JP2552541B2 - 出力ドライバ回路 - Google Patents

出力ドライバ回路

Info

Publication number
JP2552541B2
JP2552541B2 JP1099310A JP9931089A JP2552541B2 JP 2552541 B2 JP2552541 B2 JP 2552541B2 JP 1099310 A JP1099310 A JP 1099310A JP 9931089 A JP9931089 A JP 9931089A JP 2552541 B2 JP2552541 B2 JP 2552541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
current
constant current
transistors
power source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1099310A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0251392A (ja
Inventor
寛 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP1099310A priority Critical patent/JP2552541B2/ja
Publication of JPH0251392A publication Critical patent/JPH0251392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2552541B2 publication Critical patent/JP2552541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、出力ドライバ回路に関し、さらに特定的
には、フロッピィディスクを駆動させるブラシレスモー
タなどを駆動するための出力ドライバ回路に関する。
[従来の技術] 第9図は従来の三相ブラシレスモータを駆動させる出
力ドライバ回路の一相を示す回路図である。図におい
て、上段ドライバ1は、トランジスタQ1〜Q6および抵抗
R1〜R4により構成されている。トランジスタQ1,Q2,Q3
よびQ6はNPNトランジスタであり、トランジスタQ4およ
びQ5はPNPトランジスタである。
トランジスタQ1はベースが入力端子2に、エミッタが
出力端子3に各々接続され、入力端子2のH/Lに応じON/
OFFし、上段ドライバ1の動作/非動作を制御する。
トランジスタQ2およびQ3はトランジスタQ2を基準とし
たカレントミラー回路を構成する。これらのトランジス
タのエミッタは各々抵抗R1およびR2を介しトランジスタ
Q1のコレクタに接続されている。そしてトランジスタQ2
のコレクタは電源電圧Vccに接続されている。
トランジスタQ4およびQ5はトランジスタQ4を基準とし
たカレントミラー回路を構成する。そしてトランジスタ
Q4のコレクタはトランジスタQ3のコレクタに、エミッタ
は抵抗R3を介し電源電圧Vccに各々接続されている。ま
たトランジスタQ5のエミッタは電源電圧Vccに接続され
ている。
トランジスタQ6はパワートランジスタであり、ベース
がトランジスタQ5のコレクタに、かつ抵抗R4を介し出力
端子3に接続され、コレクタが電源電圧Vccに、エミッ
タが出力端子3に各々接続されている。なお、出力端子
3は、発振および逆起電力防止のための外付けコンデン
サCを介しGND10に接続されている。
下段ドライバ4は、トランジスタQ7〜Q12および抵抗R
5〜R8により構成されている。そして、トランジスタQ8,
Q9およびQ12はNPNトランジスタ、トランジスタQ7,Q10
よびQ11はPNPトランジスタである。
トランジスタQ7はベースが入力端子2に、エミッタが
出力端子3に各々接続され、入力端子2のH/Lに応じOFF
/ONし、下段ドライバ4の非動作/動作を制御する。す
なわちトランジスタQ1およびQ7はプッシュプル構成とな
っている。
トランジスタQ8およびQ9はトランジスタQ8を基準とし
たカレントミラー回路を構成する。これらのトランジス
タのエミッタは各々抵抗R5およびR6を介してGND10に接
続されている。そしてトランジスタQ8のコレクタはトラ
ンジスタQ7のコレクタに接続されている。
トランジスタQ10およびQ11はトランジスタQ10を基準
としたカレントミラー回路を構成する。そしてトランジ
スタQ10のエミッタは抵抗R7を介し、トランジスタQ11
エミッタは直接に電源電圧Vccに接続されている。また
トランジスタQ10のコレクタはトランジスタQ9のコレク
タに接続されている。
トランジスタQ12はパワートランジスタであり、ベー
スがトランジスタQ11のコレクタに、かつ抵抗R8を介しG
ND10に接続され、コレクタが出力端子3に、エミッタが
GND10に各々接続されている。
次に、動作について説明する。今、図示していないホ
ールアンプから第10図に示すように位相が120゜ずつず
れた三相差動波形が第9図に示す回路と同様の回路であ
る3つの相(U相,V相,W相)の入力端子2に入力された
とする。なお、三相差動入力波形の電位は常に電源電圧
VccとGND10の電位の間にあるものとする。たとえばU相
に中点電Vrefより高い電圧VUH、V相に中点電位Vref
り低い電圧VVL、W相に中点電位Vrefと同じ電圧VWMが各
々の層の入力端子2に入力されたとき、U相においては
トランジスタQ1がONすることにより上段ドライバ1を構
成するその他のトランジスタQ2〜Q5がONし、トランジス
タQ6のベースに電流を供給し、トランジスタQ6がONし、
トランジスタQ6のエミッタ電流を出力端子3に接続され
ている図示していないU相のモータコイルに供給する。
なお、この場合トランジスタQ7はOFFしているため下段
ドライバ4は動作しない。
V相では、トランジスタQ7がONすることにより下段ド
ライバ4を構成するその他のトランジスタQ8〜Q11がON
し、トランジスタQ12のベースに電流を供給し、トラン
ジスタQ12がONし、出力端子3に接続されている図示し
ていないV相のモータコイルから流れる電流がトランジ
スタQ12のコレクタに供給され、GND10に流れていく。な
お、この場合トランジスタQ1はOFFしているため上段ド
ライバ1は動作しない。
W相には中点電位Vrefが入力されるため、トランジス
タQ1およびQ7は共にOFFし、W相の上段および下段ドラ
イバ1および4は動作しない。
すなわち、上述の場合では、U相のモータコイルに供
給された電流はV相のモータコイルへ流れる。
このようにして三相差動入力が(VUH,VVL,VWM)→(V
UH,VVM,VWL)→(VUM,VVH,VWL)→(VUL,VWH,VWM)→
(VUL,VVM,VWH)→(VUM,VVL,VWH)と移り変わるごとに
電流は、(U相からV相)→(U相からW相)→(V相
からW相)→(V相からU相)→(W相からU相)→
(W相からV相)へと流れモータを駆動する。そして、
前記三相差動波形の振幅を変化させることにより、モー
タのドライブ能力を制御する。
次に、入力端子2に入力される三相差動波形がフル・
スウィング(三相差動波形の振幅が大きくなり“H"の電
位が電源電圧Vccに、“L"の電位がGND10に近似し、モー
タの駆動能力が落ちてくる寸前の状態)したときの上段
および下段ドライバ1および4のサチュレーション電圧
CE(sat)上およびVCE(sat)下(モータドライブ回
路が最大の駆動能力を発揮する場合で、モータドライブ
回路で最大の電圧降下)を求める。以下、トランジスタ
Q1,Q6,Q7,のベース・エミッタ間電圧を各々VBE1,VBE6,V
BE7とし、トランジスタQ5,Q12のコレクタ・エミッタ間
電圧を各々VCE5,VCE12とし、 VBE1≒VBE6≒VBE7≒VBE ……(1) VBE>VCE5,VBE>VCE12 ……(2) なる関係が成立するものとする。
まず上段ドライバ1のサチュレーション電圧V
CE(sat)上を求める。三相差動波形のフルスウィング
時には“H"の電位が電源電圧Vccに近似することを考慮
すると、出力端子3と入力端子2の電位差はVBE1,出力
端子3と電源電圧Vccとの電位差はVBE6+VCE5であるの
で、(1)式,(2)式より VBE1<VBE6+VCE5 ……(3) となる。したがって、上段ドライバ1が動作するための
条件、つまりトランジスタQ1,Q5,およびQ6をONするため
のサチュレーション電圧VCE(sat)上は VCE(sat)上=VBE6+VCE5 ……(4) となる。
次に下段ドライバ4のサチュレーション電圧V
CE(sat)下を求める。三相差動波形のフルスウィング
時には、“L"の電位はGND10の電位に近似することを考
慮すると、出力端子3と入力端子2の電位差はVBE7、出
力端子3とGND10の電位差はVCE12であるので、(1)
式,(2)式より VBE7>VCE12 ……(5) となる。したがって、下段ドライバ4が動作するための
条件、つまりトランジスタQ7,Q12がONするためのサチュ
レーション電圧VCE(sat)下は VCE(sat)下=VBE7 ……(6) となる。よって各相の出力端子3に接続されている図示
していないモータコイルの両端にかかる電圧は、 Vcc−(VCE(sat)上+VCE(sat)下) =Vcc−VBE6−VCE5−VBE7 ……(7) となる。
[発明が解決しようとする課題] 従来の出力ドライバ回路は以上のように構成されてい
るので、上段および下段のドライバ1および4のサチュ
レーション電圧VCE(sat)上およびVCE(sat)下が比
較的大きく、モータコイル両端にかかる電圧が小さくな
るため、モータドライブ能力が小さいという問題点があ
った。
また、従来の出力ドライバ回路は、モータコイルから
の逆起電力が生じた場合、上段パワートランジスタQ6
エミッタ電位または下段パワートランジスタQ12のコレ
クタ電位が逆転するため、パワートランジスタQ6または
Q12にベース電流が供給できなくなり、出力波形にノイ
ズが発生するという問題点もあった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、出力ドライバ回路での電圧降下が小さく、
ドライブ能力が大きい出力ドライバ回路を提供すること
を目的とする。
この発明の他の目的は、モータコイルからの逆起電力
を吸収し、出力波形ノイズを減少させ得るような出力ド
ライバ回路を提供することである。
[課題を解決するための手段] 請求項1に係る発明は、入力端子に接続された制御電
極を有し、この制御電極に入力される信号のレベルに応
じた電流が流れる第1のトランジスタと、第1のトラン
ジスタの第1の電極と第1の電源間に接続され、第1の
トランジスタに流れる電流に応じた電流を発生する電流
発生手段と、出力端子と第1の電源間に接続され、電流
発生手段からの電流が制御電極に与えられ、この電流に
応じた電流を出力する第2のトランジスタと、第1の電
源の電位が低下しても、第1のトランジスタを動作させ
るためのレベルシフト手段と、レベルシフト手段と第2
の電源との間に接続され、前記第1のトランジスタとレ
ベルシフト手段とに等しい電流を流すための定電流供給
手段と、第1のトランジスタの第2の電極と第2の電源
との間に接続され、定電流供給手段からの電流に応じて
第1のトランジスタに定電流供給手段からの電流に相当
する電流を流すための第3のトランジスタとを備えて構
成される。
請求項2に係る発明は、請求項1における第1のトラ
ンジスタと電流発生手段と第2のトランジスタとレベル
シフト手段と定電流供給手段と第3のトランジスタとを
備えるとともに、さらに第2の電源と第3のトランジス
タとの間に接続され、第3のトランジスタを起動するた
めの定電流源と、第2の電源と第3のトランジスタとの
間に接続され、第3のトランジスタおよび第1のトラン
ジスタに流れる電流とレベルシフト手段に流れる電流を
等しくするためのカレントミラー回路を備えて構成され
る。
請求項3に係る発明では、請求項1および2の構成に
加えて、さらにレベルシフト手段および第3のトランジ
スタと第2の電源との間に接続され、入力される信号に
応じた電流を第3のトランジスタに流して定電流源によ
る電流のアンバランスを防止するための第2のカレント
ミラー回路を備えて構成される。
請求項4に係る発明は、請求項1の第1のトランジス
タと電流発生手段と第2のトランジスタとレベルシフト
手段と定電流供給手段と第3のトランジスタとを備える
とともに、さらに出力端子の出力電圧と予め定める基準
電圧とを比較する比較手段と、その比較結果に応じて第
2のトランジスタのベース電流を制御する制御手段とを
備えて構成される。
[作用] 請求項1に係る本発明のレベルシフト手段は、第1の
トランジスタの制御電極の電位を出力端子の電位よりも
高くしても、出力ドライバ回路内での電圧降下を小さく
し、出力端子に接続されている付加の両端にかかる電圧
を大きくする。また、第1のトランジスタに電流が流れ
た場合、その電流は電流発生手段と第1のトランジスタ
と第3のトランジスタを介して第1の電源と第2の電源
間に流れ、第2のトランジスタの制御電極には電流発生
手段から第1のトランジスタに流れる電流に応じた電流
が与えられ、第2のトランジスタはこの電流に応じた電
流を出力端子に出力する。
請求項2に係る発明では、請求項1の作用に加えて、
さらに定電流源により第3のトランジスタを起動しかつ
カレントミラー回路によって第3のトランジスタおよび
第1のトランジスタに流れる電流とレベルシフト手段に
流れる電流を等しくさせる。さらに、定電流供給手段
は、カレントミラー回路によって温度上昇,電源電圧変
動あるいは負荷変動に関わりなく、第1および第3のト
ランジスタとレベルシフト手段のそれぞれに常に一定の
電流を供給することにより、レベルシフト手段に流れる
電流を少なくでき、むだな電流が流れるのを防止でき
る。
請求項3に係る発明では、入力される信号に応じた電
流を第3のトランジスタに流し、定電流源を設けたこと
により電流のアンバランスを防止する。
請求項4に係る発明では、さらに、出力端子の出力電
圧と予め定める基準電圧とを比較し、その比較結果に応
じて第2のトランジスタの制御電極に流れる電流を制御
することにより、負荷からの逆起電力を吸収し、出力波
形ノイズを減少させる。
[実施例] 第8図は本願と同一出願人により先に出願されたこの
発明の一実施例であり、出力ドライバ回路をモータドラ
イブ回路に用いた場合の一相あたりを示す回路図であ
る。図において、従来との相違点は、トランジスタQ7,Q
1のエミッタと出力端子3との間にレベルシフト用のダ
イオードD1,D2を設け、入力端子2とトランジスタQ1
ベース間にレベルシフトダイオードD3を設けたことであ
る。ダイオードD1のカソードは出力端子3に、アノード
は抵抗R9を介し電源電圧Vccに接続され、かつトランジ
スタQ7のエミッタにも接続されている。ダイオードD2
アノードは出力端子3に接続され、カソードは抵抗R10
を介しGND10に接続されるとともに、トランジスタQ1
エミッタにも接続されている。ダイオードD3はアノード
が入力端子2に、カソードがトランジスタQ1のベースに
各々接続されている。他の構成は第9図の従来回路と同
様である。
次に動作について説明する。図示していないホールア
ンプから第10図に示すように位相が120゜ずつずれた三
相差動波形が各相の入力端子2に入力され、回転電流が
各相のモータコイルに流れ、モータが駆動される動作は
従来と同様である。この場合、トランジスタQ1がONする
と、トランジスタQ1,抵抗R10に流れる電流に応じた電流
がカレントミラー回路を介し、トランジスタQ5のコレク
タよりトランジスタQ6のベースに供給され、この電流に
応じた電流が出力端子3に出力される。一方、トランジ
スタQ7がONすると、トランジスタQ7,抵抗R9に流れる電
流に応じた電流がカレントミラー回路を介しトランジス
タQ11のコレクタよりトランジスタQ12のベースに供給さ
れ、この電流に応じた電流が出力端子3に出力される。
この場合、トランジスタQ5あるいはQ11のコレクタ電流
の基準となる電流、つまり、トランジスタQ1あるいはQ7
に流れる電流は抵抗R9あるいはR10により制限されてい
る。
次に入力端子2に入力される三相差動波形がフルスウ
ィングしたときの上段および下段ドライバ1および4の
サチュレーション電圧VCE(sat)上およびV
CE(sat)下を求める。以下、ダイオードD1の順方向電
圧降下をVD1とし、 VD1≒VBE ……(8) とする。その他の条件は従来例と同様である。
まず上段ドライバ1のサチュレーション電圧V
CE(sat)上は従来例で示した(4)式と同様である。
次に、下段ドライバ4のサチュレーション電圧V
CE(sat)下を求める。三相差動波形がフルスウィング
時には“L"の電位がGND10の電位に近似することを考慮
すると、出力端子3と入力端子2の電位差はVD1
VBE7、出力端子3とGND5との電位差はVCE12であるので
(1)式より VD1−VBE7≒VBE−VBE=0 ……(9) となり、 VD1−VBE7<VCE12 ……(10) となる。したがって、下段ドライバ4が動作するための
条件、つまりトランジスタQ7,Q12がONするためのサチュ
レーション電圧VCE(sat)下は、 VCE(sat)下=VCE12 ……(11) となる。よって、各相の出力端子3に接続されているモ
ータコイルの両端にかかる電圧は Vcc−(VCE(sat)上+VCE(sat)下) =Vcc−VBE6−VCE5−VBE12 ……(12) となる。(7)式と(12)式を(1),(2)式の条件
下において比較すると、本実施例の方が出力ドライブ回
路内での電圧降下(VCE(sat)上+VCE(sat)下)が
小さく、モータコイルの両端にかかる電圧が大きいこと
になる。その結果、モータドライブ能力が高くなるとい
う効果がある。
この場合、出力端子3とトランジスタQ1のエミッタ間
にレベルシフト用ダイオードD2を設け、かつ、入力端子
2とトランジスタQ1のベース間にダイオードD2の電圧降
下を相殺すべくレベルシフト用ダイオードD3を設けるこ
とにより、トランジスタQ1のエミッタ電位が出力端子3
よりもVBEだけ低く、トランジスタQ7のエミッタ電位がV
BEだけ高くなるため、上段ドライバ1動作時のトランジ
スタQ1〜Q5および下段ドライバ4動作時のQ7〜Q11は電
位的に余裕ができ、電源電圧Vccが低電位でも動作可能
となる。
しかし、第8図の実施例において、より多くの出力電
流を得ようとしてもトランジスタQ6,Q12の導通度を決定
する基準となる電流が前述したように抵抗R9,R10により
制限されている。したがって、より多くの出力電流を得
るため、予め抵抗R9,R10の抵抗値を小さくしておくと、
出力ドライバ回路自身に流れる電流が増加し消費電力が
増大するという不都合がある。
第7図はこのような不都合を解消するための、この発
明の他の実施例である出力ドライバ回路を示す回路図で
ある。図において、第8図に示す出力ドライバ回路との
相違点は、ダイオードD1,D2をダイオード接続されたNPN
トランジスタQD1,PNPトランジスタQD2に置換えたこと、
そして抵抗R9とトランジスタQ7のエミッタ間にトランジ
スタQ13を設けるとともに、出力端子3とトランジスタQ
D1の間にダイオード接続されたレベルシフト用PNPトラ
ンジスタQD4を新たに設けたこと、および抵抗R10とトラ
ンジスタQ1のエミッタ間にトランジスタQ14を新たに設
けるとともに、ダイオードD3をなくしたことである。ト
ランジスタQ13は、NPNトランジスタであり、ベースが抵
抗R9とトランジスタQD1のコレクタとの共通接続点に、
コレクタが電源電圧Vccに、エミッタがトランジスタQ7
のエミッタに各々接続されている。そして、トランジス
タQ13は抵抗R9によりバイアスされており、トランジス
タQ7が導通すると、トランジスタQ13を介し電流が流れ
る。トランジスタQ13を新たに設けたことでトランジス
タQ7が導通すべきベース電圧が1VBE低くなるのでこれを
相殺すべくトランジスタQD4を設けている。トランジス
タQD4は、ベースが出力端子3に、エミッタがトランジ
スタQD1のエミッタに、コレクタが出力端子に各々接続
されている。
トランジスタQ14はPNPトランジスタであり、ベースが
トランジスタQD2のコレクタと抵抗R10の接続点に、コレ
クタがGND10に、エミッタがトランジスタQ1のエミッタ
に各々接続されている。そして、トランジスタQ14は抵
抗R10によりバイアスされており、トランジスタQ1が導
通すると、トランジスタQ14を介し電流が流れる。トラ
ンジスタQ14を新たに設けたことで、トランジスタQ1
導通すべきベース電位が1VBE高くなるので、これを相殺
すべく、ダイオードD3を削除している。その他の構成は
第8図に示す回路と同様である。
動作において、図示していないホールアンプから第10
図に示すような波形が各相の入力端子2に入力され、モ
ータが駆動される動作は従来と同様であり、この場合、
出力ドライブ回路内での電圧降下が小さく、出力端子3
に接続されたモータコイルの両端にかかる電圧が大きく
なるという効果が得られるのは前記の実施例と同様であ
る。
上記動作において、トランジスタQ1が導通すると、ト
ランジスタQ1にはトランジスタQ14を介し電流が流れ、
この電流がトランジスタQ2,Q3およびQ4,Q5により構成さ
れるカレントミラー回路を介しトランジスタQ6のベース
に供給される。この場合、第8図に示した回路のよう
に、トランジスタQ6の導通度を決定する基準となる電流
が抵抗Q10の抵抗値で制限されることはない。したがっ
て、より大きい出力電流を得ることができる。また、ト
ランジスタQ7が導通すると、トランジスタQ7にはトラン
ジスタQ13を介し電流が流れ、この電流がトランジスタQ
8,Q9およびQ10,Q11により構成されるカレントミラー回
路を介しトランジスタQ12のベースに供給される。この
場合、第8図に示した回路のようにトランジスタQ12
導通度を決定する基準となる電流が抵抗R9の抵抗値で制
限されることはない。したがって、より大きい出力電流
を得ることができる。また、前述したようにトランジス
タQ6,Q2の導通度を決定する基準となる電流が抵抗R9,R
10の抵抗値により制限されないので、抵抗R9,R10の抵抗
値を大きくすることにより出力ドライバ回路内の電流を
小さくすることができ消費電力の軽減も図れる。
今、第7図に示す回路において、温度が上昇すると、
トランジスタの負の温度係数により、トランジスタのベ
ース・エミッタ間電圧が小さくなる一方、抵抗R9,R10
正の温度係数により抵抗値が大きくなる。この場合、ベ
ース・エミッタ間電圧VBE1,VBE14,VBE7,VBE13,VBED1,V
BED2,VBED4の温度変化による変化分は互いに相殺する。
しかし、トランジスタQD1,QD2,QD4に流れる電流は抵抗R
9,R10の抵抗値の変化分も影響し、このことによって生
じるベース・エミッタ間電圧VBE1,VBE14,VBE7,VBE13,V
BED1,VBED2,VBED4の変化分は相殺されない。その結果、
次のような不都合がある。つまり、前述したようにトラ
ンジスタQ1とQ7が導通すべきベース電位の差ΔVBEを1V
BEに保っており、ΔVBEと温度との関係は、 ΔVBE=VBE(25)+α(T−25℃) ……(13) α:負の温度係数(−2mV/℃) T:温度℃ VBE(25):25℃のときのベース・エミッタ間電圧 となる。そして、(13)式よりΔVBEが0になるまで、
トランジスタQ1,Q7は同時にONしない。しかし、温度が
上昇すると、前述したように相殺されない電圧の変化に
より、トランジスタQ1,Q7が同時に導通するまでの余裕
が小さくなる。
また、電源電圧Vccが変動した場合、あるいは出力端
子3に接続されている負荷が変動した場合、トランジス
タQD1,QD2,QD4に流れる電流とトランジスタQ7,Q13ある
いはQ1,Q14に流れる電流値が変化する。そのため、トラ
ンジスタQ1が導通するベース電位が低くなる一方、トラ
ンジスタQ7が導通するベース電位が高くなり、トランジ
スタQ1,Q7が同時に導通するまでの余裕が少なくなる。
以上のような場合、入力信号レベルによっては、トラ
ンジスタQ1,Q7が同時に導通し、トランジスタQ6,Q12
に貫通電流が流れる場合があるという不都合がある。
第1図はこのような不都合を解消するためのこの発明
の他の実施例である出力ドライバ回路を示す回路図であ
る。図において、第7図に示す回路との相違点は、トラ
ンジスタQD1,QD2,QD4をバイアスしている抵抗R9,R10
なくし、トランジスタQ15およびQ16,Q17およびQ18より
なるカレントミラー回路を設け、さらに回路を初期起動
させるための定電流源5,6を新たに設けたことである。
トランジスタQ15,Q16はエミッタ面積の等しいPNPトラ
ンジスタである。トランジスタQ15,Q16は、エミッタが
各々抵抗R11,R12を介し電源電圧Vccに、コレクタが各々
トランジスタQ13,QD1のコレクタに接続されている。抵
抗R11,R12の抵抗値を等しく設定している。
トランジスタQ17,Q18はエミッタ面積の等しいNPNトラ
ンジスタである。トランジスタQ17,Q18は、エミッタが
各々抵抗R13,R14を介しGND10に、コレクタが各々トラン
ジスタQ14,QD2のコレクタに接続されている。抵抗R13,R
14の抵抗値は等しく設定している。
定電流源5はトランジスタQD1のベースと電源電圧Vcc
と間に接続され、定電流源6はトランジスタQD2のベー
スとGND10の間に接続されている。その他の構成は第7
図に示す回路と同様である。
動作において、図示しないホールアンプから第10図に
示すような波形が入力端子2に入力された場合の動作は
第7図の回路と同様である。
この動作時に、温度が上昇したとする。すると、一般
にトランジスタの負の温度係数のためトランジスタのベ
ース・エミッタ間電圧が小さくなる一方、抵抗の正の温
度係数のため抵抗値は大きくなる。トランジスタQ1,Q7,
Q13,Q14,QD1,QD2,QD4のベース・エミッタ間電圧も変化
するが、これらの変化分は前述したように相殺される。
また、抵抗R11,R12,R13,R14の抵抗値を等しくしたこと
により、温度上昇による抵抗値の変化分も相殺される。
そのため、温度が上昇しても、トランジスタQ15,Q16
りなるカレントミラー回路があるので、トランジスタQ
13,Q7に流れる電流とトランジスタQD1,QD4に流れる電流
は常に等しくなる。また、トランジスタQ17,Q18よりな
るカレントミラー回路があるのでトランジスタQ1,Q14
流れる電流とトランジスタQD2に流れる電流は常に等し
くなる。
また、電源電圧Vccが変動した場合、あるいは出力端
子3に接続されている負荷が変動した場合においても、
トランジスタQ15,Q16がカレントミラー回路を構成して
いることおよびトランジスタQ17,Q18がカレントミラー
回路を構成していることによりトランジスタQ13,Q7に流
れる電流とトランジスタQD1,QD4に流れる電流、および
トランジスタQ1,Q14に流れる電流とトランジスタQD2
流れる電流とは常に等しくなる。
上記の結果、トランジスタQ1が導通するベース電位
と、トランジスタQ7が導通するベース電位とが変化する
ことがなく、いかなる入力信号が与えられても、トラン
ジスタQ1,Q7が同時に導通することにより、トランジス
タQ6,Q12間に貫通電流が流れることはない。
しかし、このような不都合がある。トランジスタQD1
のコレクタ電流をID1、定電流源5の電流をI5(微小電
流)とすると、トランジスタQD1,QD4に流れる電流はID1
+I5となる。トランジスタQ13のコレクタ電流をI13とす
ると、トランジスタQ13とQD1がカレントミラー回路とな
っていることから、I13=ID1なる関係が成立するので、
トランジスタQ13,Q7に流れる電流のトランジスタQD1,Q
D4に流れる電流とにI5の差ができる。また、トランジス
タQD2のコレクタ電流をID2、定電流源6の電流をI6(微
小電流)とすると、トランジスタQD2に流れる電流はID2
+I6となる。トランジスタQ14のコレクタ電流をI14とす
ると、トランジスタQ14とQD2がカレントミラーとなって
いることからI14=ID2が成立するので、トランジスタ
Q1,Q14に流れる電流と、トランジスタQD2に流れる電流
とにI6の差ができる。以上のような微小な電流差によ
り、トランジスタQ1が導通すべき入力信号レベルとトラ
ンジスタQ7が導通すべき入力信号のレベル差の余裕が小
さくなり、トランジスタQ1,Q7が同時に導通するまでの
温度上昇の幅が第7図に示した回路よりも少し狭くなる
という不都合がある。
第2図はこのような不都合を解消するためのこの発明
のさらに他の実施例である出力ドライバ回路を示す回路
図である。図において、第1図に示す出力ドライバ回路
との相違点は、トランジスタQ8とQ9、トランジスタQ17
とQ18ならびにトランジスタQ10とQ11よりなるカレント
ミラー回路および定電流源6をなくし、新たにトランジ
スタQ15,Q16とカレントミラー回路を構成するトランジ
スタQ19を設けたこと、および新たにトランジスタQ20,Q
21,Q22を設け、これらのトランジスタをトランジスタQ
20を基準としたカレントミラー構成とし、トランジスQ
20のコレクタに入力されるコントロール信号ICTLに比例
した電流をトランジスタQ14,QD2に流すようにしたこと
である。
トランジスタQ19はトランジスタQ15とエミッタ面積が
等しいPNPトランジスタである。トランジスタQ19のエミ
ッタは電圧電源Vccに、コレクタはトランジスタQ12のベ
ースに各々接続されている。また、トランジスタQ7のコ
レクタはGND10に接続されている。
トランジスタQ20,Q21,Q22はNPNトランジスタである。
トランジスタQ20,Q21,Q22のエミッタは各々GND10に接続
されている。トランジスタQ20,Q21,Q22のコレクタは各
々コントロール信号入力端子12、トランジスタQ14のコ
レクタ、トランジスタQD2のコレクタに接続されてい
る。コントロール入力端子12には入力端子2に入力され
る入力信号のレベルに比例したコントロール信号ICTL
入力される。なお、Q14とQD2,Q7とQD4,Q13とQD1,Q15とQ
16,Q21とQ22のエミッタ面積は等しいものとする。その
他の構成は第1図に示した回路と同様である。
次に動作について説明する。動作において図示しない
ホールアンプから第10図に示すような波形が入力端子2
に入力された場合の動作は第1図の回路と同様である。
また、温度が上昇した場合、トランジスタQ1,Q7,Q13,Q
14,QD1,QD2,QD4のベース・エミッタ間電圧の変化分が相
殺されることおよび抵抗R11,R12の抵抗値の変化分が相
殺されることによって、また、電源電圧Vccの変動ある
いは出力端子3に接続されている負荷変動によってトラ
ンジスタQ1が導通するベース電位とトランジスタQ7が導
通するベース電位との差が大幅には小さくならないこと
は第1図の動作の場合と同様である。
この回路においては、コントロール信号入力端子12か
らコントロール信号ICTLが入力されると、トランジスタ
Q20,Q21,Q22によるカレントミラー回路より、トランジ
スタQ14,QD2に等しい電流が供給される。このように定
電流源6をなくしているので、トランジスタQ1とQ7が導
通するベース電位の差は定電流源6の定電流I6だけ余裕
ができることになる。そのため、温度上昇に伴ないトラ
ンジスタQ1,Q7が同時に導通するまでの温度、つまり(1
3)式でΔVBE=0となるまでの温度の幅が第1図に示し
た回路より広くなるという効果がある。
なお、上記実施例では、コントロール信号ICTLが入力
信号レベルに比例した信号である場合について説明した
が、必ずしも入力信号のレベルに比例する必要はなく、
入力端子2に信号が入力されている場合にのみコントロ
ール信号が与えられるようにすればコントロール信号は
いかなる信号であってもよい。
また、上記実施例では下段ドライバ回路4にコントロ
ール信号ICTLを与える場合について説明したが、上段ド
ライバ1を下段ドライバ4と同様にコントロール信号I
CTLを用いて電流を流す構成にしてもよく、さらに、上
段ドライバ1および下段ドライバ4双方をコントロール
信号ICTLを用いて電流を流す構成にしても同様の効果が
得られる。
第3図はモータコイルによる正の逆起電力を吸収する
ための補正回路を付加したこの発明の一実施例の出力ド
ライバ回路を示す回路図である。図において、出力端子
3はコンパレータ11の+側入力端に接続される。このコ
ンパレータ11の−側入力端には基準電圧印加端子9が接
続される。この基準電圧印加端子9には基準電圧V
ref(=Vcc−VBE)が印加されている。コンパレータ11
の出力はPNPトランジスタQ24のベースに与えられる。こ
のトランジスタQ24のエミッタは電源電圧Vccに接続され
ている。また、トランジスタQ24のコレクタとGND10との
間には、定電流源8が接続されている。PNPトランジス
タQ25およびQ26はトランジスタQ25を基準としたカレン
トミラー回路を構成する。これらのトランジスタのエミ
ッタは、上段ドライバ1におけるトランジスタQ4のコレ
クタ,ベースおよびトランジスタQ5のベースに接続され
ている。また、トランジスタQ25のコレクタはトランジ
スタQ24のコレクタに接続されるとともに、トランジス
タQ25およびQ26の各ベースに接続されている。トランジ
スタQ26のコレクタはGND10に接続されている。以上が補
正回路の構成である。その他の構成は、第2図に示す実
施例と同様である。
次に、第3図に示す実施例の動作を説明する。今、ト
ランジスタQ24のベース電流をI8a,定電流源8の電流をI
7a,トランジスタQ25のコレクタ電流とベース電流および
トランジスタQ26のベース電流の和をI3a,トランジスタQ
25およびQ26のエミッタに流れ込む電流をI4a,上段パワ
ートランジスタQ6のベース電流をI5aとし、基準電圧印
加端子9にVref=Vcc−VBEなる電圧を印加したとする。
まず、出力電子3の電位Voutがモータコイルの正の逆
起電力によりVout>Vrefとなった場合、コンパレータ11
の出力はHレベル状態となり、トランジスタQ24のベー
ス電流I8aは流れず、トランジスタQ24はOFF状態とな
る。このとき、定電流源8はI3a=I7aなる電流を流す。
そして、トランジスタQ25とQ26とによって構成されるカ
レントミラー回路は、それぞれのエミッタ面積比で決定
される電流I4aをトランジスタQ4のコレクタおよびベー
スとトランジスタQ5のベースとから引き込む。その結
果、トランジスタQ4,Q5のカレントミラーによって上段
パワートランジスタQ6ベースに電流I5aが供給される。
したがって、上段パワートランジスタQ6がONし、出力端
子3の電位Voutが低下する。このように、帰還をかける
ことによって出力電位VoutはVrefより高い電圧になるこ
とはない。
次に、出力端子3の電位VoutがVout≦Vrefのとき、コ
ンパレータ11の出力はLレベル状態となり、トランジス
タQ24のベース電流I8aを流し、トランジスタQ24はON状
態となる。定電流源8はトランジスタQ24のコレクタ電
流を定電流I7aで引き込む。したがって、トランジスタQ
25のコレクタ電流とベース電流およびトランジスタQ26
のベース電流の和の電流I3aは流れず、トランジスタ
Q25,Q26はOFF状態となる。その結果、電流I4aは流れ
ず、上段ドライバ1は、補正回路がない状態、すなわち
第2図に示す実施例と同様の動作を行なう。
第4図は、モータコイルによる正の逆起電力を吸収す
るための補正回路を付加したこの発明の他の実施例の出
力ドライバ回路を示す回路図である。図において、出力
端子3の出力電圧は、ダイオード接続されたPNPトラン
ジスタQ23,基準電圧補正用抵抗R15およびR16を介してト
ランジスタQ24のベースに与えられる。抵抗R15とR16
の接続点GND10との間には、定電流源7が接続される。
トランジスタQ24のエミッタ基準電圧印加端子9に接続
される。その他の構成は、第3図に示す実施例と同様で
ある。
次に、第4図に示す実施例の動作を説明する。今、抵
抗R15に流れる電流をI1a,抵抗R16に流れる電流をI2a
し、定電流源7による定電流をI6aとする。
まず、出力端子3の出力電位Voutがモータコイルの正
の逆起電力によりVout>Vrefになったとき、I1a=I6a
なる電流が流れ、抵抗R16には電流I2aは流れない。した
がって、トランジスタQ24はOFF状態となり、定電流源8
はI3a=I7aとなる電流を流す。そして、トランジスタQ
25とQ26により構成されるカレントミラー回路は、それ
ぞれのトランジスタのエミッタ面積比で決定される電流
I4aをトランジスタQ4およびQ5により構成されるカレン
トミラー回路から引き込む。したがって、トランジスタ
Q4およびQ5のカレントミラー回路によって上段パワート
ランジスタQ6のベースに電流I5aが供給される。このよ
うに帰還をかけることによって出力端子3の出力電位V
outは基準電圧Vrefよりも高い電圧にはならない。
次に、出力端子3の出力電圧VoutがVout≦Vrefのと
き、抵抗R15には電流I2aが流れず、抵抗R16にはI2a=I
6aなる電流が流れる。したがって、トランジスタQ24がO
N状態となる。このとき、定電流源8は、トランジスタQ
24のコレクタ電流を定電流I7aで引き込む。そのため、
トランジスタQ25のコレクタ電流とベース電流およびト
ランジスタQ26のベース電流の和の電流I3aは流れず、ト
ランジスタQ25,Q26はOFF状態となる。その結果、トラン
ジスタQ4,Q5のカレントミラー回路には電流I4aが流れ
ず、上段ドライバ1は補正回路のない状態と同様の動作
をする。
なお、第3図および第4図に示す実施例では、モータ
コイルによる正の逆起電力を吸収するための補正回路を
示したが、負の逆起電力に対しても同じような構成にす
れば第3図および第4図に示す実施例と同様の効果を奏
する。そのような実施例を第5図および第6図に示す。
第5図は、モータコイルによる負の逆起電力を吸収す
るための補正回路を付加したこの発明の一実施例の出力
ドライバ回路を示す回路図である。図において、出力端
子3はコンパレータ11の正側入力端に接続される。コン
パレータ11の負側入力端は、GND10に接続される。した
がって、この実施例ではGND10の電位が基準電圧として
コンパレータ11に与えられる。コンパレータ11の出力は
トランジスタQ24のベースに与えられる。トランジスタQ
24のコレクタと電源電圧Vccとの間には定電流源8が接
続される。また、トランジスタQ24のエミッタはGND10に
接続される。トランジスタQ25とQ26はトランジスタQ25
を基準とするカレントミラー回路を構成している。トラ
ンジスタQ25,Q26の各エミッタは、下段パワートランジ
スタQ12のベースに接続される。トランジスタQ25のコレ
クタおよびベースと、トランジスタQ26のベースはトラ
ンジスタQ24のコレクタに接続される。トランジスタQ26
のコレクタは電源電圧Vccに接続される。
次に、第5図に示す実施例の動作を説明する。まず、
モータコイルの負の逆起電力により出力端子3の出力電
位Voutが基準電圧(GND10の電位)より小さくなった場
合、コンパレータ11の出力がLレベルとなり、トランジ
スタQ24がOFF状態となる。その結果、トランジスタQ25
に定電流源8の定電流I8が流れ、トランジスタQ26にお
いて電流増幅され、下段パワートランジスタQ12のベー
ス電流が供給される。一方、出力端子3の出力電位Vout
が基準電圧GNDより大きくなった場合、コンパレータ11
の出力がHレベルとなり、トランジスタQ24がON状態と
なり、トランジスタQ25,Q26がOFF状態となる。そのた
め、補正回路は働かず、下段ドライバ4は通常動作を行
なう。
第6図は第5図に示す実施例の具体的回路構成の一例
を示す図である。図において、出力端子3はダイオード
接続されたPNPトランジスタQ23,抵抗R15およびR16を介
してトランジスタQ24のベースに接続される。また、抵
抗R15と抵抗R16との接続点と電源電圧Vccとの間には定
電流源7が設けられる。その他の構成は、第5図に示す
実施例と同様である。
上記第6図の実施例の動作は第5図に示す実施例と同
様であるが、第5図に示すコンパレータ11のスレッショ
ルドレベルの調整は、抵抗R15,R16の抵抗値と定電流源
7の定電流I6aを変えることによって行なう。
なお、以上説明した実施例では、差動入力が三相の場
合について説明したが、二相,四相などの任意の多相入
力でもこの発明を適用することができ、上記実施例と同
様の効果が得られる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、レベルシフト手段
を設けて、第1のトランジスタの制御電極の電位を出力
端子の電位よりも高くしても、出力ドライバ回路内での
電圧降下を小さくし、出力端子に接続されている負荷の
両端にかかる電圧を大きくすることができ、ドライブ能
力を高めることができる。
また、第1のトランジスタに電流が流れた場合、その
電流は電流発生手段と第1のトランジスタと第3のトラ
ンジスタとを介して第1の電源と第2の電源間に流れる
ようにしたので、抵抗などによる制限を受けることな
く、電流発生手段から第3のトランジスタの制御電極に
電流が供給されるため、十分に大きな出力電流を得るこ
とができる。
さらに、第1および第3のトランジスタとレベルシフ
ト手段とに等しい電流を流すための定電流供給手段を設
けたので、第1のトランジスタが導通すべき制御電極の
電位は常に一定であり、温度上昇,電源電圧変動あるい
は負荷変動に起因し、第1のトランジスタが導通するの
を防止することができる。特に、入力端がプッシュプル
構成の場合、温度上昇,電源電圧変動あるいは負荷変動
に起因して第2のトランジスタに流れる貫通電流の発生
をある程度まで抑えることができる。
また、負荷に発生した逆起電圧により出力端子の電位
が変動しても、その変動を検知して第2のトランジスタ
の制御電極に流れる電流を制御するようにしたので、負
荷からの起電力を吸収し、出力波形ノイズを減少させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す回路図である。 第2図はこの発明の他の実施例を示す回路図である。 第3図はモータコイルによる正の逆起電力を吸収するた
めの補正回路を付加したこの発明の一実施例の出力ドラ
イバ回路を示す回路図である。 第4図はモータコイルによる正の逆起電力を吸収するた
めの補正回路を付加したこの発明の他の実施例の出力ド
ライバ回路を示す回路図である。 第5図はモータコイルによる負の逆起電力を吸収するた
めの補正回路を内蔵したこの発明の一実施例の出力ドラ
イバ回路を示す回路図である。 第6図は第5図に示す実施例の具体的な回路構成例を示
す図である。 第7図および第8図は第9図に示す従来回路の改良発明
を示す回路図である。 第9図は従来の出力ドライバ回路を示す回路図である。 第10図は三相差動入力を示す波形図である。 図において、1は上段ドライバ、2は入力端子、3は出
力端子、4は下段ドライバ、Q6は上段パワートランジス
タ、Q12は下段パワートランジスタ、9は基準電圧印加
端子、11はコンパレータを示す。 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力端子に接続された制御電極を有し、前
    記制御電極に入力される信号のレベルに応じた電流が流
    れる第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの第1の電極と、第1の電源間
    に接続され、前記第1のトランジスタに流れる電流に応
    じた電流を発生する電流発生手段と、 出力端子と前記第1の電源間に接続され、前記電流発生
    手段からの電流が制御電極に与えられ、この電流に応じ
    た電流を出力する第2のトランジスタと、 前記第1の電源の電位が低下しても前記第1のトランジ
    スタを動作させるためのレベルシフト手段と、 前記レベルシフト手段と第2の電源との間に接続され、
    前記第1のトランジスタと前記レベルシフト手段とに一
    定の電流を流すための定電流供給手段と、 前記第1のトランジスタの第2の電極と前記第2の電源
    との間に接続され、前記定電流供給手段からの電流に応
    じて前記第1のトランジスタに該定電流供給手段からの
    電流に相当する電流を流すための第3のトランジスタと
    を備えた、出力ドライバ回路。
  2. 【請求項2】入力端子に接続された制御電極を有し、前
    記制御電極に入力される信号のレベルに応じた電流が流
    れる第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの第1の電極と、第1の電源間
    に接続され、前記第1のトランジスタに流れる電流に応
    じた電流を発生する電流発生手段と、 出力端子と前記第1の電源間に接続され、前記電流発生
    手段からの電流が制御電極に与えられ、この電流に応じ
    た電流を出力する第2のトランジスタと、 前記第1の電源の電位が低下しても前記第1のトランジ
    スタを動作させるためのレベルシフト手段と、 前記レベルシフト手段と第2の電源との間に接続され、
    前記第1のトランジスタと前記レベルシフト手段とに一
    定の電流を流すための定電流供給手段と、 前記第1のトランジスタの第2の電極と前記第2の電源
    との間に接続され、前記定電流供給手段からの電流に応
    じて、前記第1のトランジスタに該定電流供給手段から
    の電流に相当する電流を流すための第3のトランジスタ
    と、 前記第1の電源と前記第3のトランジスタとの間に接続
    され、前記第3のトランジスタを起動するための定電流
    源と、 前記第1の電源と前記第3のトランジスタとの間に接続
    され、前記第3のトランジスタおよび前記第1のトラン
    ジスタに流れる電流と前記レベルシフト手段に流れる電
    流を等しくするためのカレントミラー回路とを備えた、
    出力ドライバ回路。
  3. 【請求項3】入力端子に接続された制御電極を有し、前
    記制御電極に入力される信号のレベルに応じた電流が流
    れる第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの第1の電極と、第1の電源間
    に接続され、前記第1のトランジスタに流れる電流に応
    じた電流を発生する電流発生手段と、 出力端子と前記第1の電源間に接続され、前記電流発生
    手段からの電流が制御電極に与えられ、この電流に応じ
    た電流を出力する第2のトランジスタと、 前記第1の電源の電位が低下しても前記第1のトランジ
    スタを動作させるためのレベルシフト手段と、 前記レベルシフト手段と第2の電源との間に接続され、
    前記第1のトランジスタと前記レベルシフト手段とに一
    定の電流を流すための定電流供給手段と、 前記第1のトランジスタの第2の電極と前記第2の電源
    との間に接続され、前記定電流供給手段からの電流に応
    じて、前記第1のトランジスタに該定電流供給手段から
    の電流に相当する電流を流すための第3のトランジスタ
    と、 前記第1の電源と前記第3のトランジスタとの間に接続
    され、前記第3のトランジスタを起動するための定電流
    源と、 前記第1の電源と前記第3のトランジスタとの間に接続
    され、前記第3のトランジスタおよび前記第1のトラン
    ジスタに流れる電流と前記レベルシフト手段に流れる電
    流を等しくするための第1のカレントミラー回路と、 前記レベルシフト手段および前記第3のトランジスタと
    前記第2の電源との間に接続され、前記入力される信号
    に応じた電流を前記第3のトランジスタに流して前記定
    電流源による電流のアンバランスを防止するための第2
    のカレントミラー回路とを備えた、出力ドライバ回路。
  4. 【請求項4】入力端子に接続された制御電極を有し、前
    記制御電極に入力される信号のレベルに応じた電流が流
    れる第1のトランジスタと、 前記第1のトランジスタの第1の電極と、第1の電源間
    に接続され、前記第1のトランジスタに流れる電流に応
    じた電流を発生する電流発生手段と、 出力端子と前記第1の電源間に接続され、前記電流発生
    手段からの電流が制御電極に与えられ、この電流に応じ
    た電流を出力する第2のトランジスタと、 前記第1の電源の電位が低下しても前記第1のトランジ
    スタを動作させるためのレベルシフト手段と、 前記レベルシフト手段と第2の電源との間に接続され、
    前記第1のトランジスタと前記レベルシフト手段とに一
    定の電流を流すための定電流供給手段と、 前記第1のトランジスタの第2の電極と前記第2の電源
    との間に接続され、前記定電流供給手段からの電流に応
    じて、前記第1のトランジスタに該定電流供給手段から
    の電流に相当する電流を流すための第3のトランジスタ
    と、 前記出力端子の出力電圧と予め定める基準電圧とを比較
    する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に応じて、前記第2のトランジ
    スタのベース電流を制御する制御手段とを備えた、出力
    ドライバ回路。
JP1099310A 1988-05-23 1989-04-18 出力ドライバ回路 Expired - Lifetime JP2552541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1099310A JP2552541B2 (ja) 1988-05-23 1989-04-18 出力ドライバ回路

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12614388 1988-05-23
JP63-126143 1988-05-23
JP1099310A JP2552541B2 (ja) 1988-05-23 1989-04-18 出力ドライバ回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0251392A JPH0251392A (ja) 1990-02-21
JP2552541B2 true JP2552541B2 (ja) 1996-11-13

Family

ID=26440450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1099310A Expired - Lifetime JP2552541B2 (ja) 1988-05-23 1989-04-18 出力ドライバ回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2552541B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5728582A (en) * 1980-07-25 1982-02-16 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd Driving device for commutatorless direct current motor
JPS6142288A (ja) * 1984-07-31 1986-02-28 Sankyo Seiki Mfg Co Ltd ブラシレスモ−タの駆動回路
JPS62138084A (ja) * 1985-12-11 1987-06-20 Mitsubishi Electric Corp モ−タ用icの出力回路
JPH0669308A (ja) * 1992-04-27 1994-03-11 Nec Corp 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0251392A (ja) 1990-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2689708B2 (ja) バイアス電流制御回路
JPH0630030B2 (ja) 直流電圧調整装置
JPH0727424B2 (ja) 定電流源回路
JPH0677741A (ja) Mosパワートランジスタの最大電流を制御するための回路
US4987352A (en) Brushless motor driver
US5331259A (en) Brushless motor drive circuit
JP2552541B2 (ja) 出力ドライバ回路
JP3461276B2 (ja) 電流供給回路およびバイアス電圧回路
US4788478A (en) Speed control system for DC motor
JP3539604B2 (ja) モータ駆動回路
JP3443591B2 (ja) コイル負荷駆動回路
JPH0669308B2 (ja) モータードライブ回路
JPH0628013B2 (ja) レギュレ−タ回路
JPH05235662A (ja) 定電流発生回路
JPH0683045B2 (ja) スイツチングアンプ
JP3065098B2 (ja) ブラシレス直流モータ駆動回路
JP2815434B2 (ja) 出力回路装置
JPH0753297Y2 (ja) 差動増幅回路
JP2777002B2 (ja) モータ駆動装置
JPH01295689A (ja) 出力ドライバー回路
JP2793343B2 (ja) バイアス回路
JPH062347Y2 (ja) 信号切換回路
JPH1063355A (ja) 低飽和電源回路
KR0112748Y1 (ko) 전파 정류 회로
JP2687160B2 (ja) スイッチ回路