JP2556161B2 - 平面型表示装置 - Google Patents

平面型表示装置

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JP2556161B2
JP2556161B2 JP2041601A JP4160190A JP2556161B2 JP 2556161 B2 JP2556161 B2 JP 2556161B2 JP 2041601 A JP2041601 A JP 2041601A JP 4160190 A JP4160190 A JP 4160190A JP 2556161 B2 JP2556161 B2 JP 2556161B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は電子ビームを利用した平面型表示装置に関
するものである。
[従来の技術] 第10図は例えば特開昭63−184239号公報に示されるよ
うな従来の平面型表示装置の一部を示す斜視図であり、
(1)は支持体に接続され通電することによって電子を
放射する電子放射源としての線状熱陰極、(2)はこの
線状熱陰極(1)の上面を覆う断面楕円形状の有孔カバ
ー電極である。この有孔カバー電極(2)は電子を通過
させるための多数の小孔(3)を有しており、適当な電
位を印加することで上記線状熱陰極(1)から電子が引
き出される。(4)はこの有孔カバー電極(2)によっ
て引き出された電子により励起されて赤、緑、青に発光
する3種の蛍光体(5)が内面側にドット状に塗膜さ
れ、さらにその上に導電性を持たせるためのアルミ膜
(図示せず)が形成された前面ガラスであり、このアル
ミ膜に10〜30KV程度の電圧を印加することにより電子が
加速され、蛍光体(5)を励起し発光させる。(6)は
この前面ガラス(4)と上記線状熱陰極(1)との間に
介在し、上記有孔カバー電極(3)によって引き出さ
れ、前面ガラス(4)へ向かう電子を通過あるいは遮断
する制御電極部であり、第11図(a)にその分解構成図
を示すように、前面ガラス(4)上の画素に対応する電
子通過孔(7)を有する絶縁基板(8)と、その絶縁基
板(8)の下面に画素の1列ずつに対応して配列され、
電子通過部(9b)を有する短冊状の金属電極(9a)から
なる第1の制御電極群(9)と、同様に電子通過部(10
b)を有して絶縁基板(8)の上面に画素の1行ずつに
対応して配列された短冊状の金属電極(10a)からなる
第2の制御電極群(10)とから構成される。これら第
1、第2の制御電極群(9)、(10)の各金属電極はそ
れぞれ短冊状の金属からなり、その電子通過部(9b)、
(10b)は第11図(b)に拡大図を示したように、上記
絶縁基板(8)の電子通過孔(7)に対応する部分に多
数の小穴(11)をあけてメッシュ状に形成したものであ
る。
なお、図示していないが、前面ガラス(4)の周囲は
さらに下方に向かってわん曲しながら伸び、背面電極
(30)の下で閉じており、内部は真空に保もたれてい
る。各電極は側面に設けられた封止部から外部へ電気的
に接続されている。
次に動作について説明する。線状熱陰極(1)から放
出さた熱電子は、線状熱陰極(1)に印加された電圧に
対して約5〜30V高い電圧が印加されている有孔カバー
電極(2)によって引き出され、さらに線状熱陰極
(1)と直交する方向に配設された金属電極(9a)から
なる第1の制御電極群(9)のうちの一本に線状熱陰極
(1)の電位に対して約20〜40Vのプラス電位を印加す
ることにより、熱電子はこの電極に引き寄せられ、制御
電極部(6)に達する。なお、ここで線状熱陰極(1)
の動作中に印加されている平均電圧を0Vとして基準の電
圧とする。有孔カバー電極(2)の楕円柱形状、第1の
制御電極群(9)の位置、およびそれぞれの金属電極
(9a)への印加電圧を調整することにより、上記第1の
制御電極群(9)の任意の一本の金属電極(9a)前面で
の電子流密度がほぼ均一になるようになっている。
制御電極部(6)の動作については上記特開昭63−18
4239号公報には説明されていないが、例えば特開昭62−
172642号公報および特開平1−126688号公報などに記載
されているような一般のマトリクス型ディスプレイと類
似であり、以下の通りである。即ち、上記のように第1
の制御電極群(9)のうち1本の金属電極(9a)のみプ
ラス電位となり他は0Vまたはマイナス電位となっていれ
ば、線状熱陰極(1)から放出された熱電子はこのプラ
ス電位の1本の金属電極(9a)にのみ引き寄せられ、そ
の金属電極(9a)の各電子通過部(9b)を通って絶縁基
板(8)の電子通過孔(7)に入っていく。そしてこの
電子通過孔(7)に入った電子はそのまま全てが前面ガ
ラス(4)側へ通過するのではなく、電子通過孔(7)
上部に配置された第2の制御電極群(10)のうち例えば
40〜100Vの電位が印加されている金属電極(10a)の電
子通過部(10b)のみ電子が通過し、他の0Vまたはマイ
ナス電位となっている金属電極(10a)の電子通過部(1
0b)は通過せず、電子通過孔(7)内に止まる。従っ
て、第1の制御電極群(9)のうちプラス電位の印加さ
れたオン状態の1本の金属電極(9a)と、第2の制御電
極群(10)のうちプラス電位が印加されている金属電極
(10a)との交点の電子通過孔(7)のみで電子が通過
する。そして、その通過電子によりその電子通過孔
(7)に対応する画素の位置の蛍光体(5)が発光し、
画面表示が行われる。よって、上記交点が所望の位置に
対応するように各金属電極(9a)、(10a)への電位印
加を制御することにより、所望の画像表示が行える。例
えば、第1の制御電極群(9)のうち金属電極(9a)を
一本ずつ順次走査してオン状態とし、それに同期させて
発光させるべき位置に対応する第2の制御電極群(10)
中の金属電極(10a)をオン状態とし、これを人間の目
に感じない程度の周期、例えば1秒あたり60画面繰り返
す(走査)することにより画像が表示される。
なお、第11図(b)に示すように、絶縁基板(8)の
電子通過孔(7)に対応する各制御電極(9)、(10)
の電子通過部(9b)、(10b)は多数の小穴(11)をあ
けてメッシュ状に形成してなるものであるが、これは、
電子を通過させない状態(オフ状態)にしたときに、電
子通過部(9b)、(10b)全体的に電子を遮断する電位
を生じさせる必要があり、各制御電極(9)、(10)に
0Vから数10Vの小さいマイナス電位を印加すれば電子の
通過を遮断できるようにするためものである。
また、各画素の輝度は、第2の制御電極群(10)の各
金属電極(10a)をオン状態とする時間により制御して
いる。すなわち、第1の制御電極群(9)のオン状態時
間をtyとすると、所定位置の画素をP%の輝度にする場
合その位置に対応する第2の制御電極群(10)の金属電
極(10a)のオン状態時間txをPty/100とすればよい。
[発明が解決しようとする課題] 以上のような従来の平面型表示装置では、絶縁基板
(8)の表面のうち第1、第2の制御電極群の金属電極
で覆われていない部分に電子が序々に付着してその部分
がマイナス電位になり(チャージアップ効果という)、
金属電極をプラス電位としてオン状態とし電子を通過さ
せようとしたときに、上記のような付着電子によるマイ
ナス電位が電子の通過を阻害してその部分の表示輝度を
所望輝度よりも暗くしてしまうという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、チャージアップ効果による輝度低下を防止
することによって常に所望輝度による表示を可能とする
平面型表示装置を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る平面型表示装置は、密閉容器内に設け
られた発光体に電子を放射する電子放射源と、この電子
放射源と上記発光体との間に介在し、複数の電子通過孔
を有する導電性基板に絶縁膜を被膜してなる表面絶縁性
基板と、この表面絶縁性基板に複数に分離して設けら
れ、通過電子制御電圧が印加される制御電極と、上記表
面絶縁性基板の上記導電性基板に所定電圧を印加する電
圧印加手段とを備えたものである。
また、上記電圧印加手段を、上記制御電極に印加され
る通過電子制御電圧の最低電圧より10V以上低い最低値
を有するパルス状電圧を上記導電性基板に印加するパル
ス電圧印加装置により構成するとチャージアップ効果の
防止に効果的である。
また別の発明に係る平面型表示装置は、密閉容器内に
設けられた発光体に電子を放射する電子放射源と、この
電子放射源と上記発光体との間に介在し、複数の電子通
過孔を有する導電性基板に絶縁膜を被膜してなる表面絶
縁性基板と、この表面絶縁性基板に複数に分離して設け
られ、通過電子制御電圧が印加される制御電極とにより
構成し、上記表面絶縁性基板のうち分離配置された制御
電極の間に位置する部分に上記導電性基板が露出する導
体露出部を設けたものである。
さらに別の発明に係る平面型表示装置は、密閉容器内
に設けられた発光体に電子を放射する電子放射源と、こ
の電子放射源と上記発光体との間に介在し、複数の電子
通過孔を有する表面絶縁性基板と、この表面絶縁性基板
が帯状に露出した基板露出部により、それぞれが絶縁さ
れるように上記表面絶縁性基板面および上記電子通過孔
内側壁面に複数に分離して設けられ、各々に独立して通
過電子制御電圧が印加される制御電極とを備え、上記帯
状の基板露出部の幅dμm、および上記基板露出部にお
いて隣合う制御電極が対向する対向面の高さtμmを d/t≦5 d≦100μm として構成したものである。
[作用] この発明の平面型表示装置においては、表面絶縁性基
板が導電性基板に絶縁膜を被膜して形成され、この表面
絶縁性基板の導電性基板に対して電圧印加手段により所
定電圧が印加されるので、その印加電圧により表面絶縁
基板の制御電極で覆われていない部分の電位を電子が付
着しにくい電位とすることができ、チャージアップ効果
がおきにくくなる。
また、電圧印加手段として設けられたパルス電圧印加
装置により、上記制御電極に印加される通過電子制御電
圧の最低電圧より10V以上低い最低値を有するパルス状
電圧が上記導電性基板に印加されると、そのパルス状電
圧により導電性基板から発生する電界により絶縁膜に付
着した電子が離脱し、チャージアップ効果がおきにくく
なる。
また、別の発明においては、電子放射源と発光体との
間に介在する表面絶縁性基板が、複数の電子通過孔を有
する導電性基板に絶縁膜を被膜して形成され、この表面
絶縁性基板に複数に分離して設けられる隣接した制御電
極の間に位置するその表面絶縁性基板の表面部分に、導
電性基板が露出する導体露出部を設けているので、制御
電極で覆われていない部分もこの導体露出部においては
電子がとどまることがなく電子がたまってしまう部分が
小さくなりチャージアップ効果がおきにくくなる。
さらに別の発明においては、電子放射源と発光体との
間に介在し、複数の電子通過孔を有する表面絶縁性基板
が帯状に露出した基板露出部により、それぞれが絶縁さ
れるように上記表面絶縁性基板面および上記電子通過孔
内側壁面に複数に分離して設けられ、各々に独立して通
過電子制御電圧が印加される制御電極とを備え、上記帯
状の基板露出部の幅dμm、および上記基板露出部にお
いて隣合う制御電極が対向する対向面の高さtμmが d/t≦5 d≦100μm となるように構成することにより、制御電極で覆われて
いずに電子が付着してしまう部分が小さく、さらに付着
した電子もすぐ近くに位置している制御電極に移動し、
かつ付着した電子による不要な電界が制御電極の厚さに
よって通過電子の軌道に達しにくくなり、チャージアッ
プ効果による輝度低下が防止される。
[実施例] 以下、この発明の実施例を図に基づいて説明する。第
1図はこの発明の一実施例による平面型表示装置の一部
分の斜視図であり、(1)〜(5)は上記従来例と同様
のものである。(11)は前面ガラス(4)と上記線状熱
陰極(1)との間に介在する制御電極部であり、画面の
各画素に対応する多数の電子通過孔(12)を有し、上記
有孔カバー電極(3)によって引き出され、前面ガラス
(4)へ向かう電子を通過あるいは遮断する。この制御
電極部(11)を一部分断面として示す拡大斜視図を第2
図(a)(b)に示す。第2図(a)は上方、第2図
(b)は下方から見たものである。(13)は電子が通過
するための貫通した電子通過孔(12)を有し、ステンレ
スあるいはアルミニウムなどで形成された導電性基板、
(14)はこの導電性基板(13)の電子通過孔(12)の内
側壁面を含む全表面に厚さ30μmで形成されたアルミ
ナ、シリカなどの絶縁膜であり、これらにより表面絶縁
性基板(15)が構成される。(16)はこの表面絶縁性基
板(15)の下面に、基板露出部(16b)を形成しながら
電子通過孔(12)の1列ずつに対応するように複数に分
割して被膜されたニッケルなどの導電性物質からなる導
電膜(16a)からなる第1の制御導電膜群、(17)は同
様に表面絶縁性基板(15)の上面に、基板露出部(17
b)を形成しながら電子通過孔(12)の1行ずつに対応
するように複数に分割されて被膜された導電膜(17a)
からなる第2の制御導電膜群であり、これら第1、第2
の制御導電膜群(16)、(17)により制御電極が形成さ
れる。これら第1、第2の制御導電膜群(16)、(17)
の導電膜(16a)、(17a)はいずれも電子通過孔(12)
の内側壁面まで被膜されている。そして、第1、第2の
制御導電膜群(16)、(17)の間は導電膜が切れて絶縁
膜(14)が露出した基板露出部(18)が形成されて電気
的に分離されており、かつ上述の如く、第1、第2の制
御導電膜群(16)、(17)それぞれの導電膜(16a)、
(17a)においてはいずれも隣り合った各列もしくは各
行間が基板露出部(16b)、(17b)により電気的に分離
されており、このような構成により、各導電膜(16
a)、(17a)に対し、各列もしくは各行毎独立に別の電
位が印加できるようになっている。
なお、第1図に示すようにこの制御電極部(11)の一
つの角部に絶縁膜(14)が被膜されていずに導電性基板
(13)が露出した導電性基板露出部(13a)が設けられ
ている。そしてこの導電性基板露出部(13a)にはこれ
に所定の電圧を印加する電圧印加回路(19)が接続され
ている。
このような構成の平面型表示装置においては、上記従
来例と同様の電圧印加条件で、第1、第2の制御導電膜
群(16)、(17)に電子の通過を制御する電位を印加す
ることにより、各画素単位で蛍光体(5)の発光を制御
し所望の画像を表示することができる。
ここで、例えば第1の制御導電膜群(16)のうちn番
目の導電膜(16a)に20〜40Vの電圧を印加してオン状態
とし、他の導電膜(16a)には0〜−10Vの電圧、例えば
−3Vの電圧を印加してオフ状態とすると、有孔カバー電
極(2)を通ってきた電子は、その電位によりオフ状態
の導電膜(16a)には達することなく、オン状態の導電
膜(16a)にのみ達する。従って、n番目の導電膜(16
a)以外の導電膜(16a)が被膜されている電子通過孔
(12)の中の基板露出部(18)には電子が付着しない。
また第1の制御導電膜群(16)の導電膜(16a)間に関
しては、n−1番目とn番目の導電膜(16a)間、n番
目とn+1番目の導電膜(16a)間以外の基板露出部(1
6b)にも電子が達することがない。さらに第2の制御導
電膜群(17)側の基板露出部(17b)においてはたとえ
電子が付着しても、電子が第1の制御導電膜群(16)側
から流れていること、前面ガラス(4)に印加されてい
る電圧が極めて大きく付着電子による電界の影響が小さ
いことから、表示輝度には影響がない。
以上の動作については従来例、あるいは表面絶縁性基
板(15)を単なる絶縁体板とした場合も同様である。そ
して従来例の場合、上述のようにn番目の導電膜(16
a)をオン状態とすることにより、そのn番目の導電膜
(16a)が被膜された電子通過孔(12)の中に電子が入
ってきてその中の導電膜(16a)に近接した基板露出部
(18)に電子の一部が衝突して付着する。一度付着した
電子が離れにくく、序々に付着電子が増加し、この付着
電子による電界が強くなってゆき、やがて電子通過孔
(12)を通過しようとする電子に影響を及ぼして対応す
る画素の表示が暗くなっていく。
しかしながら、この発明においては表面絶縁性基板
(15)を、導電性基板(13)に絶縁膜(14)を被膜して
形成し、さらに導電性基板露出部(13a)には、第1の
制御導電膜群(16)におけるオン状態時の印加電圧より
も低い電圧が電圧印加回路(19)から印加されている。
この実施例においては第2の制御導電膜群(17)におけ
るオフ状態時の電位と同程度例えば−3V一定の電圧が導
電性基板露出部(13a)すなわち導電性基板(13)印加
されている。このように導電性基板(13)に−3Vの電圧
が印加されていると、絶縁膜(14)を介してその表面も
低い電位になるので電子が付着しない。従って、上述の
ようにn番目の導電膜(16a)をオン状態とすることに
より、そのn番目の導電膜(16a)が被膜された電子通
過孔(12)の中に電子が入ってきても、その中の基板露
出部(18)には電子が付着しない。このため、この実施
例においては上記状来例のようなチャージアップ効果に
よる輝度低下が発生せず、所望の輝度による安定で均一
した明るさの表示画面が得られた。
このような構成のものにおいては、絶縁膜(14)の厚
さが100μmを越えると導電性基板(13)からの電界が
絶縁膜(14)表面まで届かなくなって効果がなくなる
が、100μm以下であれば効果があり、特に30μm以下
であれば確実な効果があるもので、耐電圧さえあれば薄
い程効果が大きい。
また、導電性基板(13)に印加する電圧は第1の制御
導電膜群(16)のオン状態時の印加電圧以下であれば効
果があり、その電圧を越えると逆効果となる。さらに、
この印加電圧は0V以下であれば確実な効果があり、特に
第2の制御導電膜群(17)のオフ状態時の印加電圧以下
であるとより確実な効果があるもので、低い程効果が大
きい。
絶縁膜(14)の厚さ、および導電性基板(13)への印
加電圧を変えた場合の実験結果を表−1に示す。
この実験例では第1、第2の制御導電膜群(16)、
(17)に印加する制御電圧を、オン状態にする時にはそ
れぞれ40Vおよび60V、オフ状態にする時にはいずれも−
3Vとし、有孔カバー電極(3)への印加電圧は7Vとし
た。なお、この表−1中の評価は、表面絶縁性基板(1
5)を単なる絶縁体板で構成した場合と比較した結果を
示し、×は効果がみられなかった場合、○は効果がみら
れた場合、◎は通常の動作においてチャージアップ効果
が全くみられず、効果が確実であった場合を示す。
なお、上記実施例では絶縁膜(14)としてアルミナを
用いた場合を説明したが、シリカ等の絶縁膜、あるいは
ポリイミド樹脂などの有機物の絶縁膜でも同様に効果が
ある。
また、上記実施例では第1、第2の制御導電膜群(1
6)、(17)に印加する制御電圧を、オン状態時にはそ
れぞれ40Vおよび60V、オフ状態時にはいずれも−3V、有
孔カバー電極(3)への印加電圧を7Vとした場合を示し
たが、これらの電圧値に限ることなく、例えばオン状態
時の印加電圧を第1の制御導電膜群(16)には10〜80
V、第2の制御導電膜群(17)には20〜120V、オフ状態
時の印加電圧をそれぞれ独立に0〜−10V、有孔カバー
電極(3)への印加電圧を5〜40Vとした実験において
も同様の効果があった。
また第3図(a)、(b)は他の実施例を示すもの
で、導電性基板(13)全表面に絶縁膜(14)を形成し、
その上面、下面に制御電極としてそれぞれ第11図に示し
た従来例と同様の短冊状金属電極(9a)、(10a)をそ
れぞれ直交する方向で配設して制御電極部(11)を構成
したものである。この場合でも、導電性基板(13)に対
し、第1の制御導電膜群(16)のオン状態時の印加電圧
以下の電圧を印加すれば、上記実施例と同様に絶縁膜
(14)に電子が付着せずチャージアップ効果が防止され
る。
また、チャージアップ効果を効果的に防止する手段と
して、所定電圧値のパルス状電圧を導電性基板(13)に
印加するパルス電圧印加装置(20)により電圧印加手段
を構成したものを第4図に示す。このパルス電圧印加装
置(20)以外は第1図、第2図に示したものと同様であ
る。このパルス電圧印加装置(20)は、通常は一定の電
圧、例えば第1の制御導電膜群(16)におけるオン状態
時に印加する電圧とおなじ40Vあるいはそれ以上の50Vの
電圧を導電性基板(13)に印加している。そして、画像
表示のときに上述の如く第1の制御導電膜群(16)の導
電膜(16a)を順にオン状態としていくが、各導電膜(1
6a)がオン状態となる直前の所定期間に、第1の制御導
電膜群(16)におけるオフ状態時の印加電圧よりも10V
以上低い電圧がパルス電圧印加装置(20)から導電性基
板(13)に印加され、例えば第1の制御導電膜群(16)
におけるオフ状態時の印加電圧を上記実施例同様に−3V
とした場合、−20Vの電圧を印加する。そして上記所定
期間は1本の導電膜(16a)がオン状態となる6μsec前
から0μsec前までの6μsec間とし、上記−20Vの電圧
がパルス状に印加されることになる。この電圧印加を各
導電膜(16a)がオン状態となる前毎に行う。
このように−20Vの電圧をパルス状に印加するとその
電界によって、それまでに基板露出部(18)等に付着し
た電子が表面から離脱されせら、付着電子が存在しない
状態で各導電膜(16a)がオン状態となる。このためチ
ャージアップ効果による輝度低下が発生せず、所望の輝
度による安定で均一した明るさの表示画面が得られた。
表−2に絶縁膜(14)の厚さ、および導電性基板(1
3)への印加電圧を変えた場合の実験結果を示す。表−
2より絶縁膜(14)の厚さが100μmを越えると導電性
基板(13)からの電界が絶縁膜(14)表面まで届かなく
なって効果がなくなるが、100μm以下であれば効果が
あり、特に50μm以下であれば確実な効果があることが
わかる。
また、パルス状電圧の電圧値は、第1の制御導電群
(16)におけるオフ状態時の印加電圧−3Vよりも10V以
上低い−13V以下であれば効果がある。なお、この実験
例では第1、第2の制御導電膜群(16)、(17)に印加
する制御電圧を、オン状態にする時にはそれぞれ40Vお
よび60V、オフ状態にする時にはいずれも−3Vとし有孔
カバー電極(3)への印加電圧は7Vとした。
なお、この表−2中の評価欄中の×、○、◎は上記表
−1で示したものと同様のことを示す。
またパルス電圧印加時以外における導電性基板(13)
への印加電圧を増加すると表示輝度が上がる傾向があ
り、この印加電圧が第1の制御導電膜群(16)における
オン状態時の印加電圧を越えるとこの効果がはっきりす
る。なお、この印加電圧が第2の制御導電膜群(17)に
おけるオン状態時の印加電圧を越えると、チャージアッ
プ効果を防ぐ効果がやや小さくなっていく。一方、この
パルス電圧印加時以外における導電性基板(13)への印
加電圧を低くしていくと、パルス電圧印加後わずかに付
着する電子によると考えられる定常的な輝度むらが極め
て小さくなっていくが、0V以下になると輝度の減少が著
しい。
つまり、チャージアップ効果を減じるには導電性基板
(13)への印加電圧を下げる必要があり、一方導電性基
板(13)への印加電圧を下げると輝度が減少する。従っ
て、上述のように導電性基板(13)に直流電圧を印加せ
ずパルス状電圧を印加することにより、低い電圧をかけ
て輝度が低下してしまう時間を小さくしながら、付着電
子が瞬時に離脱されるような十分低い電圧をかけてチャ
ージアップ効果を減じるという効果が得られるものであ
る。また、輝度に大きく影響しない程度に低い直流電圧
を導電性基板(13)に印加した場合、チャージアップ効
果を減じる効果はあるものの、一度付着した電子は離れ
にくい傾向があり、例えば電源を投入した直後、あるい
は24時間を越える長時間動作時などにはチャージアップ
効果がみられる場合がある。これに対し、上述のように
して付着電子を離脱させるために十分なエネルギーを与
えるような十分低い電圧のパルス状電圧印加は効果的で
ある。
なお上述の説明では導電膜(16a)がオン状態となる
直前の所定時間に十分低い電圧を印加する場合を示した
が、この電圧を導電膜(16a)がオン状態となってから
印加しても効果があり、また十分低い電圧を印加してい
る間、第1の制御導電膜群(16)の導電膜(16a)を全
てオフ状態にするなど、付着電子を離脱させる特別のモ
ードを設けるようにしてもよい。さらに各導電膜(16
a)がオン状態となる毎に1回の周期のパルス状電圧を
印加していたが、2回以上の周期でも同様の効果があ
り、逆に減らしてもよい。第1の制御導電膜群(16)の
全ての導電膜(16a)が1まわりオン状態となる毎(1
フレーム間)に1回の周期でも効果が見られた。また、
十分低い電圧を印加する期間は6μsec間としたが、こ
の期間は長い方が効果がはっきりする傾向があるもの
の、0.5μsec間でも効果がみられた。
また、第1、第2の制御導電膜群(16)、(17)に印
加する制御電圧を、オン状態時にはそれぞれ40Vおよび6
0V、オフ状態時にはいずれも−3V、有孔カバー電極
(3)への印加電圧を7Vとした場合を示したが、これら
の電圧値に限ることなく、例えばオン状態時の印加電圧
を第1の制御導電膜群(16)には10〜80V、第2の制御
導電膜群(17)には20〜120V、オフ状態時の印加電圧を
それぞれ独立に0〜−10V、有孔カバー電極(3)に対
する印加電圧を5〜40Vとした実験においても同様の効
果があった。
そして、このようにパルス状電圧を導電性基板(13)
に印加する効果は、この第4図に示した実施例に限られ
ず、上記第3図に示したように、導電性基板(13)全表
面に絶縁膜(14)を形成し、その上面、下面にそれぞれ
短冊状金属(9a)、(10a)を配設して電極制御電極部
(11)を構成したものにおいても同様である。
次に、チャージアップ効果を防止するための別の発明
の実施例を説明する。第5図はこの発明の実施例を示す
ものでにおける制御電極部(11)を一部分断面として示
す拡大斜視図である。第5図において(11)〜(15)、
(19)は上記第2図に示した平面型表示装置と同様のも
のである。(21)は表面絶縁性基板(15)の下面に、電
子通過孔(12)の1列ずつに対応するように複数に分割
して被膜されたニッケルなどの導電性物質からなる導電
膜(21a)からなる第1の制御導電膜群、(22)は同様
に表面絶縁性基板(15)の上面に、電子通過孔(12)の
1行ずつに対応するように複数に分割されて被膜された
導電膜(22a)からなる第2の制御導電膜群である。こ
れら第1、第2の制御導電膜群(21)、(22)の導電膜
(21a)、(22a)はいずれも電子通過孔(12)の内側壁
面まで被膜されている。
そして、表面絶縁性基板(15)の上面と下面に設けら
れた第1、第2の制御導電膜群(21)、(22)の間は電
気的に分離されており、かつ上述の如く、第1、第2の
制御導電膜群(21)、(22)においてはいずれも隣り合
った各列もしくは各行の導電膜間が電気的に分離されて
おり、各導電膜(21a)、(22a)に対し、各列もしくは
各行毎独立に別の電位が印加できるようになっている。
さらに、電子通過孔(12)内の各導電膜(21a)、(2
2a)間、あるいは隣り合った各列もしくは各行の導電膜
間に位置する表面絶縁性基板(15)の表面部分には導電
性基板(13)が露出する導体露出部(23)が形成されて
いる。第6図にこの制御電極部(11)の部分拡大断面図
を示す。この第6図に示されるように、導体露出部(2
3)が形成されているため絶縁膜(14)が露出する部分
はその端部(24)のみとなっている。なお、この絶縁膜
(14)の膜厚は30μmである。
このような構成の平面型表示装置において、導電性基
板(13)には20Vの電圧が印加されており、他の電圧印
加条件は上記第1図で説明したものと同様に、第1、第
2の制御導電膜群(21)、(22)に印加する制御電圧
を、オン状態にする時にはそれぞれ40Vおよび60V、オフ
状態にする時にはいずれも−3Vとしている。
ここで、例えば第1の制御導電膜群(21)のうちn番
目の導電膜(21a)に40Vの電圧を印加してオン状態とす
ると、電子はオフ状態の導電膜(21a)に達することな
く、オン状態の導電膜(21a)の近傍にのみ達する。そ
してこの電子の一部は、表面絶縁性基板(15)の下面あ
るいは電子通過孔(12)内において、オン状態の導電膜
(21a)と導電性基板(13)と挟まれた絶縁膜端部(2
4)に達し、一部がこの絶縁膜端部(24)に付着する。
しかし、この絶縁膜端部(24)は狭い幅で両側を導体に
挟まれているため付着した電子がすぐそばの導体に移動
しやすく、付着電子密度は大きくならない。また絶縁膜
端部(24)の露出表面は狭いので付着する電子が少な
く、これによる電子通過孔(12)を通過する電子への影
響は小さい。これらの効果によって、この実施例ではチ
ャージアップ効果による輝度低下が発生せず、所望の輝
度による安定で均一した明るさの表示画面が得られた。
このような構成において絶縁膜(14)の厚さを変えた
場合の実験結果を表−3に示す。なお、この表−3中の
評価欄中の×、○、◎は上記表−1で示したものと同様
のことを示す。
この表−3から、絶縁膜厚さは120μm以下であれば
よいことがわかる。
導電性基板(13)への印加電圧は20Vであったが、こ
の電圧はこれ以外の値であってもこの発明による効果が
みられ、特に0V以下の場合に効果が大きい。
また、この導電性基板(13)への印加電圧は一定電圧
でなくとも、例えば第1の制御導電膜群(21)の走査に
同期した交流電圧などの周期的に変動する電圧、あるい
はパルス状の電圧などでもよい。ただし、この導電性基
板(13)を所定の電位に保つようにしておかず、いわゆ
る電気的に浮いた状態にしておくと、導電性基板(13)
自体に電子が付着してやがて強いマイナス電位を持つよ
うになって電子が電子通過孔(12)を通過しにくくなっ
て表示輝度を暗くしてしまうことがある。
また他の実施例を第7図に示し、この例は導電性基板
(13)上面および下面に絶縁膜(14)を形成し、その絶
縁膜(14)に制御電極として第11図に示した従来例と同
様の短冊状金属電極(9a)、(10a)をそれぞれ直交す
る方向で配設して制御電極部(11)を構成したものであ
り、絶縁膜(14)は短冊状金属電極(9a)、(10a)に
対応する部分のみに設けられ、他の部分は導体露出部と
なっている。この場合でも同様の効果が得られた。
これらの実施例においては制御電極の設けられた部分
にのみ絶縁膜(14)を設けて他の部分を導体露出部(2
3)としたものを説明したが、表面絶縁性基板(15)の
うち電子の付着しやすい部分のみを導体露出部(23)と
し、他は絶縁膜(14)が露出するようにしてもよく、例
えば第2の制御導電膜群(22)の導電膜(22a)間は絶
縁膜(14)が露出したままでもほとんど影響がなく、さ
らに第1の制御導電膜群(21)の導電膜(21a)間を絶
縁膜(14)が露出したままとしてもよい。
なお、オン状態時の印加電圧を第1の制御導電膜群
(21)には10〜80V、第2の制御導電膜群(22)には20
〜120V、オフ状態時の印加電圧をそれぞれ独立に0〜−
10V、有孔カバー電極(3)への印加電圧を5〜40Vとし
た実験においても同様の効果があった。
次に、チャージアップ効果を防止するためのさらに別
の発明の実施例を説明する。第8図はこの発明の実施例
を示すもので、第8図(a)は平面型表示装置の一部分
の斜視図、第8図(b)はその制御電極部(11)を一部
分断面として示す拡大斜視図である。(1)〜(5)、
(11)、(12)は上記第1図に示した構成の平面型表示
装置と同様のものである。(25)は電子が通過するため
の貫通した電子通過孔(12)を有し、アルミナを主成分
とするセラミックス板からなる絶縁性基板である。この
絶縁性基板(25)に、上記第2図に示したものと同様に
して制御電極としての第1、第2の制御導電膜群(1
6)、(17)が形成されている。すなわち、絶縁性基板
(25)下面にこの絶縁性基板(25)が帯状に露出した基
板露出部(16b)を形成しながら電子通過孔(12)の1
列ずつに対応するように複数に分割して導電膜(16a)
被膜されて第1の制御導電膜群(16)が形成され、同様
に絶縁性基板(25)上面にこの絶縁性基板(25)が帯状
に露出した基板露出部(17b)を形成しながら電子通過
孔(12)の1行ずつに対応するように複数に分割されて
導電膜(17a)被膜されて第2の制御導電膜群(17)が
形成されている。
そして、この第1、第2の制御導電膜群(16)、(1
7)の導電膜(16a)、(17a)の厚さ、すなわち基板露
出部において隣合う制御電極が対向する対向面の高さ、
tは10μmであり、また電子通過孔(12)内側壁面で隣
接する導電膜(16a)、(17a)間、および制御電極部
(11)上面において隣接する導電膜(16a)間、制御電
極部(11)下面において隣接する導電膜(17a)間の
幅、すなわち帯状の基板露出部と幅、dはいずれも40μ
mとなっている。第9図は電子通過孔(12)内側壁面で
隣接する導電膜(16a)、(17a)を示す部分拡大断面図
である。
このような構成の平面型表示装置において、上記第1
図で説明したものと同様に、第1、第2の制御導電膜群
(16)、(17)に印加する制御電圧を、オン状態にする
時にはそれぞれ40Vおよび60V、オフ状態にする時にはい
ずれも−3V、有孔カバー電極(3)への印加電圧を7Vと
いう条件とする。
第1の制御導電膜群(16)のうちn番目の導電膜(16
a)に40Vの電圧を印加してオン状態とすると電子はオフ
状態の導電膜(16a)に達することなく、オン状態の導
電膜(16a)の近傍にのみ達する。そして電子は、電子
通過孔(12)に入り、その電子の一部は電子通過孔(1
2)内側壁面に形成された、絶縁性基板が帯状に露出し
た基板露出部(18)に達し、その一部がこの基板露出部
(18)に付着する。
しかし、この基板露出部(18)は導電膜(16a)、(1
7a)の厚みにより電子の軌道から離され、かつ狭い幅を
有しているために電子が到達しにくく、また付着した電
子はすぐそばの導電膜(16a)、(17a)に移動しやす
く、付着電子密度は大きくならない。そしてその付着電
子による電界も基板露出部(18)が導電膜(16a)の厚
みにより電子の軌道から離されていることから電子通過
孔(12)を通過する電子への影響が小さい。
これらの効果によって、この実施例ではチャージアッ
プ効果による輝度低下が発生せず、所望の輝度による安
定で均一した明るさの表示画面が得られた。なお基板露
出部(16b)に付着する電子の電界は電子通過孔(12)
を通過する電子の軌道から離れており、基板露出部(1
8)に付着する電子の電界よりは影響が小さい。
このような構成において、隣接する導電膜間幅d導電
膜の厚さtを変えた場合の実験結果を表−4に示す。
なお、この表−4中の評価欄中の×はチャージアップ
効果による表示輝度の変動が観測された場合、◎は表示
輝度の変動が観測されなかった場合を示す。
この表からd/t≦5かつd≦100μmであればよいこと
がわかる。なお上述の如く第1、第2の制御導電膜群
(16)、(17)に印加する制御電圧を、オン状態にする
時にはそれぞれ40Vおよび60V、オフ状態にする時にはい
ずれも−3Vとしたが、第1、第2の制御導電膜群(1
6)、(17)をオン状態にする時に印加する制御電圧の
差が大きい方がこの発明の効果が大きくなり表−4より
良くなる傾向がある。特にこの電圧差は20V以上なら確
実に効果がある。なお、オン状態時の印加電圧を第1の
制御導電膜群(21)には10〜80V、第2の制御導電膜群
(22)には20〜120V、オフ状態時の印加電圧をそれぞれ
独立に0〜−10V、有孔カバー電極(3)への印加電圧
を5〜40Vとした実験においても同様の効果があった。
この実施例においては絶縁性基板(25)としてアルミ
ナを主成分とするセラミックス板を用いたものについて
説明したがこれはガラスなど絶縁性のものであればよ
く、また第2図等に示したように導電性基板の表面に絶
縁膜を形成したものであってもよい。
またこの実施例においては均一の厚みtを有する導電
膜(16a)により制御電極を形成したものについて説明
したが、隣合う制御電極が対向する対向面の高さをtと
して上記のような条件として形成すれば同様の効果を奏
する。例えば制御電極を導電膜により形成する場合で
も、上記tよりも薄い膜厚の導電膜を被膜し、例えば絶
縁性基板(25)の基板露出部(18)をtμm程度くぼま
せて形成し、そのくぼみの側面にも導電膜を被膜して、
第9図中(b)のように実質的に隣合う制御電極が対向
する対向面の高さをtμmとするようにしてもよい。
以上のようにこれらの発明によればチャージアップ効
果による表示輝度の変動を防止することができる。
なお上記第1図から第9図までの説明では電子通過孔
(12)が四角形状の場合を例に説明したが、丸孔など他
の形状においても同様の効果がある。また、線状熱陰極
(1)および有孔カバー電極(2)によって電子放射源
を構成したものについて説明したが、これに限られるこ
となく制御電極部(11)に対して均一に電子を放射する
ものであればよく、例えば傍熱形の点状陰極をマトリッ
クス状に並べたもの、電界放出を利用した陰極のアレイ
などでもよい。
[発明の効果] 以上述べてきたようにこの発明によれば、発光体と電
子放射源との間に介在し、複数の電子通過孔を有する導
電性基板に絶縁膜を被膜して表面絶縁性基板を構成し、
この表面絶縁性基板に複数に分離して制御電極を設ける
とともに、上記導電性基板に所定電圧を印加する電圧印
加手段を設けたので、この電圧印加手段より導電性基板
に対して印加される電圧により、表面絶縁基板の制御電
極で覆われていない部分の電位を電子が付着しにくい電
位とすることができ、チャージアップ効果を防止して輝
度が変動しない安定した表示ができる平面型表示装置が
得られるという効果がある。
また、上記電圧印加手段を、上記制御電極に印加され
る通過電子制御電圧の最低電圧より10V以上低い最低値
を有するパルス状電圧を上記導電性基板に印加するパル
ス電圧印加装置により構成したので、そのパルス電圧印
加装置からの印加電圧によって導電性基板から発生する
電界により、絶縁膜に付着した電子が離脱してチャージ
アップ効果が防止でき、輝度が変動しない安定した表示
ができるという効果がある。
さらに、発光体と電子放射源との間に介在し、複数の
電子通過孔を有する導電性基板に絶縁膜を被膜して表面
絶縁性基板を構成し、この表面絶縁性基板に複数に分離
して制御電極を設けるとともに、表面絶縁性基板のうち
分離配置された制御電極の間に位置する部分に上記導電
性基板が露出する導体露出部を設けたので、制御電極で
覆われていない部分もこの導体露出部においては電子が
とどまることがなく電子がたまってしまう部分が小さく
なるので、チャージアップ効果が防止でき、輝度が変動
しない安定した表示ができるという効果がある。
そして、電子放射源と発光体との間に介在し、複数の
電子通過孔を有する表面絶縁性基板が帯状に露出した基
板露出部により、それぞれ絶縁されるように上記表面絶
縁性基板面および上記電子通過孔内側壁面に複数に分離
して設けられ、各々に独立して通過電子制御電圧が印加
される制御電極とを備え、上記帯状の基板露出部の幅d
μm、および上記基板露出部において隣合う制御電極が
対向する対向面の高さtμmが d/t≦5 d≦100μm となるように構成することにより、制御電極以外に付着
した電子もすぐ近くに位置している制御電極に移動し、
かつ付着した電子による不要な電界が制御電極の厚さに
よって通過電子の軌道に達しにくくなるので、チャージ
アップ効果による輝度低下が防止され、輝度が変動しな
い安定した表示ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明による平面型表示装置の一部分の斜視
図、第2図はその装置の制御電極部を一部分断面として
示す拡大斜視図、第3図は他の実施例の平面型表示装置
の部分斜視図およびその制御電極部を一部分断面として
示す拡大斜視図、第4図は別の実施例による平面型表示
装置の部分斜視図、第5図は別の発明による平面型表示
装置の部分斜視図およびその制御電極部を一部分断面と
して示す拡大斜視図、第6図はその制御電極部の拡大断
面図、第7図は他の実施例を示す構成図、第8図はさら
に別の発明による平面型表示装置の部分斜視図およびそ
の制御電極部を一部分断面として示す拡大斜視図、第9
図はその制御電極部の拡大断面図、第10図は従来の平面
型表示装置の部分斜視図、第11図はその装置の制御電極
部の部分斜視図およびその制御電極部の部分拡大図であ
る。 図において、(1)は線状熱陰極、(4)は前面ガラ
ス、(5)は蛍光体、(11)は制御電極部、(12)は電
子通過孔、(13)は導電性基板、(14)は絶縁膜、(1
5)は表面絶縁性基板、(16)は第1の制御導電膜群、
(16a)は導電膜、(16b)は基板露出部、(17)は第2
の制御導電膜群、(17a)は導電膜、(17b)、(18)は
基板露出部、(19)は電圧印加回路、(20)はパルス電
圧印加装置、(21)は第1の制御導電膜群、(21a)は
導電膜、(22)は第2の制御導電膜群、(22a)は導電
膜、(23)は導体露出部、(24)は絶縁膜端部、(25)
は絶縁性基板である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大平 卓也 神奈川県鎌倉市大船2丁目14番40号 三 菱電機株式会社生活システム研究所内 (72)発明者 渡部 勁二 神奈川県鎌倉市大船2丁目14番40号 三 菱電機株式会社生活システム研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−18668(JP,A) 特開 昭52−44154(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に設けられた発光体に電子を放
    射する電子放射源と、この電子放射源と上記発光体との
    間に介在し、複数の電子通過孔を有する導電性基板に絶
    縁膜を被膜してなる表面絶縁性基板と、この表面絶縁性
    基板に複数に分離して設けられ、通過電子制御電圧が印
    加される制御電極と、上記表面絶縁性基板の上記導電性
    基板に所定電圧を印加する電圧印加手段とを備えたこと
    を特徴とする平面型表示装置。
  2. 【請求項2】上記電圧印加手段を、上記制御電極に印加
    される通過電子制御電圧の最低電圧より10V以上低い最
    低値を有するパルス状電圧を上記導電性基板に印加する
    パルス電圧印加装置により構成したことを特徴とする請
    求項1記載の平面型表示装置。
  3. 【請求項3】密閉容器内に設けられた発光体に電子を放
    射する電子放射源と、この電子放射源と上記発光体との
    間に介在し、複数の電子通過孔を有する導電性基板に絶
    縁膜を被膜してなる表面絶縁性基板と、この表面絶縁性
    基板に複数に分離して設けられ、通過電子制御電圧が印
    加される制御電極とを備え、上記表面絶縁性基板の表面
    のうち、隣接した上記制御電極の間に位置する部分に上
    記導電性基板が露出する導体露出部を設けたことを特徴
    とする平面型表示装置。
  4. 【請求項4】密閉容器内に設けられた発光体に電子を放
    射する電子放射源と、この電子放射源と上記発光体との
    間に介在し、複数の電子通過孔を有する表面絶縁性基板
    と、この表面絶縁性基板が帯状に露出した基板露出部に
    より、それぞれが絶縁されるように上記表面絶縁性基板
    面および上記電子通過孔内側壁面に複数に分離して設け
    られ、各々に独立して通過電子制御電圧が印加される制
    御電極とを備え、上記帯状の基板露出部の幅をdμm、
    上記基板露出部において、隣合う制御電極が対向する対
    向面の高さをtμmとした場合、 d/t≦5 d≦100μm を満たすように構成したことを特徴とする平面型表示装
    置。
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JPH03245445A (ja) 1991-11-01

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