JP2553540B2 - 高熱伝導性充填材 - Google Patents

高熱伝導性充填材

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JP2553540B2
JP2553540B2 JP62020999A JP2099987A JP2553540B2 JP 2553540 B2 JP2553540 B2 JP 2553540B2 JP 62020999 A JP62020999 A JP 62020999A JP 2099987 A JP2099987 A JP 2099987A JP 2553540 B2 JP2553540 B2 JP 2553540B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は冷却機能を装備する工業炉における冷却装置
とれんがで構成するれんが壁との間に充填する高熱伝導
性充填材に関する。
〔従来の技術〕
高炉炉底壁等冷却機能を装備する工業炉は、鉄皮ある
いは、鉄皮の内面に配置した冷却装置の内側にれんがを
築造してれんが壁を構築している。このれんが壁におい
て充分な冷却作用を得るためには、冷却装置とれんが壁
との間を密に接触させてれんが壁の熱伝導性を良くする
必要がある。
このため、従来から高熱伝導性充填材を鉄皮あるいは
冷却装置とれんが構造体との間に高熱伝導性充填材を充
填する方策が採られている。
この高熱伝導性充填材として、例えば、特開昭53−13
3217号公報には鱗状黒鉛と粘土を主成分とし、これを水
又は有機結合剤で混練したものが、また、特開昭54−86
11号公報には黒鉛等固体炭素物質あるいは上記炭素物質
と炭化珪素粉粒体に有機物質を添加混練し、塊状となし
た高熱伝導性充填材が、さらに、特開昭51−5314号公報
には、炭素粉末に高熱伝導性の金属である銅とアルミニ
ウムの粉末の1種又は2種を混合し、有機結合剤を混合
してなる高熱伝導性ラミング材が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記従来の充填材は、400℃以下の熱
履歴を受けたもので常用使用温度での熱伝導率はいずれ
も約30Kcal/mhr℃である。
この程度の熱伝導率を有する充填材は、例えば特開昭
57−100983号公報及び特開昭57−179074号公報に記載さ
れているような炭素質耐火物れんがを内壁の築造に使用
する場合には、その使用される炭素質耐火物の熱伝導率
が13〜19Kcal/mhr℃であるので特に支障はない。
しかしながら、最近の苛酷な高炉操業条件に対応する
ためにはれんが壁の冷却効果をより向上させる必要が生
じ、例えば、特開昭59−217672号公報に記載されている
ように熱伝導率が63〜79Kcal/mhr℃前後の高熱伝導性炭
素質耐火物がれんが壁に適用されるようになってきてい
る。
このような高熱伝導性れんが壁が使用される場合、上
記の30Kcal/mhr℃程度の充填材の熱伝導率は、れんが壁
に比べて大幅に小さく、炉の操業中れんが壁と充填材の
界面の温度が上昇をきたし熱スポーリングを生じるとい
う問題がある。
本発明は、かかる従来の問題点を解消するために完成
したもので、工業炉の作業条件の苛酷化に伴って高熱伝
導性れんが壁の機能を活かすことができる耐火性充填材
を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、炭素粉末にアスペクト比10以上、熱伝導率
50Kcal/mhr℃以上のリボン状金属を混合し、さらに有機
結合剤を混合して高熱伝導性充填材を構成することによ
って、上記50Kcal/mhr℃以上の高熱伝導性のれんが構造
体と鉄皮あるいは冷却体との間の充填材として好適な高
熱伝導性充填材を得たものである。
本発明において、リボン状金属のアスペクト比とは、
リボン断面の最も長い部分の寸法の比を以て示す。
本発明において使用する炭素粉末は、鱗状黒鉛,土状
黒鉛等の天然黒鉛や人工黒鉛、コースク,無煙炭の仮焼
物、あるいはその他炭素の含有量が大で加熱によって体
積変化を生じ難いものであればいずれも使用可能である
が、熱伝導率を大きくするためには黒鉛が好ましい。
また、本発明において使用する金属は充填材の熱伝導
率をより大きくするために、充填材自体の熱伝導率を配
合金属自体の伝導性に依存させるもので、銅,アルミニ
ウム,タングステン,鉄,ニッケル及びこれらの合金等
熱伝導率50Kcal/mhr℃以上のものでなければならない。
その断面形状は、円形,楕円形,正方形,矩形,三角
形,菱形あるいは任意の不規則な形状等いずれでもよ
い。また、このリボン状金属は炭素粉末中によく分散
し、つき固め作業性を阻害しないものでなければならな
いので、配合金属の形態は細長いものである必要があ
る。一般に短冊状の形をしており、それが適宜直線状,
螺旋状あるいは折れ曲がったものが使用でき、その大き
さは長さ5〜80mm、幅0.2〜10mm、厚さ0.01〜0.5mm程度
で、断面積はおよそ0.05〜mm2のものが好ましい。具体
例には旋盤加工する際、あるいはボール盤やセーパで加
工する際に発生する切削屑が適している。
このリボン状金属は、アスペクト比10以上のものが炭
素粉末の中にあって、からみつき効果,つなぎ効果を発
揮し、充填材の熱伝導率を高める作用がある。アスペク
ト比10未満のものだけでは炭素粉末の中で孤立してしま
い、そのリボン状金属の持っている高い熱伝導率は生か
されず、充填材の熱伝導率向上の効果が少ない。
このリボン状金属の添加量は、炭素粉末100重量部に
対して7〜100重量部がよい。この範囲より少ないと所
定の熱伝導率が得られず、多いと作業性が悪くなり、施
工体の組織が緻密なものが得られないので熱伝導率はか
えって低下する。
なお、アスペクト比10以上のものだけでなく10以下の
ものが混在しているリボン状金属を使用してもまよい
が、アスペクト比10以上のものの量が上記範囲になるよ
うにする必要がある。ただし、総量が100重量部を越す
と作業性が低下し施工体の組織が悪くなり、熱伝導率向
上効果が少なくなる。
本発明に用いる有機結合剤は、公知の有機バインダが
使用でき、タール,アスファルト,酢酸ビニル樹脂,エ
チレン−酢ビ共重合樹脂,塩化ビニル等のビニル樹脂ア
クリル樹脂,アルキッド樹脂,フェノール樹脂,フラン
樹脂,エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン
樹脂等を挙げることができる。
特に、乾燥昇温時のれんが壁の熱膨張を吸収するため
に、ビニル樹脂,アクリル樹脂,アルキッド樹脂,フェ
ノール樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましく、これらの熱可
塑性樹脂から選ばれた1種又は2種以上の組み合わせで
使用するのが好ましい。
有機結合剤の添加量は、有機バインダの粘度と充填材
の形態がバルク状かプレフォーム状かにもよるが、通
常、有機バインダの粘度は1〜500Psであり、その添加
量は、炭素粉末100重量部に対して10〜40重量部であ
る。この範囲より少ないと作業性が悪くなり、また、逆
に多いと施工体の充填密度が下がり熱伝導性が低下す
る。
さらには、作業性改質材として、公知の耐火粘土を添
加することができ、この場合、その添加量は、炭素粉末
100重量部に対して10重量部未満がよい。耐火粘土の作
業性改質効果は、添加量が多いほど良いが、10重量部以
上になると充填材の熱伝導率が低下し好ましくない。
本発明の充填材は、バルク状あるいはプレフォーム状
のいずれの形態でも使用できる。
本発明の充填材は冷却装置の内面に耐火物れんが壁を
有する工業炉一般に適用できるものがあるが、とくに製
銑用高炉炉底部の鉄皮とれんが壁の間に使用した場合、
従来の高炉用充填材と同様に施工でき、しかも、れんが
壁と充填材との界面の温度を上げることなく、抜熱量を
向上させることができる。
〔実施例〕
炭素粉末にアスペクト比10以上、熱伝導率50kcal/mhr
℃以上のリボン状金属と、有機結合剤を添加してなる充
填材を作った。なお、炭素粉末として、固定炭素92%以
上の鱗状黒鉛を使用し、リボン状金属として厚さ0.1〜
0.5mm、幅1〜2mm、長さ5〜80mm、アスペクト比10以上
が60重量%、アスペクト比10以下のものが40重量%、熱
伝導率200kcal/mhr℃のリボン状銅を使用して、バルク
状の充填材とプレフォーム状態の充填材を得た。
別表にそれぞれの配合例と、その充填材の作業性と熱
伝導率を比較例と共に示す。
第1表はバルク状の充填材の例を示し、第2表はプレ
フォーム充填材の例を示す。
第1表の比較例1と比較例2の対比でわかるように、
適量の耐火粘土を添加した場合には良好な作業性を得る
ことができ、その結果良好な施工体が得られ、熱伝導率
も高くなっていることが判る。
実施例1〜7は比較例2をベースとして銅切削屑、8
〜10は銅切削屑/銅切り粉=1/1で添加し、これらの添
加量と作業性並びに熱伝導率の関係を示す。実施例11,1
2は、耐火性粘土を配合しない例である。
リボン状銅の添加量を増すことによって、熱伝導率も
次第に高くなっていく傾向が確認されたが、リボン状銅
の添加量が炭素粉末100重量部に対して100重量部を超え
ると作業性が低下し、施工体の組織が悪くなり、熱伝導
率はリボン状銅の添加量の増加に逆比例して低下する。
第2表には、プレフォーム状充填材でのリボン状銅、
銅切り粉(実施例13〜15),アルミニウム切り屑(実施
例16,17),ニッケル切り屑(実施例18,19)の添加量と
熱伝導率との関係を示す。
プレフォーム状充填材は、バルク状充填材と異なり、
つき固め時の変形態がより多く要求されるため、有機バ
インダ量が多めとなる。したがって、バルク状充填材と
比べると、若干熱伝導率が低下するが、リボン状銅を添
加した効果はバルク状充填材と同様に認められる。
また、銅に代わってアルミニウムやニッケルを用いた
場合には、比較例3と比較して高い熱伝導率が得られ
る。
なお、熱伝導率は、バルク状充填材、プレフォーム状
充填材とも断面300×100mm,高さ450mmの金枠に、バルク
状充填材は投入高さ100mm、プレフォーム状充填材は70m
m厚さの方向に入れ、空気圧5kg/cm2でエアランマを用い
て20秒/層でつき固めた後、つき固めた方向に対して直
角な方向に検出端を当て熱伝導率を測定した。プレフォ
ーム状充填材は油圧プレスを用い、断面180×80高さ70m
mに成形して試験に供したものである。
〔発明の効果〕 本発明の充填材は、高抜熱能を要求される高温炉のれ
んが壁と冷却装置との充填材として用いてもその空間部
分を充分に且つ確実に埋めることができ、しかも、この
熱伝導率は極めて高いものであり、その充填界面の温度
上昇を招くことがなく高温炉の機能を充分に発揮させる
ことができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素粉末と、同炭素粉末100重量部に対
    し、アスペクト比10以上、熱伝導率50kcal/mhr℃以上の
    リボン状金属を7〜100重量部と有機結合剤を10〜40重
    量部添加してなることを特徴とする高熱伝導性充填材。
  2. 【請求項2】炭素粉末と、同炭素粉末100重量部に対
    し、アスペクト比10以上、熱伝導50kcal/mhr℃以上のリ
    ボン状金属を7〜100重量部と有機結合剤を10〜40重量
    部添加し、さらに、耐火粘土を配合してなることを特徴
    とする高熱伝導性充填材。
JP62020999A 1987-01-30 1987-01-30 高熱伝導性充填材 Expired - Lifetime JP2553540B2 (ja)

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