JP2554009B2 - 磁気トルクリミッタ式リール台装置 - Google Patents

磁気トルクリミッタ式リール台装置

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JP2554009B2
JP2554009B2 JP5165381A JP16538193A JP2554009B2 JP 2554009 B2 JP2554009 B2 JP 2554009B2 JP 5165381 A JP5165381 A JP 5165381A JP 16538193 A JP16538193 A JP 16538193A JP 2554009 B2 JP2554009 B2 JP 2554009B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気トルクリミッタ
式リール台装置に関し、さらに詳しくは、8ミリビディ
オテープレコーダー(8mmVTR),ディジタルオーデ
ィオテープレコーダー(DAT),カセットテープレコ
ーダー等に用いられる磁気トルクリミッタ式リール台装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来の磁気トルクリミッタ式リ
ール台装置の一例の要部断面図である。この磁気トルク
リミッタ式リール台装置200において、リング状のド
ライブギヤ201の内側には、ディスク状のヒステリシ
ス板202が固設されており、そのヒステリシス板20
2の内側には、軸受部材204が嵌着されている。その
軸受部材204は、テープリール軸206に、回転自在
に嵌められている。205は、ワッシャである。ヒステ
リシス板202は、Mn鋼系磁性材料製またはCr−C
o鋼系磁性材料製であり、保磁力Hc=140〔Oe〕
である。
【0003】テープリール軸206には、ヨーク板20
7が固設されており、そのヨーク板207の下面には、
円周方向に交互に複数極の着磁がなされたディスク状の
マグネット板208が磁力で吸着している。ヨーク板2
07は、磁性ステンレス製またはZnメッキ鋼板製であ
り、高透磁率であるが、保磁力Hcは10〔Oe〕より
もずっと小さい。マグネット板208は、SmCo系プ
ラスチック磁石である。
【0004】209は、テープリール軸206の回転数
を検出するための磁気センサである。
【0005】以上のような磁気トルクリミッタ式リール
台装置200において、外部からドライブギア201を
介してヒステリシス板202を回転させると、ヒステリ
シストルクによりマグネット板208が回転し、それに
よりテープリール軸206が回転する。テープの巻き取
りエンドになると、ヒステリシストルクより大きな力で
テープリール軸206が止められるため、ドライブギア
201はスリップ回転する。磁気センサ209は、テー
プリール軸206の回転数を検出する。また、テープリ
ール軸206の停止を検知する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の磁気トルク
リミッタ式リール台装置200では、マグネット板20
8はSmCo系プラスチック磁石製である。ヒステリシ
ス板202はMn鋼系磁性材料製またはCr−Co鋼系
磁性材料製である。また、これら材料特性を有効に利用
するため、マグネット板208のヒステリシス板202
対向面と反対側にヨーク板207が使用されている。し
かし、Mn鋼系磁性材料製またはCr−Co鋼系磁性材
料製のヒステリシス板202と,SmCo系プラスチッ
ク磁石製のマグネット板208と,ヨーク板207とを
使用すると、重量が増すと共に、コストがかかる問題点
がある。
【0007】一方、磁気センサ209は、ヒステリシス
板202を通しての漏れ磁束により回転数を検出する。
しかし、ヒステリシス板202から漏れる磁束が少ない
ため、センサ側のゲインを上げなくてはならない問題点
がある。
【0008】そこで、この発明の目的は、軽量かつ安価
な磁気トルクリミッタ式リール台装置を提供することに
ある。この発明の他の目的は、センサ側のゲインを上げ
なくても良好に回転数を検出できる磁気トルクリミッタ
式リール台装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の観点では、この発
明は、第1回転軸と、その第1回転軸に固設された軸方
向断面段付形状のヒステリシス板と、第2回転軸と、そ
の第2回転軸に固設されると共に前記ヒステリシス板に
間隙をあけて対向する軸方向断面段付形状のマグネット
板とを具備し、前記ヒステリシス板と前記マグネット板
の間のヒステリシストルクにより前記第1回転軸と前記
第2回転軸の間で回転を伝達し、前記第1回転軸と前記
第2回転軸の一方をモータ側とし、他方をリール側とす
る磁気トルクリミッタ式リール台装置を提供する。
【0010】第2の観点では、この発明は、上記の磁気
トルクリミッタ式リール台装置において、前記ヒステリ
シス板がマルテンサイト系ステンレス鋼の焼入材である
ことを特徴とする磁気トルクリミッタ式リール台装置を
提供する。第3の観点では、この発明は、上記の磁気ト
ルクリミッタ式リール台装置において、前記マグネット
板がプラスチックマグネットであることを特徴とする磁
気トルクリミッタ式リール台装置を提供する。
【0011】第4の観点では、この発明は、マグネット
板の反ヒステリシス板側にヨーク板を設けないで漏れ磁
束を発生させると共に、その漏れ磁束を検知して回転を
検出する磁気センサを設けたことを特徴とする磁気トル
クリミッタ式リール台装置を提供する。
【0012】
【作用】この発明の磁気トルクリミッタ式リール台装置
では、第1回転軸に固設されたヒステリシス板に段を設
ける。それと同様に第2回転軸に固設したマグネット板
にも段を設ける。そして、この両段付面を対向させれ
ば、前記ヒステリシス板と前記マグネット板との対向面
積が大きくなって、前記第1回転軸と前記第2回転軸の
間で十分に回転を伝達できる。また、ヨーク板を用いな
くても十分なヒステリシストルクが得られる。
【0013】また、ヨーク板を用いず、前記ヒステリシ
ス板にマルテンサイト系ステンレス鋼の焼入材を用いた
り,前記マグネット板にプラスチックマグネットを用い
れば、軽量かつ安価な磁気トルクリミッタ式リール台装
置となる。
【0014】さらに、マグネット板の反ヒステリシス板
側にヨーク板を用いないでマグネットからの直接の漏れ
磁束を磁気センサで検出すれば、磁気センサ側のゲイン
を上げる必要がなくなる
【0015】
【実施例】以下、図に示す実施例によりこの発明をさら
に詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限定さ
れるものではない。図1は、この発明の一実施例による
磁気トルクリミッタ式リール台装置の要部断面図であ
る。この磁気トルクリミッタ式リール台装置100にお
いて、第1回転軸であるドライブギヤ1の内側には、軸
方向の断面が段付形状のヒステリシス板2が固設されて
いる。また、ヒステリシス板2の内側には、軸受部材4
が嵌着されている。その軸受部材4は、第2回転軸であ
るテープリール軸6に、回転自在に嵌められている。5
はワッシャである。ドライブギヤ1および軸受部材4
は、ポリアセタール樹脂等のエンジニアリングプラスチ
ック製である。ヒステリシス板2は、マルテンサイト系
ステンレス鋼(SUS420J2)の焼入材であり、保
磁力Hc=70〔Oe〕,Br=9000〔Gaus
s〕である。マルテンサイト系ステンレス鋼は、入手容
易であり,安価,軽量で,加工しやすい。ワッシャ5
は、66−ナイロン製である。なお、これは、超高分子
ポリエチレン樹脂製でもよい。
【0016】第2回転軸であるテープリール軸6には、
円周方向に交互に複数極の着磁がなされたマグネット板
8が一体成形されている。このマグネット板8のヒステ
リシス板2対向面は、軸方向の断面が段付形状となって
いる。
【0017】テープリール軸6は、高摺動グレードのポ
リアセタール(POM)樹脂製である。この外に、カー
ボン繊維入りのポリアセタール樹脂、ポリカーボネート
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが使用できる。マグ
ネット板8は、フェライト系プラスチック磁石である。
【0018】9は、テープリール軸6の回転数を検出す
るための磁気センサである。この磁気センサ9は、マグ
ネット板8の下方に設けられている。
【0019】さて、外部からドライブギア1を介してヒ
ステリシス板2を回転させると、ヒステリシストルクに
よりマグネット板8が回転して、それによりテープリー
ル軸6が回転する。テープの巻き取りエンドになると、
ヒステリシストルクより大きな力でテープリール軸6が
止められるため、ドライブギア1はスリップ回転する。
磁気センサ9は、ヨーク板がないためにマグネット板8
から発生する漏れ磁束を検知し、テープリール軸6の回
転数を検出する。また、テープリール軸6の停止を検知
する。
【0020】上記磁気トルクリミッタ式リール台装置1
00では、ヒステリシス板2およびマグネット板8に段
を設けたから、ヒステリシス板2とマグネット板8との
対向面積が大きくなって、ヨーク板を用いなくても十分
なヒステリシストルクが得られる。また、ヨーク板を用
いず、ヒステリシス板2にマルテンサイト系ステンレス
鋼の焼入材を用い,マグネット板8にはフェライト系プ
ラスチックマグネットを用いたから、軽量かつ安価とな
る。
【0021】さらに、マグネット板8に直接に磁気セン
サ9を設置できるから、磁気センサ側のゲインが従来に
較べて1/10になり、S/N比が向上する。また、ゲ
インを上げる回路が不要であるから、安価となる。
【0022】
【発明の効果】この発明の磁気トルクリミッタ式リール
台装置によれば、上記した構成であるから、十分なヒス
テリシストルクが得られると共に軽量かつ安価となる。
また、良好に回転数を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による磁気トルクリミッタ
式リール台装置の要部断面図である。
【図2】従来の磁気トルクリミッタ式リール台装置の一
例の要部断面図である。
【符号の説明】
100 磁気トルクリミッタ式リール台装置 1 ドライブギヤ 2 ヒステリシス板 4 軸受部材 5 ワッシャ 6 テープリール軸 8 マグネット板 9 磁気センサ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1回転軸と、その第1回転軸に固設さ
    れた軸方向断面段付形状のヒステリシス板と、第2回転
    軸と、その第2回転軸に固設されると共に前記ヒステリ
    シス板に間隙をあけて対向する軸方向断面段付形状のマ
    グネット板とを具備し、前記ヒステリシス板と前記マグ
    ネット板の間のヒステリシストルクにより前記第1回転
    軸と前記第2回転軸との間で回転を伝達し、前記第1回
    転軸と前記第2回転軸の一方をモータ側とし、他方をリ
    ール側とすることを特徴とする磁気トルクリミッタ式リ
    ール台装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気トルクリミッタ式
    リール台装置において、前記ヒステリシス板が、マルテ
    ンサイト系ステンレス鋼の焼入材であることを特徴とす
    る磁気トルクリミッタ式リール台装置。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2のうちいずれか
    に記載の磁気トルクリミッタ式リール台装置において、
    前記マグネット板が、プラスチックマグネットであるこ
    とを特徴とする磁気トルクリミッタ式リール台装置。
  4. 【請求項4】 マグネット板の反ヒステリシス板側にヨ
    ーク板を設けないで漏れ磁束を発生させると共に、その
    漏れ磁束を検知して回転を検出する磁気センサを設けた
    ことを特徴とする磁気トルクリミッタ式リール台装置。
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