JP2556872B2 - ハードバター - Google Patents

ハードバター

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JP2556872B2
JP2556872B2 JP62313841A JP31384187A JP2556872B2 JP 2556872 B2 JP2556872 B2 JP 2556872B2 JP 62313841 A JP62313841 A JP 62313841A JP 31384187 A JP31384187 A JP 31384187A JP 2556872 B2 JP2556872 B2 JP 2556872B2
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和雄 板垣
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秀雄 横堀
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Adeka Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、良質なテンパリング型ハードバター、詳し
くは、低温下におけるファットブルームの防止効果に優
れた、良質なテンパリング型ハードバターに関する。
〔従来技術及びその問題点〕
ハードバターは、テンパリング型とノーテンパリング
型に大別される。
テンパリング型のハードバターは、その組成や物性を
カカオ脂に類似させたものである。テンパリング型のハ
ードバターは、その主成分がβ−不飽和−α,α′ジ飽
和トリグリセリド(以下、SUSと略記する)であり、比
較的トリグリセリドの組成が単純であるため、油脂結晶
の転移、安定化が速く、油脂結晶が粗大化しやすい。こ
のようなハードバターのもつ結晶特性ためにテンパリン
グ工程が必須となっている。即ち、テンパリング工程
は、安定でしかも微細な油脂結晶核を多数析出させるこ
とにより、油脂結晶が粗大化するのを防止すると同時
に、その後に引き続いて行われる冷却固化工程での油脂
結晶化を促進し、油脂表面の“つや”や型からの剥離を
良好ならしめるためのものである。
テンパリング工程や冷却工程が適切に行われないと、
製造直後に、製品表面が白色化して、いわゆるファット
ブルームを呈する事は良く知られている。また、適切な
テンパリング工程・冷却工程を経ても、貯蔵・流通での
温度管理が良くないと、特に28℃以上の高温に繰り返し
さらされるような場合には、製品表面のつやが消え、製
品表面が白色化し、更には内部にわたって粉状化するよ
うなファットブルームが発生する。
ファットブルームを防止するには、第1に適切なテン
パリングと冷却を行うことであり、第2に適切な貯蔵・
流通面での温度管理を行うことである。
一方、テンパリング・冷却工程及び貯蔵・流通が適切
に行われていて高温にさらされない場合でも、ファット
ブルームの発生が認められる場合がある。このように比
較的低温下で発生するファットブルームを、テンパリン
グ不良によって発生するファットブルームや高温にさら
されて発生するファットブルーム(高温ブルームと称す
る)と区別するため、便宜上低温ファットブルームと称
する。
低温ファットブルームは、チョコレートとナッツ類あ
るいはゼリー類等との複合系において、10℃〜20℃の温
度下、製造後約3週間位から発生する。この低温ファッ
トブルームは、製品を25℃以上の温度に放置すると、消
失してしまう場合もある。また、高温ブルームのように
食感を著しく損ねることはない。このように低温ファッ
トブルームは、現象上は、高温ファットブルームとは異
なった様相を示すが、商品価値を損ねるという点では高
温ブルームと同様大きな問題である。
チョコレートとナッツ類あるいはゼリー類等との複合
系における低温ファットブルームは、ナッツ類あるいは
ゼリー類から、ナッツ油あるいは水分がチョコレートに
移行することが原因と考えられるが、メカニズム等の詳
細については不明である。
かかる低温ファットブルームを防止する方法として、
ナッツ類を糖などでコーティングし、ナッツ油の移行を
防止する方法が考えられるが、この低温ファットブルー
ム防止方法は、加工・処理法が繁雑であり、また低温フ
ァットブルーム防止効果も未だ満足できるものではな
い。
従って、本発明の目的は、低温ファットブルームを防
止し、しかも食味の良好なハードバターを提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、前記低温ファットブルームの防止につ
いてハードバターの組成の面から詳細に検討した結果、
特定の油脂を特定の割合で配合したハードバターが前記
目的を達成するものであることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、シア脂
の中融点画分10〜60重量%、及びサル脂及び/又はサル
脂の中融点画分40〜90重量%から成る油脂(A)30〜95
重量%と、パーム油の中融点画分から成る油脂(B)5
〜70重量%とを含むハードバターを提供するものであ
る。
本発明のハードバターは、低温ファットブルームの防
止効果に優れた、良質なテンパリング型のハードバター
である。
以下、本発明のハードバターについて詳述する。
本発明でいう中融点画分とは、分別等の手段によりSU
S成分を濃縮した画分をいい、シア脂、サル脂、及びパ
ーム油の各中融点画分には、SUSがそれぞれ60重量%以
上、70重量%以上、60重量%以上含まれていることが望
ましい。中融点画分の製造は、例えば、溶剤分別により
行うことができる。
シア脂及びサル脂の中融点画分は、一段分別法による
硬質部あるいは二段分別法による中質部として得ること
ができ、又パーム油の中融点画分は、二段分別法による
中質部として得ることができる。分別条件は、油脂の種
類、使用する溶剤の種類や量などによって変化し、中融
点画分のSUS含量が前述した範囲となる条件が選択され
る。
本発明のハードバターの構成成分である油脂(A)に
おいて、サル脂とサル脂の中融点画分との比率は、サル
脂のSUS含量が約65%重量であるため、特に限定されな
い。また、前記油脂(A)において、シア脂の中融点画
分が10重量%未満の場合、及び60重量%を超える場合に
は、本発明の目的とする良質なハードバターが得られな
い。前者の場合(即ち、サル脂及び/又はサル脂の中融
点画分が90重量%を超える場合)には、チョコレートの
テンパリング時の所要時間の増大、テンパリング温度の
低下などにより作業性の悪化が生じるためである。ま
た、後者の場合(即ち、サル脂及び/又はサル脂中融点
画分が40重量%未満の場合)には、低温ファットブルー
ムに対する防止効果が低減するためである。従って、前
記油脂(A)は、好ましくは、シア脂の中融点画分20〜
40重量%、及びサル脂及び/又はサル脂の中融点画分60
〜80重量%から成るのが良い。
また、本発明のハードバターのもう一つの構成成分で
ある油脂(B)は、パーム油の中融点画分から成り、ハ
ードバターの口どけ性、スナップ性などの性能を損なわ
ない範囲でパーム油の混入が許される。パーム油の混入
量は油脂(B)に対して30重量%以内が望ましい。
本発明のハードバター中の前記油脂(A)と前記油脂
(B)との割合は、前記油脂(A)30〜95重量%、前記
油脂(B)5〜70重量%で、目的とするハードバターに
要求される特性、例えば耐熱性、耐高温ブルーム性、口
どけ性などによって上記範囲内で変化させることがで
き、好ましくは、前記油脂(A)40〜70重量%、前記油
脂(B)30〜60重量%である。前記油脂(A)が30重量
%に満たない場合は、低温ブルーム防止効果が充分でな
く、また前記油脂(A)が 95重量%を超える場合は、テンパリング時の作業性が
劣る。
本発明のハードバターは、カカオ脂との相溶性に優れ
ており、カカオ脂との任意の配合使用が可能である。
〔実施例〕
以下、製造例及び実施例をあげ、本発明を更に詳しく
説明する。
製造例 〈シア脂の中融点画分の製造〉 常法により、脱ガム、脱酸、漂白されたシア脂1部
(重量部、以下同じ)にn−ヘキサン4部を加え、40℃
で完全溶解した。ゆっくり撹拌しながら、約2時間かけ
て−15℃まで冷却し、該温度に30分間保持した。生じた
結晶を吸引濾過により、濾液部と分離し、分離した結晶
を−20℃に冷却したn−ヘキサン1部で洗浄した。洗浄
後、脱溶剤した結晶部(I.V.=35.0、収率37%、SUS含
量79重量%)を常法により精製し、シア脂の中融点画分
を得た。
〈サル脂の中融点画分の製造〉 溶剤としてアセトン4部を用い、冷却温度を0℃と
し、洗浄溶剤として−5℃に冷却したアセトン1部を用
いた以外はシア脂の中融点画分の製造の場合と同様にし
て得た結晶部(I.V.=33.0、収率60%、SUS含量78重量
%)を常法により精製し、サル脂の中融点画分を得た。
〈パーム油の中融点画分の製造〉 脱ガム、脱酸されたパーム油1部にn−ヘキサン4部
を加え、40℃で完全溶解した。ゆっくり撹拌しながら20
℃まで冷却し、該温度に30分間保持した。生じた結晶を
濾別した濾液部を、撹拌しながらゆっくり−10℃まで冷
却し、該温度に1時間保持した。生じた結晶を吸引濾過
により、濾液部から分離した。分離した結晶を−15℃の
n−ヘキサン1部で洗浄した。洗浄後、脱溶剤した結晶
部(I.V.35.5、収率29%、SUS含量78重量%)を常法に
より精製し、パーム油の中融点画分を得た。
実施例1 油脂(A)として、前記製造例で得られたシア脂の中
融点画分及びサル脂の中融点画分を下記表−1に示す割
合で配合したもの50重量%、及び、油脂(B)として、
前記製造例で得られたパーム油の中融点画分50重量%か
らハードバター1−1〜1−5をそれぞれ得た。
ハードバター1−1〜1−5をそれぞれ使用し、下記
表−2に示す配合によりチョコレート生地を製造した。
常法により、ロールかけ、コンチング、テンパリングを
行い、約3mm角に切ったアーモンドを上記チョコレート
生地に対して30重量%混ぜ合わせ、型流し、冷却、型抜
きを行い、アーモンド入りチョコレートを製造した。こ
のアーモンド入りチョコレートを20℃で10日間エージン
グした後、17℃の恒温槽に放置し、経日的に低温ファッ
トブルームの発生を観察した。テンパリング時の作業性
(難易)及び低温ファットブルームの観察結果を下記表
−3に示した。
上記表−3に示す結果から、ハードバター1−1〜1
−4は、ハードバター1−5に比べ低温ファットブルー
ム防止効果に優れていることが判る。しかしながら、ハ
ードバター1−1はテンパリング時の作業性に難点があ
った。
実施例2 前記製造例で得られたシア脂の中融点画分とサル脂の
中融点画分を30:70で配合し油脂(A)とした。また、
前記製造例で得られたパーム油の中融点画分を油脂
(B)とした。油脂(A)と油脂(B)を下記表−4に
示す割合で配合しハードバター2−1〜2−5をそれぞ
れ得た。
ハードバター2−1〜2−5をそれぞれ用い、実施例
1と同様にして、アーモンド入りチョコレートを製造
し、低温ファットブルームテストを行った。その結果を
下記表−5に示した。
上記表−5に示す結果から、ハードバター2−2〜2
−5は低温ファットブルーム防止効果に優れていること
が判る。
〔発明の効果〕
本発明のハードバターは、低温におけるブルームを防
止し、しかも食味の良好なものである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シア脂の中融点画分10〜60重量%、及びサ
    ル脂及び/又はサル脂の中融点画分40〜90重量%から成
    る油脂(A)30〜95重量%と、パーム油の中融点画分か
    ら成る油脂(B)5〜70重量%とを含むハードバター。
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