JP4120157B2 - 車輌用フロア構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌のフロアトンネル内側下面に配索される配策部材の取付けを容易に行い得る車輌用フロア構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌の車幅方向中央のフロア下面側には、エンジンの動力を後車軸に伝達するためのプロペラシャフトが配設されており、このプロペラシャフトの配設空間を確保するためにフロアトンネルが設けられている。このフロアトンネルには、プロペラシャフトの他にマフラーサイレンサが配設されている。
一方、フロアトンネルには、パーキングブレーキが設けられるため、パーキングブレーキケーブルがフロアトンネルの下面側に配設されている。
【0003】
パーキングブレーキケーブルは、フロアトンネルの下面側にクランプとボルトで1箇所、留められて、パーキングブレーキケーブルの垂れ下がりを防いでいる。パーキングブレーキレバーは、右ハンドル車では、レイアウト上、車体中心から左側にオフセットされた位置に組み付けられている。その位置からパーキングブレーキケーブルを車体後方に真っ直ぐ配索しているため、ケーブル長さが左右で異なっている。
【0004】
図7は、従来のフロアトンネル100の下面側に配索されたパーキングブレーキケーブル101を示したもので、パーキングブレーキケーブル101は、クランプ102とボルト103により、フロアトンネル100の下面側に固定されている。このフロアトンネル100の下部側中央には、車輌の前後方向にプロペラシャフト104が配設されており、プロペラシャフト104のそばには、マフラーサイレンサ105が配設されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そして、パーキングブレーキケーブル101をクランプ102とボルト103により固定するために、ドライバー等の工具をフロアトンネル100の下方から挿入してボルト103を締め付ける必要がある。しかしながら、工具を挿入する際にプロペラシャフト104が邪魔になり、締め付け作業が困難であった。
特に、最近の自動車では、ホイールベースの延長に伴ってプロペラシャフト104も延長されており、そのプロペラシャフト104の途中を2分割してプロペラシャフトジョイント(等速ジョイント)が追加されている。その結果、プロペラシャフトに比べて大径のプロペラシャフトジョイントに位置する取付部分では、フロアトンネル100の内側下面のスペースが少なくなり、パーキングブレーキケーブル101をクランプ102とボルト103によってフロアトンネル100の内側天井面に取り付ける作業性が悪かった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決し、組付作業を容易に行い得る車輌用フロア構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、プロペラシャフトを車輌のフロアトンネルの下方で車輌の前後方向に配設し、上記プロペラシャフトの側方位置に、エンジンの排気ガスを排気するためのマフラーサイレンサが車輌の前後方向に設けられ、上記フロアトンネル内側天井面に、フロアトンネルに沿ってパーキングブレーキケーブルを配設した車輌用フロア構造において、上記パーキングブレーキケーブルは、上記プロペラシャフトの上方となる上記フロアトンネル内側天井面の車幅方向の略中央位置に固定され、上記フロアトンネル内側天井面に設けられた上記パーキングブレーキケーブルの取付面を上記プロペラシャフトに対向しないように上記プロペラシャフトに対して上記マフラーサイレンサの反対側に向くよう車輌幅方向に傾斜させ、上記プロペラシャフトの横を通過する工具によって上記取付面に上記パーキングブレーキケーブルを下方から取り付け可能としたことにある。
また、本発明は、フロアトンネルと交叉する方向にフロアを補強するフロアメンバを設け、該フロアメンバに上記取付面を形成したことにある。
さらに、本発明は、車輌の前後方向に配設される部材として車輌のフロアトンネルの下方に配設されたプロペラシャフトの小径部に対応する位置に上記配索部材の取付面を設けたことにある。
またさらに、配索部材をフロアトンネル内側天井面の略車幅方向中心位置で車輌の前後方向に配索するとともに、上記車輌の前後方向に配設される部材としてのプロペラシャフトを、配索部材の取付面の車輌幅方向の傾斜面の方向と反対側にオフセットさせて配設したことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1および図2は、メインフロアを外して車輌のフロア下面側を示し、図3は図2の側面図である。
【0009】
図1ないし図3において、自動車の車体1の左右には、一対のサイドフレーム2が、車体1の前後方向に配設されており、これらサイドフレーム2に支持されて後車軸3が取り付けられている。後車軸3の車幅方向中央にはデファレンシャルギヤを内蔵したデファレンシャルギヤケース4が設けられ、このデファレンシャルギヤケース4内のデファレンシャルギヤには、後車軸3に動力を伝達するプロペラシャフト5が連結されている。プロペラシャフト5は、図示しないエンジンからの動力を動力伝達装置を介して駆動軸である後車軸3に伝達するもので、車体1の幅方向略中央で、車体1の前後方向に配設されている。
このプロペラシャフト5の側方位置には、エンジンの排気ガスを排気するためのマフラーサイレンサ6が車輌の前後方向に設けられている。
【0010】
メインフロア7は、サイドフレーム2に支持されて車輌用フロアを構成しており、車幅方向中央に車体1の前後方向に沿って横断面ハット型のフロアトンネル8が形成されている。メインフロア7の前後方向中間位置には、車幅方向に沿って帯状のフロアメンバ9が溶接等によって配設されてメインフロア7の補強を図っている。
【0011】
上記フロアトンネル8の下部側には、上記プロペラシャフト5が配設されており、かつフロアトンネル8の上部側には、パーキングブレーキのパーキングブレーキレバー10が設けられている。パーキングブレーキレバー10には、左右の後車輪のブレーキシステムを作動するパーキングブレーキケーブル11a,11bが接続されており、これらパーキングブレーキケーブル11a,11bは、フロアトンネル8の下面側を通って後車軸3に沿って左右の車輪のブレーキ系統に接続されている。
【0012】
パーキングブレーキケーブル11a,11bは、フロアトンネル8の内側天井面Cの車幅方向中心位置に、クランプ12とボルト13により車体1の前後方向に配索して固定されている。クランプ12は、帯状のプレートの両側に半円状の支持部12aを形成し、中央にボルト孔(図示せず)を形成したもので、両側の支持部12aによってパーキングブレーキケーブル11a,11bを支持するものである。ボルト13は、フロアトンネル8の下方から後述する工具を差し込んでフロアトンネル8の上面に予め溶接されたナット13aに螺合して締め付けられる。
このパーキングブレーキケーブル11a,11bの固定位置は、フロアメンバ9が配設された位置では、図4および図5に示すようにフロアメンバ9に固定し、フロアメンバ9が配設されていない位置では、図6に示すようにメインフロア7に固定している。
【0013】
これらパーキングブレーキケーブル11a,11bの固定位置では、フロアトンネル8の内側天井面C、すなわち、フロアメンバ9の取付面(座面)9aおよびメインフロア7の取付面(座面)7aを車輌の車幅方向に傾斜させた斜面に形成し、取付面9a,7aがプロペラシャフト5に対向しないように傾斜させている。また、プロペラシャフト5は、パーキングブレーキケーブル11a,11bの取付面9a,7aと対向する側と、車幅方向で反対側にオフセットさせて配設されている。
【0014】
パーキングブレーキケーブル11a,11bは、左右の長さが等しくなるように、フロアトンネル8の内側天井面Cの車幅方向中心位置を通って後車軸3に配索され、メインフレーム下面およびサイドフレームに装着されたクランプ14、15,16を介して後車輪まで配索されている。
上記プロペラシャフト5は、その途中にプロペラシャフトジョイント(等速ジョイント)17が追加されており、このプロペラシャフトジョイント17の取付部分の直後のシャフトが細くなっている箇所(いわゆるスタグシャフト)5aの真上に上記フロアメンバ9の取付面9aが配設されている(図5参照)。
【0015】
次に、上記構成による本発明の作用を説明する。
パーキングブレーキケーブル11a,11bをフロアトンネル8の下面側を通して後車軸3まで配索する際に、フロアメンバ9の取付面9aおよびメインフロア7の取付面7aにクランプ12とボルト13を介して固定する。このとき、クランプ12の両側の支持部12aにパーキングブレーキケーブル11a,11bをそれぞれ配置し、クランプ12のボルト孔にボルト13を組み付ける。
そして、工具18をプロペラシャフト5の横を通してフロアメンバ9の取付面9aおよびメインフロア7の取付面7aに直角に挿入して各ボルト13をそれぞれナット13aに締め付けてクランプ12を取り付けることができる。
プロペラシャフト5の位置をパーキングブレーキケーブル11a,11bの取付面9a,7aと対向する側と、車幅方向で反対側にオフセットさせて配設しているので、工具18を容易に差し込んで組付作業を行うことができる。
【0016】
また、フロアメンバ9が配設されている箇所では、フロアメンバ9に取付面9aを形成するため、強度が高い部材に取付面を形成出来、取付面の変形等によるパーキングブレーキケーブル11a,11bの垂れ下がりの可能性がなく、また、設計の自由度が上がる。
さらに、メインフロア7の取付面7aは、エクステンションフロアに、斜めの取付面を形成し、スペースの広いプロペラシャフト5の横から工具18を差し込んで、クランプ12に対するボルト13の締め付けを行うことが出来る。
ケーブルクランプ締め付け位置を車体中心線上に配置することにより、パーキングブレーキレバー10が車体中心から片側(左側)にオフセットしていても、パーキングブレーキケーブル11a,11b長さを左右共通にすることができるため、パーキングブレーキケーブル11a,11bの材料、製造工程共通化によるコストダウンを図ることができる。
【0017】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、フロアトンネル下方で車輌の前後方向に配設される部材として、プロペラシャフト5の他に、エキゾーストパイプ等が含まれる。配索部材としては、パーキングブレーキケーブル11a,11bの他にハーネス、ブレーキパイプ、燃料パイプなどが含まれる。本発明の要旨を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による車輌用フロア構造によれば次のような効果を奏することができる。
請求項1において、プロペラシャフトを車輌のフロアトンネルの下方で車輌の前後方向に配設し、上記プロペラシャフトの側方位置に、エンジンの排気ガスを排気するためのマフラーサイレンサが車輌の前後方向に設けられ、上記フロアトンネル内側天井面に、フロアトンネルに沿ってパーキングブレーキケーブルを配設した車輌用フロア構造において、上記パーキングブレーキケーブルは、上記プロペラシャフトの上方となる上記フロアトンネル内側天井面の車幅方向の略中央位置に固定され、上記フロアトンネル内側天井面に設けられた上記パーキングブレーキケーブルの取付面を上記プロペラシャフトに対向しないように上記プロペラシャフトに対して上記マフラーサイレンサの反対側に向くよう車輌幅方向に傾斜させ、上記プロペラシャフトの横を通過する工具によって上記取付面に上記パーキングブレーキケーブルを下方から取り付け可能としたので、工具による締め付けを容易に行うことができる。
請求項2において、フロアトンネルと交叉する方向にフロアを補強するフロアメンバを設け、該フロアメンバに上記取付面を形成したので、取付面の剛性を向上させることができる。フロアトンネルに直接傾斜面を加工する必要がなく、大物のフロアトンネルの加工が煩雑にならない。取付面の位置や傾斜角の変更時に型費等の変更費が安く、変更までにかかる時間を小さくすることができる等設計上の自由度が増す。
請求項3において、車輌の前後方向に配設される部材として車輌のフロアトンネルの下方に配設されたプロペラシャフトの小径部に対応する位置に上記配索部材の取付面を設けたので、組付作業性が向上する。
請求項4において、配索部材をフロアトンネル内側天井面の略車幅方向中心位置で車輌の前後方向に配索するとともに、上記車輌の前後方向に配設される部材としてのプロペラシャフトを、配索部材の取付面の車輌幅方向の傾斜面の方向と反対側にオフセットさせて配設したので、作業空間が大きくなり作業性の向上を図ることができる。また、パーキングブレーキケーブル長さを左右共通にすることができるため、パーキングブレーキケーブルの材料、製造工程共通化によるコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌用フロア構造の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図2のA−A線断面図である。
【図5】図4の側面図である。
【図6】図2のB−B線断面図である。
【図7】従来の車輌用フロア構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 車体
2 サイドフレーム
3 後車軸
4 デファレンシャルギヤ
5 プロペラシャフト
6 マフラーサイレンサ
7 メインフロア
8 フロアトンネル
9 フロアメンバ
10 パーキングブレーキレバー
11a,11b パーキングブレーキケーブル
12 クランプ
13 ボルト
9a,7a 取付面
C フロアトンネルの天井面

Claims (4)

  1. プロペラシャフトを車輌のフロアトンネルの下方で車輌の前後方向に配設し、
    上記プロペラシャフトの側方位置に、エンジンの排気ガスを排気するためのマフラーサイレンサが車輌の前後方向に設けられ、
    上記フロアトンネル内側天井面に、フロアトンネルに沿ってパーキングブレーキケーブルを配設した車輌用フロア構造において、
    上記パーキングブレーキケーブルは、上記プロペラシャフトの上方となる上記フロアトンネル内側天井面の車幅方向の略中央位置に固定され、
    上記フロアトンネル内側天井面に設けられた上記パーキングブレーキケーブルの取付面を上記プロペラシャフトに対向しないように上記プロペラシャフトに対して上記マフラーサイレンサの反対側に向くよう車輌幅方向に傾斜させ
    上記プロペラシャフトの横を通過する工具によって上記取付面に上記パーキングブレーキケーブルを下方から取り付け可能とし
    たことを特徴とする車輌用フロア構造。
  2. 上記フロアトンネルと交叉する方向にフロアを補強するフロアメンバを設け、該フロアメンバに上記取付面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の車輌用フロア構造。
  3. 上記車輌の前後方向に配設される部材として車輌のフロアトンネルの下方に配設されたプロペラシャフトの小径部に対応する位置に上記配索部材の取付面を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の車輌用フロア構造。
  4. 上記配索部材をフロアトンネル内側天井面の略車幅方向中心位置で車輌の前後方向に配索するとともに、上記車輌の前後方向に配設される部材としてのプロペラシャフトを、配索部材の取付面の車輌幅方向の傾斜面の方向と反対側にオフセットさせて配設したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車輌用フロア構造。
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