽和−ジ
不飽和トリグリセリド(USU)があるが、これらの好ま
しい含量は、S36重量%以下、U310重量%以下、USSない
しSSU10重量%以下、SUUないしUUS15重量%以下、USU10
重量%以下であり、これらの合計が40重量%を超えない
ことが好ましい。
また、前記油脂(A)の構成脂肪酸残基中、アラキン
酸残基及び/又はベヘン酸残基の量は、2〜10重量%、
好ましくは3〜6重量%である。2重量%未満では、低
温ファットブルームに対する防止効果が低く、10重量%
超では、テンパリング作業が困難となる。アラキン酸残
基及びベヘン酸残基以外の飽和脂肪酸残基は、実質的に
パルミチン酸残基とステアリン酸残基であり、両者の割
合は、パルミチン酸残基:ステアリン酸残基のモル比が
1:2〜2:1であることが好ましい。
また、本発明のハードバター組成物の構成成分である
硬化油(B)の原料油脂である、エルカ酸残基を含む油
脂としては、なたね油、からし油、ぶどう種子油などの
植物油があげられる。上記油脂のエルカ酸残基の含量は
5重量%以上、好ましくは15重量%以上、更に好ましく
は30〜50重量%である。エルカ酸残基の含量が5重量%
未満であると、ブルーム防止効果が劣る。
前記硬化油(B)の製造条件は、ニッケル触媒を用い
る通常条件、イオウ被毒ニッケル触媒を用いる異性化条
件等、通常の硬化油を得る条件で良いが、好ましくは、
異性化条件をとるのが良い。前記硬化油(B)の融点
は、30℃〜40℃であるのが好ましい。
また、本発明のハードバター組成物の構成成分である
ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)としては、例え
ば、5個以上の水酸基を持つポリグリセリンに、該ポリ
グリセリン1モル当り、炭素数16〜24の飽和脂肪酸を4
モル以上付加させたものが好ましい。
前記油脂(A)は、本発明のハードバター組成物中、
80〜99.5重量%を占める事ができる。残りの0.5〜20重
量%が、前記硬化油(B)と前記ポリグリセリン脂肪酸
エステル(C)との合計量である。
前記油脂(A)、前記硬化油(B)及び前記ポリグリ
セリン脂肪酸エステル(C)の使用量は、前記油脂
(A)80〜99.5重量部に対し、前記硬化油(B)0〜20
重量部、好ましくは0.5〜20重量部、及び前記ポリグリ
セリン脂肪酸エステル(C)0〜5重量部、好ましくは
0.5〜5重量部であり、前記硬化油(B)と前記ポリグ
リセリン脂肪酸エステル(C)との合計量は、0.5〜20
重量部である。前記硬化油(B)と前記ポリグリセリン
脂肪酸エステル(C)との合計量が0.5重量部未満であ
ると、ファットブルームを防止することができず、ま
た、20重量部超であると、本発明の効果の増大が期待で
きないばかりか、作業時の作業性の悪化を招き、好まし
くない。
本発明においては、前記硬化油(B)及び前記ポリグ
リセリン脂肪酸エステル(C)を併用することが好まし
く、この場合、前記硬化油(B)と前記ポリグリセリン
脂肪酸エステル(C)との比率は、1:1〜20:1が好まし
く、3:1〜10:1であれば更に好ましい。前記ポリグリセ
リン脂肪酸エステル(C)の量が、前記硬化油(B)の
量を上まわるような場合、口どけ性が悪化する傾向にあ
る。
また、前記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を用
いない場合の前記硬化油(B)の使用量は、前記油脂
(A)80〜99.5重量部に対し0.5〜20重量部である。前
記硬化油(B)の量が過多であると、前記油脂(A)と
の相溶性上からハードバター組成物の軟化傾向が著しく
なり、その結果、前記硬化油(B)を加えたことによる
ブルーム防止効果よりも、軟化によるブルーム促進効果
の方が目立つようになり、好ましくない。
また、前記硬化油(B)を用いない場合の前記ポリグ
リセリン脂肪酸エステル(C)の使用量は、前記油脂
(A)80〜99.5重量部に対し0.5〜5重量部である。前
記ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)の量が過多であ
ると、テンパリング作業時における粘度の増大が激し
く、作業性が不良となることがある。
〔作 用〕
本発明における前記油脂(A)は、SUSを主成分と
し、構成脂肪酸残基としてアラキン酸残基、ベヘン酸残
基を含まない油脂に比べ、結晶化速度、結晶構造等の差
により、低温及び高温ファットブルームに対する抑制作
用がある。また、前記硬化油(B)及び前記ポリグリセ
リン脂肪酸エステル(C)は、前記油脂(A)の結晶化
速度、結晶構造に影響を与え、相乗的に低温及び高温フ
ァットブルームを防止すると考えられる。
〔実施例〕
以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 常法により、サル脂及びパーム油から溶剤分別によ
り、それぞれの中融点画分を得た。得られた中融点画分
を等量混合し、油脂(A)を得た。
また、エルカ酸残基の含量41重量%のなたね油をイオ
ウ被毒触媒を用い異性化条件下で硬化し、硬化油(B)
とした。上記油脂(A)及び上記硬化油(B)の分析結
果を下記表−1に示す。
上記油脂(A)及び上記硬化油(B)を下記表−2に
示す割合で配合し、ハードバター組成物1−1〜1−6
をそれぞれ得た。
ハードバター組成物1−1〜1−6を下記表−3に示
すチョコレート配合により、配合、ロールかけ、コンチ
ング、テンパリングを行った後、約3mm角に切ったアー
モンドをチョコレートに対して30%混合し、型流し、冷
却、型抜きを行い、アーモンド入りチョコレートをそれ
ぞれ製造した。これらのアーモンド入りチョコレートを
20℃で10日間エージングした後、下記のブルームテスト
等に供した。
〈低温ファットブルームテスト〉 エージングしたアーモンド入りチョコレートを15℃の
恒温槽に放置し、経日的にブルームの観察を行った。
〈高温ファットブルームテスト〉 エージングしたアーモンド入りチョコレートを、20℃
で12時間、その後32℃で12時間を1サイクルとした周期
的な温度変化を与える事のできる恒温槽に放置し、経日
的にブルームの観察を行った。
低温ファットブルーム及び高温ファットブルームのテ
スト結果を下記表−4に示す。
なたね硬化油を5〜20重量%配合したハードバター組
成物1−2〜1−5は、なたね硬化油を配合しないハー
ドバター組成物1−1及びなたね硬化油を30重量%配合
したハードバター組成物1−6に比べ、低温ファットブ
ルーム及び高温ファットブルームに対する防止効果が認
められた。
実施例2 油脂(A)は、実施例1と同じ油脂を使用し、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル(C)としてヘキサグリセリン
ペンタステアレートを使用し、これらを下記表−5に示
す割合で配合し、ハードバター組成物2−1〜2−5を
それぞれ得た。
ハードバター組成物2−1〜2−5を使用し、実施例
1と同様にしてアーモンド入りチョコレートをそれぞれ
製造し、ブルームテストを行った。
その結果を下記表−6に示す。
ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を2〜8重量%
配合したハードバター組成物2−2〜2−5は、ポリグ
リセリン脂肪酸エステル(C)を配合しないハードバタ
ー組成物2−1に比べ、低温ファットブルーム及び高温
ファットブルームに対して防止効果が認められた。しか
し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)を6〜8重量
%配合したハードバター組成物2−4及び2−5では、
テンパリング作業中に増粘が激しく、作業性が不良であ
った。
実施例3 油脂(A)及び硬化油(B)は実施例1と同じものを
使用し、ポリグリセリン脂肪酸エステル(C)は実施例
2と同じものを使用し、これらを下記表−7に示す割合
で配合し、ハードバター組成物3−1〜3−6をそれぞ
れ得た。
ハードバター組成物3−1〜3−6を使用し、実施例
1と同様にしてアーモンド入りチョコレートを製造し、
ブルームテストを行った。
その結果を下記表−8に示す。
ハードバター組成物3−2〜3−6はハードバター組
成物3−1に比べ、低温ファットブルーム及び高温ファ
ットブルームに対する防止効果が認められた。しかし、
ハードバター組成物3−6はテンパリング時の作業性が
不良であった。
〔発明の効果〕
本発明のハードバター組成物は、低温ファットブルー
ム及び高温ファットブルームに対して著しい防止効果を
有する、テンパリング型のハードバター組成物である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β−不飽和−α,α′−ジ飽和トリグリセ
    リドを主成分とし、構成脂肪酸残基としてアラキン酸残
    基及び/又はベヘン酸残基を2〜10重量%含む油脂
    (A)80〜99.5重量部と、構成脂肪酸残基としてエルカ
    酸残基を5重量%以上含む油脂の、硬化油(B)及び/
    又はポリグリセリン脂肪酸エステル(C)0.5〜20重量
    部〔但し、上記(B)成分を用いない場合には上記
    (C)成分は0.5〜5重量部である)とから成るハード
    バター組成物。
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