JP2556011B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2556011B2 JP61212409A JP21240986A JP2556011B2 JP 2556011 B2 JP2556011 B2 JP 2556011B2 JP 61212409 A JP61212409 A JP 61212409A JP 21240986 A JP21240986 A JP 21240986A JP 2556011 B2 JP2556011 B2 JP 2556011B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はフロッピーディスク、ハードディスク等の
磁気記録媒体に関するものである。
(従来技術) 従来、フロッピーディスク、ハードディスク等の磁気
記録媒体は記録領域全てが磁性層で形成されている。そ
の結果、記録媒体上のどの位置でも記録が可能となる。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、その反面、記録再生に必要のない領域から
のノイズ、消し残りが無視できず、残留ノイズ、オーバ
ーライト特性が劣化する。
そこで、フロッピーディスク装置においては記録を行
なう前に記録トラックの両サイドの磁化方向を一様にす
るために両サイドをDC消去を行なうか、又は記録後その
記録トラックの両サイドをDC消去するといった方法が用
いられていた。
しかし、このような消去を実行してもそのDC消去した
領域から完全にノイズを取り去ることは不可能であっ
た。
しかも、予め両サイドをDC消去するタイプのもので
は、ヘッドアクセス時間が長くなるという問題が、又、
記録後両サイドをDC消去するタイプのものでは記録ヘッ
ドとは別に消去用の消去ヘッドが2個以上必要なことか
ら、組付け構造が複雑となるとともにコスト高となると
いった問題があった。
一方、ハードディスク装置においては記録・消去を同
時に1つのヘッドで行なう点で異なるが、消去した領域
から完全にノイズを取り去ることは前記と同様に不可能
であった。
又、ハードディスク装置においてはデイスクの半径方
向に線速度Vの差があるため、記録媒体に記録を行なう
場合、ディスクの最外周部では記録ヘッドの浮上量hが
増し、ディスクと磁気ヘッドの距離(スペーシング)が
大きくなるので、記録電流Iwを大きくしている。その結
果、トラック幅は内周部に対して外周部のほうが若干広
くなる。
一方、再生出力もディスクの外周部と内周部とで差が
生じ、その要因は線速度V、ヘッドの浮上量h、
記録電流Iw、ディスク面でのヘッドの漏れ磁界強度H
m、磁束変化速度dMr/dt等が考えられる。
再生出力、即ち、磁束変化速度dMr/dtは第4図に示す
ように線速度Vに大きく影響を受け、前記したように同
線速度Vがディスクの外周部のほうが内周部より大きい
ことから外周部ほどより大きくなることが分る。又、線
速度Vに相対して記録ヘッドの浮上量hも変化しディス
クの外周部、即ち、線速度Vが大きいほど記録ヘッドの
浮上量hは大きくなることから浮上量hが大きくなるほ
ど再生出力は小さくなる。
一方、再生出力は再生の際のトラックの磁壁厚(磁化
遷移幅)Wjによって左右され、磁化遷移幅Wjが小さいほ
ど再生出力は大きくなる。この磁化遷移幅Wjは一般に、 Wj∝(t・Br)0.58・Gh−0.54 の関係がある。ここで、tは磁性膜の厚さ、Brは残留磁
束密度、Ghは磁気ヘッド磁場勾配である。従って、磁気
ヘッド磁場勾配Ghが小さいほど磁化遷移幅Wjが大きくな
り再生出力が小さくなることがわかる。
磁気ヘッド磁場勾配Ghは記録時の記録電流Iwと前記漏
れ磁界強度Hmの値に左右され、その記録電流Iwは前記浮
上量hに影響され、漏れ磁界強度Hmは記録電流Iwと浮上
量hとに影響される。従って、ヘッド浮上量hが大きく
なるほど磁気ヘッド磁場勾配Ghが小さくなり磁化遷移幅
Wjが大きくなる。
このように、再生出力は線速度V、記録電流Iw、ディ
スク面でのヘッドの漏れ磁界強度Hm、等に比例し、反対
にヘッドの浮上量hに反比例することになる。
今、適切な記録電流Iwにて磁気記録を行った磁気ディ
スクについて、反比例する浮上量hが最外周部の方が最
内周部より大きいことを考慮しても線速度Vが最外周部
の方が最内周部より大きいことから、再生出力は外周部
ほどより大きくなる。しかも、従来では最内周トラック
位置での再生出力が最外周トラック位置より小さくなる
ことから、再生出力の最低限界値を最内周部のトラック
を基準としていたので、ディスクの外周部にいくに従っ
て再生出力が次第に大きくなり、最外周部では非常に大
きくなる。そのため、再生出力を一定にするための回路
が必要となるとともに、効率のよい記録もできなかっ
た。
(発明の目的) この発明の目的は上記問題点を解消するために、従来
の磁性記録媒体に比べオーバーライト特性、残留ノイズ
特性を向上させることができ、加えて、従来とは全く別
の方法でヘッドの位置決めのための情報を得ることが可
能となり、新規な位置決め方法を実現させることができ
るとともに、磁気記録ディスクの最内周から最外周まで
の記録トラックの再生出力レベルを一定にでき効率のよ
い磁気記録を実現させることもできる磁気記録媒体を提
供するにある。
(問題点を解決するための手段) この発明は上記目的を達成するために、磁性層からな
るデータトラックと非磁性層からなる非データトラック
とを、板状のディスクに交互に同心円をなして配置し、
各データトラックの幅を外周に行くに従って次第に小さ
くなるように形成した磁気記録媒体をその要旨とするも
のである。
(作用) 非データトラックには磁性層のデータトラックに磁気
変化を与える要素がないので、磁性層のデータトラック
に対する記録・再生・消去は非データトラックによって
影響を受けなく確実に行なわれる。又、各データトラッ
クの幅を外周に行くに従って次第に小さくなるように形
成したことにより、各データトラックの幅を一定とした
場合に比べてディスクの内周部と外周部との間の再生出
力レベルの変動を抑えることができ、特に、ディスクの
内周部及び外周部に関係なく常に一定レベルの再生出力
を得ることができるようにすることも可能となるのでこ
の場合には従来必要であった再生出力を一定にするため
の回路が不要となるとともに効率の良い磁気記録を実現
することができる。
(実施例) 以下、この発明を具体化した一実施例を図面に従って
説明する。
第1図において記録媒体としての磁気ディスク1は情
報が記録されるデータトラック2と情報が記録不能な非
データトラック3が交互に同心円をなして多数配置され
ている。そして、各非データトラック3は非磁性体で形
成されていて、全ての非データトラックの幅D1は本実施
例では100ミクロンとなるように成形している。
一方、データトラック2は磁性体で形成され、各デー
タトラック2の幅D2は磁気ディスク1の外周部に行くに
従って幅が狭くなるように成形されている。そして、そ
の最内周部の最も幅広なデータトラック2の幅D2は本実
施例では磁気ヘッドのギャップの幅(読み取り方向に対
して直交する方向)より小さくなるようにしている。
次に、この磁気ディスク1の製造方法について説明す
る。
まず、円盤形状のベース基材11上にコバルト−リン
(Co−P)等の磁性媒体の磁性層12を公知の方法で形成
する。次に、磁性層12が形成されたベース基材11を第3
図に示すように窒素雰囲気中にあるテーブル13に同テー
ブル13の回転中心と同基材11の中心点とが一致するよう
に載置する。このテーブル13の制御はコンピュータ14に
て制御され、コンピュータ14はテーブル13の回転を制御
するとともに、左右方向(X軸方向)に往復動させるよ
うになっている。
又、コンピュータ14はNd/YAGレーザー15を制御するよ
うになっていて、そのレーザー光は反射鏡16及び収光レ
ンズ17を介して前記テーブル13上のベース基材11の表面
を照射するようになっている。そして、その照射位置は
テーブル13が予め定められた原位置に位置している時、
同テーブル13の回転中心位置(ベース基材11の中心位
置)を照射するようになっている。従って、この状態か
らテーブル13を−X軸方向に移動させると、そのレーザ
ー光の照射位置はベース基材11の外周方向に順次移るこ
とになる。
そして、ベース基材11の内周側から順に非データトラ
ック3の成形動作を開始する。まず、最内周部の非デー
タトラック3を形成すべく、その形成位置に照射位置が
位置するように、コンピュータ14はテーブル13を移動さ
せる。移動させた後、コンピュータ14はNd/YAGレーザー
15を作動させベース基材11に形成した磁性層12にレーザ
ー光を照射させるととに、テーブル13を回転させる。
レーザー光により表面温度が400度に加熱されると、
その加熱によってその加熱部分の磁性層12は、即ち、コ
バルト−リン(Co−P)等の磁性媒体は変性して非磁性
層12aとなる。そして、テーブル13が1回転すると環状
の非磁性層12aの部分、即ち、最内周部の非データトラ
ック3が形成されることになる。尚、この非データトラ
ック3の幅D1は収光レンズ17の収束度によって決定さ
れ、本実施例では1度で前記100ミクロンの幅D1が形成
されるように収光レンズ17の収束度を予め設定してい
る。
次に、外周方向の2番目の非データトラック3を形成
すべく、先に形成した非データトラック3と同2番目に
非データトラック3の間に形成されるデータトラック2
の幅D2を考慮した2番目の非データトラック3の形成位
置に照射位置が位置するように、コンピュータ14はテー
ブル13を移動させる。移動させた後、前記と同様にコン
ピュータ14はNd/YAGレーザー15を作動させベース基材11
に形成した磁性層12にレーザー光を照射させるととに、
テーブル13を回転させて、2番目の非データトラック3
を形成する。従って、先に形成した非データトラック3
と同2番目の非データトラック3の間の部分、即ち、非
加熱部分はレーザー光によって変性されることなく環状
の磁性層12の部分が残ってデータトラック2が形成され
る。
以後、同様な操作を繰り返して最外周部の非データト
ラック3を形成することによって、ベース基材上にデー
タトラック2と非データトラック3が交互配置の形成さ
れる。
この各データトラック2は外周方向に移るに従って、
そのトラック幅D2が狭くなるように形成しているが、そ
の各幅D2は再生磁気ヘッドにて各データトラック2から
情報を読み出す際の再生出力のレベルが全てのトラック
2について一定となる幅D2に決定している。
即ち、磁気ディスク1の再生出力に影響を与える因子
は第4図に示すように示される。ここで、ディスク1の
内周部における再生出力の向上に寄与する因子は浮上量
hと記録電流Iw、一方、外周部における再生出力の向上
に寄与すめ因子は線速度Vとデータトラック2上での再
生磁気ヘッドの漏れ磁界強度Hmとなる。そして、本実施
例では線速度Vが他の3つの因子に比べて最も再生出力
に大きな効果を与えることから線速度Vのみ考慮してい
る。線速度Vに比例して再生出力のレベルが大きくな
り、反対に線速度Vを一定にしてデータトラック2の幅
D2を小さくすればそれに相対して再生出力のレベルは小
さくなる。このことから、再生するトラック幅D2を線速
度Vに反比例して狭くすれば各データトラック2での再
生出力のレベルは一定となる。
この前提に基づいて本実施例では磁気ディスク1に形
成した各データトラック2の幅D2は線速度Vが大きくな
る外周部ほどその線速度Vに反比例して幅D2を狭くして
いる。
そして、磁気ディスク1の半径方向の各位置における
線速度Vは予め求めることが可能なため、容易に各デー
タトラック2の幅D2を求めることが可能となる。
そして、上記のようにデータトラック2と非データト
ラック3が交互に形成された後、真空蒸着にて酸化シリ
コンSiO2よりなる保護膜18を交互に形成された両トラッ
ク2,3の上に形成することにより、磁気ディスク1は完
成する。
このように、本実施例においては磁気デイスク1に情
報が記録されるデータトラック2と情報が記録不能な非
データトラック3を交互に同心円をなして形成したの
で、即ち、データトラック2の両サイドに非データトラ
ック3を形成したことにより、再生をする場合、読み取
り位置のズレ(オフトラック)によって、従来のように
再生出力レベルが変化したり、ノイズを拾うといった虞
はない。又、消去する場合のオーバライト特性及び残留
ノイズ特性を向上させる。
又、本実施例では外周方向に行くに従ってデータトラ
ック2の幅D2を狭くし、かつその幅D2を磁気ヘッドのギ
ャップの幅より小さくなるようにしたので、磁気デイス
ク1の半径方向に線速度Vの差があることによって生ず
る再生出力レベルの変動を解消し、磁気デイスク1の内
周部及び外周部に関係なく常に一定レベルの再生出力を
得ることが可能となるとともに、効率のよい磁気記録が
可能となる。
さらに、データトラック2と非データトラック3とを
交互に形成したので、例えば再生磁気ヘッドが磁気デイ
スク1の半径方向を移動する際、データトラック2と非
データトラック3、即ち、磁性層12と非磁性層12aを横
切るとき、磁束の有無によって同磁気ヘッドの検出信号
のレベルははっきり異なる。その結果、この検出信号に
基づいて磁気ヘッドの磁気デイスク1に対するその時の
半径方向の位置を求めることができることになる。従っ
て、従来のように磁気ヘッド位置決めのためのサーボヘ
ッド等の複雑な位置決め機構が省略されることになり、
コストダウンを図ることができるとともに、精度の高い
位置決め制御が可能となる。
尚、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、例えば非データトラック3やデータトラック3の幅
D1,D2を適宜変更して実施してもよい。
又、前記実施例ではレーザー15にて非データトラック
3とデータトラック2を交互に配置形成したが、この方
法に限定されるものではなく、例えばエッチング法や真
空蒸着法等にて磁性層12のデータトラック2と非磁性層
12aの非データトラック3を形成するようにしてもよ
い。
さらに、前記実施例では線速度Vに基づいてデータト
ラック2の幅D2を変えたが、磁気ヘッドの浮上量h、記
録電流Iw、磁気ヘッドの漏れ磁界強度Hm等の前記各因子
に基づいて、又は、これらを適宜合せてトラック幅D2を
決定するようにしてもよい。
(発明の効果) 以上詳述したように、この発明によればオフトラック
による出力レベルの変化をなくし、従来の磁性記録媒体
に比べオーバーライト特性、残留ノイズ特性を向上させ
ることができ、加えて、従来とは全く別の方法でヘッド
の位置決めのための情報を得ることが可能となり、新規
な位置決め方法を実現することができる。更に、各デー
タトラックの幅を外周に行くに従って次第に小さくなる
ように形成したことで、磁気記録ディスクの最内周から
最外周までの記録トラックの再生出力レベルを一定にす
ることも可能となり、この場合には従来必要であった再
生出力を一定にするための回路が不要となるとともに効
率のよい磁気記録を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を具体化した磁気ディスクのデータト
ラックと非データトラックを説明するための図、第2図
は磁気ディスクの構造を説明するための説明図、第3図
はデータトラックと非データトラックの形成方法を説明
するための説明図、第4図は再生出力に影響を与える因
子を示す流れ図である。 図中、1は磁気ディスク、2はデータトラック、3は非
データトラック、11はベース基材、12は磁性層、12aは
非磁性層、13はテーブル、14はコンピュータ、15はNd/Y
AGレーザ、D1,D2は幅である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性層(12)からなるデータトラック
    (2)と非磁性層(12a)からなる非データトラック
    (3)とを、板状のディスク(1)に交互に同心円をな
    して配置し、各データトラック(2)の幅(D2)を外周
    に行くに従って次第に小さくなるように形成した磁気記
    録媒体。
  2. 【請求項2】外周に行くに従って次第に小さくなるよう
    に形成した各データトラック(2)の幅(D2)はディス
    ク(1)の半径方向の線速度、記録電流、ディスク面で
    のヘッドの漏れ磁界強度若しくは磁束変化速度の少なく
    ともいずれか1つに相対して決定されるものである特許
    請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒体。
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