JPH07320667A - 薄型表示装置 - Google Patents

薄型表示装置

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Publication number
JPH07320667A
JPH07320667A JP11537794A JP11537794A JPH07320667A JP H07320667 A JPH07320667 A JP H07320667A JP 11537794 A JP11537794 A JP 11537794A JP 11537794 A JP11537794 A JP 11537794A JP H07320667 A JPH07320667 A JP H07320667A
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JP
Japan
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electrode
electron
electrode portion
control electrode
deflection
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Application number
JP11537794A
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English (en)
Inventor
Kai Nishiyama
槐 西山
Ryo Suzuki
量 鈴木
Masato Saito
正人 斉藤
Tetsuya Shiraishi
哲也 白石
Hirobumi Tanaka
博文 田中
Yumiko Nakamura
有美子 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、各電極の位置が合わせやすく、
かつ、相互位置が変化しにくい、高精細な薄型表示装置
を提供する。 【構成】 真空密封容器内に、2色以上の蛍光体が周期
構造をもって塗り分けられた蛍光面6と、電子を放射す
る線状熱陰極1と、この線状熱陰極の少なくとも蛍光面
側を覆い多数の孔が設けられた取り出し電極2と、取り
出し電極を通過した電子を前記蛍光面に向かって均一に
広がった電子流に整形する電子流整形電極4と、表面絶
縁性基板に縦横に規則的に並んだ複数の電子通過孔10
が設けられ、該電子通過孔の線状熱陰極側の面に縦方向
に異なる電位を印加する第1の電極膜が設けられ、ま
た、蛍光面側の面に横方向に異なる電位を印加する第2
の電極膜が設けられて電子の通過を制御し、かつ、電子
ビームを形成する制御電極部9と、電子ビームを偏向す
る偏向電極部50とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子ビームを利用した薄
型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より薄型表示装置としては、たとえ
ば特開平5−121014号公報に記載された図11、
12に示されるようなものが知られている。図11はこ
の従来の薄型表示装置の一部を示す部分断面斜視図で、
図12は、類似の従来例の薄型表示装置の別な方向から
みた一部を省略した部分断面斜視図である。図11〜1
2において、1は支持体に接続され、通電することによ
って電子を放射する線状熱陰極で、2はこの線状熱陰極
1の上面を覆う断面が半楕円形状あるいは半円形状の取
り出し電極である。取り出し電極2は電子を通過させる
ための多数の小孔を有しており、適当な電位を印加する
ことにより線状熱陰極1から電子が引き出される。この
線状熱陰極1、取り出し電極2、さらに平行に並んだ取
り出し電極2を固定し取り出し電極2と同電位になって
いる背後電極3、および後述する電子流整形電極4から
電子放射源5が構成されている。電子流整形電極4は、
ステンレス製で開口率の高い孔、たとえば、2mmピッ
チで1辺1.8mmの正方形の孔が開けられ、取り出し
電極2と制御電極部9のあいだに設けられている。
【0003】蛍光面6は前面ガラス8の内面に、電子に
より励起されて赤、緑、青に発光する3種の蛍光体7が
ドット状に塗膜され、さらにその上に導電性をもたせる
ためのアルミ膜(図示せず)が形成されている。このア
ルミ膜に10〜30kV程度の電圧が印加されることに
より、電子が加速され、蛍光体7を励起し、発光させ
る。
【0004】制御電極部9は前面ガラス8と電子放射源
5とのあいだに設けられ、取り出し電極2によって引き
出され、前面ガラス8へ向かう電子の通過あるいは遮断
を制御する。この制御電極部9は図12に詳細図が示さ
れるように、前面ガラス8上の画素に対応する電子通過
孔10を有する表面絶縁性基板たとえばガラス製の絶縁
基板11と、この絶縁基板11の電子放射源5側の面に
画素の1列ずつに対応して配列され、短冊状の金属電極
12aからなる第1の制御電極群12と、同様に絶縁基
板11の蛍光体側の面に画素の1行ずつに対応して配列
された短冊状の金属電極14aからなる第2の制御電極
群14とから構成されている。これら第1、第2の制御
電極群12、14の各金属電極はたとえばニッケル膜か
らなり、それぞれ電子通過孔10内に入り込んでいる
が、孔内にニッケル膜の付着していない部分があって、
第1、第2の制御電極群12、14のあいだは絶縁され
ている。また、第1の制御電極群12には線状熱陰極1
と直交する方向にニッケル膜の付着していない絶縁溝す
なわち分離帯15がそれぞれの電子通過孔10のあいだ
に設けられている。同様に第2の制御電極群14には第
1の制御電極群の分離帯15と直交する方向、すなわち
線状熱陰極1と平行な方向に分離帯16が設けられてい
る。
【0005】また、図11に示されるように必要に応じ
て電子ビームのビーム径を調整する集束電極17が制御
電極部9と蛍光面6とのあいだに設けられている。な
お、18は電子ビームである。
【0006】前記電子放射源5、制御電極部9、集束電
極17が前面ガラス8と図示していない側面および背面
部分とで構成される密封容器内に設置され、内部は真空
に保たれている。各電極は側面に設けられた封止部を介
して外部と電気的に接続されている。
【0007】つぎに動作について説明する。線状熱陰極
1から放出された熱電子は、線状熱陰極1の平均電位を
基準にして(以後この平均電位を0Vとする)約5〜4
0Vが印加されている取り出し電極2によって引き出さ
れ、つぎに約30〜150Vが印加された電子流整形電
極4により蛍光面6方向を向いた均一な電子流に整形さ
れて制御電極部9の前面に送り出され、さらに線状熱陰
極1と直交する方向に配設された金属電極12aからな
る第1の制御電極群12のうちの1本に約20〜100
Vのプラス電位を印加することにより、熱電子はこの電
極に引き寄せられ、制御電極部9に達する。取り出し電
極2の断面の楕円形状、電子流整形電極4の位置と印加
電圧、第1の制御電極群12の位置、およびそれぞれの
金属電極12aへの印加電圧を調整することにより、第
1の制御電極群12の任意の一本の金属電極12aの前
面での電子流密度がほぼ均一になるようになっている。
【0008】制御電極部9の動作については以下のとお
りである。前述のように第1の制御電極群12のうち1
本の金属電極12aのみがプラス電位(オン状態)とな
り、他は0Vまたはマイナス電位(オフ状態)となって
いれば、線状熱陰極1から放出された熱電子はこの1本
のオン状態の金属電極12aにのみ引き寄せられ、その
金属電極12aが設けられている1列の電子通過孔10
に入っていく。そしてこの電子通過孔10に入った電子
はそのまますべてが前記ガラス8側へ通過するわけでは
なく、電子通過孔10の前面ガラス8側に設けられた第
2の制御電極群14のうちたとえば40〜100Vの電
位が印加されているオン状態の金属電極14aに対応す
る電子通過孔10のみ電子が通過し、他の0Vまたはマ
イナス電位となっているオフ状態の金属電極14aに対
応する電子通過孔10は通過しない。したがって、第1
の制御電極群12のうちオン状態の1本の金属電極12
aと、第2の制御電極群14のうちオン状態の金属電極
14aとの交点の電子通過孔10のみを電子が通過す
る。その電子通過孔10を通過する電子は図11に示さ
れるように電子ビーム18となり、集束電極17によっ
てビーム径が調整され、蛍光面6に印加された高電圧に
よって加速され、衝突することにより、その電子通過孔
10に対応する画素の位置の蛍光体7が発光し、表示が
行われる。すなわち、前記交点が所望の位置に対応する
ように各金属電極12a、14aへの電圧印加を制御す
ることにより、所望の画像表示を行える。たとえば、第
1の制御電極群12の金属電極12aを1本ずつ順次走
査オン状態とし、それに同期させて発光させるべき位置
に対応する第2の制御電極群14のなかの金属電極14
aをオン状態とし、これを人間の目に感じない程度の周
期、たとえば1秒あたり60画面を繰り返す(走査す
る)ことにより画像が表示される。
【0009】なお、各金属電極12a、14aは電子通
過孔10に入り込んでいるが、これは、オフ状態にした
ときに、各制御電極に0Vから数十Vの小さいマイナス
電位を印加することにより電子の通過を遮断できるよう
にするためのもので、電子通過孔10に入った電子に有
効に電界が加わるようにしているものである。
【0010】各画素の輝度は、第2の制御電極群14の
各金属電極14aをオン状態とする時間により制御して
いる。すなわち、第1の制御電極群12のオン状態時間
をtyとすると、所定位置の画素をP%の輝度にするば
あいその位置に対応する第2の制御電極群14の金属電
極14aのオン状態時間txをtx=P・ty/100
とするとよい。
【0011】一方、図13は、特開昭53−74357
号公報などで開示された他の従来例を示す図である。図
13において、20は電子を発生し、図の左側方向に向
いた均一な電子流を形成する、線状陰極などを含む、平
板状電子源であり、21は多数の電子通過孔22が設け
られた格子状電極板で、平板状電子源20の電子をビー
ム状に整形し、電子ビームとして取り出すものである。
格子状電極板21を通過した電子ビームは、第1の電子
ビーム制御電極板23に達し、そこに設けられた電子通
過孔24の通過を短冊状の電極25により制御される。
さらに、電子通過孔24を通過した電子ビームは、第2
の電子ビーム制御電極板26に達し、そこに設けられた
電子通過孔27の通過を、電極25とは別の方向に長く
延びた短冊状の電極28で制御される。この電子通過孔
27を通過した電子ビームは、集束電極板29の電子通
過孔30を通過することにより集束される。図13から
も明らかなように、格子状電極板21から、第1、第2
の電子ビーム制御電極板23、26、集束電極板29ま
で、その電子通過孔22、24、27、30の位置は1
対1に対応しており、電子ビームを1本ずつ4枚の電極
で制御し整形している。
【0012】集束電極板29につづいて水平偏向電極板
32が配列され、この水平偏向電極板32には第2の電
子ビーム制御電極板26の各制御電極28に対応して、
スリット状の貫通孔33が設けられており、貫通孔33
の壁面には偏向電極34a、34bが形成されている。
さらに各スリット状貫通孔33の相対する壁面の偏向電
極34a、34bは一対の同位相の偏向電界をつくるよ
うに結線されている。そして、集束電極板29の電子通
過孔30を通過した電子ビームはスリット状の貫通孔3
3を通過する際に偏向電極34a、34bの作る電界に
よって左右に偏向される。
【0013】水平偏向電極板32につづいて垂直偏向電
極板35が設けられ、垂直偏向電極板35は水平偏向電
極板32と類似の構成になっており、第1の電子ビーム
制御板23の各電極25に対応したスリット状の貫通孔
36が設けられている。この貫通孔36の相対する壁面
には偏向電極37a、37bが設けられている。そし
て、前記水平偏向電極板32のスリット状貫通孔33を
通過した電子ビームはスリット状貫通孔36に達し、通
過する際に偏向電極37a、37bの作る電界によって
上下に偏向される。つぎに高電圧をしゃへいするしゃへ
い電極板38の電子通過孔39を通過し、前面ガラス4
0に蛍光体41、アルミ膜42が順次設けられた蛍光面
43の高電圧により加速され、蛍光体に衝突し発光する
ようになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述の特開平5−12
1014号公報に示された薄型表示装置においては、表
示する絵素と制御電極部の電子通過孔10のピッチを1
対1で一致させる必要があり、画像の精細度を上げるた
めには、電子通過孔10のピッチを、絵素のピッチと等
しくしながら小さくしなければならないが、制御電極に
精度よく、小さいピッチで孔を開け、しかも要求される
条件の電極膜をつけることは困難である。
【0015】また、特開昭53−74357号公報に示
された薄型表示装置においては、1本あたりの電子ビー
ムをいくつかの絵素に偏向して当てるようにするので、
電子通過孔のピッチを絵素のピッチより大きくできる。
しかしながら、格子状電極板21から、第1、第2の電
子ビーム制御電極板23、26、集束電極板29、水平
偏向電極板32、垂直偏向電極板35、しゃへい電極板
38まで7枚の相互に所定の空間を保って離間されてい
る電極のそれぞれの電子通過孔の位置がすべて正確に一
致している必要があるが、動作中の熱膨脹や経時変化に
よるずれという問題もあり、相互に離れている電極の位
置を合わせる、あるいは、合わせた状態を保つというの
はその機構の設計上も製造上も困難が伴い、さらに、位
置ずれによる色純度の悪化が起こるばあいもあるという
問題がある。
【0016】本発明はこのような問題点を解消するため
になされたもので、各電極の位置が合わせやすく、か
つ、相互位置が変化しにくい高精細な薄型表示装置を提
供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる薄型表
示装置においては、真空に保たれた密封容器内に、2色
以上の蛍光体が周期構造をもって塗り分けられた蛍光面
と、電子を放射する線状熱陰極と、該線状熱陰極の少な
くとも蛍光面側を覆い多数の孔が設けられた取り出し電
極と、該取り出し電極を通過した電子を前記蛍光面に向
かって均一に広がった電子流に整形する電子流整形電極
と、表面絶縁性基板に縦横に規則的に並んだ複数の電子
通過孔が設けられ、該電子通過孔の前記線状熱陰極側の
面に縦横いずれか一方向の並びに異なる電位を印加でき
るように電子通過孔の内壁まで入り込んだ第1の電極膜
が設けられ、かつ、電子通過孔の蛍光面側の面に前記い
ずれか一方向と異なる方向の並びに異なる電位を印加で
きるように第1の電極膜と絶縁して電子通過孔の内壁ま
で入り込んだ第2の電極膜が設けられて電子通過孔の電
子の通過を制御し、かつ、電子ビームを形成する制御電
極部と、電子ビームを偏向する偏向電極部とが備えられ
ている。
【0018】さらに、前記蛍光体が少なくとも縦横いず
れか一方向に周期構造をもつように設けられ、前記偏向
電極部は電子ビームが該一方向のみに偏向するように設
けられたものであることが精度の要求もそれ程されない
ため好ましい。
【0019】さらにまた、前記蛍光体の該一方向の周期
構造の最小基本単位が1本の電子ビームにより偏向され
て照射されるように前記偏向電極部が設けられたもので
あることが高精細化するうえで好ましい。
【0020】さらに、前記制御電極部と前記偏向電極部
の距離が、絶縁物を介して該制御電極部の電子通過孔の
縦横いずれか一方向のピッチ以下となるように近接して
設けることが電子の通過率を減少させないため好まし
い。
【0021】さらに、前記偏向電極部の厚さが前記制御
電極部の電子通過孔の縦横いずれか一方向のピッチの1
/2以上に形成されていることが500V以下の電位差
で電子ビームを偏向できるため好ましい。
【0022】さらに、前記制御電極部と前記偏向電極部
のあいだに電子ビームの径を小さくするための集束電極
が設けられていることが色純度を向上するうえで好まし
い。
【0023】さらに、前記制御電極部と前記集束電極の
距離が該制御電極部の電子通過孔の縦横いずれか一方向
のピッチ以下、前記集束電極と前記偏向電極部の距離が
該集束電極の電子通過孔の前記縦横いずれか一方向のピ
ッチ以下となるようにし、該制御電極部、集束電極、偏
向電極部がそれぞれのあいだに絶縁物を介して近接して
設けられていることが、各電極の位置合わせが容易で、
電子の衝突する率を少なくできるため好ましい。
【0024】さらに、前記偏向電極部の厚さが前記制御
電極部の電子通過孔の縦横いずれか一方向のピッチの1
/2以上に形成されていることが、500V以下の小さ
い電位差で偏向できるため好ましい。
【0025】さらに、前記偏向電極部と前記蛍光面のあ
いだに該偏向電極部近傍の電界を小さくするためのシー
ルド電極が設けられていることが、偏向電極の印加電圧
の変位を低くできるため好ましい。
【0026】さらに、前記偏向電極部と前記シールド電
極とが絶縁物を介して密着されていることが位置合わせ
の煩雑さがなく製造できるため好ましい。
【0027】また、本発明の薄型表示装置は、真空に保
たれた密封容器内に、2色以上の蛍光体が周期構造をも
って塗り分けられた蛍光面と、電子を放射する線状熱陰
極と、該線状熱陰極の少なくとも前記蛍光面側を覆い多
数の孔が設けられた取り出し電極と、表面絶縁性基板に
縦横に規則的に並んだ複数の電子通過孔が設けられ、該
電子通過孔の前記線状熱陰極側の面に縦横いずれか一方
向の並びに異なる電位を印加できるように該電子通過孔
の内壁まで入り込んだ第1の電極膜が設けられ、かつ、
該電子通過孔の前記蛍光面側の面に前記いずれか一方向
と異なる方向の並びに異なる電位を印加できるように第
1の電極膜と絶縁して電子通過孔内壁まで入り込んだ第
2の電極膜が設けられて、電子通過孔の電子の通過を制
御する制御電極部と、該制御電極部の前記線状熱陰極側
の面に絶縁物を介して密着し、電子ビームを形成する電
子ビーム形成電極と、電子ビームを偏向する偏向電極部
とが備えられている。
【0028】
【作用】前記のように構成された本発明の薄型表示装置
によれば、線状熱陰極から電子流整形電極までの電子放
射源により均一な電子流を形成して制御電極部側に送り
出すようにし、さらに2枚必要な制御電極群を表面絶縁
性基板の両面に設けたため、電子が線状熱陰極から放射
され、制御電極部を通過するまでは電子通過孔の位置合
わせは不要で、制御電極部の電子通過孔から蛍光面まで
の位置調整のみでよくなり、かつ、偏向電極により1本
のビームで異なった位置を照射するため、電子通過孔の
ピッチを上げなくても精細度が向上する。
【0029】さらに、制御電極と偏向電極とのあいだに
集束電極が設けられていることにより、電子ビームのビ
ーム径を調節できるようになるため、正確に蛍光体の必
要な幅に電子を照射できるようになって、色純度がさら
に向上する。
【0030】さらに、偏向電極と蛍光面とのあいだにシ
ールド電極が設けられていることにより、蛍光面に印加
される高電圧によって偏向電極近傍の電界が弱められ、
偏向電極への印加電圧の変位が低くても電子を偏向でき
るようになる。
【0031】さらに、これら制御電極部、集束電極、偏
向電極部の相互間距離を小さくすることによって、制御
電極部あるいは集束電極を通過した電子が、つぎの電極
の電子通過孔の周辺へ入射する量が減少するため、電子
の利用率が上昇し、効率が向上する。また、前記電極
に、シールド電極も含めて、相互距離を小さくすること
によって、位置調整も簡便になり、また、ずれも減少す
るので、色純度もよくなる。
【0032】さらに、このように、各電極を近接させた
ばあい、偏向電極を厚くすることによって、偏向電極へ
の印加電圧の変位が低くても電子を偏向できるようにな
る。
【0033】また、請求項11記載の発明においては、
線状熱陰極から放射された電子で均一な電子流を形成し
て制御電極部側に送り出すようにし、さらに2面必要な
制御電極群が表面絶縁性基板の両面に設けられ、制御電
極部の線状熱陰極側の面にほぼ密着させて、集束電極が
設けられているため、電子が線状熱陰極から放射され、
制御電極部を通過するまでは電子通過孔の位置調整がき
わめて簡便で制御電極部の電子通過孔から蛍光面までの
位置調整のみでよくなり、かつ、偏向電極で1本のビー
ムで異なった位置を照射するため、電子通過孔のピッチ
を上げなくても精細度が向上する。さらに、集束電極に
よって、電子ビームのビーム径を調節できるようになる
ため、正確に蛍光体の必要な幅に電子を照射できるよう
になって、色純度がさらに向上する。
【0034】
【実施例】つぎに、本発明の平面型表示装置を図に基づ
いて説明する。
【0035】[実施例1]図1は本発明の薄型表示装置
の一実施例の一部分の断面斜視図で、図2はその一部拡
大図、図3はその部分拡大断面図である。前記第1の従
来例と同様、線状熱陰極1、取り出し電極2、背後電極
3および電子流整形電極4から電子放射源5を構成し、
電子放射源5の前面に制御電極部9が設けられている。
制御電極部9は、縦方向(図1のy軸方向、以下同じ)
に長い、角のとれた長方形の断面形状で鉛直方向(図1
のz軸方向、以下同じ)にやや開いた多数の電子通過孔
10を有する(図3参照)表面絶縁基板、この例では、
光感光性ガラスの絶縁基板11の両表面に、第1の従来
例と同様に、独立にたとえば厚さ0.01mm程度のニ
ッケル膜からなる金属電極12a、14aが設けられ、
第1、第2の制御電極群12、14を構成している。こ
の例では、絶縁基板11の厚さは0.4mm、電子通過
孔10のピッチは縦方向、横方向(図1のx軸方向、以
下同じ)とも0.39mm、電子通過孔10のもっとも
狭い部分の寸法は、縦方向、横方向でそれぞれ0.3m
m、0.15mmであり、両面の開口部分でそれぞれ
0.34mm、0.19mmである。なお、図1におい
て電子通過孔の形状は円形であるが、実際は図2あるい
は、前述のように角のとれた長方形である。ここまでの
電子放射源5および制御電極部9は第1の従来例とは若
干の形状と寸法の違い以外ほぼ同様の構成になってい
る。
【0036】50は金属板からなる偏向電極部で、制御
電極部9の電子通過孔10と同じピッチの電子通過孔5
1をもち、電子通過孔51の縦方向の中心線の位置で切
り離されて各偏向電極52a、52b、52c・・・が
設けられ、各偏向電極52a、52b、52c、・・・
は1個おきに接続されている。すなわち、偏向電極52
a、52c、52e・・・とが接続され、偏向電極52
b、52d、52f・・・とが接続されている。偏向電
極部50は、制御電極部9の各電子通過孔10と偏向電
極部50の各電子通過孔51の中心軸が一致するように
して、四角形状に隣接する4個の孔の中間位置に点状に
設けられたガラスフリット53で接合され、固定されて
いる。この例では、偏向電極部50の厚さは0.2m
m、制御電極部9と偏向電極部50の距離Lmbは0.
04mm、電子通過孔51の横方向の幅は、蛍光面側の
広い部分で0.28mm、隣接する偏向電極52a、5
2b・・・の相互間の切り離された部分での距離は、
0.07mmである。
【0037】この偏向電極部50から、5〜15mm、
この例では、9mm離れて前面ガラス上に蛍光面6が設
けられている。蛍光面6には、赤、緑、青の3色の発光
をする3種類の蛍光体7が、蛍光面の上端から下端まで
縦に長く、横方向に所定のピッチ、この例では0.13
mmで赤、緑、青の順で周期的に繰り返して塗布されて
いる。すなわち、蛍光体の横方向の最小単位は、0.1
3mmピッチの1つの色の蛍光体ということになり、ま
た、横方向の周期構造の最小基本単位は赤、緑、青の1
組ということになって、その幅は、0.39mmという
ことになる。この幅の0.39mmは制御電極部9の電
子通過孔10の横方向のピッチと一致する。各色の蛍光
体の幅は0.11mmで、その間隙にはカーボンを主成
分とするブラックマトリックスが備えられ、さらに、こ
れらの上から電圧を印加するためのアルミ膜をつけて、
蛍光面を構成している。密封容器内の前記以外の構成
は、第1従来例とほぼ同様である。
【0038】つぎにこの実施例の動作について説明す
る。線状熱陰極1から、制御電極部9までの動作は第1
の従来例と同様であり、5〜40V程度の電圧が印加さ
れた取り出し電極2によって引き出された電子は30〜
150V程度の電圧が印加された電子流整形電極4によ
り、蛍光面6方向を向いた均一な電子流になり、そのう
ちの一部の電子が第1の制御電極群12のうち1本のオ
ン状態、この例では80Vが印加されている金属電極1
2aに引き寄せられ、さらにその電子の1部がオン状態
の金属電極12aに対応する1列の電子通過孔に入って
ゆく。ここまでは、まだ電子をビーム状にしていないの
で、精度の高い位置合わせは不要であることは当然であ
る。電子通過孔10に入り込んだ電子は第2の制御電極
群14の各金属電極がオン状態の電位(この例では80
V)が印加されていれば、電子はビームを形成しながら
偏向電極部50側に通過してゆく。第1の制御電極群1
2の金属電極1本がオン状態の時間をthとすると、一
方の組の偏向電極52a、52c・・・にth/3の時
間ずつ、3段階の電圧V1、V2、V3を1個ずつ印加
し、他方の組の偏向電極52b、52d・・・にはそれ
に同期して、V3、V2、V1と逆の順で電圧を印加す
る。V1、V2、V3は−300Vから500V程度の
ほぼ等間隔の電圧で、この例では、それぞれ0V、15
0V、300Vである。ひとつの電子通過孔51、たと
えば、図1の向かって左端から5番目の1番上の電子通
過孔に注目すると、電子放射源5側から約80Vの制御
電極のオン状態の電界、蛍光面6側から10kV程度の
蛍光面6からの高電界、そして第1の段階では左側から
V1、右側からV3、第2の段階では左および右側から
それぞれV2、第3の段階では左側からV3、右側から
V1がそれぞれ印加される。蛍光面6からの電界が強い
ため、電子通過孔内はレンズが形成されて、電子ビーム
の径は集束してゆくが、この電子ビームは、第1段階で
はわずかに右に、第2段階ではそのまま、第3段階では
わずかに左に位置がずれるとともに方向がずれる。電子
ビーム54a、54b、54c(これらを合わせて54
とする)はこの電子通過孔51を通過したのち、蛍光面
の高電圧によって加速され、蛍光面6に到達するが、第
1段階では、右側の蛍光体7aに、第2段階では中央の
蛍光体7bに、第3段階では左側の蛍光体7cとそれぞ
れ隣りあった異なる蛍光体に到達する。この1組の蛍光
体は、周期構造の最小基本単位の1組に相当し、順に
青、緑、赤になっている。従って、各第1から第3段階
まで、相当する位置の第2の制御電極のオン状態にして
いる時間幅を変えることによって、任意の色を任意の階
調で表示することができる。結局、第1の従来例に比較
し、横方向に3倍の精細度が実現される。なお、この構
成では、横方向に隣りあった電子ビームは反対方向に偏
向するので異なった色の蛍光体に到達するが、これはす
べて、同じ色に到達するようにしても、少なくとも2色
の1ライン分の輝度情報を記憶する必要があり、色に対
応する記憶情報を表示する順に入れ換えて記憶すればよ
いだけなのでほとんど問題にならない。
【0039】本実施例1においては、線状熱陰極1から
制御電極部9までは、正確な位置合わせを必要とせず、
制御電極部9と偏向電極部50のそれぞれの電子通過孔
は正確に位置合わせをする必要があるが、ガラスフリッ
ト53を介して近接しているため、位置合わせがそれほ
ど困難ではなく、また、相互位置の変化も小さい。ま
た、蛍光体7と偏向電極部50は正確に位置合わせする
必要があり、これは、距離も大きくかなり困難が伴う。
しかしながら、難しい位置合わせは、この蛍光体7と偏
向電極部50のみで、第2の従来例に比較すると、かな
り減少している。
【0040】本実施例1では、制御電極部9と偏向電極
部50の距離Lmbは0.04mm,制御電極部9の電
子通過孔10の横方向のピッチPmは0.39mmで、
距離Lmbは、ピッチPm以下になっている。均一な電
子流から電子ビームを形成するのは、制御電極部9から
で、制御電極部9の電子通過孔10に入射する電子は、
異なる線状熱陰極から放射されたもの、上下方向から集
められたものなど、異なった状態のものが混ざった状態
なので、蛍光面6方向は向いてはいるが、すべて鉛直と
いうわけではなく鉛直線から最大40°程度傾いたもの
まであり、また入射する位置も中心からかなりずれたも
のもある。したがって、制御電極部9と偏向電極部50
の距離Lmbが制御電極9の電子通過孔10のピッチP
m以上であるばあい、電子が電子通過孔10を通過して
も偏向電極部50の制御電極部9側の面に衝突する電子
が増加し、電子の通過率が落ちる。これに対して、Lm
b≦Pmなら、偏向電極部50に衝突する率は、15%
以下でそれほど問題にならず、さらにLmb≦Pm/3
なら5%以下となり、一層好ましい。なお、画面輝度が
比較的小さくてもよいディスプレイ管などのように、電
子の通過率が余り問題にならないばあいは、もちろんこ
の限りではない。また、偏向電極の電位を高くしていっ
ても偏向電極に衝突する電子を減少させることができる
が、偏向電極の電位を高くしたばあい、曲げようとする
電子のエネルギーも増加するので、偏向するために変化
させる電位差もあげる必要がある。このため、偏向電極
電圧の印加回路が駆動する電圧幅をあげなければならな
いので、回路のコストが上がり好ましくない。
【0041】また、実施例1のように制御電極部9と偏
向電極部50を近接させたばあい、偏向電極が薄いと、
偏向電極部50の電位が充分に作用せず、ビームを所定
位置まで曲げるために、偏向電圧の差を大きくしなけれ
ばならなくなる。偏向電極部50の厚さHbを制御電極
部9の電子通過孔10のピッチPmの1/2以上とする
と、偏向電極部50の電子通過孔51の側壁面の電位が
電子ビームに作用するため、500V以下の電位差で偏
向できるようになる。もちろん、500V以上の電位差
で偏向してもよいばあいはこの限りではない。なお、取
り出し電極2と電子流整形電極4などそのほかの電極の
印加電圧は第1の従来例と同程度でよく、たとえば、最
適値は前者が30V、後者が80V程度である。
【0042】[実施例2]図4は、本発明の薄型表示装
置の他の実施例の制御電極部9の拡大断面説明図であ
る。55は、たとえばインバー合金などからなる金属板
をエッチングして孔が設けられた金属基板で、その表面
にたとえば厚さ約0.03〜0.05mmのガラス質の
絶縁膜56が設けられている。この基板が2枚同じ面を
向かい合わせてガラスフリット(図示せず)で張り合わ
せられ、表面絶縁性基板を構成している。この表面絶縁
性基板は、ほぼ、実施例1の絶縁基板と同じ寸法で、電
極膜をつけて制御電極部9が構成される。この2枚の絶
縁膜付の基板は、それぞれの電子通過孔の位置を正確に
一致させる必要があるが、ほとんど密着させるためにそ
れほど困難ではない。この他の構成と動作は、実施例1
と同じで、同様の効果がある。本実施例2においては、
実施例1に比較して、制御電極部9の構造は複雑ではあ
るが、ガラス、セラミックスなど、無垢の絶縁物で大型
の基板を作ったり、精密に孔を設けたりするのはかなり
難しく、コストも上がるが、これに比較すると、大型の
金属板に正確に孔を設けることは比較的容易であり、量
産的である。なお、前記説明では、2枚の基板を張り合
わせて表面絶縁性基板を構成し、そののち金属電極12
a、14aを設けたが、これは2枚の基板にそれぞれ金
属膜からなる金属電極をつけたのち、2枚の基板を張り
つけてもまったく同じであることはいうまでもない。ま
た、第1の制御電極群の金属電極12aと、第2の制御
電極群の金属電極14aとは絶縁されていなければなら
ないが、その間隙は、あいだの絶縁物に電子が付着する
こと(チャージアップ)によって予期できない電位とな
り、電子ビームを制御できなくなる。この基板のあいだ
の距離を変えて薄型表示装置を動作させた結果、0.1
mm以下なら電子ビーム制御に支障がないことが判明し
たので、この条件を満たすように張り合わせるのがよ
い。
【0043】[実施例3]図5は、本発明の薄型表示装
置の他の実施例の制御電極部9の拡大断面説明図であ
る。線状熱陰極から偏向電極までについては、制御電極
部9の電子通過孔10の横方向最小幅Dcを実施例1よ
りやや小さい0.12mmとしたこと以外実施例1と同
じ構成で、さらに実施例1において蛍光体の横方向のピ
ッチが0.13mm(0.39/3)であったのに対し
て、0.0975mmとし、横方向に4本の蛍光体のス
トライプ(幅0.0975×4本=0.39)を1本の
電子ビームで偏向して照射するようにしている。すなわ
ち、一方の組の偏向電極52a、52c・・・にth/
4の時間ずつ、4段階の電圧V1、V2、V3、V4を
1個ずつ印加し、他方の組の偏向電極52b、52d・
・・にはそれに同期して、V4、V3、V2、V1と逆
の順で電圧を印加することによって、4カ所をずらして
照射するようにしている。この例では、それぞれ0V、
100V、200V、300Vである。他の構成、動作
は実施例1と同様である。この実施例3では、電子通過
孔51のピッチは実施例1〜2と同じであるが、蛍光体
7のピッチは実施例1〜2の75%となり、高精細にな
る。一方、蛍光体7の幅が狭いので、電子ビームが隣の
蛍光体7まで照射しないように、ビームの幅を狭くする
必要があり、このばあい、制御電極部9の電子通過孔1
0の中央部の幅Dcを実施例1〜2の約3/4と狭くし
てビームの幅を絞っている。このため、電子の通過量が
減少し、輝度が約3/4小さくなっていてこの点から実
施例1〜2の方が好ましい。このように、一般的に、1
本の電子ビームがスキャンする蛍光体7の最小単位数が
多いほど輝度が減少する傾向があり、1本の電子ビーム
当たりの蛍光体7の最小単位数には限界がある。
【0044】また、ある位置の電子通過孔10からの電
子が照射する蛍光体7が、赤、緑、青、赤であるとする
と、そのとなりの電子通過孔からの電子が照射する蛍光
体7は、緑、青、赤、緑であり、さらにそのとなりは、
青、赤、緑、青というように、同じ組み合わせの繰り返
しでない。このように、蛍光体7の周期構造の基本単位
と電子通過孔10のピッチが一致している必要はない。
1本のビームがスキャンする蛍光体7の最小単位数は2
個から6個程度まで、好ましくは4個までなら、ここま
での実施例の基本構成を変えないで実現できる。しか
し、それ以上になると前記のように輝度が大きく低下し
てくること、ビーム幅の制御が難しくなってくること、
ビームの位置の要求精度が増してくることなどの問題が
ある。また縦方向に偏向すれば縦方向の精細度を上げる
ことはできるが、構造がはるかに複雑になり、さらに高
い精度が要求されるようになる。
【0045】[実施例4]図6は、本発明の薄型表示装
置の他の実施例の制御電極部9の拡大断面説明図であ
る。本実施例では制御電極部9と偏向電極部50とのあ
いだに集束電極57が設けられていることに特徴があ
る。集束電極57は1枚の金属板、たとえば厚さ0.1
mmのインバー合金の板にエッチングで、制御電極部9
の電子通過孔10と同じピッチで、かつ、類似の形状、
大きさ(この例では横方向の幅0.22mm)の電子通
過孔57aが設けられ、制御電極部9の蛍光面6側の面
にガラスフリット58で接合して固定されている。さら
に集束電極57の蛍光面6側の面には、ガラスフリット
59を介して偏向電極部50が固定されている。これら
のガラスフリット58、59は集束電極57の四角形状
に隣接する4個の電子通過孔54の中間位置に点状に設
けられている。本実施例のその他の構成は、実施例1と
同様である。実施例1と同様にして制御電極部9の電子
通過孔10を通過してきた電子ビームは、集束電極57
に印加された50Vから200Vの電圧によってその広
がりに変化が与えられ、偏向電極部50で偏向されたの
ち、蛍光面6に達するが、集束電極57の印加電圧で蛍
光面6の位置でのビーム幅を調整することができ、この
例では120Vで最小幅にすることができた。その結
果、実施例1と比較して色純度が向上した。また、制御
電極部9、集束電極57、偏向電極部50の各電子通過
孔を互いに正確に位置合わせする必要があるが、それぞ
れ近接して設けられているため、位置合わせにそれほど
困難が伴わず、かつ相対的な位置変化も小さい。
【0046】制御電極部9と集束電極57の距離、およ
び集束電極57と偏向電極部50の距離は、いずれも
0.04mm、集束電極57と偏向電極部50の厚さは
それぞれ0.1mmと0.2mm、制御電極部9の電子
通過孔10の横方向のピッチは0.39mmである。前
記のように、このような構成で均一な電子流から電子ビ
ームを形成したばあい、制御電極部9の電子通過孔10
の位置で方向の異なった電子が混合した状態になってい
るため、制御電極部9と集束電極57のあいだの距離L
mfが大きいばあい、集束電極57の制御電極部9側の
面に電子が衝突する率が増大し、同様に集束電極57と
偏向電極部50の間の距離Lfbが大きいと偏向電極部
50の集束電極57側の面に電子が衝突する率が増大す
る。このばあいも実施例1と同様に、制御電極部9の電
子通過孔10のピッチPmに対して、Lmf≦Pm、L
fb≦Pmなら、集束電極57、偏向電極部50に衝突
する率は、15%以下でそれほど問題にならず、さらに
Lmf≦Pm/3、Lfb≦Pm/3なら5%以下で殆
ど問題にならない。
【0047】また、このように集束電極57と偏向電極
部50を近接させたばあい、偏向電極部50が薄いと、
偏向電極部50の電位が充分に作用せず、ビームを所定
位置まで曲げるために、偏向電圧の差を大きくしなけれ
ばならなくなる。このため、偏向電極の厚さを変えて薄
型表示装置を組み立て、偏向電極の厚さと偏向電圧の差
を調べた。ピッチを0.39mmで偏向電極部50の厚
さHbを0.039〜0.312mmの範囲で変化させ
て、偏向電極部の厚さ/ピッチ(Hb/Pm)と偏向に
要する電位差(V)との関係の結果を表1に示す。この
表から、偏向電極部50の厚さHbを制御電極部9の電
子通過孔10のピッチPmの1/2以上とすると500
V以下の電位差で偏向できることがわかる。なお、偏向
電極部50が厚くなると偏向しやすくなる理由は、偏向
電極部50が厚くなると偏向電極部50の電子通過孔5
1の側壁面の電位が電子ビームに作用するためである。
また、表1において偏向電極部の厚さを電子通過孔9の
ピッチを基準にしている理由は電子ビームを偏向する幅
がこのピッチと等しくなるためである。もちろん、50
0V以上の電位差で偏向してもよいばあいはこの限りで
ない。
【0048】
【表1】 本実施例によれば、このように、集束電極57によりビ
ーム幅を調整するのに効果があるので、とくに、絵素の
ピッチを上げるばあいに有効である。
【0049】[実施例5]図7は、本発明の薄型表示装
置の他の実施例の制御電極部9および偏向電極部50の
部分の拡大断面説明図である。本実施例では偏向電極部
50の蛍光面6側にシールド電極60が設けられている
ことに特徴がある。シールド電極60は、1枚の金属
板、たとえば厚さ0.1mmのインバー合金の板にエッ
チングで、制御電極部9の電子通過孔10と同じピッ
チ、類似の形状で、わずかに大きい(横方向の幅0.2
5mm)電子通過孔62が設けられ、偏向電極部50の
蛍光面6側の面にガラスフリット61により接合して固
定されている。このガラスフリット61はシールド電極
60の四角形状に隣接する4個の電子通過孔62の中間
位置に点状に設けられている。本実施例のその他の構成
は、実施例1と同様である。実施例1と同様にして制御
電極部9の電子通過孔10を通過してきた電子ビーム
は、偏向電極部50で偏向されたのち、蛍光面6に達す
る。この実施例5においては、偏向する位置での蛍光面
からの強い電界の影響が弱くるなるように、シールド電
極60に0Vから500Vの電位をかけることによって
調整する。この結果、小さい電位差で所定の偏向が可能
になる。たとえば、シールド電極に100V印加する
と、偏向電極部50に印加する電位V1、V2、V3
は、それぞれ、60V、150V、240Vで所定の蛍
光体の位置にビームが偏向する。偏向電極の電圧印加回
路はこの電位の幅の180Vを駆動すればよく、実施例
1における電位の幅である300Vより小さいので、こ
の回路のコストを下げることができる。また、制御電極
部9、偏向電極部50、シールド電極60の各電子通過
孔を互いに正確に位置合わせする必要があるが、それぞ
れが近接して設けられているため、位置合わせにそれほ
ど困難が伴わず、かつ相対的な位置変化も小さい。
【0050】偏向電極部50とシールド電極60の距離
を離したばあい、シールド電極60の電圧をそれに応じ
て上げてゆけばよいが、前記したように、この距離がお
おきいほど正確に位置合わせするのが困難になる。な
お、このシールド電極60は、単に偏向電極部50の印
加電圧幅を低くできるのみではなく、電子ビームの幅を
調整する機能もあり、若干だが、この実施例の方が実施
例1より蛍光体位置での電子ビームの幅は小さくなる。
【0051】以上のように、本実施例によれば、偏向電
極部50の駆動電圧の幅を小さくすることができるた
め、偏向電極の電圧印加回路のコストを下げることがで
きるとともに、電子ビームの幅を調整することができ
る。
【0052】[実施例6]図8は、本発明の薄型表示装
置の他の実施例の制御電極部9および偏向電極部50の
部分の拡大断面説明図である。本実施例は実施例4と5
を合わせた構造としたもので、制御電極部9の蛍光面6
側に、順に集束電極57、偏向電極部50、シールド電
極60をガラスフリット58、59、61を介して、ほ
ぼ0.05mmの間隔でそれぞれの電子通過孔10、5
4、51、62の位置を合わせながら、接合している。
そのほかの構成は、実施例5と同様である。集束電極5
7は、50Vから200V、このばあい130Vが印加
され、シールド電極60には、0Vから500V、この
ばあい90Vが印加されている。偏向電極部50に印加
される電位V1、V2、V3は、それぞれ、60V、1
50V、240Vでの電位をかけることによって調整す
る。このようにこの構成では、シールド電極60の効果
で小さい電位差で所定の偏向が可能になり、さらに、集
束電極57で、電子ビームの幅を小さくでき、色純度を
上げることができる。また、制御電極部9、集束電極5
7、偏向電極部50、シールド電極60の各電子通過孔
を互いに正確に位置合わせする必要があるが、それぞれ
が近接して設けられるため、位置合わせにそれほど困難
が伴わず、かつ相対位置変化も小さい。
【0053】本実施例によれば、電子ビームの幅を小さ
くすることができるとともに、偏向電極部の駆動電圧の
幅を小さくすることができる。
【0054】[実施例7]図9は、本発明の薄型表示装
置の他の実施例制御電極部9および偏向電極部50の部
分の拡大断面説明図である。本実施例では制御電極部9
の電子放射源5側に電子ビーム形成電極64が設けられ
ていることに特徴がある。電子ビーム形成電極64は1
枚の金属板、たとえば厚さ0.1mmのインバー合金の
板にエッチングで、制御電極部9の電子通過孔10と同
じピッチ、類似の形状で、やや大きめの、この例では横
方向の幅0.27mmの電子通過孔66を設けた電子ビ
ーム形成電極で、制御電極部9の電子放射源5側の面に
ガラスフリット65で接合して固定されている。さらに
制御電極部9の蛍光面6側の面には、ガラスフリット5
3を介して偏向電極部50が固定されている。これらの
ガラスフリット53、65は制御電極部9の隣接した対
角線上の4個の電子通過孔10の中央部に点状に設けら
れている。その他の構成は、実施例1と同様である。実
施例1と同様にして電子流整形電極4で均一な電子流が
形成され、さらに20Vから150V、この例では50
Vが印加されている電子ビーム形成電極64に向かう。
電子ビーム形成電極64に到達した電子のうち、電子通
過孔66に達し、かつ、その電子通過孔66に対応する
位置の制御電極部9の電子通過孔10がオン状態のばあ
い、そのオン状態の電位に引かれながら制御電極部9側
に向かい、電子ビームを形成してゆく。制御電極部9の
電子通過孔10を通過した電子ビームは、偏向電極部5
0で偏向されたのち、蛍光面6に達する。
【0055】本実施例によれば、電子ビーム形成電極6
4であらかじめ電子ビームを形成し、この電子ビーム形
成電極64、電子通過孔66に印加される電位と制御電
極のオン状態の電圧とで電子ビームを制御するので、そ
の幅を狭くでき、その結果、実施例1に比較して色純度
が向上する。
【0056】電子ビーム形成電極64の電位は制御電極
部9のオン状態の印加電圧に対して大きくしてゆくと電
子ビームは制御電極部9の前で広がるようになる。制御
電極部9に印加する電位を大きくするのはその駆動回路
のコストからの制約があり、小さい方がよく、したがっ
て、このため電子ビーム形成電極64の印加電圧も小さ
い方がよい。このような、相互に距離を有する複数の線
状熱陰極1の電子から均一な電子流を形成すると、電子
流密度は均一でもその角度成分は一様ではない。このた
め、電子ビーム形成電極64の電子通過孔66の直前の
電子流もさまざまな角度成分を有する。したがって、電
子ビーム形成電極64と制御電極部9に低い電圧しか印
加しないので、電子ビーム形成電極64と制御電極部9
の距離Lsmを大きくすると、制御電極部9の線状熱陰
極1側の面に衝突する電子が増加し、効率が低下する。
したがって、Lsmは大きくない方がよい。制御電極部
9の電子通過孔10のピッチPmに対して、Lsm≦P
mなら、集束電極57または偏向電極部50に衝突する
率は15%以下でそれほど問題にならず、さらにLsm
≦Pm/3なら5%以下で問題にならなかった。この例
の電子ビーム形成電極64と制御電極部9の距離は0.
05mmであり、この条件を満たしている。また、電子
ビーム形成電極64、制御電極部9、偏向電極部50の
各電子通過孔を互いに正確に位置合わせする必要がある
が、それぞれが近接して設けられているため、位置合わ
せにそれほど困難が伴わず、かつ相対位置変化も小さ
い。また、さらに制御電極部9と偏向電極部50のあい
だに集束電極を設けてもよく、このばあいさらに、電子
ビームの制御が自由になり、とくに高精細化のために絵
素ピッチを上げるときに有効である。
【0057】[実施例8]図示はしていないが、電子流
整形電極がないこと以外は、実施例7と同様な構成であ
る。電子ビーム形成電極64(図9参照)には、60V
が印加されている。電子取り出し電極を通過した電子は
電子ビーム形成電極64に達するまで均一な電子流を形
成する。すなわち、1本あるいは数本を除いてオフ状態
のマイナス電位が印加されている第1の制御電極群の電
界が、電子ビーム形成電極64によってシールドされ
て、電子取り出し電極側にでないので、電子ビーム形成
電極64が電子流整形電極を兼ねることができ、電子ビ
ーム形成電極を除いても、実施例7と同程度の表示が可
能である。ただし、これら実施例7〜8の構成では、電
子流整形電極の印加電圧の最適値は80V程度で、電子
ビーム形成電極64の最適値は50V程度であり、やや
異なっているため、一体にした形の実施例8は最適値か
らずれ、わずかに実施例7の輝度より低くなる。
【0058】[実施例9]図10は、本発明の薄型表示
装置の他の実施例の部分拡大断面説明図である。線状熱
陰極側から電子ビーム形成電極64、制御電極部9、偏
向電極部50、シールド電極60をガラスフリット6
5、53、61を介して、ほぼ0.05mmの間隔でそ
れぞれの電子通過孔の位置を合わせながら接合してい
る。そのほかの構成は、実施例7と同様である。電子ビ
ーム形成電極64には、20Vから150V、この例で
は50Vが印加されており、シールド電極60に0Vか
ら500V、この例では90Vが印加されている。偏向
電極部50に印加される電位V1、V2、V3は、それ
ぞれ、60V、150V、240Vの電位が印加される
ことによって調整する。
【0059】本実施例によれば、このようにシールド電
極60の効果により小さい電位差で所定の偏向が可能に
なり、さらに、電子ビーム形成電極64で、電子ビーム
の幅を小さくでき、色純度を上げることができる。ま
た、電子ビーム形成電極64、偏向電極部50、シール
ド電極60の各電子通過孔を互いに正確に位置合わせす
る必要があるが、それぞれが近接して設けられているた
め、位置合わせにそれほど困難が伴わず、かつ相対位置
変化も小さい。
【0060】この例では、電子流整形電極を備えている
が、実施例8と同様、必ずしもなくてもよい。また、さ
らに制御電極部と偏向電極部のあいだに集束電極が設け
られてもよく、このばあいさらに、電子ビームの制御が
自由になり、とくに高精細化のために絵素ピッチを上げ
るときに有効である。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、制御電
極群を表面絶縁性基板の両面に設け、線状熱陰極から電
子流整形電極までで均一な電子流を形成して制御電極部
側に送り出すようにしているため、電子が線状熱陰極か
ら放射され、制御電極部を通過するまでは電子通過孔の
位置合わせは不要で、制御電極部の電子通過孔から蛍光
面までの位置調整のみでよくなり、かつ、偏向電極1本
のビームで異なった位置を照射するため、電子通過孔の
ピッチを上げなくても精細度が向上する。
【0062】さらに、前記制御電極部と前記偏向電極部
の距離が、制御電極部の電子通過孔の水平方向のピッチ
以下として、絶縁物を介して近接して設けられることに
よって、位置調整が簡便になるとともに、制御電極部を
通過した電子ビームが偏向電極に入射し難くなり、効率
が向上する。
【0063】さらに、前記偏向電極部の厚さが制御電極
部の電子通過孔の水平方向のピッチの1/2以上とされ
ることによって、偏向電極への印加電圧の変位幅を小さ
くできる。
【0064】さらに、前記制御電極部と前記偏向電極部
のあいだに電子ビームの径を小さくするための集束電極
が設けられることによって、色純度を上げることができ
る。
【0065】さらに、前記制御電極部と前記集束電極の
距離が制御電極部の電子通過孔の水平方向のピッチ以
下、集束電極と前記偏向電極部の距離を集束電極の電子
通過孔の水平方向のピッチ以下とし、制御電極部、集束
電極、偏向電極部のそれぞれのあいだを絶縁物を介して
近接して設けられることによって、位置調整が簡便にな
るとともに、電子ビームがこれらの電極に入射し難くな
り、効率が向上する。
【0066】さらに、前記偏向電極部の厚さが制御電極
部の電子通過孔の水平方向のピッチの1/2以上とされ
ることによって、偏向電極への印加電圧の変位幅を小さ
くできる。
【0067】さらに、前記偏向電極部と前記蛍光面の間
に偏向電極部近傍の電界を小さくするためのシールド電
極が設けられることによって、偏向電極への印加電圧の
変位幅をさらに小さくできる。
【0068】さらに、前記偏向電極部と前記シールド電
極が絶縁物を介してほぼ密着されることによって、位置
調整が簡便になるとともに、電子ビームがこれらの電極
へ入射し難くなり、効率が向上する。
【0069】また、本発明によれば、線状熱陰極から放
射された電子で均一な電子流を形成して制御電極部側に
送り出し、さらに2面必要な制御電極群を表面絶縁性基
板の両面に設け、制御電極部の線状熱陰極側の面にほぼ
密着させて、電子ビーム形成電極が設けられて構成され
ているため、電子が線状熱陰極から放射され、制御電極
部を通過するまでの電子通過孔の位置調整がきわめて簡
便で、制御電極部の電子通過孔から蛍光面までの位置調
整のみでよくなり、かつ、偏向電極で1本のビームで異
なった位置を照射するため、電子通過孔のピッチを上げ
なくても精細度が向上する。さらに、集束電極が設けら
れることによって、電子ビームの径が調節されるため、
正確に蛍光体の必要な幅に電子を照射できるようになっ
て、色純度をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄型表示装置の一実施例を示す部分
断面斜視図である。
【図2】 図1の部分拡大斜視図である。
【図3】 図1の部分拡大断面説明図である。
【図4】 本発明の薄型表示装置の他の実施例による制
御電極の部分拡大断面説明図である。
【図5】 本発明の薄型表示装置のさらに他の実施例に
よる部分拡大断面説明図である。
【図6】 本発明の薄型表示装置のさらに他の実施例に
よる部分拡大断面説明図である。
【図7】 本発明の薄型表示装置のさらに他の実施例に
よる部分拡大断面説明図である。
【図8】 本発明の薄型表示装置のさらに他の実施例に
よる部分拡大断面説明図である。
【図9】 本発明の薄型表示装置のさらに他の実施例に
よる部分拡大断面説明図である。
【図10】 本発明の薄型表示装置の別の実施例による
薄型表示装置の部分拡大断面説明図である。
【図11】 従来の薄型表示装置の例を示す部分断面斜
視図である。
【図12】 従来の薄型表示装置の部分拡大斜視図であ
る。
【図13】 従来の薄型表示装置の他の例の構成を示す
分解斜視図である。
【符号の説明】
1 線状熱陰極、2 取り出し電極、4 電子流整形電
極、5 電子放射源、6 蛍光面、7、7a、7b、7
c 蛍光体、8 前面ガラス、9 制御電極部、10
電子通過孔、11 絶縁基板(表面絶縁性基板)、12
第1の制御電極群、14 第2の制御電極群、50
偏向電極部、52a、52b、52c 偏向電極、54
(54a、54b、54c) 電子ビーム、57 集束
電極、60 シールド電極、64 電子ビーム形成電
極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 哲也 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社材料デバイス研究所内 (72)発明者 田中 博文 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社中央研究所内 (72)発明者 中村 有美子 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社生産技術研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空に保たれた密封容器内に、2色以上
    の蛍光体が周期構造をもって塗り分けられた蛍光面と、
    電子を放射する線状熱陰極と、該線状熱陰極の少なくと
    も蛍光面側を覆い多数の孔が設けられた取り出し電極
    と、該取り出し電極を通過した電子を前記蛍光面に向か
    って均一に広がった電子流に整形する電子流整形電極
    と、表面絶縁性基板に縦横に規則的に並んだ複数の電子
    通過孔が設けられ、該電子通過孔の前記線状熱陰極側の
    面に縦横いずれか一方向の並びに異なる電位を印加でき
    るように電子通過孔の内壁まで入り込んだ第1の電極膜
    が設けられ、かつ、電子通過孔の蛍光面側の面に前記い
    ずれか一方向と異なる方向の並びに異なる電位を印加で
    きるように第1の電極膜と絶縁して電子通過孔の内壁ま
    で入り込んだ第2の電極膜が設けられて電子通過孔の電
    子の通過を制御し、かつ、電子ビームを形成する制御電
    極部と、電子ビームを偏向する偏向電極部とが備えられ
    てなる薄型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体が少なくとも縦横いずれか一
    方向に周期構造をもつように設けられ、前記偏向電極部
    は電子ビームが該一方向のみに偏向するように設けられ
    てなる請求項1記載の薄型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記蛍光体の該一方向の周期構造の最小
    基本単位が1本の電子ビームにより偏向されて照射され
    るように前記偏向電極部が設けられてなる請求項2記載
    の薄型表示装置。
  4. 【請求項4】 前記制御電極部と前記偏向電極部の距離
    が、絶縁物を介して該制御電極部の電子通過孔の縦横い
    ずれか一方向のピッチ以下となるように近接して設けら
    れてなる請求項1、2または3記載の薄型表示装置。
  5. 【請求項5】 前記偏向電極部の厚さが前記制御電極部
    の電子通過孔の縦横いずれか一方向のピッチの1/2以
    上に形成されてなる請求項4記載の薄型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記制御電極部と前記偏向電極部のあい
    だに電子ビームの径を小さくするための集束電極が設け
    られてなる請求項1、2または3記載の薄型表示装置。
  7. 【請求項7】 前記制御電極部と前記集束電極の距離が
    該制御電極部の電子通過孔の縦横いずれか一方向のピッ
    チ以下、前記集束電極と前記偏向電極部の距離が該集束
    電極の電子通過孔の前記縦横いずれか一方向のピッチ以
    下となるようにし、該制御電極部、集束電極、偏向電極
    部がそれぞれのあいだに絶縁物を介して近接して設けら
    れてなる請求項6記載の薄型表示装置。
  8. 【請求項8】 前記偏向電極部の厚さが前記制御電極部
    の電子通過孔の縦横いずれか一方向のピッチの1/2以
    上に形成されてなる請求項7記載の薄型表示装置。
  9. 【請求項9】 前記偏向電極部と前記蛍光面のあいだに
    該偏向電極部近傍の電界を小さくするためのシールド電
    極が設けられてなる請求項1、2、3、4、5、6、7
    または8記載の薄型表示装置。
  10. 【請求項10】 前記偏向電極部と前記シールド電極と
    が絶縁物を介して密着されてなる請求項9記載の薄型表
    示装置。
  11. 【請求項11】 真空に保たれた密封容器内に、2色以
    上の蛍光体が周期構造をもって塗り分けられた蛍光面
    と、電子を放射する線状熱陰極と、該線状熱陰極の少な
    くとも前記蛍光面側を覆い多数の孔が設けられた取り出
    し電極と、表面絶縁性基板に縦横に規則的に並んだ複数
    の電子通過孔が設けられ、該電子通過孔の前記線状熱陰
    極側の面に縦横いずれか一方向の並びに異なる電位を印
    加できるように該電子通過孔の内壁まで入り込んだ第1
    の電極膜が設けられ、かつ、該電子通過孔の前記蛍光面
    側の面に前記いずれか一方向と異なる方向の並びに異な
    る電位を印加できるように第1の電極膜と絶縁して電子
    通過孔内壁まで入り込んだ第2の電極膜が設けられて、
    電子通過孔の電子の通過を制御する制御電極部と、該制
    御電極部の前記線状熱陰極側の面に絶縁物を介して密着
    し、電子ビームを形成する電子ビーム形成電極と、電子
    ビームを偏向する偏向電極部とが備えられてなる薄型表
    示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005166665A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Samsung Sdi Co Ltd 電子放出素子
JP2008269870A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Toyota Motor Corp 電界放出型発光装置

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JP4741223B2 (ja) * 2003-11-28 2011-08-03 三星エスディアイ株式会社 電子放出素子
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