JP2553440B2 - 圧延用補強ロール材 - Google Patents

圧延用補強ロール材

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JP2553440B2 JP4273428A JP27342892A JP2553440B2 JP 2553440 B2 JP2553440 B2 JP 2553440B2 JP 4273428 A JP4273428 A JP 4273428A JP 27342892 A JP27342892 A JP 27342892A JP 2553440 B2 JP2553440 B2 JP 2553440B2
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哲郎 西山
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勝彦 大塚
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Cr −Mo 鋼からな
る熱間あるいは冷間圧延用補強ロール材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、熱間圧延用前後段および冷間圧延
用の補強ロールには、0.4〜0.6%C、3%Cr −
Mo を含有し、Hs60〜65の硬度を有するCr −M
o 鋼が主として使用されていた。ところで、熱間圧延用
作動ロールでは、種々の理由から前後段で材質が異なる
ロール材が使用されており、特に後段では、板厚精度に
直結する耐摩耗性や表面性状に影響する耐肌あれ性など
を重視して優れた耐摩耗性などを基に材料選定がなされ
ている。これに従って後段の補強ロールにも作動ロール
によって早期に摩耗を受けないように高い耐摩耗性が必
要とされ、現在では従来のCr −Mo 鋼に替えて、高硬
度(硬度Hs67〜73)で高Cr の、0.5%〜0.
7%C、5%Cr −Mo−V鋼が使用されている。そし
て、前段補強ロールには、従来通り、0.4〜0.6%
C、3%Cr −Mo 鋼が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、後段に用いら
れている上記高Cr高硬度補強ロールは、耐摩耗性には
優れているものの、破壊靱性が低く、圧延損傷に伴うク
ラックの発生とともに、クラック伝播によるいわゆるチ
ル剥げクラックの進展が速いという問題点があり、特性
改良が望まれている。また、現状のように、前段と後段
で鋼種の異なる補強ロールを使用していると、補修、交
換用に各種別の補強ロールをそれぞれ用意して、保管し
ておく必要があり、常備数が多くなって管理が面倒であ
り、また保管スペースを広く必要とするなどの問題があ
る。
【0004】このため、従来、前段または後段に用いら
れている補強ロールのいずれか一方を前後段兼用として
使用することも考えられる。しかし、前段の補強ロール
を、後段の補強ロールとして使用すると耐摩耗性が不十
分であり、作動ロールによって早期に摩耗を受けるとい
う問題がある。また、後段の補強ロールを前段の補強ロ
ールとして使用すると、硬度が高すぎて作動ロールの損
耗が激しいという問題があり、いずれの補強ロールも前
後段兼用として使用することは困難である。この発明
は、上記事情を背景としてなされたものであり、未溶解
炭化物を制御することによって上記問題を解決して、熱
間圧延用前後段補強ロールのいずれにも使用でき、また
冷間圧延用補強ロールとしても使用できる圧延用補強ロ
ール材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明の圧延用補強ロール材は、重量%で、C:
0.3〜0.7%未満、Si :1%を越え2%以下、M
n :0.8%以下、Ni:0.3〜0.5%、Cr :3
〜4%、Mo :0.4〜0.7%を含有し、残部がFe
および不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0006】本願発明のロール材は、熱間圧延用前後段
補強ロールおよび冷間圧延用補強ロールに使用すること
ができる。なお、熱間圧延用に使用する際には、前後段
の両方に使用するのが望ましいが、使用方法としてはこ
れに限定されるものでなく、前段または後段の一方のみ
に使用する方法であってもよい。
【0007】
【作用】 すなわち本願発明によれば、未溶解炭化物が
極僅かとなり、優れた耐摩耗性と靱性とを兼ね備え、作
動ロールに対する肌荒れ特性にも優れた補強ロール材が
得られる。さらに以下に、本願発明のロール材の成分の
限定理由をその作用とともに説明する。C:0.3〜0.6%未満 Cは、所定の基地の硬さを与え、また合金炭化物を形成
して耐摩耗性を向上させる。このC含有量が0.3%未
満であると、必要な焼入れ硬さが得られない。また、
0.6%以上を含有させると、静的破壊靱性が急激に低
下するので、C含有量を0.3〜0.6%未満に限定し
た。
【0008】Si :1%を超え2%以下 Si は、一般には脱酸材として作用されるが、本発明材
においては、従来、5%Cr −MoV鋼などで炭化物の
析出によって改善していた耐摩耗性を、このSi量を増
量してマトリックスの強度を高めることによって達成し
ている。このSi含有量が1%以下であると、必要な転
動疲労強度が得られず、また2%を超えると、静的破壊
靱性が急激に低下し、必要な靱性が得られないので、S
i 含有量を1%を超え2%以下とした。Mn :0.8%以下 Mn は、焼入れ性を向上させるために含有させるが、
0.8%を超えると、焼入れ時に焼き割れが発生する頻
度が増大するので、0.8%を上限とした。
【0009】Ni :0.3%〜0.5% Ni は焼入れ性を向上させ、基地の機械的性質を向上さ
せるが、0.3%未満ではその作用が不十分であり、ま
た0.5%を越えて含有させると、ロール材内部の変態
が遅滞して焼入れ時に多量の残留オーステナイトが生成
されて、焼入れ硬さが低下するので、上記範囲とした。Cr :3〜4% Cr は、炭化物を形成して耐摩耗性を向上させる。本発
明材では、この耐摩耗性向上効果と靱性低下効果とのバ
ランスを図って、未溶解炭化物を極力低減する範囲内で
Cr 量の増量を図る。このCr 量が3%未満であると、
必要な耐摩耗性が得られず、また、4%を超えると、破
壊靱性が急激に低下するので、Cr 含有量を3%〜4%
に限定した。
【0010】Mo :0.4〜0.7% Mo は、二次硬化による硬さの増加と耐摩耗性の向上を
図る目的で含有させる。このMo 含有量が0.4%未満
の場合、その効果は不十分で必要な硬さが得られない。
また、0.7%を超えると破壊靱性値が急激に低下す
る。したがって、Mo の含有量は0.4〜0.7%に限
定した。なお、その他の不可避不純物については特に限
定されないが、良好な靱性を得るために、P、Sの含有
量を低減するのが望ましく、これらの含有量をそれぞれ
0.01%以下とするのが望ましい。
【0011】
【実施例】表1に示す組成を有する本発明材および比較
材の鋼塊を実験室高周波溶解炉により溶製した。これら
の鋼塊を実機補強ロール胴部と同じ鍛造比2.5で鍛造
後、所定の条件で焼入れ、焼戻しの熱処理を施して試験
片を製作した。得られた各試験片の硬度を測定するとと
もに、耐摩耗性を評価するために円筒交叉型摩耗試験の
方法により摩耗量を測定して表2に示した。この結果、
本発明材は、従来、後段で使用されている高耐摩耗性の
ロール材とほぼ同等の摩耗量を示しており、耐摩耗性の
劣化のないことが確認された。
【0012】次に、本発明材および比較材のクラック発
生特性を、表1の試験材にて、摩擦熱衝撃試験機を使用
して評価した。 摩擦熱衝撃試験機は、ラック上に落重
を落し、ラックと噛合するピニオンを回転させて、ピニ
オンに取り付けた軟鋼棒を、試験機に固定した試験片の
表面に擦り付けて、摩擦熱および軟鋼棒の組成変形熱に
より、試験片に熱衝撃を付与するものである。その結
果、前段で使用されている比較材No.4および発明材
には、クラックの発生が認められず、後段で使用されて
いる比較材No.5にのみクラックの発生が認められ
た。
【0013】また、本発明材は、優れた焼入れ性を有し
ており、100mmの深さでも十分な硬さが確保されて
いた。さらに、表3に示す発明材のNo.1〜3の組成
を有する補強ロールを実機で使用したところ、その摩耗
量は、表4に示すように前後段において従来のロールと
同等であり、実機においても優れた耐摩耗性が実証され
た。また、発明材からなる補強ロールを前後段で使用し
て、各作動ロールの肌荒れ状況を調査したところ、良好
な肌点評価が得られ、作動ロールに対する肌荒れ攻撃性
の点でも優れた特性が認められた。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】さらに、実機ロールの経年使用時のクラッ
クの伝播特性、すなわち金属組織学的質量効果を調査す
るため、表面からの深さによる静的破壊靱性値KIC(2
0℃)分布を測定した。その結果、図1に示すように、
発明材は高硬度レベルで比較材5を上回り、むしろ、耐
摩耗性が劣って後段での使用が難しい比較材4のレベル
に近い靱性を示した。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本願発明の補強ロー
ル材によれば、重量%で、C:0.3〜0.6%未満、
Si :1%を越え2%以下、Mn :0.8%以下、Ni
:0.3〜0.5%、Cr :3〜4%、Mo :0.4
〜0.7%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物
からなるので、優れた耐摩耗性を有するとともに、作動
ロールに対する肌荒れの悪影響が小さく、破壊靱性にも
優れたロール材が得られる。したがって、冷間圧延用補
強ロールとしては勿論のこと、熱間圧延の前後段のいず
れにも使用できる補強ロールを提供することができる。
これを前後段兼用として使用すれば、前後段用にそれ
ぞれの補強ロールを準備、保管する必要がなく、管理が
用意で、しかも保管スペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明材と比較材の実機補強ロールにお
ける破壊靱性値のロール内部への推移グラフである。
フロントページの続き (72)発明者 大塚 勝彦 北海道室蘭市茶津町4番地 株式会社日 本製鋼所内 (56)参考文献 特開 昭55−50452(JP,A) 特開 昭55−100965(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.3〜0.6%未満、
    Si :1%を越え2%以下、Mn :0.8%以下、Ni
    :0.3〜0.5%、Cr :3〜4%、Mo :0.4
    〜0.7%を含有し、残部がFe および不可避的不純物
    からなる圧延用補強ロール材
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DE4143012C2 (de) * 1991-12-24 1993-11-25 Thyssen Edelstahlwerke Ag Verwendung eines Stahls für Kaltwalzen

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