JP2554079Y2 - スライシング装置におけるブレード撓み量検出装置 - Google Patents

スライシング装置におけるブレード撓み量検出装置

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JP2554079Y2
JP2554079Y2 JP1991049456U JP4945691U JP2554079Y2 JP 2554079 Y2 JP2554079 Y2 JP 2554079Y2 JP 1991049456 U JP1991049456 U JP 1991049456U JP 4945691 U JP4945691 U JP 4945691U JP 2554079 Y2 JP2554079 Y2 JP 2554079Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、半導体インゴット等の
ワークをブレードの内周刃で切断して半導体ウエハ等の
薄片を切り出すスライシング装置において、上記ブレー
ドの撓み量を検出する検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなスライシング装置と
しては、円形状の内周刃をもつブレードの内側にワーク
の一端部を臨ませ、上記ブレードを回転させながらワー
クに対してブレードの半径方向に相対移動させることに
より上記ワークから薄片を切り出すように構成されたも
のが知られている。しかしながら、この装置では切断中
にブレードが撓み易く、加工精度の低下を招くといった
問題点を有している。
【0003】そこで、実開昭62−70904号公報、
特開平1−182015号公報等においては、ブレード
の撓み量を検出するブレード撓み量検出センサと、この
ブレード撓み量検出センサの検出結果に基づいてブレー
ド全体の撓みを調整するブレード撓み調整手段とを備
え、ブレード撓みを自動的に修正するようにした装置が
提案されるに至っている。
【0004】図11は、上記従来の装置における撓み量
検出センサ29の配設位置を示したものである。図示の
ように、上記撓み量検出センサ29は、ワーク30が切
断送りによって移動する軌跡C上を避けた位置で、かつ
ブレード10のワーク切断部位(P1〜P2)の入口部
(すなわち回転方向(図では矢印B方向)上流端)P1
近傍の位置に配され、この撓み量検出センサ29の検出
結果に基づいてブレード10全体の撓みを軸方向に調整
するといった制御がなされている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上記スライシング装置
では、ワークスライシング中、ワーク切断部位の入口部
1近傍ではブレード10がほとんど撓んでいなくて
も、ワーク切断部位の中央部(すなわち回転方向上流端
1から回転方向下流端P2までの中間部分)P3近傍で
はブレード10が大きく撓んでいる場合がある。このブ
レード10の中央部近傍部分は、ワーク30のスライシ
ング時に最も長くワーク30と接触している部分であ
り、この部分の撓み量がワーク30の加工精度に最も強
く影響するので、上記撓み量検出センサ29は、なるべ
くブレード10のワーク切断部位に対応する位置、より
好ましくは上記中央部P3近傍の位置に配することが望
ましい。
【0006】しかし、このような位置に単純に撓み量検
出センサ29を配設すると、この撓み量検出センサ29
と、切断送りされるワーク30とが互いに干渉してしま
うので、従来はこのような干渉が起こらない位置、すな
わち、ワーク30の移動軌跡Cから外れた入口部P1
傍の位置に配設することがやむなく行われている。従っ
て、この従来装置では、上記中央部P3近傍の位置で実
際にブレード10が大きく撓んでいてもこれを正確に検
出できない場合があり、これによってブレード10の撓
みが適切に調整されず、加工精度の低下を招く不都合が
ある。
【0007】また近年は、上記ブレード10の撓み量に
基づいてドレスを行うべき時期(すなわちドレスタイミ
ング)を判定し、このタイミングで内周刃11をドレス
することにより内周刃11の切れ味を回復させるといっ
た制御も行われているが、この場合にも、ブレード10
のワーク切断部位の撓み量が直接検出されないことによ
り、適切なタイミングでドレスが行われず、実際にドレ
スが必要な時にドレスが行われなかったり、必要以上に
ドレスが行われたりする不都合が生じる。
【0008】そこで本出願人は、上記ワークの切断時に
このワークの前端面と対向する位置に撓み量検出センサ
を設けることにより、上記ブレードにおけるワーク切断
部位、特に中央部近傍の撓み量を直接検出することを先
に提案しているが(特願平2−262117号)、この
装置においてブレードの表面に切削用、冷却用のクーラ
ントが供給されると、このクーラントが上記ワークの前
端面と撓み量検出センサとの間にトラップされ、このク
ーラントに撓み量検出センサが反応することによりその
検出結果に悪影響が与えられるとともに、上記クーラン
トの表面張力により、ワークから切り出された薄片が撓
み量検出センサ側に引張られ、外側に反るおそれがあ
り、その改善が新たな課題となっている。
【0009】本考案は、このような事情に鑑み、ブレー
ドにおけるワーク切断部位の撓みを正確に検出すること
ができるブレード撓み量検出装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は、円形状の内周
刃をもつブレードの内側にワークの一端部を臨ませ、上
記ブレードを回転させた状態でこのブレードの表面にク
ーラントを供給しながらこのブレードに対してワークを
ブレードの半径方向に相対移動させることにより上記ワ
ークから薄片を切り出すスライシング装置において、上
記ブレードのワーク切断部位に対応する位置であって上
記ワークの切断時にこのワークの前端面と対向する位置
に、上記ブレードの撓み量を検出する検出装置本体を設
けるとともに、この検出装置本体と上記ワーク前端面と
の間にクーラント除去エアを吹き付ける手段として、上
記ワークの割出し送り方向と平行な方向に延び、内部に
クーラント除去エアが供給されるエア供給管を備え、こ
のエア供給管において上記ワークと対向する側の端部に
終端壁を設け、この終端壁の直手前側の部分にエア噴出
口を設け、このエア噴出口を上記検出装置本体とワーク
前端面との間の位置に向けたものである。
【0011】
【作用】上記装置によれば、検出装置本体をブレードの
ワーク切断部位に対応する位置に配することにより、こ
の部位の撓み量を直接検出することができる。しかも、
エア供給管内において上記ワークの割出し送り方向と平
行な方向にクーラント除去エアが供給され、このエアが
終端壁で行き止まってその直手前のエア噴出口から上記
検出本体とワーク前端面との間の位置に吹き付けられる
ため、上記位置にクーラントがトラップされることが防
がれる。また、このクーラント除去エアの吹き付け方向
はワーク前端面にほぼ沿う方向であるため、このエアの
圧力によって薄片が撓むことはほとんどない。
【0012】
【実施例】本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0013】図4,5に示すスライシング装置は、基台
1を備え、この基台1上にガイドレール2が設置されて
おり、このガイドレール2に沿ってスライド可能にスラ
イドテーブル3が支持されている。
【0014】上記基台1上において、スライドテーブル
3に対向する位置には主軸台4が設置されている。この
主軸台4の上部には主軸受4aが設けられ、この主軸受
4aによって主軸6が回転可能に支持されるとともに、
この主軸6にベルト伝動機構を介して主軸駆動モータ8
の出力軸が連結されている。主軸6の先端部にはテンシ
ョンディスク9が固着され、このテンションディスク9
が、上記主軸6、ベルト伝動機構7、及び主軸駆動モー
タ8からなる回転駆動手段5により回転駆動されるよう
になっている。
【0015】テンションディスク9の周縁部には、ドー
ナツ状の薄板からなるブレード10が装着され、このブ
レード10の内周縁にダイヤモンド粒子等からなる内周
刃11が固着されている。そして、上記テンションディ
スク9の回転中にその回転数Nが変化することにより、
この回転数Nに応じて上記ブレード10が主軸6の軸方
向(すなわちブレード10の回転軸方向)に変位するよ
うになっている。すなわち、テンションディスク9が回
転すると、このテンションディスク9の周縁部に回転数
Nに比例した遠心力が作用するため、この回転数Nによ
ってテンションディスク9からブレード10に付与され
る回転軸方向の変位の大きさ及び方向が決定されること
となる。
【0016】上記スライドテーブル3上には、保持部材
15及び割出し送り手段18が設けられ、保持部材15
にはシリコン製半導体インゴット等からなるワーク30
が保持されている。割出し送り手段18は、ボールねじ
16と、このボールねじ16を回転駆動する保持部材駆
動モータ17とを有し、この割出し送り手段18によっ
て上記保持部材15が上記主軸6の軸方向にスライド駆
動されることにより、上記ワーク30の一端部がブレー
ド10の表面10a側(ワーク保持側)からブレード1
0の中央孔を通じて裏面10b側へ微小量突出すること
が可能となっている。
【0017】また、このスライドテーブル3上には、内
周刃11をドレスするためのドレス装置19が設けら
れ、このドレス装置19は、その工具先端がブレード1
0の内側に臨む位置に配されている。
【0018】上記基台1上には切断送り手段14が設置
されている。この切断送り手段14は、ボールねじ12
と、このボールねじ12を回転駆動する切断送りモータ
13とを備え、この切断送り手段14によって、上記ス
ライドテーブル3全体がガイドレール2に沿って主軸6
と直交する方向にスライド駆動される。従って、このス
ライドテーブル3を図4の手前から奥へスライドさせる
ことにより、ワーク30がブレード10に対してその半
径方向(図5では矢印A方向)に相対移動し(すなわち
切断送りされ)、このブレード10を回転させかつブレ
ード10の内側にワーク30の一端部を臨ませた状態で
上記切断送りを行うことにより、ワーク30の一端部が
内周刃11によってスライスされ、ウエハ(薄片)が切
り出されることとなる。
【0019】ワーク30の切断送り方向下流側の外周部
分、すなわち、ワーク30において内周刃11で最終的
に切断される部分には、カーボン等からなるスライスベ
ース31が固着されている。このスライスベース31の
固着により、ワーク30の切断終了時にブレード10に
作用する切断抵抗が急に開放されて上記ワーク30の最
終切断部分が欠けることが防がれる。
【0020】ブレード10の近傍の3個所には、その撓
み量を検出する撓み量検出センサ20,21,24が設
けられている。これらの撓み量検出センサ20,21,
24は、磁気センサで構成され、図5〜図7に示すよう
な位置に配設されている。
【0021】すなわち、撓み量検出センサ20,21
は、ワーク30が切断送りによって移動する軌跡C上か
ら外れ、かつブレード10の表面(図4,6では右側
面)10aに対向する位置に配置されている。より具体
的に、撓み量検出センサ(以下、「入口部センサ」とい
う)20は、ブレード10のワーク切断部位(P1
2)の入口部(すなわち回転方向(図5の矢印B方
向)上流端)P1近傍に配置され、撓み量検出センサ
(以下、「出口部センサ」という)21は、ブレード1
0のワーク切断部位の出口部(すなわち回転方向下流
端)P2近傍に配置されている。
【0022】これに対し、撓み量検出センサ(本考案の
検出装置本体;以下「中央部センサ」という)24は、
上記軌跡C上であって、ブレード10の裏面10bに対
向する位置に配置されており、より具体的には、ワーク
30を切断する際にその前端面(図1,6では左側端
面)に近接しながら対向する位置であって、ブレード1
0のワーク切断部位の中央部P3の近傍の位置に配置さ
れている。すなわち、この中央部センサ24は、微小厚
みDwでもってワーク30から切り出されるウェハW超
しにブレード10の撓み量を検出する位置に配されてい
る。
【0023】次に、この中央部センサ24を含む中央の
撓み量検出装置全体の構造を図1〜図3に基づいて説明
する。この装置は、前側ブロック33、後側ブロック3
2、及びエア供給管34を備え、上記中央部センサ24
は両ブロック33,32を貫通する状態でその前端面
(検出面)24aが上記ワーク30の前端面に対向する
位置に配設されている。
【0024】前側ブロック33は、全体が合成樹脂で形
成され、後側ブロック32の前端面に固定されている。
この前側ブロック33の前端部には、図1,3に示すよ
うに下方にのみ開放された凹部33aが形成されてお
り、この凹部33aの前端面33bと上記中央部センサ
24の前端面24aとが合致している。この凹部33a
の形成により、中央部センサ24の前端面24aがワー
ク30の前端面(すなわちウェハWの表面)に直接接触
することが防がれている。後側ブロック32は、全体が
ステンレス鋼で形成され、前側ブロック33の側面から
さらに側方に突出する取付部32aを有しており、この
取付部32aに設けられた取付穴32bにボルト36を
挿通することにより、このボルト36を用いて、テンシ
ョンディスク9側の所定の位置に設けられた装着部に後
側ブロック32が固定されるようになっている。しか
も、この後側ブロック32の装着位置、及び上記凹部3
3aの深さ寸法d2(図1)は、上記中央部センサ24
の前端面24aからワーク30の前端面までの離間寸法
dがブレード撓み量検出可能な微小寸法以下となるよう
に設定されている。
【0025】エア供給管34は、中央にエア供給通路3
4aを有し、上記中央部センサ24の直上方の位置に設
けられており、この中央部センサ24と平行な方向、す
なわちワーク割出し送り方向と平行な方向に両ブロック
32,33を貫通している。このエア供給管34の後端
部は撓み可能なホース35を介して図外のエア供給ポン
プに接続されている。これに対し、前端部、すなわち上
記ワーク30の前端面に対向する側の端部(図1では左
側端部)には、上記エア供給通路34aを塞ぐ終端壁3
4bが設けられ、この終端壁34bの直手前の位置に、
図2(b)にも示すような下方に開口するエア噴出口3
4cが設けられている。そして、上記終端壁34bの前
端面が前側ブロック33の前端面と合致し、上記エア噴
出口34cが上記凹部33aに上方から臨む位置にセッ
トされている。
【0026】従って、上記エア供給管34のエア供給通
路34a内に図外のエア供給ポンプからホース35を介
してクーラント除去エアが供給されることにより、この
エアが終端壁34bで行き止まり、その手前のエア噴出
口34cからワーク前端面とセンサ前端面24aとの間
の位置に吹き付けられるようになっている。
【0027】一方、このスライシング装置は、図8に示
すような制御部40を備えている。
【0028】同図に示す中央部基準変位記憶装置41、
入口部基準変位記憶装置43、及び出口部基準変位記憶
装置45は、それぞれ、上記中央部センサ24、入口部
センサ20、出口部センサ21の検出信号を取り込み、
中央部基準変位記憶装置41は、切断送りモータ13の
駆動によってワーク30が切断開始直前の位置(図5に
左側の二点鎖線で示す位置よりも僅かに左寄りの位置;
以下、直前位置と称する)に移動した時点(以下、基準
時と称する)で中央部センサ24で検出されるブレード
10の撓み量を中央部基準撓み量Sa3として記憶す
る。同様に、入口部基準変位記憶装置43は、上記基準
時に入口部センサ20で検出されるブレード10の撓み
量を入口部基準撓み量Sa1として記憶し、出口部基準
変位記憶装置45は、上記基準時に出口部センサ21で
検出されるブレード10の撓み量を出口部基準撓み量S
2として記憶する。なお、ワーク30が上記直前位置
に移動したことは、後述の切断送りモータ制御装置52
の切断送り位置検出手段521によって検出される。
【0029】上記のように記憶された各基準撓み量Sa
3,Sa1,Sa2は、中央部変位比較器42、入口部変
位比較器44、及び出口部変位比較器46にそれぞれ入
力される。中央部変位比較器42は、上記中央部基準撓
み量Sa3の他、中央部センサ24で検出される現在撓
み量Sb3を所定のサンプリング周期Δtごとに取り込
み、後者から前者を差し引いた値を基準状態からの撓み
量(切断に起因してブレード10の中央部P3が撓んだ
量)S3として算出し、出力する。同様に、入口部変位
比較器44は、上記入口部基準撓み量Sa1と、入口部
センサ20で検出される現在撓み量Sb1とを取り込
み、後者から前者を差し引いた値を基準状態からの入口
部撓み量S1として算出、出力し、出口部変位比較器4
6は、上記出口部基準撓み量Sa2と、出口部センサ2
1で検出される現在撓み量Sb2とを取り込み、後者か
ら前者を差し引いた値を基準状態からの出口部撓み量S
2として算出、出力する。
【0030】上記各変位比較器42,44,46で算出
された撓み量S3,S1,S2は、切断送り速度演算装置
51及びドレスタイミング判定装置61に入力され、さ
らに、中央部撓み量S3は回転数演算装置48に入力さ
れる。
【0031】この回転数演算装置48は、後述の切断送
りモータ制御装置52の命令手段523から駆動命令信
号を受けたときに、現在のテンションディスク9の回転
数Nと、中央部変位比較器42で検出された中央部撓み
量S3とに基づいて、上記中央部撓み量S3を0にするた
めに必要なテンションディスク9の目標回転数Naを演
算し、この演算値に対応する信号を主軸駆動モータ制御
装置49に出力する。主軸駆動モータ制御装置49は、
回転数演算装置48から信号を受けた場合には上記目標
回転数Naを、それ以外は予め設定記憶された基本回転
数N0を目標としてテンションディスク9の回転数Nを
調節するように主軸駆動モータ8の駆動制御を行う。
【0032】切断送り速度演算装置51は、切断送りモ
ータ制御装置52の命令手段523から駆動命令信号を
受けたときに、各変位比較器44,46,42でそれぞ
れ検出された撓み量S1,S2,S3に基づいて、図9に
示す中央部撓み量S3、入口部撓み量S1と中央部撓み量
3との差ΔS1、または出口部撓み量S2と中央部撓み
量S3との差ΔS2を小さくするために必要な目標切断送
り速度Vaを演算し、その演算結果に対応した信号を切
断送りモータ制御装置52に出力する。ここで、上記目
標切断送り速度Vaの演算は、例えば次式Va=V0
kSに基づいて行われる。同式において、V0は予め設
定記憶された基本切断送り速度、kは演算係数であり、
SにはS3の絶対値、ΔS1の絶対値、ΔS2の絶対値の
中で最大の値を代入するようにする。
【0033】この切断送り速度演算装置51は、上記値
Sに基づき、現在の状態が所定の切断送り速度演算条件
にあるか否かを判定し、条件に該当しない場合、すなわ
ち上記値Sが所定値以下の時には、上記目標切断送り速
度Vaの演算を行わず、切断送りモータ制御装置52に
信号を出力しないように構成されている。
【0034】切断送りモータ制御装置52は、切断送り
速度演算装置51から信号を受けたときには切断送り速
度Vが切断送り速度演算装置51で求められた目標切断
送り速度Vaとなるように、それ以外は基本切断送り速
度V0となるように切断送りモータ13を制御するもの
で、具体的には、切断送り位置検出手段521、切断送
り位置判定手段522、及び命令手段523を備えてい
る。
【0035】切断送り位置検出手段521は、切断送り
モータ13から検出されるパルス信号に基づいてワーク
30の切断送り位置(切断送り方向の位置)を検出す
る。切断送り位置判定手段522は、切断送り位置検出
手段521で検出された切断送り位置に基づいてワーク
30の切断送り位置が切断開始位置(図5に左側の二点
鎖線で示す位置)からスライスベース31を含まないワ
ーク30のみの切断終了位置(図5に右側の二点鎖線で
示す位置)までの範囲L内であるか否かを判定し、範囲
L内であると判定した時には命令手段523から駆動命
令信号を、範囲L外であると判定した時には命令手段5
23から停止命令信号をそれぞれ回転数演算装置48、
切断送り速度演算装置51、及びドレスタイミング判定
装置61に出力させる。
【0036】ドレスタイミング判定装置61は、上記命
令手段523から駆動命令信号を受けた時点で、上記値
Sに基づき、現在、ドレス装置19によるドレスを行う
時期か否かを判定し、ドレスタイミングであると判定し
た場合(詳細後述)にはドレス制御装置62に指令信号
を出力し、所定の時期にドレス装置19を作動させる。
【0037】また、この制御部40は、ワーク30をブ
レード10に対して割出し送りするための保持部材駆動
モータ17等の制御も行うように構成されている。
【0038】次に、この制御部40の制御に伴うスライ
シング装置の動作を図10のフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0039】制御部40は、回転駆動手段5によってテ
ンションディスク9を基本回転数N0で回転駆動する
(ステップS1)とともに、割出し送り手段18によっ
て、保持部材15に保持されたワーク30を主軸6側に
スライド移動させる(ステップS2)。これにより、ワ
ーク30の一端部がブレード10の表面10a側からブ
レード10の内側に挿通され、ブレード10の裏面10
b側へ微小量突出する状態となる。
【0040】次に、切断送り手段14によってワーク3
0をブレード10の半径方向に基本切断送り速度V0
移動させる(ステップS3)と同時に、切断送り位置検
出手段521でワーク30の切断送り位置を、各センサ
20,21,24で現時点での撓み量Sb1,Sb2,S
3をそれぞれ検出する(ステップS4,S5)。この
検出動作において、入口部センサ20及び出口部センサ
21はワーク30の移動軌跡C上から外れた位置にある
のに対し、中央部センサ24は図1,6に示すようにワ
ーク30の前端面と対向する位置にあるため、図5にお
いて例えば入口部P1の回転方向上流側の位置からブレ
ード10の表面に切削用や冷却用のクーラントを供給す
ると、このクーラントがブレード10に巻き込まれて上
記中央部センサ24の前端面24aとワーク30の前端
面との間に侵入する場合があり得る。しかしながら、こ
の位置には下方に向けてエア噴出口34cからクーラン
ト除去エアが吹き付けられているので、この位置にクー
ラントがトラップされることはなく、これによって、中
央部センサ24による正常な撓み検出が保証される。
【0041】次に、切断送り位置判定手段522がワー
ク30が切断開始直前位置に達したと判定した時点で
(ステップS6でNOかつS7でYES)、この判定直
前に検出された各撓み量Sb1,Sb2,Sb3をそれぞ
れ基準撓み量Sa1,Sa2,Sa3として記憶し(ステ
ップS8)、その後は上記憶値に基づいて各撓み量S1
〜S3の検出を行い(ステップS9〜S11)、撓み量
の記憶は行わない(ステップS6でYES)。
【0042】次に、回転数演算装置48により中央部撓
み量S3に基づいてテンションディスク9の目標回転数
Naを演算し(ステップS14)、この目標回転数Na
にテンションディスク9の実際回転数Nを合わせるよう
に主軸駆動モータ8を制御する(ステップS15)。こ
れにより、ブレード10はその中央部P3近傍の撓み量
が0となる方向に変位し、ブレード10全体の撓みが調
整される。この動作と並行して、切断送り速度演算装置
51は、現在の状態が所定の切断送り速度演算条件に該
当するか否か、すなわち、上記各値S3,ΔS1,ΔS2
の絶対値が予め設定した許容限界値R1を上回っている
か否かを判定し(ステップS16)、条件に該当する場
合には、切断送り速度演算装置51で各部撓み量S1
2,S3に基づき目標切断送り速度Vaを演算し(ステ
ップS17)、切断送りモータ制御装置52によって、
切断送り速度Vが上記目標切断送り速度Vaとなるよう
に切断送りモータ13の駆動制御を行う(ステップS1
8)。これにより、切断送り速度Vが目標切断送り速度
Vaに近づくように低下し、切断抵抗が減少するため
に、ブレード10の弾性復元力に起因して、上記撓み量
差ΔS1,ΔS2が縮まる方向にブレード10全体の軸方
向の撓みが調整される。なお、上記ステップS16にお
いて条件外であると判定した場合には調整を行わない。
【0043】次に、ドレスタイミング判定装置61は、
値Sに基づいて現在状態が所定のドレスタイミング条件
であるか否かを判定し(ステップS19)、ドレスタイ
ミング条件であると判定した場合、すなわち、S3の絶
対値が臨界値R2(>R1)を上回るか、ΔS1の絶対値
が臨界値R3(>R1)を上回るか、あるいはΔS1の絶
対値が臨界値R3を上回る場合にのみ、ドレス制御装置
62からドレス装置19へドレス指令信号を出力させる
(ステップS20)。これにより、現在切断中のワーク
30の加工終了後にドレス装置19によってドレスが行
われる。
【0044】以上の動作を切断終了位置に到達するまで
繰り返すが(ステップS21でNO)、到達後は(ステ
ップS21でYES)テンションディスク9の回転数N
を基本回転数N0に切換える(ステップS22)ととも
に、切断送り速度Vを基本切断送り速度V0に切換える
(ステップS23)。そして、ワーク30全体が切断さ
れる位置、すなわちスライスベース31をも完全に切断
した位置に達した時点で(ステップS24でYES)、
所定の切断完了動作を行い、制御動作を終了する。
【0045】以上のように、この装置では、ワーク30
の前端面に対向して中央部センサ24を配設することに
より、この中央部センサ24がワーク30の移動軌跡C
上に位置するにもかかわらず、両者の干渉を生ずること
なく、ブレード10のワーク切断部位の中央部P3の撓
み量を直接検出することができ、この検出結果(この実
施例では入口部撓み量及び出口部撓み量も併せた結果)
に基づき、ブレード10の撓み調整やドレスタイミング
の設定を実際の状態に対応して適切に行うことができ
る。しかも、エア噴出口34cからクーラント除去エア
を噴射することにより、上記中央部センサ24の前端面
24aとワーク30の前端面との間にクーラントがトラ
ップするのを防止できるので、このクーラントのトラッ
プに中央部センサ24が反応することに起因する検出不
良を防ぐことによって、上記中央部P3のブレード撓み
量を常に正確に検出することができるとともに、上記ク
ーラントの表面張力に起因してウェハWがセンサ側に引
張られることによるウェハW自身の反りを防ぐことがで
きる。
【0046】なお、上記クーラント除去エアをワーク割
出し送り方向と平行な方向に吹き付けた場合には、この
エアの圧力により、ワーク30から切り出されるウェハ
Wが押されてブレード10に接触する方向に撓み、スラ
イシング不良を引き起こすおそれがあるが、上記装置で
は、ワーク前端面に沿う方向にエアを供給するようにし
ているので、このエアの圧力によってウェハWが撓むこ
とはほとんどなく、よって正常なスライシングを確保す
ることができる。
【0047】さらに、この装置では、エアを吹き付ける
具体的な手段として、中央部センサ24と同方向に延び
るエア供給管34に沿ってエアをクーラント除去エアを
供給し、このエアを終端壁34bで行き止まらせてその
手前のエア噴出口34cから噴射するようにしているの
で、中央部センサ24の感度との関係等からセンサ前端
面24aとワーク前端面との間に極めて微小な距離dし
か確保できない場合でも、この間に確実にエアを吹き込
むことができる。
【0048】また、この装置では、前後のブロックのう
ち前側ブロック33を合成樹脂で形成しているので、仮
にウェハWが撓んで前側ブロック33に接触しても、こ
れによってウェハWが損傷するおそれは極めて少ない。
【0049】なお、本考案は上記実施例に限定されるも
のでなく、例として次のような態様をとることも可能で
ある。
【0050】(1) 上記実施例では、本考案装置を中央部
センサ24に適用した場合を示したが、例えば入口部セ
ンサ20や出口部センサ21の位置を図5,6に二点鎖
線20a,21aに示す位置、すなわち、中央部センサ
24と同様にワーク30の前端面に対向してブレード1
0におけるワーク切断部位の撓みを検出する位置に変更
したい場合にも、これら入口部センサ20や出口部セン
サ21に本考案を適用することにより、クーラントの介
在に起因する誤検出を未然に防ぐことができる。また、
本考案はこのように複数の撓み量検出センサを設ける場
合に限らず、ワーク30の前端面に対向する少なくとも
一つの位置に撓み量検出手段を設ける場合に適用するこ
とにより、その効果を得ることができるものである。
【0051】(2) 上記実施例では、中央部センサ24の
上方の位置にエア供給管34を設け、センサ前端面24
aとワーク前端面との間の位置に対して上から下へ向け
てクーラント除去エアを吹き付けるものを示したが、例
えば上記位置に対して側方からエアを吹き付けるように
してもよい。
【0052】
【考案の効果】以上のように本考案は、ワーク切断時に
おけるワークの前端面に対向する位置にブレード撓み検
出装置の検出装置本体を配設するとともに、この検出装
置本体と上記ワーク前端面との間にクーラント除去エア
を吹き付ける手段を備えたものであるので、ワークの移
動軌跡上に検出装置本体を配するにもかかわらず、この
ワークと検出装置本体とを干渉させることなく、ブレー
ドのワーク切断部位の撓み量を直接検出することがで
き、これによってブレードの撓み調整やドレスタイミン
グの設定等を適切に行うことができるとともに、上記ク
ーラント除去エアの吹き付けによって検出装置本体とワ
ーク前端面との間にクーラントがトラップされるのを防
ぐことができる。従って、このクーラントのトラップに
起因する検出不良を未然に防ぐことができ、これにより
ブレード撓み量の正確な検出を確保することができると
ともに、上記クーラントの表面張力に起因してウェハW
がセンサ側に引張られ、ウェハW自身が反るといった不
都合も未然に防ぐことができる。しかも、エアを吹き付
ける具体的な手段としてエア供給管を備え、このエア供
給管に沿ってクーラント除去エアをワーク割出し送り方
向と同方向に供給し、このエアを終端壁で行き止まらせ
てその手前のエア噴出口から噴射するようにしているの
で、検出装置の感度等の関係から検出装置本体前端面と
ワーク前端面とを極めて微小な距離しか離間させること
ができない場合でも、この間に確実にエアを吹き込むこ
とができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例におけるスライシング装置に
設けられたブレード撓み量検出装置の断面側面図であ
る。
【図2】(a)は上記ブレード撓み量検出装置の要部を
示す拡大断面図、(b)は(a)のB−B線断面図であ
る。
【図3】上記ブレード撓み量検出装置の斜視図である。
【図4】上記スライシング装置の一部断面正面図であ
る。
【図5】図4のV−V線断面図である。
【図6】上記スライシング装置におけるブレードのワー
ク切断部位近傍の側面図である。
【図7】上記ワーク切断部位近傍の平面図である。
【図8】上記スライシング装置に設けられる制御部の機
能構成を示すブロック図である。
【図9】上記ブレードの各撓み量を示すグラフである。
【図10】上記スライシング装置において実行される制
御動作を示すフローチャートである。
【図11】従来のスライシング装置の一例を示す一部断
面正面図である。
【符号の説明】
10 ブレード 11 内周刃 24 ブレード撓み量検出センサ(検出装置本体) 30 ワーク 34 エア供給管 34b 終端壁 34c エア噴出口 W ウェハ(薄片)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形状の内周刃をもつブレードの内側に
    ワークの一端部を臨ませ、上記ブレードを回転させた状
    態でこのブレードの表面にクーラントを供給しながらこ
    のブレードに対してワークをブレードの半径方向に相対
    移動させることにより上記ワークから薄片を切り出すス
    ライシング装置において、上記ブレードのワーク切断部
    位に対応する位置であって上記ワークの切断時にこのワ
    ークの前端面と対向する位置に、上記ブレードの撓み量
    を検出する検出装置本体を設けるとともに、この検出装
    置本体と上記ワーク前端面との間にクーラント除去エア
    を吹き付ける手段として、上記ワークの割出し送り方向
    と平行な方向に延び、内部にクーラント除去エアが供給
    されるエア供給管を備え、このエア供給管において上記
    ワークと対向する側の端部に終端壁を設け、この終端壁
    の直手前側の部分にエア噴出口を設け、このエア噴出口
    を上記検出装置本体とワーク前端面との間の位置に向け
    ことを特徴とするスライシング装置におけるブレード
    撓み量検出装置。
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JPH0813457B2 (ja) * 1988-12-21 1996-02-14 三菱マテリアル株式会社 半導体切断装置

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