JP2556663Y2 - 浴槽の肩当て用シャワー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、入浴しながら肩にシャ
ワー水の強い噴流を与えて肩をマッサージするのに用い
る浴槽の肩当て用シャワー装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の浴槽の肩当て用シャワー装
置としては例えば実開平２−１４１２８２号公報に開示
されるものがある。これは、肩当て用シャワー器具を浴
槽のフランジの上に取り付け、入浴姿勢のまま肩に肩当
て用シャワー器具の肩当て用ノズル部からシャワーを当
てることを目的としている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記した肩
当て用シャワー器具は入浴姿勢のまま肩にシャワーの噴
流を当てるために浴槽のフランジ上に突出するように取
り付けられており、肩当て用シャワーを使用しないとき
に入浴者の邪魔になり、また浴槽からの出入りのときも
危険である。その上、入浴者に十分なマッサージ効果を
与えるためには入浴者の噴流が当たる箇所に垂直に近い
方向から噴流を与える必要があり、そのためには入浴姿
勢にある入浴者の頭部により近い位置に肩当て用ノズル
部を取り付けることなり、より入浴者に邪魔になるとい
う問題がある。

【０００４】本考案は上記問題点に鑑みてなされたもの
であって、本考案の目的とするところは入浴者に十分な
マッサージ効果を与えることのできる噴流の角度を保っ
た状態で使用でき、なお且つ使用していない状態で入浴
者の邪魔にならないように簡単に格納できる浴槽の肩当
て用シャワー装置を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本考案浴槽の肩当て用シャワー装置は、浴槽１のフラン
ジ２に取り付けた台座３０に球面軸受３１を設け、上部
に肩当て用ノズル３を設けた肩当て用シャワー器具１７
の下端に球面状のジョイント部３２を設けると共に台座
３０の球面軸受３１にジョイント部３２を回転自在に装
着して肩当て用シャワー器具１７を起倒自在にし、肩当
て用シャワー器具１７を起立させた状態で台座３０の流
路３３と肩当て用シャワー器具１７の流路３４を連通さ
せると共に肩当て用シャワー器具１７を倒した状態でジ
ョイント部３２にて台座３０の流路３３を遮断するよう
にして成ることを特徴とする

【０００６】

【作用】上記の構成によれば、肩当て用シャワーを使用
するときは肩当て用シャワー器具１７を上方に起立さ
せ、肩当て用ノズル３を十分に高さの高い位置に位置さ
せ、入浴者に十分なマッサージ効果を与えることができ
る噴流の角度を保った状態で使用できる。また肩当てシ
ャワーを使用しないときは肩当て用シャワー器具１７を
横に倒してフランジ２上に寝かして格納でき、入浴者の
邪魔にならないようにできる。また肩当て用シャワー器
具１７を倒して格納した状態ではジョイント部３２で台
座３０の流路３３を遮断して止水できる。

【０００７】

【実施例】図３は浴槽１の全体の斜視図であり、図４は
全体のシステムを示す管路図である。浴槽１の側方には
循環ポンプ８を配置してあり、浴槽１内の吸入口９と循
環ポンプ８とを吸入管１０にて連結してあり、循環ポン
プ８にて浴槽１内の湯を吸入できるようになっている。
また浴槽１の内壁面には浴槽１に気泡混じりの浴湯を噴
射する背用の噴射ノズル１１や足用の噴射ノズル１２を
複数個設けてあり、この噴射ノズル１１，１２と循環ポ
ンプ８とがノズル給水管１３，１４にて連結してあり、
噴射ノズル１１，１２に浴湯を供給できるようになって
いる。浴槽１のフランジ２には空気吸入口１５を設けて
あり、空気吸入口１５と噴射ノズル１１，１２とを空気
配管１６にて連結してあり、これにより噴射ノズル１
１，１２に空気が供給できるようになっている。浴槽１
のフランジ２には入浴者の肩に対応する位置で１対の肩
当て用シャワー器具１７を配置してあり、肩当て用シャ
ワー器具１７と循環ポンプ８とを肩当て用シャワー給水
管１８にて連結してあり、浴湯が肩当て用シャワー器具
１７に供給されるようになっている。肩当て用シャワー
器具１７は後述するように上方に起立させて使用状態に
したり、フランジ２の上に横倒しして格納したりできる
ようになっている。浴槽１の操作はリモコン２０にて行
われるようになっており、各運転パターンの選択、流量
の強弱調節、及び噴流変化の周波数調節などが行えるよ
うになっている。リモコン２０からの信号はリモコン受
光部２１に送られ、循環ポンプ８に収められた制御部２
２に伝えられるようになっている。２７は浴槽１のフラ
ンジ２に取り付けたオンオフスイッチであり、噴射ノズ
ル１１，１２のオンオフが操作されるようになってい
る。２８は排水栓スイッチであり、浴槽１の底部の排水
栓の開閉を行うようになっている。

【０００８】吸入口９から吸い込まれた浴湯は循環ポン
プ８から、ポンプユニット内部において循環流量を制御
する流量制御弁２３を介してノズル給水管１３，１４、
肩当て用シャワー給水管１８に供給されるようになって
いる。ノズル給水管１３、１４及び肩当て用シャワー給
水管１８には夫々モータバルブのような背用流路切換弁
２４、足用流路切換弁２５、肩用流路切換弁２６を設け
てあり、浴湯の供給を切り換えられるようになってい
る。背用流路切換弁２４及び足用流路切換弁２５を通っ
てノズル給水管１３，１４を介して循環してきた浴湯
は、噴射ノズル１１，１２で空気配管１６からの空気と
混合され、浴槽１内に気泡混じりの噴流が噴射される。
肩用流路切換弁２６を通って肩当て用シャワー給水管１
８を介して循環してきた浴湯は、肩当て用シャワー器具
１７に供給され、肩当て用シャワー器具１７の肩当て用
ノズル３から噴射される。噴射ノズル１１，１２、肩当
て用シャワー器具１７に循環供給する浴湯の流量は制御
部２２で、ステッピングモータを用いて弁開度にて流量
を制御できる流量制御弁２３を制御することにより循環
流量を調節することができ、噴射ノズル１１，１２、肩
当て用シャワー器具１７の肩当て用ノズル３から噴射さ
れる噴流の強弱調節や、様々なバリエーションの噴流が
得られる。

【０００９】１対の肩当て用シャワー器具１７は図１に
示すようにフランジ２に取り付けられている。フランジ
２には台座３０がフランジ２に貫通するように配置さ
れ、取り付けナット３６にて固定されている。この台座
３０の上部には球面軸受３１を設けてあり、台座３０に
設けた流路３３には上記肩当て用シャワー給水管１８を
連結してある。球面軸受３１の上部には押さえ部３７を
設けてあり、押さえ部３７の一部に上部から下部に至る
切り欠き３８を設けてある。球面軸受３１の上下にはパ
ッキン３９を装着してある。肩当て用シャワー器具１７
の本体４０の下部には接続部材４１をＯリング４２を介
して装着してあり、接続部材４１の下端に球面状のジョ
イント部３２を設けてある。このジョイント部３２は球
面軸受３１に回転自在に嵌合してあり、押さえ部３７で
外れないように保持してある。接続部材４１と本体４０
との間にはごみを除去するためのストレーナ５２を介装
してある。本体４０の上部に筒状の回転軸４３を水平に
配置して回転自在に装着してある。この回転軸４３を回
転自在に接続する部分にもＯリング４５を介装して水密
的に接続してある。この回転軸４３には肩当て用ノズル
３を装着してあり、この肩当て用ノズル３の先端の噴射
口４６からシャワー水の噴流を噴射できるようになって
いる。この肩当て用ノズル３内にはフィードバック発振
型純流体素子のような発振型純流体素子４７を内装して
あり、発振型純流体素子４７の発振にて噴流の向きを交
互に切り換えるようになっている。つまり発振型純流体
素子４７の主ノズル４８から噴射される噴流がフィード
バック管路５０の負圧にて切り換わり、交互に噴射され
る。また肩当て用シャワー器具１７には下端のジョイン
ト部３２から肩当て用ノズル３に至るように流路３４を
設けてある。肩当て用シャワーを使用するときは図１、
図２（ａ）に示すように肩当て用シャワー器具１７を起
立させ、台座３０の流路３３と肩当て用シャワー器具１
７の流路３４が連通し、肩当て用ノズル３から噴流を噴
射して肩のマッサージができる。このとき肩当用シャワ
ー装置１７はジョイント部３２を球面軸受３１に対して
垂直軸回りに回転することにより水平面内で肩当て用ノ
ズル３を回転でき、回転軸４３にて肩当て用ノズル３を
上下に回転でき、肩当て用ノズル３の向きを自在に変え
ることができるようになっている。また肩当て用シャワ
ー器具１７を切り欠き３８の方に倒すと、ジョイント部
３２が球面軸受３１に対して回転して図２（ｂ）に示す
ように肩当て用シャワー器具１７をフランジ２上に横倒
しして寝かせるように格納できる。このときジョイント
部３２の流路３４のない部分でパッキン３９がジョイン
ト部３２に密着し、格納状態で循環ポンプ８を運転して
も噴流が出ないように止水される。

【００１０】

【発明の効果】本発明は上述のように浴槽のフランジに
取り付けた台座に球面軸受を設け、上部に肩当て用ノズ
ルを設けた肩当て用シャワー器具の下端に球面状のジョ
イント部を設けると共に台座の球面軸受にジョイント部
を回転自在に装着して肩当て用シャワー器具を起倒自在
にしているので、肩当て用シャワーを使用するときは肩
当て用シャワー器具を上方に起立させ、肩当て用ノズル
を十分に高さの高い位置に位置させ、入浴者に十分なマ
ッサージ効果を与えることができる噴流の角度を保った
状態で使用できるものであり、また肩当てシャワーを使
用しないときは肩当て用シャワー器具を横に倒してフラ
ンジ上に寝かして格納でき、入浴者の邪魔にならないよ
うにできるものであり、さらに肩当て用シャワー器具を
起立させた状態で台座の流路と肩当て用シャワー器具の
流路を連通させると共に肩当て用シャワー器具を倒した
状態でジョイント部にて台座の流路を遮断するようにし
ているので、肩当て用シャワー器具を倒して格納した状
態ではジョイント部で台座の流路を遮断して止水できる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の肩当て用シャワー器具部分
の断面図である。

【図２】同上の動作を説明する断面図であって、（ａ）
は使用時の状態、（ｂ）は格納時の状態を示す。

【図３】同上の浴槽全体を示す斜視図である。

【図４】同上の全体のシステムの管路図である。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ フランジ ３ 肩当て用ノズル １７ 肩当て用シャワー器具 ３０ 台座 ３１ 球面軸受 ３２ ジョイント部 ３３ 流路 ３４ 流路

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽のフランジに取り付けた台座に球面
   軸受を設け、上部に肩当て用ノズルを設けた肩当て用シ
   ャワー器具の下端に球面状のジョイント部を設けると共
   に台座の球面軸受にジョイント部を回転自在に装着して
   肩当て用シャワー器具を起倒自在にし、肩当て用シャワ
   ー器具を起立させた状態で台座の流路と肩当て用シャワ
   ー器具の流路を連通させると共に肩当て用シャワー器具
   を倒した状態でジョイント部にて台座の流路を遮断する
   ようにして成ることを特徴とする浴槽の肩当て用シャワ
   ー装置。