JP2562507B2 - ワークのスライシング装置 - Google Patents
ワークのスライシング装置Info
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- JP2562507B2 JP2562507B2 JP2074841A JP7484190A JP2562507B2 JP 2562507 B2 JP2562507 B2 JP 2562507B2 JP 2074841 A JP2074841 A JP 2074841A JP 7484190 A JP7484190 A JP 7484190A JP 2562507 B2 JP2562507 B2 JP 2562507B2
- Authority
- JP
- Japan
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- blade
- work
- cutting
- displacement amount
- cut
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D—PLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23D59/00—Accessories specially designed for sawing machines or sawing devices
- B23D59/001—Measuring or control devices, e.g. for automatic control of work feed pressure on band saw blade
- B23D59/002—Measuring or control devices, e.g. for automatic control of work feed pressure on band saw blade for the position of the saw blade
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体インゴット等のワークの端部を切断
して半導体ウエハ等の薄片を切出すワークのスライシン
グ装置に関するものである。
して半導体ウエハ等の薄片を切出すワークのスライシン
グ装置に関するものである。
従来より、例えば半導体インゴットの端部を切断して
半導体ウェハを切出すために、円形状の内周刃を有する
ブレードを備えたスライシング装置が用いられている。
半導体ウェハを切出すために、円形状の内周刃を有する
ブレードを備えたスライシング装置が用いられている。
このスライシング装置を用いてインゴットを切断する
方法として、従来より行なわれてきた方法は、単にスラ
イシング装置のブレードを回転させつつ、内周刃もしく
はインゴットをブレードの回転軸と直交する方向に送り
移動させて切断する方法で、この従来の切断方法では、
内周刃の左右の切れ味の違いにより、切断中にブレード
が勝手に撓み(変位し)、真直ぐに切断できないという
欠点があった。
方法として、従来より行なわれてきた方法は、単にスラ
イシング装置のブレードを回転させつつ、内周刃もしく
はインゴットをブレードの回転軸と直交する方向に送り
移動させて切断する方法で、この従来の切断方法では、
内周刃の左右の切れ味の違いにより、切断中にブレード
が勝手に撓み(変位し)、真直ぐに切断できないという
欠点があった。
そこで、例えば特開昭61−47644号公報に示されるよ
うに、ブレードに撓みが生じた場合に、その側面に空気
流もしくは磁界を作用させることにより、ブレードの撓
みを修正する方法や、実開昭62−70904号公報に示され
るように、ブレードに撓みが生じた場合に、切断速度を
低下させることにより、ブレードに掛かる切断抵抗を低
下させ、ブレード自体が有する復元力を利用してブレー
ドの撓みを修正する方法等が開発された。
うに、ブレードに撓みが生じた場合に、その側面に空気
流もしくは磁界を作用させることにより、ブレードの撓
みを修正する方法や、実開昭62−70904号公報に示され
るように、ブレードに撓みが生じた場合に、切断速度を
低下させることにより、ブレードに掛かる切断抵抗を低
下させ、ブレード自体が有する復元力を利用してブレー
ドの撓みを修正する方法等が開発された。
しかしながら、前者の方法では、空気流もしくは磁界
がブレードの側面に局部的に作用するため、ブレードが
波状に変形し易く、ブレード全体の撓みを均一に修正す
ることが困難であるという問題があった。
がブレードの側面に局部的に作用するため、ブレードが
波状に変形し易く、ブレード全体の撓みを均一に修正す
ることが困難であるという問題があった。
また、後者の方法では、ブレードが波状に変形するこ
とは起こらないが、ブレード自体の復元力を利用するた
め、ブレードの撓みが修正されるまでに時間を要して応
答性が悪く、しかもブレードの撓みを完全に修正するに
は切断速度をかなり低下させる必要があり、生産性が低
下するという問題があった。
とは起こらないが、ブレード自体の復元力を利用するた
め、ブレードの撓みが修正されるまでに時間を要して応
答性が悪く、しかもブレードの撓みを完全に修正するに
は切断速度をかなり低下させる必要があり、生産性が低
下するという問題があった。
最近、スライシング装置として、例えば特開平1−18
2011号公報に示されるように、円形状の内周刃が設けら
れたブレードと、このブレードが取り付けられ、かつ回
転可能に支持され、回転に伴う遠心力に応じて前記ブレ
ードをその回転軸方向に変位させるテンションディスク
と、このテンションディスクを回転させる回転駆動手段
と、インゴットに対して前記内周刃を前記ブレードの回
転軸と直交する方向に相対的に送り移動させる切込み送
り手段と、前記ブレードの変位量を検出する検出手段
と、この検出手段で検出された変位量を零とするように
前記テンションディスクの回転数を制御する制御手段と
を備えたものが開発されている。
2011号公報に示されるように、円形状の内周刃が設けら
れたブレードと、このブレードが取り付けられ、かつ回
転可能に支持され、回転に伴う遠心力に応じて前記ブレ
ードをその回転軸方向に変位させるテンションディスク
と、このテンションディスクを回転させる回転駆動手段
と、インゴットに対して前記内周刃を前記ブレードの回
転軸と直交する方向に相対的に送り移動させる切込み送
り手段と、前記ブレードの変位量を検出する検出手段
と、この検出手段で検出された変位量を零とするように
前記テンションディスクの回転数を制御する制御手段と
を備えたものが開発されている。
このスライシング装置の構成によれば、ブレードが撓
むと、このブレードの撓みを零とするようにテンション
ディスクの回転数が調整されるため、切断中、ブレード
の撓みを零に保つことができ、したがって、インゴット
を真直ぐに切断することができ、平坦なウェハを切出す
ことができる。
むと、このブレードの撓みを零とするようにテンション
ディスクの回転数が調整されるため、切断中、ブレード
の撓みを零に保つことができ、したがって、インゴット
を真直ぐに切断することができ、平坦なウェハを切出す
ことができる。
上記方法によって切出されたウェハは、その後、ラッ
ピング、エッチングおよびポリッシングが施され、ウェ
ハとしての最終製品であるミラーウェハとなる。この後
工程のラッピング工程で、切断ウェハ面が大きく湾曲し
ていたり、その面に凹凸があったりすると、その面を高
平坦度にするまでに時間が掛かる。
ピング、エッチングおよびポリッシングが施され、ウェ
ハとしての最終製品であるミラーウェハとなる。この後
工程のラッピング工程で、切断ウェハ面が大きく湾曲し
ていたり、その面に凹凸があったりすると、その面を高
平坦度にするまでに時間が掛かる。
このような理由から、従来は、切出されたウェハが可
能な限り平坦になることを狙ってワークを真直ぐに(ワ
ークの切り口形状が直線となるように)切断できるイン
ゴットの切断方法やスライシング装置の開発が進められ
ていた。
能な限り平坦になることを狙ってワークを真直ぐに(ワ
ークの切り口形状が直線となるように)切断できるイン
ゴットの切断方法やスライシング装置の開発が進められ
ていた。
しかしながら、従来の方法や装置によっても、完全に
平坦なウェハを安定的に切出すことは困難であり、余り
真直ぐに切断すると、微小なうねりや微小な鞍形ができ
易い傾向もあり、これらを後工程で矯正するのは難しい
という問題があった。特に、64M以上の高集積化ICの製
造工程で真空吸着が使えず(電子線やX線での露光を必
要とするとき)、弱い吸着力しか出ない静電吸着を用い
る場合には、平面度矯正が困難になっていた。
平坦なウェハを安定的に切出すことは困難であり、余り
真直ぐに切断すると、微小なうねりや微小な鞍形ができ
易い傾向もあり、これらを後工程で矯正するのは難しい
という問題があった。特に、64M以上の高集積化ICの製
造工程で真空吸着が使えず(電子線やX線での露光を必
要とするとき)、弱い吸着力しか出ない静電吸着を用い
る場合には、平面度矯正が困難になっていた。
また、従来の方法や装置では、主軸側(ブレードと反
対側)に凸に切断されたウェハがブレードに密着すると
いう問題や、真直ぐに切断されても、ウェハとなる部分
が表裏面の残留応力(引張り応力)の差によって応力が
小さい側に僅かに反るという現象から、ブレード側の応
力が小さい場合、第6図に示すように、ウェハとなる部
分15aがブレード10側に反って回転中のブレード10に密
着するといった問題が起こっていた。なお、図におい
て、11は内周刃、15はワーク、15c,15dはワーク15の表
面および裏面、αはワーク15の切り口を示している。い
ずれにしろ、ウェハがブレードに密着することは、ブレ
ードに傷を付けたり、ウェハが飛散するという不具合を
惹起し、生産性を著しく阻害する。
対側)に凸に切断されたウェハがブレードに密着すると
いう問題や、真直ぐに切断されても、ウェハとなる部分
が表裏面の残留応力(引張り応力)の差によって応力が
小さい側に僅かに反るという現象から、ブレード側の応
力が小さい場合、第6図に示すように、ウェハとなる部
分15aがブレード10側に反って回転中のブレード10に密
着するといった問題が起こっていた。なお、図におい
て、11は内周刃、15はワーク、15c,15dはワーク15の表
面および裏面、αはワーク15の切り口を示している。い
ずれにしろ、ウェハがブレードに密着することは、ブレ
ードに傷を付けたり、ウェハが飛散するという不具合を
惹起し、生産性を著しく阻害する。
以上の事情に鑑みて、本発明は、微小なうねりや鞍形
がでにくく、しかも、薄片、すなわちウェハがブレード
に密着することを防止することができ、平面度矯正が可
能なワークのスライシング装置を提供しようとするもの
である。
がでにくく、しかも、薄片、すなわちウェハがブレード
に密着することを防止することができ、平面度矯正が可
能なワークのスライシング装置を提供しようとするもの
である。
本発明にかかるワークのスライシング装置は、円形状
の内周刃が設けられたブレードと、このブレードが取り
付けられ、かつ回転可能に支持され、回転に伴う遠心力
に応じて前記ブレードをその回転軸方向に変位させるテ
ンションディスクと、このテンションディスクを回転さ
せる回転駆動手段と、前記ブレードの変位量を検出する
センサと、前記ワークに対して前記内周刃を前記ブレー
ドの回転軸と直交する方向に相対的に送り移動させる切
込み送り手段とを備え、前記回転駆動手段で前記テンシ
ョンディスクを回転させつつ、前記切込み送り手段で前
記ワークに対して前記内周刃を前記ブレードの回転軸と
直交する方向に相対的に送り移動させることにより、前
記内周刃で前記ワークの端部を切断して薄片を切出すよ
うに構成されたスライシング装置において、前記ワーク
の切込み位置を検出する切込み位置検出手段と、前記ワ
ークの所定の切り口形状を前記ワークの切込み位置と前
記ブレードの変位量との関係で記憶した切り口形状記憶
手段と、前記切込み位置検出手段の検出値に対する前記
センサで検出されるブレード変位量が前記切り口形状記
憶手段に記憶した関係となるように前記回転駆動手段に
テンションディスクの回転数を増減する制御信号を出力
するブレード変位量制御手段とが設けられたものであ
る。
の内周刃が設けられたブレードと、このブレードが取り
付けられ、かつ回転可能に支持され、回転に伴う遠心力
に応じて前記ブレードをその回転軸方向に変位させるテ
ンションディスクと、このテンションディスクを回転さ
せる回転駆動手段と、前記ブレードの変位量を検出する
センサと、前記ワークに対して前記内周刃を前記ブレー
ドの回転軸と直交する方向に相対的に送り移動させる切
込み送り手段とを備え、前記回転駆動手段で前記テンシ
ョンディスクを回転させつつ、前記切込み送り手段で前
記ワークに対して前記内周刃を前記ブレードの回転軸と
直交する方向に相対的に送り移動させることにより、前
記内周刃で前記ワークの端部を切断して薄片を切出すよ
うに構成されたスライシング装置において、前記ワーク
の切込み位置を検出する切込み位置検出手段と、前記ワ
ークの所定の切り口形状を前記ワークの切込み位置と前
記ブレードの変位量との関係で記憶した切り口形状記憶
手段と、前記切込み位置検出手段の検出値に対する前記
センサで検出されるブレード変位量が前記切り口形状記
憶手段に記憶した関係となるように前記回転駆動手段に
テンションディスクの回転数を増減する制御信号を出力
するブレード変位量制御手段とが設けられたものであ
る。
上記装置においては、ブレード変位量制御手段を、切
込み位置検出手段の検出値に対するブレード変位量が切
り口形状記憶手段に記憶した関係となるように、回転駆
動手段にテンションディスクの回転数を増減する制御信
号を出力すると同時に、切込み送り手段に切断速度を増
減する制御信号を出力するように構成することが好まし
い。
込み位置検出手段の検出値に対するブレード変位量が切
り口形状記憶手段に記憶した関係となるように、回転駆
動手段にテンションディスクの回転数を増減する制御信
号を出力すると同時に、切込み送り手段に切断速度を増
減する制御信号を出力するように構成することが好まし
い。
また、上記装置の構成によれば、ワーク切断中、テン
ションディスクの回転数が増減制御されて、ワークの切
り口形状が目標とする形状となるようにブレードの変位
量が調整されることとなる。このため、例えば、目標と
する切り口形状を弓状に湾曲した形状に設定しておけ
ば、弓状に湾曲したウェハを得ることができる。
ションディスクの回転数が増減制御されて、ワークの切
り口形状が目標とする形状となるようにブレードの変位
量が調整されることとなる。このため、例えば、目標と
する切り口形状を弓状に湾曲した形状に設定しておけ
ば、弓状に湾曲したウェハを得ることができる。
特に、ブレード変位量制御手段を、切込み位置検出手
段の検出値に対するブレード変位量が切り口形状記憶手
段に記憶した関係となるように、回転駆動手段にテンシ
ョンディスクの回転数を増減する制御信号を出力すると
同時に、切込み送り手段に切断速度を増減する制御信号
を出力するように構成すれば、テンションディスク回転
数の増減制御によるブレード変位量の調整作用と切断速
度の増減制御によるブレード変位量の調整作用との相乗
作用によって、ブレードの変位量を目標とする変位量に
素早く収束させることができる。
段の検出値に対するブレード変位量が切り口形状記憶手
段に記憶した関係となるように、回転駆動手段にテンシ
ョンディスクの回転数を増減する制御信号を出力すると
同時に、切込み送り手段に切断速度を増減する制御信号
を出力するように構成すれば、テンションディスク回転
数の増減制御によるブレード変位量の調整作用と切断速
度の増減制御によるブレード変位量の調整作用との相乗
作用によって、ブレードの変位量を目標とする変位量に
素早く収束させることができる。
まず、本発明にかかるワークのスライシング装置を説
明する。
明する。
第1図および第2図は、本発明のスライシング装置の
一実施例を示している。このスライシング装置は、基台
1上に設置されたガイドレール2と、このガイドレール
2に沿ってスライド自在に支持されたスライドテーブル
3と、このスライドテーブル3に対向して上記基台1上
に設置された主軸台4とを備えている。
一実施例を示している。このスライシング装置は、基台
1上に設置されたガイドレール2と、このガイドレール
2に沿ってスライド自在に支持されたスライドテーブル
3と、このスライドテーブル3に対向して上記基台1上
に設置された主軸台4とを備えている。
この主軸台4には、主軸6が回転自在に支持されてい
るとともに、ベルト伝動機構7を介して主軸6を回転駆
動する主軸駆動モータ8が取付けられている。主軸6の
先端部にはテンションディスク9が固着され、このテン
ションディスク9は、主軸6、ベルト伝動機構7および
主軸駆動モータ8からなる回転駆動手段5により、回転
駆動されるように構成されている。
るとともに、ベルト伝動機構7を介して主軸6を回転駆
動する主軸駆動モータ8が取付けられている。主軸6の
先端部にはテンションディスク9が固着され、このテン
ションディスク9は、主軸6、ベルト伝動機構7および
主軸駆動モータ8からなる回転駆動手段5により、回転
駆動されるように構成されている。
上記テンションディスク9の周縁部にはドーナツ板状
の薄板からなるブレード10が固着され、このブレード10
の内周部にはダイヤモンド粒子等からなる内周刃11が固
着され、このブレード10は、テンションディスク9が回
転して、その回転数が変化することにより、回転数に応
じて主軸6の軸方向(ブレード10の回転軸方向)に変位
するように構成されている。つまり、テンションディス
ク9が回転すると、テンションディスク9の周縁部に回
転数に応じた遠心力が作用し、これによってテンション
ディスク9からブレード10に付与される回転軸方向の変
位の大きさおよび方向が決定されるようになっている。
の薄板からなるブレード10が固着され、このブレード10
の内周部にはダイヤモンド粒子等からなる内周刃11が固
着され、このブレード10は、テンションディスク9が回
転して、その回転数が変化することにより、回転数に応
じて主軸6の軸方向(ブレード10の回転軸方向)に変位
するように構成されている。つまり、テンションディス
ク9が回転すると、テンションディスク9の周縁部に回
転数に応じた遠心力が作用し、これによってテンション
ディスク9からブレード10に付与される回転軸方向の変
位の大きさおよび方向が決定されるようになっている。
上記スライドテーブル3は、ボールねじ12と、このボ
ールねじ12を回転駆動するテーブル駆動モータ13とを有
する切込み送り手段14により、上記ガイドレール2に沿
って主軸6と直交する方向に切込み送り移動されるよう
に構成されている。また、スライドテーブル3上には、
シリコンからなる半導体インゴット等のワーク15を保持
する保持部材16が載置され、この保持部材16は、ボール
ねじ17と、このボールねじ17を回転駆動する保持部材駆
動モータ18とを有する割出し送り手段19によって上記主
軸6の軸方向にスライド駆動されるように構成されてい
る。このため、保持部材16を主軸6側にスライドさせる
ことによって、ワーク15の先端部をブレード10内に所定
量移動させることができるようになっている。
ールねじ12を回転駆動するテーブル駆動モータ13とを有
する切込み送り手段14により、上記ガイドレール2に沿
って主軸6と直交する方向に切込み送り移動されるよう
に構成されている。また、スライドテーブル3上には、
シリコンからなる半導体インゴット等のワーク15を保持
する保持部材16が載置され、この保持部材16は、ボール
ねじ17と、このボールねじ17を回転駆動する保持部材駆
動モータ18とを有する割出し送り手段19によって上記主
軸6の軸方向にスライド駆動されるように構成されてい
る。このため、保持部材16を主軸6側にスライドさせる
ことによって、ワーク15の先端部をブレード10内に所定
量移動させることができるようになっている。
上記ブレード10の近傍には、第2図に示すように、ブ
レード10の変位量を検出する磁気センサ等からなる非接
触型のセンサ20が設けられている。
レード10の変位量を検出する磁気センサ等からなる非接
触型のセンサ20が設けられている。
21は制御部で、この制御部21には、上記センサ20から
ブレード変位量検出信号が入力されるとともに、テーブ
ル駆動モータ13からパルス信号が入力される。また、こ
の制御部21からは、各駆動モータ8,13,18にそれぞれ制
御信号が出力される。
ブレード変位量検出信号が入力されるとともに、テーブ
ル駆動モータ13からパルス信号が入力される。また、こ
の制御部21からは、各駆動モータ8,13,18にそれぞれ制
御信号が出力される。
制御部21は、切込み位置検出手段22と、切り口形状記
憶手段23と、ブレード変位量制御手段24とを備えてい
る。
憶手段23と、ブレード変位量制御手段24とを備えてい
る。
切込み位置検出手段22は、テーブル駆動モータ13から
のパルス信号に基づいてワーク15の切込み位置(内周刃
11の切込み方向の位置)を検出するように構成されてい
る。
のパルス信号に基づいてワーク15の切込み位置(内周刃
11の切込み方向の位置)を検出するように構成されてい
る。
切り口形状記憶手段23は、ワーク15の希望とする切り
口αの形状を切込み位置とブレード10の変位量との関係
で記憶している。つまり、切込み位置とブレード10の変
位量との関係が決れば、内周刃11の位置が決り、切り口
αの形状が決るので、希望とする切り口αの形状を切込
み位置に対するブレード変位量の関数として記憶するよ
うにしている。特に、この実施例では、切り口α形状が
弓状に湾曲し、かつワーク15の端面から見て凹となるよ
うに設定した切込み位置−ブレード変位量関数を記憶し
ている。なお、上記関数は、切断開始直前(ワーク15が
内周刃11に当たる直前)にブレード変位量が零である場
合のものが記憶されている。また、上記関数は、外部か
ら設定変更できるようになっている。
口αの形状を切込み位置とブレード10の変位量との関係
で記憶している。つまり、切込み位置とブレード10の変
位量との関係が決れば、内周刃11の位置が決り、切り口
αの形状が決るので、希望とする切り口αの形状を切込
み位置に対するブレード変位量の関数として記憶するよ
うにしている。特に、この実施例では、切り口α形状が
弓状に湾曲し、かつワーク15の端面から見て凹となるよ
うに設定した切込み位置−ブレード変位量関数を記憶し
ている。なお、上記関数は、切断開始直前(ワーク15が
内周刃11に当たる直前)にブレード変位量が零である場
合のものが記憶されている。また、上記関数は、外部か
ら設定変更できるようになっている。
ブレード変位量制御手段24は、基準値記憶命令手段25
と基準値記憶手段26と目標変位量演算手段27と補正回転
数演算手段28と基本回転数記憶手段29と目標回転数演算
手段30と主軸駆動モータ駆動命令手段31とを備えてい
る。
と基準値記憶手段26と目標変位量演算手段27と補正回転
数演算手段28と基本回転数記憶手段29と目標回転数演算
手段30と主軸駆動モータ駆動命令手段31とを備えてい
る。
基準値記憶命令手段25は、切込み位置検出手段22から
検出信号を受け、切断開始直前であることが検出された
ときに基準値記憶手段26に命令信号を出力するように構
成されている。
検出信号を受け、切断開始直前であることが検出された
ときに基準値記憶手段26に命令信号を出力するように構
成されている。
基準値記憶手段26は、センサ20から検出信号が入力さ
れ、基準値記憶命令手段25から命令信号を受けたときに
センサ20の検出値を基準値として記憶するように構成さ
れている。
れ、基準値記憶命令手段25から命令信号を受けたときに
センサ20の検出値を基準値として記憶するように構成さ
れている。
目標変位量演算手段27は、切込み位置検出手段22の検
出値と切り口形状記憶手段23に記憶した関数とを照合し
て、切断開始直前にブレード変位量が零である場合の、
切込み位置検出手段22の検出位置における理論ブレード
変位量を求め、この理論ブレード変位量に基準値記憶手
段26で記憶した基準値を加算し、目標ブレード変位量を
求めるように構成されている。つまり、この目標変位量
演算手段27は、切込み位置検出手段22の検出値と切り口
形状記憶手段23に記憶した関数とを照合して理論ブレー
ド変位量を求め、この理論ブレード変位量を切断開始直
前の実際のブレード変位量(基準値)分補正して、目標
とするブレード変位量を最終的に求める。
出値と切り口形状記憶手段23に記憶した関数とを照合し
て、切断開始直前にブレード変位量が零である場合の、
切込み位置検出手段22の検出位置における理論ブレード
変位量を求め、この理論ブレード変位量に基準値記憶手
段26で記憶した基準値を加算し、目標ブレード変位量を
求めるように構成されている。つまり、この目標変位量
演算手段27は、切込み位置検出手段22の検出値と切り口
形状記憶手段23に記憶した関数とを照合して理論ブレー
ド変位量を求め、この理論ブレード変位量を切断開始直
前の実際のブレード変位量(基準値)分補正して、目標
とするブレード変位量を最終的に求める。
補正回転数演算手段28は、上記目標変位量演算手段27
で求めた目標ブレード変位量とセンサ20で検出されたブ
レード変位量とを比較しながら、これらの値に基づいて
テンションディスク9の回転数の補正値(補正回転数)
を算出するように構成されている。
で求めた目標ブレード変位量とセンサ20で検出されたブ
レード変位量とを比較しながら、これらの値に基づいて
テンションディスク9の回転数の補正値(補正回転数)
を算出するように構成されている。
基本回転数記憶手段29は予め設定したテンションディ
スク9の基本回転数を記憶し、目標回転数演算手段30
は、上記基本回転数に補正回転数演算手段28で算出した
補正回転数を加減算して、テンションディスク9の目標
回転数を算出するように構成されている。
スク9の基本回転数を記憶し、目標回転数演算手段30
は、上記基本回転数に補正回転数演算手段28で算出した
補正回転数を加減算して、テンションディスク9の目標
回転数を算出するように構成されている。
主軸駆動モータ駆動命令手段31は、目標回転数演算手
段30で算出した目標回転数に対応した制御信号を主軸駆
動モータ8に出力するように構成されている。
段30で算出した目標回転数に対応した制御信号を主軸駆
動モータ8に出力するように構成されている。
この装置の作用について以下に説明する。
まず、スライドテーブル3の保持部材16にワーク15を
保持させた状態で、回転駆動手段5の主軸駆動モータ8
を駆動して、テンションディスク9を一定の回転数(基
本回転数)で回転させるとともに、割出し送り手段19に
よりワーク15の先端部をブレード10内に移動させる。次
に、切り込み送り手段14のテーブル駆動モータ13を駆動
して、ワーク15を主軸6と直交する方向に一定の切断速
度(基本切断速度)で送り移動させ、ワーク15の先端部
を内周刃11に接触させて切断する。
保持させた状態で、回転駆動手段5の主軸駆動モータ8
を駆動して、テンションディスク9を一定の回転数(基
本回転数)で回転させるとともに、割出し送り手段19に
よりワーク15の先端部をブレード10内に移動させる。次
に、切り込み送り手段14のテーブル駆動モータ13を駆動
して、ワーク15を主軸6と直交する方向に一定の切断速
度(基本切断速度)で送り移動させ、ワーク15の先端部
を内周刃11に接触させて切断する。
切断中は、切込み位置検出手段22で切込み位置が検出
される。そして、その検出値はブレード変位量制御手段
24に入力される。ブレード変位量制御手段24は、上記切
込み位置検出手段22の検出値と切り口形状記憶手段23に
記憶した関数、つまり切り口α形状が弓状に湾曲し、か
つワーク端面から見て凹となるように設定した切込み位
置−ブレード変位量関数とを照合し、上記検出された切
込み位置での上記関数に沿った目標ブレード変位量を演
算する。そして、実際のブレード変位量を上記目標ブレ
ード変位量とするのに必要なテンションディスク9の目
標回転数を演算し、この目標回転数に対応した制御信号
を主軸駆動モータ8に出力する。主軸駆動モータ8は、
ブレード変位量制御手段24からの制御信号を受けて、テ
ンションディスク9を上記目標回転数で回転させる。こ
れにより、テンションディスク9が上記目標回転数で回
転し、上記検出切込み位置でのブレード変位量が目標ブ
レード変位量に収束される。このようにして各切込み位
置でブレード変位量が目標ブレード変位量に収束されな
がら切断が行われ、この結果、切り口α形状が希望とす
る形状、つまり弓状に湾曲し、かつワーク15端面から見
て凹となるようにワーク15が切断され、これにより、ワ
ーク15の先端部から弓形に反った薄片が切出される。
される。そして、その検出値はブレード変位量制御手段
24に入力される。ブレード変位量制御手段24は、上記切
込み位置検出手段22の検出値と切り口形状記憶手段23に
記憶した関数、つまり切り口α形状が弓状に湾曲し、か
つワーク端面から見て凹となるように設定した切込み位
置−ブレード変位量関数とを照合し、上記検出された切
込み位置での上記関数に沿った目標ブレード変位量を演
算する。そして、実際のブレード変位量を上記目標ブレ
ード変位量とするのに必要なテンションディスク9の目
標回転数を演算し、この目標回転数に対応した制御信号
を主軸駆動モータ8に出力する。主軸駆動モータ8は、
ブレード変位量制御手段24からの制御信号を受けて、テ
ンションディスク9を上記目標回転数で回転させる。こ
れにより、テンションディスク9が上記目標回転数で回
転し、上記検出切込み位置でのブレード変位量が目標ブ
レード変位量に収束される。このようにして各切込み位
置でブレード変位量が目標ブレード変位量に収束されな
がら切断が行われ、この結果、切り口α形状が希望とす
る形状、つまり弓状に湾曲し、かつワーク15端面から見
て凹となるようにワーク15が切断され、これにより、ワ
ーク15の先端部から弓形に反った薄片が切出される。
また、切断中には、センサ20でブレード変位量が検出
され、この検出値がブレード変位量制御手段24に入力さ
れる。そして、ブレード変位量制御手段24は、上記検出
値と目標ブレード変位量とを比較しながらテンションデ
ィスク9の目標回転数を設定する。
され、この検出値がブレード変位量制御手段24に入力さ
れる。そして、ブレード変位量制御手段24は、上記検出
値と目標ブレード変位量とを比較しながらテンションデ
ィスク9の目標回転数を設定する。
このため、切断中、ブレード10の変位量が目標ブレー
ド変位量からずれるようになると、これがセンサ20で検
出され、ブレード10の変位量を目標ブレード変位量に収
束させるようにテンションディスク9の回転数が制御さ
れる。したがって、各切込み位置でブレード10の変位量
が確実に目標ブレード変位量と一致するようになる。
ド変位量からずれるようになると、これがセンサ20で検
出され、ブレード10の変位量を目標ブレード変位量に収
束させるようにテンションディスク9の回転数が制御さ
れる。したがって、各切込み位置でブレード10の変位量
が確実に目標ブレード変位量と一致するようになる。
このようにこの装置の構成によれば、確実にワーク15
を目標とする切り口αの形状で切断することができる。
したがって、ワーク15を例示した弓状に限らず、S字状
等、種々の切り口形状で切断することができる。
を目標とする切り口αの形状で切断することができる。
したがって、ワーク15を例示した弓状に限らず、S字状
等、種々の切り口形状で切断することができる。
第3図は、別の実施例を示している。
この実施例は、前述した実施例の構成に加えて、ブレ
ード変位量制御手段24aに、補正切断速度演算手段32と
基本切断速度記憶手段33と目標切断速度演算手段34とテ
ーブル駆動モータ駆動命令手段35とを設けている。
ード変位量制御手段24aに、補正切断速度演算手段32と
基本切断速度記憶手段33と目標切断速度演算手段34とテ
ーブル駆動モータ駆動命令手段35とを設けている。
これら補正切断速度演算手段32、基本切断速度記憶手
段33、目標切断速度演算手段34およびテーブル駆動モー
タ駆動命令手段35は、それぞれ前述した補正回転数演算
手段28、基本回転数記憶手段29、目標回転数演算手段30
および主軸駆動モータ駆動命令手段31に各対応するもの
で、制御対象がテンションディスク回転数から切断速度
に変る他は、ほぼ同じ制御を実行する。
段33、目標切断速度演算手段34およびテーブル駆動モー
タ駆動命令手段35は、それぞれ前述した補正回転数演算
手段28、基本回転数記憶手段29、目標回転数演算手段30
および主軸駆動モータ駆動命令手段31に各対応するもの
で、制御対象がテンションディスク回転数から切断速度
に変る他は、ほぼ同じ制御を実行する。
ただし、補正切断速度演算手段32は、センサ20の検出
値が目標ブレード変位量を大きく上回ったときに限り、
両変位量の差に基づいて切断速度を低下させる方向の補
正切断速度を算出し、その他の場合は補正切断速度を零
に設定するように構成されている。
値が目標ブレード変位量を大きく上回ったときに限り、
両変位量の差に基づいて切断速度を低下させる方向の補
正切断速度を算出し、その他の場合は補正切断速度を零
に設定するように構成されている。
この装置の構成において、ブレード10の変位量が目標
ブレード変位量を大きく上回るようになると、補正切断
速度演算手段32で減速方向の補正切断速度が算出され、
目標切断速度演算手段34で基本切断速度よりも低速の目
標切断速度が算出されて、テーブル駆動モータ駆動命令
手段35からテーブル駆動モータ13に切断速度を低下させ
る制御信号が出力される。この結果、切断速度が低下し
て、ブレード10に作用する切断抵抗が減少し、ブレード
10の弾性復元力によってブレード10の変位量が減少され
る。この時、テンションディスク9の回転数が制御され
ることによっても、ブレード10の変位量が減少されるの
で、ブレード10の変位量が素早く目標ブレード変位量に
収束される。したがって、この装置の構成によれば、ブ
レード10の変位量が目標ブレード変位量を大きく上回っ
た場合に、ブレード10の変位量を応答性良く目標ブレー
ド変位量に収束させることができる。
ブレード変位量を大きく上回るようになると、補正切断
速度演算手段32で減速方向の補正切断速度が算出され、
目標切断速度演算手段34で基本切断速度よりも低速の目
標切断速度が算出されて、テーブル駆動モータ駆動命令
手段35からテーブル駆動モータ13に切断速度を低下させ
る制御信号が出力される。この結果、切断速度が低下し
て、ブレード10に作用する切断抵抗が減少し、ブレード
10の弾性復元力によってブレード10の変位量が減少され
る。この時、テンションディスク9の回転数が制御され
ることによっても、ブレード10の変位量が減少されるの
で、ブレード10の変位量が素早く目標ブレード変位量に
収束される。したがって、この装置の構成によれば、ブ
レード10の変位量が目標ブレード変位量を大きく上回っ
た場合に、ブレード10の変位量を応答性良く目標ブレー
ド変位量に収束させることができる。
なお、切断速度も、センサ20の検出値が目標ブレード
変位量を大きく上回った場合に限らず、テンションディ
スク回転数と同様に常に制御するようにしてもよい。
変位量を大きく上回った場合に限らず、テンションディ
スク回転数と同様に常に制御するようにしてもよい。
なお、上記各実施例では、切込み送り手段14によって
ワーク15をブレード10の回転軸と直交する方向に送り移
動させることにより、ワーク15の切込みを行なうように
しているが、主軸台4をブレード10の回転軸と直交する
方向に移動させることにより、ワーク15の切込みを行な
う切込み送り手段を設けた構造としてもよい。
ワーク15をブレード10の回転軸と直交する方向に送り移
動させることにより、ワーク15の切込みを行なうように
しているが、主軸台4をブレード10の回転軸と直交する
方向に移動させることにより、ワーク15の切込みを行な
う切込み送り手段を設けた構造としてもよい。
次に、本発明のワークの切断方法を説明する。
本発明の切断方法は、例えば前述した各スライシング
装置を用いて行う。このスライシング装置は、少なくと
も、円形状の内周刃11が設けられたブレード10を備え、
ブレード10を回転させつつ、ワーク15に対して内周刃11
をブレード10の回転軸と直交する方向に相対的に送り移
動させることができるように構成されている必要があ
る。
装置を用いて行う。このスライシング装置は、少なくと
も、円形状の内周刃11が設けられたブレード10を備え、
ブレード10を回転させつつ、ワーク15に対して内周刃11
をブレード10の回転軸と直交する方向に相対的に送り移
動させることができるように構成されている必要があ
る。
そして、この切断方法は、上記スライシング装置を用
い、このスライシング装置のブレード10を回転させつ
つ、ワーク15に対して内周刃11をブレード10の回転軸と
直交する方向に相対的に送り移動させて、内周刃11でワ
ーク15の端面を切断して薄片を切出すようにする。
い、このスライシング装置のブレード10を回転させつ
つ、ワーク15に対して内周刃11をブレード10の回転軸と
直交する方向に相対的に送り移動させて、内周刃11でワ
ーク15の端面を切断して薄片を切出すようにする。
上記切断の際には、ワーク15の切り口α形状が弓状に
湾曲した形状となるようにスライシング装置を制御す
る。弓状に湾曲させる程度は、製品となる薄片の種類に
よって異なるが、例えば半導体ウェハを切出す場合、ウ
ェハの反りが20〜30μm程度となるように湾曲させる。
切り口αの形状は、第2図および第3図に示すようにワ
ーク15端面から見て凹となる湾曲形状であってもよい
し、逆に、第4図に示すように凸となる湾曲形状であっ
てもよいが、後述する理由により凹とした方が好まし
い。
湾曲した形状となるようにスライシング装置を制御す
る。弓状に湾曲させる程度は、製品となる薄片の種類に
よって異なるが、例えば半導体ウェハを切出す場合、ウ
ェハの反りが20〜30μm程度となるように湾曲させる。
切り口αの形状は、第2図および第3図に示すようにワ
ーク15端面から見て凹となる湾曲形状であってもよい
し、逆に、第4図に示すように凸となる湾曲形状であっ
てもよいが、後述する理由により凹とした方が好まし
い。
また、上記切り口形状とするためのスライシング装置
の制御方法は、前述したようにテンションディスク9の
回転数や切断速度を制御してブレード10の変位量を制御
する方法の他、例えばブレード10の回転軸方向へのワー
ク15の移動を制御する方法等がある。
の制御方法は、前述したようにテンションディスク9の
回転数や切断速度を制御してブレード10の変位量を制御
する方法の他、例えばブレード10の回転軸方向へのワー
ク15の移動を制御する方法等がある。
この切断方法によれば、ワーク15の端部が弓状に湾曲
した切り口α形状で切断されるため、確実に弓状に湾曲
した薄片を得ることができる。こうして所定の反り量に
弓状に切断された薄片は、後工程の加工でも形状は変化
しない。所定の反り量に切断された薄片、すなわちウェ
ハは、微小なうねりや鞍形がでにくく安定した弓形状を
保持する。このため、後工程での平坦度出しが容易にな
り、64M以上の高集積化ICの製造工程で真空吸着が使え
ず、弱い吸着力しか出ない静電吸着を用いる場合や、全
く吸着手段を使えない場合でも、ウェハ径や厚みに応じ
た最適な凹形状を得られるので、凹側を下に向けてチャ
ック面(作業台上)に設置すれば、ウェハ自重による平
面度矯正で高精度な平面度を確保することができる。つ
まり、この切断方法によれば、後工程での生産性向上を
図ることができ、かつ、高集積化ICの製造に呼応できる
ウェハを切出すことができる。
した切り口α形状で切断されるため、確実に弓状に湾曲
した薄片を得ることができる。こうして所定の反り量に
弓状に切断された薄片は、後工程の加工でも形状は変化
しない。所定の反り量に切断された薄片、すなわちウェ
ハは、微小なうねりや鞍形がでにくく安定した弓形状を
保持する。このため、後工程での平坦度出しが容易にな
り、64M以上の高集積化ICの製造工程で真空吸着が使え
ず、弱い吸着力しか出ない静電吸着を用いる場合や、全
く吸着手段を使えない場合でも、ウェハ径や厚みに応じ
た最適な凹形状を得られるので、凹側を下に向けてチャ
ック面(作業台上)に設置すれば、ウェハ自重による平
面度矯正で高精度な平面度を確保することができる。つ
まり、この切断方法によれば、後工程での生産性向上を
図ることができ、かつ、高集積化ICの製造に呼応できる
ウェハを切出すことができる。
しかも、ワーク15の切り口αの形状がワーク15端面か
ら見て凹となるようにすれば、第5図に示すように、切
断中、薄片となる部分15aがブレード10から離れる方向
に反った状態で切出されることとなる。このため、薄片
となる部分15aのブレード10側の面15dの引張り応力が反
対側の面15cの引張り応力よりも小さくても、反りが僅
かに修正される程度に止どまり、薄片となる部分15aが
ブレード10に当たるということが防止される。また、薄
片がブレード10から離れる方向に反った状態で切出され
るため、切断後、薄片がブレード10に密着しなくなる。
ら見て凹となるようにすれば、第5図に示すように、切
断中、薄片となる部分15aがブレード10から離れる方向
に反った状態で切出されることとなる。このため、薄片
となる部分15aのブレード10側の面15dの引張り応力が反
対側の面15cの引張り応力よりも小さくても、反りが僅
かに修正される程度に止どまり、薄片となる部分15aが
ブレード10に当たるということが防止される。また、薄
片がブレード10から離れる方向に反った状態で切出され
るため、切断後、薄片がブレード10に密着しなくなる。
本発明にかかるワークのスライシング装置は、ワーク
の切込み送り方向の切込み位置を検出する切込み位置検
出手段と、ワークの所定の切り口形状をワークの切込み
位置とブレードの変位量との関係で記憶した切り口形状
記憶手段と、切込み位置検出手段の検出値に対するブレ
ード変位量が切り口形状記憶手段に記憶した関係となる
ように回転駆動手段にテンションディスクの回転数を増
減する制御信号を出力するブレード変位量制御手段とを
設けるようにしているため、ワーク切断中、テンション
ディスクの回転数が増減されて、ワークの切り口形状が
目標とする形状となるようにブレードの変位量が調整さ
れることとなる。このため、ワークを目標とする切り口
形状で切断することができる。
の切込み送り方向の切込み位置を検出する切込み位置検
出手段と、ワークの所定の切り口形状をワークの切込み
位置とブレードの変位量との関係で記憶した切り口形状
記憶手段と、切込み位置検出手段の検出値に対するブレ
ード変位量が切り口形状記憶手段に記憶した関係となる
ように回転駆動手段にテンションディスクの回転数を増
減する制御信号を出力するブレード変位量制御手段とを
設けるようにしているため、ワーク切断中、テンション
ディスクの回転数が増減されて、ワークの切り口形状が
目標とする形状となるようにブレードの変位量が調整さ
れることとなる。このため、ワークを目標とする切り口
形状で切断することができる。
特に、ブレード変位量制御手段を、切込み位置検出手
段の検出値に対するブレード変位量が切り口形状記憶手
段に記憶した関係となるように、回転駆動手段にテンシ
ョンディスクの回転数を増減する制御信号を出力すると
同時に、切込み送り手段に切断速度を増減する制御信号
を出力するように構成すれば、テンションディスク回転
数の増減制御によってブレード変位量が調整され、それ
に加えて同時に切断速度の増減制御によってブレード変
位量が調整されることとなり、ブレードの変位量を目標
とする変位量に応答性良く収束させることができる。
段の検出値に対するブレード変位量が切り口形状記憶手
段に記憶した関係となるように、回転駆動手段にテンシ
ョンディスクの回転数を増減する制御信号を出力すると
同時に、切込み送り手段に切断速度を増減する制御信号
を出力するように構成すれば、テンションディスク回転
数の増減制御によってブレード変位量が調整され、それ
に加えて同時に切断速度の増減制御によってブレード変
位量が調整されることとなり、ブレードの変位量を目標
とする変位量に応答性良く収束させることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明にかかるワークのスライシング装置の一
実施例を示す全体概略図、第2図は制御部の概略構成
図、第3図はスライシング装置の別の実施例の制御部の
概略構成図、第4図は本発明にかかるワークの切断方法
の一実施例を示す説明図、第5図はワーク切断中の状態
を示す説明図、第6図は従来方法によるワーク切断中の
状態を示す説明図である。 5……回転駆動手段、6……主軸(ブレードの回転
軸)、9……テンションディスク、10……ブレード、11
……内周刃、14……切込み送り手段、15……ワーク、22
……切込み位置検出手段、23……切り口形状記憶手段、
24,24a……ブレード変位量制御手段、α……ワークの切
り口。
実施例を示す全体概略図、第2図は制御部の概略構成
図、第3図はスライシング装置の別の実施例の制御部の
概略構成図、第4図は本発明にかかるワークの切断方法
の一実施例を示す説明図、第5図はワーク切断中の状態
を示す説明図、第6図は従来方法によるワーク切断中の
状態を示す説明図である。 5……回転駆動手段、6……主軸(ブレードの回転
軸)、9……テンションディスク、10……ブレード、11
……内周刃、14……切込み送り手段、15……ワーク、22
……切込み位置検出手段、23……切り口形状記憶手段、
24,24a……ブレード変位量制御手段、α……ワークの切
り口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱崎 辰己 広島県広島市南区宇品東5丁目3番38号 トーヨーエイテック株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−42210(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】円形状の内周刃が設けられたブレードと、
このブレードが取り付けられ、かつ回転可能に支持さ
れ、回転に伴う遠心力に応じて前記ブレードをその回転
軸方向に変位させるテンションディスクと、このテンシ
ョンディスクを回転させる回転駆動手段と、前記ブレー
ドの変位量を検出するセンサと、前記ワークに対して前
記内周刃を前記ブレードの回転軸と直交する方向に相対
的に送り移動させる切込み送り手段とを備え、前記回転
駆動手段で前記テンションディスクを回転させつつ、前
記切込み送り手段で前記ワークに対して前記内周刃を前
記ブレードの回転軸と直交する方向に相対的に送り移動
させることにより、前記内周刃で前記ワークの端部を切
断して薄片を切出すように構成されたスライシング装置
において、前記ワークの切込み位置を検出する切込み位
置検出手段と、前記ワークの所定の切り口形状を前記ワ
ークの切込み位置と前記ブレードの変位量との関係で記
憶した切り口形状記憶手段と、前記切込み位置検出手段
の検出値に対する前記センサで検出されるブレード変位
量が前記切り口形状記憶手段に記憶した関係となるよう
に前記回転駆動手段にテンションディスクの回転数を増
減する制御信号を出力するブレード変位量制御手段とが
設けられていることを特徴とするワークのスライシング
装置。 - 【請求項2】ブレード変位量制御手段が、切込み位置検
出手段の検出値に対するブレード変位量を切り口形状記
憶手段に記憶した関係とするように、回転駆動手段にテ
ンションディスクの回転数を増減する制御信号を出力す
ると同時に、切込み送り手段に切断速度を増減する制御
信号を出力するように構成されていることを特徴とする
請求項1記載のワークのスライシング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2074841A JP2562507B2 (ja) | 1990-03-22 | 1990-03-22 | ワークのスライシング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2074841A JP2562507B2 (ja) | 1990-03-22 | 1990-03-22 | ワークのスライシング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03272809A JPH03272809A (ja) | 1991-12-04 |
JP2562507B2 true JP2562507B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=13558960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2074841A Expired - Lifetime JP2562507B2 (ja) | 1990-03-22 | 1990-03-22 | ワークのスライシング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562507B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0663933A (ja) * | 1992-08-17 | 1994-03-08 | Mitsubishi Materials Corp | 単結晶ウェーハの製造方法および単結晶ウェーハの製造装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2599996B2 (ja) * | 1989-07-10 | 1997-04-16 | 株式会社東京精密 | スライシングマシンの切断方法 |
-
1990
- 1990-03-22 JP JP2074841A patent/JP2562507B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03272809A (ja) | 1991-12-04 |
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