JP2556783Y2 - 自動車用排気系に於ける排気管の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車用排気系に於け
る排気管の取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の自動車用排気系に於ける
排気管の取付構造としては、例えば、実開昭５２−１１
１４１２号公報に開示されるものなどが知られている。

【０００３】図４は、この種の自動車用排気系の一例を
示す。自動車用排気系１は、複数の排気管２同士をＵボ
ルト等の連結具３を介して連結すると共に、各排気管２
にコンバータ４やプリマフラ及びメインマフラ等の各種
の消音装置５を取り付けている。そして、上流側の排気
管２をエンジン７のマニホールド８に連結し、車体６の
床下６ａに懸架される。

【０００４】従来に於ける排気管２同士の連結を具体的
に説明すると、例えば、図５に示す如く、一方の排気管
２ａの管端を拡径し、他方の排気管２の管端に排気ガス
漏れ防止用のシール材９を配した後、この拡径部２ａ１
内に排気管２の管端を嵌入し、次いで、拡径部２ａ１の
上からＵボルト等の連結具３を介して連結する。

【０００５】斯して連結された排気管２は、拡径部２ａ
１内に他方の排気管２の管端を嵌入するため、その嵌入
量によって、車体６に装着する際に、排気管２を前後方
向へ移動することが可能となる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】処が、上述した如き自
動車用排気系１では、コンバータ４やプリマフラ及びメ
インマフラ等の各種の消音装置５を取り外す際に、Ｕボ
ルト等の連結具３を外した後に、排気管２を外そうとし
ても、シール材９が固着しており、容易に外すことがで
きない。

【０００７】又、コンバータ４やプリマフラ及びメイン
マフラ等の各種の消音装置５を廻すことにより取り外す
ことも考えられるが、通常、これらの消音装置５は、懸
架部品により床下に懸架してあるので、廻すことはでき
ない。又、たとえこれらの懸架部品を取り外したとして
も、自動車用排気系１は、図６に示す如く、コンバータ
４やプリマフラ及びメインマフラ等の各種の消音装置５
が偏平であるため、コンバータ４やプリマフラ及びメイ
ンマフラ等の各種の消音装置５が床下６ａに当接して廻
すことができない。更に、車体６の床下６ａに於ける周
辺の車両部品及びボディ形状の関係から、コンバータ４
やプリマフラ及びメインマフラ等の各種の消音装置５を
廻すことができない。

【０００８】以上の理由から、従来の排気管２の連結構
造では、コンバータ４やプリマフラ及びメインマフラ等
の各種の消音装置５の取外時に、障害となっていた。本
考案は斯かる従来の問題点を解決するために為されたも
ので、その目的は、排気管同士の分離を容易にした自動
車用排気系に於ける排気管の取付構造を提供することに
ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本考案は、排気管と排気
管を連結すると共に各連結部を連結具を介して固定して
成る自動車用排気系に於ける排気管の取付構造に於て、
前記排気管と排気管が、回転することにより撤去可能な
連結短管を介して連結されているものである。

【００１０】

【作用】本考案に於ては、コンバータやプリマフラ及び
メインマフラ等の各種の消音装置の取外時に、その消音
器装置の前後に連なる排気管を連結する連結短管を回転
することによって、連結する２つの排気管を分離し、消
音器装置を排気系から取り外すことができる。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本考案の一実施例に係る自動車用排気系
に於ける排気管の取付構造を示すもので、２０Ａ，２０
Ｂは排気管を表す。

【００１２】この排気管２０Ａ，２０Ｂは、連結短管２
３を介して連結されている。この連結短管２３は、連結
する排気管２０Ａ，２０Ｂの外径よりも大きな内径を有
する管体であり、従来と同様に、連結部２１となる管端
にシール材２２を施した後、その部位に被せられる。そ
して、その連結部２１の上からＵボルト等の締付具２４
によって固定される。

【００１３】斯して構成された本実施例によれば、排気
管２０Ａ，２０Ｂは、必要数が上述した如き連結短管２
３を介して連結されることによって、従来と同様に、コ
ンバータやプリマフラ及びメインマフラ等の消音器装置
と連結して、自動車用排気系１０を形成する。

【００１４】この自動車用排気系１０は、従来と同様
に、エンジンのマニホールドに連結され車体の床下に懸
架される。そして、コンバータやプリマフラ及びメイン
マフラ等の消音器装置の取外時に、その消音器装置に連
結する排気管２０Ａと連結短管２３とこれに連結する排
気管２０Ｂとに、夫々ウォータポンププライヤー，スパ
ナ，レンチ等の工具を取り付け、排気管２０Ａ，２０Ｂ
を固定支持した状態で、連結短管２３に取り付けた工具
を回動することによって、その連結短管２３に連結する
排気管２０Ａ，２０Ｂを分離する。

【００１５】これによって、コンバータやプリマフラ及
びメインマフラ等の消音器装置は、自動車用排気系１０
から分離し、取り外すことができる。以上の如く、本実
施例によれば、排気管２０Ａ，２０Ｂが連結短管２３を
介して連結されているので、その連結短管２３だけを回
動することによって、これに連結する排気管２０Ａ，２
０Ｂを分離することができる。

【００１６】そのため、分離した排気管２０Ａ或いは２
０Ｂに連結するプリマフラ及びメインマフラ等の消音器
装置が、自動車用排気系１０から分離され、取り外すこ
とができる。

【００１７】尚、本実施例によれば、両排気管２０Ａ，
２０Ｂは連結短管２３を介して連結するので、連結短管
２３との重なり代の大きさによって、自動車用排気系１
０の前後方向へのアジャスト調整が可能となる。

【００１８】図２は、本考案の別の実施例を示すもの
で、連結短管２３の表面にウォータポンププライヤー，
スパナ，レンチ等の工具の掛かりを良くするための多数
の突起２３ａを設けたものである。

【００１９】本実施例によれば、上記実施例と同様の作
用効果を奏すると共に、工具を噛ませ易くなり、連結短
管２３の回転作業が容易となる。又、多数の突起２３ａ
により、放熱性能が向上すると共に、強度が向上する。

【００２０】尚、上記実施例では、排気管２０Ａと排気
管２０Ｂとも同径のものを用いているが、本考案では、
連結短管２３の両端を異径にすることにより、排気管２
０Ａと排気管２０Ｂとが異径の場合にも適用することが
できる。

【００２１】

【考案の効果】以上説明した如く、本考案は、２つの排
気管が連結短管を介して連結されているので、その連結
短管だけを回動することによって、これに連結する排気
管を分離することができる。

【００２２】そのため、分離した排気管に連結するコン
バータやプリマフラ及びメインマフラ等の消音器装置
が、自動車用排気系から分離され、取り外すことができ
る。又、本考案は、２つの排気管が連結短管を介して連
結されているので、この連結短管への挿入代を加減する
ことにより、２つの排気管の前後方向への取付誤差が調
整可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る自動車用排気系に於け
る排気管の取付構造の要部を示す側面図である。

【図２】本考案の別の実施例に係る自動車用排気系に於
ける排気管の取付構造の要部を示す側面図である。

【図３】図２の断面図である。

【図４】自動車用排気系を示す説明図である。

【図５】従来の排気管の接続構造を示す側面図である。

【図６】図４に於ける自動車用排気系を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

２０Ａ，２０Ｂ 排気管 ２１ 連結部 ２３ 連結短管 ２４ 締付具

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気管（２０Ａ）と排気管（２０Ｂ）を
   連結すると共に各連結部（２１）を連結具（２４）を介
   して固定して成る自動車用排気系に於ける排気管の取付
   構造に於て、前記排気管（２０Ａ）と排気管（２０Ｂ）
   が、回転することにより撤去可能な連結短管（２３）を
   介して連結されていることを特徴とする排気系に於ける
   自動車用排気管の取付構造。